自動排尿処理装置及び尿レシーバ
【課題】
本発明の目的は、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行える携帯用の自動排尿処理装置を提供することにある。
【解決手段】
尿レシーバ1に排尿された尿を導体箔9で検知した尿検知信号が信号線15を介して尿処理装置本体30に加えられる。導尿チューブ13は尿レシーバの端部付近で尿レシーバと1着脱可能に構成されると共に導体箔9も尿レシーバ1の端部付近で信号線15と着脱可能に構成される。導尿チューブ13と導体箔9の着脱部を構成するジョイント10,11は一箇所に纏められている。
本発明の目的は、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行える携帯用の自動排尿処理装置を提供することにある。
【解決手段】
尿レシーバ1に排尿された尿を導体箔9で検知した尿検知信号が信号線15を介して尿処理装置本体30に加えられる。導尿チューブ13は尿レシーバの端部付近で尿レシーバと1着脱可能に構成されると共に導体箔9も尿レシーバ1の端部付近で信号線15と着脱可能に構成される。導尿チューブ13と導体箔9の着脱部を構成するジョイント10,11は一箇所に纏められている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自力歩行が困難な老人、入院患者、身障者、その他の自分の意志で排尿のコントロールや始末するのが困難な人に装着して排尿を処理する自動排尿処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自力歩行が困難な老人、身体障害者、怪我や病気での入院患者などは、自分の意志で排尿をコントロールするのが困難になることが多く、また尿を自力で後始末するのが困難になることがある。このような人の排尿を処理するために、尿レシーバの吸尿材に吸収された尿を真空ポンプによって吸引し、尿タンクに導尿するようにした自動排尿処理装置が提案されている。真空ポンプは密閉された尿タンク内の空気を吸引して大気圧との差圧により導尿チューブによって尿レシーバに吸収された尿を尿タンクに導尿する。このような自動排尿処理装置は、例えば、下記の特許文献1、2に記載されている。
【0003】
従来提案されている自動排尿処理装置は、尿レシーバを装着者の排尿部に当接させた状態、つまり、尿レシーバの吸尿材を大気開放状態にして尿を吸引するようにしているので、尿レシーバ(吸尿材)からの尿回収効率が低下する。このため、尿レシーバ(吸尿材)の残尿量が多くなり装着者に不快感を与えることになる。尿レシーバの残尿量を少なくするには真空ポンプの容量を大きくしなければならず、自動排尿処理装置自体の重量、容積が大きくならざるを得なくなる。そのため、携帯用の自動排尿処理装置としては実用に供し得ないのが実情である。
このことを解決するために、本出願人は、尿レシーバからの尿回収率を向上させ、尿レシーバの残尿量を低減し小容量の真空ポンプにより吸尿でき、装置を小型かつ軽量化することができる携帯用の自動排尿処理装置を提案している。例えば、特願2003−63529号、特願2003−63455号、特願2003−206340号などがある。
【0004】
ところで、自動排尿処理装置の尿レシーバは、定期的もしくは便などによって汚れた時、尿レシーバを交換するなどして、清潔に保つ必要がある。尿レシーバの従来の交換するための工夫として、例えば、尿タンクに設けた導入管先端にジョイントを装着することにある。そのジョイントへ尿レシーバと一体になった導尿チューブの末端を抜き差しすることで、尿レシーバを交換できるようにしている。このことは、例えば、下記の特許文献2に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−171182号公報
【特許文献2】特開2003−126242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術は尿レシーバから尿タンクまでの間、導尿チューブを使って接続している。また、排尿されたことを検知してポンプを動作させるための信号線もある。尿レシーバを交換する時、尿レシーバから延びるこれらの導尿チューブや信号線は装着者の足に絡みやすく、作業しにくい状態になる。特に、装着者が長時間寝たきりで股関節や膝の関節が硬くなってしまうと、尿レシーバを局部へ当てるのが困難になり、装着者や交換する者にとって労力が過大となる。さらには導尿チューブに付着した尿が散乱し易く、装着者や交換する者ともに不潔になりやすいという問題点も有する。特に、携帯用の自動排尿処理装置においては尿レシーバを毎日交換する必要があり実用化する上で大きな問題点になる。
【0007】
本発明の目的は、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行える携帯用の自動排尿処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴とするところは、尿レシーバに排尿された尿を導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して尿処理装置本体に加えられるようにし、導尿チューブは尿レシーバの端部付近で尿レシーバと着脱可能に構成されると共に導体箔も尿レシーバの端部付近で信号線と着脱可能に構成され、導尿チューブと導体箔の着脱部は一箇所に纏められているようにしたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明は尿レシーバの尿排出チューブと導尿チューブの着脱部や、尿センサ用の導体箔と信号線の着脱部を尿レシーバの端部付近に設け、さらにはこれらのジョイント部をまとめて容易に着脱できるようにしたことにより、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
装着者が排泄する尿は尿レシーバに吸尿される。尿タンクはチューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている。尿タンクには収納されている尿溜め容器が収納されている。と、導尿チューブは尿レシーバに設けられている尿排出孔から尿タンクへ尿を導くようになっている。真空ポンプは尿タンク内の圧力を低下させて尿溜め容器に集尿する。尿レシーバには排尿された尿を検知する導体箔が設けられている。導体箔で検知した尿検知信号は信号線を介して尿処理装置本体に加えられる。導尿チューブは尿レシーバの端部付近で尿レシーバと着脱可能に構成されると共に導体箔も尿レシーバの端部付近で信号線と着脱可能に構成されている。導尿チューブと導体箔の着脱部は一体化されワンタッチで着脱可能になっている。
【実施例1】
【0011】
図1〜図6に本発明の一実施例を示す。図1は本発明の携帯用自動排尿処理装置の全体構成図で、図2は尿レシーバ構成を示す分解斜視図である。図3は尿レシーバの尿排出孔へ尿排出チューブを取り付ける位置の例で、尿レシーバ下面からの斜視図である。図4及び図5は導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続するときの配置例を示す斜視図である。図6は導体箔用ワンタッチジョイントの構成を示す斜視図である。
【0012】
図1〜図3において、尿レシーバ1は平面的に図示しているが、実際には装着者の股間に接触する面を装着者の股間側に膨出して形成するのが好ましく尿レシーバ1の股間部を横断面視すると、Ω字状に尿レシーバ1を折り畳む様に形成すると良い。また、尿レシーバ1は装着者の股間に位置する長手方向(装着者の前後方向)の略中央部が図1および図2に示すように幅が狭くなり絞られた形状に形成されている。また形状保持シートや図示しないギャザーなどを用いて、装着者の排尿部から排泄される尿が漏れないように形成している。
【0013】
尿レシーバ1としては本出願人が先に出願している特願2003−63529号、特願2003−63455号、特願2003−206340号などで提案しているように、尿回収率を向上させ尿レシーバの残尿量を低減し、小容量の真空ポンプにより吸尿できるものが用いられる。図2に示すように、本実施例における尿レシーバ1は、支持シート7a,7bの上に、尿レシーバの形状を維持するための形状保持シート3a,3b、尿を直接受ける不織布6や尿漏れを防ぐギャザー5、また排尿されたことを検知する略短冊状の導体箔9a,9b、導体箔を覆うように配置している導体箔保護テープ4、そして不織布6と支持シート7aとの間には、尿回収機構2が配置される。
【0014】
尿回収機構2は図示しないビーズ状の空間保持材などで構成される。尿回収機構2は、尿レシーバ1の排尿部に空間を保持し、一定量の尿を尿レシーバ1内で維持する役割を果たす。また、導体箔9a,9bは電気導体で、排尿により電気的に導通し、抵抗値の変化により装着者の排尿を検知する。支持シート7a,7bには、発泡ポリエチレンシートなどの柔軟性のある素材で形成される。また導体箔保護テープ4には不織布あるいは同質のものが用いられ、機械的強度の低い導体箔を保護する役割を果たすとともに、尿検知の感度を調節する役割も果たしている。
【0015】
尿レシーバ1に穿設された尿排出孔1aには尿排出チューブ12の一端が接着されている。尿排出孔1aとの取り付け面、すなわち尿排出チューブ12の切断面は、長手方向に対して斜めになるような形状にしている。真空ポンプによる尿吸引時、尿排出チューブ12への入り口で断面積を大きくすることで、尿排出チューブ12内への空気の巻き込みを少なくし、吸引時特有の騒音を低減する役割を果たすとともに、吸引する流量を確保するようにしている。本実施例では、長手方向に対して30度の角度を設けている。
【0016】
装着者の排尿によって導体箔9a,9bの導通による尿検知信号は信号線15を通して携帯用自動排尿処理装置本体(尿処理装置本体)30に設けられている制御基盤(図示せず)に送信される。導体箔9a,9bは、尿レシーバ1の使用後にそのまま可燃物として廃棄できるようにするため、厚さ約12μmと薄く、材質としてはアルミを用いているので、機械的強度がとても低い材質で形成されている。また、使い捨てを目的とした尿レシーバ1は、一般的な電気機器等と同様なコネクタや強度の高い金属板等を用いると、廃棄時に分別しなければならないため不便であり、更には交換頻度の高い尿レシーバ1のコストアップになる。
【0017】
本発明は、導体箔9a,9bを、導体箔保護シート8a,8bで挟むように構成することによって補強している。また、導体箔保護シート8a,8bは外部と絶縁する役割も果たしている。図5に示すように、導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bは、尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保して、導体箔用のジョイント10に接続される。
【0018】
また、本発明では図7に示すような導体箔用のジョイント10を用いている。導体箔用ジョイント10は、導体箔9a,9bを含む導体箔保護シート8a,8bの先端を、開閉板10bと底板10cの間で挟むようにしている。開閉板10bは、開閉版押さえ板10aによって固定される。開閉板10b及び底板10cには、電極面14a,14bがそれぞれ配置されている。導体箔保護シート8a,8bの先端を開閉板10bと底板10cの間で挟むと、導体箔9aは電極面14aに、導体箔9bは電極面14bにそれぞれ接触し、導通することができる。
【0019】
導体箔保護シート8a,8bの材質は、尿レシーバ1の支持シート7などと同質な材質を用いている。先端部の幅を絞っているのは、導体箔用ジョイント10の大きさを小さくするためである。しかし、本実施例で用いているような左右2極に分かれた導体箔の先端部の幅を絞り、取り付け部の大きさを小さくすると、人手で装着するときに位置決めが難しくなる。言い換えれば、左右方向にずれを生じると、双方の導体箔へ的確に接続することが難しくなる。
【0020】
本発明では図3、図4に示すように、導体箔保護シート8a,8bの先端部にはL字型の切欠を設け、2極(2条)の導体箔9a,9bの片端が露出するようにし、そして導体箔保護シート8a,8bが左右反対になるように組み合わせることによって、導体箔9a,9bの先端部が上下面に分かれて露出している形態を成すことができる。
【0021】
導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bと、尿排出チューブ12は尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保して、それぞれのジョイント10,11に接続される。導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bと、尿排出チューブ12を、尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保している理由は、装着者が尿レシーバ1とともに下着などを着用したとき、尿排出チューブ12及び導体箔9a,9bの接続部を下着の外へ引き出すためである。したがって、導体箔保護シート8a,8bの長さを約15cmとしている。この長さは、装着者の体格等に合わせて変更する。また、導体箔9a,9bと導体箔用ワンタッチジョイント10の取り付け位置(長さ)、及び、尿排出チューブ12とチューブのジョイント11との取り付け位置(長さ)を、同じ位置に設定し、両方の取り付けを纏めて行えるようにしている。
【0022】
導体箔用ジョイント10は、薄板状の導体箔9a,9bを挟む機構を形成するなど、ワンタッチで固定できるクリップのような構成を持つのが望ましい。導体箔9a,9bを固定するために、開閉板10bを開閉蓋10aによって加圧できるようにしているが、図7に示すようにばね機構10fを用いることにより、開閉蓋10aを省略することも可能である。また、導体箔用ジョイント10の材質には、プラスチック、金属など様々なものが利用可能であるが、電気的導通を有する材質に関しては、導体箔9a,9bとの接触面に絶縁するための加工を施す必要がある。
【0023】
チューブ用ジョイント11は、例えば導尿チューブ13の外径面を利用し、ワンタッチで固定できるようになっている。チューブ用ジョイント11の最小内径が導尿チューブ13の内径よりも小さくなると、尿吸引時の圧力損失が大きくなるため、小型の真空ポンプの性能低下につながるからである。
【0024】
導尿チューブ13及び信号線15は図1に示すように尿処理装置本体30の上面にあるチューブ接続口34及び信号線接続口35にそれぞれ取り付けられる。このとき、導尿チューブ13は、チューブ接続口34へワンタッチで隙間無く固定される。
【0025】
この状態で図示しない装着者が排尿すると、尿レシーバ1に設けた導体箔9a,9bが電気的に導通し、信号線15を通って携帯用自動排尿処理装置本体30の内部にある制御基板(図示せず)へ尿検知信号として送信される。制御基板に搭載されている制御装置は、底蓋33の中に収められているモータ(図示せず)を起動させ、底蓋33の中に収められている真空ポンプ(図示せず)を駆動する。
【0026】
真空ポンプの駆動により、密閉された尿タンク32内の空気が排気されると、尿タンク32内の大気圧が低下し、導尿チューブ13及び尿排出チューブ12を通じて、尿レシーバ1の尿排出孔1aに負圧を生じる。尿レシーバ1に吸収された尿は尿排出孔1aが負圧になると、負圧による吸引力により効率良く尿排出チューブ12に吸引される。尿排出チューブ12に吸引された尿は負圧によってチューブのジョイント11、導尿チューブ13、上蓋33にあるチューブ接続口34を介して尿タンク32に導かれ蓄えられる。
【0027】
装着者の排泄が終わり導体箔9a,9bの尿検知信号が無くなると、制御基板に搭載されている制御装置は、尿レシーバ1内を乾燥するための時間40〜60秒たった後、モータを停止して真空ポンプも停止させる。乾燥するための運転は、装着者に不快感などの影響を及ぼさない程度の運転であり、本実施例では尿レシーバ内の空気の流速が約0.1m/sec,湿度が55%程度を基準としている。なお、停止操作は手動スイッチ36によっても行うことができる。
【0028】
図8に携帯用自動排尿処理装置本体30の詳細斜視図を示す。尿タンク32内には、尿を蓄えるための専用の袋が配置されている。この袋は、例えば掃除機に利用されるような紙パックの構成を持ち、それを尿タンクに合わせた形状を耐水可能にして利用される。また袋の中には尿をゲル状にする高吸水性樹脂が配置される。そして蓄積した尿は袋ごと焼却処理可能であり、可燃物として廃棄することができる。尿を蓄えるための専用袋の容量が2回分の排尿を蓄えられる場合には、次の排尿処理も同様にして行われる。
【0029】
尿レシーバ1は約1日使用後あるいは排便などで汚れた場合には、導体箔9a,9bと信号線15、及び尿排出チューブ12と導尿チューブ13の接続を外し、尿レシーバ1を廃棄することができる。そして新しい尿レシーバ1を装着者に装着する。このとき、尿レシーバ1は、導尿チューブ12や信号線15と切り離されているため、装着者の足に絡むことなく、楽に交換作業を行うことができる。また、尿レシーバ1は可燃物であり焼却処理可能である。
【0030】
また、尿レシーバ1を交換する時には、新しい尿レシーバ1を梱包している袋(図示せず)などから取り出すが、このとき、装着時の動作チェックを行うための液体を不織布6の表面へ散布するようにしている。装着時に尿レシーバの導体箔9a,9bが電気的に導通することによって、使用する尿レシーバに断線などの異状がないか、チェックするためである。新しい尿レシーバを装着し、導体箔及び尿排出チューブを接続したときに電気的導通がないと、携帯用自動排尿処理装置本体30の表示装置39に、警告を示すようにしている。電気的導通があれば問題無しと判断し、通常の運転モードを開始する。
【0031】
尿レシーバ1の断線を判断するには導体箔9a,9bの2極間に電気抵抗を設けても行える。新しい尿レシーバ1を装着し、設定した一定量の電流が流れなければ、警告を出すようにできる。なお、この断線判断は電力消費量が多くなりやすいため、常時電源を確保できるときに有効である。
【0032】
一方、導尿チューブ13は衛生上の観点から長くとも2〜3日で交換する必要がある。導尿チューブ13の交換は、チューブ接続口34からワンタッチで切り離すとともに、継続して使用する信号線15と連結されている連結具16から外すことができる。チューブ接続口34において、導尿チューブ13の取り付け側には、チューブ用ワンタッチジョイント11と同様の構造を持つものが利用できる。また、上蓋31へは、パッキン(図示せず)などを用いてしっかりと密閉されている。このように、導尿チューブ13の交換も簡単、かつ清潔に行うことができる。なお、実施例1における信号線15と上蓋31と信号線取付口35には、導体箔用ワンタッチジョイント10と同一形状のジョイントを用いることができる。
【0033】
本実施例で使用している尿排出チューブ12及び導尿チューブ13には、小容量の真空ポンプに合わせ、内径4mm(外径6mm)のものを使用している。また材質としては、シリコン系で硬度が50程度の比較的容易に変形する樹脂を使用している。材質的な軟らかさを利用することによって、吸引時に巻き込んだ気泡などの影響による騒音を低減できるようにしている。ただし、装着者の体重などによって潰れない程度の硬さを保つ必要がある。
【0034】
また本実施例の小容量の真空ポンプとは、例えばバッテリとしてアルカリ電池、2次電池などを用いることができ、ロータリー式の機構を持ち、尿の吸引流量が15〜20ml/sec程度以上得られる性能があるものを言う。またモーターと合わせたときの全体の体格は、直径が30mm、長さが70mm程度で小さく、また、バッテリ電圧は6〜9V程度である。
【0035】
このようにして装着者の排尿を処理するが、本実施例では、その他幾つかの運転モードを設定している。まず装置の異常運転を避けるための制御として、導体箔が異常反応を起こしたときなど、ポンプの空運転や電力の浪費を防ぐための手段として、ポンプ運転時の電流値を監視するようにしている。例えば、ポンプが空運転している場合に制御基板へ約0.3Aの電流が流れる。また尿を吸引するときには、0.8A以上の電流が流れる。そこで、ポンプ運転開始から、60秒間継続して電流値が0.8A以上流れないときには尿を吸引していないと判断し、ポンプを停止する。なお、ポンプの空運転を防ぐには尿タンク32内に重量センサを設けても行える。このときには、ポンプ運転開始から60秒間タンク32内の重量を監視し、変動が無ければポンプを停止する。
【0036】
また、装着者が長時間使用しているときの蒸れを極力なくすためのモードも設定している。排尿時には前述の通り尿吸引後に40〜60秒間の乾燥運転を行うが、装着者の排尿が3時間程度無い場合にも、ポンプを起動して蒸れ防止のための運転を行うようにしている。この時の運転時間は、排尿後の乾燥運転と同様に、尿レシーバ内の空気の流速が0.1m/sec,湿度が55%程度となるように、60秒間運転する。
【0037】
なお、本実施例で示す導体箔9a,9bには、導電性を有する材料をわかりやすく説明するためアルミを用いているが、導電性を有し、尿レシーバ1と共に廃棄できるものであれば、別の材料を用いても良い。例えば、ポリエチレンを主成分とした導電性のフィルムなどを用いることができる。また、本実施例では、機械的強度の低さ及び廃棄を考慮していることを示すために「導体箔」という言葉を用いているが、これらの条件にあてはまるものであれば、たとえば「導体線」などでも良いことは容易に理解できることである。
【実施例2】
【0038】
図9に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0039】
図9に示す実施例が実施例1と異なるところは、導体箔9a,9bを挟む導体箔保護シート8c,8dと、導体箔9a,9bの装着部に補強板17を設け、また導体箔9a,9bと電極面14c,14dの方向を同一方向としていることにある。
【0040】
実施例1においては、導体箔保護シート8a,8bの材質として発泡ポリエチレンシートなどを用いているため、ガイド10a,10bがあっても、ずれたり歪んで取り付けてしまう場合がある。そのため、電極面14a,14bを上下面に設置していたが、補強板17を設けることによってガイド10a,10bによる位置決めを確実に行うことができるので、電極面14c,14dの方向を同一方向とすることができる。ただし、補強板17の材質には、尿レシーバ1の廃棄時を考慮し、発泡ポリエチレンシートを硬質にしたものなどを用いるのが望ましい。
【実施例3】
【0041】
図10に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0042】
図10に示す実施例が実施例1と異なるところは、尿排出チューブ12及び導尿チューブ13へ漏斗状の装着具を取り付け、蓋を用いて導体箔9a,9bと尿排出チューブ12,導尿チューブ13を同時に取り付けることができる、一体型ワンタッチジョイント19及び29を使用しているところにある。
【0043】
図10に示す一体型ワンタッチジョイント19において、それぞれのチューブ導孔19dは単純な円筒状となっており、また一体型ワンタッチジョイント蓋19a,一体型ワンタッチジョイント本体19bには、それぞれ電極面14e,14fが取り付けられている。更に、一体型ワンタッチジョイント蓋19aには、チューブ装着具18の端面を押さえるための止め具19cを取り付けている。この止め具19cは、反発力を持ったバネのような特性を持っている。
【0044】
この構成において、漏斗状のチューブ装着具18と一体型になった尿排出チューブ12と、導体箔9a,9bを、一体型ワンタッチジョイント19へ取り付けるには、蓋19aを外した状態で尿排出チューブ12をチューブ導孔19dへ差し込む。チューブ導孔19dの直径は、7.2mmとしており、また漏斗状のチューブ装着具18の外径面テーパ部分の最大直径は8.0mm、最小直径は6.2mmである。したがって、チューブ装着具18は長さ方向の中間付近でチューブ導孔19dの辺へ接する。
【0045】
一方、導体箔9a,9bの先端は、実施例1と同様にチューブの先端と同じ長さに設定されているので、電極面14fの上に配置される。この状態で一体型ワンタッチジョイント蓋19aを上から被せると、電極面14eと導体箔9a,電極面14fと導体箔9bがそれぞれ接触し、更にはバネのような性質を持つ止め具19cよって、チューブ装着具18の端面を押さえつけるので、チューブ装着具18はチューブ導孔19dへ密着して固定される。このように、複雑な形状のジョイントを必要とせず、更にはワンタッチでチューブ,導体箔ともに取り付けと取外しができる。
【実施例4】
【0046】
図11に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0047】
実施例1〜3は信号線15と導尿チューブ13を連結具16によって一体化しているが、尿排出チューブ及び導尿チューブに導電性の信号線塗料を塗布することによって、チューブと完全に一体化することもできる。図11はその実施例である。
【0048】
尿レシーバ1に穿設された尿排出孔1aには尿排出チューブ22の一端が接着されており、左右の表面には導電性を持つ信号線塗料22aが塗布されている。導体箔保護シート8e,8fは尿排出チューブ22を包み込むように覆い、その中に組み込まれている導体箔9a,9bは、信号線塗料22aに接して通電できるように構成されている。
【0049】
また、尿排出チューブ22と導尿チューブ23とのジョイントには、内部に信号線が配線されたジョイント21を用いる。そして携帯用自動排尿処理装置本体30には、信号線が配線されたジョイント(図示せず)を用いて取り付ける。
【0050】
なお、以上の実施例では導体箔からの尿検知信号を信号線によって制御基板へ送信するようにしているが、ICチップなどと接続して、尿検知信号を無線で送信するようにすれば、信号線の配線を省略できることは言うまでもない。ただし、導体箔9a,9bとICチップとの接続部には、導体箔用ワンタッチジョイント10と同様の機構が用いられる。
【0051】
本実施例に示す携帯用自動排尿処理装置では、様々な生活状況に対応するように設計している。例えばベッド上で生活する場合には、携帯用自動排尿処理装置本体30は、通常ベッドの脇に吊り下げるなどの方法で配置される。装着者が寝返りなど体位を変えることを考慮すると、導尿チューブ13の長さは2m程度あるのが望ましい。一方、車椅子などを使って移動する場合には、車輪などへ巻き込まないようにするため、導尿チューブの長さは80cmの程度が望ましい。そこで、本発明の携帯用自動排尿処理装置では、導尿チューブ13の長さを2種類用意し、生活状況に応じて交換できるようにしている。なお、携帯用自動排尿処理装置本体30に、チューブを巻き取る機構(図示せず)を用いれば、導尿チューブを交換することなく使うことができる。
【0052】
本実施例で示している構成の主な用途は、携帯用の自動排尿処理装置を狙いとしているが、部分的には別の用途としても応用が可能である。例えば従来型のオムツなどに排尿を知らせる機能を持たせたいときがある。そのときには、例えば従来利用されている使い捨てタイプのオムツなどへ、本発明で使用している導体箔9a,9b及び導体箔保護テープ4などを組み合わせ、導体箔9a,9bの先端で信号線と接続して外部へ送信するための装置を設けることによって構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】尿レシーバの構成を示す分解斜視図である。
【図3】尿排出孔へ尿排出チューブを取り付ける位置の例を示す斜視図である。
【図4】導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続するときの構成例を示す斜視図である。
【図5】導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続したときの構成例を示す斜視図である。
【図6】導体箔用ワンタッチジョイントの構成を示す斜視図(a)及び(a)のA−A断面図(b),(c)である。
【図7】導体箔用ワンタッチジョイントの他の構成を示す断面図である。
【図8】自動排尿処理装置の本体を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【図10】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【図11】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1…尿レシーバ、1a…尿排出孔、2…尿回収機構、3a,3b…形状保持シート、4…導体箔保護テープ、6…不織布、7a…上部支持シート、7b…下部支持シート、8…導体箔保護シート、8a,8b…導体箔保護シート上面,下面、8c,8d…導体箔保護シート上面,下面、8e,8f… 導体箔保護シート上面,下面、8g…電極面ガイド、9a,9b…導体箔、10…導体箔用ワンタッチジョイント、10a…開閉蓋,10b…開閉板、10c…底板,10d…ヒンジ,10e…ガイド機構、10f…ばね機構、1…チューブ用ワンタッチジョイント、12…尿排出チューブ、13…導尿チューブ、14a,14b,14c,14d,14e,14f…電極面、15…信号線、16…連結具、17…補強板、18…チューブ装着具、18s…チューブ装着具、19…一体型ワンタッチジョイント、19a…一体型ワンタッチジョイント蓋、19b…一体型ワンタッチジョイント本体、19c…チューブ装着具の止め具、19d…チューブ導孔、20…支持板、21…信号線内臓ワンタッチジョイント、21a…ジョイント内信号線、21b…電極面ガイド、22…信号線一体型尿排出チューブ、22a…信号線塗料、23…信号線一体型導尿チューブ、23a…信号線塗料、24a,24b,24c,24d…電極面、25…保護被覆、30…携帯用自動排尿処理装置本体、31…上蓋、32…尿タンク、33…底蓋、34…チューブ接続口、35…信号線接続口(35b…雌端子)、36…手動スイッチ、37…上蓋開閉ボタン、38…上蓋ロックスイッチ、39…表示装置、40…上蓋ヒンジ、41…尿タンクヒンジ、42…配線カバー、43…タンク残量覗き窓、44…バッテリーボックス、45…電源アダプタ接続口、46…排気口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自力歩行が困難な老人、入院患者、身障者、その他の自分の意志で排尿のコントロールや始末するのが困難な人に装着して排尿を処理する自動排尿処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自力歩行が困難な老人、身体障害者、怪我や病気での入院患者などは、自分の意志で排尿をコントロールするのが困難になることが多く、また尿を自力で後始末するのが困難になることがある。このような人の排尿を処理するために、尿レシーバの吸尿材に吸収された尿を真空ポンプによって吸引し、尿タンクに導尿するようにした自動排尿処理装置が提案されている。真空ポンプは密閉された尿タンク内の空気を吸引して大気圧との差圧により導尿チューブによって尿レシーバに吸収された尿を尿タンクに導尿する。このような自動排尿処理装置は、例えば、下記の特許文献1、2に記載されている。
【0003】
従来提案されている自動排尿処理装置は、尿レシーバを装着者の排尿部に当接させた状態、つまり、尿レシーバの吸尿材を大気開放状態にして尿を吸引するようにしているので、尿レシーバ(吸尿材)からの尿回収効率が低下する。このため、尿レシーバ(吸尿材)の残尿量が多くなり装着者に不快感を与えることになる。尿レシーバの残尿量を少なくするには真空ポンプの容量を大きくしなければならず、自動排尿処理装置自体の重量、容積が大きくならざるを得なくなる。そのため、携帯用の自動排尿処理装置としては実用に供し得ないのが実情である。
このことを解決するために、本出願人は、尿レシーバからの尿回収率を向上させ、尿レシーバの残尿量を低減し小容量の真空ポンプにより吸尿でき、装置を小型かつ軽量化することができる携帯用の自動排尿処理装置を提案している。例えば、特願2003−63529号、特願2003−63455号、特願2003−206340号などがある。
【0004】
ところで、自動排尿処理装置の尿レシーバは、定期的もしくは便などによって汚れた時、尿レシーバを交換するなどして、清潔に保つ必要がある。尿レシーバの従来の交換するための工夫として、例えば、尿タンクに設けた導入管先端にジョイントを装着することにある。そのジョイントへ尿レシーバと一体になった導尿チューブの末端を抜き差しすることで、尿レシーバを交換できるようにしている。このことは、例えば、下記の特許文献2に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−171182号公報
【特許文献2】特開2003−126242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術は尿レシーバから尿タンクまでの間、導尿チューブを使って接続している。また、排尿されたことを検知してポンプを動作させるための信号線もある。尿レシーバを交換する時、尿レシーバから延びるこれらの導尿チューブや信号線は装着者の足に絡みやすく、作業しにくい状態になる。特に、装着者が長時間寝たきりで股関節や膝の関節が硬くなってしまうと、尿レシーバを局部へ当てるのが困難になり、装着者や交換する者にとって労力が過大となる。さらには導尿チューブに付着した尿が散乱し易く、装着者や交換する者ともに不潔になりやすいという問題点も有する。特に、携帯用の自動排尿処理装置においては尿レシーバを毎日交換する必要があり実用化する上で大きな問題点になる。
【0007】
本発明の目的は、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行える携帯用の自動排尿処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴とするところは、尿レシーバに排尿された尿を導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して尿処理装置本体に加えられるようにし、導尿チューブは尿レシーバの端部付近で尿レシーバと着脱可能に構成されると共に導体箔も尿レシーバの端部付近で信号線と着脱可能に構成され、導尿チューブと導体箔の着脱部は一箇所に纏められているようにしたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明は尿レシーバの尿排出チューブと導尿チューブの着脱部や、尿センサ用の導体箔と信号線の着脱部を尿レシーバの端部付近に設け、さらにはこれらのジョイント部をまとめて容易に着脱できるようにしたことにより、尿レシーバの交換を簡単、かつ清潔に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
装着者が排泄する尿は尿レシーバに吸尿される。尿タンクはチューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている。尿タンクには収納されている尿溜め容器が収納されている。と、導尿チューブは尿レシーバに設けられている尿排出孔から尿タンクへ尿を導くようになっている。真空ポンプは尿タンク内の圧力を低下させて尿溜め容器に集尿する。尿レシーバには排尿された尿を検知する導体箔が設けられている。導体箔で検知した尿検知信号は信号線を介して尿処理装置本体に加えられる。導尿チューブは尿レシーバの端部付近で尿レシーバと着脱可能に構成されると共に導体箔も尿レシーバの端部付近で信号線と着脱可能に構成されている。導尿チューブと導体箔の着脱部は一体化されワンタッチで着脱可能になっている。
【実施例1】
【0011】
図1〜図6に本発明の一実施例を示す。図1は本発明の携帯用自動排尿処理装置の全体構成図で、図2は尿レシーバ構成を示す分解斜視図である。図3は尿レシーバの尿排出孔へ尿排出チューブを取り付ける位置の例で、尿レシーバ下面からの斜視図である。図4及び図5は導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続するときの配置例を示す斜視図である。図6は導体箔用ワンタッチジョイントの構成を示す斜視図である。
【0012】
図1〜図3において、尿レシーバ1は平面的に図示しているが、実際には装着者の股間に接触する面を装着者の股間側に膨出して形成するのが好ましく尿レシーバ1の股間部を横断面視すると、Ω字状に尿レシーバ1を折り畳む様に形成すると良い。また、尿レシーバ1は装着者の股間に位置する長手方向(装着者の前後方向)の略中央部が図1および図2に示すように幅が狭くなり絞られた形状に形成されている。また形状保持シートや図示しないギャザーなどを用いて、装着者の排尿部から排泄される尿が漏れないように形成している。
【0013】
尿レシーバ1としては本出願人が先に出願している特願2003−63529号、特願2003−63455号、特願2003−206340号などで提案しているように、尿回収率を向上させ尿レシーバの残尿量を低減し、小容量の真空ポンプにより吸尿できるものが用いられる。図2に示すように、本実施例における尿レシーバ1は、支持シート7a,7bの上に、尿レシーバの形状を維持するための形状保持シート3a,3b、尿を直接受ける不織布6や尿漏れを防ぐギャザー5、また排尿されたことを検知する略短冊状の導体箔9a,9b、導体箔を覆うように配置している導体箔保護テープ4、そして不織布6と支持シート7aとの間には、尿回収機構2が配置される。
【0014】
尿回収機構2は図示しないビーズ状の空間保持材などで構成される。尿回収機構2は、尿レシーバ1の排尿部に空間を保持し、一定量の尿を尿レシーバ1内で維持する役割を果たす。また、導体箔9a,9bは電気導体で、排尿により電気的に導通し、抵抗値の変化により装着者の排尿を検知する。支持シート7a,7bには、発泡ポリエチレンシートなどの柔軟性のある素材で形成される。また導体箔保護テープ4には不織布あるいは同質のものが用いられ、機械的強度の低い導体箔を保護する役割を果たすとともに、尿検知の感度を調節する役割も果たしている。
【0015】
尿レシーバ1に穿設された尿排出孔1aには尿排出チューブ12の一端が接着されている。尿排出孔1aとの取り付け面、すなわち尿排出チューブ12の切断面は、長手方向に対して斜めになるような形状にしている。真空ポンプによる尿吸引時、尿排出チューブ12への入り口で断面積を大きくすることで、尿排出チューブ12内への空気の巻き込みを少なくし、吸引時特有の騒音を低減する役割を果たすとともに、吸引する流量を確保するようにしている。本実施例では、長手方向に対して30度の角度を設けている。
【0016】
装着者の排尿によって導体箔9a,9bの導通による尿検知信号は信号線15を通して携帯用自動排尿処理装置本体(尿処理装置本体)30に設けられている制御基盤(図示せず)に送信される。導体箔9a,9bは、尿レシーバ1の使用後にそのまま可燃物として廃棄できるようにするため、厚さ約12μmと薄く、材質としてはアルミを用いているので、機械的強度がとても低い材質で形成されている。また、使い捨てを目的とした尿レシーバ1は、一般的な電気機器等と同様なコネクタや強度の高い金属板等を用いると、廃棄時に分別しなければならないため不便であり、更には交換頻度の高い尿レシーバ1のコストアップになる。
【0017】
本発明は、導体箔9a,9bを、導体箔保護シート8a,8bで挟むように構成することによって補強している。また、導体箔保護シート8a,8bは外部と絶縁する役割も果たしている。図5に示すように、導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bは、尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保して、導体箔用のジョイント10に接続される。
【0018】
また、本発明では図7に示すような導体箔用のジョイント10を用いている。導体箔用ジョイント10は、導体箔9a,9bを含む導体箔保護シート8a,8bの先端を、開閉板10bと底板10cの間で挟むようにしている。開閉板10bは、開閉版押さえ板10aによって固定される。開閉板10b及び底板10cには、電極面14a,14bがそれぞれ配置されている。導体箔保護シート8a,8bの先端を開閉板10bと底板10cの間で挟むと、導体箔9aは電極面14aに、導体箔9bは電極面14bにそれぞれ接触し、導通することができる。
【0019】
導体箔保護シート8a,8bの材質は、尿レシーバ1の支持シート7などと同質な材質を用いている。先端部の幅を絞っているのは、導体箔用ジョイント10の大きさを小さくするためである。しかし、本実施例で用いているような左右2極に分かれた導体箔の先端部の幅を絞り、取り付け部の大きさを小さくすると、人手で装着するときに位置決めが難しくなる。言い換えれば、左右方向にずれを生じると、双方の導体箔へ的確に接続することが難しくなる。
【0020】
本発明では図3、図4に示すように、導体箔保護シート8a,8bの先端部にはL字型の切欠を設け、2極(2条)の導体箔9a,9bの片端が露出するようにし、そして導体箔保護シート8a,8bが左右反対になるように組み合わせることによって、導体箔9a,9bの先端部が上下面に分かれて露出している形態を成すことができる。
【0021】
導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bと、尿排出チューブ12は尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保して、それぞれのジョイント10,11に接続される。導体箔9a,9b及び導体箔保護シート8a,8bと、尿排出チューブ12を、尿レシーバ1の前方へ任意の長さを確保している理由は、装着者が尿レシーバ1とともに下着などを着用したとき、尿排出チューブ12及び導体箔9a,9bの接続部を下着の外へ引き出すためである。したがって、導体箔保護シート8a,8bの長さを約15cmとしている。この長さは、装着者の体格等に合わせて変更する。また、導体箔9a,9bと導体箔用ワンタッチジョイント10の取り付け位置(長さ)、及び、尿排出チューブ12とチューブのジョイント11との取り付け位置(長さ)を、同じ位置に設定し、両方の取り付けを纏めて行えるようにしている。
【0022】
導体箔用ジョイント10は、薄板状の導体箔9a,9bを挟む機構を形成するなど、ワンタッチで固定できるクリップのような構成を持つのが望ましい。導体箔9a,9bを固定するために、開閉板10bを開閉蓋10aによって加圧できるようにしているが、図7に示すようにばね機構10fを用いることにより、開閉蓋10aを省略することも可能である。また、導体箔用ジョイント10の材質には、プラスチック、金属など様々なものが利用可能であるが、電気的導通を有する材質に関しては、導体箔9a,9bとの接触面に絶縁するための加工を施す必要がある。
【0023】
チューブ用ジョイント11は、例えば導尿チューブ13の外径面を利用し、ワンタッチで固定できるようになっている。チューブ用ジョイント11の最小内径が導尿チューブ13の内径よりも小さくなると、尿吸引時の圧力損失が大きくなるため、小型の真空ポンプの性能低下につながるからである。
【0024】
導尿チューブ13及び信号線15は図1に示すように尿処理装置本体30の上面にあるチューブ接続口34及び信号線接続口35にそれぞれ取り付けられる。このとき、導尿チューブ13は、チューブ接続口34へワンタッチで隙間無く固定される。
【0025】
この状態で図示しない装着者が排尿すると、尿レシーバ1に設けた導体箔9a,9bが電気的に導通し、信号線15を通って携帯用自動排尿処理装置本体30の内部にある制御基板(図示せず)へ尿検知信号として送信される。制御基板に搭載されている制御装置は、底蓋33の中に収められているモータ(図示せず)を起動させ、底蓋33の中に収められている真空ポンプ(図示せず)を駆動する。
【0026】
真空ポンプの駆動により、密閉された尿タンク32内の空気が排気されると、尿タンク32内の大気圧が低下し、導尿チューブ13及び尿排出チューブ12を通じて、尿レシーバ1の尿排出孔1aに負圧を生じる。尿レシーバ1に吸収された尿は尿排出孔1aが負圧になると、負圧による吸引力により効率良く尿排出チューブ12に吸引される。尿排出チューブ12に吸引された尿は負圧によってチューブのジョイント11、導尿チューブ13、上蓋33にあるチューブ接続口34を介して尿タンク32に導かれ蓄えられる。
【0027】
装着者の排泄が終わり導体箔9a,9bの尿検知信号が無くなると、制御基板に搭載されている制御装置は、尿レシーバ1内を乾燥するための時間40〜60秒たった後、モータを停止して真空ポンプも停止させる。乾燥するための運転は、装着者に不快感などの影響を及ぼさない程度の運転であり、本実施例では尿レシーバ内の空気の流速が約0.1m/sec,湿度が55%程度を基準としている。なお、停止操作は手動スイッチ36によっても行うことができる。
【0028】
図8に携帯用自動排尿処理装置本体30の詳細斜視図を示す。尿タンク32内には、尿を蓄えるための専用の袋が配置されている。この袋は、例えば掃除機に利用されるような紙パックの構成を持ち、それを尿タンクに合わせた形状を耐水可能にして利用される。また袋の中には尿をゲル状にする高吸水性樹脂が配置される。そして蓄積した尿は袋ごと焼却処理可能であり、可燃物として廃棄することができる。尿を蓄えるための専用袋の容量が2回分の排尿を蓄えられる場合には、次の排尿処理も同様にして行われる。
【0029】
尿レシーバ1は約1日使用後あるいは排便などで汚れた場合には、導体箔9a,9bと信号線15、及び尿排出チューブ12と導尿チューブ13の接続を外し、尿レシーバ1を廃棄することができる。そして新しい尿レシーバ1を装着者に装着する。このとき、尿レシーバ1は、導尿チューブ12や信号線15と切り離されているため、装着者の足に絡むことなく、楽に交換作業を行うことができる。また、尿レシーバ1は可燃物であり焼却処理可能である。
【0030】
また、尿レシーバ1を交換する時には、新しい尿レシーバ1を梱包している袋(図示せず)などから取り出すが、このとき、装着時の動作チェックを行うための液体を不織布6の表面へ散布するようにしている。装着時に尿レシーバの導体箔9a,9bが電気的に導通することによって、使用する尿レシーバに断線などの異状がないか、チェックするためである。新しい尿レシーバを装着し、導体箔及び尿排出チューブを接続したときに電気的導通がないと、携帯用自動排尿処理装置本体30の表示装置39に、警告を示すようにしている。電気的導通があれば問題無しと判断し、通常の運転モードを開始する。
【0031】
尿レシーバ1の断線を判断するには導体箔9a,9bの2極間に電気抵抗を設けても行える。新しい尿レシーバ1を装着し、設定した一定量の電流が流れなければ、警告を出すようにできる。なお、この断線判断は電力消費量が多くなりやすいため、常時電源を確保できるときに有効である。
【0032】
一方、導尿チューブ13は衛生上の観点から長くとも2〜3日で交換する必要がある。導尿チューブ13の交換は、チューブ接続口34からワンタッチで切り離すとともに、継続して使用する信号線15と連結されている連結具16から外すことができる。チューブ接続口34において、導尿チューブ13の取り付け側には、チューブ用ワンタッチジョイント11と同様の構造を持つものが利用できる。また、上蓋31へは、パッキン(図示せず)などを用いてしっかりと密閉されている。このように、導尿チューブ13の交換も簡単、かつ清潔に行うことができる。なお、実施例1における信号線15と上蓋31と信号線取付口35には、導体箔用ワンタッチジョイント10と同一形状のジョイントを用いることができる。
【0033】
本実施例で使用している尿排出チューブ12及び導尿チューブ13には、小容量の真空ポンプに合わせ、内径4mm(外径6mm)のものを使用している。また材質としては、シリコン系で硬度が50程度の比較的容易に変形する樹脂を使用している。材質的な軟らかさを利用することによって、吸引時に巻き込んだ気泡などの影響による騒音を低減できるようにしている。ただし、装着者の体重などによって潰れない程度の硬さを保つ必要がある。
【0034】
また本実施例の小容量の真空ポンプとは、例えばバッテリとしてアルカリ電池、2次電池などを用いることができ、ロータリー式の機構を持ち、尿の吸引流量が15〜20ml/sec程度以上得られる性能があるものを言う。またモーターと合わせたときの全体の体格は、直径が30mm、長さが70mm程度で小さく、また、バッテリ電圧は6〜9V程度である。
【0035】
このようにして装着者の排尿を処理するが、本実施例では、その他幾つかの運転モードを設定している。まず装置の異常運転を避けるための制御として、導体箔が異常反応を起こしたときなど、ポンプの空運転や電力の浪費を防ぐための手段として、ポンプ運転時の電流値を監視するようにしている。例えば、ポンプが空運転している場合に制御基板へ約0.3Aの電流が流れる。また尿を吸引するときには、0.8A以上の電流が流れる。そこで、ポンプ運転開始から、60秒間継続して電流値が0.8A以上流れないときには尿を吸引していないと判断し、ポンプを停止する。なお、ポンプの空運転を防ぐには尿タンク32内に重量センサを設けても行える。このときには、ポンプ運転開始から60秒間タンク32内の重量を監視し、変動が無ければポンプを停止する。
【0036】
また、装着者が長時間使用しているときの蒸れを極力なくすためのモードも設定している。排尿時には前述の通り尿吸引後に40〜60秒間の乾燥運転を行うが、装着者の排尿が3時間程度無い場合にも、ポンプを起動して蒸れ防止のための運転を行うようにしている。この時の運転時間は、排尿後の乾燥運転と同様に、尿レシーバ内の空気の流速が0.1m/sec,湿度が55%程度となるように、60秒間運転する。
【0037】
なお、本実施例で示す導体箔9a,9bには、導電性を有する材料をわかりやすく説明するためアルミを用いているが、導電性を有し、尿レシーバ1と共に廃棄できるものであれば、別の材料を用いても良い。例えば、ポリエチレンを主成分とした導電性のフィルムなどを用いることができる。また、本実施例では、機械的強度の低さ及び廃棄を考慮していることを示すために「導体箔」という言葉を用いているが、これらの条件にあてはまるものであれば、たとえば「導体線」などでも良いことは容易に理解できることである。
【実施例2】
【0038】
図9に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0039】
図9に示す実施例が実施例1と異なるところは、導体箔9a,9bを挟む導体箔保護シート8c,8dと、導体箔9a,9bの装着部に補強板17を設け、また導体箔9a,9bと電極面14c,14dの方向を同一方向としていることにある。
【0040】
実施例1においては、導体箔保護シート8a,8bの材質として発泡ポリエチレンシートなどを用いているため、ガイド10a,10bがあっても、ずれたり歪んで取り付けてしまう場合がある。そのため、電極面14a,14bを上下面に設置していたが、補強板17を設けることによってガイド10a,10bによる位置決めを確実に行うことができるので、電極面14c,14dの方向を同一方向とすることができる。ただし、補強板17の材質には、尿レシーバ1の廃棄時を考慮し、発泡ポリエチレンシートを硬質にしたものなどを用いるのが望ましい。
【実施例3】
【0041】
図10に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0042】
図10に示す実施例が実施例1と異なるところは、尿排出チューブ12及び導尿チューブ13へ漏斗状の装着具を取り付け、蓋を用いて導体箔9a,9bと尿排出チューブ12,導尿チューブ13を同時に取り付けることができる、一体型ワンタッチジョイント19及び29を使用しているところにある。
【0043】
図10に示す一体型ワンタッチジョイント19において、それぞれのチューブ導孔19dは単純な円筒状となっており、また一体型ワンタッチジョイント蓋19a,一体型ワンタッチジョイント本体19bには、それぞれ電極面14e,14fが取り付けられている。更に、一体型ワンタッチジョイント蓋19aには、チューブ装着具18の端面を押さえるための止め具19cを取り付けている。この止め具19cは、反発力を持ったバネのような特性を持っている。
【0044】
この構成において、漏斗状のチューブ装着具18と一体型になった尿排出チューブ12と、導体箔9a,9bを、一体型ワンタッチジョイント19へ取り付けるには、蓋19aを外した状態で尿排出チューブ12をチューブ導孔19dへ差し込む。チューブ導孔19dの直径は、7.2mmとしており、また漏斗状のチューブ装着具18の外径面テーパ部分の最大直径は8.0mm、最小直径は6.2mmである。したがって、チューブ装着具18は長さ方向の中間付近でチューブ導孔19dの辺へ接する。
【0045】
一方、導体箔9a,9bの先端は、実施例1と同様にチューブの先端と同じ長さに設定されているので、電極面14fの上に配置される。この状態で一体型ワンタッチジョイント蓋19aを上から被せると、電極面14eと導体箔9a,電極面14fと導体箔9bがそれぞれ接触し、更にはバネのような性質を持つ止め具19cよって、チューブ装着具18の端面を押さえつけるので、チューブ装着具18はチューブ導孔19dへ密着して固定される。このように、複雑な形状のジョイントを必要とせず、更にはワンタッチでチューブ,導体箔ともに取り付けと取外しができる。
【実施例4】
【0046】
図11に本発明の他の実施例における要部構成を示す。
【0047】
実施例1〜3は信号線15と導尿チューブ13を連結具16によって一体化しているが、尿排出チューブ及び導尿チューブに導電性の信号線塗料を塗布することによって、チューブと完全に一体化することもできる。図11はその実施例である。
【0048】
尿レシーバ1に穿設された尿排出孔1aには尿排出チューブ22の一端が接着されており、左右の表面には導電性を持つ信号線塗料22aが塗布されている。導体箔保護シート8e,8fは尿排出チューブ22を包み込むように覆い、その中に組み込まれている導体箔9a,9bは、信号線塗料22aに接して通電できるように構成されている。
【0049】
また、尿排出チューブ22と導尿チューブ23とのジョイントには、内部に信号線が配線されたジョイント21を用いる。そして携帯用自動排尿処理装置本体30には、信号線が配線されたジョイント(図示せず)を用いて取り付ける。
【0050】
なお、以上の実施例では導体箔からの尿検知信号を信号線によって制御基板へ送信するようにしているが、ICチップなどと接続して、尿検知信号を無線で送信するようにすれば、信号線の配線を省略できることは言うまでもない。ただし、導体箔9a,9bとICチップとの接続部には、導体箔用ワンタッチジョイント10と同様の機構が用いられる。
【0051】
本実施例に示す携帯用自動排尿処理装置では、様々な生活状況に対応するように設計している。例えばベッド上で生活する場合には、携帯用自動排尿処理装置本体30は、通常ベッドの脇に吊り下げるなどの方法で配置される。装着者が寝返りなど体位を変えることを考慮すると、導尿チューブ13の長さは2m程度あるのが望ましい。一方、車椅子などを使って移動する場合には、車輪などへ巻き込まないようにするため、導尿チューブの長さは80cmの程度が望ましい。そこで、本発明の携帯用自動排尿処理装置では、導尿チューブ13の長さを2種類用意し、生活状況に応じて交換できるようにしている。なお、携帯用自動排尿処理装置本体30に、チューブを巻き取る機構(図示せず)を用いれば、導尿チューブを交換することなく使うことができる。
【0052】
本実施例で示している構成の主な用途は、携帯用の自動排尿処理装置を狙いとしているが、部分的には別の用途としても応用が可能である。例えば従来型のオムツなどに排尿を知らせる機能を持たせたいときがある。そのときには、例えば従来利用されている使い捨てタイプのオムツなどへ、本発明で使用している導体箔9a,9b及び導体箔保護テープ4などを組み合わせ、導体箔9a,9bの先端で信号線と接続して外部へ送信するための装置を設けることによって構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】尿レシーバの構成を示す分解斜視図である。
【図3】尿排出孔へ尿排出チューブを取り付ける位置の例を示す斜視図である。
【図4】導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続するときの構成例を示す斜視図である。
【図5】導体箔と信号線及び尿排出チューブと導尿チューブを接続したときの構成例を示す斜視図である。
【図6】導体箔用ワンタッチジョイントの構成を示す斜視図(a)及び(a)のA−A断面図(b),(c)である。
【図7】導体箔用ワンタッチジョイントの他の構成を示す断面図である。
【図8】自動排尿処理装置の本体を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【図10】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【図11】本発明の他の実施例における要部構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1…尿レシーバ、1a…尿排出孔、2…尿回収機構、3a,3b…形状保持シート、4…導体箔保護テープ、6…不織布、7a…上部支持シート、7b…下部支持シート、8…導体箔保護シート、8a,8b…導体箔保護シート上面,下面、8c,8d…導体箔保護シート上面,下面、8e,8f… 導体箔保護シート上面,下面、8g…電極面ガイド、9a,9b…導体箔、10…導体箔用ワンタッチジョイント、10a…開閉蓋,10b…開閉板、10c…底板,10d…ヒンジ,10e…ガイド機構、10f…ばね機構、1…チューブ用ワンタッチジョイント、12…尿排出チューブ、13…導尿チューブ、14a,14b,14c,14d,14e,14f…電極面、15…信号線、16…連結具、17…補強板、18…チューブ装着具、18s…チューブ装着具、19…一体型ワンタッチジョイント、19a…一体型ワンタッチジョイント蓋、19b…一体型ワンタッチジョイント本体、19c…チューブ装着具の止め具、19d…チューブ導孔、20…支持板、21…信号線内臓ワンタッチジョイント、21a…ジョイント内信号線、21b…電極面ガイド、22…信号線一体型尿排出チューブ、22a…信号線塗料、23…信号線一体型導尿チューブ、23a…信号線塗料、24a,24b,24c,24d…電極面、25…保護被覆、30…携帯用自動排尿処理装置本体、31…上蓋、32…尿タンク、33…底蓋、34…チューブ接続口、35…信号線接続口(35b…雌端子)、36…手動スイッチ、37…上蓋開閉ボタン、38…上蓋ロックスイッチ、39…表示装置、40…上蓋ヒンジ、41…尿タンクヒンジ、42…配線カバー、43…タンク残量覗き窓、44…バッテリーボックス、45…電源アダプタ接続口、46…排気口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体とを具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近で前記尿レシーバと着脱可能に構成されると共に前記導体箔も前記尿レシーバの端部付近で前記信号線と着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部は一箇所に纏められていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項2】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近で前記尿レシーバと着脱可能に構成されると共に前記導体箔も前記尿レシーバの端部付近で前記信号線と着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部は一体化されワンタッチで着脱可能にしていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項3】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブと前記信号線は一体成形されて前記尿レシーバの端部付近で着脱可能に構成され、ワンタッチで着脱可能にしていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項4】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近および尿タンクの入り口で着脱可能に構成されると共に前記導体箔と前記信号線も前記尿レシーバの端部付近と尿タンクの入り口で着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部がそれぞれ一箇所に纏められていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記尿レシーバの交換時に前記導体箔の異常を点検する点検手段を設けたことを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記導尿チューブは前記真空ポンプの吸引能力に基づいた径で尿吸引時の音を吸収するように吸込口断面を斜めに形成され、かつ吸引時の音を吸収するように軟質素材で構成されていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項7】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバであって、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔の尿検知信号を送信する信号線を有し、前記導体箔と前記信号線が前記尿レシーバの端部付近で着脱可能に構成されていることを特徴とする尿レシーバ。
【請求項1】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体とを具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近で前記尿レシーバと着脱可能に構成されると共に前記導体箔も前記尿レシーバの端部付近で前記信号線と着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部は一箇所に纏められていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項2】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近で前記尿レシーバと着脱可能に構成されると共に前記導体箔も前記尿レシーバの端部付近で前記信号線と着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部は一体化されワンタッチで着脱可能にしていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項3】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブと前記信号線は一体成形されて前記尿レシーバの端部付近で着脱可能に構成され、ワンタッチで着脱可能にしていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項4】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバと、チューブ導孔が穿設されている蓋により密閉されている尿タンクと、前記尿タンクに収納されている尿溜め容器と、前記尿レシーバに設けられている尿排出孔から前記尿タンクへ尿を導く導尿チューブと、前記尿タンク内の圧力を低下させる真空ポンプと、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔で検知した尿検知信号が信号線を介して加えられる尿処理装置本体を具備し、前記導尿チューブは前記尿レシーバの端部付近および尿タンクの入り口で着脱可能に構成されると共に前記導体箔と前記信号線も前記尿レシーバの端部付近と尿タンクの入り口で着脱可能に構成され、前記導尿チューブと前記導体箔の着脱部がそれぞれ一箇所に纏められていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記尿レシーバの交換時に前記導体箔の異常を点検する点検手段を設けたことを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記導尿チューブは前記真空ポンプの吸引能力に基づいた径で尿吸引時の音を吸収するように吸込口断面を斜めに形成され、かつ吸引時の音を吸収するように軟質素材で構成されていることを特徴とする自動排尿処理装置。
【請求項7】
装着者が排泄する尿を吸尿する尿レシーバであって、前記尿レシーバに排尿された尿を検知する導体箔と、前記導体箔の尿検知信号を送信する信号線を有し、前記導体箔と前記信号線が前記尿レシーバの端部付近で着脱可能に構成されていることを特徴とする尿レシーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−136492(P2006−136492A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328326(P2004−328326)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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