説明

自動取引装置及び表示制御方法

【課題】焼き付け、残像の発生を防止して、視認性を向上する。
【解決手段】自動取引装置1は、画像を表示する表示部4を備えると共に、外部から操作入力を受け付ける受付画像2aと、画像全体の表示色が単一色なる切替画像3aとを表示部4に交互に切り替えて表示させる画像切替制御部6を有する。このような自動取引装置1では、表示部4に長時間同一画像が表示されなくなるために焼き付け、残像の発生を防止でき、また、切替画像3aと交互に受付画像2aを表示できるようになり、自動取引装置1の故障の誤認、コンビニエンスストア等の店内で自動取引装置1を目立たせることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関、コンビニエンスストア等に設置されている、現金自動預け払い機(Automated Teller Machine:ATM)には、顧客に対して取引メニュー、操作ボタン、取引内容、残高金額等の画面を表示するブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置が具備されている(例えば、特許文献1参照)。このような表示装置に対して、顧客による暗証番号及び入出金額の入力、並びに所望の取引を実行させる操作入力を受け付けるタッチパネル等の入力デバイスがさらに付加されている。
【0003】
ところで、表示装置のCRT及びLCDは、同一の画像を長時間表示すると、次のような問題が生じる。CRTの場合には表面のガラス面に塗布されている蛍光物質の、所謂、焼き付き現象が発生する。また、LCDの場合には長時間同一の部分に電圧を掛けていることによる、電圧印加領域に電荷が溜まることにより、常に同一画像がうっすらと表示されてしまう、所謂、残像現象が発生してしまう。
【0004】
このような現象が発生すると、例えば、顧客が所望の取引選択後、次の取引の画像に切り替わった場合に、取引選択前の画像がうっすらと表示された状態となり、視認性が悪くなるという問題が発生してしまう。
【0005】
このような問題に対処するために、表示装置の表示画面に長時間同一画像を表示しないような方法が行われていた。例えば、顧客のATMへの接近の検知に応じて、顧客が居ない場合には表示画像を消してしまう方法、ランダムなコマーシャル画像またはスクリーンセーバを表示させる方法等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−185339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のように表示装置の表示画面に長時間同一画像を表示しないようにする方法について次のような問題点が挙がっている。
まず、スクリーンセーバ等の表示より画面が真っ暗になっていると、顧客がATMが壊れていると誤認して、結局利用されない場合があった。また、昨今のコンビニエンスストアに設置されるATMは表示装置が垂直に立った形態が多く、店内でATMを目立たせるために、常に表示画面に受付画像を表示させておきたいという要望がある。さらには、スクリーンセーバ等の画像から受付画像に切り替わらない等の障害が発生した事例もあることから、表示装置の表示画面に常に受付画面を表示させることが行われており、結局、焼き付け、残像現象等が発生する問題が依然として残ったままである。
【0008】
本願はこのような点に鑑みてされたものであり、焼き付け、残像の発生が防止されて、視認性が向上した自動取引装置及び表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、外部から操作入力を受け付ける受付画像と、画像全体の表示色が単一色なる切替画像とをモニターに交互に切り替えて表示させる画像切替制御部を有する自動取引装置が提供される。
【0010】
また、上記目的を達成するために、上記の自動取引装置と同様の表示制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記の自動取引装置及び表示制御方法によれば、焼き付け、残像現象の発生を防止しつつ、受付画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る自動取引装置の構成を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係るATMの斜視図である。
【図3】第2の実施の形態に係るATMのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るATMが備える機能を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態に係るATMの画像切替制御部が備える回路構成例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るイネーブル信号のオフ時の画像切替制御部から出力される画像を示すタイミングチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係るイネーブル信号のオン時の画像切替制御部から出力される画像を示すタイミングチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係るATMの画像切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る自動取引装置の構成を示す図である。なお、図1(A)は機能ブロック図、図1(B)は表示部4に表示される画像を説明するための図をそれぞれ表している。
【0014】
自動取引装置1は、表示部(モニター)4に受付画像2aと切替画像3aとを交互に切り替えて表示させて、長時間同一画像を表示しないようにしている。これにより、表示部4に対して焼き付け、残像の発生を防止しつつ、受付画像2aを表示することができるものである。
【0015】
このような自動取引装置1は、図1(A)に示されるように、受付画像情報記憶部2と、切替画像情報記憶部3と、表示部4と、対人検知部5と、画像切替制御部6とを具備している。
【0016】
受付画像情報記憶部2は、受付画像2aの情報が記憶されている。受付画像2aは、例えば、顧客が自動取引装置1に対して所望の取引の開始時に操作入力する際の画面であって、所定の取引メニュー等が表示されている。
【0017】
切替画像情報記憶部3は、切替画像3aの情報が記憶されている。切替画像3aは、上記の受付画像2aと所定の時間おきに交互に表示部4に表示される、画像全体の表示色が単一色の画像であって、例えば、白色または黒色として表示される。
【0018】
表示部4は、自動取引装置1に対して所望の取引を実行する顧客に対して取引メニュー、取引結果、取引履歴等を表示する。表示部4には、例えば、顧客による操作入力を受け付けるタッチパネル等の入力部を付加させることも可能である。
【0019】
対人検知部5は、自動取引装置1に顧客が存在するか否かを検知して、検知結果に応じた表示要求を画像切替制御部6に通知する。
画像切替制御部6は、対人検知部5から画像の切替要求が通知されると、受付画像2aと切替画像3aとを表示部4に交互に切り替えて表示させる。なお、画像切替制御部6は、対人検知部5から切替要求が通知されない間には、表示部4に受付画像2aを表示させる。
【0020】
次に、このような自動取引装置1における画像の切替処理について説明する。
まず、顧客が取引を実行するために自動取引装置1に接近すると、対人検知部5が自動取引装置1に顧客が現れたことを検知する。自動取引装置1の画像切替制御部6は、顧客を検知した対人検知部5から受付画像2aの表示要求が通知されると、表示部4に受付画像情報記憶部2が記憶する受付画像2aを表示させる。
【0021】
顧客は表示部4に表示された受付画像2aに基づき、所望の取引の操作入力を行う。すると、自動取引装置1では操作入力に応じて、所定の処理を実行して、所望の取引が終了する。
【0022】
取引終了後、画像切替制御部6は表示部4に受付画像2aを再び表示させる。そして、対人検知部5は、自動取引装置1から離れてしまった顧客の不在を検知すると、画像切替制御部6に切替要求を通知する。
【0023】
画像切替制御部6は、対人検知部5から切替要求が通知されると、図1(B)に示されるように、受付画像2aと、切替画像3aとを所定の時間間隔で交互に表示部4に切り替えて表示させる。
【0024】
表示部4に受付画像と切替画像とが交互に表示されている間に、対人検知部5が顧客を検知すると、受付画像の表示要求を通知する。画像切替制御部6は、当該表示要求に応じて、受付画像2aのみを表示部4に表示させる。
【0025】
その後は、取引終了後、顧客が自動取引装置1から離れると、自動取引装置1では、再び、受付画像2aと切替画像3aとが表示部4に交互に切り替えて表示されて、上記と同様の処理が実行される。
【0026】
このように自動取引装置1では、対人検知部5が顧客の不在を検知すると、画像切替制御部6が受付画像2aと切替画像3aとを表示部4に交互に表示させるようにした。
これにより、自動取引装置1が利用されていない間でも、表示部4に長時間同一画像が表示されなくなるために焼き付け、残像の発生を防止できる。この処理により、自動取引装置1は、取引内容に応じて様々な画面表示を行うが、受付画像2aから受付画面2a以外が表示された場合でも、受付画像2aが残らなくなり、視認性が向上する。
【0027】
また、自動取引装置1では、焼き付け、残像現象の発生を防止しつつ、切替画像3aと交互に受付画像2aを表示できるようになる。このため、スクリーンセーバ等の表示が不要となり表示部4が真っ暗にならなくなり、自動取引装置1が故障と誤認されなくなる。また、コンビニエンスストア等の店内で自動取引装置1を目立たせることが可能となる。
【0028】
[第2の実施の形態]
次に、自動取引装置としてATMを適用した場合について具体的に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係るATMの斜視図である。
【0029】
ATM10は、銀行、コンビニエンスストア、駅構内等に設置されて、顧客による操作入力に応じて、送金・入金・振込み・引き落とし等の取引を自動的に実行し、また、通帳及びキャッシュカードに当該取引内容を記録することができるものである。
【0030】
このようなATM10は、通帳挿入/排出口11、硬貨挿入/放出口12、カード挿入/排出口13、紙幣挿入/放出口14及び表示入力ユニット40が外装されている。
通帳挿入/排出口11及びカード挿入/排出口13は、顧客によって通帳及びキャッシュカードがそれぞれ挿入され、また、ATM10の内部で所定の処理が実行されると、通帳及びキャッシュカードがそれぞれ搬送されて、排出される。
【0031】
硬貨挿入/放出口12及び紙幣挿入/放出口14は、顧客による操作入力に応じて、硬貨及び紙幣がそれぞれ挿入され、また、ATM10の内部で所定の処理が実行されて搬送された硬貨及び紙幣がそれぞれ放出される。
【0032】
表示入力ユニット40は、例えば、タッチパネル及びLCD等から構成されており、顧客によるタッチパネルに対する操作入力を受け付けて、ATM10は当該操作入力に応じた処理を実行する。また、所定の処理の結果をLCDに表示することができる。なお、表示入力ユニット40の詳細については後述する。
【0033】
次に、このような概観のATM10のハードウェア構成について説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るATMのハードウェア構成例を示す図である。
ATM10は、ATM10で行われる所定の処理の実行及び各種ユニットの動作を制御する制御ユニット20、顧客からの操作入力を受け付けて、処理結果を表示する表示入力ユニット40を有する。さらに、ATM10は、通帳挿入/排出口11を有する通帳処理ユニット50、硬貨挿入/放出口12を有する硬貨処理ユニット60、カード挿入/排出口13を有するカード処理ユニット70、紙幣挿入/放出口14を有する紙幣処理ユニット80及び対人センサユニット90を有する。
【0034】
制御ユニット20は、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b、HDD(Hard Disk Drive)20c、ホスト通信制御部20d、画像情報処理部20e、画像切替制御部30、入力情報処理部20f及び入出力インタフェース20gを備えており、これらの各部はバス20hで相互に接続されている。
【0035】
CPU20aは、HDD20c等の記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、このATM10全体を統括的に制御する。
RAM20bには、CPU20aに実行させるOS(Operating System)やプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM20bには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0036】
HDD20cには、ATM10上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、HDD20cには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。
ホスト通信制御部20dは、銀行の店舗、コンビニエンスストア等の様々な場所に設置されたATM10の管理を行う管理センターのホストコンピュータ(図示を省略)と通信可能に、例えばLAN(Local Area Network)で接続されており、ホストコンピュータと送受信信号の通信を行うことができる。
【0037】
画像情報処理部20eは、具体例としては、ビデオカード、グラフィックボードであって、画像切替制御部30と接続されており、CPU20aからの命令に従って当該画像切替制御部30を介して、表示入力ユニット40に表示させる画像データを表示入力ユニット40の表示部40aに送信する。
【0038】
画像切替制御部30は、画像情報処理部20eからの画像信号を受信して、当該画像を表示入力ユニット40の表示部40aに表示させる。また、後述するように、受付画像と、RAM20bに記憶されている切替画像との信号を受信して、受付画像と切替画像とを交互に表示部40aに表示させることができる。画像切替制御部30の詳細については後述する。
【0039】
入力情報処理部20fは、顧客による操作入力を受け付けた入力部40b(タッチパネル)から当該操作入力の情報を受信して、CPU20aに通知する。
入出力インタフェース20gには、通帳処理ユニット50、硬貨処理ユニット60、カード処理ユニット70、紙幣処理ユニット80及び対人センサユニット90が接続されている。通帳処理ユニット50、硬貨処理ユニット60、カード処理ユニット70、紙幣処理ユニット80及び対人センサユニット90は、バス20hを介してCPU20aと相互に信号の送受信を行う。
【0040】
また、表示入力ユニット40は、通知された画像情報に基づいて画像を表示するLCDである表示部40aと、顧客による操作入力を受け付けるタッチパネルである入力部40bとを備える。
【0041】
通帳処理ユニット50は、顧客により通帳挿入/排出口11から挿入された通帳を所定位置まで搬送し、顧客からの実行指示に応じた処理の処理結果を記録する。また、通帳処理ユニット50は、処理結果の記録が完了した通帳を搬送して、通帳挿入/排出口11から排出して、顧客に返却する。
【0042】
硬貨処理ユニット60及び紙幣処理ユニット80は、硬貨挿入/放出口12及び紙幣挿入/放出口14から挿入された紙幣及び硬貨を受け入れて、紙幣及び硬貨をそれぞれ計数する。また、ユーザの所定の実行指示に応じて、硬貨挿入/放出口12及び紙幣挿入/放出口14から処理に応じた額の硬貨及び紙幣をそれぞれ放出することができる。
【0043】
カード処理ユニット70は、カード挿入/排出口13から顧客によって挿入されたキャッシュカードに実行指示に応じて所定の処理の処理結果を磁気的に記録し、または磁気的に記録されている情報を読み取る。また、カード処理ユニット70は、処理結果の記録が完了したキャッシュカードを、カード挿入/排出口13から排出して、ユーザに返却する。
【0044】
対人センサユニット90は、ATM10に設けられた対人センサを有し、ATM10に接近して所定の取引を実行する顧客を検知する。また、取引終了等によりATM10から顧客が離れると、顧客不在をCPU20aに通知する。なお、対人センサユニット90は、顧客が不在になった時間を計数することも可能であって、当該時間が所定時間になると、顧客不在をCPU20aに通知するようにすることも可能である。
【0045】
このような通帳処理ユニット50、硬貨処理ユニット60、カード処理ユニット70、紙幣処理ユニット80及び対人センサユニット90は、CPU20aによってそれぞれ制御される。
【0046】
次いで、ATM10が備える制御機能について説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るATMが備える機能を示すブロック図である。
ATM10は、表示部40aに受付画像と切替画像とを交互に切り替えて表示させることができるものである。
【0047】
このようなATM10は、図4に示されるように、受付画像データ記憶部21、切替画像データ記憶部22、表示要求部23及び切替要求部24を有する。
受付画像データ記憶部21は、受付画像のデータが記憶されている。受付画像は、顧客がATM10に対して所望の取引の開始時に操作入力する際の画面であって、所定の取引メニュー等が表示されている。
【0048】
切替画像データ記憶部22は、切替画像のデータが記憶されている。切替画像は、上記の受付画像と所定の時間間隔で交互に表示部40aに切り替えられて表示される、画像全体の表示色が単一色の画像である。このような切替画像として表示される画像は、例えば全面が白色または黒色である。また、このような色の切替画像と受付画像とが交互にそれぞれ表示される時間及び受付画像及び切替画像のデューティ比は、顧客が切替画像と切り替えられても受付画像を視認できる範囲であればよい。具体的には、顧客に与える違和感を低減させることを優先する場合には、一般的に人の目には画面書き換え回数が60回/秒(60Hz)以上であればちらつきと認識されないことにより、受付画像と切替画像との比率に関わらず、受付画像の書き換え回数を60回/秒以上とし、さらに切替画像を加えたものを全体の画面書き換え回数とすればよい。また、LCDの仕様を優先する場合には、例えばLCDの画面表示回数が60回/秒(リフレッシュレートにして60Hz)程度のものであれば、テレビ画面のインターレス走査等で知られているように、ちらつきはあっても画像として認識できる1秒あたり30回程度までの受付画像を等しい時間間隔で表示するように構成し、残りの表示回数で切替画像を書き換えるようにすればよい。焼き付けの抑制は切替画像の表示時間に基くため、以上の受付画像の条件と、希望の焼き付け抑制効果を考慮し、受付画像と切替画像とのデューティ比を決定すればよい。前記の例では、デューティー比は50%である。なお、切替画像として表示されるこれらの色は、表示入力ユニット40の表示部40aとしてLCDが用いられる場合、LCD内部の駆動回路に電圧を加えることにより、液晶のねじり角を変え、光の透過量を制御して表示画像の明暗をつけているが、長時間同じ電圧を掛け続けていると(同一画像を表示し続けていると)液晶内部に電荷が蓄積し、電圧をかけない場合でもねじり角が戻らなくなり、これが焼きつきのように見える。そこで切替画像として、LCD内部の駆動回路の駆動電圧を無電圧状態として初期状態に戻した画像(LCDの仕様により、白色または黒色)を適用することにより、液晶に癖がつくのを防止する。
【0049】
表示要求部23は、表示部40aに受付画像を表示させるために、受付画像データ記憶部21に記憶されている受付画像を画像切替制御部30に通知する。
切替要求部24は、対人センサユニット90と接続されており、ATM10の顧客の存在の有無を検知する対人センサユニット90からの検知結果に応じて、画像切替制御部30に画像の切替要求を通知する。
【0050】
次に、画像切替制御部30の具体的な構成について説明する。
図5は、第2の実施の形態に係るATMの画像切替制御部が備える回路構成例を示す図である。
【0051】
画像切替制御部30は、画像表示回路31、反転回路32、スイッチ回路33,34及びOR回路35を有する。
画像表示回路31は、対人センサユニット90による検知結果に応じた切替要求部24からのイネーブル信号24aが入力される。画像表示回路31は、当該イネーブル信号24aがオフの場合には、常に、信号「High(以下、「H」と表す)」を出力する。また、当該イネーブル信号24aがオンの場合には、画像情報処理部20eから入力される同期信号23aに応じて、信号Hと信号「Low(以下、「L」と表す)」とを所定の間隔で交互に出力する。なお、画像表示回路31とは、例えばカウンタ回路を適用することができる。
【0052】
反転回路32は、画像表示回路31から出力される信号を反転させる。例えば、画像表示回路31から信号Hが入力されると反転して信号Lを出力し、信号Lが入力されると反転して信号Hを出力する。
【0053】
スイッチ回路33は、受付画像データ記憶部21に記憶されている受付画像データ21aが入力される。スイッチ回路34は切替画像データ記憶部22に記憶されている切替画像データ22aが入力される。また、スイッチ回路33は画像表示回路31から、スイッチ回路34は反転回路32からそれぞれ信号が入力される。入力される信号に応じて、スイッチ回路33,34は信号Hが入力されるとスイッチを開いて、入力された受付画像データ21a及び切替画像データ22aをそれぞれ出力する。一方、スイッチ回路33,34は信号Lが入力されるとスイッチが閉じて、データ等を出力しない。
【0054】
OR回路35は、スイッチ回路33,34から出力された信号を表示部40aに入力する。
次に画像切替制御部30で実行される表示部40aに対する画像の切替制御について説明する。
【0055】
まず、画像切替制御部30に入力されるイネーブル信号24aがオフの場合について図5と共に以下の図6を参照して説明する。
図6は、第2の実施の形態に係るイネーブル信号のオフ時の画像切替制御部から出力される画像を示すタイミングチャートである。なお、図6では、(A)同期信号、(B)イネーブル信号、(C)画像表示回路31からの出力信号及び(D)出力画像信号をそれぞれ示している。また、図6中の信号Lの位置を破線で表している。
【0056】
まず、図6(A)に示されるように、画像表示回路31に対して、画像情報処理部20eから、一定周期の信号Hと信号Lとの同期信号23aが入力される。なお、既述の通り、イネーブル信号24aはオフであって、図6(B)に示されるように、一定の信号Lを画像表示回路31に入力する。
【0057】
この時、画像表示回路31からは、図6(C)に示されるように、一定の信号Hが出力される。
これに伴って、スイッチ回路33は画像表示回路31から信号Hを入力するとスイッチを開き、受付画像データ21aを出力する。一方、スイッチ回路34は、画像表示回路31からの信号Hが反転回路32で反転された信号Lが入力される。このため、スイッチ回路34からは切替画像データ22aは出力されない。
【0058】
したがって、OR回路35は、図6(D)に示されるように、表示部40aに受付画像のみを出力する。これに伴って、表示部40aには受付画像が表示される。
これに対して、画像切替制御部30に入力されるイネーブル信号24aがオンの場合について図5と共に以下の図7を参照して説明する。
【0059】
図7は、第2の実施の形態に係るイネーブル信号のオン時の画像切替制御部から出力される画像を示すタイミングチャートである。なお、図7でも、(A)同期信号、(B)イネーブル信号、(C)画像表示回路からの出力信号及び(D)出力画像信号をそれぞれ示している。また、図7中の信号Lの位置を破線で表している。
【0060】
イネーブル信号24aがオフの場合と同様に、図7(A)に示されるように、画像表示回路31に対して、画像情報処理部20eから一定周期の信号Hと信号Lとの同期信号23aが入力される。但し、イネーブル信号24aはオンであって、図7(B)に示されるように、一定の信号Hを画像表示回路31に入力する。
【0061】
この時、画像表示回路31から出力される信号は、図7(C)に示されるように、同期信号23aの出力に応じて、信号Hと信号Lとが交互に出力される。
そして、スイッチ回路33は、画像表示回路31から信号Hが入力されるごとにスイッチが開かれて受付画像データ21aを出力する。一方、スイッチ回路34は、スイッチ回路33に信号Hが入力されると、反転回路32で反転された信号Lが入力されるため、スイッチは閉じられた状態となり、切替画像データ22aは出力されない。
【0062】
また、スイッチ回路33は、画像表示回路31から信号Lが入力されるとスイッチが閉じられた状態となり、受付画像データ21aは出力されない。一方、スイッチ回路34は、スイッチ回路33に信号Lが入力されると、反転回路32で反転された信号Hが入力されるため、スイッチが開かれて切替画像データ22aを出力する。
【0063】
したがって、OR回路35は、画像表示回路31から信号Hまたは信号Lが交互に出力されるごとに、図7(D)に示されるように、表示部40aに受付画像と切替画像とを交互に切り替えて表示する。これに伴って、表示部40aでは受付画像と切替画像とが交互に表示される。なお、図7では、受付画像と切替画像とのデューティ比が50%の場合を例に挙げている。
【0064】
次に、このような構成を有するATM10の画像切替制御処理について説明する。
図8は、第2の実施の形態に係るATMの画像切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
なお、以下では、ATM10で顧客が所定の取引を実行している状態から処理が開始されるものとする。
[ステップS11]
ATM10は、顧客による表示入力ユニット40に表示されている受付画面の取引メニューを選択する操作入力に応じて、当該取引を実行する。
【0066】
[ステップS12]
対人センサユニット90は、ATM10に顧客の存在の有無を検知する。次の処理は、顧客が、ATM10で取引実行中等で、ATM10に居る場合には、再び、ステップS12に進められ、顧客が、ATM10で取引が終了する等して離れてしまい、ATM10に居ない場合にはステップS13に進められる。
【0067】
[ステップS13]
対人センサユニット90は、切替要求部24に顧客がATM10に居ないことを通知すると、切替要求部24は、画像切替制御部30に入力するイネーブル信号24aをオンにする。
【0068】
[ステップS14]
画像切替制御部30は、入力されるイネーブル信号24aがオンであるために、図5及び図7での説明の通り、受付画像と切替画像とを表示部40aに交互に表示させる。
【0069】
[ステップS15]
対人センサユニット90は、ATM10に顧客の存在の有無を検知する。次の処理は、顧客がATM10に居ない場合には、再び、ステップS15に進められ、顧客がATM10に居る場合には、ステップS16に進められる。即ち、顧客がATM10に現れるまでの間、画像切替制御部30は、受付画像と切替画像とを表示部40aに交互に表示させる。
【0070】
[ステップS16]
対人センサユニット90は、切替要求部24に顧客がATM10に居ることを通知して、切替要求部24は、画像切替制御部30に入力するイネーブル信号をオフにして、切替処理を終了する。
【0071】
上記処理フローに基づいて、ATM10の画像切替処理の動作について具体的に説明する。
まず、顧客は、所望の取引を実行するためにATM10に対して操作入力を行う。ATM10は当該操作入力に応じた処理を実行する(ステップS11)。
【0072】
当該取引終了後、顧客がATM10を後にすると、対人センサユニット90は、顧客の不在を検知する(ステップS12)。そして、対人センサユニット90は、切替要求部24に顧客がATM10に居ないことを通知すると、切替要求部24は、画像切替制御部30に入力するイネーブル信号24aをオンにする(ステップS13)。
【0073】
画像切替制御部30は、入力される同期信号23aに応じて、画像表示回路31から信号Hと信号Lとを交互に出力すると、スイッチ回路33は、画像表示回路31から信号Hが入力されるごとに受付画像データ21aを出力し、スイッチ回路34は、スイッチ回路33に信号Hが入力されると、反転回路32で反転された信号Lが入力されるため、切替画像データ22aが出力できなくなる。
【0074】
また、スイッチ回路33は、画像表示回路31から信号Lが入力されると、受付画像データ21aを出力できなくなる。一方、スイッチ回路34は、スイッチ回路33に信号Lが入力されると、反転回路32で反転された信号Hが入力されて、切替画像データを出力する。
【0075】
OR回路35は、スイッチ回路33,34から通知された受付画像データ21a及び切替画像データ22aを表示部40aに交互に切り替えて表示する(ステップS14、図5及び図7)。
【0076】
ATM10は、このような切替制御を、次の顧客がATM10に現れるまで実行する。対人センサユニット90がATM10に次の顧客を検知すると、切替要求部24にその旨を通知し、切替要求部24は、画像切替制御部30に入力するイネーブル信号をオフにして、切替処理を終了する。
【0077】
このようにATM10では、対人センサユニット90が顧客の不在を検知すると、画像切替制御部30が受付画像と切替画像とを表示部40aに交互に表示させるようにした。
これにより、ATM10が利用されていない間でも、表示部40aに長時間同一画像が表示されなくなるために焼き付け、残像現象の発生を防止できる。この処理により、ATM10は、取引内容に応じて様々な画面表示を行うが、受付画像から受付画像以外が表示された場合でも、受付画像が残らなくなり、視認性が向上する。
【0078】
また、ATM10では、焼き付け、残像現象の発生を防止しつつ、切替画像と交互に受付画像を表示できるようになる。このため、スクリーンセーバ等の表示が不要となり表示部4が真っ暗にならなくなり、顧客からATM10が故障と誤認されなくなる。また、コンビニエンスストア等の店内でATM10を目立たせることが可能となる。
【0079】
なお、上記の図4で示した処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、自動取引装置及びATMが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0080】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0081】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0082】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0083】
1 自動取引装置
2 受付画像情報記憶部
2a 受付画像
3 切替画像情報記憶部
3a 切替画像
4 表示部
5 対人検知部
6,30 画像切替制御部
10 ATM
11 通帳挿入/排出口
12 硬貨挿入/放出口
13 カード挿入/排出口
14 紙幣挿入/放出口
20 制御ユニット
20a CPU
20b RAM
20c HDD
20d ホスト通信制御部
20e 画像情報処理部
20f 入力情報処理部
20g 入出力インタフェース
20h バス
21 受付画像データ記憶部
21a 受付画像データ
22 切替画像データ記憶部
22a 切替画像データ
23 表示要求部
23a 同期信号
24 切替要求部
24a イネーブル信号
31 画像表示回路
32 反転回路
33,34 スイッチ回路
35 OR回路
40 表示入力ユニット
40a 表示部
40b 入力部
50 通帳処理ユニット
60 硬貨処理ユニット
70 カード処理ユニット
80 紙幣処理ユニット
90 対人センサユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するモニターを備える自動取引装置において、
外部から操作入力を受け付ける受付画像と、画像全体の表示色が単一色なる切替画像とを前記モニターに交互に切り替えて表示させる画像切替制御部、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記モニターは液晶ディスプレイであり、
前記切替画像は、前記液晶ディスプレイ内部の駆動回路を無電圧状態とした初期画面の白色または黒色であることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記画像切替制御部は、
同期信号を入力して、表示させる画像に対応する信号を順次出力する画像表示回路と、
前記画像表示回路から順次出力される前記信号に応じて、前記受付画像または前記切替画像を前記モニターに送信して、表示させるスイッチ回路と、
を有することを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記画像表示回路から順次出力される前記受付画像と前記切替画像との前記信号のデューティ比は50%であることを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項5】
顧客を検知する対人検知部をさらに有し、
前記対人検知部の前記顧客の検知結果に応じて、前記画像切替制御部が切替表示を開始することを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項6】
画像を表示するモニターを備える自動取引装置の表示制御方法において、
画像切替制御部が、外部から操作入力を受け付ける受付画像と、画像全体の表示色が単一色なる切替画像とを前記モニターに交互に切り替えて表示させる、
ことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−209452(P2011−209452A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75902(P2010−75902)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】