自動分析装置および動作環境設定方法
【課題】分析開始時刻までに装置の環境設定動作を完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させること。
【解決手段】自動分析装置1は、その動作環境を設定するための単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作を分析工程に先立って行うが、制御部4の予約登録部41は、この分析を開始する分析開始時刻や、分析開始の前に行わせる環境設定動作の動作コース等の指定を入力部6を介して受け付け、指定された動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作の単位動作時間をもとに環境設定動作の環境設定時間を算出する。そして、予約登録部41は、分析開始時刻と環境設定時間とをもとに環境設定動作の環境設定開始時刻を決定して登録する。環境設定制御部43は、現在時刻を監視し、環境設定開始時刻となったときに指定された動作コースの環境設定動作の制御を開始する。
【解決手段】自動分析装置1は、その動作環境を設定するための単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作を分析工程に先立って行うが、制御部4の予約登録部41は、この分析を開始する分析開始時刻や、分析開始の前に行わせる環境設定動作の動作コース等の指定を入力部6を介して受け付け、指定された動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作の単位動作時間をもとに環境設定動作の環境設定時間を算出する。そして、予約登録部41は、分析開始時刻と環境設定時間とをもとに環境設定動作の環境設定開始時刻を決定して登録する。環境設定制御部43は、現在時刻を監視し、環境設定開始時刻となったときに指定された動作コースの環境設定動作の制御を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置およびこの自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、反応容器内に血液や体液等の検体と試薬とを分注し、当該反応容器内で生じた反応を光学的に測定することによって検体の分析を行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置では、安定した測定を行うため、検体の分析を開始する前に装置各部のクリーニング等の準備動作を行って装置の動作環境を設定する必要がある。準備動作は、例えば電源が投入されて装置を起動したときに行われる。この準備動作にかかる技術としては、例えば、予め電源を立ち上げる日時とともに、立ち上げ時に必要な準備動作を選択できるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平08−338848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、所望の時間に装置を起動させ、必要な準備動作を行わせることができる。しかしながら、実際に分析を開始するのは準備動作の終了後であるため、オペレータは準備動作が完了するまで待機する必要があり、この間の時間が無駄である。準備動作に要する時間を予測することもできるが、複数の準備動作を行う場合には、その組み合わせに応じて準備動作の所要時間を予測しなければならず、オペレータにとって手間であり、予測を誤った場合には無駄な時間を省くことができない。また、反応容器内の汚染を考慮すれば、準備動作の後速やかに分析を開始することが望ましい。
【0005】
この発明は、上記に鑑みて為されたものであって、分析開始時刻までに装置の環境設定動作を完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができる自動分析装置およびその動作環境設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる自動分析装置は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶手段と、前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼手段と、前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出手段と、前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定手段と、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記単位設定動作のうち、同時に動作可能な単位設定動作が予め定義されており、前記環境設定時間算出手段は、前記指定された環境設定動作を構成する単位設定動作の中から同時に動作可能な単位設定動作を判定して、判定結果に従って前記環境設定時間を算出し、前記分析前環境設定制御手段は、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記同時に動作可能な単位設定動作の制御を同時に行って前記指定された環境設定動作を制御することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、所定の分析項目を分析するための測定の指定を依頼する分析項目指定依頼手段を有し、前記環境設定時間算出手段は、前記分析項目指定依頼手段による依頼に応答して指定された測定のための環境設定動作に要する動作時間を加味して前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、前記分析前環境設定制御手段は、前記指定された環境設定動作に加えて前記指定された測定のための環境設定動作を制御することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の指定を依頼する周期指定依頼手段を有し、前記分析前環境設定制御手段は、前記周期指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の周期で、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定を依頼する期間指定依頼手段を有し、前記分析前環境設定制御手段は、前記期間指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の期間中、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、分析終了後に行わせる少なくとも一の単位設定動作の指定を依頼する分析後動作指定依頼手段を有し、分析終了後に、前記分析後動作指定依頼手段による依頼に応答して指定された単位設定動作を制御する分析後環境設定制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる動作環境設定方法は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法であって、当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶ステップと、前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼ステップと、前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出ステップと、前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定ステップと、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、検体の分析開始時刻の指定と、分析を開始する前に行わせる単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼し、指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出できる。そして、指定された分析開始時刻と算出した環境設定時間とをもとに指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、決定した環境設定動作の開始時刻に指定された環境設定動作の制御を開始することができる。したがって、環境設定動作を指定された分析開始時刻までに完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができる。これによってオペレータは、環境設定動作が完了するまで待機する等の無駄な時間を過ごすことがなくなり、環境設定動作に要する時間を予測する必要もない。そして、環境設定動作の後速やかに分析を開始させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。図1は、本実施の形態にかかる自動分析装置1の内部構成の一例を示す模式図であり、図2は、自動分析装置1の主要機能構成の一例を示すブロック図である。この自動分析装置1は、複数の検体の生化学的な分析を自動的に行う装置であり、分析対象の検体と試薬とを反応容器(キュベット)Cにそれぞれ分注し、分注した反応容器C内で生じる反応を光学的に測定する。具体的には、自動分析装置1は、検体搬送機構11と、検体分注機構13と、ISE測定装置17と、試薬庫19と、試薬分注機構21と、反応槽25と、攪拌装置27と、測光光学系29と、洗浄装置31とで構成された測定機構2を備える。
【0015】
図1に示すように、検体搬送機構11は、血液や尿等の検体を収容した複数の検体容器121が搭載された複数の検体ラック12を収納する。この検体搬送機構11は、後述する制御部4の制御のもと、図1中の矢印方向に検体ラック12を順次移送し、検体搬送機構11上の所定の検体吸引位置P1に検体容器121を搬送する。検体吸引位置P1に搬送された検体容器121内の検体は、検体分注機構13によって、反応槽25内に配列して搬送される反応容器Cに分注される。
【0016】
検体分注機構13は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム131を備え、このアーム131に、検体の吸引および吐出を行うプローブが取り付けられて構成されている。この検体分注機構13は、制御部4の制御のもと、検体搬送機構11上の検体吸引位置P1に搬送された検体容器121からプローブによって検体を吸引し、反応槽25上の検体吐出位置P2に搬送された反応容器Cに吸引した検体を吐出して分注を行う。検体分注機構13のプローブは、分注終了後、プローブの移動経路上に配設された洗浄槽15で流水・洗浄される。また、検体分注機構13は、制御部4の制御のもと、検体搬送機構11上の検体吸引位置P1に搬送された検体容器121から検体を吸引し、ISE測定装置17が具備する測定容器171に検体を吐出して分注を行う。
【0017】
ISE測定装置17は、電極法によって検体中の電解質検査項目を分析する電解質分析装置であり、制御部4の制御のもと、検体分注機構13によって測定容器171に分注された検体中のナトリウム,塩素,カリウム,カルシウム,無機リン等の電解質濃度(イオン濃度)を、イオン選択性電極等を用いて測定(以下、適宜「ISE(Ion Selective Electrodes)測定」と呼ぶ。)する。このISE測定装置17によるISE測定の結果は、後述する制御部4に出力される。
【0018】
試薬庫19は、分析項目に応じた所定の試薬をそれぞれ収容した複数の試薬容器Bを収納する。この試薬庫19は、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした回動が自在に構成されており、所望の試薬容器Bを所定の試薬吸引位置P3まで搬送する。なお、試薬庫19は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、試薬庫19の下方には不図示の恒温槽が設けられており、内部を覆う蓋とともに、各試薬容器Bに収容された試薬を恒温状態に保つ保冷庫を構成している。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0019】
試薬分注機構21は、検体分注機構13と同様に、試薬の吸引および吐出を行うプローブが取り付けられたアーム211を備える。アーム211は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。この試薬分注機構21は、制御部4の制御のもと、試薬庫19上の試薬吸引位置P3に搬送された試薬容器Bからプローブによって試薬を吸引し、反応槽25上の試薬吐出位置P4に搬送された反応容器Cに吸引した試薬を吐出して分注を行う。試薬分注機構21のプローブは、分注終了後、プローブの移動経路上に配設された洗浄槽23で流水・洗浄される。
【0020】
反応槽25は、それぞれ検体および試薬が分注される複数の反応容器Cが載置される。この反応槽25は、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした回動が自在に構成されており、反応容器Cを、検体吐出位置P2や試薬吐出位置P4、攪拌装置27下方の攪拌位置、測光位置P5、洗浄装置31下方の洗浄位置の各位置に反応容器Cを搬送する。なお、反応槽25は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、反応槽25の下方には不図示の恒温槽が設けられており、内部を覆う蓋とともに、内部の温度を体温程度の温度に保温する保温槽を構成している。
【0021】
攪拌装置27は、不図示の攪拌棒によって攪拌位置に搬送された反応容器Cに分注された検体と試薬との攪拌を行い、反応を促進させる。攪拌棒は、攪拌終了後、不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0022】
測光光学系29は、測光位置P5に搬送された反応容器Cに光を照射し、反応容器C内の反応液を透過した光を受光して強度測定を行う。例えば、白色光を照射する光源291と、反応容器Cを透過した白色光を分光する分光光学系293と、この分光光学系293で分光した光を成分毎に受光する受光素子295とを備える。この測光光学系29による測定結果は、制御部4に出力され、後述の分析部5において分析される。
【0023】
洗浄装置31は、測光光学系29による測定が終了して装置下方の所定位置に搬送された反応容器Cを洗浄対象として、この反応容器C内部の反応液を吸引して排出するとともに、反応容器C内に洗浄水等の洗浄液を供給および吸引することによってその洗浄を行う。ここで洗浄された反応容器Cは、再び分析に使用される。
【0024】
上記構成の自動分析装置1では、反応槽25内を順次搬送される複数の反応容器Cに対し、検体分注機構13が検体容器121中の検体を分注し、試薬分注機構21が試薬容器B中の試薬を分注する。続いて、攪拌装置27が反応容器C内の試薬と検体とを攪拌して反応させた後、測光光学系29が反応させた状態の試料の分光強度測定を行う。そして、測定結果を分析部5が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。続いて、洗浄装置31が測光光学系29によって測定された反応容器Cの洗浄を行い、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。また、必要に応じて検体分注機構13が検体容器121中の検体をISE測定装置17内の測定容器171に分注し、ISE測定装置17が測定容器171内に分注された検体中の電解質濃度の測定を行う。
【0025】
また、自動分析装置1は、図2に示すように、装置を構成する各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って各部の制御を行い、装置全体の動作を統括的に制御する制御部4を備える。制御部4は、マイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。この制御部4は、分析部5と接続されており、測光光学系29による測定結果やISE測定装置17によるISE測定の結果を分析部5に出力する。分析部5は、測光光学系29による測定結果をもとに検体の成分濃度等を分析し、あるいはISE測定装置17によるISE測定の結果をもとに検体中の電解質検査項目を分析して、分析結果を制御部4に出力する。この制御部4は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部6や、分析結果画面や警告画面、各種設定入力のための入力画面等を表示するためのLCDやELD等の表示装置で構成される表示部7、記憶部8と接続されている。
【0026】
また、制御部4は、分析開始時刻の予約を受け付け、自動分析装置1に行わせる環境設定動作の開始時刻を決定して登録する環境設定予約処理を行う予約登録部41を備える。自動分析装置1は、装置の動作環境を設定するための単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作を分析工程に先立って行うが、予約登録部41は、この分析を開始する分析開始時刻や、分析開始の前に行わせる環境設定動作の動作コース等の指定を入力部6を介して受け付け、指定された動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作に要する単位動作時間をもとに環境設定動作に要する環境設定時間を算出する。そして、予約登録部41は、指定された分析開始時刻と算出した環境設定時間とをもとに環境設定動作の開始時刻(環境設定開始時刻)を決定して記憶部8に格納される環境設定スケジュールデータ85に登録する。
【0027】
また、制御部4は、環境設定スケジュールデータ85をもとに現在時刻を監視し、環境設定開始時刻となったときに指定された動作コースの環境設定動作の制御を開始して、自動分析装置1にこの環境設定動作を行わせる環境設定制御処理を行う環境設定制御部43を備える。この環境設定制御部43は、ISE測定の設定が指定されている場合には、ISE測定装置17に後述するISE測定時クリーニングを行わせるための制御を加えて行う。また、分析終了後動作設定が指定されている場合には、分析工程を終えた後、指定された動作コースを構成する各単位設定動作を順次制御する。
【0028】
記憶部8は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵或いはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD−ROM等の情報記憶媒体及びその読取装置等によって実現されるものであり、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種プログラムや、これらプログラムの実行にかかるデータ等が格納される。また、記憶部8には、本実施の形態を実現するため、制御部4を予約登録部41として機能させるための環境設定予約プログラム81と、制御部4を環境設定制御部43として機能させるための環境設定制御プログラム82と、動作コース一覧テーブル83と、単位動作時間データ84と、環境設定スケジュールデータ85とを含む。
【0029】
動作コース一覧テーブル83は、動作コースと、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作との対応関係を定義したデータテーブルである。図3は、動作コース一覧テーブル83のデータ構成例を示す図である。図3に示すように、動作コース一覧テーブル83には、動作コースと対応付けて、その環境設定動作を構成する単位設定動作の一覧が設定されている。
【0030】
ここで、各動作コースについて説明する。「週間強化クリーニング」は、週に1回程度行うクリーニングである。「月間強化クリーニング」は、月に1回程度行うクリーニングである。「分析開始前クリーニング」は、分析の開始前に行うクリーニングであり、本クリーニングは、「週間強化クリーニング」または「月間強化クリーニング」によって代用できる。すなわち、これらのクリーニングを分析開始の前に行った場合には、再度「分析開始前クリーニング」を行う必要はない。「分析開始準備動作」は、分析を中断した場合に、再開前に行うクリーニングである。「分析開始前ウォームアップ」は、分析の開始前に行う動作である。「分析終了後クリーニング」は、分析の終了後に行うクリーニングである。「ISE測定時クリーニング」は、検体の分析項目に電解質検査項目が含まれており、分析工程でISE測定を行う場合に行うクリーニングである。
【0031】
続いて、各単位設定動作について説明する。「検体プローブクリーニング」では、検体分注機構13のプローブに洗剤液の吸引・吐出を行わせて洗剤洗浄を行い、続いて純水等の洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「検体プローブ強化クリーニング」では、検体分注機構13のプローブに洗剤液の吸引を行わせて所定時間漬け置きした後、この洗剤液を吐出させて洗剤洗浄し、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「試薬プローブクリーニング」では、試薬分注機構21のプローブに洗剤液の吸引・吐出を行わせて洗剤洗浄を行い、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「試薬プローブ強化クリーニング」では、試薬分注機構21のプローブに洗浄水の吸引を行わせて所定時間漬け置きした後、この洗剤液を吐出させて洗剤洗浄し、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「攪拌装置クリーニング」では、攪拌装置27の攪拌棒を洗剤液で洗剤洗浄した後、洗浄水で水洗浄する。「攪拌装置強化クリーニング」では、攪拌装置27の攪拌棒を洗剤液に所定時間漬け置きして洗剤洗浄した後、洗浄水で水洗浄する。[反応槽クリーニング」では、反応槽25内に載置される各反応容器Cに洗浄液を吐出・吸引して洗剤洗浄を行い、続いて洗浄水を吐出・吸引して水洗浄を行う。「反応槽強化クリーニング」では、反応槽25内に載置される各反応容器Cに洗剤等の洗浄液を吐出して所定時間漬け置きした後、吸引して洗剤洗浄を行い、続いて純水等の洗浄水を吐出・吸引して水洗浄を行う。「試薬庫ウォームアップ」では、試薬庫の温度を所定の温度に調整して冷却する。「反応槽ウォームアップ」では、反応槽の温度を体温程度の温度に調整する。「反応槽キャリブレーション」では、各反応容器C内に水等のブランク試料を分注して光量を測定する。測定したブランク試料の光量は、分析部5が、測光光学系29による測定結果をもとに反応液の吸光度を求める際に用いられる。またこのとき、得られたブランク試料の光量をもとに各反応容器Cの傷のチェック等を行う。「ISE配管クリーニング」では、ISE測定装置17内の配管を洗浄する。「ISE容器クリーニング」では、ISE測定に用いる検体が分注される測定容器171内の洗剤洗浄および水洗浄を行う。
【0032】
この動作コース一覧テーブル83には、上記した予め用意される動作コースの他、オペレータの操作によって編集された動作コースが適宜追加される。例えば、ISE測定を頻繁に行う場合に、動作コース「分析開始前クリーニング」に「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」を追加した新たな動作コースを編集するといった場合が考えられる。また、動作コースを構成する単位設定動作を変更する編集操作が為された場合には、この動作コース一覧テーブル83の該当する動作コースと単位設定動作との対応関係が変更される。
【0033】
単位動作時間データ84は、各単位設定動作と対応付けて、それぞれその動作の所要時間を記憶する。なお、実際の各単位設定動作の所要時間を毎回記録しておき、変動した場合に単位動作時間データ84を書き換える構成としてもよい。
【0034】
環境設定スケジュールデータ85は、予約登録処理において予約登録される環境設定動作にかかるデータを記憶する。図4は、環境設定スケジュールデータ85のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、予約登録部41は、環境設定開始時刻と、分析開始時刻と、動作コースと、ISE測定設定の指定の有無(ON/OFF情報)と、分析終了後動作設定の指定の有無(ON/OFF情報)および指定があった場合(ONの場合)には併せて指定された動作コースとが対応付けられたデータテーブルである。環境設定制御部43は、この環境設定スケジュールデータ85を参照し、例えば、現在時刻がレコードR10に示す環境設定開始時刻2007年10月23日午前7時30分になったときに、対応する動作コース「分析開始前クリーニング」の環境設定動作の制御を開始する。またこのとき、ISE測定設定が「ON」であるので、環境設定制御部43は、「ISE測定時クリーニング」の制御を併せて行う。そして、分析開始時刻2007年10月23日午前8時までにこの環境設定動作を完了させる。また、分析終了後動作設定が「ON」であるため、環境設定制御部43は、分析の終了後、対応する動作コース「月間強化クリーニング」の環境設定動作を制御する。
【0035】
次に、制御部4が行う処理手順について説明する。先ず、環境設定予約処理について説明する。図5は、環境設定予約処理の手順を示すフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部4の予約登録部41が環境設定予約プログラム81を読み出して実行することによって実現される。
【0036】
すなわち、予約登録部41は、先ず、分析開始予約入力画面を表示部7に表示する制御を行い、動作環境設定の予約登録操作を受け付ける(ステップS10)。
【0037】
図6は、分析開始予約入力画面W10の一例を示す図である。図6に示すように、分析開始予約入力画面W10にはカレンダーC10が表示され、既に登録されている分析予約スケジュールが表示される。例えば、2007年10月23日には、分析開始時刻が午前8時に指定され、この分析を開始する前の環境設定動作の動作コースとして「分析開始前クリーニング」が指定された予約が登録されている。また、この分析開始予約入力画面W10には、コース編集メニューの選択を受け付けるコース編集ボタンB11や予約一括入力メニューの選択を受け付ける一括入力ボタンB13、予約登録ボタンB15、取り消しボタンB17が配置されている。オペレータは、プルダウン(以下、「PD」と略す。)メニューP11から所望の年を選択し、PDメニューP13から所望の月を選択してカレンダーC10を切り替え、カレンダーC10から所望の日付を選択して予約詳細入力のための操作を行う。また、コース編集ボタンB11を押下し、コース編集のための操作を行う。また、一括入力ボタンB13を押下し、予約一括入力のための操作を行う。操作内容に従って予約登録を行う場合には予約登録ボタンB15を押下する。予約登録部41は、この予約登録ボタンB15の押下操作に応じて後述する環境設定開始時刻設定処理を実行する。一方、オペレータは、予約登録を取り消す場合には取り消しボタンB17を押下する。
【0038】
先ず、予約詳細入力について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上の日付の選択操作に応じて、検体の分析を開始する分析開始時刻の指定や、この分析を開始する前に行わせる環境設定動作の動作コースの指定、ISE測定設定の指定、分析終了後動作設定の指定といった各種の指定依頼を通知する予約詳細入力画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介してこれらの指定入力を受け付ける。
【0039】
例えば、図6のカレンダーC10上で2007年10月23日の予約を登録する場合を例にとって説明する。カレンダーC10上で2007年10月23日を選択すると、図7に示すように、設定日として当該日付が表示された予約詳細入力画面W20が表示される。この予約詳細入力画面W20には、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP221,P23、環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP25、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB21、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB23、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP27等が配置されている。なお、PDメニューP27は、チェックボックスCB23がチェックされた場合に選択が可能となる。オペレータは、所望の分析開始時刻をPDメニューP21,P23の選択によって指定するとともに、この分析開始時刻に開始する分析の前に行わせる所望の環境設定動作の動作コースをPDメニューP25の選択によって指定する。ここでPDメニューP25の一覧から動作コースを選択すると、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の内容が表示されるようになっている。また、オペレータは、検体のISE測定を行う場合には、チェックボックスCB21をチェックする。また、オペレータは、分析終了後に環境設定動作を行わせたい場合には、チェックボックスCB23をチェックし、分析終了後に行わせる所望の環境設定動作の動作コースをPDメニューP27の選択によって指定する。ここでPDメニューP27の一覧から動作コースを選択すると、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の内容が表示されるようになっている。分析を終了すると、各部の洗浄動作が行われるが、この分析終了後に行わせる環境設定動作の指定によれば、この分析終了後の洗浄動作とは別に、例えば週毎に行わなければならない週間強化クリーニングや月毎に行わなければならない月間強化クリーニング等を電源遮断前に行うといったことが可能となる。
【0040】
また、この予約詳細入力画面W20には、削除ボタンB21、設定ボタンB23および取り消しボタンB25が配置されている。オペレータは、当該日時の予約の登録を解除(削除)する場合には削除ボタンB21を押下し、この予約詳細入力画面W20での操作内容を確定する場合には設定ボタンB23を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB25を押下する。これら各ボタンB21,B23,B25が押下されると、図6に示した分析開始予約入力画面W10が再び表示される。ここで、設定ボタンB23の押下によって分析開始予約入力画面W10に戻ると、図6に示すように、カレンダーC10の2007年10月23日の欄に操作内容が表示される。
【0041】
次に、コース編集について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10のコース編集ボタンB11の押下操作に応じて、動作コースの編集依頼を通知するコース編集画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介してこれらの指定入力を受け付ける。
【0042】
図8は、コース編集画面W30の一例を示す図である。このコース編集画面W30には、動作コースの選択を受け付けるPDメニューP31と、コース名の指定入力を受け付ける入力ボックスI31とが配置されている。PDメニューP31から動作コースを選択すると、この動作コースの名称が入力ボックスI31に入力される。また、新たに動作コースを編集する場合には、入力ボックスI31にコース名を指定する。また、コース編集画面W30には、チェックボックスによって動作コースを選択する動作コース一覧L31と、チェックボックスによって単位設定動作を選択する単位設定動作一覧L33とが配置されており、PDメニューP31から動作コースが選択されると、動作コース一覧L31において対応する動作コースのチェックボックスがチェックされ、単位設定動作一覧L33において対応する動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作のチェックボックスがチェックされるようになっている。図8では、PDメニューP31で動作コース「分析開始前クリーニング」が選択されており、動作コース一覧L31において動作コース「分析開始前クリーニング」に対応するチェックボックスCB31がチェックされ、単位設定動作一覧L33において動作コース「分析開始前クリーニング」の単位設定動作である「検体プローブクリーニング」「試薬プローブクリーニング」「攪拌装置クリーニング」「反応槽クリーニング」に対応する各チェックボックスCB32〜CB35がチェックされている。
【0043】
このコース編集画面W30において、複数の動作コースを組み合わせた動作コースの編集や、各動作コースを構成する単位設定動作の編集などを行い、所望の動作コース名の動作コースとして追加することができる。ここでの編集内容は、動作コース一覧テーブル83に反映される。例えば、図8に示すコース編集画面W30において「分析開始前クリーニング」と「ISE測定時クリーニング」とを組み合わせた新たな動作コースを編集したい場合には、動作コース一覧L31においてチェックボックスCB36を新たにチェックし、これにより自動的に単位設定動作一覧L33のチェックボックスCB37,CB38がチェックされたのを確認して、入力ボックスI31に所望の名称を入力する。
【0044】
また、このコース編集画面W30には、削除ボタンB31、設定ボタンB33および取り消しボタンB35が配置されている。オペレータは、PDメニューP31で選択した動作コースを削除する場合には削除ボタンB31を押下し、このコース編集画面W30での操作内容を確定する場合には設定ボタンB33を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB35を押下する。これら各ボタンB31,B33,B35が押下されると、分析開始予約入力画面W10(図6)が再び表示される。
【0045】
次に、予約一括入力について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10の一括入力ボタンB13の押下操作に応じて、環境設定動作の指定と併せて、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の一例である曜日の指定依頼を通知する週間一括入力画面、または環境設定動作の指定と併せて、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定依頼を通知する期間一括入力画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介して指定入力を受け付ける。なお、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期としては、例えば月毎等であってもよく、月毎の日付の指定を受け付ける構成としてもよい。
【0046】
図9は、週間一括入力画面W40の一例を示す図であり、図10は、期間一括入力画面W60の一例を示す図である。この週間一括入力画面W40および期間一括入力画面W60には、それぞれ入力方式の選択を受け付けるPDメニューP41が配置されており、このPDメニューP41から週間一括入力または期間一括入力を選択することによって各画面が切り替わる構成となっている。
【0047】
週間一括入力画面W40には、図9に示すように、週間一括入力を適用する期間の選択を受け付けるPDメニューP42〜P47、適用する曜日の選択を受け付けるPDメニューP48、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP49,P50、分析開始前の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP51、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB41、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB43、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP52等が配置され、週間一括入力によって既に予約されている環境設定動作の一覧が表示される。図9の例では、毎週火曜日〜金曜日の各曜日に環境設定動作が予約されている。オペレータは、毎週決まった曜日に同じ分析開始時刻に分析を開始したい場合には、この週間一括入力画面W40を表示させる。そして、環境設定動作の詳細についての指定と併せて、週間一括入力の適用期間をPDメニューP42〜P47の選択によって指定するとともに、適用する曜日をPDメニューP48の選択によって指定する。
【0048】
また、この週間一括入力画面W40には、設定ボタンB41および取り消しボタンB43が配置されている。オペレータは、この週間一括入力画面W40での操作内容を確定する場合には設定ボタンB41を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB43を押下する。これら各ボタンB41,B43が押下されると、分析開始予約入力画面が再び表示される。例えば、図9の状態で設定ボタンB41を押下すると、2007年11月23日〜2007年12月28日の期間内で、毎週月曜日に繰り返し行う週間一括入力の操作内容が確定し、分析開始予約入力画面に戻る。この操作内容は、図6に示した分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上に反映される。
【0049】
一方、期間一括入力画面W60には、図10に示すように、期間一括入力を適用する期間の選択を受け付けるPDメニューP62〜P67、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP68,P69、分析開始前の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP70、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB61、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB63、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP71等が配置されている。オペレータは、所定の期間中、毎日同じ分析開始時刻に分析を開始したい場合には、この期間一括入力画面W60を表示させる。そして、環境設定動作の詳細についての指定と併せて、期間一括入力の適用期間をPDメニューP62〜P67の選択によって指定する。この際、チェックボックスCB65のチェックによって期間中から祝日を除いた予約が可能である。また、チェックボックスCB67のチェックによって期間中から土曜日を除いた予約を行うこともできる。
【0050】
また、この期間一括入力画面W60には、設定ボタンB61および取り消しボタンB63が配置されている。オペレータは、この期間一括入力画面W60での操作内容を確定する場合には設定ボタンB61を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB63を押下する。これら各ボタンB61,B63が押下されると、分析開始予約入力画面が再び表示される。例えば、図10の状態で設定ボタンB61を押下すると、2007年12月10日〜2007年12月25日に繰り返し行う期間一括入力の操作内容が確定し、分析開始予約入力画面に戻る。この操作内容は、図6に示した分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上に反映される。
【0051】
このようにしてオペレータは、分析開始予約入力画面からの予約詳細入力、コース編集、週間一括入力または期間一括入力の操作を行い、再び分析開始予約入力画面で予約登録ボタンを押下することにより、動作環境設定の予約登録操作を完了する。
【0052】
図5に示すように、分析開始予約入力画面での動作環境設定の予約登録操作を受け付けると(ステップS20:Yes)、予約登録部41は、環境設定開始時刻決定処理を実行する(ステップS30)。なお、予約登録操作がなされず(ステップS20:No)、分析開始予約入力画面で取り消しボタンが押下されて動作環境設定の予約登録操作が取り消された場合には(ステップS40:Yes)、本処理を終了する。予約登録操作が取り消されない場合は(ステップS40:No)、ステップS20に戻る。
【0053】
図11は、環境設定開始時刻決定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。環境設定開始時刻決定処理では、予約登録部41は、指定された分析開始時刻を取得するとともに(ステップS301)、指定された環境設定動作の動作コースを取得する(ステップS303)。
【0054】
続いて、予約登録部41は、動作コース一覧テーブル83を参照してステップS303で取得した動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作を特定し、単位動作時間データ84から特定した各単位設定動作の単位動作時間を読み出す(ステップS305)。またこのとき、予約登録部41は、ISE測定設定が指定されている場合には、「ISE測定時クリーニング」を構成する各単位設定動作「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」の単位動作時間を読み出す。そして、予約登録部41は、読み出した単位設定動作をもとに同時に実行できる単位設定動作を判定する(ステップS307)。ここで、同時に実行可能な単位設定動作は予め定義されている。例えば、図3に例示した単位設定動作のうち、「検体プローブクリーニング」と「試薬プローブクリーニング」、「検体プローブ強化クリーニング」と「試薬プローブクリーニング」、「試薬庫ウォームアップ」と「反応槽ウォームアップ」はそれぞれ同時に行なうことができる。予約登録部41は、このように予め定義される同時に実行が可能な単位設定動作を判定する。
【0055】
続いて、予約登録部41は、ステップS307の判定結果に従って、指定された動作コースの所要時間をもとに、指定された動作コースの環境設定動作の環境設定時間を算出する(ステップS309)。例えば、指定された動作コースが図3に例示した「週間強化クリーニング」の場合、予約登録部41は、ステップS307で「検体プローブ強化クリーニング」および「試薬プローブ強化クリーニング」を同時に実行可能と判定する。ステップS309では、予約登録部41は、この判定結果に従って「検体プローブ強化クリーニング」および「試薬プローブ強化クリーニング」のうちの長い方の単位動作時間(例えば「検体プローブ強化クリーニング」)と、「反応槽強化クリーニング」の単位動作時間と、「攪拌装置強化クリーニング」の単位動作時間と、「反応槽キャリブレーション」の単位動作時間との総和を求める。またこのとき、予約登録部41は、ISE測定設定が指定されている場合には、「ISE測定時クリーニング」の「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」の単位動作時間を求めた総和に加算する。そして、予約登録部41は、ステップS301で取得した分析開始時刻からステップS309で算出した環境設定時間を差し引いた時刻を環境設定開始時刻として決定する(ステップS311)。そして、予約登録部41は、図5のステップS30にリターンする。
【0056】
続いて、図5に示すように、予約登録部41は、決定した環境設定開始時刻と、分析開始予約入力画面からの予約登録操作によって指定された分析開始時刻と、指定された動作コースの指定と、ISE測定設定の指定の有無と、分析終了後動作設定の指定の有無および指定があった場合には併せて指定された動作コースとを対応付けたレコードを生成し、環境設定スケジュールデータ85に登録して(ステップS50)、本処理を終了する。
【0057】
次に、環境設定制御処理について説明する。図12は、環境設定制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部4の環境設定制御部43が環境設定制御プログラム82を読み出して実行することによって実現される。この環境設定制御処理では、環境設定制御部43は、分析開始前の分析前環境設定と、分析終了後の環境設定とを行う。
【0058】
分析前環境設定では、環境設定制御部43は、現在時刻を監視し、環境設定スケジュールデータ85に設定されている次順の環境設定開始時刻を判定する。環境設定制御部43は、現在時刻が環境設定開始時刻となるまで待機する(ステップS601:No)。そして、環境設定制御部43は、現在時刻が環境設定開始時刻となった場合には(ステップS601:Yes)、対応する動作コースをもとに、動作コース一覧テーブル83から対応する単位設定動作を読み出す(ステップS603)。そして、環境設定制御部43は、図11のステップS307と同様の要領で同時に実行可能な単位設定動作を判定し、各単位設定動作の実行順を決定する(ステップS605)。そして、環境設定制御部43は、同時に実行可能な単位設定動作については同時に行わせて自動分析装置1の環境設定動作を制御し(ステップS607)、全ての単位設定動作を制御して環境設定動作を完了する(ステップS609)。これにより、オペレータが指定した分析開始時刻に指定した動作コースの環境設定動作が完了する。したがって、オペレータは、分析開始時刻から分析が開始できる。
【0059】
分析業務(分析工程)が開始され(ステップS611)、この分析業務が終了したならば(ステップS613)、環境設定制御部43は、分析後環境設定として、先ず、環境設定スケジュールデータ85を参照して分析終了後動作設定の指定の有無を判定する。そして、環境設定制御部43は、分析終了後動作設定が指定されている場合には(ステップS615:Yes)、その動作コースをもとに、動作コース一覧テーブル83から対応する単位設定動作を読み出し、各単位設定動作の制御を行う(ステップS617)。なおこのとき、ステップS605の処理と同様にして同時に実行可能な単位設定動作を判定し、各単位設定動作の実行順を決定した上で、実行順に従って各単位設定動作の制御を行うこととしてもよい。また、環境設定制御部43は、分析終了後動作設定が指定されていない場合には(ステップS615:No)、ステップS619に移行する。
【0060】
全ての単位設定動作を制御して環境設定動作を完了したならば、環境設定制御部43は、環境設定スケジュールデータ85を参照して次順の環境設定開始時刻に対応する分析開始時刻を読み出し、読み出した分析開始時刻を表示した次回設定確認画面を表示部7に表示する制御を行う(ステップS619)。図13は、次回設定確認画面W80の一例を示す図である。この次回設定確認画面W80には、次の分析開始時刻を報知するメッセージが表示されるとともに、OKボタンB81、変更ボタンB83、削除ボタンB85が配置されている。オペレータは、OKボタンB81を押下して確認する。あるいは変更ボタンB83を押下して分析開始予約入力画面を表示させ、登録内容を変更する。あるいは削除ボタンB85を押下してこの予約の登録を解除する。なお、次回設定確認画面W80を表示させてから操作がされないまま所定時間が経過した場合に、OKボタンB81が押下され、確認操作がなされたものとして処理してもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態によれば、指定された動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の組み合わせをもとに、同時に実行可能な単位設定動作を判定し、その環境設定時間を算出することができる。また、検体の分析項目に電解質検査項目が含まれている場合に行うISE測定設定が指定された場合には、ISE測定のための環境設定動作に要する環境設定時間を加算することができる。そして、指定された分析開始時刻と求めた環境設定時間とをもとに環境設定動作を開始する時刻を決定し、この時刻に環境設定動作の制御を開始することができる。したがって、オペレータは、分析開始時刻と環境設定動作とを指定しておくことで、指定した環境設定動作を分析開始時刻までに完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができるので、環境設定動作が完了するまで待機する等の無駄な時間を過ごすことがなくなり、環境設定動作に要する時間を予測する必要もない。そして、環境設定動作の後速やかに分析を開始させることができる。
【0062】
なお、本発明の自動分析装置は、生化学分析を行う装置に限らず、検体の輸血検査や、免疫学的検査等の分析を行う自動分析装置にも同様に適用可能である。ここで、検体の輸血検査を行う装置は、上記した実施の形態の自動分析装置1の測光光学系29にかえてCCDカメラ等の撮像部を具備した装置であり、抗原抗体反応によって反応容器内に形成された凝集反応パターンを撮像し、この凝集反応パターン(画像情報)を解析することによって分析を行う。一方、検体の免疫学的検査を行う装置は、上記した実施の形態の自動分析装置1の測光光学系29にかえて反応液から放射される蛍光を検出する検出部を具備した装置であり、反応容器内に標識物質として蛍光物質を加え、抗体と蛍光物質との反応によって生成・放射される蛍光の測光結果をもとに抗原抗体反応の分析を行う。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】自動分析装置の内部構成の一例を示す模式図である。
【図2】自動分析装置の主要機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】動作コース一覧テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】動作環境設定スケジュールデータのデータ構成例を示す図である。
【図5】環境設定予約処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】分析開始予約入力画面の一例を示す図である。
【図7】予約詳細入力画面の一例を示す図である。
【図8】コース編集画面の一例を示す図である。
【図9】週間一括入力画面の一例を示す図である。
【図10】期間一括入力画面の一例を示す図である。
【図11】環境設定開始時刻決定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図12】環境設定制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】次回設定確認画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 自動分析装置
2 測定機構
11 検体搬送機構
13 検体分注機構
17 ISE測定装置
19 試薬庫
21 試薬分注機構
25 反応槽
27 攪拌装置
29 測光光学系
31 洗浄装置
4 制御部
41 予約登録部
43 環境設定制御部
5 分析部
6 入力部
7 表示部
8 記憶部
81 環境設定予約プログラム
82 環境設定制御プログラム
83 動作コース一覧テーブル
84 単位動作時間データ
85 環境設定スケジュールデータ
12 検体ラック
121 検体容器
171 測定容器
B 試薬容器
C 反応容器
【技術分野】
【0001】
この発明は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置およびこの自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、反応容器内に血液や体液等の検体と試薬とを分注し、当該反応容器内で生じた反応を光学的に測定することによって検体の分析を行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置では、安定した測定を行うため、検体の分析を開始する前に装置各部のクリーニング等の準備動作を行って装置の動作環境を設定する必要がある。準備動作は、例えば電源が投入されて装置を起動したときに行われる。この準備動作にかかる技術としては、例えば、予め電源を立ち上げる日時とともに、立ち上げ時に必要な準備動作を選択できるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平08−338848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、所望の時間に装置を起動させ、必要な準備動作を行わせることができる。しかしながら、実際に分析を開始するのは準備動作の終了後であるため、オペレータは準備動作が完了するまで待機する必要があり、この間の時間が無駄である。準備動作に要する時間を予測することもできるが、複数の準備動作を行う場合には、その組み合わせに応じて準備動作の所要時間を予測しなければならず、オペレータにとって手間であり、予測を誤った場合には無駄な時間を省くことができない。また、反応容器内の汚染を考慮すれば、準備動作の後速やかに分析を開始することが望ましい。
【0005】
この発明は、上記に鑑みて為されたものであって、分析開始時刻までに装置の環境設定動作を完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができる自動分析装置およびその動作環境設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる自動分析装置は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶手段と、前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼手段と、前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出手段と、前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定手段と、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記単位設定動作のうち、同時に動作可能な単位設定動作が予め定義されており、前記環境設定時間算出手段は、前記指定された環境設定動作を構成する単位設定動作の中から同時に動作可能な単位設定動作を判定して、判定結果に従って前記環境設定時間を算出し、前記分析前環境設定制御手段は、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記同時に動作可能な単位設定動作の制御を同時に行って前記指定された環境設定動作を制御することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、所定の分析項目を分析するための測定の指定を依頼する分析項目指定依頼手段を有し、前記環境設定時間算出手段は、前記分析項目指定依頼手段による依頼に応答して指定された測定のための環境設定動作に要する動作時間を加味して前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、前記分析前環境設定制御手段は、前記指定された環境設定動作に加えて前記指定された測定のための環境設定動作を制御することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の指定を依頼する周期指定依頼手段を有し、前記分析前環境設定制御手段は、前記周期指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の周期で、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定を依頼する期間指定依頼手段を有し、前記分析前環境設定制御手段は、前記期間指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の期間中、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記指定依頼手段は、分析終了後に行わせる少なくとも一の単位設定動作の指定を依頼する分析後動作指定依頼手段を有し、分析終了後に、前記分析後動作指定依頼手段による依頼に応答して指定された単位設定動作を制御する分析後環境設定制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる動作環境設定方法は、検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法であって、当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶ステップと、前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼ステップと、前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出ステップと、前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定ステップと、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、検体の分析開始時刻の指定と、分析を開始する前に行わせる単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼し、指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出できる。そして、指定された分析開始時刻と算出した環境設定時間とをもとに指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、決定した環境設定動作の開始時刻に指定された環境設定動作の制御を開始することができる。したがって、環境設定動作を指定された分析開始時刻までに完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができる。これによってオペレータは、環境設定動作が完了するまで待機する等の無駄な時間を過ごすことがなくなり、環境設定動作に要する時間を予測する必要もない。そして、環境設定動作の後速やかに分析を開始させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。図1は、本実施の形態にかかる自動分析装置1の内部構成の一例を示す模式図であり、図2は、自動分析装置1の主要機能構成の一例を示すブロック図である。この自動分析装置1は、複数の検体の生化学的な分析を自動的に行う装置であり、分析対象の検体と試薬とを反応容器(キュベット)Cにそれぞれ分注し、分注した反応容器C内で生じる反応を光学的に測定する。具体的には、自動分析装置1は、検体搬送機構11と、検体分注機構13と、ISE測定装置17と、試薬庫19と、試薬分注機構21と、反応槽25と、攪拌装置27と、測光光学系29と、洗浄装置31とで構成された測定機構2を備える。
【0015】
図1に示すように、検体搬送機構11は、血液や尿等の検体を収容した複数の検体容器121が搭載された複数の検体ラック12を収納する。この検体搬送機構11は、後述する制御部4の制御のもと、図1中の矢印方向に検体ラック12を順次移送し、検体搬送機構11上の所定の検体吸引位置P1に検体容器121を搬送する。検体吸引位置P1に搬送された検体容器121内の検体は、検体分注機構13によって、反応槽25内に配列して搬送される反応容器Cに分注される。
【0016】
検体分注機構13は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム131を備え、このアーム131に、検体の吸引および吐出を行うプローブが取り付けられて構成されている。この検体分注機構13は、制御部4の制御のもと、検体搬送機構11上の検体吸引位置P1に搬送された検体容器121からプローブによって検体を吸引し、反応槽25上の検体吐出位置P2に搬送された反応容器Cに吸引した検体を吐出して分注を行う。検体分注機構13のプローブは、分注終了後、プローブの移動経路上に配設された洗浄槽15で流水・洗浄される。また、検体分注機構13は、制御部4の制御のもと、検体搬送機構11上の検体吸引位置P1に搬送された検体容器121から検体を吸引し、ISE測定装置17が具備する測定容器171に検体を吐出して分注を行う。
【0017】
ISE測定装置17は、電極法によって検体中の電解質検査項目を分析する電解質分析装置であり、制御部4の制御のもと、検体分注機構13によって測定容器171に分注された検体中のナトリウム,塩素,カリウム,カルシウム,無機リン等の電解質濃度(イオン濃度)を、イオン選択性電極等を用いて測定(以下、適宜「ISE(Ion Selective Electrodes)測定」と呼ぶ。)する。このISE測定装置17によるISE測定の結果は、後述する制御部4に出力される。
【0018】
試薬庫19は、分析項目に応じた所定の試薬をそれぞれ収容した複数の試薬容器Bを収納する。この試薬庫19は、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした回動が自在に構成されており、所望の試薬容器Bを所定の試薬吸引位置P3まで搬送する。なお、試薬庫19は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、試薬庫19の下方には不図示の恒温槽が設けられており、内部を覆う蓋とともに、各試薬容器Bに収容された試薬を恒温状態に保つ保冷庫を構成している。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0019】
試薬分注機構21は、検体分注機構13と同様に、試薬の吸引および吐出を行うプローブが取り付けられたアーム211を備える。アーム211は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。この試薬分注機構21は、制御部4の制御のもと、試薬庫19上の試薬吸引位置P3に搬送された試薬容器Bからプローブによって試薬を吸引し、反応槽25上の試薬吐出位置P4に搬送された反応容器Cに吸引した試薬を吐出して分注を行う。試薬分注機構21のプローブは、分注終了後、プローブの移動経路上に配設された洗浄槽23で流水・洗浄される。
【0020】
反応槽25は、それぞれ検体および試薬が分注される複数の反応容器Cが載置される。この反応槽25は、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした回動が自在に構成されており、反応容器Cを、検体吐出位置P2や試薬吐出位置P4、攪拌装置27下方の攪拌位置、測光位置P5、洗浄装置31下方の洗浄位置の各位置に反応容器Cを搬送する。なお、反応槽25は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、反応槽25の下方には不図示の恒温槽が設けられており、内部を覆う蓋とともに、内部の温度を体温程度の温度に保温する保温槽を構成している。
【0021】
攪拌装置27は、不図示の攪拌棒によって攪拌位置に搬送された反応容器Cに分注された検体と試薬との攪拌を行い、反応を促進させる。攪拌棒は、攪拌終了後、不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0022】
測光光学系29は、測光位置P5に搬送された反応容器Cに光を照射し、反応容器C内の反応液を透過した光を受光して強度測定を行う。例えば、白色光を照射する光源291と、反応容器Cを透過した白色光を分光する分光光学系293と、この分光光学系293で分光した光を成分毎に受光する受光素子295とを備える。この測光光学系29による測定結果は、制御部4に出力され、後述の分析部5において分析される。
【0023】
洗浄装置31は、測光光学系29による測定が終了して装置下方の所定位置に搬送された反応容器Cを洗浄対象として、この反応容器C内部の反応液を吸引して排出するとともに、反応容器C内に洗浄水等の洗浄液を供給および吸引することによってその洗浄を行う。ここで洗浄された反応容器Cは、再び分析に使用される。
【0024】
上記構成の自動分析装置1では、反応槽25内を順次搬送される複数の反応容器Cに対し、検体分注機構13が検体容器121中の検体を分注し、試薬分注機構21が試薬容器B中の試薬を分注する。続いて、攪拌装置27が反応容器C内の試薬と検体とを攪拌して反応させた後、測光光学系29が反応させた状態の試料の分光強度測定を行う。そして、測定結果を分析部5が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。続いて、洗浄装置31が測光光学系29によって測定された反応容器Cの洗浄を行い、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。また、必要に応じて検体分注機構13が検体容器121中の検体をISE測定装置17内の測定容器171に分注し、ISE測定装置17が測定容器171内に分注された検体中の電解質濃度の測定を行う。
【0025】
また、自動分析装置1は、図2に示すように、装置を構成する各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って各部の制御を行い、装置全体の動作を統括的に制御する制御部4を備える。制御部4は、マイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。この制御部4は、分析部5と接続されており、測光光学系29による測定結果やISE測定装置17によるISE測定の結果を分析部5に出力する。分析部5は、測光光学系29による測定結果をもとに検体の成分濃度等を分析し、あるいはISE測定装置17によるISE測定の結果をもとに検体中の電解質検査項目を分析して、分析結果を制御部4に出力する。この制御部4は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部6や、分析結果画面や警告画面、各種設定入力のための入力画面等を表示するためのLCDやELD等の表示装置で構成される表示部7、記憶部8と接続されている。
【0026】
また、制御部4は、分析開始時刻の予約を受け付け、自動分析装置1に行わせる環境設定動作の開始時刻を決定して登録する環境設定予約処理を行う予約登録部41を備える。自動分析装置1は、装置の動作環境を設定するための単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作を分析工程に先立って行うが、予約登録部41は、この分析を開始する分析開始時刻や、分析開始の前に行わせる環境設定動作の動作コース等の指定を入力部6を介して受け付け、指定された動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作に要する単位動作時間をもとに環境設定動作に要する環境設定時間を算出する。そして、予約登録部41は、指定された分析開始時刻と算出した環境設定時間とをもとに環境設定動作の開始時刻(環境設定開始時刻)を決定して記憶部8に格納される環境設定スケジュールデータ85に登録する。
【0027】
また、制御部4は、環境設定スケジュールデータ85をもとに現在時刻を監視し、環境設定開始時刻となったときに指定された動作コースの環境設定動作の制御を開始して、自動分析装置1にこの環境設定動作を行わせる環境設定制御処理を行う環境設定制御部43を備える。この環境設定制御部43は、ISE測定の設定が指定されている場合には、ISE測定装置17に後述するISE測定時クリーニングを行わせるための制御を加えて行う。また、分析終了後動作設定が指定されている場合には、分析工程を終えた後、指定された動作コースを構成する各単位設定動作を順次制御する。
【0028】
記憶部8は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵或いはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD−ROM等の情報記憶媒体及びその読取装置等によって実現されるものであり、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種プログラムや、これらプログラムの実行にかかるデータ等が格納される。また、記憶部8には、本実施の形態を実現するため、制御部4を予約登録部41として機能させるための環境設定予約プログラム81と、制御部4を環境設定制御部43として機能させるための環境設定制御プログラム82と、動作コース一覧テーブル83と、単位動作時間データ84と、環境設定スケジュールデータ85とを含む。
【0029】
動作コース一覧テーブル83は、動作コースと、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作との対応関係を定義したデータテーブルである。図3は、動作コース一覧テーブル83のデータ構成例を示す図である。図3に示すように、動作コース一覧テーブル83には、動作コースと対応付けて、その環境設定動作を構成する単位設定動作の一覧が設定されている。
【0030】
ここで、各動作コースについて説明する。「週間強化クリーニング」は、週に1回程度行うクリーニングである。「月間強化クリーニング」は、月に1回程度行うクリーニングである。「分析開始前クリーニング」は、分析の開始前に行うクリーニングであり、本クリーニングは、「週間強化クリーニング」または「月間強化クリーニング」によって代用できる。すなわち、これらのクリーニングを分析開始の前に行った場合には、再度「分析開始前クリーニング」を行う必要はない。「分析開始準備動作」は、分析を中断した場合に、再開前に行うクリーニングである。「分析開始前ウォームアップ」は、分析の開始前に行う動作である。「分析終了後クリーニング」は、分析の終了後に行うクリーニングである。「ISE測定時クリーニング」は、検体の分析項目に電解質検査項目が含まれており、分析工程でISE測定を行う場合に行うクリーニングである。
【0031】
続いて、各単位設定動作について説明する。「検体プローブクリーニング」では、検体分注機構13のプローブに洗剤液の吸引・吐出を行わせて洗剤洗浄を行い、続いて純水等の洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「検体プローブ強化クリーニング」では、検体分注機構13のプローブに洗剤液の吸引を行わせて所定時間漬け置きした後、この洗剤液を吐出させて洗剤洗浄し、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「試薬プローブクリーニング」では、試薬分注機構21のプローブに洗剤液の吸引・吐出を行わせて洗剤洗浄を行い、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「試薬プローブ強化クリーニング」では、試薬分注機構21のプローブに洗浄水の吸引を行わせて所定時間漬け置きした後、この洗剤液を吐出させて洗剤洗浄し、続いて洗浄水の吸引・吐出を行わせて水洗浄を行う。「攪拌装置クリーニング」では、攪拌装置27の攪拌棒を洗剤液で洗剤洗浄した後、洗浄水で水洗浄する。「攪拌装置強化クリーニング」では、攪拌装置27の攪拌棒を洗剤液に所定時間漬け置きして洗剤洗浄した後、洗浄水で水洗浄する。[反応槽クリーニング」では、反応槽25内に載置される各反応容器Cに洗浄液を吐出・吸引して洗剤洗浄を行い、続いて洗浄水を吐出・吸引して水洗浄を行う。「反応槽強化クリーニング」では、反応槽25内に載置される各反応容器Cに洗剤等の洗浄液を吐出して所定時間漬け置きした後、吸引して洗剤洗浄を行い、続いて純水等の洗浄水を吐出・吸引して水洗浄を行う。「試薬庫ウォームアップ」では、試薬庫の温度を所定の温度に調整して冷却する。「反応槽ウォームアップ」では、反応槽の温度を体温程度の温度に調整する。「反応槽キャリブレーション」では、各反応容器C内に水等のブランク試料を分注して光量を測定する。測定したブランク試料の光量は、分析部5が、測光光学系29による測定結果をもとに反応液の吸光度を求める際に用いられる。またこのとき、得られたブランク試料の光量をもとに各反応容器Cの傷のチェック等を行う。「ISE配管クリーニング」では、ISE測定装置17内の配管を洗浄する。「ISE容器クリーニング」では、ISE測定に用いる検体が分注される測定容器171内の洗剤洗浄および水洗浄を行う。
【0032】
この動作コース一覧テーブル83には、上記した予め用意される動作コースの他、オペレータの操作によって編集された動作コースが適宜追加される。例えば、ISE測定を頻繁に行う場合に、動作コース「分析開始前クリーニング」に「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」を追加した新たな動作コースを編集するといった場合が考えられる。また、動作コースを構成する単位設定動作を変更する編集操作が為された場合には、この動作コース一覧テーブル83の該当する動作コースと単位設定動作との対応関係が変更される。
【0033】
単位動作時間データ84は、各単位設定動作と対応付けて、それぞれその動作の所要時間を記憶する。なお、実際の各単位設定動作の所要時間を毎回記録しておき、変動した場合に単位動作時間データ84を書き換える構成としてもよい。
【0034】
環境設定スケジュールデータ85は、予約登録処理において予約登録される環境設定動作にかかるデータを記憶する。図4は、環境設定スケジュールデータ85のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、予約登録部41は、環境設定開始時刻と、分析開始時刻と、動作コースと、ISE測定設定の指定の有無(ON/OFF情報)と、分析終了後動作設定の指定の有無(ON/OFF情報)および指定があった場合(ONの場合)には併せて指定された動作コースとが対応付けられたデータテーブルである。環境設定制御部43は、この環境設定スケジュールデータ85を参照し、例えば、現在時刻がレコードR10に示す環境設定開始時刻2007年10月23日午前7時30分になったときに、対応する動作コース「分析開始前クリーニング」の環境設定動作の制御を開始する。またこのとき、ISE測定設定が「ON」であるので、環境設定制御部43は、「ISE測定時クリーニング」の制御を併せて行う。そして、分析開始時刻2007年10月23日午前8時までにこの環境設定動作を完了させる。また、分析終了後動作設定が「ON」であるため、環境設定制御部43は、分析の終了後、対応する動作コース「月間強化クリーニング」の環境設定動作を制御する。
【0035】
次に、制御部4が行う処理手順について説明する。先ず、環境設定予約処理について説明する。図5は、環境設定予約処理の手順を示すフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部4の予約登録部41が環境設定予約プログラム81を読み出して実行することによって実現される。
【0036】
すなわち、予約登録部41は、先ず、分析開始予約入力画面を表示部7に表示する制御を行い、動作環境設定の予約登録操作を受け付ける(ステップS10)。
【0037】
図6は、分析開始予約入力画面W10の一例を示す図である。図6に示すように、分析開始予約入力画面W10にはカレンダーC10が表示され、既に登録されている分析予約スケジュールが表示される。例えば、2007年10月23日には、分析開始時刻が午前8時に指定され、この分析を開始する前の環境設定動作の動作コースとして「分析開始前クリーニング」が指定された予約が登録されている。また、この分析開始予約入力画面W10には、コース編集メニューの選択を受け付けるコース編集ボタンB11や予約一括入力メニューの選択を受け付ける一括入力ボタンB13、予約登録ボタンB15、取り消しボタンB17が配置されている。オペレータは、プルダウン(以下、「PD」と略す。)メニューP11から所望の年を選択し、PDメニューP13から所望の月を選択してカレンダーC10を切り替え、カレンダーC10から所望の日付を選択して予約詳細入力のための操作を行う。また、コース編集ボタンB11を押下し、コース編集のための操作を行う。また、一括入力ボタンB13を押下し、予約一括入力のための操作を行う。操作内容に従って予約登録を行う場合には予約登録ボタンB15を押下する。予約登録部41は、この予約登録ボタンB15の押下操作に応じて後述する環境設定開始時刻設定処理を実行する。一方、オペレータは、予約登録を取り消す場合には取り消しボタンB17を押下する。
【0038】
先ず、予約詳細入力について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上の日付の選択操作に応じて、検体の分析を開始する分析開始時刻の指定や、この分析を開始する前に行わせる環境設定動作の動作コースの指定、ISE測定設定の指定、分析終了後動作設定の指定といった各種の指定依頼を通知する予約詳細入力画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介してこれらの指定入力を受け付ける。
【0039】
例えば、図6のカレンダーC10上で2007年10月23日の予約を登録する場合を例にとって説明する。カレンダーC10上で2007年10月23日を選択すると、図7に示すように、設定日として当該日付が表示された予約詳細入力画面W20が表示される。この予約詳細入力画面W20には、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP221,P23、環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP25、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB21、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB23、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP27等が配置されている。なお、PDメニューP27は、チェックボックスCB23がチェックされた場合に選択が可能となる。オペレータは、所望の分析開始時刻をPDメニューP21,P23の選択によって指定するとともに、この分析開始時刻に開始する分析の前に行わせる所望の環境設定動作の動作コースをPDメニューP25の選択によって指定する。ここでPDメニューP25の一覧から動作コースを選択すると、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の内容が表示されるようになっている。また、オペレータは、検体のISE測定を行う場合には、チェックボックスCB21をチェックする。また、オペレータは、分析終了後に環境設定動作を行わせたい場合には、チェックボックスCB23をチェックし、分析終了後に行わせる所望の環境設定動作の動作コースをPDメニューP27の選択によって指定する。ここでPDメニューP27の一覧から動作コースを選択すると、この動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の内容が表示されるようになっている。分析を終了すると、各部の洗浄動作が行われるが、この分析終了後に行わせる環境設定動作の指定によれば、この分析終了後の洗浄動作とは別に、例えば週毎に行わなければならない週間強化クリーニングや月毎に行わなければならない月間強化クリーニング等を電源遮断前に行うといったことが可能となる。
【0040】
また、この予約詳細入力画面W20には、削除ボタンB21、設定ボタンB23および取り消しボタンB25が配置されている。オペレータは、当該日時の予約の登録を解除(削除)する場合には削除ボタンB21を押下し、この予約詳細入力画面W20での操作内容を確定する場合には設定ボタンB23を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB25を押下する。これら各ボタンB21,B23,B25が押下されると、図6に示した分析開始予約入力画面W10が再び表示される。ここで、設定ボタンB23の押下によって分析開始予約入力画面W10に戻ると、図6に示すように、カレンダーC10の2007年10月23日の欄に操作内容が表示される。
【0041】
次に、コース編集について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10のコース編集ボタンB11の押下操作に応じて、動作コースの編集依頼を通知するコース編集画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介してこれらの指定入力を受け付ける。
【0042】
図8は、コース編集画面W30の一例を示す図である。このコース編集画面W30には、動作コースの選択を受け付けるPDメニューP31と、コース名の指定入力を受け付ける入力ボックスI31とが配置されている。PDメニューP31から動作コースを選択すると、この動作コースの名称が入力ボックスI31に入力される。また、新たに動作コースを編集する場合には、入力ボックスI31にコース名を指定する。また、コース編集画面W30には、チェックボックスによって動作コースを選択する動作コース一覧L31と、チェックボックスによって単位設定動作を選択する単位設定動作一覧L33とが配置されており、PDメニューP31から動作コースが選択されると、動作コース一覧L31において対応する動作コースのチェックボックスがチェックされ、単位設定動作一覧L33において対応する動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作のチェックボックスがチェックされるようになっている。図8では、PDメニューP31で動作コース「分析開始前クリーニング」が選択されており、動作コース一覧L31において動作コース「分析開始前クリーニング」に対応するチェックボックスCB31がチェックされ、単位設定動作一覧L33において動作コース「分析開始前クリーニング」の単位設定動作である「検体プローブクリーニング」「試薬プローブクリーニング」「攪拌装置クリーニング」「反応槽クリーニング」に対応する各チェックボックスCB32〜CB35がチェックされている。
【0043】
このコース編集画面W30において、複数の動作コースを組み合わせた動作コースの編集や、各動作コースを構成する単位設定動作の編集などを行い、所望の動作コース名の動作コースとして追加することができる。ここでの編集内容は、動作コース一覧テーブル83に反映される。例えば、図8に示すコース編集画面W30において「分析開始前クリーニング」と「ISE測定時クリーニング」とを組み合わせた新たな動作コースを編集したい場合には、動作コース一覧L31においてチェックボックスCB36を新たにチェックし、これにより自動的に単位設定動作一覧L33のチェックボックスCB37,CB38がチェックされたのを確認して、入力ボックスI31に所望の名称を入力する。
【0044】
また、このコース編集画面W30には、削除ボタンB31、設定ボタンB33および取り消しボタンB35が配置されている。オペレータは、PDメニューP31で選択した動作コースを削除する場合には削除ボタンB31を押下し、このコース編集画面W30での操作内容を確定する場合には設定ボタンB33を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB35を押下する。これら各ボタンB31,B33,B35が押下されると、分析開始予約入力画面W10(図6)が再び表示される。
【0045】
次に、予約一括入力について説明する。予約登録部41は、分析開始予約入力画面W10の一括入力ボタンB13の押下操作に応じて、環境設定動作の指定と併せて、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の一例である曜日の指定依頼を通知する週間一括入力画面、または環境設定動作の指定と併せて、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定依頼を通知する期間一括入力画面を表示部7に表示する制御を行い、入力部6を介して指定入力を受け付ける。なお、指定した環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期としては、例えば月毎等であってもよく、月毎の日付の指定を受け付ける構成としてもよい。
【0046】
図9は、週間一括入力画面W40の一例を示す図であり、図10は、期間一括入力画面W60の一例を示す図である。この週間一括入力画面W40および期間一括入力画面W60には、それぞれ入力方式の選択を受け付けるPDメニューP41が配置されており、このPDメニューP41から週間一括入力または期間一括入力を選択することによって各画面が切り替わる構成となっている。
【0047】
週間一括入力画面W40には、図9に示すように、週間一括入力を適用する期間の選択を受け付けるPDメニューP42〜P47、適用する曜日の選択を受け付けるPDメニューP48、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP49,P50、分析開始前の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP51、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB41、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB43、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP52等が配置され、週間一括入力によって既に予約されている環境設定動作の一覧が表示される。図9の例では、毎週火曜日〜金曜日の各曜日に環境設定動作が予約されている。オペレータは、毎週決まった曜日に同じ分析開始時刻に分析を開始したい場合には、この週間一括入力画面W40を表示させる。そして、環境設定動作の詳細についての指定と併せて、週間一括入力の適用期間をPDメニューP42〜P47の選択によって指定するとともに、適用する曜日をPDメニューP48の選択によって指定する。
【0048】
また、この週間一括入力画面W40には、設定ボタンB41および取り消しボタンB43が配置されている。オペレータは、この週間一括入力画面W40での操作内容を確定する場合には設定ボタンB41を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB43を押下する。これら各ボタンB41,B43が押下されると、分析開始予約入力画面が再び表示される。例えば、図9の状態で設定ボタンB41を押下すると、2007年11月23日〜2007年12月28日の期間内で、毎週月曜日に繰り返し行う週間一括入力の操作内容が確定し、分析開始予約入力画面に戻る。この操作内容は、図6に示した分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上に反映される。
【0049】
一方、期間一括入力画面W60には、図10に示すように、期間一括入力を適用する期間の選択を受け付けるPDメニューP62〜P67、分析開始時刻の選択を受け付けるPDメニューP68,P69、分析開始前の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP70、ISE測定設定の指定を受け付けるチェックボックスCB61、分析終了後動作設定の指定を受け付けるチェックボックスCB63、分析終了後の環境設定動作の動作コースの選択を受け付けるPDメニューP71等が配置されている。オペレータは、所定の期間中、毎日同じ分析開始時刻に分析を開始したい場合には、この期間一括入力画面W60を表示させる。そして、環境設定動作の詳細についての指定と併せて、期間一括入力の適用期間をPDメニューP62〜P67の選択によって指定する。この際、チェックボックスCB65のチェックによって期間中から祝日を除いた予約が可能である。また、チェックボックスCB67のチェックによって期間中から土曜日を除いた予約を行うこともできる。
【0050】
また、この期間一括入力画面W60には、設定ボタンB61および取り消しボタンB63が配置されている。オペレータは、この期間一括入力画面W60での操作内容を確定する場合には設定ボタンB61を押下し、操作内容を取り消す場合には取り消しボタンB63を押下する。これら各ボタンB61,B63が押下されると、分析開始予約入力画面が再び表示される。例えば、図10の状態で設定ボタンB61を押下すると、2007年12月10日〜2007年12月25日に繰り返し行う期間一括入力の操作内容が確定し、分析開始予約入力画面に戻る。この操作内容は、図6に示した分析開始予約入力画面W10のカレンダーC10上に反映される。
【0051】
このようにしてオペレータは、分析開始予約入力画面からの予約詳細入力、コース編集、週間一括入力または期間一括入力の操作を行い、再び分析開始予約入力画面で予約登録ボタンを押下することにより、動作環境設定の予約登録操作を完了する。
【0052】
図5に示すように、分析開始予約入力画面での動作環境設定の予約登録操作を受け付けると(ステップS20:Yes)、予約登録部41は、環境設定開始時刻決定処理を実行する(ステップS30)。なお、予約登録操作がなされず(ステップS20:No)、分析開始予約入力画面で取り消しボタンが押下されて動作環境設定の予約登録操作が取り消された場合には(ステップS40:Yes)、本処理を終了する。予約登録操作が取り消されない場合は(ステップS40:No)、ステップS20に戻る。
【0053】
図11は、環境設定開始時刻決定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。環境設定開始時刻決定処理では、予約登録部41は、指定された分析開始時刻を取得するとともに(ステップS301)、指定された環境設定動作の動作コースを取得する(ステップS303)。
【0054】
続いて、予約登録部41は、動作コース一覧テーブル83を参照してステップS303で取得した動作コースの環境設定動作を構成する各単位設定動作を特定し、単位動作時間データ84から特定した各単位設定動作の単位動作時間を読み出す(ステップS305)。またこのとき、予約登録部41は、ISE測定設定が指定されている場合には、「ISE測定時クリーニング」を構成する各単位設定動作「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」の単位動作時間を読み出す。そして、予約登録部41は、読み出した単位設定動作をもとに同時に実行できる単位設定動作を判定する(ステップS307)。ここで、同時に実行可能な単位設定動作は予め定義されている。例えば、図3に例示した単位設定動作のうち、「検体プローブクリーニング」と「試薬プローブクリーニング」、「検体プローブ強化クリーニング」と「試薬プローブクリーニング」、「試薬庫ウォームアップ」と「反応槽ウォームアップ」はそれぞれ同時に行なうことができる。予約登録部41は、このように予め定義される同時に実行が可能な単位設定動作を判定する。
【0055】
続いて、予約登録部41は、ステップS307の判定結果に従って、指定された動作コースの所要時間をもとに、指定された動作コースの環境設定動作の環境設定時間を算出する(ステップS309)。例えば、指定された動作コースが図3に例示した「週間強化クリーニング」の場合、予約登録部41は、ステップS307で「検体プローブ強化クリーニング」および「試薬プローブ強化クリーニング」を同時に実行可能と判定する。ステップS309では、予約登録部41は、この判定結果に従って「検体プローブ強化クリーニング」および「試薬プローブ強化クリーニング」のうちの長い方の単位動作時間(例えば「検体プローブ強化クリーニング」)と、「反応槽強化クリーニング」の単位動作時間と、「攪拌装置強化クリーニング」の単位動作時間と、「反応槽キャリブレーション」の単位動作時間との総和を求める。またこのとき、予約登録部41は、ISE測定設定が指定されている場合には、「ISE測定時クリーニング」の「ISE配管クリーニング」および「ISE容器クリーニング」の単位動作時間を求めた総和に加算する。そして、予約登録部41は、ステップS301で取得した分析開始時刻からステップS309で算出した環境設定時間を差し引いた時刻を環境設定開始時刻として決定する(ステップS311)。そして、予約登録部41は、図5のステップS30にリターンする。
【0056】
続いて、図5に示すように、予約登録部41は、決定した環境設定開始時刻と、分析開始予約入力画面からの予約登録操作によって指定された分析開始時刻と、指定された動作コースの指定と、ISE測定設定の指定の有無と、分析終了後動作設定の指定の有無および指定があった場合には併せて指定された動作コースとを対応付けたレコードを生成し、環境設定スケジュールデータ85に登録して(ステップS50)、本処理を終了する。
【0057】
次に、環境設定制御処理について説明する。図12は、環境設定制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部4の環境設定制御部43が環境設定制御プログラム82を読み出して実行することによって実現される。この環境設定制御処理では、環境設定制御部43は、分析開始前の分析前環境設定と、分析終了後の環境設定とを行う。
【0058】
分析前環境設定では、環境設定制御部43は、現在時刻を監視し、環境設定スケジュールデータ85に設定されている次順の環境設定開始時刻を判定する。環境設定制御部43は、現在時刻が環境設定開始時刻となるまで待機する(ステップS601:No)。そして、環境設定制御部43は、現在時刻が環境設定開始時刻となった場合には(ステップS601:Yes)、対応する動作コースをもとに、動作コース一覧テーブル83から対応する単位設定動作を読み出す(ステップS603)。そして、環境設定制御部43は、図11のステップS307と同様の要領で同時に実行可能な単位設定動作を判定し、各単位設定動作の実行順を決定する(ステップS605)。そして、環境設定制御部43は、同時に実行可能な単位設定動作については同時に行わせて自動分析装置1の環境設定動作を制御し(ステップS607)、全ての単位設定動作を制御して環境設定動作を完了する(ステップS609)。これにより、オペレータが指定した分析開始時刻に指定した動作コースの環境設定動作が完了する。したがって、オペレータは、分析開始時刻から分析が開始できる。
【0059】
分析業務(分析工程)が開始され(ステップS611)、この分析業務が終了したならば(ステップS613)、環境設定制御部43は、分析後環境設定として、先ず、環境設定スケジュールデータ85を参照して分析終了後動作設定の指定の有無を判定する。そして、環境設定制御部43は、分析終了後動作設定が指定されている場合には(ステップS615:Yes)、その動作コースをもとに、動作コース一覧テーブル83から対応する単位設定動作を読み出し、各単位設定動作の制御を行う(ステップS617)。なおこのとき、ステップS605の処理と同様にして同時に実行可能な単位設定動作を判定し、各単位設定動作の実行順を決定した上で、実行順に従って各単位設定動作の制御を行うこととしてもよい。また、環境設定制御部43は、分析終了後動作設定が指定されていない場合には(ステップS615:No)、ステップS619に移行する。
【0060】
全ての単位設定動作を制御して環境設定動作を完了したならば、環境設定制御部43は、環境設定スケジュールデータ85を参照して次順の環境設定開始時刻に対応する分析開始時刻を読み出し、読み出した分析開始時刻を表示した次回設定確認画面を表示部7に表示する制御を行う(ステップS619)。図13は、次回設定確認画面W80の一例を示す図である。この次回設定確認画面W80には、次の分析開始時刻を報知するメッセージが表示されるとともに、OKボタンB81、変更ボタンB83、削除ボタンB85が配置されている。オペレータは、OKボタンB81を押下して確認する。あるいは変更ボタンB83を押下して分析開始予約入力画面を表示させ、登録内容を変更する。あるいは削除ボタンB85を押下してこの予約の登録を解除する。なお、次回設定確認画面W80を表示させてから操作がされないまま所定時間が経過した場合に、OKボタンB81が押下され、確認操作がなされたものとして処理してもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態によれば、指定された動作コースの環境設定動作を構成する単位設定動作の組み合わせをもとに、同時に実行可能な単位設定動作を判定し、その環境設定時間を算出することができる。また、検体の分析項目に電解質検査項目が含まれている場合に行うISE測定設定が指定された場合には、ISE測定のための環境設定動作に要する環境設定時間を加算することができる。そして、指定された分析開始時刻と求めた環境設定時間とをもとに環境設定動作を開始する時刻を決定し、この時刻に環境設定動作の制御を開始することができる。したがって、オペレータは、分析開始時刻と環境設定動作とを指定しておくことで、指定した環境設定動作を分析開始時刻までに完了させ、分析開始時刻に確実に分析を開始させることができるので、環境設定動作が完了するまで待機する等の無駄な時間を過ごすことがなくなり、環境設定動作に要する時間を予測する必要もない。そして、環境設定動作の後速やかに分析を開始させることができる。
【0062】
なお、本発明の自動分析装置は、生化学分析を行う装置に限らず、検体の輸血検査や、免疫学的検査等の分析を行う自動分析装置にも同様に適用可能である。ここで、検体の輸血検査を行う装置は、上記した実施の形態の自動分析装置1の測光光学系29にかえてCCDカメラ等の撮像部を具備した装置であり、抗原抗体反応によって反応容器内に形成された凝集反応パターンを撮像し、この凝集反応パターン(画像情報)を解析することによって分析を行う。一方、検体の免疫学的検査を行う装置は、上記した実施の形態の自動分析装置1の測光光学系29にかえて反応液から放射される蛍光を検出する検出部を具備した装置であり、反応容器内に標識物質として蛍光物質を加え、抗体と蛍光物質との反応によって生成・放射される蛍光の測光結果をもとに抗原抗体反応の分析を行う。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】自動分析装置の内部構成の一例を示す模式図である。
【図2】自動分析装置の主要機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】動作コース一覧テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】動作環境設定スケジュールデータのデータ構成例を示す図である。
【図5】環境設定予約処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】分析開始予約入力画面の一例を示す図である。
【図7】予約詳細入力画面の一例を示す図である。
【図8】コース編集画面の一例を示す図である。
【図9】週間一括入力画面の一例を示す図である。
【図10】期間一括入力画面の一例を示す図である。
【図11】環境設定開始時刻決定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図12】環境設定制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】次回設定確認画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 自動分析装置
2 測定機構
11 検体搬送機構
13 検体分注機構
17 ISE測定装置
19 試薬庫
21 試薬分注機構
25 反応槽
27 攪拌装置
29 測光光学系
31 洗浄装置
4 制御部
41 予約登録部
43 環境設定制御部
5 分析部
6 入力部
7 表示部
8 記憶部
81 環境設定予約プログラム
82 環境設定制御プログラム
83 動作コース一覧テーブル
84 単位動作時間データ
85 環境設定スケジュールデータ
12 検体ラック
121 検体容器
171 測定容器
B 試薬容器
C 反応容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、
当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶手段と、
前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼手段と、
前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出手段と、
前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定手段と、
前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記単位設定動作のうち、同時に動作可能な単位設定動作が予め定義されており、
前記環境設定時間算出手段は、前記指定された環境設定動作を構成する単位設定動作の中から同時に動作可能な単位設定動作を判定して、判定結果に従って前記環境設定時間を算出し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記同時に動作可能な単位設定動作の制御を同時に行って前記指定された環境設定動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記指定依頼手段は、所定の分析項目を分析するための測定の指定を依頼する分析項目指定依頼手段を有し、
前記環境設定時間算出手段は、前記分析項目指定依頼手段による依頼に応答して指定された測定のための環境設定動作に要する動作時間を加味して前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記指定された環境設定動作に加えて前記指定された測定のための環境設定動作を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の指定を依頼する周期指定依頼手段を有し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記周期指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の周期で、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定を依頼する期間指定依頼手段を有し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記期間指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の期間中、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記指定依頼手段は、分析終了後に行わせる少なくとも一の単位設定動作の指定を依頼する分析後動作指定依頼手段を有し、
分析終了後に、前記分析後動作指定依頼手段による依頼に応答して指定された単位設定動作を制御する分析後環境設定制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法であって、
当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶ステップと、
前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼ステップと、
前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出ステップと、
前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定ステップと、
前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御ステップと、
を含むことを特徴とする動作環境設定方法。
【請求項1】
検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、
当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶手段と、
前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼手段と、
前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出手段と、
前記指定依頼手段による依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定手段と、
前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記単位設定動作のうち、同時に動作可能な単位設定動作が予め定義されており、
前記環境設定時間算出手段は、前記指定された環境設定動作を構成する単位設定動作の中から同時に動作可能な単位設定動作を判定して、判定結果に従って前記環境設定時間を算出し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記同時に動作可能な単位設定動作の制御を同時に行って前記指定された環境設定動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記指定依頼手段は、所定の分析項目を分析するための測定の指定を依頼する分析項目指定依頼手段を有し、
前記環境設定時間算出手段は、前記分析項目指定依頼手段による依頼に応答して指定された測定のための環境設定動作に要する動作時間を加味して前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記指定された環境設定動作に加えて前記指定された測定のための環境設定動作を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の周期の指定を依頼する周期指定依頼手段を有し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記周期指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の周期で、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記指定依頼手段は、前記環境設定動作を繰り返し行わせる日付の期間の指定を依頼する期間指定依頼手段を有し、
前記分析前環境設定制御手段は、前記期間指定依頼手段による依頼に応答して指定された日付の期間中、前記決定された環境設定動作の開始時刻に前記指定された環境設定動作の制御を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記指定依頼手段は、分析終了後に行わせる少なくとも一の単位設定動作の指定を依頼する分析後動作指定依頼手段を有し、
分析終了後に、前記分析後動作指定依頼手段による依頼に応答して指定された単位設定動作を制御する分析後環境設定制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
検体と試薬とを反応させ、反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置の動作環境を設定する動作環境設定方法であって、
当該自動分析装置の動作環境を設定するための単位設定動作に要する単位動作時間を記憶する単位設定動作時間記憶ステップと、
前記検体の分析開始時刻の指定と、前記検体の分析を開始する前に行わせる前記単位設定動作を複数組み合わせた一連の環境設定動作の指定とを依頼する指定依頼ステップと、
前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された環境設定動作を構成する単位設定動作に要する単位動作時間をもとに、前記指定された環境設定動作に要する環境設定時間を算出する環境設定時間算出ステップと、
前記指定依頼ステップによる依頼に応答して指定された分析開始時刻と前記算出された環境設定時間とをもとに、前記指定された環境設定動作の開始時刻を決定する環境設定開始時刻決定ステップと、
前記決定された環境設定動作の開始時刻に、前記指定された環境設定動作の制御を開始して、該環境設定動作を前記指定された分析開始時刻までに完了させる分析前環境設定制御ステップと、
を含むことを特徴とする動作環境設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−36723(P2009−36723A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203352(P2007−203352)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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