説明

自動拡散型消火器

【課題】火災防止対策として、環境面、安全面から人体及び近隣に影響を与えない消火を可能にする。
【解決手段】自動拡散型消火器は、室内の温度が40℃以上に達するとガラスアンプル容器1内の消火液が分解し膨張し始め、室内の温度が90℃〜105℃に上昇すると自動的にガラスアンプル容器1が破裂して消火液を拡散し消火する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明、自動拡散型消火器の構造及び科学的性質(強化液)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基本的な消火による消火器は、粉末消火器及び液体消火器が代表的であり、またビル及び病棟についてはスプリンクラーが義務化されている現状である。
【0003】
本来の消火する4要素として
・ 窒息消火(稀釈消火) 燃焼物が炭酸ガス等の不燃性ガスで覆う事により、酸素濃度を薄くして消火する方法。また、燃焼物に対して酸素の供給を遮断する方法。
・ 冷却消火 水などをかけて燃焼物の温度を下げて消火する方法。
・ 除去消火 燃焼物を取り去る事により消火する方法。
・ 抑制消火(負媒体消火) 燃焼物の炭素を空気中の酸素と熱の連鎖反応を遮断、抑制する方法。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、室内に人が居なくても自動的に消火する自動拡散型消火器である。この消火器の作動原理は、ガラスアンプル中(図1)に消火液として強化液を主成分とし、その補助剤として炭酸塩類、アンモニウム塩類等が充填されており、加熱された場合、水溶液中の塩類が分解を始め、炭酸ガスやアンモニウムが発生しその圧力により90℃〜105℃でガラスアンプルが自動的に破裂して消火液を拡散させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成させるため、周囲の熱及び煙により容器内の薬剤で熱分解し、その膨張圧力で容器内のガラスアンプル筒を破壊、消火液を拡散し消火する。
尚、容器は周囲の高温、低温等に影響されない膨張耐熱ガラスを使用し、安全、安心に取り扱える消火器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の自動拡散型消火器は、取扱いが簡単である。
また、消火能力については、消火する範囲(拡散範囲)が上下左右2m迄消火可能と同時に室内に人が居なくても室内温度が90℃〜105℃に上昇すると、自動的に拡散消火するので、安全、安心であることの確認ができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の自動拡散型消火器は、室内用として簡単に取り付け出来る構造(図2)になっている。
本消火器の作動確認について、室内の温度上昇等の状況に反応し、何等操作を加えずに火災を未然に防ぐことが出来る。
また、本消火器の作動状況として、火災が発生し周囲温度が40℃以上上昇するとガラスアンプル内消火液が分解し膨張が始まり、室内温度が105℃でガラスアンプルの耐熱限度をこえてガラス(図2)が内側から破れ、消火液が自動的に拡散されて消火する。
【0008】
薬剤成分(薬液600cc当り)配合品として、塩化アンモニウム、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化ナトリウム、界面活性剤等が混合剤として使用。
【0009】
危険有割性について、性状は高温で炭酸ガス、アンモニアガスが発生する液体で淡い黄色でやや粘稠がある。常温では微かにアンモニウムの臭いがするが、体内に影響はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 ガラスアンプル筒
【図2】 本発明の自動拡散型消火器
【符号の説明】
【0011】
1 ガラスアンプル容器
2 ガラスアンプル内部薬液
3 薬剤液(混合)投入口
4 ガラスアンプル容器カバー
5 止めリング
6 ガラスアンプル容器本体止め金具
7 アラスアンプル容器本体止め穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスアンプル中に消火液として強化液を充填部に投入した自動拡散型消火器。
【請求項2】
ガラスアンプルが、膨張圧力により拡散した消火液が、燃焼面に附着させ窒息冷却し、消火する自動拡散型消火器
【請求項3】
アンプル内の消火液の分解で発生した炭酸ガスは、上昇し天井部分を消火する自動拡散型消火器
【請求項4】
燃焼面に附着する消火液は一部泡状になり、泡は蒸発して炭酸ガスになり、上昇して窒息消火する自動拡散型消火器。また、燃焼面に附着した泡は、その大小により蒸発時間に差ができ、継続して炭酸ガスが発生する。
【請求項5】
ガラスアンプルの拡散消火は、範囲温度90℃〜105℃でアンプル内のガスが発生し、自動的に破裂して消火液を拡散させる自動拡散型消火器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−17491(P2010−17491A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201228(P2008−201228)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(508235575)エスティプランニング株式会社 (1)
【Fターム(参考)】