説明

自動分析装置

【課題】検体を入れた検体容器をラックに架設して検体供給部から投入する方式の自動分析装置では、検体もしくは検体容器に起因するエラーによって測定がキャンセルされた場合、ラックが検体収納部に収納されるまで、測定エラーとなった要因の排除および再測定を待たなくてはならない。この待ち時間は最大30分以上になる場合もあり、報告に緊急を要する検体の臨床判断を遅らせる要因となっている。
【解決手段】検体もしくは検体容器に起因するエラーによって測定がキャンセルされた検体の検体容器を、当該検体を入れた検体容器を架設したラックが検体収納部に収納されるまで待つことなく、オペレータの入力によりラック搬送経路上でラックを停止させて検体容器を安全に取り出すことができる機能を設ける。もしくは、ラック搬送経路上にラックごと取り出すことができる機能を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に係り、特に、結果の報告に緊急を要する患者検体の測定に使用する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、検体中の被検物質(成分)の濃度を測定するための機構系を有した分析部と操作部からなり、血液、尿、体液などの検体中の被検物質と被検物質に対する試薬とを反応容器内で混合し、生じた反応物質に光を照射して吸光度を測定することにより前記被検物質の定量分析を行い、測定値を濃度に換算して出力する。
【0003】
検体は、検体容器に貼られた検体バーコードを分析部に設置された検体のバーコードリーダが読み取ることによって特定される。バーコードリーダで読取りエラーとなった検体は特定されないため、自動分析装置は測定をキャンセルする。
【0004】
特定された検体は、分析部の検体分注機構により検体容器から反応容器に分注される。この時、自動分析装置は検体分注動作を監視し、詰まり、試料不足、異常下降などの検体もしくは検体容器に起因するエラーが発生した場合、当該検体からの以降の分注動作を停止し、測定をキャンセルする。
【0005】
検体を入れた検体容器をラックに架設して検体供給部から搬送ラインに投入供給する方式の自動分析装置においては、ラックが検体収納部に収納されるまでラック上の検体容器を取り出すことができない。
【0006】
このため、検体もしくは検体容器に起因するエラーによって測定がキャンセルされた検体は、当該検体を入れた検体容器が架設されたラックが検体収納部に収納された後に、測定エラーとなった要因の排除および再測定が可能となる。
【0007】
また、特許文献1(特開2010−8372号公報)に示される自動分析装置は、供給するラックが置かれる検体供給部と、測定を終えたラックを回収する検体回収部を一つにまとめて備え、測定エラーになった検体容器のラックを検体供給部に戻すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−8372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
検体を入れた検体容器をラックに架設して検体供給部から搬送ラインに供給投入する方式の自動分析装置では、バーコード読取り手段での検体容器のバーコード読み取りエラーや、分注にかかわる詰まり、試料不足、異常下降などの検体もしくは検体容器に起因するエラーによって測定がキャンセルされた場合、当該検体を入れた検体容器を架設したラックが検体収納部に収納されるまで検体容器を取り出すことができない。このため、エラーが検知されて検体収納部に収納されるまでは何ら対応できず、この間、測定エラーとなった要因の排除および再測定を待たなくてはならない。この待ち時間は、同一ラック上に架設された別検体の測定状況やラック搬送経路内にある別ラックの影響を受けて最大で30分以上になる場合もあり、報告に緊急を要する検体の臨床判断を遅らせることになっている。
【0010】
特許文献1に示す自動分析装置にあっても、検体回収部と一つになっている検体供給部
にラックが戻ってから該当する検体容器にかかわるエラーの要因を取り除く措置をするので再検が遅れるのは前例と同様である。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑み、再検遅れのもとになってきるエラー要因の排除および再測定までの待ち時間を短縮化できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、検体の成分を測定する分析部と、前記分析部の操作指示をする操作部と、前記検体が入る検体容器を収めるラックが搬送される搬送ラインと、前記搬送ラインに供給する前記ラックが置かれる検体供給部と、前記分析部で測定を終え搬送ラインで運ばれて排出される前記ラックを収納する検体収納部と、前記搬送ライン上の前記検体容器から検体を前記分析部に分注する分注機構と、を備える自動分析装置であって、前記分注機構の分注にかかわる分注詰まり、検体不足、異常下降のいずれか一つを含む要因による測定のエラーが生じたときは該当する検体容器を取り出すためにその検体容器が収まるラックを前記搬送ライン上で止める停止手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、検体の成分を測定する分析部と、前記分析部の操作指示をする操作部と、前記検体が入る検体容器を収めるラックが搬送される搬送ラインと、前記搬送ラインに供給する前記ラックが置かれる検体供給部と、前記分析部で測定を終え搬送ラインで運ばれて排出される前記ラックを収納する検体収納部と、前記搬送ライン上の前記検体容器から検体を前記分析部に分注する分注機構と、前記搬送ラインで運ばれる前記ラックに収まる前記検体容器のバーコードを前記分注機構での分注をする前に前記バーコードを読むバーコード読取り手段と、を備える自動分析装置であって、前記バーコード読取り手段による読取りのエラーが生じたときは該当する検体容器を取り出すために当該検体容器が収まるラックを前記搬送ライン上で止める停止手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
これにより、分注やバーコード読み取りにかかわるエラーが起きたら該当する検体容器が収まるラックを搬送ライン上で止め、エラーの要因を取り除いて再検を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エラーが起きたら直ぐエラー要因を除去でき、エラー要因の排除および再検測定までの待ち時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係るもので、自動分析装置の全体構成概略図である。
【図2】本発明の実施例に係るもので、分析部、搬送ライン、検体供給部、検体収納部の関係を模式的に示した図である。
【図3】本発明の実施例に係るもので、測定エラーの検体容器の取出し設定に関するシステム設定画面である。
【図4】本発明の実施例に係るもので、分注にかかわる測定エラーで該当する検体容器またはその検体容器を収めたラックの取り出しを示す図である。
【図5】本発明の実施例に係るもので、検体容器のバーコード読取りエラーで該当する検体容器またはその検体容器を収めたラックの取り出しを示す図である。
【図6】本発明の実施例に係るもので、再検バッファでの検体容器の取り出しを示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るもので、分注にかかわる測定エラーで該当検体容器の取出し実行画面である。
【図8】本発明の実施例に係るもので、分注にかかわる測定エラーで取出す該当検体容器の登録画面である。
【図9】本発明の実施例に係るもので、再検バッファで取出す該当検体容器の登録画面である。
【図10】本発明の実施例に係るもので、ラックを搬送ラインのエラー検体容器取出し位置で停止手段によって止めているところを示す図である。
【図11】本発明の実施例に係るもので、搬送ラインへのラックの供給からエラー検体容器取出し位置でエラー該当検体の取り出しにかかわるフローを示したフロー図である。
【図12】本発明の実施例に係わり、分注にかかわる測定エラーで検体容器の取り出しをするフローであって次のラックが到着するのを待たない時間の設定をした事例のフロー図である。
【図13】本発明の実施例に係わり、分注にかかわる測定エラーで検体容器の取り出しをするフローであって次のラックが到着するのを待つ時間の設定をした事例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、自動分析装置の原理的な全体構成概略図である。図1に示すように、自動分析装置は、分析部108、操作部101を有する。操作部101は、データを入力するためのキーボード102、マウス103、各種のデータ、画面を表示するための表示装置104、データを印刷するための印刷装置105、分析部と接続するためのインターフェース106、及び分析指示情報や測定結果を記憶するための記憶装置107等の周辺機器を備えるコンピュータ等を含む。この操作部101はインターフェース106を介して分析部108と接続される。
【0019】
分析部108は、反応ディスク109、その同心円周上に設定された複数の反応容器110、試薬ディスク111、その同心円周上に設定された種々の試薬が入った試薬ボトル112、反応ディスク109の周囲に設けた検体分注機構113、攪拌装置114、洗浄装置115、光源116、多波長光度計117を有する。
【0020】
反応ディスク109、及び試薬ディスク111の間には、試薬分注機構118が配置されている。また、検体分注機構113の回転円周上には、ラック搬送ライン119が設置されている。ラック120は、ラックを運ぶ搬送ライン119に乗って移動する。検体を入れた検体容器121は、ラック120の中に複数個架設されている。ラック120上の検体容器121の架設有無は検体容器検知器122による検知で認識される。バーコードリーダ123は検体容器121に貼られた検体バーコードを読み取り、検体を特定する。
【0021】
これら機構の動作はすべて、インターフェース124を介してコンピュータ125により制御されている。
【0022】
オペレータは、操作部101の表示装置104と、キーボード102、または、マウス103を使って自動分析装置に分析指示を与える。分析指示は、記憶装置107に記憶されると共に、インターフェース106を介して分析部108に送信される。分析部108は受信した分析指示に従い、次のように分析動作を行う。
【0023】
検体分注機構113は、検体容器121の中に入った検体を所定量だけ反応容器110に分注する。ひとつの検体容器121に対する分注を完了したら、次の検体容器121が検体分注機構113の真下に来るようにラック搬送ライン119上をラック120が移動する。
【0024】
ラック120に入っている全ての検体容器121ついて分注が完了したら、ラック120はラック搬送ライン119に運ばれ移動し搬出される。検体が分注された反応容器110は反応ディスク109の回転動作により、反応ディスク109上を回転移動する。その間に反応容器110の中の検体に対し、試薬分注機構118による試薬ボトル112内の試薬の分注、攪拌装置114による反応液の攪拌、光源116、及び多波長光度計117による吸光度の測定が行われる。その後に洗浄装置115によって分析の終了した反応容器110は洗浄される。
【0025】
測定された吸光度信号はA/Dコンバータ126を経由し、インターフェース124を介してコンピュータ125へ入る。この吸光度信号から、あらかじめ被検物質ごとに設定された分析法に基づき、検体の物質成分が測定される。この測定データは、標準液検体の濃度データから算出された検量線データに比べることにより濃度データが算出される。
【0026】
これらのデータは測定結果として、検体の種類を記号化した情報を付加した後、インターフェース106を介して操作部101に送信される。
【0027】
操作部101は、受信した測定結果を記憶装置107に記憶すると共に、表示装置104、および印刷装置105に出力する。
【0028】
図2は、ラック201に検体容器202を架設して検体供給部203から投入する方式の自動分析装置で分析部、搬送ライン、検体供給部、検体収納部の配置を示している。図中の矢印はラック201の移動方向を表す。オペレータは、検体を入れた検体容器202が架設されたラック201を検体投入部203にセットする。
【0029】
オペレータによる操作部101からの測定開始要求により、ラック201は検体投入部203からメインのラック搬送ライン204に送り込まれて搬送される。そして、検体バーコード読取り位置205で、検体容器検知器206によってラック201上の検体容器202の架設有無が検知され認識される。バーコードリーダ207は検体容器202に貼られた検体バーコードを読み取る。これにより、検体は特定される。
【0030】
ラック201は、検体バーコードの読取り後、分析部である分析モジュール208内のラック搬送ライン209に移り搬送され、検体分注位置210まで移動する。ここで、検体分注機構211によって検体容器202内の検体が分注される。
【0031】
ラック201は、検体分注動作終了後、自動分析装置の設定が自動再検モードの場合、メインラック搬送ライン204を経由して再検バッファ212内に搬送される。自動分析装置の設定が自動再検モードでない場合には、メインラック搬送ライン204を経由して検体収納部215に収納される。自動再検モードとは、初回の測定結果出力後、自動分析装置が再測定要と判断した項目について、自動で再測定を行うモードのことである。また、再検バッファ212とは、自動再検モード時、ラック201上に架設された全検体の初回の測定結果が全て出揃うまでラック201を退避させておくバッファのことである。
【0032】
ラック201は再検バッファ212に搬送され、ラック201上に架設された全検体の初回の測定結果が全て出揃うまで再検バッファ212で待つ。測定結果において、1検体でも再測定要と判断された場合には、ラック201は再検のラック搬送ラインA213、再検のラック搬送ライン214を経由して、再びメインのラック搬送ライン204に搬送される。そして、分析モジュール208にて再測定後、検体収納部215に収納される。ラック201上に再測定要と判断される検体がない場合には、再検ラック搬送ラインB213、メインのラック搬送ライン204を経由して、検体収納部215に収納される。
【0033】
再検のラック搬送ラインA213と再検のラック搬送ライン214を含めて再検体搬送路と云う。
【0034】
なお、従来の自動分析装置では、ラック201上に架設された検体容器202は、検体供給部203から投入された後、検体収納部215に収納されるまでラック201から取り出すことはできない構造となっている。
【0035】
図3に示す本発明の実施例について説明する。
【0036】
図3は、操作部101の表示装置104に表示される測定エラー検体取出し設定に関するシステム設定画面である。このシステム設定画面は表示装置104に表示される。
【0037】
このシステム設定画面で、測定エラー検体取出し設定パラメータ301の設定登録をする。測定エラー検体取出し設定パラメータ301として種々の表示がある。測定エラーの種類302、検体の取出し単位303、検体の取出し待ち時間304、次ラック到着後の検体の取出し待ち時間305、登録ボタン306などが表示される。
【0038】
これらの表示を用いて測定エラーにかかわる検体の取り出しについて設置登録をする。なお、検体の取り出しとは、後述する測定エラー検体容器取出し位置で、測定エラー検体の検体容器が収納されているラックを止め、測定エラーに該当する検体容器の取り出しをすることを云う。
【0039】
ここで、検体を取り出す測定エラーの種類302とは、測定エラーの詰まり、検体不足、異常下降、検体バーコード読取りエラーである。これらの測定エラーの種類から検体取出しの対象を選択して設定登録をする。設定登録された種類が測定エラーの対象になり、設定登録されない種類は測定エラーの対象外である。
【0040】
測定エラーの詰まり、検体不足、異常下降は検体自体にかかわるエラーである。検体バーコード読取りエラーは検体容器に貼られたバーコードの記載不明をもとにするエラーである。これら測定エラーの種類302は任意数で選択できる。
【0041】
測定エラー検体の取出し単位303とは、検体容器単位での取り出しか、ラック単位での取り出しかを云う。いずれかを選択して設定する。
【0042】
測定エラー検体の取出し待ち時間(T1)304、次ラック到着後測定エラー検体の取出し待ち時間(T2)305は時間長さを任意に設定できる。測定エラー検体の取出し待ち時間(T1)304とは、測定エラー検体の取出し単位303が検体容器単位の場合、検体容器202を取出し操作の開始を受け付ける待ち時間の長さの設定である。図示では30秒になっているが、時間は長短変更できる。
【0043】
次ラック到着後の測定エラー検体取出し待ち時間(T2)305とは、同じく検体の取出し単位303が検体容器単位の時、測定エラーが発生した検体を架設したラック201から検体の取出しが可能となった状態で、次のラック201が到着してしまった場合、そこから検体容器202の取出し操作の開始を受け付ける待ち時間の長さの設定である。この測定エラー検体の取出し待ち時間(T2)305は有効とするか無効とするかの設定ができる。
【0044】
測定エラー検体の取出し待ち時間(T2)305は、ラック201の渋滞がなるべく発生しないように、次ラック201の到着有無によって測定エラー検体の取出し待ち時間を可変にするための設定である。
【0045】
例えば、測定エラー検体の取出し待ち時間(T1)304の設定が30秒、次ラック到着後の測定エラー検体取出し待ち時間(T2)305の設定が有効で、かつ10秒の時とする。
【0046】
測定エラーが発生した検体の入る検体容器を収納したラック201から検体の取出しが可能となってから5秒後に次ラック201が到着した場合、そこから10秒間が取出し待ち時間となるため、測定エラー検体取出し待ち時間の合計は15秒間となる。
【0047】
図4に示す本発明の実施例について説明する。
【0048】
図4は検体分注にかかわる測定エラーでの検体取出し機能についての説明図である。
【0049】
分注は、分析モジュール内ラック搬送ライン401上の検体分注位置402で行われる。ラック403上の検体容器404から検体分注機構405で検体分注動作を行った際に、検体分注機構405が詰まり、検体不足、異常下降のいずれかの測定エラーを検出する。その測定エラーが図3で示したシステム設定画面の測定エラー検体取出し設定パラメータ301中の測定エラー検体取出し設定302で選択されていた場合、当該ラック403上の全検体の検体分注動作終了後、測定エラー検体容器を取り出すための動作を開始する。
【0050】
図3の測定エラー検体取出し設定パラメータ301中の測定エラーの検体取出し単位303が検体容器単位の場合、同じ分析モジュール内ラック搬送ライン401上で検体分注位置402のすぐ先にある測定エラー検体容器取出し位置406にラック403を搬送し、そこでラックを停止させる。この停止とともに、測定エラー検体容器取出し位置406の近辺に設置されたファンクションキー407を点滅させ、測定エラー検体の取出しが可能となったことをオペレータに知らせる。
【0051】
なお、測定エラー検体容器取出し位置406は、図2に示す分析部である分析モジュール208のラック搬送ライン209に設けた測定エラー検体容器取出し位置406(A)に対応する。
【0052】
ラック403は、システム設定画面の測定エラー検体取出し設定パラメータ301中の測定エラー検体の取出し待ち時間(T1)304、次ラック到着後の測定エラー検体取出し待ち時間(T2)305の間、測定エラー検体容器取出し位置406に止まる。
【0053】
その停止している間にファンクションキー407がオペレータにより押下された場合、それを測定エラー検体取出し動作の開始とし、ファンクションキー407を点灯させる。それと共に、再びファンクションキー407が押下されるまでラック403を測定エラー検体容器取出し位置406に停止させる。
【0054】
測定エラー検体容器取出し位置406の上部カバーは開閉式の構造とし、ファンクションキー407が点灯している間はオペレータによる上部カバーの開閉操作を可能とする。上部カバーの開放により、測定エラー検体容器取出し位置406の上部からラック403内の測定エラーに該当する検体容器404を取り出すことができる。取り出した検体容器404は、測定エラー検体容器取出し位置406の真横に設置された検体容器取出検知装置408により自動的に検知されて認識される。検体容器404の取出し操作完了後、ファンクションキー407の再押下により、ファンクションキー407を消灯すると共に、ラック403の搬送を再開する。
【0055】
なお、測定エラー検体容器取出し位置でのラックの停止は、例えば図10に示す停止手段1000によって行う。停止手段1000はラック搬送ライン401に隣接して設ける。停止手段1000はモータ(図示せず)で回す停止バー1001を有する。停止バー1001を下してラック搬送ライン401で運ばれて来るラック403を止める。停止バー1001を上げてラック403の停止を解除する。停止手段1000でラック403の停止させている間もラック搬送ライン401は搬送動作を続けている。このため、ラック搬送ライン401はラック403の底と滑り合うように動き続ける。
【0056】
図3のシステム設定画面の測定エラー検体取出し設定パラメータ301中の測定エラー検体取出し単位303がラック単位の場合には、ラック403を測定エラー検体容器取出し位置406に搬送後、その横に設けられた測定エラー検体容器取出し用バッファ409にラック403を搬出する。測定エラー検体容器取出し用バッファ409はオペレータがラック403を取り出すことが可能な構造とし、これによりラックを取り出すことができる。
【0057】
図5に示す実施例について説明する。
【0058】
図5は、検体容器のバーコード読取りエラーにおける測定エラー検体取出し機能についての説明図である。
【0059】
メインのラック搬送ライン501上の検体バーコード読取り位置502において、ラック503上の検体容器504の架設有無を検体容器検知器505によって認識後、検体バーコードリーダ506(バーコード読取り手段)によって検体容器504に貼られた検体バーコードを読み取る。この読み取りに際し、検体バーコードの読取りエラーを検出し、検体バーコード読取りエラーが図3で示したシステム設定画面の検体バーコード読取りエラー302に選択設定されていた場合、当該ラック503上の全検体の検体バーコード読取り動作終了後、測定エラー検体を取り出すための動作を開始する。
【0060】
図3のシステム設定画面の測定エラー検体取出し単位303の設定が検体容器単位の場合、同じメインラック搬送ライン501上で検体バーコード読取り位置502のすぐ先にある測定エラー検体取出し位置507にラック503を搬送し、そこでラックを停止させる。それとともに、測定エラー検体取出し位置507の近辺に設置されたファンクションキー508を点滅させ、測定エラー検体の取出しが可能となったことをオペレータに知らせる。
【0061】
なお、測定エラー検体取出し位置507は、図2に示すメインのラック搬送ライン20に設けた測定エラー検体取出し位置507(A)に対応する。
【0062】
ラック503は、システム設定画面の測定エラー検体の取出し待ち時間304、および次ラック到着後待ち時間305の間、測定エラー検体取出し位置507に止まる。その間にファンクションキー508がオペレータにより押下された場合、それを測定エラー検体取出し動作の開始とし、ファンクションキー508を点灯させる。そして、再びファンクションキー508が押下されるまでラック503を測定エラー検体取出し位置507に停止させる。
【0063】
測定エラー検体取出し位置507の上部カバーは開閉式の構造とし、ファンクションキー508が点灯している間はオペレータによる上部カバーの開閉操作を可能とすることにより、測定エラー検体取出し位置507の上部から検体容器504を取り出すことができる。
【0064】
取り出した検体容器504は、測定エラー検体取出し位置507の真横に設置された検体容器検知器509により自動的に認識される。検体容器504の取出し操作完了後、ファンクションキー508の再押下により、ファンクションキー508を消灯すると共に、ラック503の搬送を再開する。
【0065】
図3のシステム設定画面の測定エラー検体の取出し単位303がラック単位に設定されている場合には、ラック503を測定エラー検体取出し位置507に搬送後、その横に設けられた測定エラー検体取出し用バッファ510にラック503を搬出する。測定エラー検体取出し用バッファ510はオペレータがラック503を取り出すことが可能な構造とし、これにより測定エラー検体を取り出すことができる。
【0066】
なお、検体容器のバーコード読取りエラーで、ラック503は測定エラー検体取出し位置507に停止する。この停止は、例えば、前述した図10に示す停止手段1000によって行う。
【0067】
上述した測定エラーに関し、図11、図12、図13のフローに沿って説明する。
【0068】
まず、図11に示す搬送ラインへのラックの供給からエラー検体容器取出し位置でエラー該当検体の取り出しに至るフローについて述べる。
【0069】
ステップS111で検体処理が開始し、検体容器を載せたラックが搬送ラインに供給される(ステップS112)。搬送ラインで搬送されるラックは検体バーコード読取り位置で検体バーコード読み取り(ステップS113)を踏み、検体分注位置に移動する(ステップS114)。検体バーコード読み取り(ステップS113)で読み取りの測定エラーが検知されると、検体分注位置に移動する前に読み取りの測定エラーを解消する対応処置がとられる。
【0070】
ステップS115で検体分注機構による検体の分注が行われ、この分注で分注にかかわる測定エラーの有無が判定される(ステップS116)。ステップS116で測定エラーがないときは、分注した検体の分析測定が行われとともに、ラックは再検バッファに移動する(ステップS117)。
【0071】
ステップS116で測定エラーが有のときは、測定エラー該当検体を載せたラックは測定エラー検体取出し位置に移動し(ステップS118)、エラー該当検体容器の取出し待ち時間経過がカウントされる(ステップS119)。ステップS118で時間が経過すると、エラー該当検体容器の載せたラックは再検バッファに移動する(ステップS117)。
【0072】
ステップS118の時間経過未満中はオペレータがファンクションキーを押す(ステップS120)まで時間経過がカウントされる。ステップS120でオペレータがファンクションキーを押し、ラックから測定エラー該当の検体容器取り出し操作する(※)(ステップS121)。検体容器取り出し操作(※)(ステップS121)を終えたら、オペレータがファンクションキーを押し(ステップS122)、ラックが再検バッファに移動する(ステップS117)。
【0073】
ステップS117の後に全部の初回測定結果出力済みか判定される(ステップS123)。ステップ123で出力済みのときは再検要検体の有無に移る(ステップS124)。
【0074】
ステップS124で再検要検体が無のときは、ラックは検体収納部に移動し(ステップS125)、検体分析処理が終了する(ステップS126)。
【0075】
ステップ124で有のときは、再検検体容器を載せたラックが検体分注位置に移動し(S127)、再検測定の検体分注動作が行われる(S128)。
【0076】
S128の検体分注動作で、分注にかかわる測定エラーの有無が判定される(ステップS129)。測定エラーがなければ、分注した検体の分析測定が行われとともに、ラックは検体収納部に移動する(ステップS125)。
【0077】
ステップS127で測定エラー検体有のときは、測定エラー該当検体を載せたラックは測定エラー検体取出し位置に移動し(ステップS130)、エラー該当検体容器の取出し待ち時間経過がカウントされる(ステップS131)。ステップS131で時間が経過すると、エラー該当検体容器の載せたラックは再検バッファに移動する(ステップS125)。
【0078】
ステップS131の時間経過未満中はオペレータがファンクションキーを押す(ステップS132)まで時間経過がカウントされる。ステップS132でオペレータがファンクションキーを押し、ラックから測定エラー該当の検体容器取り出し操作する(ステップS133)。検体容器取り出し操作(ステップS133)を終えたら、オペレータがファンクションキーを押し(ステップS122)、検体収納部に移動する(ステップS125)。
【0079】
上記フローで述べたとおり、測定エラーになった検体容器取り出し操作(※)(ステップS121)が初回分注直後に行われる。従来は検体収納部にラックが収納されるまでは検体容器の取り出しができなかった。これに比べ、測定エラーが検知されたら直ぐに測定エラーに該当する検体容器を取り出してエラーの要因を解消できるので、エラー要因の排除および再測定までの待ち時間を短縮化できる。
【0080】
この待ち時間を短縮化は、検体バーコード読み取りの測定エラーに対しても同様に期待できる。
【0081】
図12に示す待ち時間の設定に関するフローについて説明する。このフローは次のラックが到着するのを待たない時間の設定事例である。
【0082】
検体取り出し処理(ステップS141)に続き、分注機構による検体分注動作が行われる(ステップS142)。S142の検体分注動作で、分注にかかわる測定エラーの有無が判定される(ステップS143)。測定エラーがなければ、分注した検体の分析測定が行われとともに、ラックは再検バッファもしくは検体収納部に移送される(ステップS144)。
【0083】
ステップS143で測定エラーが有のときは測定エラーに該当する検体容器をつむラックは測定エラー検体取り出し位置に移動し(ステップS145)、エラー該当検体容器の取出し待ち時間経過がカウントされる(ステップS146)。ステップS146で時間が経過すると、エラー該当検体容器の載せたラックは再検バッファもしくは検体収納部に移送される(ステップS144)。
【0084】
ステップS146の時間経過未満中はオペレータがファンクションキーを押す(ステップS147)まで時間経過がカウントされる。ステップS147でオペレータがファンクションキーを押し、ラックから測定エラー該当の検体容器取り出し操作する(ステップS148)。検体容器取り出し操作(ステップS148)を終えたら、オペレータがファンクションキーを押し(ステップS149)、ラックは再検バッファもしくは検体収納部に移送される(ステップS144)。
【0085】
図13に示す待ち時間の設定に関するフローについて説明する。このフローは次のラック到着後の待ち時間の設定がある事例である。
【0086】
この事例(図13)は図12の事例に示すエラー該当検体容器の取出し待ち時間経過をカウントする(ステップS146)とオペレータがファンクションキーを押す(ステップS147)との間に次のラック到着後の待ち時間経過(ステップS150)を設けたところが特徴である。他は図12の事例と同じであるので、共通のステップS符号を付して説明は省略する。
【0087】
測定エラー検体の取出し待ち時間について更に説明する。
【0088】
取出し待ち時間経過のカウントは、測定エラー検体容器を載せたラックが測定エラー検体取り出し位置に到着してからする。ラックの到着を検知する到着検知センサを備える代わりに分注機構に備わる測定エラー機能を利用して、測定エラー検体取り出し位置へのラックの到着を検知することができる。
【0089】
検体分注位置と測定エラー検体取り出し位置との距離、およびラックの搬送速度は定まっている。分注機構による測定エラー検知を時間起点として測定エラー検体取り出し位置の到着時間は求められる。但し、ラックは複数の検体容器を載せている。複数の検体容器の分注を検体分注位置402で済ませてからラックは先方に運ばれる。ラックに載る全数の分注を終える前に測定エラーが検知されたら残りの検体容器の分注にかかる時間を考慮して測定エラー検体取り出し位置の到着時間は算定する。これにより、分注機構を利用しても測定エラー検体取り出し位置へのラックの到着を精度良く検知できる。
【0090】
取り出した測定エラー検体に対する対応について説明する。
【0091】
測定エラー検体容器のみ取り出し場合と、ラックごと取り出し場合とで対処が異なる。
【0092】
測定エラー検体容器のみのときは、測定エラーの要因が除去された検体容器を新たに用意したラックに載せて再測定をする。残りの測定エラーがない検体容器はファンクションキーを押すことでラックに載ったまま測定エラー検体取り出し位置から搬送ラインに運ばれて測定が継続されるので新たな操作は必要ない。
【0093】
ラックごと取り出し場合は、測定エラーの要因が除去された検体容器を新たに用意したラックに載せて再測定をする。残りの測定エラーがない検体容器は、分注が済まされているが測定結果がでる前にラックごと取り出されている。このため、測定結果が出力された後、その結果をオペレータが確認して必要に応じ再検の操作をする。
【0094】
測定エラー検体容器取出し用バッファに搬出されたラックに対するオペレータの処置について説明する。
【0095】
まず、検体バーコード読み取りに関する測定エラーの対応について述べる。
【0096】
・読めなかった検体バーコードについて、以下のいずれかの処置を行って、ラックを再投入する。
【0097】
(1).そのままの検体バーコードラベルで修復可能である場合、その修復作業を行う。汚れを落とす、はがれている箇所を貼り直すなど。
【0098】
(2).新しい検体バーコードラベルを貼り直す。
【0099】
(3).操作部画面上から手動入力で検体バーコードを登録する。これによりラックの再投入時にも検体バーコード読取りエラーとなっても測定可能となる。
【0100】
分注機構での分注にかかわる測定エラーの対応ついて述べる。
【0101】
測定エラーの原因が(詰まり)であった場合、以下のいずれかの処置を行って、ラックを再投入する。
【0102】
(1).詰まりの原因が目視で分かるようであれば、手動にて詰まり物質を検体容器から取り除く。
【0103】
(2).詰まりの原因が目視で分からなければ、もう一度検体を遠心分離機にかけて詰まり物質を除去する。
【0104】
(3).検体容器内の検体量が足りない時も詰まりが発生する場合があるので、その場合は親検体から検体容器に検体を補充する。
【0105】
・測定エラーの原因が(検体不足)であった場合、親検体から検体容器に検体を補充して、ラックを再投入する。
【0106】
・測定エラーの原因が(異常下降)であった場合、検体容器がラックに正しくセットされていない。斜めに検体容器がセットされたり、ラックから浮いていたりしている可能性があるので、検体容器をラックに正しくセットし直して、ラックを再投入する。
【0107】
図6に示す再検バッファの実施例について説明する。
【0108】
図6は再検バッファの測定エラー検体取出し機能についての説明図である。
【0109】
この測定エラー検体取出し機能は、図4に示す測定エラー検体容器取出し位置406、および図5に示す測定エラー検体容器取出し位置507において検体容器の取出しができなかった測定エラー検体の検体容器を取り出すために備えた。
【0110】
自動分析装置が測定中で、再検バッファ601内にラック602が存在し、かつ図3で示したシステム設定画面の測定エラーの種類302が一つでも選択されている状態において、測定エラー検体容器取出し用バッファ601の近辺に設置されたファンクションキー604が押下された場合、それを測定エラー検体取出し動作の開始とする。
【0111】
そして、ファンクションキー604を点灯させると共に、再びファンクションキー604が押下されるまで測定エラー検体容器取出し用バッファ内の全てのラック602の搬送動作を停止させる。
【0112】
測定エラー検体容器取出し用バッファ601の上部カバーは開閉式の構造とし、ファンクションキー604が点灯している間はオペレータによる上部カバーの開閉操作を可能とすることにより、再検バッファ601の上部からラック602上の検体容器603を取り出すことができる。
【0113】
取り出した検体容器603は、図10で示す再検バッファにおける取出し検体登録画面からのオペレータによる登録により認識される。検体容器603取出し操作完了後、ファンクションキー604の再押下により、ファンクションキー604を消灯すると共に、再検バッファ601内の全てのラック602の搬送動作を再開する。
【0114】
図7に示す表示画面の実施例について説明する。
【0115】
図7は、操作部101の表示装置104に表示される検体分注位置における測定エラー検体の取出し実行画面である。
【0116】
実行ボタン701がオペレータにより押下された場合、図4のファンクションキー407が点滅中にオペレータにより押下された時と同じ働きを行う。すなわち、実行ボタン701の押下を測定エラー検体取出し動作の開始とする。
【0117】
そして、ファンクションキー407を点灯させると共に、再びファンクションキー407が押下されるまでラック403を測定エラー検体容器取出し位置406に停止させる。本画面は、ファンクションキー407の点滅を開始するタイミングで自動的に表示される。
【0118】
すなわち、測定エラー検体が架設されたラック403が測定エラー検体容器取出し位置406で停止したタイミングである。実行ボタン701、もしくは取消ボタン702がオペレータにより押下された場合、本画面を閉じる。本画面を閉じた後でも、ファンクションキー407が点滅している間は、オペレータによる操作部101からの操作により再表示が可能である。
【0119】
本画面と同様の画面を、検体バーコード読取り位置、および再検バッファについても設ける。ただし、再検バッファにおける測定エラー検体取出し実行画面は、自動では表示せず、図6のファンクションキー604が押下可能な状態でのオペレータによる操作部101からの操作により表示する。
【0120】
図8に示す取出し検体登録画面の実施例について説明する。
【0121】
図8は、操作部101の表示装置104に表示される検体分注位置における取出し検体登録画面である。
【0122】
本画面は検体分注位置における取出し検体登録情報801と検体ステータスマーク807から構成され、検体分注位置における取出し検体登録情報801は取出し検体架設ラック情報802、取出し検体の検体種別803、取出し検体登録リスト804、取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805、および取出し検体登録画面を閉じるボタン806から構成される。
【0123】
本画面は、図4のファンクションキー407の点灯を開始するタイミング、すなわち測定エラー検体取出し可能となったタイミングで自動的に表示され、測定エラー検体容器取出し位置406にあるラック403および架設検体の詳細情報を見ることができる。
【0124】
取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805、もしくは閉じるボタン806がオペレータにより押下された場合、本画面を閉じる。本画面を閉じた後でも、ファンクションキー407が点灯している間は、オペレータによる操作部101からの操作により再表示が可能である。
【0125】
図4において測定エラー検体容器取出し位置406の真横に検体容器検知器408を設置しない自動分析装置構成の場合、本画面から取出し検体の登録を行う。取出し検体登録リスト804において取り出した検体を選択し、取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805を押下することにより、自動分析装置が取出し検体を認識する。
【0126】
取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805は、図4のファンクションキー407が点灯中にオペレータにより押下された時と同じ働きも行う。取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805押下により、ファンクションキー407を消灯すると共に、ラック403の搬送を再開する。
【0127】
図4において測定エラー検体容器取出し位置406の真横に検体容器検知器408を設置する自動分析装置構成の場合は、本画面は検体分注位置における取出し検体モニタ画面の位置付けとなり、取出し検体登録リスト804は、取出し検体登録の列を表示せずにラック403上の検体リストとなる。また、取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン805は、取出し検体の登録機能は持たなくなる。
【0128】
本画面と同様の画面を、検体バーコード読取り位置についても設ける。
【0129】
図9に示す取出し検体登録画面の実施例について説明する。
【0130】
図9は、操作部101の表示装置104に表示される再検バッファにおける取出し検体登録画面である。
【0131】
本画面は再検バッファモニタ901、再検バッファにおける取出し検体登録情報902、および検体ステータスマーク909から構成され、再検バッファにおける取出し検体登録情報902は取出し検体架設ラック情報903、取出し検体の検体種別904、取出し検体登録リスト905、取出し検体登録ボタン906、取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン907、および取出し検体登録画面を閉じるボタン908から構成される。
【0132】
本画面は、オペレータによる操作部101からの操作により表示され、再検バッファ601内にあるラック602および架設検体の詳細情報を見ることができ、再検バッファ601内にあるラック602から取り出した検体を登録するための画面である。取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン907、もしくは閉じるボタン908がオペレータにより押下された場合に画面を閉じる。
【0133】
再検バッファ601内にあるラック602から検体取出しが可能な状態、すなわちファンクションキー604が点灯して再検バッファ601内の全てのラック602の搬送動作が停止した状態の時、本画面から取出し検体の登録が可能である。
【0134】
再検バッファモニタ901上で取り出した検体が架設されたラック602をオペレータが画面操作により選択することにより、再検バッファにおける取出し検体登録情報902には、選択されたラック602および架設検体の詳細情報が表示される。
【0135】
次に取出し検体登録リスト905において取り出した検体を選択し、取出し検体登録ボタン906、もしくは取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン907を押下することにより、自動分析装置が取出し検体を認識する。
【0136】
取出し検体が複数ラック602にまたがって複数検体ある場合には、取出し検体登録ボタン906を使用して登録操作を連続して繰り返すことにより、複数検体を登録することができる。最後の取出し検体を登録する場合には、取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン907を使用することにより、取出し検体の登録と、ファンクションキー604の消灯および再検バッファ601内の全てのラック602の搬送動作の再開を行うことができる。
【符号の説明】
【0137】
101…操作部
102…キーボード
103…マウス
104…表示装置
105…印刷装置
106…インターフェース
107…記憶装置
108…分析部
109…反応ディスク
110…反応容器
111…試薬ディスク
112…試薬ボトル
113…検体分注機構
114…攪拌装置
115…洗浄装置
116…光源
117…多波長光度計
118…試薬分注機構
119…ラック搬送ライン
120…ラック
121…検体容器
122…検体容器検知器
123…検体バーコードリーダ
124…インターフェース
125…コンピュータ
126…A/Dコンバータ
201…ラック
202…検体容器
203…検体供給部
204…メインラック搬送ライン
205…検体バーコード読取り位置
206…検体容器検知器
207…検体バーコードリーダ
208…分析モジュール
209…分析モジュール内ラック搬送ライン
210…検体分注位置
211…検体分注機構
212…再検バッファ
213…再検ラック搬送ラインA
214…再検ラック搬送ラインB
215…検体収納部
301…測定エラー検体取出し設定パラメータ
302…検体を取り出す測定エラーの種類
303…測定エラー検体取出し単位
304…測定エラー検体取出し待ち時間
305…次ラック到着後の測定エラー検体取出し待ち時間
306…登録ボタン
401…分析モジュール内ラック搬送ライン
402…検体分注位置、403…ラック
404…検体容器
405…検体分注機構
406…検体分注直後の測定エラー検体容器取出し位置
407…ファンクションキー
408…検体容器検知器
409…測定エラー検体容器取出し用バッファ
501…メインラック搬送ライン
502…検体バーコード読取り位置
503…ラック
504…検体容器
505…検体容器検知器
506…検体バーコードリーダ
507…検体バーコード読取り直後の測定エラー検体容器取出し位置
508…ファンクションキー
509…検体容器検知器
510…測定エラー検体容器取出し用バッファ
601…再検バッファ
602…ラック
603…検体容器
604…ファンクションキー
701…測定エラー検体取出し実行ボタン
702…測定エラー検体取出し取消ボタン
801…検体分注位置における取出し検体情報
802…取出し検体架設ラック情報
803…取出し検体の検体種別
804…取出し検体登録リスト
805…取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン
806…取出し検体登録画面を閉じるボタン
807…検体ステータスマーク
901…再検バッファ内ラックリスト
902…再検バッファにおける取出し検体情報
903…取出し検体架設ラック情報
904…取出し検体の検体種別
905…取出し検体登録リスト
906…取出し検体登録ボタン
907…取出し検体登録&ラック搬送再開ボタン
908…取出し検体登録画面を閉じるボタン
909…検体ステータスマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の成分を測定する分析部と、前記分析部の操作指示をする操作部と、前記検体が入る検体容器を収めるラックが搬送される搬送ラインと、前記搬送ラインに供給する前記ラックが置かれる検体供給部と、前記分析部で測定を終え搬送ラインで運ばれて排出される前記ラックを収納する検体収納部と、前記搬送ライン上の前記検体容器から検体を前記分析部に分注する分注機構と、を備える自動分析装置であって、
前記分注機構の分注にかかわる分注詰まり、検体不足、異常下降のいずれか一つを含む要因による測定エラーが生じたときは該当する検体容器を取り出すためにその検体容器が収まるラックを前記搬送ライン上で止める停止手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記停止手段で前記ラックを止める測定エラー検体容器取出し位置は前記分注機構で分注するところより搬送方向前方側であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記測定エラー検体容器取出し位置に止まる前記ラックを取り出して置く測定エラー検体容器取出し用バッファが前記測定エラー検体容器取出し位置に隣接して備わることを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
検体の成分を測定する分析部と、前記分析部の操作指示をする操作部と、前記検体が入る検体容器を収めるラックが搬送される搬送ラインと、前記搬送ラインに供給する前記ラックが置かれる検体供給部と、前記分析部で測定を終え搬送ラインで運ばれて排出される前記ラックを収納する検体収納部と、前記搬送ライン上の前記検体容器から検体を前記分析部に分注する分注機構と、前記搬送ラインで運ばれる前記ラックに収まる前記検体容器のバーコードを前記分注機構での分注をする前に前記バーコードを読むバーコード読取り手段と、を備える自動分析装置であって、
前記バーコード読取り手段による読取りの測定エラーが生じたときは該当する検体容器を取り出すために当該検体容器が収まるラックを前記搬送ライン上で止める停止手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4記載の自動分析装置において、
前記停止手段で前記ラックを止める測定エラー検体容器取出し位置は前記バーコード読取り手段で読み取るところより搬送方向前方側であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項5記載の自動分析装置において、
前記測定エラー検体容器取出し位置に止まる前記ラックを取り出して置く測定エラー検体容器取出し用バッファが前記測定エラー検体容器取出し位置に隣接して備わることを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1または4記載の自動分析装置において、
測定エラーになった検体容器を収めた前記ラックが前記搬送ラインで運ばれて入る再検バッファと、前記ラックが供給される前記搬送ラインの供給側へ前記再検バッファ内にある再検される検体容器を収めた前記ラックを戻し搬送する再検体搬送路と、を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項1または4記載の自動分析装置において、
前記停止手段の作動にともなう表示をする表示機能のあるファンクションキーを備え、
前記ラックの搬送を止めるように前記停止手段が作動すると、前記ラックが止められたことを前記ファンクションキーは表示し、
測定エラーに該当する検体容器を前記ラックから取り出し、前記ファンクションキーの表示を前記ラックが止められる前に戻すことにより、前記停止手段による搬送の止めが解かれて前記ラックの搬送が再開されることを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項8記載の自動分析装置において、
前記ラックから取り出す検体容器を検知する検体容器取出検知装置を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項1または4記載の自動分析装置において、
前記操作部に表示される前記測定エラーに関する設定画面は、搬送が止められて測定エラー検体容器取出し位置で待機する前記ラックから測定エラー該当の検体を取り出すまでの取出し待ち時間(T1)と、待機中の前記ラックに続く次のラックが前記測定エラー検体容器取出し位置に到着して止められたまま待機する次ラック到着後待ち時間(T2)の表示を含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
請求項10記載の自動分析装置において、
取出し待ち時間(T1)、および次ラック到着後待ち時間(T2)は時間長さが可変であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
請求項10または11記載の自動分析装置において、
前記設定画面は、前記待機する前記ラックから取り出す単位がラック単位か、検体容器単位かを選択するための表示を含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1つに記載された自動分析装置において、
前記設定画面は、測定エラーの種類を選択するための表示を含むことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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