説明

自動四輪車用タイヤ

【課題】諸性能を維持しつつ横剛性に優れる空気入りタイヤの提供。
【解決手段】本発明に係る自動四輪車用の空気入りタイヤ2は、その外面がトレッド面16を形成するトレッド4と、このトレッド4の端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール6と、このサイドウォール6からさらに半径方向略内向きに延びる一対のビード8と、両ビード8間に架け渡されたカーカス10と、フィラーコードを含むフィラー14とを備えている。このフィラー14は、タイヤ軸方向内側からタイヤ軸方向外側にビード8の周りを折り返されて、トレッド4の半径方向内側までの延びている。このトレッド4の半径方向内側まで延びているフィラーの一端14aから赤道面CLまでの距離FE1とトレッドの接地幅TWとの比FE1/TWが0を越え、0.49以下である。好ましくは、この比FE1/TWが0.20以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動四輪車に装着される空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
外径の比較的小さいタイヤが装着される四輪自動車がある。例えば、レーシングカートの車体には外径が350mm以下であるタイヤが装着されている。このタイヤは、例えば、縦横比が0.5以下の扁平タイヤである。このレーシングカート用のタイヤは、レギュレーションにより、バイアスタイヤであることが規定されている。
【0003】
カートレースでは、ラップタイムが競われる。このレーシングカートは低重心でかつ軽量なので、カートレースにおける旋回スピードは速い。旋回時にカートが片輪走行となること(所謂インリフト)もある。レーシングカート用タイヤでは、極めて大きなサイドグリップ力が要求される。レーシングカート用タイヤには、大きな横方向の力が加わる。レーシングカート用タイヤには、大きな横剛性が求められる。このタイヤの横剛性が大きくされた種々のタイヤが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−20420公報
【特許文献2】特開平5−246210公報
【特許文献3】特開2010−228646公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイヤのサイドグリップ力を向上させるために、カーカスの枚数を増やすことが考えられる。カーカスの枚数を増やしたタイヤはトレッドの剛性が高くなる。トレッドの剛性が高いタイヤは、グリップ力に劣る。また、エイペックスを大きくしたタイヤは、タイヤが撓みにくい。エイペックスが大きいタイヤは、所謂インリフトがし難く、旋回中にタイヤが滑りやすい。タイヤの外径を小さくして横剛性を大きくしたタイヤでは、縦剛性が減少し、トラクション性能に劣る。縦横比が0.5以下の扁平タイヤでは、特にトラクション性能が低下し易い。
【0006】
本発明の目的は、諸性能を維持しつつ横剛性に優れる空気入りタイヤの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動四輪車用の空気入りタイヤは、その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、両ビード間に架け渡されたカーカスと、フィラーコードを含むフィラーとを備えている。このフィラーは、タイヤ軸方向内側からタイヤ軸方向外側にビードの周りを折り返されて、トレッドの半径方向内側まで延びている。このトレッドの半径方向内側まで延びているフィラーの一端P1から赤道面までの距離FE1とトレッドの接地幅TWとの比FE1/TWが0を越え、0.49以下である。好ましくは、この比FE1/TWが0.20以上である。
【0008】
好ましくは、上記タイヤ軸方向内側に半径方向外側に向かって巻き上げられている他端P2からビードベースラインまでの距離FE2とタイヤの高さHとの比FE2/Hが0を越え0.7以下である。
【0009】
好ましくは、上記フィラーコードが有機繊維からなっている。好ましくは、上記フィラーコードが周方向に対してなす角度が25°以上90°以下である。好ましくは、上記フィラーコードの繊維度は、900dtex以上3300dtex以下である。好ましくは、上記フィラーコードの密度は、40本/50mm以上60本/50mm以下である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤの横剛性に優れている。一方で、このタイヤは、グリップ性能に優れている。このタイヤは、横剛性に優れており縦方向に撓み易くなっている。このタイヤは、旋回性能に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面が示された概念図である。
【図2】図2は、図1のタイヤの一部が示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るレーシングカート用タイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLに対してほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、インナーライナー12及びフィラー14を備えている。このタイヤ2は、空気入りチューブレスタイヤである。
【0014】
トレッド4は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な円弧状である。トレッド4の外面は、路面と接地するトレッド面16を構成する。トレッド面16には、溝は刻まれていない。このタイヤ2は、いわゆるスリックタイヤである。トレッド面16が、溝、ブロック等からなるトレッドパターンを備えても良い。
【0015】
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
【0016】
ビード8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。ビード8は、コア18と、このコア18から半径方向略外向きに延びるエイペックス20とからなる。コア18は環状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)からなる。エイペックス20は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、架橋ゴムからなる。
【0017】
カーカス10は、トレッド4、サイドウォール6及びビード8の内面に沿うように、両側のビード8の間に架け渡されている。カーカス10は、第一カーカスプライ22及び第二カーカスプライ24からなる。第一カーカスプライ22及び第二カーカスプライ24は、コア18の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。
【0018】
インナーライナー12は、カーカス10の内面に接合されている。インナーライナー12は、架橋ゴムからなる。インナーライナー12には、空気透過性の少ないゴムが用いられている。インナーライナー12は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
【0019】
図示されないが、カーカス10の第一カーカスプライ22は、並列する多数のコードと、トッピングゴムとから構成されている。このコードは、トッピングゴムに埋設されている。この全てのコードは、ほぼ同一直径である。同様に、第二カーカスプライ24は、並列する多数のコードと、トッピングゴムとから構成されている。コードは、トッピングゴムに埋設されている。この全てのコードは、ほぼ同一直径である。
【0020】
第一カーカスプライ22及び第二カーカスプライ24のコードは、周方向に対して傾斜している。第一カーカスプライ22のコードの傾斜方向は、第二カーカスプライ24のコードの傾斜方向とは周方向に対して逆である。換言すれば、第一カーカスプライ22のコードの延びる方向と第二カーカスプライ24のコードの延びる方向とは、交差している。このタイヤ2は、いわゆるバイアスタイヤである。このタイヤ2は、路面追従性に優れる。
【0021】
好ましくは、この周方向に対する傾斜角度の絶対値は、25°以上38°以下である。このコードの傾斜角度が25°以上に設定されることにより、タイヤ2の縦剛性が抑制される。このタイヤ2は、路面追従性に優れる。路面追従性の観点から、傾斜角度は27°以上がより好ましい。傾斜角度が38°以下に設定されることにより、適度な縦剛性が得られる。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。この観点から、傾斜角度は35°以下がより好ましい。傾斜角度は、赤道面において測定される。
【0022】
フィラー14は、コア18の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。外側で折り返された部分は、カーカス10の外面に沿って、トレッド4の内側までの延びている。このフィラーの一端14aは、トレッド4とカーカス10との間に位置している。このフィラー14の軸方向内側の部分は、半径方向外側に向かって、カーカス10の外面に沿って、延びている。この軸方向内側の部分の他端14bは、ビード8の底面よりも半径方向外側に位置している。この様にして、フィラー14は、タイヤ2の軸方向内側から軸方向外側に、ビード8の周りを折り返されている。
【0023】
フィラー14は、図示されないが、フィラーコードとトッピングゴムとからなっている。このタイヤ2では、フィラーコードの延びる方向は、周方向に対して傾斜している。この傾斜角度の絶対値は、例えば、60°である。この傾斜角度は、タイヤ2の周方向に対して測定される。この傾斜角度は、トレッド4を切り離した断面において周方向に対して測定される。
【0024】
このフィラーコードは、例えば有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。このフィラーコードの繊維度は、例えば900dtexである。
このフィラーコードの密度は、例えば、50本/50mmである。
【0025】
図2の点P1は、フィラー14の一端14aの位置を示している。点P2は、フィラー14の他端14bの位置を示している。矢印TRは、トレッド4のトレッド半径を示している。トレッド面16は、このトレッド半径TR上に位置している。矢印SRは、サイド部半径を示している。サイドウォール6の外面は、このサイド部半径SR上に位置している。点P3は、このトレッド半径TRとサイド部半径SRとの交点を示している。
【0026】
両矢印TWは、トレッド4の接地幅を示している。この接地幅TWは、図示された一方の交点P3から図示されない他方の交点P3までの距離である。両矢印FE1は、点P1から赤道面CLまでの距離を示している。この接地幅TW及び距離FE1は、タイヤ軸方向の距離である。この接地幅TW及び距離FE1は、図1に示される様に、切り出された断面において測られる。
【0027】
両矢印Hは、タイヤ2の高さを示している。この高さHは、ビードベースラインからタイヤ4の半径方向最も外側のトレッド面16の位置までの距離である。両矢印FE2は、ビードベースラインから点P2(フィラー14の他端14b)までの距離を示している。この高さH及び距離FE2は、タイヤ2の半径方向に測られる。この高さH及び距離FE2は、図1に示される様に切り出された断面において測られる。
【0028】
このタイヤ2では、フィラー14がタイヤ2の軸方向内側からビード8の周りを折り返されて、一端14aがトレッド4の半径方向内側まで延びているので、旋回時に一端14a側と他端14b側との間に張力が働く。このフィラー14は、タイヤ2の旋回時の横剛性に寄与する。このタイヤ2は、グリップ性能に優れている。一方で、このタイヤ2では、縦方向の荷重に対する撓み易さが損なわれることが抑制されている。このタイヤ2は、旋回時に所謂インリフトし易い。このタイヤ2は、旋回時に滑ることが抑制されている。このタイヤ2は、外径が350mm以下、特には300mm以下であるレーシングカート用タイヤ等に適している。
【0029】
旋回時にフィラー14に張力を発生させる観点から、一端P1から赤道面GLまでの距離FE1とトレッド4の接地幅TWの比FE1/TWは、0.49以下が好ましい。この比FE1/TWは、0.40以下が更に好ましい。一方で、この比FE1/TWが小さいタイヤ2は、トレッド4の剛性が高くなり、グリップ力が低下し易い。特にトレッドで軸方向一方のフィラーと他方のフィラーが重なり合うと、トレッドの剛性が一層高くなりやすい。この観点から、軸方向一方のフィラー14の一端14aと他方のフィラー14の一端14aとは不連続にされている。比FE1/TWは、0より大きくされている。言い換えると、比FE1/TWは、0を越えている。トレッド4の剛性が高くなることを抑制する観点から、この比FE1/TWは、0.20以上が好ましく、0.30以上が更に好ましい。
【0030】
このタイヤ2では、フィラー14の他端14bからビードベースラインまでの距離FE2とタイヤ2の高さHとの比FE2/Hが0を越えることで、旋回時にフィラーに張力が発生しやすい。この観点から、この比FE2/Hは、0.1以上が更に好ましい。一方で、この比FE2/Hが小さいタイヤ2は、縦方向の荷重に対して撓み易すい。この観点から、この比FE2/Hは、0.7以下が好ましく、0.3以下が更に好ましい。
【0031】
好ましくは、このフィラーコードの周方向に対する傾斜角度の絶対値は、25°以上90°以下である。フィラーコードの傾斜角度の絶対値が大きいタイヤ2では、フィラーに張力が発生しやすい。この観点から、フィラーコードの傾斜角度は、20°以上が好ましく、40°以上が更に好ましく、60°以上が特に好ましい。
【0032】
レーシングカート用タイヤ等の外径の小さいタイヤでは、タイヤが撓むことで接地面積が大きくできる。接地面積を大きくすることで、十分なグリップ力が得られる。このフィラーコードが有機繊維からなるタイヤ2は撓み易い。このタイヤ2は、レーシングカート用タイヤ等の外径の小さいタイヤに特に適している。
【0033】
有機繊維の繊維度が大きいタイヤ2は、フィラー14に十分な張力を発生させる。このタイヤ2は、横剛性に優れる。この観点から、この有機繊維の繊維度は、900dtex以上が好ましい。この繊維度は、1100dtex以上が更に好ましく、1260dtex以上が特に好ましい。一方で、この繊維度が小さいタイヤ2は、縦方向の荷重に対して撓み易すい。旋回時に所謂インリフトがされ易い。この観点から、この繊維度は、3300dtex以下が好ましく、1890dtex以下が更に好ましく、1670dtex以下が特に好ましい。
【0034】
このフィラーコードの密度の大きいタイヤ2は、フィラー14に十分な張力を発生させる。このタイヤ2は、横剛性に優れる。この観点から、このフィラーコードの密度は、40本/50mm以上が好ましい。この密度は、45本/50mm以上が更に好ましい。一方で、この密度が小さいタイヤ2は、縦方向の荷重に対して撓み易すい。旋回時に所謂インリフトがされ易い。この観点から、この密度は、60本/50mm以下が好ましく、55本/50mm以下が更に好ましい。
【0035】
本発明では、特に記述がない限り、各部の寸法は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
【実施例】
【0036】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0037】
[実施例1]
図1及び図2に示された構造のリアタイヤ及びフロントタイヤを得た。このタイヤは、フィラコードの傾斜角度は60°である。フィラーコードはナイロン繊維からなる。コードの繊維度は、900dtexである。コードの密度は、50本/50mmである。このリアタイヤのサイズは「11×7.10−5」である。外径は275mmである。接地幅は150mmである。このフロントタイヤのサイズは「10×4.50−5」である。外径は260mmである。接地幅は100mmである。
【0038】
[比較例1から4及び実施例2から4]
表1及び2に示されるように、比FE1/TW、比FE2/H、フィラーコード傾斜角度、フィラーコード繊維度、フィラーコードの密度を変更した他は実施例1と同様にして、比較例1から4及び実施例2から4のタイヤを得た。比較例1から比較例4では、トレッドの内側でフィラーが赤道面を越えてその一端が位置させられていた。これらの比FE1/TWは、赤道面を越えた幅をマイナスで表している。比較例1から比較例4では、フィラーはビードの周りで折り返されていない。フィラーの他端は、カーカスのタイヤ軸方向外側に位置させられた。これらの比FE2/Hは、フィラーの他端からビードベースラインまで距離をマイナスで表している。
【0039】
[実施例5から7]
表3に示されるように、比FE1/TWをを変更した他は実施例1と同様にして、実施例5から7のタイヤを得た。
【0040】
[実施例8から12]
表4に示されるように、比FE2/Hをを変更した他は実施例1と同様にして、実施例8から12のタイヤを得た。
【0041】
[評価]
リアタイヤは8.0インチリムに組み込まれ、フロントタイヤは4.5インチリムに組み込まれた。タイヤの内圧はいずれも100kPaとした。タイヤが組み込まれたリムをレーシングカートの四輪に装着した。全長が734mであるカートコースを7周した。サイドグリップ、トラクション及び制動性能(ブレーキ性能)について、ドライバーに官能評価させた。走行後にトレッド面の摩耗量が相対評価された。更に、総合評価として、各評価結果の平均値が求められた。この結果が、下記の表1から4に示されている。この評価結果は、5段階で評価され、数字が大きいほど、評価結果が高い。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
表1から4に示されるように、実施例のタイヤは諸性能に優れるとともに、十分なサイドグリップ性能が得られている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、レーシングカートのみならず、外径が小さく扁平率が小さい空気入りタイヤに適用されうる。
【符号の説明】
【0048】
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・インナーライナー
14・・・フィラー
16・・・トレッド面
18・・・コア
20・・・エイペックス
22・・・第一カーカスプライ
24・・・第二カーカスプライ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、両ビード間に架け渡されたカーカスと、フィラーコードを含むフィラーとを備えており、
このフィラーが、タイヤ軸方向内側からタイヤ軸方向外側にビードの周りを折り返されて、トレッドの半径方向内側まで延びており、
このトレッドの半径方向内側まで延びているフィラーの一端P1から赤道面までの距離FE1とトレッドの接地幅TWとの比FE1/TWが0を越え0.49以下である自動四輪車用の空気入りタイヤ。
【請求項2】
上記比FE1/TWが0.20以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
上記タイヤ軸方向内側に半径方向外側に向かって巻き上げられている他端P2からビードベースラインまでの距離FE2とタイヤの高さHとの比FE2/Hが0を越え0.7以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
上記フィラーコードが有機繊維からなっている請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
上記フィラーコードが周方向に対してなす角度が25°以上90°以下である請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
上記フィラーコードの繊維度が900dtex以上3300dtex以下である請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
上記フィラーコードの密度が40本/50mm以上60本/50mm以下である請求項4から6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−60102(P2013−60102A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199631(P2011−199631)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)