自動取引装置
【課題】 ICチップと磁気ストライプが一体の一体型カードを使用する場合にカードの挿入方向を間違えても再挿入することなく取引を行えるようにする。
【解決手段】 自動取引装置のカードリーダライタ21にカードの向きを変換するための回転台30を設ける。カードの磁気ストライプにはIC接点有無情報およびIC接点位置情報を持たせ、磁気ヘッド28によりこれらの情報を読取り、読取られた情報に基づいて、必要な場合にカードを回転台30へ送ってカードの向きを反転させ、IC接点を接続して取引を行う。
【解決手段】 自動取引装置のカードリーダライタ21にカードの向きを変換するための回転台30を設ける。カードの磁気ストライプにはIC接点有無情報およびIC接点位置情報を持たせ、磁気ヘッド28によりこれらの情報を読取り、読取られた情報に基づいて、必要な場合にカードを回転台30へ送ってカードの向きを反転させ、IC接点を接続して取引を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等で使用される自動取引装置に関し、とくにカードを何れの方向から挿入しても取引可能にした自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置による取引において、顧客が使用する取引用の磁気カードには1本の磁気ストライプが設けられており、取引の際に磁気カードを誤った方向から装置に挿入した場合、装置側が受け付けを拒否し、一旦顧客に返却される。そして挿入方向を変えて再度磁気カードを装置に挿入することにより、取引を開始するようにしていた。しかしながら磁気カードを再度挿入する操作は、自動取引装置を使用する顧客にとって煩雑である。
【0003】
近年、キャッシュカードやクレジットカードのICカード化が進み、ICチップと一体型の磁気カード(以下、一体型カードという)が急速に普及している。こうした一体型カードの場合、以下の理由でカード挿入時の煩雑さが更に増すことになる。
【0004】
まず図23を用いて一体型カードについて説明する。図23は一般的な一体型カードを示す説明図である。図23において、一体型カード1は、表面上部にクレジットカード用の磁気ストライプ2およびICチップ接点3が設けられ、表面下部にキャッシュカード用の磁気ストライプ4が設けられている。ICチップ3にはキャッシュカードやクレジットカード用のデータが格納されており、ICカード対応になっている自動取引装置に挿入された場合は磁気ストライプ2、3を使用することなく、キャッシュ取引やクレジット取引が可能である。
【0005】
図24に自動取引装置のカードリーダライタを示す。図24(a)はその平面図で、図24(b)はその側面図である。図24において、自動取引装置のカードリーダライタ11には、カードを搬送するための搬送路12が設けられ、搬送路12を挟んで複数の搬送ローラ13、14、15がそれぞれ回転可能に設けられている。搬送路12の上方にICチップ用接点16が設けられ、さらに磁気ヘッド17が設けられている。ICチップ用接点16および磁気ヘッド17は、図 24(a)に示すように、カード挿入方向に対して右側に設けられている。
【0006】
次に一体型カードを使用した場合の顧客の操作について説明する。この場合、ICチップ3にはキャッシュカード用のデータとクレジットカード用のデータの両方が格納されているものとする。またICカード対応になっている自動取引装置に一体型カード1が挿入された場合は、磁気ストライプデータを使用しないこととする。
【0007】
パターン1.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続し、また自動取引装置はICカード対応になっているので、キャッシュ取引はICチップに格納されたデータにより行われることになる。即ち、この場合はICチップに格納されたキャッシュカードデータへのアクセスが可能となり、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0008】
パターン2.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、キャッシュ取引はICチップに格納されたデータにより行われることになっているが、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続しないので、ICチップに格納されたキャッシュカードデータへのアクセスが不可能となり、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0009】
パターン3.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、クレジット取引はICチップに格納されたデータにより行われることになる。また一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続するので、ICチップに格納されたクレジットカードデータへのアクセスが可能となり、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0010】
パターン4.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、クレジット取引はICチップに格納されたデータにより行われることになっているが、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続しないので、ICチップに格納されたクレジットカードデータへのアクセスが不可能となり、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0011】
パターン5.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、キャッシュ取引は磁気ストライプ4のデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でキャッシュカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0012】
パターン6.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、キャッシュ取引は磁気ストライプ4のデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でキャッシュカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができるので、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0013】
パターン7.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、クレジット取引は磁気ストライプ2のクレジットカードデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でクレジットカードデータの磁気ストライプ2を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0014】
パターン8.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、クレジット取引は磁気ストライプ2のクレジットカードデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でクレジットカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。以上の各パターンをまとめて表1に示す。
【0015】
【表1】
他方、キャッシュ取引用の磁気ストライプとクレジット取引用の磁気ストライプの2本の磁気ストライプを備えた所謂ダブルストライプカードが開発されている。こうしたダブルストライプカードにおいても、取引によって挿入方向が決まっており、挿入方向を間違えた場合には再挿入をしなければならない。(特開平6−259640号公報参照)
【特許文献1】特開平6−259640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら従来の自動取引装置での取引においては、ICカード対応済の自動取引装置とICカード未対応の自動取引装置とでは、同じキャッシュ取引を行なう場合でもカード1の挿入方向が異なる(パターン1とパターン5、およびパターン2とパターン6参照)。金融機関毎に自動取引装置のICカード対応化に対する対応が区々であるので、一体型カードを所有する顧客は、各金融機関それぞれの自動取引装置がICカード対応になっているか否かを調べた上で一体型カードの挿入方向を判断しなければならない。このことは顧客に無用な負担を強いることになる。
またダブルストライプカードでの取引においても、挿入方向を間違えた場合には再挿入をしなければならず、自動取引装置を使用する顧客にとって煩雑であることに変わりはない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明は、カードの磁気情報を読取って取引を行う自動取引装置において、装置に挿入されたカードの向きを変える向き変換手段と、装置に挿入されたカードから読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動してカードの向きを変える制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0018】
カードは複数の磁気情報記録部を有し、カードがどちらから装置に挿入されてもいずれかの磁気情報記録部から磁気情報を読取り可能であり、制御手段は、カードがどちらから装置に挿入されても読取られた磁気情報に基づいて向き変換手段を駆動するか否かを判断するようにする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カードがいずれの方向から装置に挿入されても、カードから読取った情報によりカードの向きを変える必要があるか否か判断し、必要がある場合は向き変換手段によりカードの向きを180度変えるので、顧客がカードの挿入方向を間違えた場合でも、再挿入することなく所望の処理が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示す概略側面図、図2は同カードリーダライタを示す概略平面図、図3は同カードリーダライタを示す概略正面図である。
【0021】
これらの図において、自動取引装置に設けられるカードリーダライタ21には、カードを搬送するための搬送路22が形成され、搬送路22を挟んで複数の搬送ローラ対23、24、25が設けられている。搬送ローラ対23は、上側搬送ローラ23aと下側搬送ローラ23bからなり、上側搬送ローラ23aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ23bはカードを介して上側搬送ローラ23aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対23は、顧客が挿入口26から挿入したカードをカードリーダライタ21内に引き込み、ICカード接点27または次の搬送ローラ対24へと搬送する。
【0022】
搬送ローラ対24は、上側搬送ローラ24aと下側搬送ローラ24bからなり、上側搬送ローラ24aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ24bはカードを介して上側搬送ローラ24aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対24は、搬送ローラ対23から搬送されてきたカードを磁気ヘッド28または次の搬送ローラ対25へと搬送する。
【0023】
搬送ローラ対25は、上側搬送ローラ25aと下側搬送ローラ25bからなり、上側搬送ローラ25aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ25bはカードを介して上側搬送ローラ25aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対25は、搬送ローラ対24から搬送されてきたカードを次の搬送ローラ対29へと搬送する。
【0024】
ICカード接点27は、ICチップ付ダブル磁気ストライプカードのICチップ内のデータリードまたはデータライトを行うための接点である。磁気ヘッド28は、JISX6302で規定された磁気ストライプのリードまたはライトを行うものである。
【0025】
搬送ローラ対25の奥側(挿入口26の反対側)には、回転台30が設けられている。回転台30は搬送されてきたカードを180度回転させるためのもので、回転台30の中央下部にはシャフト31を介してギア32が取付けられている。回転台30には、その上部に搬送路33が形成され、また搬送ローラ対29の下側搬送ローラ29bが回転可能に設けられている。下側搬送ローラ29bは、上部ユニット34に設けられた上側搬送ローラ29aとともにカードを搬送する。
【0026】
回転台30の下部には遮光板35が設けられている。遮光板35は、発光素子と受光素子とからなる回転台センサ36、37の発光素子からの光を遮断することにより、回転台30の位置を検出するためのものである。回転台センサ36、37はシャフト31を中心に互いに対称の位置に設けられ、ともに発光素子として発光ダイオードを使用し、受光素子としてフォトトランジスタを使用している。
【0027】
シャフト31に設けられたギア32は、回転台モータ38に取付けられたギア39と噛合っている。回転台モータ38が回転することにより、ギア39およびギア32を介して回転台30が回転する。
【0028】
ICチップ付ダブル磁気ストライプカード(以下、単にカードということもある)1は、図23に示したものと同様の構成を有するものである。即ち、カード1は、表面上部にクレジットカード用の磁気ストライプ2およびICチップ接点3が設けられ、表面下部にキャッシュカード用の磁気ストライプ4が設けられている。内蔵されたICチップにはキャッシュカードやクレジットカード用のデータが格納されており、ICカード対応になっている自動取引装置に挿入された場合は磁気ストライプ2、3を使用することなく、キャッシュ取引やクレジット取引が可能である。
【0029】
図4は第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示すブロック図である。図4において、制御部41は、カードリーダライタ21の動作を制御するもので、自動取引装置の主制御部42に接続されているとともに、以下に説明する各部に接続されている。読取回路43はカード1からICチップ内のデータを読取って制御部41へ送信する回路で、制御部41およびICチップ用接点27に接続されている。
【0030】
書込回路44は制御部41から受信したデータをカード1のICチップに書込むための回路で、制御部41およびICチップ用接点27に接続されている。読取回路45は、カード1の磁気ストライプ2または4のデータを読取って制御部41へ送信するための回路で、制御部41および磁気ヘッド28に接続されている。書込回路46は、制御部41から受信したデータをカード1の磁気ストライプ2または4に書込むための回路で、制御部41および磁気ヘッド28に接続されている。
【0031】
センサ回路47は、カードリーダライタ21に挿入されたカード1の位置を検出するためのカード検知センサ48を駆動するとともに、カード検知センサ48からの出力信号を受信するための回路で、制御部41およびカード検知センサ48に接続されている。なおカード検知センサ48は1つではなく、搬送路22の必要箇所に複数個配設されている。カード検知センサ48は発光ダイオードと受光トランジスタが一体成形された反射型の光センサである。駆動回路49は、搬送モータ50を駆動する回路である。搬送モータ50は上述したカードリーダライタ21内の搬送ローラ対23、24、25を駆動するものである。
【0032】
センサ回路51は、回転台30の下部に設けられた回転台センサ36、37を駆動させるとともに、回転台30上部の搬送路33に搬送されたカード1の位置を検知するためのカード検知センサ52を駆動する回路で、これらのセンサ36、37、52からの出力信号を受信する。カード検知センサ52は発光ダイオードと受光トランジスタが一体成形された反射型の光センサである。駆動回路53は、回転台モータ38を駆動するためのモータである。
【0033】
センサ回路51および駆動回路53およびそれらに接続された各部により回転機構部54を構成する。回転機構部54により回転台30の動作を中心とするカード1の向き変換動作を行う。
【0034】
次に第1の実施の形態の動作を説明するが、その前にここでカード1の磁気ストライプ2、4の磁気データの構成について説明する。図5はクレジットカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図、図6はキャッシュカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【0035】
図5において、クレジットカードの磁気ストライプ2のデータ仕様は、始め符号2a、クレジットカード情報2b、IC接点情報2c、終わり符号2d等から構成されている。そしてIC接点情報2cには、IC接点有無情報2caおよびIC接点位置情報2cbが含まれている。
【0036】
IC接点有無情報2caは、IC接点があるカードであること、またはIC接点がないカードであることを示す情報で、このデータが"0"の場合はIC接点がないカードであることを示し、データが"1"の場合はIC接点があるカードであることを示す。本実施の形態におけるカード1はIC接点があるカードであるので、IC接点有無情報2caは"1"となっている。
【0037】
IC接点位置情報2cbは、挿入されたカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能か否かを示す情報で、このデータが"0"の場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であることを示し、データが"1"の場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないことを示す。クレジットカードの磁気ストライプ2が読取られる場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であるので、IC接点位置情報2cbは"0"となっている。
【0038】
図6において、キャッシュカードの磁気ストライプ4のデータ仕様は、始め符号2a、キャッシュカード情報4b、IC接点情報4c、終わり符号4d等から構成されている。そしてIC接点情報4cには、IC接点有無情報4caおよびIC接点位置情報4cbが含まれている。
【0039】
IC接点有無情報4caは、IC接点があるカードであること、またはIC接点がないカードであることを示す情報で、このデータが"0"の場合はIC接点がないカードであることを示し、データが"1"の場合はIC接点があるカードであることを示す。本実施の形態におけるカード1はIC接点があるカードであるので、IC接点有無情報4caは"1"となっている。
【0040】
IC接点位置情報4cbは、挿入されたカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能か否かを示す情報で、このデータが"0"の場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であることを示し、データが"1"の場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないことを示す。キャッシュカードの磁気ストライプ4が読取られる場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないので、IC接点位置情報4cbは"1"となっている。
【0041】
次にカード1を挿入して取引を行う場合の特にカード1の動作を更に図面にしたがって説明する。ここではICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を所有する顧客が、ICカード対応済みの自動取引装置でキャッシュ取引を行う場合で、ICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を、図23に示す左方向から挿入した場合の動作を説明する。図7乃至図10はこの場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【0042】
図7に示すように、顧客がICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を挿入口26から挿入すると、カード検知センサ48によりカード1が検知され、検知信号が制御部41へ送られる。検知信号を受信した制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。
【0043】
カード1の全体が装置内に引き込まれると、カード検知センサ48により、カード全体が引き込まれたことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ通知される。この通知を受けた制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、自動取引装置の主制御部42に対して、カード1の吸引動作が完了したことを通知する。(図7に示す状態)
【0044】
カード1の吸入動作が完了したという通知を受けた主制御部42は、磁気リード動作を制御部41に指示する。磁気リード動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ再び搬送され始める。
【0045】
次に制御部41は、読取回路45を介して磁気ヘッド28によりカード1の磁気ストライプ2から磁気データを読取る。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過すると、カード検知センサ48により、磁気ヘッド28を通過したことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ送られる。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過した信号を受け取ると、制御部41は駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させて、磁気データの読み取りを停止させる。(図8に示す左側のカード1の状態)
【0046】
次に制御部41は、読取った磁気データを主制御部42へ送信する。クレジットカードの磁気ストライプ2の仕様は、図5で説明した通りである。読取られた磁気データにはIC接点情報2cとして、IC接点有無情報2caとIC接点位置情報2cbが含まれており、磁気ストライプ2から読取られた磁気データではIC接点位置情報2cbが"0"となっている。この情報により主制御部42は、カード1を回転する必要がないと判断し、ICリード準備動作を制御部41に指示する。
【0047】
ICリード準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がICカード用接点27の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はICカード用接点27の方向へ搬送され始める。図8に示すように、カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達すると、カード検知センサ48によりその到達が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。
【0048】
カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達したことが通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してICリード準備動作が完了したことを通知する。
【0049】
ICリード準備動作の完了通知を受けた主制御部42は、制御部41に対してICリード動作を指示する。ICリード動作の指示を受けた制御部41は、読取回路43を介してICチップ内のデータを読取り、読取ったデータを主制御部42へ送信する。ICチップからの読取りデータを受け取った主制御部42は、制御部41に対してカード返却準備動作を指示する。
【0050】
カード返却準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、図9に示すように、カード1は挿入口26の方向へ搬送され始める。
【0051】
図9に示すように、カード1が挿入口26から排出される直前の位置まで搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が挿入口26の直前まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してカード返却準備動作が完了したことを通知する。
【0052】
次に主制御部42は、カード1のICチップ内から読取られたデータに基づいて、顧客が選択した取引、即ち、支払取引または預入取引等の取引を実行する。この取引動作については本発明と直接関係ないので説明を省略する。ここでの取引が完了すると、主制御部41は、カード返却動作を制御部41に対して指示する。
【0053】
カード返却動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がさらに挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はさらに挿入口26の方向へ搬送され始める。顧客がカード1を抜き取り可能な位置までカード1が搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が抜き取り可能な位置まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させ、顧客がカード1を抜き取るのを待つ。
【0054】
図10に示すように、カード1が顧客により抜き取られると、カード検知センサ48により抜き取られたことが検知され、制御部41に通知される。カード1が抜き取られたことを通知された制御部41は、主制御部42に対してカード返却動作が完了したことを通知する。以上によりカード1が図23に示す左方向から挿入された場合の取引動作を終了する。
【0055】
次にICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を所有する顧客が、ICカード対応済みの自動取引装置でキャッシュ取引を行う場合で、ICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を、図 に示す右方向から挿入した場合の動作を説明する。図11乃至図17はこの場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【0056】
図11において、顧客がICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を図23に示す右方向から挿入口26から挿入すると、カード検知センサ48によりカード1が検知され、検知信号が制御部41へ送られる。検知信号を受信した制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。なおこのとき、回転台30の下部に設けられた遮光板35は、回転台センサ36の発光素子と受光素子の間に位置している。
【0057】
カード1の全体が装置内に引き込まれると、カード検知センサ48により、カード全体が引き込まれたことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ通知される。この通知を受けた制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、自動取引装置の主制御部42に対して、カード1の吸引動作が完了したことを通知する。
【0058】
カード1の吸入動作が完了したという通知を受けた主制御部42は、磁気リード動作を制御部41に指示する。磁気リード動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ再び搬送され始める。
【0059】
次に制御部41は、読取回路45を介して磁気ヘッド28によりカード1のキャッシュカードの磁気ストライプ4から磁気データを読取る。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過すると、カード検知センサ48により、磁気ヘッド28を通過したことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ送られる。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過した信号を受け取ると、制御部41は駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させて、磁気データの読み取りを停止させる。(図12に示す右側のカード1の状態)
【0060】
次に制御部41は、読取った磁気データを主制御部42へ送信する。キャッシュカードの磁気ストライプ4の仕様は、図6で説明した通りである。読取られた磁気データにはIC接点情報4cとして、IC接点有無情報4caとIC接点位置情報4cbが含まれており、磁気ストライプ4から読取られた磁気データではIC接点位置情報4cbが"1"となっている。この情報により主制御部42は、カード1を回転する必要があると判断し、カード1の回転動作を制御部41に指示する。
【0061】
カード1の回転動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25、29に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。図12に示すように、カード1が回転台30上に到達すると、カード検知センサ52によりその到達が検知され、センサ回路51を介して制御部41に通知される。カード1が回転台30上に到達したことが通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させ、カード1の搬送を停止させる。
【0062】
次に制御部41は、駆動回路53を介して、回転駆動モータ38を駆動する。回転駆動モータ38が駆動されることにより、ギア39、ギア32およびシャフト31を介して回転台30が回転する。この様子を図13に示す。この回転台30の回転により、回転台30の下部に設けられた遮光板35が回転台センサ36から抜け出す。図14に示すように、回転台30が180度回転すると、遮光板35が反対側の回転台センサ37に到達し、回転台センサ37の発光素子の光を遮断する。これにより回転台30の180度の回転が検知され、検知信号が回転台センサ7から制御部41へ送信される。
【0063】
回転台30が180度回転した通知を受けた制御部41は、駆動回路53に駆動停止の指示を送信して回転駆動モータ38を停止させ、回転台30の回転を停止させる。同時に制御部41は主制御部42に対してカード回転動作が完了したことを通知する。
【0064】
カード1の回転動作完了の通知を受けた主制御部42は、ICリード準備動作を制御部41に指示する。ICリード準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がICカード用接点27の方向に搬送されるよう搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25、29に動力が伝達され、カード1はICカード用接点27の方向へ搬送され始める。図15に示すように、カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達すると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。
【0065】
カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達したことを検知した制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させ、カード1の搬送を停止させる。同時に主制御部42に対してICリード準備動作が完了したことを通知する。
【0066】
ICリード準備動作の完了通知を受けた主制御部42は、制御部41に対してICリード動作を指示する。ICリード動作の指示を受けた制御部41は、読取回路43を介してICチップ内のデータを読取り、読取ったデータを主制御部42へ送信する。ICチップからの読取りデータを受け取った主制御部42は、制御部41に対してカード返却準備動作を指示する。
【0067】
カード返却準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は挿入口26の方向へ搬送され始める。
【0068】
図16に示すように、カード1が挿入口26から排出される直前の位置まで搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が挿入口26の直前まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してカード返却準備動作が完了したことを通知する。
【0069】
次に主制御部42は、カード1のICチップ内から読取られたデータに基づいて、顧客が選択した取引、即ち、支払取引または預入取引等の取引を実行する。この取引動作については本発明と直接関係ないので説明を省略する。ここでの取引が完了すると、主制御部41は、カード返却動作を制御部41に対して指示する。
【0070】
カード返却動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はさらに挿入口26の方向へ搬送され始める。図17に示すように、顧客がカード1を抜き取り可能な位置までカード1が搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が抜き取り可能な位置まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させ、顧客がカード1を抜き取るのを待つ。
【0071】
カード1が顧客により抜き取られると、カード検知センサ48により抜き取られたことが検知され、制御部41に通知される。カード1が抜き取られたことを通知された制御部41は、主制御部42に対してカード返却動作が完了したことを通知する。以上によりカード1が図 に示す右方向から挿入された場合の取引動作を終了する。
【0072】
以上説明した2つの場合はいずれもキャッシュ取引について説明したが、クレジット取引の場合も、詳細な説明は特にしないが、図23に示す左方向挿入の場合はカード1を回転することなく取引を行い、図23に示す右方向挿入の場合はカード1を180度回転させて取引を行う。
【0073】
以上のように第1の実施の形態によれば、挿入されたカードの向きを変える回転台を設けたので、顧客が挿入方向を間違えた場合でも、一旦顧客へカードを返却することなく所望の取引を行うことが可能になる。
【0074】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図18は第2の実施の形態のカードリーダライタのブロック図である。第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態の構成に加えて、ガイダンス手段を設けてカードの挿入方向を間違えた場合に顧客に対するガイダンス行うようにしたものである。
【0075】
図18において、制御部41には第1の実施の形態で説明した要素のほかに、ガイダンス制御部55および表示部56が接続されている。ガイダンス制御部55は、顧客がカードの挿入方向を間違えて挿入した場合に、顧客に対して正しい挿入方向をガイダンスするものである。表示部565は、自動取引装置に設けられ、操作の際に顧客から目視可能な位置にある。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0076】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。ここではガイダンス動作を説明する。図19は第2の実施の形態のガイダンス動作を示すフローチャートである。なお説明においては、第1の実施の形態で使用した図を流用して説明する。
【0077】
まず顧客は自動取引装置の図示しない操作部で取引項目を選択する。その際、表示部56に、図20に示すような、ICカードを使用する取引を所望するか、またはICカードを使用しない取引を所望するかの選択を顧客に行わせる表示を行う(ステップ1)。
【0078】
ここで顧客がICカードを使用する取引を選択すると(ステップ2)、即ち、「ICカード」ボタン57を押下すると、その情報は制御部41へ送られる。その後顧客がカードを挿入口26から挿入すると、第1の実施の形態で説明したように、カードリーダライタ内にカードが吸入され、カードの磁気ストライプの磁気データが磁気ヘッド28により読取られる。なおステップ2で顧客がICカードを使用しない取引を選択した場合は、即ち、「ICカード以外」ボタン58を押下した場合は、ガイダンス動作をすることはないのでこれ以降の説明を省略する。
【0079】
ここで顧客が挿入したカードは、ICカード対応済のダブルストライプカードまたはICカード未対応のダブルストライプカードであるとする。そして何れの場合も、カードのクレジットカード用の磁気ストライプおよびキャッシュカード用の磁気ストライプには前述のIC接点有無情報およびIC接点位置情報が含まれているものとする。
【0080】
読取られた磁気データは制御部41へ送られ、制御部41から磁気データ内のIC接点有無情報およびIC接点位置情報がガイダンス制御部54へ送られる(ステップ3)。ガイダンス制御部55では、送られてきた磁気データから、IC接点有無情報が"1"であるかどうか判断する(ステップ4)。即ち、挿入されたカードがIC接点を有するものであるか否か判断する。
【0081】
顧客はステップ2でICカードを使用する取引を選択したので、IC接点有無情報が"1"でないと判断した場合、ガイダンス制御部55は、取扱できないので交換すべき旨の図21に示すガイダンスを表示部56に表示する(ステップ5)。IC接点有無情報が"1"であると判断した場合、次にガイダンス制御部55は、磁気データからIC接点位置情報が"1"であるか否か判断する(ステップ6)。
【0082】
IC接点位置情報が"1"であると判断した場合、ガイダンス制御部55は、図22に示すガイダンスを表示部56に表示する(ステップ7)。図22に示すガイダンスは、次回の取引時にカードを正しい方向で挿入することを依頼するものである。このようにガイダンスすることにより、次回取引時からは正しい方向からカードが挿入されることが期待でき、取引時間の短縮を図ることが可能となる。
【0083】
なおIC接点位置情報が"1"であると判断された場合は、第1の実施の形態で説明したようにカードが回転台30により向きを変換され、ICチップを使用した取引が行われる。またIC接点位置情報が"0"であると判断した場合は、カードが正しく挿入されているので、ガイダンス表示することなく取引処理を行う。
【0084】
以上のように第2の実施に形態では、顧客が自分の希望する取引に使用できないカードを挿入した場合に、カードを交換すべき旨のガイダンスを行うようにしたので、顧客は取引できない理由がすぐにわかり、即座に対応することができる。また、正しいカードが挿入されてもその挿入方向が違っていた場合に、そのときは取引を実行しつつ、カードの正しい挿入方向を示すガイダンスを表示するので、顧客は次取引時からは正しい挿入方向でカードを挿入することが期待され、その場合にはカードの回転動作が不要となるので、取引時間が短縮されることが期待できる。
【0085】
上記各実施の形態ではICチップを使用した取引について説明したが、顧客の所有するカードがIC接点を持たないダブルストライプカードである場合にも本発明は適用可能である。この場合、クレジットカードの磁気ストライプ2にクレジット取引である旨の情報を持たせておき、またキャッシュカードの磁気ストライプ4にはキャッシュ取引である旨の情報を持たせておく。
【0086】
そしてキャッシュ取引では、磁気ヘッド28のある側にキャッシュカードの磁気ストライプ4が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合は、磁気ヘッド28で読取った磁気データにキャッシュ取引である旨の情報があるので、回転動作をせず、そのまま取引を行う。また磁気ヘッド28のある側にクレジットカードの磁気ストライプ2が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合には、磁気ヘッド28で読取った磁気データにクレジット取引である旨の情報があるので、カードを180度回転させて、キャッシュ取引を行うようにする。
【0087】
またクレジット取引では、磁気ヘッド28のある側にキャッシュカードの磁気ストライプ4が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合は、磁気ヘッド28で読取った磁気データにキャッシュ取引である旨の情報があるので、カードの回転動作を行い、クレジット取引を行う。また磁気ヘッド28のある側にクレジットカードの磁気ストライプ2が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合には、磁気ヘッド28で読取った磁気データにクレジット取引である旨の情報があるので、カードを回転させることなくクレジット取引を行う。
【0088】
また上記各実施の形態では、自動取引装置に適用した例を示したが、本発明は汎用的なカードリーダライタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示す概略側面図である。
【図2】第1の実施の形態のカードリーダライタを示す概略平面図である。
【図3】第1の実施の形態のカードリーダライタを示す概略正面図である。
【図4】第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示すブロック図である。
【図5】クレジットカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【図6】キャッシュカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【図7】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図8】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図9】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図10】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図11】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図12】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図13】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図14】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図15】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図16】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図17】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図18】第2の実施の形態のカードリーダライタのブロック図である。
【図19】第2の実施の形態のガイダンス動作を示すフローチャートである。
【図20】選択項目を表示する表示部を示す説明図である。
【図21】ガイダンス表示を示す説明図である。
【図22】ガイダンス表示を示す説明図である。
【図23】一般的な一体型カードを示す説明図である。
【図24】自動取引装置のカードリーダライタを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0090】
1 ICチップ付ダブル磁気ストライプカード
2、4 磁気ストライプ
3 ICチップ接点
27 ICカード接点
28 磁気ヘッド
30 回転台
55 ガイダンス制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等で使用される自動取引装置に関し、とくにカードを何れの方向から挿入しても取引可能にした自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置による取引において、顧客が使用する取引用の磁気カードには1本の磁気ストライプが設けられており、取引の際に磁気カードを誤った方向から装置に挿入した場合、装置側が受け付けを拒否し、一旦顧客に返却される。そして挿入方向を変えて再度磁気カードを装置に挿入することにより、取引を開始するようにしていた。しかしながら磁気カードを再度挿入する操作は、自動取引装置を使用する顧客にとって煩雑である。
【0003】
近年、キャッシュカードやクレジットカードのICカード化が進み、ICチップと一体型の磁気カード(以下、一体型カードという)が急速に普及している。こうした一体型カードの場合、以下の理由でカード挿入時の煩雑さが更に増すことになる。
【0004】
まず図23を用いて一体型カードについて説明する。図23は一般的な一体型カードを示す説明図である。図23において、一体型カード1は、表面上部にクレジットカード用の磁気ストライプ2およびICチップ接点3が設けられ、表面下部にキャッシュカード用の磁気ストライプ4が設けられている。ICチップ3にはキャッシュカードやクレジットカード用のデータが格納されており、ICカード対応になっている自動取引装置に挿入された場合は磁気ストライプ2、3を使用することなく、キャッシュ取引やクレジット取引が可能である。
【0005】
図24に自動取引装置のカードリーダライタを示す。図24(a)はその平面図で、図24(b)はその側面図である。図24において、自動取引装置のカードリーダライタ11には、カードを搬送するための搬送路12が設けられ、搬送路12を挟んで複数の搬送ローラ13、14、15がそれぞれ回転可能に設けられている。搬送路12の上方にICチップ用接点16が設けられ、さらに磁気ヘッド17が設けられている。ICチップ用接点16および磁気ヘッド17は、図 24(a)に示すように、カード挿入方向に対して右側に設けられている。
【0006】
次に一体型カードを使用した場合の顧客の操作について説明する。この場合、ICチップ3にはキャッシュカード用のデータとクレジットカード用のデータの両方が格納されているものとする。またICカード対応になっている自動取引装置に一体型カード1が挿入された場合は、磁気ストライプデータを使用しないこととする。
【0007】
パターン1.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続し、また自動取引装置はICカード対応になっているので、キャッシュ取引はICチップに格納されたデータにより行われることになる。即ち、この場合はICチップに格納されたキャッシュカードデータへのアクセスが可能となり、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0008】
パターン2.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、キャッシュ取引はICチップに格納されたデータにより行われることになっているが、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続しないので、ICチップに格納されたキャッシュカードデータへのアクセスが不可能となり、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0009】
パターン3.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、クレジット取引はICチップに格納されたデータにより行われることになる。また一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続するので、ICチップに格納されたクレジットカードデータへのアクセスが可能となり、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0010】
パターン4.自動取引装置の仕様がICカード対応済で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード対応になっているので、クレジット取引はICチップに格納されたデータにより行われることになっているが、一体型カード1のICチップ接点3が装置側のICチップ用接点16に接続しないので、ICチップに格納されたクレジットカードデータへのアクセスが不可能となり、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0011】
パターン5.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、キャッシュ取引は磁気ストライプ4のデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でキャッシュカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。
【0012】
パターン6.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がキャッシュ取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、キャッシュ取引は磁気ストライプ4のデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でキャッシュカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができるので、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0013】
パターン7.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す左方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、クレジット取引は磁気ストライプ2のクレジットカードデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でクレジットカードデータの磁気ストライプ2を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作は不要となる。
【0014】
パターン8.自動取引装置の仕様がICカード未対応で、かつ顧客の希望取引がクレジット取引で、かつ一体型カードを図23に示す右方向から挿入した場合について説明する。この場合は、自動取引装置はICカード未対応になっているので、クレジット取引は磁気ストライプ2のクレジットカードデータにより行われることになる。この場合は、磁気ヘッド17でクレジットカードデータの磁気ストライプ4を読取ることができないので、一体型カード1の再挿入操作が必要となる。以上の各パターンをまとめて表1に示す。
【0015】
【表1】
他方、キャッシュ取引用の磁気ストライプとクレジット取引用の磁気ストライプの2本の磁気ストライプを備えた所謂ダブルストライプカードが開発されている。こうしたダブルストライプカードにおいても、取引によって挿入方向が決まっており、挿入方向を間違えた場合には再挿入をしなければならない。(特開平6−259640号公報参照)
【特許文献1】特開平6−259640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら従来の自動取引装置での取引においては、ICカード対応済の自動取引装置とICカード未対応の自動取引装置とでは、同じキャッシュ取引を行なう場合でもカード1の挿入方向が異なる(パターン1とパターン5、およびパターン2とパターン6参照)。金融機関毎に自動取引装置のICカード対応化に対する対応が区々であるので、一体型カードを所有する顧客は、各金融機関それぞれの自動取引装置がICカード対応になっているか否かを調べた上で一体型カードの挿入方向を判断しなければならない。このことは顧客に無用な負担を強いることになる。
またダブルストライプカードでの取引においても、挿入方向を間違えた場合には再挿入をしなければならず、自動取引装置を使用する顧客にとって煩雑であることに変わりはない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明は、カードの磁気情報を読取って取引を行う自動取引装置において、装置に挿入されたカードの向きを変える向き変換手段と、装置に挿入されたカードから読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動してカードの向きを変える制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0018】
カードは複数の磁気情報記録部を有し、カードがどちらから装置に挿入されてもいずれかの磁気情報記録部から磁気情報を読取り可能であり、制御手段は、カードがどちらから装置に挿入されても読取られた磁気情報に基づいて向き変換手段を駆動するか否かを判断するようにする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カードがいずれの方向から装置に挿入されても、カードから読取った情報によりカードの向きを変える必要があるか否か判断し、必要がある場合は向き変換手段によりカードの向きを180度変えるので、顧客がカードの挿入方向を間違えた場合でも、再挿入することなく所望の処理が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示す概略側面図、図2は同カードリーダライタを示す概略平面図、図3は同カードリーダライタを示す概略正面図である。
【0021】
これらの図において、自動取引装置に設けられるカードリーダライタ21には、カードを搬送するための搬送路22が形成され、搬送路22を挟んで複数の搬送ローラ対23、24、25が設けられている。搬送ローラ対23は、上側搬送ローラ23aと下側搬送ローラ23bからなり、上側搬送ローラ23aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ23bはカードを介して上側搬送ローラ23aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対23は、顧客が挿入口26から挿入したカードをカードリーダライタ21内に引き込み、ICカード接点27または次の搬送ローラ対24へと搬送する。
【0022】
搬送ローラ対24は、上側搬送ローラ24aと下側搬送ローラ24bからなり、上側搬送ローラ24aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ24bはカードを介して上側搬送ローラ24aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対24は、搬送ローラ対23から搬送されてきたカードを磁気ヘッド28または次の搬送ローラ対25へと搬送する。
【0023】
搬送ローラ対25は、上側搬送ローラ25aと下側搬送ローラ25bからなり、上側搬送ローラ25aが後述する搬送モータから駆動力を供給され、下側搬送ローラ25bはカードを介して上側搬送ローラ25aに圧接することにより従動回転する。搬送ローラ対25は、搬送ローラ対24から搬送されてきたカードを次の搬送ローラ対29へと搬送する。
【0024】
ICカード接点27は、ICチップ付ダブル磁気ストライプカードのICチップ内のデータリードまたはデータライトを行うための接点である。磁気ヘッド28は、JISX6302で規定された磁気ストライプのリードまたはライトを行うものである。
【0025】
搬送ローラ対25の奥側(挿入口26の反対側)には、回転台30が設けられている。回転台30は搬送されてきたカードを180度回転させるためのもので、回転台30の中央下部にはシャフト31を介してギア32が取付けられている。回転台30には、その上部に搬送路33が形成され、また搬送ローラ対29の下側搬送ローラ29bが回転可能に設けられている。下側搬送ローラ29bは、上部ユニット34に設けられた上側搬送ローラ29aとともにカードを搬送する。
【0026】
回転台30の下部には遮光板35が設けられている。遮光板35は、発光素子と受光素子とからなる回転台センサ36、37の発光素子からの光を遮断することにより、回転台30の位置を検出するためのものである。回転台センサ36、37はシャフト31を中心に互いに対称の位置に設けられ、ともに発光素子として発光ダイオードを使用し、受光素子としてフォトトランジスタを使用している。
【0027】
シャフト31に設けられたギア32は、回転台モータ38に取付けられたギア39と噛合っている。回転台モータ38が回転することにより、ギア39およびギア32を介して回転台30が回転する。
【0028】
ICチップ付ダブル磁気ストライプカード(以下、単にカードということもある)1は、図23に示したものと同様の構成を有するものである。即ち、カード1は、表面上部にクレジットカード用の磁気ストライプ2およびICチップ接点3が設けられ、表面下部にキャッシュカード用の磁気ストライプ4が設けられている。内蔵されたICチップにはキャッシュカードやクレジットカード用のデータが格納されており、ICカード対応になっている自動取引装置に挿入された場合は磁気ストライプ2、3を使用することなく、キャッシュ取引やクレジット取引が可能である。
【0029】
図4は第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示すブロック図である。図4において、制御部41は、カードリーダライタ21の動作を制御するもので、自動取引装置の主制御部42に接続されているとともに、以下に説明する各部に接続されている。読取回路43はカード1からICチップ内のデータを読取って制御部41へ送信する回路で、制御部41およびICチップ用接点27に接続されている。
【0030】
書込回路44は制御部41から受信したデータをカード1のICチップに書込むための回路で、制御部41およびICチップ用接点27に接続されている。読取回路45は、カード1の磁気ストライプ2または4のデータを読取って制御部41へ送信するための回路で、制御部41および磁気ヘッド28に接続されている。書込回路46は、制御部41から受信したデータをカード1の磁気ストライプ2または4に書込むための回路で、制御部41および磁気ヘッド28に接続されている。
【0031】
センサ回路47は、カードリーダライタ21に挿入されたカード1の位置を検出するためのカード検知センサ48を駆動するとともに、カード検知センサ48からの出力信号を受信するための回路で、制御部41およびカード検知センサ48に接続されている。なおカード検知センサ48は1つではなく、搬送路22の必要箇所に複数個配設されている。カード検知センサ48は発光ダイオードと受光トランジスタが一体成形された反射型の光センサである。駆動回路49は、搬送モータ50を駆動する回路である。搬送モータ50は上述したカードリーダライタ21内の搬送ローラ対23、24、25を駆動するものである。
【0032】
センサ回路51は、回転台30の下部に設けられた回転台センサ36、37を駆動させるとともに、回転台30上部の搬送路33に搬送されたカード1の位置を検知するためのカード検知センサ52を駆動する回路で、これらのセンサ36、37、52からの出力信号を受信する。カード検知センサ52は発光ダイオードと受光トランジスタが一体成形された反射型の光センサである。駆動回路53は、回転台モータ38を駆動するためのモータである。
【0033】
センサ回路51および駆動回路53およびそれらに接続された各部により回転機構部54を構成する。回転機構部54により回転台30の動作を中心とするカード1の向き変換動作を行う。
【0034】
次に第1の実施の形態の動作を説明するが、その前にここでカード1の磁気ストライプ2、4の磁気データの構成について説明する。図5はクレジットカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図、図6はキャッシュカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【0035】
図5において、クレジットカードの磁気ストライプ2のデータ仕様は、始め符号2a、クレジットカード情報2b、IC接点情報2c、終わり符号2d等から構成されている。そしてIC接点情報2cには、IC接点有無情報2caおよびIC接点位置情報2cbが含まれている。
【0036】
IC接点有無情報2caは、IC接点があるカードであること、またはIC接点がないカードであることを示す情報で、このデータが"0"の場合はIC接点がないカードであることを示し、データが"1"の場合はIC接点があるカードであることを示す。本実施の形態におけるカード1はIC接点があるカードであるので、IC接点有無情報2caは"1"となっている。
【0037】
IC接点位置情報2cbは、挿入されたカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能か否かを示す情報で、このデータが"0"の場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であることを示し、データが"1"の場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないことを示す。クレジットカードの磁気ストライプ2が読取られる場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であるので、IC接点位置情報2cbは"0"となっている。
【0038】
図6において、キャッシュカードの磁気ストライプ4のデータ仕様は、始め符号2a、キャッシュカード情報4b、IC接点情報4c、終わり符号4d等から構成されている。そしてIC接点情報4cには、IC接点有無情報4caおよびIC接点位置情報4cbが含まれている。
【0039】
IC接点有無情報4caは、IC接点があるカードであること、またはIC接点がないカードであることを示す情報で、このデータが"0"の場合はIC接点がないカードであることを示し、データが"1"の場合はIC接点があるカードであることを示す。本実施の形態におけるカード1はIC接点があるカードであるので、IC接点有無情報4caは"1"となっている。
【0040】
IC接点位置情報4cbは、挿入されたカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能か否かを示す情報で、このデータが"0"の場合はカードを180度回転させなくてもIC接点にアクセス可能であることを示し、データが"1"の場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないことを示す。キャッシュカードの磁気ストライプ4が読取られる場合はカードを180度回転させなければIC接点にアクセスできないので、IC接点位置情報4cbは"1"となっている。
【0041】
次にカード1を挿入して取引を行う場合の特にカード1の動作を更に図面にしたがって説明する。ここではICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を所有する顧客が、ICカード対応済みの自動取引装置でキャッシュ取引を行う場合で、ICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を、図23に示す左方向から挿入した場合の動作を説明する。図7乃至図10はこの場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【0042】
図7に示すように、顧客がICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を挿入口26から挿入すると、カード検知センサ48によりカード1が検知され、検知信号が制御部41へ送られる。検知信号を受信した制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。
【0043】
カード1の全体が装置内に引き込まれると、カード検知センサ48により、カード全体が引き込まれたことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ通知される。この通知を受けた制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、自動取引装置の主制御部42に対して、カード1の吸引動作が完了したことを通知する。(図7に示す状態)
【0044】
カード1の吸入動作が完了したという通知を受けた主制御部42は、磁気リード動作を制御部41に指示する。磁気リード動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ再び搬送され始める。
【0045】
次に制御部41は、読取回路45を介して磁気ヘッド28によりカード1の磁気ストライプ2から磁気データを読取る。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過すると、カード検知センサ48により、磁気ヘッド28を通過したことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ送られる。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過した信号を受け取ると、制御部41は駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させて、磁気データの読み取りを停止させる。(図8に示す左側のカード1の状態)
【0046】
次に制御部41は、読取った磁気データを主制御部42へ送信する。クレジットカードの磁気ストライプ2の仕様は、図5で説明した通りである。読取られた磁気データにはIC接点情報2cとして、IC接点有無情報2caとIC接点位置情報2cbが含まれており、磁気ストライプ2から読取られた磁気データではIC接点位置情報2cbが"0"となっている。この情報により主制御部42は、カード1を回転する必要がないと判断し、ICリード準備動作を制御部41に指示する。
【0047】
ICリード準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がICカード用接点27の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はICカード用接点27の方向へ搬送され始める。図8に示すように、カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達すると、カード検知センサ48によりその到達が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。
【0048】
カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達したことが通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してICリード準備動作が完了したことを通知する。
【0049】
ICリード準備動作の完了通知を受けた主制御部42は、制御部41に対してICリード動作を指示する。ICリード動作の指示を受けた制御部41は、読取回路43を介してICチップ内のデータを読取り、読取ったデータを主制御部42へ送信する。ICチップからの読取りデータを受け取った主制御部42は、制御部41に対してカード返却準備動作を指示する。
【0050】
カード返却準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、図9に示すように、カード1は挿入口26の方向へ搬送され始める。
【0051】
図9に示すように、カード1が挿入口26から排出される直前の位置まで搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が挿入口26の直前まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してカード返却準備動作が完了したことを通知する。
【0052】
次に主制御部42は、カード1のICチップ内から読取られたデータに基づいて、顧客が選択した取引、即ち、支払取引または預入取引等の取引を実行する。この取引動作については本発明と直接関係ないので説明を省略する。ここでの取引が完了すると、主制御部41は、カード返却動作を制御部41に対して指示する。
【0053】
カード返却動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がさらに挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はさらに挿入口26の方向へ搬送され始める。顧客がカード1を抜き取り可能な位置までカード1が搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が抜き取り可能な位置まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させ、顧客がカード1を抜き取るのを待つ。
【0054】
図10に示すように、カード1が顧客により抜き取られると、カード検知センサ48により抜き取られたことが検知され、制御部41に通知される。カード1が抜き取られたことを通知された制御部41は、主制御部42に対してカード返却動作が完了したことを通知する。以上によりカード1が図23に示す左方向から挿入された場合の取引動作を終了する。
【0055】
次にICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を所有する顧客が、ICカード対応済みの自動取引装置でキャッシュ取引を行う場合で、ICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を、図 に示す右方向から挿入した場合の動作を説明する。図11乃至図17はこの場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【0056】
図11において、顧客がICチップ付ダブル磁気ストライプカード1を図23に示す右方向から挿入口26から挿入すると、カード検知センサ48によりカード1が検知され、検知信号が制御部41へ送られる。検知信号を受信した制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。なおこのとき、回転台30の下部に設けられた遮光板35は、回転台センサ36の発光素子と受光素子の間に位置している。
【0057】
カード1の全体が装置内に引き込まれると、カード検知センサ48により、カード全体が引き込まれたことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ通知される。この通知を受けた制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、自動取引装置の主制御部42に対して、カード1の吸引動作が完了したことを通知する。
【0058】
カード1の吸入動作が完了したという通知を受けた主制御部42は、磁気リード動作を制御部41に指示する。磁気リード動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向へ搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ再び搬送され始める。
【0059】
次に制御部41は、読取回路45を介して磁気ヘッド28によりカード1のキャッシュカードの磁気ストライプ4から磁気データを読取る。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過すると、カード検知センサ48により、磁気ヘッド28を通過したことを示す信号がセンサ回路47を介して制御部41へ送られる。カード1の全体が磁気ヘッド28を通過した信号を受け取ると、制御部41は駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させて、磁気データの読み取りを停止させる。(図12に示す右側のカード1の状態)
【0060】
次に制御部41は、読取った磁気データを主制御部42へ送信する。キャッシュカードの磁気ストライプ4の仕様は、図6で説明した通りである。読取られた磁気データにはIC接点情報4cとして、IC接点有無情報4caとIC接点位置情報4cbが含まれており、磁気ストライプ4から読取られた磁気データではIC接点位置情報4cbが"1"となっている。この情報により主制御部42は、カード1を回転する必要があると判断し、カード1の回転動作を制御部41に指示する。
【0061】
カード1の回転動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が回転台30の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25、29に動力が伝達され、カード1は回転台30の方向へ搬送され始める。図12に示すように、カード1が回転台30上に到達すると、カード検知センサ52によりその到達が検知され、センサ回路51を介して制御部41に通知される。カード1が回転台30上に到達したことが通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させ、カード1の搬送を停止させる。
【0062】
次に制御部41は、駆動回路53を介して、回転駆動モータ38を駆動する。回転駆動モータ38が駆動されることにより、ギア39、ギア32およびシャフト31を介して回転台30が回転する。この様子を図13に示す。この回転台30の回転により、回転台30の下部に設けられた遮光板35が回転台センサ36から抜け出す。図14に示すように、回転台30が180度回転すると、遮光板35が反対側の回転台センサ37に到達し、回転台センサ37の発光素子の光を遮断する。これにより回転台30の180度の回転が検知され、検知信号が回転台センサ7から制御部41へ送信される。
【0063】
回転台30が180度回転した通知を受けた制御部41は、駆動回路53に駆動停止の指示を送信して回転駆動モータ38を停止させ、回転台30の回転を停止させる。同時に制御部41は主制御部42に対してカード回転動作が完了したことを通知する。
【0064】
カード1の回転動作完了の通知を受けた主制御部42は、ICリード準備動作を制御部41に指示する。ICリード準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1がICカード用接点27の方向に搬送されるよう搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25、29に動力が伝達され、カード1はICカード用接点27の方向へ搬送され始める。図15に示すように、カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達すると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。
【0065】
カード1のIC接点部3がICカード用接点27に到達したことを検知した制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信し、搬送モータ50を停止させ、カード1の搬送を停止させる。同時に主制御部42に対してICリード準備動作が完了したことを通知する。
【0066】
ICリード準備動作の完了通知を受けた主制御部42は、制御部41に対してICリード動作を指示する。ICリード動作の指示を受けた制御部41は、読取回路43を介してICチップ内のデータを読取り、読取ったデータを主制御部42へ送信する。ICチップからの読取りデータを受け取った主制御部42は、制御部41に対してカード返却準備動作を指示する。
【0067】
カード返却準備動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1は挿入口26の方向へ搬送され始める。
【0068】
図16に示すように、カード1が挿入口26から排出される直前の位置まで搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が挿入口26の直前まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させる。同時に制御部41は、主制御部42に対してカード返却準備動作が完了したことを通知する。
【0069】
次に主制御部42は、カード1のICチップ内から読取られたデータに基づいて、顧客が選択した取引、即ち、支払取引または預入取引等の取引を実行する。この取引動作については本発明と直接関係ないので説明を省略する。ここでの取引が完了すると、主制御部41は、カード返却動作を制御部41に対して指示する。
【0070】
カード返却動作の指示を受けた制御部41は、駆動回路49を介して、カード1が挿入口26の方向に搬送されるように搬送モータ50を駆動させる。搬送モータ50が駆動されることにより、図示しないベルトで連結されている搬送ローラ対23、24、25に動力が伝達され、カード1はさらに挿入口26の方向へ搬送され始める。図17に示すように、顧客がカード1を抜き取り可能な位置までカード1が搬送されると、カード検知センサ48によりその位置が検知され、センサ回路47を介して制御部41に通知される。カード1が抜き取り可能な位置まで搬送されたことを通知された制御部41は、駆動回路49に駆動停止の指示を送信して搬送モータ50を停止させ、顧客がカード1を抜き取るのを待つ。
【0071】
カード1が顧客により抜き取られると、カード検知センサ48により抜き取られたことが検知され、制御部41に通知される。カード1が抜き取られたことを通知された制御部41は、主制御部42に対してカード返却動作が完了したことを通知する。以上によりカード1が図 に示す右方向から挿入された場合の取引動作を終了する。
【0072】
以上説明した2つの場合はいずれもキャッシュ取引について説明したが、クレジット取引の場合も、詳細な説明は特にしないが、図23に示す左方向挿入の場合はカード1を回転することなく取引を行い、図23に示す右方向挿入の場合はカード1を180度回転させて取引を行う。
【0073】
以上のように第1の実施の形態によれば、挿入されたカードの向きを変える回転台を設けたので、顧客が挿入方向を間違えた場合でも、一旦顧客へカードを返却することなく所望の取引を行うことが可能になる。
【0074】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図18は第2の実施の形態のカードリーダライタのブロック図である。第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態の構成に加えて、ガイダンス手段を設けてカードの挿入方向を間違えた場合に顧客に対するガイダンス行うようにしたものである。
【0075】
図18において、制御部41には第1の実施の形態で説明した要素のほかに、ガイダンス制御部55および表示部56が接続されている。ガイダンス制御部55は、顧客がカードの挿入方向を間違えて挿入した場合に、顧客に対して正しい挿入方向をガイダンスするものである。表示部565は、自動取引装置に設けられ、操作の際に顧客から目視可能な位置にある。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0076】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。ここではガイダンス動作を説明する。図19は第2の実施の形態のガイダンス動作を示すフローチャートである。なお説明においては、第1の実施の形態で使用した図を流用して説明する。
【0077】
まず顧客は自動取引装置の図示しない操作部で取引項目を選択する。その際、表示部56に、図20に示すような、ICカードを使用する取引を所望するか、またはICカードを使用しない取引を所望するかの選択を顧客に行わせる表示を行う(ステップ1)。
【0078】
ここで顧客がICカードを使用する取引を選択すると(ステップ2)、即ち、「ICカード」ボタン57を押下すると、その情報は制御部41へ送られる。その後顧客がカードを挿入口26から挿入すると、第1の実施の形態で説明したように、カードリーダライタ内にカードが吸入され、カードの磁気ストライプの磁気データが磁気ヘッド28により読取られる。なおステップ2で顧客がICカードを使用しない取引を選択した場合は、即ち、「ICカード以外」ボタン58を押下した場合は、ガイダンス動作をすることはないのでこれ以降の説明を省略する。
【0079】
ここで顧客が挿入したカードは、ICカード対応済のダブルストライプカードまたはICカード未対応のダブルストライプカードであるとする。そして何れの場合も、カードのクレジットカード用の磁気ストライプおよびキャッシュカード用の磁気ストライプには前述のIC接点有無情報およびIC接点位置情報が含まれているものとする。
【0080】
読取られた磁気データは制御部41へ送られ、制御部41から磁気データ内のIC接点有無情報およびIC接点位置情報がガイダンス制御部54へ送られる(ステップ3)。ガイダンス制御部55では、送られてきた磁気データから、IC接点有無情報が"1"であるかどうか判断する(ステップ4)。即ち、挿入されたカードがIC接点を有するものであるか否か判断する。
【0081】
顧客はステップ2でICカードを使用する取引を選択したので、IC接点有無情報が"1"でないと判断した場合、ガイダンス制御部55は、取扱できないので交換すべき旨の図21に示すガイダンスを表示部56に表示する(ステップ5)。IC接点有無情報が"1"であると判断した場合、次にガイダンス制御部55は、磁気データからIC接点位置情報が"1"であるか否か判断する(ステップ6)。
【0082】
IC接点位置情報が"1"であると判断した場合、ガイダンス制御部55は、図22に示すガイダンスを表示部56に表示する(ステップ7)。図22に示すガイダンスは、次回の取引時にカードを正しい方向で挿入することを依頼するものである。このようにガイダンスすることにより、次回取引時からは正しい方向からカードが挿入されることが期待でき、取引時間の短縮を図ることが可能となる。
【0083】
なおIC接点位置情報が"1"であると判断された場合は、第1の実施の形態で説明したようにカードが回転台30により向きを変換され、ICチップを使用した取引が行われる。またIC接点位置情報が"0"であると判断した場合は、カードが正しく挿入されているので、ガイダンス表示することなく取引処理を行う。
【0084】
以上のように第2の実施に形態では、顧客が自分の希望する取引に使用できないカードを挿入した場合に、カードを交換すべき旨のガイダンスを行うようにしたので、顧客は取引できない理由がすぐにわかり、即座に対応することができる。また、正しいカードが挿入されてもその挿入方向が違っていた場合に、そのときは取引を実行しつつ、カードの正しい挿入方向を示すガイダンスを表示するので、顧客は次取引時からは正しい挿入方向でカードを挿入することが期待され、その場合にはカードの回転動作が不要となるので、取引時間が短縮されることが期待できる。
【0085】
上記各実施の形態ではICチップを使用した取引について説明したが、顧客の所有するカードがIC接点を持たないダブルストライプカードである場合にも本発明は適用可能である。この場合、クレジットカードの磁気ストライプ2にクレジット取引である旨の情報を持たせておき、またキャッシュカードの磁気ストライプ4にはキャッシュ取引である旨の情報を持たせておく。
【0086】
そしてキャッシュ取引では、磁気ヘッド28のある側にキャッシュカードの磁気ストライプ4が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合は、磁気ヘッド28で読取った磁気データにキャッシュ取引である旨の情報があるので、回転動作をせず、そのまま取引を行う。また磁気ヘッド28のある側にクレジットカードの磁気ストライプ2が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合には、磁気ヘッド28で読取った磁気データにクレジット取引である旨の情報があるので、カードを180度回転させて、キャッシュ取引を行うようにする。
【0087】
またクレジット取引では、磁気ヘッド28のある側にキャッシュカードの磁気ストライプ4が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合は、磁気ヘッド28で読取った磁気データにキャッシュ取引である旨の情報があるので、カードの回転動作を行い、クレジット取引を行う。また磁気ヘッド28のある側にクレジットカードの磁気ストライプ2が位置するようにダブルストライプカードが挿入された場合には、磁気ヘッド28で読取った磁気データにクレジット取引である旨の情報があるので、カードを回転させることなくクレジット取引を行う。
【0088】
また上記各実施の形態では、自動取引装置に適用した例を示したが、本発明は汎用的なカードリーダライタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示す概略側面図である。
【図2】第1の実施の形態のカードリーダライタを示す概略平面図である。
【図3】第1の実施の形態のカードリーダライタを示す概略正面図である。
【図4】第1の実施の形態における自動取引装置のカードリーダライタを示すブロック図である。
【図5】クレジットカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【図6】キャッシュカードの磁気ストライプのデータ構成を示す説明図である。
【図7】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図8】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図9】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図10】左方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図11】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図12】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図13】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図14】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図15】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図16】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図17】右方向挿入の場合のカードの動作を示す動作説明図である。
【図18】第2の実施の形態のカードリーダライタのブロック図である。
【図19】第2の実施の形態のガイダンス動作を示すフローチャートである。
【図20】選択項目を表示する表示部を示す説明図である。
【図21】ガイダンス表示を示す説明図である。
【図22】ガイダンス表示を示す説明図である。
【図23】一般的な一体型カードを示す説明図である。
【図24】自動取引装置のカードリーダライタを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0090】
1 ICチップ付ダブル磁気ストライプカード
2、4 磁気ストライプ
3 ICチップ接点
27 ICカード接点
28 磁気ヘッド
30 回転台
55 ガイダンス制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの磁気情報を読取って取引を行う自動取引装置において、
装置に挿入されたカードの向きを変える向き変換手段と、
装置に挿入されたカードから読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動してカードの向きを変える制御手段とを設けたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記向き変換手段は、カードを載置可能で回転可能なテーブルと、該テーブルを回転駆動させる駆動手段とから成る請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記カードは複数の磁気情報記録部を有し、該カードがどちらから装置に挿入されてもいずれかの磁気情報記録部から磁気情報を読取り可能であり、
前記制御手段は、該カードがどちらから装置に挿入されても読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動するか否かを判断する請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
カードが誤って挿入された場合に、顧客に正しい挿入方向をガイダンスするガイダンス手段を設けた請求項1または請求項3記載の自動取引装置。
【請求項1】
カードの磁気情報を読取って取引を行う自動取引装置において、
装置に挿入されたカードの向きを変える向き変換手段と、
装置に挿入されたカードから読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動してカードの向きを変える制御手段とを設けたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記向き変換手段は、カードを載置可能で回転可能なテーブルと、該テーブルを回転駆動させる駆動手段とから成る請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記カードは複数の磁気情報記録部を有し、該カードがどちらから装置に挿入されてもいずれかの磁気情報記録部から磁気情報を読取り可能であり、
前記制御手段は、該カードがどちらから装置に挿入されても読取られた磁気情報に基づいて前記向き変換手段を駆動するか否かを判断する請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
カードが誤って挿入された場合に、顧客に正しい挿入方向をガイダンスするガイダンス手段を設けた請求項1または請求項3記載の自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−92140(P2006−92140A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275255(P2004−275255)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]