説明

自動分析装置

【課題】自動分析装置での分析作業中に、ドクターから緊急確認依頼がされた場合や、アラームやメンテナンスの必要性が発生した場合など、緊急に対応することが必要とされる状態について、簡単に確認できる画面表示を備えた自動分析装置を提供する。また、他の課題として、多忙な操作者や自動分析装置に不慣れな操作者にとっても操作しやすい画面表示を備えた自動分析装置を提供する。
【解決手段】自動分析装置で測定結果等を表示する表示部の画面表示上の一部に、常に表示する常時表示領域を設け、検体の測定状況や発生したアラーム情報,メンテナンス情報といった、ルーチン中に発生する割り込み作業に関する複数種類の項目に関する情報を、リアルタイムで自動的に切り替えながら表示する。また、常時表示領域を操作者が選択などして要求した時には、表示中の項目に関連した情報を表示する画面表示を示す画面に遷移する自動分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液,尿等からなる検体の成分濃度を測定する自動分析装置および自動分析装置の画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の検査室においては、主に臨床検査技師が自動分析装置に患者の検体を投入して分析を行っている。
【0003】
検査室で出された測定結果はドクターに報告され、疾患の有無が判定される。検体の種類によっては、ドクターは即時に結果を知りたい場合もある。例えば緊急で依頼している分析項目などは、測定結果もさることながら、後どれくらいで結果が出力されるのかを、リアルタイムでドクターに報告できることは検査室の価値を高めると言える。
【0004】
また、昨今の医療現場では医療費削減が求められており、一人の検査技師が複数台,複数種類の分析装置を駆使して分析を行っていることも多い。
【0005】
また、人手不足のために自動分析装置に不慣れな操作者が装置を使用することも考えられる。
【0006】
しかし、現在の自動分析装置は多様な機能が付加しているために操作が複雑であるために、一つ一つの自動分析装置の操作に時間を要することや、操作画面が多数存在するため操作に慣れるのに時間を要することがネックである。
【0007】
更に、自動分析装置の画面複雑化に伴って、各種機能が複数の画面表示に散在しているため、必要な情報を得るためには操作者が複数の画面表示を参照して情報を収集し、総合的に判断しなくてはならないことも問題となる。
【0008】
特許文献1には、忙しい検査技師が一目で装置状態を確認するために、スクリーンセーバーを用いてアラーム情報等を表示し、離れた位置からでも検査技師が装置状態を確認できる画面表示が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には測定状況を調整するためのパラメータとして、X線分析装置のX線のカウントレート情報および測定波形情報を同一画面上に表示して、調整を容易にする画面表示が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−145882号公報
【特許文献2】特開2000−35411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に開示された発明は、装置のアラーム情報等をスクリーンセーバー上に表示するのみであり、表示内容を確認してスクリーンセーバーを解除した後の操作は、検査技師の経験と判断に委ねられていたため、装置に不慣れな操作者にとっては使い勝手の良くないものであった。
【0012】
また、画面全体をスクリーンセーバーで覆うため、複数種類の情報、例えば装置のアラーム情報と検体の測定結果を同時に並行して確認することはできなかった。
【0013】
特許文献2に開示された発明は、測定条件を最適化するために、X線分析装置の表示装置上にX線カウントレート情報やデッドタイム情報を表示する領域を備えている。
【0014】
しかし、X線分析装置の調整にはX線カウントレート情報やデッドタイム情報のみの表示でも十分であるが、自動分析装置では測定に関わる情報が多岐に渡るため、特許文献1に記載のように画面上にただ表示するだけでは、本来表示部が表示すべき測定条件や操作情報等を表示する領域が小さくなってしまい、かえって使い勝手が悪くなる。
【0015】
以上を鑑みて本発明の目的は、検査技師にとって測定状況や装置状態などの情報把握がしやすい画面表示を備えた自動分析装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、上記得られた情報から、次に行うべき動作へ画面遷移しやすくする画面表示を備えた自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明の構成は、検体と試薬を混合して分析を行う分析部と、前記分析部での測定状況,装置状況の少なくともいずれかを表示する表示部と、を備えた自動分析装置において、前記表示部の画面の一部に測定状況,装置状況の少なくともいずれかの項目、および当該項目に関連する情報を、前記表示部の表示画面に関わらず常時表示する常時表示領域、を表示するように制御する制御部を備えたことを特徴としている。
【0018】
測定状況とは、検体のIDナンバー,検体に対して行われている分注,攪拌,分析といった測定動作,測定結果が出力されるまでの残時間,測定結果を指す。
【0019】
装置状況とは、アラームの発生有無およびアラーム発生内容に関する情報,メンテナンスの必要有無および必要なメンテナンス内容に関する情報、を指す。これによって、常時表示領域に操作者が急いで知りたい情報が表示されるので、情報の取得が簡単で迅速に行える。
【0020】
ここで、常時表示領域で測定状況を表示する検体は、操作者が指定できるようにしても良い。指定手段としては、専用の画面表示を備えており、操作者がキーボードやマウス,タッチパネルなどの入力装置を用いて、所望の検体を指定できるようにすることが考えられる。これによって、操作者が着目する検体についての表示を、時間経過と共に常時表示領域に表示することができる。
【0021】
また常時表示領域は、複数の項目に関する情報を表示できるように、複数項目を時間で切り替えて表示するように制御しても良い。これによって、着目すべき項目が複数在る場合であっても、常時表示領域が過度に大きくなり表示画面を占有することが避けられる。
【0022】
本発明の他の構成は、上記構成に加えて、常時表示領域に表示される項目と関連する情報を表示する関連画面表示を記憶する記憶部を備え、制御部は、操作者からの要求により前記関連画面表示を前記表示部上に表示するよう制御することを特徴としている。
【0023】
これにより、得たい情報が表示された関連画面表示へ簡単に遷移することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、操作者は常時表示領域のみに着目していれば現在の測定状況や装置情報を簡単に確認することができるため、多忙な操作者や不慣れな操作者であっても安心して装置を使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】常時表示領域を備えた自動分析装置の画面構成例である。
【図2】自動分析装置の全体構成概要図である。
【図3】常時表示領域と関連付けされる画面例である。
【図4】常時表示領域のパラメータ設定および画面の関連付けを行う画面例である。
【図5】常時表示領域に複数個の表示情報が存在した場合の自動表示切り替え例である。
【図6】常時表示領域に複数個の表示情報が存在した場合の手動表示切り替え例である。
【図7】画面表示処理に使用されるデータ構造である。
【図8】画面表示処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施例は本発明の形態の一つであり、この形態に限定されるものではない。
【0028】
図2は自動分析装置の全体構成概要図である。まずは、自動分析装置の概要について説明する。
【0029】
図2においてディスプレイ等の表示手段およびキーボード,マウス等の入力手段を備えた操作部201から検体の分析測定項目を選択し、スタートボタンを押すと、インターフェース202より、分析部203にスタートやメンテナンス開始等の分析制御指示や分析測定依頼が送信される。検体測定においては、分析装置では、分析制御指示および分析測定依頼に従い、反応ディスク204を回転させて、反応容器205内に、検体分注プローブ206を用いて検体を分注し、試薬プローブ207を用いて試薬を分注して反応液を作成し、攪拌機構208により反応液の攪拌を行う。そして、光源209,多波長光度計210を用いて、反応容器205の吸光度を測定し、濃度演算を行う。測定結果出力後の反応容器205は洗浄機構211により、洗浄される。分析部203は測定した検体の分析項目の濃度演算結果を、インターフェース202より、操作部201に送信する。また、分析部203は、操作部201から受信した分析測定依頼と各機構の動作状況,検体の現在位置より、各検体の最終測定結果出力予定時刻を算出し、インターフェース202を介して最終測定結果出力予定時刻と測定状況を操作部202へ送信する。メンテナンス実行時においては、分析部203は、操作部201から受信したメンテナンス制御指示に従い機構動作を行う。各機構の動作進行状況からメンテナンス終了までの残時間を算出し、インターフェース202を介してメンテナンス終了までの残時間と装置状態を操作部201へ送信する。
【0030】
また、分析部203で試薬の不足や機構のエラーなどを検出した場合、インターフェース202を介してアラーム情報を操作部201へ送信する。
【0031】
操作者は、操作部201のディスプレイ上で、分析部203から送信された情報をリアルタイムで確認できる。
【0032】
図1は常時表示領域を備えた自動分析装置の画面構成例である。自動分析装置画面101の上部には、常時表示領域102が常に表示されている。
【0033】
図1の例では、常時表示領域102に、検体IDが001、測定結果出力までの待ち時間が5分、測定データ出力待ち状態、という測定情報が表示されており、操作者が検体モニタ画面104を表示している状態である。検体モニタ画面104は常時表示領域102に重ならない領域に表示されている。
【0034】
例として、検体測定情報に関連付けられた画面が測定結果画面103で、関連付画面の表示トリガーをキーボード212によるEnterキー押下とする。
【0035】
操作者が、マウス213で常時表示領域102を選択し、さらにキーボード212でEnterキーを押下すると、Enterキーの押下が画面誘導のトリガーとなり、検体モニタ画面104が自動で閉じて、常時表示領域102に表示中の検体測定情報に関連付けられた測定結果画面103が常時表示領域102と重ならない領域に表示される。
【0036】
このとき、測定結果画面103では、常時表示領域に表示中である検体ID:001の検体の測定結果や測定状態が初期表示される。
【0037】
また、常時表示領域102と検体モニタ画面104,測定結果画面103は、全て検体ID:001を示すアイコンとして●の記号が表示されており、操作者は目的の検体ID:001の測定情報,位置情報等を迅速かつ簡単に探し出せることができる。
【0038】
図3は、常時表示領域と関連付けされる、他の画面例である。
【0039】
アラーム画面301は、アラーム情報の詳細情報を確認するための画面である。
【0040】
メンテナンス画面302は、装置のメンテナンス項目を一覧で表示し、メンテナンスの実行指示や、実行中のメンテナンスが終了するまでの残時間を表示する画面である。
【0041】
アラーム画面301,メンテナンス画面302は共に、通常時は常時表示領域102と重ならない領域に配置されたボタンなどを押下することにより表示される。
【0042】
表示項目402には、常時表示領域102に表示可能な情報(検体測定情報,アラーム情報,メンテナンス情報)の一覧が表示される。それぞれの情報を常時表示領域102に表示するかどうかは、表示選択403をマウス213で操作することにより設定できる。表示する場合は表示選択403を選択状態にし、表示しない場合は表示選択403を非選択状態にする。
【0043】
図4は、常時表示領域102における表示パラメータの表示設定画面、および各画面の関連付けの設定を行う関連付け設定画面の一例である。
【0044】
操作者は、これらの設定を表示設定画面401で実施できる。
【0045】
図4の例では、検体測定情報とメンテナンス情報の表示が有効となり、アラーム情報の表示が無効となっている。よって、アラームが発生した場合でも、常時表示領域102にアラーム情報は出力されない。
【0046】
常時出力部と各画面の関連付けは、関連付け設定ボタン412を押下することによって開かれる、関連付け設定画面407にて設定する。
【0047】
関連付けが有効であるかどうかは、関連付け選択405に表示される。関連付けされる画面の一覧は、関連付け設定画面407に表示される。
【0048】
検体測定情報としては、検体モニタ画面と測定結果画面のどちらか1つを選択できる。図4の例では、測定結果画面が選択されているため、関連画面表示トリガーが発せられると測定結果画面が自動的に開かれる。
【0049】
アラーム情報としては、アラーム画面,試薬画面,キャリブ画面のどれか1つを選択できる。図4の例では、アラーム画面が関連付けされている。
【0050】
メンテナンス情報としては、メンテナンス画面への関連付けが設定できるが、図4の例では、関連付けが無効となっている。この場合、メンテナンス情報を常時表示領域102に表示中に、操作者がマウス213とキーボード212で画面誘導のトリガーを操作しても、メンテナンス画面は表示されず、常時表示領域102と重ならない領域に表示されている画面が継続して表示される。
【0051】
常時表示領域102に表示する情報が複数個同時に存在した場合、各々の情報を自動で切り替える間隔は、表示切り替え間隔406にて設定する。図4の例では、表示切り替え間隔を3段階に設定できる中の、通常の切り替え間隔に設定されている。
【0052】
また、検体測定情報を常時表示領域102に登録する方法としては、測定結果画面103のリストで選択されたことをトリガーとして、選択された検体を登録する方法や、リストで選択した検体を常時表示領域102にマウス213でドラッグアンドドロップした検体を登録する方法も在り得る。
【0053】
図5は、常時表示領域102に複数個の表示情報が存在した場合の自動表示切り替え例である。図5では、検体測定情報1個とアラーム情報1個の計2個の情報が同時に存在している例を示す。
【0054】
常時表示領域102が検体ID:001の検体測定情報を表示した状態501になってから、表示切り替え間隔406の設定時間経過後、常時表示領域102はアラーム情報(試薬不足アラーム)を表示した状態502に自動で切り替わる。このあとさらに、表示切り替え間隔406の設定時間経過後、検体ID:001の検体測定情報を表示した状態503に自動で切り替わる。
【0055】
操作者は、常時表示領域102のみを注目していれば、測定状況および装置状況が把握できる。
【0056】
また近年、操作部に使用されるパーソナルコンピュータに付属されるモニタは大型化する傾向にある。常時表示領域102がある程度の大きさを確保できれば、スクリーンセーバーの技術を使用しなくても操作者は装置からある程度離れた位置からでも、装置の測定状況や割込み作業の発生有無を目視で確認できる。
【0057】
図6は、常時表示領域102に複数個の表示情報が存在した場合に、手動で表示を切り替える場合の例である。例として複数個の情報を同時表示するためのトリガーをキーボード212による↓キー押下とする。
【0058】
通常時は、通常表示状態601のように、常時表示領域102には一時に一つの情報が表示される。
【0059】
操作者がマウス213で常時表示領域102を選択し、さらにキーボード212で↓キーを押下すると、常時表示領域102は表示サイズを一時的に変更し、複数情報一括表示状態602の表示となる。
【0060】
図6の例では、3個の情報(試薬不足アラームのアラーム情報,検体ID:001の検体測定情報,検体ID:002の検体測定情報)が同時に表示される。
【0061】
操作者が選択バー603にてどれか一つの情報を選択すると、常時表示領域102は元の表示サイズに戻り、選択バー603にて選択した情報に関連付けされた画面を、常時表示領域102と重ならない領域に表示する。
【0062】
図6では、アラーム情報を選択したので、常時表示領域102は試薬不足アラーム表示604をし、かつ関連付けされたアラーム画面605を表示する。アラーム画面605には、常時表示領域102に表示されている試薬不足アラームに関する情報が初期表示される。
【0063】
試薬不足アラーム表示604のようなアラーム情報の表示においては、アラームの重要度によって常時表示領域102に記号や色を使用して表示することも考えられる。これにより、操作者が操作部201から離れた場所にいても、色や記号でアラームの緊急度や重要度が把握できる。
【0064】
図7は、常時表示領域の表示処理を行うときに使用されるデータ構造である。表示候補格納データ715と詳細データ721を使用して常時表示領域への表示を行う。
【0065】
詳細データ721には、アラーム情報詳細データ701,メンテナンス情報詳細データ706,検体測定情報詳細データ710が含まれる。
【0066】
アラーム情報詳細データ701には、装置で発生したアラームがリアルタイムで格納される。アラーム対処状態702,アラームコード703,アラーム名称704,アラームレベル705が格納されている。操作者が対処済みのアラームは、アラーム対処状態702が済となり、未対処のアラームはアラーム対処状態702が未となる。
【0067】
たとえばアラーム画面605にて、アラームへの対処を行ったためにアラームを画面上から削除した場合、アラーム対処状態702が未から済に更新される。アラーム対処状態702が未のアラームが常時表示領域102への表示候補となる。
【0068】
メンテナンス情報詳細データ706には、装置で実行されるメンテナンス項目の一覧およびメンテナンスの実行状態が格納される。メンテナンス実行状態707,メンテナンス名称708,実行中メンテナンス残時間709が格納されている。
【0069】
メンテナンス実行状態707が実行中となっているメンテナンス情報が、常時表示領域への表示候補となり、メンテナンスの進行状況をもとに実行中メンテナンスの残時間709がリアルタイムで更新される。
【0070】
検体測定情報詳細データ710には、装置に登録された検体の一覧および検体の識別情報や測定状態が格納される。常時表示領域への表示選択状態711,検体ID712,検体測定状況713,測定結果出力残時間714が格納されており、表示選択状態711が有の検体測定情報が常時表示領域への表示候補となる。
【0071】
常時表示領域への表示候補となるたデータは、表示候補格納データ715に登録される。表示候補格納データ715には、レコード番号716,表示情報種別717,キー情報718,表示状態719,表示経過時間720が格納されている。
【0072】
表示候補格納データ715の表示情報種別717とキー情報718をもとに、詳細データ721から常時表示領域へ表示する詳細データを検索し、表示することができる。表示状態719が表示中となっているデータが、現在、常時表示領域に表示されているデータとなる。
【0073】
表示情報種別717,キー情報718がともにNULのレコードは空きレコードであり、新しい表示候補データが格納される。表示候補データの対象でなくなった場合は、表示情報種別717,キー情報718がともにNULに更新される。
【0074】
図8は、常時表示領域の表示処理フローである。
【0075】
まず、表示経過時間更新処理801により、常時表示領域102に表示中のデータがあれば、表示経過時間720を更新する。
【0076】
次に、レコード番号記憶処理802により、表示状態719が表示中となっているレコード番号716に格納されているレコード番号を記憶する。
【0077】
アラーム情報登録処理803,メンテナンス情報登録処理804,検体測定情報登録処理805では、詳細データ721の内容をもとに、表示候補格納データ715に登録するデータを決定する。表示候補格納データ715に未登録のデータは追加登録を行い、登録済みのデータで今回表示候補データ対象外となったデータは、表示情報種別717,キー情報718をともにNULに更新する。
【0078】
表示候補データ有無の判定処理806により表示データ有無を判定し、表示データがなければ常時表示領域の空欄表示処理811行う。
【0079】
表示データがあれば、表示経過時間のチェック処理807により、更新された表示経過時間720と表示切り替え間隔406を比較し、表示切り替え間隔406を超過していれば、該レコードの表示経過時間720を0秒にし、表示状態719を未表示に変更する。
【0080】
さらに次に表示すべきデータを検索し、表示情報種別717とキー情報718がNULでないレコード番号716を、新しい表示レコード番号とする。このとき、新しい表示レコード番号の表示状態719を表示中に変更する。表示切り替え間隔406を超過していなければ、表示レコード番号は前回値と同じになる。
【0081】
表示レコード番号が決定すると、常時表示領域の表示更新処理809により、表示情報種別717とキー情報718から詳細データ721のデータの検索と読み出しを行い、常時表示領域の表示を更新する。
【0082】
次に、関連付け画面の要求チェック処理810にて、装置から関連付け画面を表示するような画面操作、たとえば前記に説明したキーボード212にて↓キーを押下したような操作が発生したかどうかをチェックする。
【0083】
画面操作があれば、常時表示領域外への関連付け画面表示処理813を行い、関連付け設定画面407にて設定された画面の表示処理を行う。
【0084】
以上より、装置画面上に常時表示領域を設けることで、1つの表示領域のみに着目するだけで装置の運転状況が、画面遷移操作なしにリアルタイムでいつでも把握できる。さらに、常時表示情報に関連付けられた画面に誘導することで、不慣れな操作者にとっても、画面遷移に迷うことなく、割り込み作業に対する対応を簡単かつ迅速に行うことが可能となる。
【0085】
なお、本実施例では説明していないが、試薬や標準液,精度管理試料の有効期限切れやロットの変更などのアラーム発生に伴う割り込み作業が発生した場合においても、常時表示領域に割り込み作業が発生することを表示し、それに伴う作業を行う画面へ誘導することもできる。よって、ルーチン中のみならず、ルーチンの準備作業においても本発明技術を適用できる。
【符号の説明】
【0086】
101 自動分析装置画面
102 常時表示領域
103 測定結果画面
104 検体モニタ画面
201,202 操作部
203 分析部
204 反応ディスク
205 反応容器
206 検体分注プローブ
207 試薬プローブ
208 攪拌機構
209 光源
210 多波長光度計
211 洗浄機構
212 キーボード
213 マウス
301,605 アラーム画面
302 メンテナンス画面
401 表示設定画面
402,408 表示項目
403,409 表示選択
404,410 選択時表示画面
405 関連付け選択
406 表示切り替え間隔
407 関連付け設定画面
411 閉じるボタン
412 関連付け設定ボタン
501,503 検体ID001表示状態
502,604 試薬不足アラーム表示状態
601 通常表示状態
602 複数情報一括表示状態
603 選択バー
701 アラーム情報詳細データ
702 アラーム対処状態
703 アラームコード
704 アラーム名称
705 アラームレベル
706 メンテナンス情報詳細データ
707 メンテナンス実行状態
708 メンテナンス名称
709 実行中メンテナンス残時間
710 検体測定情報詳細データ
711 表示選択状態
712 検体ID
713 検体測定状況
714 測定結果出力残時間
715 表示候補格納データ
716 レコード番号
717 表示情報種別
718 キー情報
719 表示状態
720 表示経過時間
721 詳細データ
801 表示経過時間更新処理
802 レコード番号記憶処理
803 アラーム情報登録処理
804 メンテナンス情報登録処理
805 検体測定情報登録処理
806 表示候補データ有無の判定処理
807 表示経過時間のチェック処理
808 表示候補データの更新処理
809 常時表示領域の表示更新処理
810 関連付け画面の要求チェック処理
811 常時表示領域の空欄表示処理
812 レコード番号更新処理
813 常時表示領域外への関連付け画面表示処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬を混合して分析を行う分析部と、
前記分析部での測定状況,装置状況の少なくともいずれかを表示する表示部と、を備えた自動分析装置において、
前記表示部の画面の一部に測定状況,装置状況の少なくともいずれかの項目、および当該項目に関連する情報を、前記表示部の表示画面に関わらず常時表示する常時表示領域,を表示するように制御する制御部を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記常時表示領域に表示する測定状況が、当該自動分析装置に投入された検体の測定ステータスを含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記測定ステータスが、検体のIDナンバー,検体に対して現在行われている測定動作,測定結果が出力されるまでの残時間,測定結果の少なくともいずれかを含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記常時表示領域に前記測定ステータスを表示する検体を指定する指定手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項1または2記載の自動分析装置において、
前記常時表示領域に表示する装置状況の情報が、アラームの発生有無および発生内容に関する情報、メンテナンスの必要有無および必要なメンテナンス内容に関する情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の自動分析装置において、
常時表示する項目の候補を格納する表示候補データ格納部と、
前記表示候補データ格納部中の項目中から選択された常時表示する項目を格納し、当該情報をリアルタイムで更新する表示データ格納部と、を備え、
前記制御部は、前記常時表示領域に前記表示データ格納部に格納された情報を出力するよう制御することを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の自動分析装置において、
前記表示データ格納部に複数の項目が格納されている場合、
前記制御部は、前記常時表示領域に表示する項目を予め定めた表示時間に応じて順次切り替えて出力するよう制御することを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項6記載の自動分析装置において、
前記表示データ格納部に複数の項目が格納されている場合、
前記制御部は、操作者からの要求に応じて前記表示データ格納部に格納されている全ての項目についての情報を出力するよう制御することを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の自動分析装置において、
前記常時表示領域に表示される項目と関連する情報を表示する関連画面表示を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、操作者からの要求により前記関連画面表示を前記表示部上に表示するよう制御することを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項9記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記関連画面表示として、測定ステータスについては検体モニタ画面又は測定結果画面,アラーム情報についてはアラーム詳細情報,試薬詳細情報,キャリブレーション詳細情報のいずれかを表示するよう制御することを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−249757(P2010−249757A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101536(P2009−101536)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】