説明

自動推進式の土木機械

【課題】作用方向について前方及び後方の車輪又はその他の走行ギアユニットを備える走行ギア設備と、高さ方向に調整可能で、走行ギア設備によって移動される機械のシャーシとを備える自動推進式の土木機械の視認性を向上させる。
【解決手段】前方および後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置を検知するユニット17と、土木機械の少なくとも1つの軌跡を規定するデータを決定する計算ユニット16とを備える。また、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備13は、土木機械の後方部分の画像を検知する画像検知ユニット15と、土木機械の後方部分の検知された画像を表示する表示ユニット14とを備える。画像処理ユニット18によって、表示ユニット14に表示される土木機械の後方部分の画像に、土木機械の移動を規定する少なくとも1つの軌跡の表示が重畳される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行ギア設備を有し、走行ギア設備は、走行ギア設備によって移送される作用方向について前方及び後方に、車輪又はその他の走行ギアユニットを有する自動推進式の土木機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特に路面ミリング機械(road milling machines)、路面リサイクラー(road recyclers)、路面スタビライザー(road stabilisers)を含む周知の自動推進式の土木機械は、土木操作を行う作用設備(working arrangement)を有する。作用設備は、特にミリングドラム等の例えばミリング設備である。
【0003】
この種の土木機械では、特に私用車等の自動車とは異なり、前方の車輪又はその他の走行ギアユニット、及び、後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの両方を操縦可能である。この場合、前方及び後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの例えば操縦角度を同一方向又は反対方向にすることにより、位置が定められてもよい。前方の車輪又はその他の走行ギアユニットと後方の車輪又はその他の走行ギアユニットとが反対方向に操縦された場合、土木機械は急なカーブを移動可能となる。一方、前方及び後方の車輪又はその他の走行ギアユニットが同一方向に操縦された場合、斜めに変化する移動が可能となる。
【0004】
異なる操縦角度を要求することにより、ドライバーは土木機械を地面(terrain)の上で正確に移動させる。しかし、土木機械を後方に向かって移動させる差異に、ドライバーは機械の後方部分が視え難くなるという問題に直面する。通常のコースの作用の間では土木機械は前方方向へのみ操作されるが、土木機械への積荷、作用を開始する場所への土木機械の配置、又は、土木機械の駐車の際には、通常ドライバーは限られたスペースで土木機械を逆進させなければならない。
【0005】
後方に移動させる際には、機械のドライバーは別の者(second person)によって自分自身が指示されることを意図している。しかし、ドライバー自身が視ることが可能な後方部分の範囲が限られるため、後方への移動は行い難い。後端にカメラを有し、ドライバーステーションにスクリーンを有する自動推進式の土木機械は周知である。土木機械のドライバーは後方部分を視ることが可能であるが、カメラを用いても後方への移動において土木機械の移動の態様を推測し難い。
【0006】
特に私用者等の自動車において、乗り物を駐車する際にドライバーを補助する設備は周知である。このような設備は、ドライバー補助システムとも記載される。
【0007】
独国特許出願公開第10334613号明細書には、ハンドルを回すことによる操縦角度に依存して、トラベルチューブ(travel tube)とも記載される乗り物の移動した領域をスクリーンに表示する、自動車の設備が開示されている。トレーラを備える牽引車のドライバー補助システムは、国際公開第2008/012109号パンフレットから周知である。
【0008】
自動車及びトラックの周知のドライバー補助システムは、前方の車輪又は走行ギアユニット及び後方の車輪又は走行ギアユニットの両方を操縦可能な自動推進式の土木機械には適応されない。機械のシャーシの高さ方向の調整及びシャーシに縦又は横の傾斜を与える調整は、自動推進式の土木機械においてドライバー補助システムに特別な要求をする。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、特に土木機械への積荷、作用を開始する場所への土木機械の配置、又は、土木機械の駐車において、機械のドライバーにより容易に逆進される自動推進式の土木機械を提供することある。
【0010】
前記目的は、請求項1の発明特定事項の利点を伴う発明によって、達成される。本発明のより好ましい実施形態は、従属請求項の主要事項を形成している。
【0011】
本発明の自動推進式の土木機械は、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備が、 前方の車輪又はその他の走行ギアユニット、及び、後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置を検知するユニットと、前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット、及び、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置に依存して、前記土木機械の少なくとも1つの軌跡を規定するデータを決定する計算ユニットと、を備えることを特徴とする。また、この機械では、逆進の際に機械のドライバーを補助する前記設備が、前記土木機械の後方部分の画像を検知する画像検知ユニットと、前記土木機械の前記後方部分の前記検知された画像を表示する表示ユニットと、を備える。画像処理ユニットによって、前記表示ユニットに表示される前記土木機械の前記後方部分の前記画像に、地面(terrain)の上の、又は、通行移送ルート又は表面に沿った前記土木機械の移動を規定する前記少なくとも1つの軌跡が重畳される。
【0012】
逆進の際に機械のドライバーを補助する設備は、前方及び後方の両方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置を考慮している。そして、土木機械の後方部分の画像に重畳される1つ以上の軌跡が、決定される。少なくとも1つの軌跡を基準として、逆進の際に、機械のドライバーは、前方及び後方の両方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置に依存して、存在する可能性がある障害物に対して機械が如何に移動するかを、正確に予測することが可能となる。
【0013】
好ましい実施形態では、前記制御設備を有する前記ユニットは、前記前方及び/又は前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの操縦角度を操縦する手段と、複数の操縦モードの中から1つの操縦モードを選択する手段と、の両方を備える。この場合、土木機械の前記制御設備を有する前記ユニットは、前記操縦設備が操縦された前記操縦角度又は選択された前記操縦モードに設定する状態で、土木機械の前記操縦設備と共同して操作を行う。前述のように、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備の計算ユニットは、前記前方及び前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置に依存して、前記土木機械の少なくとも1つの軌跡を規定するデータを決定するが、この好ましい実施形態では、前記計算ユニットは、前記前方及び/又は前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニットの位置だけではなく、選択された前記操縦モードにも依存して、前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを計算する手段を備える。
【0014】
この好ましい実施形態では、機械のドライバーは、操縦された前記操縦角度又は選択された前記操縦モードから、逆進の際に機械が如何に移動するか即時に、認識する。一方で操縦角度を、他方で操縦モードを変化させることにより、機械のドライバーは、操縦角度及び操縦モードの変化が如何に影響するか、予測可能である。これにより、機械のドライバーは、逆進の際に機械の移動をより適切に予測できるだけでなく、最適の操縦モードにおいて最適の操縦角度に選択すること、及び、その逆を行うことができる。
【0015】
特に好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを計算する前記手段は、選択された前記操縦モード及び操縦された前記操縦角度に基づいて、前記土木機械の前記走行ギア設備に関する座標系で、前記データによって前記軌跡が規定される状態に設計される。この座標系は、機械のシャーシが高さ方向に調整され、走行ギア設備に対す横及び/又は縦の傾斜が操縦された場合に、変化しない座標系であることが好ましい。
【0016】
本発明に係る土木機械の好ましい実施形態では、土木機械の操縦は近似的に(substantially)アッカーマンの原理に従うことが仮定され、すなわち、前記車輪又はその他の走行ギアユニットの軸の延長線が回動円の中心で交差する。操縦角度が互いに大して反対方向となる状態に土木機械が操縦された場合、始点、終点及び回動円の中心及び/又は半液によって聞き低される円弧で、軌跡を示すことができる。前記少なくとも1つの軌跡が直線の場合、操縦された操縦角度は互いに対して同一方向であり、始点及び終点のみによって軌跡を規定することができる。しかし基本的には、例えば座標系の複数の点の座標によって規定する等、その他の方法によって軌跡を規定することも可能である。
【0017】
前記計算ユニットは、前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを、前記表示ユニットに前記画像を表示させる前記画像検知ユニットに関する座標系に変換する手段を備えることが好ましい。これにより、土木機械の座標系とは異なる座標系が、画像検知ユニットで選択される。結果的に、機械のドライバーに規定された視角の画像を示すことが可能な土木機械の所望の位置に、画像検知ユニットを配置することができる。
【0018】
本発明に係る土木機械の好ましい実施形態では、前記機械の前記シャーシ(6)は、高さ方向の配置、及び/又は、傾きが調整可能に設計されている。利点として、機械のシャーシの高さ及び/又は傾きに関係なく、表示ユニットに表示される後方部分の画像に、少なくとも1つの軌跡が適切に示される。さらに、特に好ましい実施形態では、前記計算ユニットは、縦の傾斜及び/又は横の傾斜及び/又は前記画像検知ユニットの高さの、前記機械の前記走行ギア設備を基準とする座標系に対する変化を考慮した修正関数に基づいて、前記画像検知ユニットを基準とする座標系で前記少なくとも1つの軌跡を規定する前記データを修正する手段を備える。
【0019】
機械のシャーシの高さ及び/又は傾斜の土木機械の走行ギア設備を基準とする座標系に対する変化により、機械のシャーシに配置される画像検知ユニットの高さ及び/又は傾斜が変化する。機械のシャーシの高さ及び/又は傾斜の機械の走行ギア設備を基準とする座標系に対する変化により、少なくとも1つの軌跡が表示ユニットに不適切に表示されないことが、少なくとも1つの軌跡を規定するデータを修正する前記手段によって保証される。機械のシャーシの高さ及び/又は傾きに依存して少なくとも1つの軌跡を規定するデータが変換されることにより、表示ユニットに表示される後方部分の画像に軌跡が調和する。
【0020】
周知のカメラの対物レンズでは、特に端領域で、ひずみ(distort)が発生するため、土木機械の後方部分の画像の表示に対して、軌跡が不適切に表示される。したがって、特に好ましい実施形態では、前記画像検知ユニットによって検知された前記画像のひずみを考慮した修正関数に基づいて、前記画像検知ユニットを基準とする座標系で前記少なくとも1つの軌跡を規定する前記データを修正する手段を提供する。この実施形態において、後方部分の画像でのひずみの発生と同様にして、少なくとも1つの軌跡で発生することが、特に好ましい。また、この実施形態では、画像にひずみを発生させる必要がなく、軌跡にのみひずみを発生させることにより、表示ユニットの2つの表示を互いに対して関連付けて示すことが可能であるため、計算容量は比較的小さいことが、特に好ましい。しかし、計算ユニットは、画像検知ユニットによって検知された画像のひずみを修正する修正関数に基づいて、画像検知ユニットを基準とする座標系で土木機械の後方部分の画像を修正する手段を備えてもよい。ただし、この場合、高い計算容量が必要となる。
【0021】
軌跡はランダムな(random)点が辿る経路である。この点は、土木機械上に位置し、機械上のある1点の正確な指標(characteristic)となるか、又は、機械に隣設して位置し、機械上に位置するある点から安全距離(safety distance)にある指標となるかである。少なくとも1つの軌跡を規定するデータは、異なるタイプの様々なデータであってよい。例えば、始点及び終点、及び、回動円の中心又は半径によって、軌跡が規定されてもよい。前記始点と前記終点との間の移動の長さは、機械の長さ又は機械の長さの一部であってもよい。複数の軌跡が表示され、ある軌跡は機械の長さの移動を示し、別の軌跡は機械の長さの一部の移動を示すことが好ましい。
【0022】
軌跡が機械の長さ又は機械の長さの一部に正確に対応する場合、前述の点は機会の後尾端の臨界端(extreme end)に位置し、逆進の際の後尾端の位置を機械のドライバーに示している。また、例えばミリング設備等の機械の作用設備上のある点の移動を、例えば軌跡によって可視的に示してもよい。
【0023】
軌跡は、始点と終点との間の直線としてだけではなく、点の集合としても示すことが可能であり、土木機械の移動の可視的表示が表示ユニットに示される。
【0024】
本発明の実施形態については、図面を参照として詳細に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自動推進式の土木機械の一例として路面ミリング機械を示す側面図。
【図2】逆進の際に機械のドライバーを補助する設備を示すブロック回路図。
【図3A】自動推進式の土木機械を概略的に示し、かつ、土木機械が真っ直ぐに後方に逆進する状態における土木機械を基準とした座標系での軌跡を示す図。
【図3B】画像検知ユニットを基準とする座標系での図3Aの軌跡を示す図。
【図3C】画像検知ユニットでのひずみを考慮して修正した後の図3Bの軌跡を示す図。
【図4A】土木機械を概略的に示し、かつ、土木機械において後方の車輪のみが操縦される操縦モードで土木機械が逆進する状態における、土木機械を基準とした座標系での軌跡を示す図。
【図4B】画像検知ユニットを基準とする座標系での図4Aの軌跡を示す図。
【図4C】画像検知ユニットでのひずみを考慮して修正した後の図4Bの軌跡を示す図。
【図5A】土木機械を概略的に示し、かつ、前方及び後方の車輪が互いに対して反対方向に操縦される操縦モードで土木機械が逆進する状態における、土木機械を基準とした座標系での軌跡を示す図。
【図5B】画像検知ユニットを基準とする座標系での図5Aの軌跡を示す図。
【図5C】画像検知ユニットでのひずみを考慮して修正した後の図5Bの軌跡を示す図。
【図6A】土木機械を概略的に示し、かつ、前方及び後方の車輪が互いに対して同一方向に操縦される操縦モードで土木機械が逆進する状態における、土木機械を基準とした座標系での軌跡を示す図。
【図6B】画像検知ユニットを基準とする座標系での図6Aの軌跡を示す図。
【図6C】画像検知ユニットでのひずみを考慮して修正した後の図6Bの軌跡を示す図。
【発明の詳細な説明】
【0026】
図1は、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備を有する自動推進式の土木機械の一例として路面ミリング機械を示している。
【0027】
路面ミリング機械は、路面の表面を削る大きいミリング機械として記載されている。土木機械は、作用方向Iについて前方の2つの走行ギアユニット2,3及び作用方向Iについて後方の2つの走行ギアユニット4,5を有する走行ギア設備1を有する。前方及び後方の走行ギアユニットと記載するのではなく、走行ギア設備が前方及び後方の車輪を有すると記載してもよい。以下の説明では、走行ギアユニットを単に車輪と記載する。
【0028】
走行ギア設備1は、前方に2つ及び後方に2つのリフティングコラム7,8によって地面、通行移送ルート、又は、通行移送表面に対して高さ方向に配置される機械のシャーシ6を移動し、機械のシャーシ6の縦及び/又は横の傾きは調整される。
【0029】
土木機械は計測設備(図示しない)を有し、計測設備によって基準平面に対する機械のシャーシの位置、例えば基準平面に対する機械のシャーシの高さ及び傾きが検知される。この種の計測設備は、国際公開2007/032531号パンフレットに記載されている。
【0030】
また、土木機械は、前方及び後方の車輪2,3;4,5を駆動する駆動設備9(詳細は示さない)と、前方及び後方の車輪2,3;4,5を操縦する操縦設備10と、を有するとともに、前方の車輪と後方の車輪との間に、ミリングドラム20を有するミリング設備19が配置されている。
【0031】
機械のシャーシ6には、前方の車輪2,3と後方の車輪4,5との間に土木機械のドライバーステーション11が配置されている。ドライバーステーションは、例えば前方の車輪の前方のような、その他の位置に配置されてもよいことはもちろんである。ドライバーステーション11には、土木機械の制御設備を有するユニット12(概略的に示される)が配置されている。制御設備を有するユニット12は、前方及び後方の車輪2,3に定められた操縦角度を要求する手段12Aと、定められた操縦モードを選択する手段12Bとを有する。操縦角度を要求する手段12Bは操縦ハンドル12Aであってもよく、操縦モードを選択する手段は選択レバー12Bであってもよい。操縦ハンドル12A及び選択レバー12Bは、図1に示されている。制御設備を有するユニット12は、以下のように操縦設備10と共同して操作を行う。
【0032】
機械のドライバーは、選択レバー12Bで複数の操縦モードから定められた操縦モードを選択可能である。“座標操縦(co-ordinate steering)”という操縦モードでは、土木機械で前方及び後方の車輪2,3;4,5が反対方向に操縦され、前方の車輪2と後方の車輪4とが反対方向を向く。急な半径に沿って移動する際に、機械のドライバーはこの操縦モードを選択する。“クラブ操縦(crab steering)”という操縦モードでは、土木機械で前方及び後方の車輪2,3;4,5が同一方向に操縦され、前方の車輪2,3と後方の車輪4,5とが同一方向を向く。土木機械が斜めに変化する移動を行う際に、この操縦モードは選択される。ただし、土木機械では、前方の車輪のみ、又は、後方の車輪のみが操縦されてもよい。
【0033】
全ての操縦モードにおいて、機械のドライバーは操縦ハンドル12Aのみで土木機械を操縦する。土木機械の操縦が行われた際には、操縦モードに依存して、後方の車輪のみ、前方の車輪のみ、又は、前方の車輪及び後方の車輪の両方が操縦され、前方及び後方の車輪が反対方向又は同一方向に操縦される。前方及び後方の軸を確立する操縦角度は、以下で説明するように、操縦設備の配置(geometry)に依存している(laid down)。
【0034】
図2は、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備13のブロック回路図であり、設備13は操縦設備10及び土木機械の制御設備を有するユニット12を共同操作する。逆進の際に補助する設備13は、例えばドライバーステーション12に配置される表示スクリーン等の表示ユニット14を有し、表示ユニット14には土木機械の後方部分の画像が1以上の軌跡とともに表示され、これにより機械のドライバーは規定された操縦角度及び選択された操縦モードでの土木機械の移動が推測可能となる。
【0035】
土木機械の後方部分の画像は、機械のシャーシの後方部分に配置されるカメラ15Aを有する画像検知ユニット15により検知される。カメラ15Aは、地面に対する高さ及び傾きについての土木機械のシャーシ6の移動に追従する。カメラ15Aは、機械の後尾端に位置することが好ましい。
【0036】
逆進の際に補助する設備13は計算ユニット16を有し、計算ユニット16では、前方及び後方の車輪の位置に依存し、かつ、操縦モードに依存して土木機械の少なくとも1つの軌跡を規定するデータが決定される。前方及び後方の車輪の位置は、逆進の際に補助する設備13の一部となるユニット17、又は、操縦設備10の一部によって検知される。図2のブロック回路図に示すように、ユニット17は設備13の一部である。
【0037】
また、機械のドライバーを補助する設備13は画像処理ユニット18を有し、画像処理ユニット18は、表示ユニット14に表示される土木機械の後方部分の画像に計算ユニット16によって決定された少なくとも1つの軌跡を重畳する。これにより、機械のドライバーは表示ユニットで少なくとも1つの軌跡、及び、土木機械の後方部分の両方を視るため、機械のドライバーは地面又は通行移送ルートに配置される障害物に対して土木機械の移動を関連付けることが可能となる。また、少なくとも1つの軌跡に加え、例えば離間距離などのその他の情報を示すことも可能である。
【0038】
次に、それぞれの操縦モードにおいて、逆進の際に機械のドライバーを補助する設備のそれぞれの構成要素の構成及び操作を、詳細に説明する。
【0039】
図3A乃至図3Cは、土木機械が真っ直ぐに後方に向かって逆進する最も単純な場合を示している。結果的に、前方及び後方の車輪2,3;4,5の操縦角度αは、ゼロである。図3Aにおいて、前方及び後方の車輪2,3;4,5を有する走行ギア設備1は、概略的に示されている。座標系(x,y)で示される図では、土木機械の走行ギア設備に関する基準平面が示されている。前方及び後方の車輪2,3;4,5の位置は、操縦角度αによって規定される。
【0040】
座標系において土木機械のシャーシ6は、長方形で示されている。長方形の角は、機械の前方及び後方の角に対応する。ミリングドラム20を有するミリング設備19は、前方の車輪2,3と後方の車輪4,5との間に位置している。
【0041】
機械の走行ギア設備に関する座標系の原点(x0,y0)は、作用方向Iについて後方で、機械のシャーシ6の左手側の角に位置している。
【0042】
計算ユニット16は、本実施形態では、合計で6つの軌跡を計算する手段16Aを備え、土木機械の後方への移動を示し、それぞれの軌跡は始点及び終点によって規定される。土木機械は真っ直ぐに後方へ逆進するため、軌跡は2つの点の間の直線となる。
【0043】
機械のシャーシの長さに対応する規定された距離だけ逆進する際に、機械の作用方向Iについて左手側の後方の角(x0,y0)の軌跡を決定するために、計算ユニットは土木機械の走行ギア設備に関する座標系においてある点の座標(x3,y3)を計算し、この点は、例えば9m等の機械の長さ(l)だけ土木機械が後方へ移動した際の機械のシャーシの左手側の後方の角が位置する点である。同様にして、計算ユニットは、点(x2,y2)及び点(x1,y1)の座標をそれぞれ計算し、これらの点は、例えばそれぞれ3m及び1m等のさらに短い距離(それぞれl及びl)だけ土木機械が後方へ移動した際の機会のシャーシの左手側の後方の角が位置する点である。これらの計算は、作用方向Iについて後方で、機械のシャーシの右手側の角についても行われる。これにより、矢印で示される軌跡T〜Tの表示が生成される。矢印の点の間を結ぶ破線は、例えばそれぞれ9m、3m及び1m等の移動距離だけ後方へ移動した土木機械の後尾端の位置を示している。
【0044】
しかし、土木機械が平面で示される視角である土木機械の走行ギア設備に関する座標系に対応する視角とは異なる視角で、画像検知ユニット15は土木機械の後方部分の画像を検知するため、土木機械の走行ギア設備に関する座標系における図3Aで示される軌跡T〜Tは、表示ユニット14に示される軌跡に相当しない。したがって、計算ユニット16は、例えば土木機械の座標系における座標(x0,y0)〜(x3,y3)に関するデータを、画像検知ユニット15に関する座標系(x′,y′)に変換する手段16Bを有する。
【0045】
図3Bは、画像検知ユニット15の座標系における軌跡T〜Tを示し、この座標系は表示ユニット14の座標系に相当する。画像検知ユニットの視角の変化により、表示ユニット14での表示を変化することが可能である。しかし、カメラ12Aは規定された視角で機械のシャーシ6に接続されるため、基本的に視角は変化しない。
【0046】
本実施形態では、画像検知ユニットで画像が検知される際に発生する可能性があるひずみ(distortions)を考慮している。例えばカメラ15Aの対物レンズでは、特に端領域で、ひずみが発生する。このようなひずみにより、表示ユニットに示される際に、地面、通行移送ルート、又は、通行移送表面の障害物が、土木機械の後方部分の画像に重畳される軌跡に対して適切に関連付けられない。
【0047】
計算ユニット16は、画像検知ユニットに関する座標系(x′,y′)において軌跡T〜Tを規定するデータ(x′0,y′0)〜(x′3,y′3)を修正する手段16Cを有する。手段16Cは、第1の修正関数に基づいてデータを修正する。第1の修正関数を用いて、軌跡T〜Tの表示がカメラ15Aによって撮像された画像と略同一のひずみとなる状態に、データが修正される。図3Cは、修正後の軌跡T〜Tの“ひずんだ画像”を示し、“ひずんだ画像”は、表示ユニット14の座標系に対応する画像検知ユニット15の座標系において座標(x0″,y0″)〜(x3″,y3″)を有する。
【0048】
表示ユニット14では(図3C参照)、軌跡T〜Tの“ひずんだ画像”が、画像検知ユニット15によって検知される土木機械の後方部分の画像に重畳される。図3において、土木機械の後方部分の画像に示される2つの障害物O1及びO2が、示されている。表示ユニット14から、機械のドライバーは、真っ直ぐ後方へ逆進する際に、土木機械が2つの障害物に向かって移動するが、障害物に接触しないことが、認識可能となる。ドライバーは、障害物に到達するには、機械の長さだけ後方に土木機械を移動させなければならないことが認識可能である。
【0049】
次に、カーブを通って逆進する際の土木機械の移動を図4B及び図4Cを参照して説明する。この場合、土木機械では後方の車輪のみが操縦される。この操縦モードでは、機械のドライバーが規定した定められた操縦角度に後方の車輪にのみが規定される一方で、前方の車輪の操縦角度は0のままである。
【0050】
土木機械の操縦設備10は、少なくとも近似的に(approximately)アッカーマンの原理に従って設計されている。アッカーマンの原理では、全ての車輪の軸の延長線L,L,Lが回動円の共通中心Mで交差する。このため、カーブの外側での車輪の操縦角度α2をカーブの内側での車輪の操縦角度α1より、小さくしなければならない。アッカーマンの原理により、土木機械の点が沿って移動する円弧の半径rが決定される。第1の実施形態と同様に、計算ユニット16は、6つの軌跡T〜Tの始点及び終点を計算する。軌跡は直線ではなく、始点と終点との間の円弧であるため、アッカーマンの原理に基づいて計算ユニットは円弧の半径r及び中心Mを計算する。
【0051】
図4Aは、土木機械の座標系(x,y)における軌跡T〜Tを示している。軌跡T〜Tは、前述のように、図4Bに示す画像検知ユニット15の座標系(x′,y′)に、変換される。画像検知ユニットの座標系(x′,y′)では、前述のように、軌跡が第1の修正関数によって修正され、画像検知ユニットのひずみを考慮可能となる(図4C参照)。
【0052】
機械のシャーシ6が高さ方向について調整され、また、機械のシャーシの横及び/縦方向についての傾斜が変化する場合、画像検知ユニット15のカメラ12Aの視角も同時に変化する。
【0053】
例えば前方のリフティングコラム7が上方向に延伸され、後方のリフティングコラム8が下方向に退去した場合、機械のシャーシ6の前方が上がり、後方が下がる。これにより、縦方向について機械のシャーシが傾斜する。例えば左手側のリフティングコラム7,8が上方向に延伸され、右手側のリフティングコラム7,8が下方向に退去した場合、機械のシャーシの左方が上がり、右方が下がる。これにより、機械のシャーシ6が横方向に傾斜する。横及び縦の傾斜を、組み合わせることも可能である。画像検知ユニット15のカメラ15Aは機械のシャーシ6に強固に接続されるため、カメラはシャーシの移動に追従する。
【0054】
機械のシャーシの縦及び/又は横の傾斜により、表示ユニット14に示される軌跡は、軌跡が重畳され、表示ユニットに示される後方部分の画像に調和しなくなる。
【0055】
計算ユニット16は、画像検知ユニット15を基準とする座標系(x′,y′)で少なくとも1つの軌跡を規定するデータを修正する手段16Dを有し、手段16Dは、縦の傾斜及び/又は横の傾斜及び/又は画像検知ユニット15のカメラ12Aの高さの、土木機械の走行ギア設備1を基準とする座標系(x,y)に対する変化を考慮した第2の修正関数に基づいて、修正を行う。(基準平面にある)走行ギア設備1に対して機械のシャーシ6が規定された高さで、縦及び横のいずれにも傾斜していない場合の軌跡が、前もって計算されていると仮定する。機械のシャーシ6の高さ及び/又は傾斜が変化した場合は、計測ユニット(図示しない)によって検知される高さ及び/又は傾斜の関数である第2の修正関数を用いて、表示ユニット14に示される軌跡が変換され、障害物O1,O2等の表示ユニットに示される画像及び軌跡が、互いに対して適切な関係で再び示される。
【0056】
例えば機械のシャーシ6の前方が上げられ、後方が下げられた場合、表示ユニットで後方の画像の“範囲が小さくなる(shortens)”。しかし、機械の長さだけ機械が移動する際の移動距離は、同一のままである。したがって、軌跡が対応して延伸される。この際、カメラの視角が小さく、機械の長さから離れて位置する領域は全く示されないため、最悪の場合は走行した軌跡は画像から上方向に離して示される。反対に、機械の前方が下げられ、前方が上げられた場合、カメラは距離が離れた位置から観察するため、画像の範囲が大きくなる(longer)。この際、軌跡は適切に圧縮される。
【0057】
図5A乃至図5Cは、機械のドライバーが操縦の“座標操縦”モードを選択し、規定された操縦角度を規定した場合を示している。土木機械の操縦設備10は、近似的にアッカーマンの原理に従っているため、操縦角度の規定により車輪は適切な位置に配置される。カーブの内側の車輪と外側の車輪とでは操縦角が異なり、カーブの外側の車輪の操縦角度はカーブの内側の車輪の操縦角度より小さくなる。車輪の軸の延長線L,L,L,Lが回動円の中心Mで交差し、それぞれの車輪の平面を基準とする軌跡の半径r,r,r,rを規定している。
【0058】
前述の実施形態と同様に、計算ユニット16は、選択された“座標操縦”の操縦モード及び設定された操縦角度に依存して、土木機械の移動によって規定される軌跡T〜Tを計算する(図5A参照)。前述のように、土木機械の座標系(x,y)(図5A参照)における軌跡は、画像検知ユニット15の座標系(x′,y′)(図5B参照)に変換される。同様に、第1の及び/又は第2の修正関数による修正(図5C参照)が行われる。
【0059】
図6A乃至図6Cは、操縦の“クラブ操縦モード”を示している。機械のドライバーが操縦の“クラブ操縦モード”を選択し、規定された操縦角度を設定した場合、車輪の軸の延長線は回動円の中心を通らず、代わりに全ての軸の延長線が互いに対して略平行である。この操縦モードでは、車輪が向く方向に軌跡が向けられる。この場合、一方側の車輪と他方側の車輪とがそれぞれ同一方向を向く。しかし、アッカーマンの原理の下では、これらの車輪では操縦角度が異なる。前方又は後方の車輪の一方側の操縦角度α2は、前方又は後方の車輪の他方側の操縦角度α1より小さい。これにより、土木機械は斜めに移動する。
【0060】
前述のように計算ユニット16は、始点及び終点によって決定される軌跡T〜Tを計算する。操縦の“クラブ操縦”モードでは、軌跡は円状の円弧ではなく、直線である。一方側の車輪は他方側の車輪と操縦角度が異なるため、アッカーマンの原理に従って、それぞれの車輪の平面を基準とする軌跡の方向の間に、微小な差異が生じる。計算ユニットによって決定される軌跡は、一方側の車輪と他方側の車輪との操縦角度の差異によって生じる2方向の間の方向を、向く。
【0061】
前述の実施形態のように、軌跡T〜Tは、土木機械の座標系(x,y)から画像検知ユニットの座標系(x′,y′)(図6B参照)に変換される。同様に、第1の及び/又は第2の修正関数による修正(図6C参照)が行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用方向について前方の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)、及び、作用方向について後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)を備える走行ギア設備(1)と、
前記走行ギア設備によって移動される機械のシャーシ(6)と、
前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット、及び/又は、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3;4,5)を駆動する駆動設備(9)と、
前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット(3,4)、及び/又は、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)を操縦する操縦設備(10)と、
制御設備を有するユニット(12)と、
を備える自動推進式の土木機械であって、
逆進の際に機械のドライバーを補助する設備(13)を備え、
逆進の際に機械のドライバーを補助する前記設備(13)は、
前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)、及び、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)の位置を検知するユニット(17)と、
前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)、及び、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)の位置に依存して、前記土木機械の少なくとも1つの軌跡(T〜T)を規定するデータ((x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),M,r)を決定する計算ユニット(16)と、
前記土木機械の後方部分の画像を検知する画像検知ユニット(15)と、
前記土木機械の前記後方部分の前記検知された画像を表示する表示ユニット(14)と、
前記表示ユニットに表示される前記土木機械の前記後方部分の前記画像に、前記少なくとも1つの軌跡(T〜T)を重畳する状態に設計される画像処理ユニット(18)と、
を備えることを特徴とする土木機械。
【請求項2】
前記制御設備を有する前記ユニット(12)は、複数の操縦モードの中から1つの操縦モードを選択する手段(12B)を備え、
前記制御設備を有する前記ユニット(12)は、前記操縦設備が選択された前記操縦モードを考慮する状態で、前記操縦設備(10)と共同して操作を行い、
前記制御設備を有する前記ユニット(12)は、前記前方の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)、及び/又は、前記後方の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)の操縦角度を操縦する手段(12A)を備え、
前記制御設備を有する前記ユニット(12)は、前記操縦設備が操縦された前記操縦角度(α)に設定する状態で、前記操縦設備(10)と共同して操作を行い、
前記計算ユニット(16)は、選択された前記操縦モードに依存して、前記少なくとも1つの軌跡(T〜T)を規定するデータ((x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),M)を計算する手段(16A)を備える、
ことを特徴とする請求項1の土木機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを計算する前記手段(16A)は、選択された前記操縦モード及び操縦された前記操縦角度に基づいて、前記土木機械の前記走行ギア設備(1)に関する座標系(x,y)で、前記データによって前記軌跡が規定される状態に設計されることを特徴とする請求項2の土木機械。
【請求項4】
前記計算ユニット(16)は、前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを、前記表示ユニット(14)に前記画像を表示させる前記画像検知ユニット(15)に関する座標系(x′,y′)に変換する手段(16B)を備えることを特徴とする請求項3の土木機械。
【請求項5】
前記機械の前記シャーシ(6)は、高さ方向の配置、及び/又は、傾きが調整可能であり、
前記計算ユニット(6)は、縦の傾斜及び/又は横の傾斜及び/又は前記画像検知ユニット(15)の高さの、前記機械の前記走行ギア設備(1)を基準とする座標系(x,y)に対する変化を考慮した修正関数に基づいて、前記画像検知ユニット(15)を基準とする座標系(x′,y′)で前記少なくとも1つの軌跡を規定する前記データを修正する手段(16D)を備える、
ことを特徴とする請求項3又は4の土木機械。
【請求項6】
前記計算ユニット(6)は、前記画像検知ユニットによって検知された前記画像のひずみを考慮した修正関数に基づいて、前記画像検知ユニット(15)を基準とする座標系(x′,y′)で前記少なくとも1つの軌跡を規定する前記データを修正する手段(16C)を備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1の土木機械。
【請求項7】
前記少なくとも1つの軌跡を規定するデータを計算する前記手段(16A)は、前記土木機械を基準とする座標系(x,y)において、前記土木機械に関連する基準点(x0,y0)が位置する始点と、選択された前記操縦モード及び操縦された前記操縦角度(α)で操縦距離(l,l,l)だけ移動することによって前記土木機械が後方に移動した後に、前記基準点が位置する点(x1,y1;x2,y2;x3,y3)である終点と、前記始点と前記終点との間で延設される円の円弧の半径(r)又は中心(M)と、を計算する状態に設計されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1の土木機械。
【請求項8】
前記操縦距離(l,l,l)だけ移動することにより、前記土木機械は、土木機械の長さ(l)又は前記長さの一部(l,l)だけ、後方に移動することを特徴とする請求項7の土木機械。
【請求項9】
前記少なくとも1つの軌跡を計算する前記手段(16A)は、
前記土木機械の一方の縦方向側部、好ましくは前記作用方向について後方の左手側の点に、前記始点が位置する第1の軌跡(T〜T)の前記終点を計算し、
前記土木機械の他方の縦方向側部、好ましくは前記作用方向について後方の右手側の点
に、前記始点が位置する第2の軌跡(T〜T)の前記終点を計算する、
ことを特徴とする請求項7又は8の土木機械。
【請求項10】
前記制御設備を有する前記ユニット(12)が前記操縦設備(10)と共同で操作を行うことにより、前記操縦設備(10)は、第1の操縦モードにおいて前記前方及び後方の車輪又はその他の走行ギアユニットが互いに対して同一方向に回転する状態に、前記前方の右手側及び左手側の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)の前記操縦角度(α1,α2)、及び、前記後方の右手側及び左手側の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)の前記操縦角度(α3,α4)を設定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1の土木機械。
【請求項11】
前記制御設備を有する前記ユニット(12)が前記操縦設備(10)と共同で操作を行うことにより、前記操縦設備(10)は、第1の操縦モードにおいて前記前方及び後方の車輪又はその他の走行ギアユニットが互いに対して反対方向に回転する状態に、前記前方の右手側及び左手側の車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3)の前記操縦角度(α1,α2)、及び、前記後方の右手側及び左手側の車輪又はその他の走行ギアユニット(4,5)の前記操縦角度(α3,α4)を設定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1の土木機械。
【請求項12】
前記操縦設備(10)は、前記車輪又はその他の走行ギアユニット(2,3;4,5)の軸の延長線(L,L,L,L)が回動円の中心(M)で交差する状態に、設計されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1の土木機械。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2012−132298(P2012−132298A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−225544(P2011−225544)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(510334712)ビルトゲン・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】