説明

自動注入システムのパワーヘッド制御の改良

【課題】改良された造影剤注入器システムの動作方法を提供すること。
【解決手段】造影剤注入システムの動作方法であって、該方法は、ユーザによって選択された注入プロトコルまたはユーザによってプログラムされた注入プロトコルの注入パラメータに基づいて、予備的な塩分開通性検査の注入パラメータを自動的に導出することであって、該注入プロトコルは、該予備的な塩分開通性検査の後に行われる、ことと、該予備的な塩分開通性検査を開始する前に、該予備的な塩分開通性検査と該注入プロトコルとを実行するために、該注入システムが十分な食塩水を有しているかどうかを決定することとを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は同時出願で同時係属の自動注入システムのパワーヘッドの改良という名称の米国特許出願第10/964003号と関連し、それは参照することでその全体をここに組み入れる。
【0002】
本発明は造影剤注入システム、詳しくはその改良に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療環境では、診断又は治療中に医療流体が患者に注入される。一つの例は、動力自動注入器を使用して、CT、血管造影、磁気共鳴、又は超音波画像を改良する造影剤を患者に注入することである。
【0004】
これらの又はこれらに類似する分野に適した注入器は、典型的には、比較的大きな容量のシリンジを使用し、比較的大きな流量と注入圧力を生み出さなければならない。このため、このような分野の注入器は電動であり、大型で大重量の注入器モータ及び駆動系を有する。使用を容易にするために、モータ及び駆動系は典型的には注入ヘッドに収容され、該注入ヘッドは床、壁、天井に装着されたアームによって支持されている。
【0005】
注入ヘッドは典型的にはアームに回動するように装着されている。ヘッドは、シリンジに液体を満たすのを促進するために上方に傾斜し(シリンジの先端をその残りよりも上方にする)、また注入するために下方に傾斜する(シリンジの先端をその残りよりも下方にする)。このようにヘッドを傾斜することにより、注入中にシリンジから空気を除去するのが促進され、注入工程中に対象に空気が注入されるのが低減される。これにもかかわらず、患者に空気が偶発的に注入される潜在性により安全性に対する著しい懸念が残る。
【0006】
前述した注入ヘッドに加え、多くの注入器は注入器を制御する分離したコンソールを含む。コンソールは典型的には注入器を自動的にプログラム制御するのに使用することができるプログラム可能な回路を含み、これにより注入器の動作を予測可能にするとともに、スキャナや画像形成装置のような他の機器の操作と潜在的に同期させることができる。
【0007】
このように、注入工程の少なくとも一部は典型的には自動的に制御される。しかし、充填手順及び典型的には注入手順の一部は、注入ヘッドの手動移動制御を使用して通常はオペレータによって行われる。典型的には、手動移動制御は、シリンジを充填し排出する注入器駆動ラムの前進及び後退移動用のボタンを有する。ある場合には、ボタンの組み合わせがラムの移動を起動し、又はラム移動速度を制御するのに使用される。注入ヘッドはまた典型的には注入ヘッドを制御するときにオペレータが使用するシリンジ残量のような注入パラメータをオペレータに指示するためのゲージ又はディスプレイを含む。残念ながら、オペレータは、手動移動ボタンを使用し、注入ヘッドのゲージとディスプレイを読むことは幾つかの理由で面倒であることが分かっている。オペレータに対する手動移動ボタンの位置を変更して、上方充填位置と下方注入位置の間で注入ヘッド傾斜する必要があり、ある傾斜角度ではゲージ又はディスプレイの読みが困難である。
【0008】
多くの利用分野では、多数の異なるシリンジサイズを備えた注入器を使用することが望ましい。例えば、小児科では大人よりも小さなシリンジを使用することが望ましいし、小容量の流体を必要とする特殊な手順でもそうである。異なるサイズのシリンジの使用を容易にするために、注入器は取り外し可能なフェースプレートを備えるように構成され、各フェースプレートは特定のサイズのシリンジ用に構成されている。典型的には、注入器は、例えば注入器ハウジングの前面に装着された磁気検出器を使用してフェースプレートの磁石の有無を検出し、どのフェースプレートが注入器に装着されているかを決定することで、注入パラメータを調整することができる。残念ながら、磁気検出器を注入ヘッドの外部ハウジングに組み込む必要性は、注入ヘッドの製造の複雑性と費用を増加する。
【0009】
近年、自動注入器の発展は、二重ヘッド注入器、すなわち、2つのシリンジ用に2つの駆動システムと取付台を備えた注入器の導入である。注入器用のソフトウェアは、手動制御と記憶されたシーケンスに応じたプログラム注入ルーチンと両方を使用するこれらの駆動システムの独立制御を備えている。このような二重ヘッド注入器は、シリンジ又は他の機器を変更することなく、あるシーケンス中に複数の流体を注入することができる。
【0010】
現在の自動注入システムの利点にも拘わらず、また単ヘッド又は二重ヘッドであるか否かに拘わらず、この分野は望ましい目標に向けて改良と発展が継続し、使用が容易になり、機能が増加し、操作の信頼性と効率が増加することを保証するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の実施形態は、造影剤及び他の流体を患者や動物に注入するために使用される自動注入器の改良に関する。
【0012】
本発明の一つの態様は、異なる周辺光条件に適応する注入システムの、コンソールやパワーヘッド(powerhead)のようなディスプレイに関する。例えば、LCDスクリーン及びLEDライトのようなディスプレイ要素は、それらの相対的な輝度レベルが周辺光に依存するように制御できる。オペレータオーバーライド機能(operatoroverridefunctionality)を設けることもできる。
【0013】
本体の他の態様は、造影剤注入システムのパワーヘッドのためのタッチスクリーンインターフェースに関する。タッチスクリーンディスプレイは、設定変更可能かつ実配線のスイッチやLED表示器や7セグメント型のディスプレイに依存することなく、ソフトウェアにより駆動できる。従って、パワーヘッドはコンソールディプレイと同じ機能を提供できるので、必要な場合にはコンソールをなくすことができる。より多くのデータとより多くの制御がパワーヘッドにおいて利用可能であることに加え、設備を稼動させるオペレータを補助するために、ヘルプ指示及び他の文脈的補助(contextualassistance)を提供
できる。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、シリンジ及び流体の両方に関する情報を表示する、デュアルヘッド型の注入システムのためのディスプレイに関する。パワーヘッドのディスプレイは、あるシリンジに関する情報を他のシリンジに関する情報から視覚的に区別するように色分けされている。使いやすさを増すために、紫色の表示は造影剤を示し、黄色は生理食塩水を示し、黒色は空気を示すというような一般的な色彩連想を使用できる。
【0015】
他の態様によれば、使いやすさを増す特徴は、多数の格納されたプロトコルを管理するためにフォルダとタブのアナロジー(folder-tab analogy)を使用することによる、格納されたプロトコル情報の表示にある。
【0016】
本発明のさらに他の態様は、遠隔制御のパワーヘッドに関する。遠隔装置からの制御信号を受信するための受信器を含むように、一般的なパワーヘッド駆動機構及びシリンジが拡張される。制御信号に応答して、パワーヘッドはシリンジのラム(ram)を適切に動作させる。
【0017】
本発明の一つの追加の態様は、実質的に患者に達するまで流体経路が分離された状態を維持する管系(tubing)を使用するデュアルヘッド型の注入器に関する。このタイプのV型管系(V-tubing)を使用することにより、流体供給部品(例えばシリンジ、管系等)の弾性を容易に適応させることができ、所望の流体を患者に投与する際の時間のずれが低減される。
【0018】
本発明のさらにもう一つの態様は、デュアルヘッド型の注入器システムを使用する開存性確認に関する。本発明のこの態様によれば、格納された注入のプロトコルの実行前に、管外遊出が起きないことを保証するために、間もなく行われる薬剤注入とほぼ同じ流速及び体積で、生理食塩水の注入が可能でありかつ実行される。この方法は、選択されたプロトコルに関する流速及び他の情報を検索し、それらのパラメータに基づいて生理食塩水の患者への注入を制御するソフトウェアで実行してもよい。
【0019】
本発明の関連する態様は、試験注入の特徴に関する。この態様によれば、ユーザが適切な流速であることを確認し、かつ注入された流体が患者の関連の領域に達する遅延時間のような注入に関するタイミングを確認できるようにするために、最初は格納された注入のプロトコルと同じ流体及び初期流速を使用する試験注入が実行される。
【0020】
試験注入と開存性確認の両方が注入器の通常のプログラミングと区別される共通の特質を有することが、認識されるであろう。詳細には、これらの両方が患者へ投薬される格納された注入プロトコルとは別個に可能な注入であり、両方が格納された注入プロトコルとは別個、すなわちオペレータの判断で選択的に実行可能であっても実行不可能であってもよい。よって、オペレータは、開存性確認や試験注入を実行する必要はないが、格納されたプロトコルを変更することなくそれを行う準備のできた選択肢を有する。開存性確認と試験注入は格納されたプロトコルとは可能的及び動作的に別個であるが、それにもかかわらず開存性確認と試験注入はプログラムで制御される注入であり、プロトコルから引き出されるパラメータを使用し、格納されたプロトコル、例えば流速や流体の使用は計画された注入の後にモデル化される。試験注入と開存性確認はプログラムで制御される注入であるので、人間の努力及び人間の誤りの可能性なく、関連する態様における格納され注入プロトコルを正確に模倣できる。さらにまた、これらはプログラムで制御されるので、開存性確認や試験注入の流体の要求を計算することが可能であり、使用できる注入可能な流体が十分あることを保証し、それによって開存性確認や試験注入が手動で実行されたとすると起こり得るような注入器の再充填(遮蔽後に走査室に再入室することを含む場合がある)による時間の損失がないことを保証するために、流体の要求を計画された後続の注入と組み合わせることが可能である。最後に、デュアルヘッド型の注入器と関係において、試験注入や開存性確認はプログラムで制御できるので、試験注入や開存性確認は、オペレータや医師が撮影手順を望むときに注入器の管系を適切な初期状態、例えば管系が生理食塩水、造影剤、又は混合物で充填される状態に自動的に戻す機能を有してもよい。
【0021】
本発明の他の態様は、ディスプレイスクリーンを注入器の表面と同一平面に位置させることができ、注入器の表面から延びた位置に移動させることができる、注入器にディスプレイスクリーンを載せるためのマウントに関する。記載された実施形態では、マウントは二重の回り継手(swivel)を備え、この二重の回り継手によりスクリーンは注入器の表面から離れるように旋回でき、かつそれ自体の軸線回りに旋回できるので、可能性がある注入器及びオペレータの多くの位置について、スクリーンの視認が容易になる。
【0022】
本発明の関連する態様は、注入手順の現段階に基づいてディスプレイの内容を適切な向きに向け、及び/又はその内容の大きさを再調整するように、パワーヘッドをプログラムすることを含む。この態様は、ディスプレイの向きに関連するセンサと組み合わせてもよい。例えば、前述のマウンティングがセンサを有する場合、注入器から離れる向きのディスプレイの傾きに応じて、自動的にディスプレイの向きを再調整してもよい。また、注入器が重力センサを含む場合、重力に対する注入器の傾き、例えば充填のための上向きの傾きや、注入のための下向きの傾きに応じて、ディスプレイの向きを再調整してもよい。
【0023】
本発明のさらなる態様は、2つの異なる種類の流体を収容した第1及び第2のシリンジから注入するための注入器のパワーヘッドであって、注入器はオペレータが第1及び第2のシリンジに収容された流体の種類の識別を可能として、それによってオペレータはいずれの種類の流体についてもいずれのシリンジ位置も使用できるものに関する。
【0024】
CT、血管造影、磁気共鳴又は超音波画像法、又は動力付きの自動注入器を使用する流体の注入を含む他のいかなる用途にも本発明の原理を適用可能であることが認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】本発明の原理による自動注入器システムを示す。
【図1B】本システムのパワーヘッドの部品を示す。
【図2】本発明の原理による周辺光状態に基づいてディスプレイ要素の輝度を制御するディスプレイシステムのブロック図を示す。
【図3】図2のシステムを用いた有益な例示的アルゴリズムのフローチャートを示す。
【図4A】本発明の原理によるパワーヘッドのタッチスクリーンディスプレイ用の一連の例示的インターフェース画面を示す。
【図4B】本発明の原理によるパワーヘッドのタッチスクリーンディスプレイ用の一連の例示的インターフェース画面を示す。
【図4C】本発明の原理によるパワーヘッドのタッチスクリーンディスプレイ用の一連の例示的インターフェース画面を示す。
【図4D】本発明の原理によるパワーヘッドのタッチスクリーンディスプレイ用の一連の例示的インターフェース画面を示す。
【図4E】本発明の原理によるパワーヘッドのタッチスクリーンディスプレイ用の一連の例示的インターフェース画面を示す。
【図4F】本発明の原理による注入器パワーヘッドディスプレイ用の回転装着台を示す。
【図5】本発明の原理によりチューブ色とディスプレイアイコン及び色をお互いに相関させる二重ヘッドシステム用の例示的パワーヘッドディスプレイ画面を示す。
【図6】本発明の原理によりチューブ色とディスプレイアイコン及び色をお互いに相関させる二重ヘッドシステム用の例示的パワーヘッドディスプレイ画面を示す。
【図7】本発明の原理による遠隔制御パワーヘッドを示す。
【図8】本発明の原理により二重注入器ヘッドシステムを患者に接続する例示的Vチューブを示す。
【図9】図8のチューブ用の例示的端継手を示す。
【図10A】図8のチューブの例示的断面を示す。
【図10B】図8のチューブの例示的断面を示す。
【図11】二重ヘッド注入器システムを用いて開通チェックを実行する例示的方法のフローチャートを示す。
【図12】注入器システムを用いてテスト注入を実行する例示的方法のフローチャートを示す。
【図13】テスト注入方法を実行するのに使用される二重ヘッド注入システム用の例示的ディスプレイ画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1Aを参照すると、本発明による注入器20は、パワーヘッド22、コンソール24、電源パック26のような種々の機能部品を含む。シリンジ36aと36bは、パワーヘッド22のフェースプレート28aと28bにある注入器20に装着されている。シリンジに例えばCT、血管造影、又は他の手順用の造影剤を充填するのに、種々の注入制御が使用され使用され、この造影剤はオペレータ又は予めプログラムされた制御により対象に注入される。
【0027】
注入器パワーヘッド22は、シリンジ36aと36bに連結された内部駆動モータの駆動を制御するのに使用する手動ノブ29aと29bと、オペレータに注入器の現状と運転パラメータを表示するディスプレイ30とを有する。コンソール24はタッチスクリーンディスプレイ32を有し、該タッチスクリーンディスプレイ32は、注入器20の動作を遠隔制御するためにオペレータにより使用され、注入器20による自動注入用のプログラムを指定し記憶するのに使用される。プログラムはオペレータが開始すると自動的に実行される。
【0028】
パワーヘッド22とコンソール24はケーブル(不図示)におり電源パックに接続されている。電源パック26は、注入器用の電源、コンソール24とパワーヘッド22の間の通信用のインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔ハンド又はフットコントロールスイッチ、又は例えば注入器20の動作を画像形成システムのX線露出と同期させる相手先商標製品製造者(OEM)の遠隔制御接続を有する。
【0029】
パワーヘッド22は車輪付スタンド35に搭載され、該スタンド35は、診察対象の近傍にパワーヘッド22を容易に位置決めするためにパワーヘッド22を支持するサポートアームを有している。コンソール24と電源パック26は診察室のテーブルに設置してもよいし、電子ラックに搭載してもよい。しかしながら、他の設置方法も意図されている。例えば、パワーヘッド22は天井、床、又は壁に装着されたサポートアームに支持してもよい。
【0030】
図1Bを参照すると、パワーヘッド22の詳細を見ることができる。図1Bには、これらの2つのシリンジと関連して使用される注入ステップのプロトコルはもちろん、2つのシリンジ及びそれらの状態を示す特別なコンテンツをタッチスクリーンディスプレイ30に見ることができる。
【0031】
ここで説明するパワーヘッド22は二重ヘッド注入器であるが、本発明の実施形態は単一ヘッド注入器も同様に明示的に企図している。
【0032】
図2を参照すると、光学センサ262は、注入器パワーヘッドハウジング30内の内部回路基板の一つに含まれ、窓263又は他の開口の近傍に配置されることで、周辺光レベルを検出することができる。このような光学センサ262は典型的には、検出された光レベルを電圧又は電流信号に変換するアナログ装置である。アナログデジタル変換器(ADC)を介して変換された後、この信号はマイクロプロセッサによりディスプレイの輝度レベルを増加又減少するのに使用することができる。検出された光レベルをディスプレイ輝度設定と相関させる制御アルゴリズムは様々な方法で選択してもよい。例えば、輝度と検出光レベルは線形的に相関してもよい。しかしながら、光学センサ262が非線形検出曲線を有する場合には、適切な相関式を使用して輝度レベルを変更することができる。さらに、輝度変化は、限定された数の所定の段階で生じ、又は代案として、輝度の設定の線形連続スペクトルをカバー(cover)している。したがって、当業者は本発明の範囲内で、周辺光状態に基づいて自動注入器ディスプレイの輝度を調整する様々な機能的に均等な方法があることを認めるであろう。
【0033】
輝度を調整する方法はディスプレイのタイプより変化する。例えば、パワーヘッドのLED‘s270の輝度はLEDを駆動する信号のデューティサイクルを調整することで調整される。これに対し、LCD駆動回路268は、その輝度設定を制御するのに、パルス幅変調信号又はDC電圧レベルを使用する。したがって、強度制御回路264,266は制御されるディスプレイ(例えば268,270)のタイプにより異なる。
【0034】
パワーヘッド30又はコンソール32のいずれかのディスプレイを制御する例示的なアルゴリズムは図3のフローチャートに記載されている。センサ及び制御回路は実際に伝統的であるが、適切な制御信号を発生するのに様々な機能的に均等な回路を使用することができることを認めるであろう。ステップ302では、センサは注入器設備が使用される環境の周辺光を検出するのに使用される。ステップ304では、この検出レベルはディスプレイ用に設定する輝度に変換される。この変換プロセスは、簡単なアナログデジタル回路を含み、又はアクセス可能なメモリを備えたマイクロプロセッサを使用し、検出レベルをメモリに記憶された設定によるディスプレイ輝度に相関させるようにしてもよい。変換プロセスは、オペレータ入力上書き挙動(operatorinputting override default behavior)を利用してもよいし、又はオペレータ入力を考慮することなく自動的に行ってもよい。最後に、ステップ306で、ディスプレイハードウェアは輝度設定に従って制御される。特殊なディスプレイのLEDは、輝度設定に従って作動させるそれ自身の制御回路を有していてもよい。また、LCDスクリーン又は他のディスプレイは、それを適切に作動させるそれ自身の分離した制御回路を有していてもよい。
【0035】
従来の注入器用のパワーヘッドは、注入器システムのコンソールに比べて、制限された量の機能を実行するのに十分なだけの制御を含んでいた。パワーヘッドの制御は、典型的には、シリンジラムを移動し、注入プロトコルを可能にし、開始し、不能にすることに制限されていた。注入中にパワーヘッドにより表示される情報は、事実上制限されていた。これに対し、コンソールは大きなディスプレイと追加機能を提供する多くの制御とを有する。プロトコルの選択、入力、注入とシリンジパラメータの保存と編集、患者の造影剤容量、注入履歴、注入段階情報と遅延、シリンジパラメータ、インターフェース情報、インストラクションとヘルプ画面等は全て、典型的にはパワーヘッドでなくコンソールを通して提供される機能である。
【0036】
従来の注入器システムと対照的に、前に説明したが、本発明の実施形態は、コンソールを必要としないパワーヘッドを含む。パワーヘッドの画面を通して、オペレータは注入シーケンスに必要な全てを制御することができる。このようなシステムの一つの利点として、コンソールの無い注入器の先行投資額は減少される。多くの良好な情報、ヘルプ画面、その他の機能を表示するパワーヘッドのディスプレイの能力により、オペレータは効率良く操作することができ、またタッチスクリーンを介してパワーヘッドを操作する方法をより早く学ぶことができる。配線されたスイッチやボタンであるパワーヘッド上の制御機器の代わりに、ディスプレイは、容易に再設定可能でより強固なユーザインターフェースを与えるタッチスクリーンとすることができる。
【0037】
図4A−4Fを参照すると、注入器プロトコルがオペレータの視点から記載されている。しかしながら、従来の注入器システムとは違って、これらの図に関して記載されているインターフェーススクリーンは、パワーヘッドにタッチスクリーンディスプレイ30が設けられている。メイン動作画面は図4Aに図示されている。ボックス200は、パワーヘッドの肖像表現201を連想させるが、Aシリンジの造影剤の現在容量を明らかにしている。ボックス202は、パワーヘッドの肖像表現203を連想させるが、Bシリンジの造影剤の現在容量を明らかにしている。ボックス204は、オペレータにより予め選択されたその手順の圧力制限を明らかにし、ボックス206は、オペレータが注入を開始する時(手動スイッチ、コンソール上のキー、パワーヘッド上のボタン)から、対象のX線又は磁気スキャンが開始するまでの遅延(この遅延の終わりに、パワーヘッド内のマイクロプロセッサは、スキャンを開始すべきであること、代案として、スキャンはスキャナと注入器の間の適切な電気接続により自動的に開始することができることをオペレータに示す音を生成する)であるスキャン遅延(秒)を明らかにしている。ボックス207は、前述したようにオペレータが注入を開始する時から、プロトコルにより明らかにされた注入が開始されるまでの遅延である注入遅延(秒)を明らかにし、これにより、スキャナのための時間を造影剤が流れる前に開始することができる。図示された状況では、シリンジAは158mlの流体を収容し、その73mlは現在選択されたプロトコルで使用される。シリンジBは158mlの流体を収容し、その83mlは現在選択されたプロトコルで使用される。圧力制限は20psiで、スキャン遅延又は注入遅延がない。
【0038】
図4Aに示すディスプレイでは、ボタン208はディスプレイの向きを換えるのに使用されてもよい。特に、図4Bに示すように、このボタンを押すことにより、ディスプレイは画面上で逆になり、多数の可能な方位での使用が促進される。
【0039】
図4Aに示すように、プロトコルは多数の段階(phase)からなり、各段階の間、注入器は予めプログラムされた流量を呈示し、予めプログラムされた総流体容量を出力する。例示されたプロトコルは2段階のみを有する。しかし、オペレータにより選択されることができる他のプロトコルは、多数の段階を有する。ユーザは、ディスプレイ30のタッチボタンを押すことにより、ディスプレイ画面を通して、プロトコルを選択し、注入を可能にし、さもなければ操縦することができる。
【0040】
ディスプレイの領域212は現在プロトコルの段階の流量を明示し、領域214はこれらそれぞれの段階の容量を明示している。ユーザはこれらの領域のいずれかを押すことにより、これらのパラメータを変更し、これにより図4Cに示すように、プロトコルパラメータ入力画面に移動してもよい。この画面では、ユーザは、現在プロトコルの流量、容量、注入及びスキャン遅延値を、画面に表示されたこれらの値の各々を押して図216に示すスライドバーコントロールを移動することにより、変更し記憶することができる。
【0041】
図4Aから、オペレータは、シリンジ201又は203の肖像表示を押すことにより、手動制御ディスプレイを入力してもよい。図4Dに示す手動制御ディスプレイでは、オペレータは手動でプランジャーの移動を制御してもよい。この画面では、図4Aのボックス200の選択されたシリンジの肖像表示は、充填―排出ディスプレイ220に置き換えられている。この充填―排出ディスプレイ220を押すことにより、選択されたシリンジのモータドライブは前進又は後退し、シリンジに流体を充填し又はシリンジから流体を排出するようにしてもよい。
【0042】
いま図4Eを参照すると、記憶された注入プロトコルのディスプレイは、記載することができる。図4Cのメモリボタンにより、図4Eに示すプロトコルメモリディスプレイが見られ、ここでプロトコルを記憶し検索することができる。しかし、プロトコルメモリは、当業者に公知である。従来のプロトコルの表示に関する一つの困難性は、多数のプロトコルの説明を表示するのに利用可能なスペースが制限されていることである。例えば、図4Eに示すように、8つだけのプロトコルがディスプレイに適切に表現され、各々は左欄のカスタマイズされた名称のボタン222と、右欄に表示されたパラメータと関連している。この困難性を克服するために、本発明の原理によると、5つのグラフィカル「タブ」224がディスプレイに設けられている。各タブは8つのプロトコル記憶位置222の異なる組みと関連し、オペレータは迅速にタブ224を押すことによりタブ間を迅速に移動できる。このようにして、40のプロトコルを記憶し、迅速に検索することができる一方、画面に各プロトコルに関する十分な情報を提供し続けることができる。タブ224は、番号を附してもよいし、プロトコルについて使用されているユーザ設定可能な名称を有していてもよい。これにより、例えば一つのタブは、幾人かの技術者や医者が使用したプロトコルを含めてもよい。
【0043】
例示的なパワーヘッドのインターフェースの前記記述は、多数の特殊な機能を明らかにしている。しかし、本発明の原理は様々な他のタッチスクリーン機能に適用し、提供することができる。実際に、タッチスクリーンは、インターフェースに十分なフレキシビリティを与えている。本発明のある実施形態は、パワーヘッドに完全なインターフェースを提供することを企図している。これにより、コンソールは自動注入システムにもはや必要とされない。
【0044】
米国特許第5868710号公報は、本願の承継人にも共通して譲渡され、参照することでその全体をここに組み入れる。この特許は、注入器パワーヘッドのディスプレイ画面を開示している。この画面は、自動的にパワーヘッドの方位を検出し、それに従ってディスプレイ画面の出力を動かし、これによりオペレータが容易に読み取れるようにする。本発明の実施形態は、前述したように、増大したディスプレイ画面の機能を有利に含む。
【0045】
図4Fを参照すると、本発明の原理と一致するさらなる実施形態において、ディスプレイ画面30は、旋回装着台238によりパワーヘッド22に装着されてもよい。これにより、画面30は、注入器パワーヘッド22の面と面一に配置され、または矢印240で示すようにパワーヘッド22の表面から傾斜し、あるいはオプションとして、矢印242で示すように装着台238の回りに旋回することができる。これにより、スクリーン30を適切に配置し、任意の数の種々の可能な注入器及びオペレータの位置に対して注入器パワーヘッド22の制御と動作を可能にする。
【0046】
図4Fに示すようなディスプレイの現在方位は、ディスプレイが注入器ヘッドに対して旋回する際にディスプレイを適切に合わせるために、注入器内の組み込まれたセンサによって検出される。このような機能は前述した米国特許に記載されているような傾斜センサとともに使用して、適切な初期画面ディスプレイ方位を高価(rich)なインターフェースに選択させてもよい。さらに、画面ディスプレイ方位は注入シーケンスにおける注入器の現在状態に応じるようにしてもよい。例えば、ある方位は図4Dに示すような手動制御モードにあるとき(注入器が典型的には充填のために上方に傾斜している)に使用してもよいし、第2の方位は図4Aに示すような注入プロトコルを実行するとき(注入器が典型的には注入のために下方に傾斜している)に使用してもよい。
【0047】
注入ステップ及び/又は注入器の傾斜角度に応じて注入器パワーヘッドディスプレイを形成する他の可能性があることが認識される。例えば、実際の注入シーケンス中に、注入器が着装され、下方に傾斜され、注入が可能になったときには、注入器を使用する技術者は注入器パワーヘッドから遠く離れた制御室にいる。このような状況では、下方に傾斜した注入器に方位を合わせた非常に大きなフォントで、現在注入器流量、潜在的にはコード化された色とともに容量及び/又は圧力、明滅又はフラッシュ領域又はフォント、注入器状態を示すグラフィカル図像を、非常に遠くから技術者により見られる方法で表示することが有益である。これにより、技術者は、手順中に患者を見守ることができ、コンソールを見ることなく、注入器の動作に関する基本的なフィードバックを有する。
【0048】
コンソールが造影剤注入器システムに含まれているのであれば、パワーヘッドは造影剤注入器システム用の第2の制御インターフェースである。典型的にはコンソールの一部であるコンピュータ、メモリ及び実行可能なアプリケーションはコンソールの一部であり続けるし、パワーヘッドはコンソールと簡単に通信できるであろう。しかしながら、もしコンソールが造影剤注入器システムに含まれていなければ、演算及び記憶能力を所有するパワーヘッド又はいくつかの他の部品を含めて、典型的にはコンソールによって提供されていたクリアユーザインターフェース、プロトコル設定、セットアップ情報等を提供するよう構成されている多重タッチスクリーン、画面上テキストヘルプのような機能を設ける必要があるであろう。
【0049】
話題を転じると、注入器パワーヘッドは従来単一の注入ヘッドを含んでいたが、二重ヘッド注入器も優勢になってきている。典型的には、一方のシリンジは塩水を供給するのに使用され、他方は造影剤(他の流体も使用されるが)を提供するのに使用される。これらの注入器を安全、容易、迅速に使用する機能、特にパワーヘッド内の制御ソフトウェアにより自動的に実行することができるものが望ましい。
【0050】
前述したディスプレイ30を備えた二重ヘッド注入器パワーヘッド22は、図5に配管及び継手とともに概略的に描かれている。各シリンジ36a,36bは、各配管506,508に接続され、該配管は共通配管部510に接合されて、継手512(例えばルアーフィッティング)で終わり、前記継手は患者に流体を供給するカテーテルに結合される。
【0051】
配管506,508は、当該配管内の内容物を示す色が着けられてもよいし、透明であってもよい。いずれの場合にも、ディスプレイ30は各シリンジ36a,36bにより供給される流体を示すオペレータ用のグラフィカル情報を含む。例示的なディスプレイが図6に示され、該ディスプレイはディスプレイスクリーン30の一部であってもよい。シリンジ602と配管606の一つのグラフィカル画像が左側に設けられ、シリンジ604と配管608のグラフィカル画像は右側に設けられている。図示するように、それぞれの流体610,612は、各シリンジ602、604に示されている。特に、注入プロトコルが進行するにつれ、ディスプレイ600は流体レベル変化を反映し、またどの流体が患者に供給されているかを反映するように変化する(図6の609部分)。
【0052】
どのシリンジから何の流体が供給されているかをオペレータが認識するのを補助するために、ディスプレイ600は各シリンジ及び配管の内容物を色分けして流体を識別している。例えば、ディスプレイ600上で透明な色は、空気がシリンジ及び配管にあることを示すようにしてもよい。ディスプレイ600上で流体を「赤」に色づけすることは、造影剤がシリンジにあることを示し、他の色(例えば青)は塩水の存在を示すようにしてもよい。
【0053】
このような色分けディスプレイは、単ヘッド注入器において、異なる自動機能の状態を示すのに使用することもできる。例えば、カラー情報を含むこの種のグラフィカルディスプレイによりオペレータはシリンジが空気で一杯であるか否か、空シリンジ及び配管がいつ適切に充填されパージされたか、又は予め充填されたシリンジがいつ適切にパージされたかを容易にかつ迅速に決定することができる。
【0054】
二重ヘッド注入器は典型的には、2つのヘッド上での塩水と造影剤の位置の事前選択を必要としている、例えば、注入器のディスプレイと一致するように、塩水を含むシリンジは注入器の第1側に取り付けるよう要求され、造影剤を含むシリンジは注入器の第2側に取り付けるよう要求される。本発明のある局面は、注入器上にあるディスプレイが注入器の流体タイプの任意の組合せと一致するように注入器の形態を許容することである。特に、本発明による注入器は、オペレータに、注入器のA側とB側で流体のタイプを規定させ、色分けをさせることができる。これにより、オペレータは、2つの任意に選択されたタイプの流体、又は同じタイプの流体を収容するシリンジを備えた注入器を使用し、これに応じて選択されたアプリケーションとマッチするように注入器及びそのディスプレイを構成してもよい。任意に選択された流体のタイプは、任意に選択されたシリンジサイズとともに使用してもよい。これにより、オペレータは、注入器からの混乱し矛盾したディスプレイに従うことなく、オペレータの裁量で、シリンジのサイズと流体のタイプに対していずれのシリンジ位置をも使用することができる。交互に色分けされた配管セットを設けて、選択された注入器ディスプレイと一致さてもよい。
【0055】
図5の二重ヘッドパワーヘッドでは、2つの異なる流体配管が注入器パワーヘッド503に結合されているが、典型的には患者に単一の流体流入点がある。したがって、2つの流体は結局はシリンジと患者の間で合流する。過去において、Y配管がよく使用され、別個の配管がシリンジの比較的近傍で合流し、これにより単一の流体配管が配管の大部分に存在していた。圧力注入中、シリンジの固有の弾性により非駆動シリンジへの逆流が生じる。普通のY配管に予防措置がとられない限り、150psiを生じる典型的な注入により約5mlの駆動シリンジの内容物が非駆動側に押し込まれ、汚染が生じる。過去において、これを防止するために逆止弁が使用されてきたが、このような解決手段はそれ自身の問題を導入する。
【0056】
また、Y配管は2つの異なる流体を供給する間に遅れがある。換言すれば、Y配管の共有部の全容量は、第2流体が患者に供給される前に第1流体を洗浄しなければならない。この問題に取り組む方法が存在するが、これらの方法は、追加の動作とオペレータによる入力が必要であり、これらは注入ルーチンを複雑化し、引き延ばす。
【0057】
図8は、V−配管装置を示し、ここでは2つの配管の間の接合が患者端に比較的近接している。2つのシリンジ802,804は、2つの異なる流体を患者に供給するのに使用される。シリンジ804は配管806の初期部分と結合され、シリンジ802は配管810の離れた部分と結合されている。配管806,810のこれらの部分は外面的に結合しているが、共通部分の配管811を通る別個の流路を保持している。配管811は一方の流体を供給する継手812を備えた患者端で終了している。
【0058】
例示的な継手の断面が図9に示されている。配管811は別個の部分902,904に分離され、両者は継手812に結合されている。特に、部分902,904は、中央空間816に結合され、これにより配管部分902,904を通る導かれる流体は空間816に供給される。空間816から、流体は継手812から開口814を通って排出される。
【0059】
配管811が外面的に単一の流体管であるように見えていても、本発明の原理は、配管811が実質的に継手811に達するまで、別個の流路を維持している。図10は、配管811を実施するのに子湯することができる例示的な断面を示す。断面1002は垂直壁によって分離された2つの通路を備え、事実上ほぼ円形である。断面1004は共通側面に沿って取り付けられた2つの円形管に似ている。各断面は同時押出しプラスチックから形成され、又は類似の手段で形成されてもよく、配管の意図された内容物の確認を助けるために色分けすることができる。
【0060】
前述したように、典型的な自動注入器システムは、シリンジプランジャの圧縮とシリンジバレルの膨張による固有の弾性を有する。プランジャの形状とサイズは、この弾性量にも影響する。本発明のある実施形態によると、パワーヘッドの非駆動側は、流体が弾性により非駆動側の配管に移動するのを防止するのに十分な変位だけ駆動される。非駆動シリンジからドライブへの流体の量は、使用中のシリンジのタイプと駆動側で使用された圧力の関数である。閉ループアプローチでは、弾性により流体が非駆動側に流れるのを防止するために、非駆動側の圧力及び/又は流量を使用して、非駆動側でラムの閉ループ制御を
実行する。開ループアプローチでは、典型的には弾性の測定値は、駆動側の圧力に基づいて適切な量を駆動するのに使用してもよい。例えば、本願の譲受人により販売されている平坦なプランジャー面を有する125mlシリンジが50PSIで駆動されるとき、弾性による流体の移動を補償するために、非駆動側は約1.72mlで駆動されるべきである。このシリンジを用いると、100PSIで駆動量は2.28ml、150PSIで3.45ml、200PSIで4,32ml、250PSIで5.37ml、300PSIで6,78mlである。他のシリンジは種々の圧力で他の特性値を有するであろう。開/閉ループアプローチの組合せでは、注入の開始に基づいて非駆動側に適用される初期移動は、測定された典型的な値から得られ、その後閉ループ制御が開始されて、駆動側と非駆動側の平衡圧力、及び/又は非駆動側のゼロ流量を維持されてもよい。
【0061】
以前の造影剤用の注入器パワーヘッドは、伝送シリンジラムを前後に自動的に移動指せる機構を含んでいた。これらの機構はレバー、膜キーパッド、プッシュボタン、トグルスイッチ、磁石及びホール効果センサなどを含んでいた。このような場合、これらの機構は注入器のパワーヘッドの一部であった。
【0062】
本発明の実施形態は、遠隔制御パワーヘッドに関し、そこではシリンジラムの移動を有効にする制御手段はパワーヘッドから離れて位置する。このような遠隔制御は、オペレータにある注入器動作及びプロトコル中の場所のフレキシビリティを許容する。
【0063】
図7は、オペレータの点に適したサイズのある簡単な遠隔制御装置710を示す。遠隔子得魚装置は送信器712から信号を発し、該信号はパワーヘッドの受信器708で受信される。パワーヘッド内で、信号はモータ制御回路702で使用するために変換され、モータドライブ704を介してシリンジラム706の移動を有効にする。モータドライブ704とシリンジラム706は、ローカルコ制御装置からの入力を受信することに加えて受信器708からの入力も考慮されることを除いて、従来のパワーヘッドと同様に動作する。例示的な遠隔制御装置710は2つのボタン714,716を含む。一つのボタン714はラム706をシリンジの前に向かって延び、他のボタン716はシリンジの前からラム706を後退させる。この特殊な遠隔制御装置710はそのサイズとボタンの配置により、片手運転を許容する。
【0064】
当業者は、このような遠隔制御装置710は本発明の範囲から逸脱することなく、種々の機能を含むことができ、様々な物理的形態因子を有し、様々なカスのボタンやノブを有することができることを認めるであろう。例えば、ポテンシオメータ(線形又は回転)は固定速度でラム移動を遠隔制御するのに使用してもよい。代案として、ラム移動を制御することができるが、供給された圧力に基づいてその速度を変更する圧力感知スイッチを利用してもよい。
【0065】
遠隔制御装置とパワーヘッドが通信する周波数は、本発明の重要な拘束ではないが、例示的な通信モードとして、明示的にUHF、VHF、RF、赤外線、超音波等を企図している。遠隔制御装置はパワーヘッドの近傍から離れている傾向があるため、パワーヘッドから遠隔制御装置制限する物理的ロープ(tether)720を設けてもよい。したがって、このロープは、遠隔制御装置が無線装置ではなく物理的ケーブルでパワーヘッドに連結されているような実施形態では、通信経路として動作してもよい。
【0066】
自動注入器を利用する種々の手順中に、コントラスト物質又は造影剤は患者の静脈を方位する組織に意図せずに注入されることがある。これは一般に管外遊出と言われ、危険であると考えられている。これは、カテーテルを挿入し、静脈を介して周辺の組織に突き刺し、静脈の壁に孔をあける流量で注入する間に、オペレータが患者の静脈を全く見つけられないことにより生じる。
【0067】
これらは、管外遊出を検出し又は防止するためにオペレータによって使用される共通の技術であるが、必ずしも100%有効ではない。二重ヘッド注入器を使用するとき、一つの共通の技術は、まず塩水を患者の静脈に注入する一方、皮膚の膨れを観察することによって開通性チェックを実行することである。これは手動で、又は記憶プロトコルの一部として行ってもよい。ある場合に有効であるが、塩水は、注入プロトコルを適切にシュミレートとする流量と容量で注入されなくてもよい。このように、実際の造影剤注入は、塩水注入が無くても、管外遊出する。
【0068】
本発明の実施形態は、二重ヘッド自動注入器に関し、それはそのソフトウェアに、開通性テストの塩水注入テスト部分の間、ユーザが最適流量と容量を選択するのを助ける1又は複数のルーチンを含む。開通性テストインターフェース画面は、オペレータに選択されたプロトコルに基づく流量及び/又は容量の値を提案し、それは後に続くものと実質的に同じ造影剤注入であるシミュレーションを提供する。この追加の機能はパワーヘッド又はコンソール上の分離離れた専用ディスプレイを介して含めても良いし、一般インターフェース画面を介してオペレータに呈示する多くのメニュー画面の一つであってもよい。また、ソフトウェアは流量と容量を自動的に設定してもよいし、又は提案された値を見た後でユーザに設定、修正させてもよい。プロトコルが可能にされ又は手動パージが完了するまで開通性チェックが実行されないようなある保護手段を含めてもよい。さらに、開通性チェックは、該開通性チェックを進める前に利用可能な塩水が十分に残っていることの保証を含めてもよい。
【0069】
一般に、本発明の原理は、図11のフローチャートに記載された例示的アルゴリズムに従って実施することができる。ステップ1102では、注入プロトコルが選択され可能にされる。しかし、プロトコルが実行される前に、オペレータは開通性チェックを実行し、開通性チェックを起動する(ステップ1108)ことを望むかもしれない。例示的な実施形態では、ユーザは所定時間塩水シリンジ用の排出ボタンを押して保持することにより、開通性チェックを実行することを望むが、多くの他のインターフェース方法論をユーザに開通性チェックを開始させるのに使用してもよい。フローチャートに示すように、ここで説明する特定の方法論は、オペレータが閾値時間以上ボタンを押すことを要求し、これによりステップ1108で、開通性チェックが意図せずに開始されたり、ボタンが早く解放されたり、開通性チェックが実行されないが再開始されることを保証する。
【0070】
記載された実施形態では、ソフトウェアは、ステップ1110で光学チェックを実行し、適切な流体が流出して開通性チェックと選択されたプロトコルを実行するか否かを決定する。適切な流体がなければ、プロセスは停止する。しかしながら、十分な流体があれば、開通性チェックはステップ1112で実行される。
【0071】
選択されたプロトコルに基づいて、オペレータは開通性チェックを設定するインターフェースオプションを呈示される。これらのオプションは既存のプロトコルから、又はユーザによる設定からくる。ステップ1114で見られるように、開通性チェック用の容量は工場デフォルト値、又は以前の開通性チェックで使用された履歴容量から派生する。ステップ116で示すように、ユーザは望むなら、容量を変更する機会を有する。そうであれば、容量値はステップ118で変更される。ステップ1120で見られるように、流量は開通性チェックのために選択される。サイドこれはプロトコル、デフォルト値、履歴データに依存することができる。記載された実施形態では、デフォルト流量は注入器の「A」側と「B」側で最大流量となるように選択される。これにより、開通性チェックは要求される最大流量で管外遊出がないことを保証する。ここで再度述べるが、ユーザはステップ1122で開通性チェック誘導を変更するオプションを提供される。もし望まれるなら、ユーザは素閲婦1124で、「A」側流量又は最大「A」側流量、又は「B」側流量又は最大「B」側流量を選択してもよい。
【0072】
ユーザが開通性チェック設定を呈示されると(例えば、ステップ1110の後直ちに表示される設定画面で)、ユーザはステップ1112で開通性チェックを実行してもよい。管外遊出(extravasation)が明らかでないと仮定すると、オペレータは典型的にはステップ1102でプロトコルを可能にすることを進める。この時点で、注入器はステップ1104でオペレータからの「開始」指示を待つ。そのとき、プロトコルはステップ1106で実行される。開通性チェック中に管外遊出が見られると、これは治療され、他の開通性チェックが実行される。
【0073】
図12を参照すると、テスト注入方法が記載されている。テスト注入を実行するために、ステップ1201でオペレータは、注入プロトコルを構成するときに、図6に示すプロトコル設定画面の「テスト注入」キーを押すことにより、テスト注入を選択する。テスト注入が選択されると、テスト注入/プロトコル設定スクリーンが図13に示すように表示される。この画面では、図6に示すように表示される注入プロトコルパラメータに加えて、テスト注入パラメータが領域1302で表示される。これらのパラメータは、テスト注入の流量及び総容量を識別するパラメータを含む。
【0074】
図12に示すように、テスト注入の流量と容量の値は、ユーザにより既に設定された記憶情報とプロトコルパラメータを使用して生成される。特に、1208で示すように、工場デフォルト値(例えば10ml)はテスト注入の容量として初期に使用されてもよいし、又は以前のテスト注入で使用された容量が使用されてもよい。生成された容量設定は、デフォルト値であるが、変更することができる。図13に示すように、テスト注入の流量及び容量設定はスクリーン上にボタンで示され、該ボタンはタッチして図6に示すようなスライドバー、又は他のグラフィカルコントロールでの調整を可能にする。これにより、図12のステップ1210で、ユーザは容量設定を変更する動作を行い、ステップ1212で所望の変更を行い、テスト注入の最終容量設定を発生する。
【0075】
同様に、ステップ1214では、初期流量と既にプログラムされたプロトコルで使用される側(「A」又は「B」)とに基づいて、デフォルト流量がテスト注入用に生成される。これらの値はデフォルト値であり、前述したように、ステップ1216でユーザはステップ1218で流量を変更する行動を取ってもよい。デフォルト値を変更するか受け入れた後、流量設定は決定される。
【0076】
前記調整に加えて、ユーザは、テスト注入が選択されないときに、図6のインターフェースで行ったように、グラフィカルディスプレイ上の「側」欄のボタンをタッチすることにより、使用するヘッドを変更してもよい。
【0077】
最初に、テスト注入は、注入器の一方側、例えば「A」側、又は造影剤を運ぶように特定された側からの注入のみを含めてもよい。しかしながら、テスト注入は両側を使用してもよい、例えば、塩水フラッシュの後に造影剤のボーラスを注入し、塩水流体により包囲された造影剤の「ポケット」を生成するようにしてもよい。あるいは、テスト注入はオペレータの裁量で、造影剤のみで行ってもよい。両側が使用されるか否かは、両側が次のプロトコルで使用されるか否か、及び/又は種々のデフォルトパラメータに基づいて、決定してもよい。注入器は、現在のプロトコル又は以前のテスト注入から容量及び/又は流量wo引き出す方法はもちろん、注入ヘッドのデフォルト使用を確認するために、デフォルト設定画面を含めてもよく、これによりオペレータは注入器の挙動を構成することができる。
【0078】
テスト注入のパラメータが前述した方法で設定された後、ステップ1220において、注入器はオプションのステップでこれらのパラメータを評価し、テスト注入とその後のプロトコルの両方を実行するのに十分な容量があるか否かを決定する。十分な容量がなければ、ステップ122で、例えば不十分な容量の流体がある注入の一部を赤色若しくは明滅色、又はその両方で示すことで、オペレータは不十分性を警告される。この警告は、特にテスト注入又は半完全状態の注入の後で、オペレータが画像室に戻り、シリンジを再充填し、空気を除去しなければならず、造影剤と再仕事の実質時間を潜在的に浪費する状況を回避するのに、有益である。不十分な容量の環境では、注入器はテスト注入を妨げ、オペレータは、所定の臨床設定に適するように、警告を無効にすることができる。注入器の応答は、不十分な造影剤(画像に逆効果を有する可能性がある)、又は不十分な塩水(そのような効果を有する可能性が少ない)があるか否か、に基づいて異なっていてもよい。
【0079】
オプションのステップ1220を通過した後、(以前に可能になっていなければ)ユーザは図13に示す可能キー1304を押すことにより、注入器を可能にしてもよい。これにより、図12に示すステップ1224に移行する。この時点では、ステップ1224でスタートボタンを押すことで、テスト注入がオペレータにより開始される。スタートボタンが押されると、ステップ1226で、図13に示す設定画面で述べたように、テスト注入ステップが実行される。その後、オペレータはテスト注入を評価し、例えば、設定流量及び/又は注入時間からスキャナに造影剤が現れるまでのスキャン遅延で達成される画像の品質を評価し、ステップ1228で、それに応じて注入プロトコルの注入パラメータを調整してもよい。テスト注入中に圧力制限にかかると、注入器は無効(disable)となり、圧力制限にかかったことの警告が与えられ、これにより、プロトコルの実行に先だって注入を再可能にする前に、オペレータはステップ1228で修正することにかきたてられる。その後、ユーザはステップ1230でスタートボタンを押して、注入器にステップ1232で注入プロトコルを実行させる。
【0080】
テスト注入の使用は、造影剤が画像形成される患者の身体の特定の部位に達する時間を確認することであることが認識されるであろう。これにより、例えば、技術者は注入開始してからスキャンがいつ開始されるかを規定するスキャン遅延時間を設定することができる。技術者によるこの動作を促進するために、本発明の原理による注入器は、正確なスキャン遅延計算を保証する注入機能とともに作動する多数の構成を含んでいてもよい。
【0081】
第1に、注入器は、(a)使用されるスキャナの再構成時間、及び(b)注入開始から観測時間遅延から、スキャナディスプレイ上に造影剤が現れるまでのスキャン時間遅延を計算するのに使用可能である。スキャナの再構成時間は、正確なスキャン遅延時間を確認するために、観察時間から減じなければならない。なぜなら、スキャナ上の造影剤の観察は再構成遅延により、造影剤が実際にスクリーン上に見られる位置に達した後であるからである。このように、正確なスキャン遅延の決定を促進するために、注入器は観察時間差とスキャナ再構成時間の差の計算を促進してもよい。この差を計算するように構成された注入器は、例えば、注入の開始と、スキャナディスプレイ上に造影剤が観察されたことの技術者の入力との間の経過時間を測定することにより、注入の開始と造影剤の観察との間の遅延時間を測定することを助けるように構成してもよい。
【0082】
第2に、注入器は、注入器に接続されたY又はV配管の状態を所定の状態に戻す機能を含めることで、注入動作の繰反し性を助けてもよい。例えば、注入前の所望の初期状態は注入サイトへの配管が塩水で満たされていることである。この初期状態は、注入サイトへの造影剤の初期流れが塩水を配管の外へ造影剤を配管にフラッシュする時間に応じて数秒だけ遅延するので、注入で達成されるタイミングの潜在的に重要な部分である。代案として、注入前の初期状態は、配管が造影剤で満たされ、配管のいくつかの部分が塩水を有し、ある部分が造影剤を有する状態である。これらの初期状態は、注入の開始のタイミングにおいて、異なる挙動を有する。
【0083】
本発明の原理に係る注入器は、注入器の設定、及び/又はオペレータの好みに応じて、造影剤、生理食塩水、又はこれらの2つの予め定められたあらゆる組み合わせを、Y又はV管系の主単一ライン部に予め充填するという特徴を含んでもよい。この特徴を実行するためには、注入器は使用される特定の管系、単一の管に接続後の管系の体積、及び所望の初期条件に関する情報を注入器が格納することになろう。主単一ライン部の容量が10ml以下であれば、所望の流体によるこの部分の初期充填は、注入開始前の最終段階としての10mlの所望の流体の押込により確実になされる。
【0084】
この初期条件機能を実行する注入器は、所望の通り注入器を所望の初期条件に戻すために、そのように生理食塩水や造影剤の単一の押し込みによる図12で述べたような試験注入に従ってもよい。つまり、例えば、試験注入が造影剤注入の最終段階を含み、かつ所望の初期条件が初期条件が生理食塩水で単一主ラインを灌流するものであれば、試験注入後に、注入器は自動的に生理食塩水を押し込んで単一主ラインを灌流し、所望の初期状態に戻る。試験注入が生理食塩水注入である最終段階を有し、所望の初期条件が単一主ラインに造影剤を充填する場合には、監視作業を実行できる。
【0085】
注入の所望の初期状態は、パラメータであってもよいし、要求されたプロトコルの性質から導き出してもよいことは、さらに認識されるであろう。例えば、ある実施形態では、第1注入ステップが造影剤であれば、所望の初期状態は、塩水で満たされた主単一ラインを有することである。それで、プログラムされたプロトコルの実行前でテスト注入後における注入器の初期化はもちろん、テスト注入の初期化で進行する。
【0086】
本発明は種々の実施形態の記載によって説明し、これらの実施形態はかなり詳細に説明したか、添付クレームの範囲をそのような詳細に限定することは出願人の意図するところではない。追加の利点及び修正は、当業者に明らかである。したがって、広い局面における本発明は特定の詳細、代表的な装置及び方法、図示した例に限定されない。したがって、出願人の一般的発明概念の範囲又は精神から逸脱することなく、このような詳細からはなれていてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
オペレータのユーザインターフェイスのディスプレイと、
アンビエントライトレベルを検出するように形成されたアンビエントライトセンサと、
アンビエントライトセンサに接続されると共に、アンビエントライトレベルに基づいて上記ディスプレイのための輝度レベルを制御するように形成された制御回路と、
を備えた造影剤注入システム。
(項目2)
上記ディスプレイはパワーヘッドに設けた項目1のシステム。
(項目3)
上記ディスプレイは、コンソールに設けた項目1のシステム。
(項目4)
上記ディスプレイは、多数のディスプレイ部品を備えた項目1のシステム。
(項目5)
上記多数のディスプレイ部品は、LEDを含む項目4のシステム。
(項目6)
上記制御回路は、アンビエントライトレベルに基づいて、上記LEDへのデューティーサイクルを制御する項目5のシステム。
(項目7)
上記多数のディスプレイ部品は、LCDドライバー回路とLEDディスプレイを含む項目4のシステム。
(項目8)
上記LCDドライバー回路は、アンビエントライトレベルに基づいてLCDディスプレイを制御する信号のパルス幅を調整する項目7のシステム。
(項目9)
上記制御回路とは異なる値に輝度レベルを設定するように形成されたオーバーライド設定回路を、さらに備えた項目1のシステム。
(項目10)
造影剤注入システムが駆動している環境でアンビエントライトレベルを検出するステップと、
上記アンビエントライトレベルに基づいて、上記造影剤注入システムに於けるユーザインターフェイスディスプレイのディスプレイ要素のうち、少なくとも1つの輝度レベルを決定するステップと、
上記造影剤注入システムで、制御回路を使用する輝度レベルに基づいて、少なくとも1つのディスプレイ要素を制御するステップと、
を備えた造影剤注入システムのディスプレイを制御する方法。
(項目11)
上記ユーザインターフェイスディスプレイは、上記造影剤注入システムのパワーヘッドに設けた項目10の方法。
(項目12)
上記ユーザインターフェイスディスプレイは、上記造影剤注入システムのコンソールに設けた項目10の方法。
(項目13)
上記ユーザインターフェイスディスプレイは、多数のディスプレイ部品を備えた項目10の方法。
(項目14)
上記多数のディスプレイ部品は、LEDを含む項目13の方法。
(項目15)
上記制御回路は、上記アンビエントライトレベルに基づいて、上記LEDへの信号のデューティーサイクルを制御する項目14の方法。
(項目16)
上記多数のディスプレイ部品は、LCDドライバー回路及びLCDディスプレイを含む項目13の方法。
(項目17)
上記LCDドライバー回路は、上記アンビエントライトレベルに基づいて、上記LCDディスプレイを制御する信号のパルス幅を調整する項目16の方法。
(項目18)
流体容器及び該流体容器に流体を注入するための電動駆動部を備え、上記流体容器を介して流体の流れを制御するように形成されたパワーヘッドと、
上記パワーヘッドに一体化され、ほぼ全態様を制御するための対話型ユーザインターフェイスを設けるように形成されたタッチスクリーンディスプレイと、
を備えた造影剤注入システム。
(項目19)
上記対話型ユーザインターフェイスは、多数の入力領域を有する一例のディスプレイスクリーンを設けた項目18のシステム。
(項目20)
上記対話型ユーザインターフェイスは、コンソールの機能性を複製する項目18のシステム。
(項目21)
上記対話型ユーザインターフェイスは、コンソールの機能性のための余剰ソースを設けた項目18のシステム。
(項目22)
上記対話型ユーザインターフェイスは、プロトコルの入力、プロトコルの保存、プロトコルの編集、全患者の造影剤の容量の確認、注入データの履歴の表示、注入状態の情報表示、注入遅延情報の表示、ディスプレイの定位、設定する言語の選択のうち、1以上の機能を備えた項目18のシステム。
(項目23)
上記対話型ユーザインターフェイスは、1以上のディスプレイスクリーンのためのコンテクストヘルプ情報を備えた項目19のシステム。
(項目24)
ディスプレイスクリーンを含むパワーヘッドを備え、
上記パワーヘッドは、そこに連結された流体容器内への流体の注射器を制御するように形成され、
上記流体容器と上記流体に一致する、上記ディスプレイスクリーン内の画像要素を備え、
上記画像要素の色彩は流体の識別表示に基づいて選択される造影剤注入システム。
(項目25)
上記画像要素の色彩は、上記流体が塩水性である場合、黄色である項目24のシステム。
(項目26)
上記画像要素の色彩は、上記流体が造影剤である場合、紫である項目24のシステム。
(項目27)
上記画像要素の色彩は、上記流体が空気である場合、黒である項目24のシステム。
(項目28)
上記画像要素は、シリンジと連結されたチューブ内の流体のレベルを示す項目24のシステム。
(項目28)
上記パワーヘッドは、デュアルヘッドのパワーヘッドであり、上記ディスプレイスクリーン内は、そこに連結された第1シリンジのための第1画像要素と、同じく連結された第2シリンジのための第2画像要素とを含み、上記第1及び第2画像要素のそれぞれの色彩は、第1及び第2シリンジに対応する各流体に依存している項目24のシステム。
(項目29)
第1及び第2チューブが、上記第1及び第2シリンジにそれぞれ連結され、上記第1及び第2チューブは、上記第1及び第2画像要素の色彩とそれぞれほぼ同じである項目28のシステム。
(項目30)
プロセッサーと、
上記プロセッサーに連結された不揮発性記憶装置と、
連結されたディスプレイスクリーンに画像要素を表示し、該画像要素が特定流体のためのシリンジに一致し、
上記特定流体に基づいて上記ディスプレイスクリーン上の画像要素の色彩を制御するように、
上記プロセッサーを実行すべく形成された、上記不揮発性記憶装置内に格納されたアプリケーションと、
を備えた造影剤注入システム。
(項目31)
制御回路からの制御信号に従ってシリンジラムを操作するための駆動機構と、
上記制御回路の一部に配設され、上記制御回路に連結されたレシーバーと、
上記レシーバーから遠方に配設されたトランスミッターを有し、上記シリンジラムを移動させるように関連付けされた上記レシーバーに命令を無線伝送するように形成され、上記レシーバーが上記制御回路に命令を出力する遠隔制御部と、
を備えた造影剤注入システムのためのパワーヘッド。
(項目32)
上記トランスミッター及び上記レシーバーは、RF、UHF、VHF、赤外線及び超音波の信号のうちの1つを介して通信する項目31のパワーヘッド。
(項目33)
上記遠隔制御部に強固に取り付けるように形成された接続部をさらに備えた項目31のパワーヘッド。
(項目34)
上記接続部は、さらに、上記トランスミッターを上記レシーバーに接続する信号伝送媒体を含む項目33のパワーヘッド。
(項目35)
上記遠隔制御部は、
上記シリンジラムを第1方向に制御するための第1ボタンと、
上記シリンジラムを、上記第1方向とは反対の第2方向に制御するための第2ボタンとを含む項目31のパワーヘッド。
(項目36)
上記遠隔制御部は、造影剤注入システムのオペレータの片手でほぼ把持可能なサイズである項目31のパワーヘッド。
(項目37)
パワーヘッドのシリンジラムを移動させる命令を受信し、上記命令が上記パワーヘッドから遠方の場所から無線で伝送されるステップと、
上記命令に基づいて上記パワーヘッドのシリンジラムを移動させるステップと、
を備えた造影剤注入システム内に於ける方法。
(項目38)
第1シリンジと患者接続部の間を接続する、第1流体のための第1流体通路を備えた第1チューブと、
第2シリンジと患者接続部の間を接続する、第2流体のための第2流体通路を備えた第2チューブと、
上記第1チューブと第2チューブの間での流体流れを、第1又は第2流体を患者に送出するための共通通路で行うように形成された接続部と、
を備えたデュアルヘッド造影剤注入システムのためのチューブアセンブリ。
(項目39)
上記第1及び第2チューブは、第1流路と第2流路の間を分離状態に維持している間、第1及び第2シリンジと患者接続部との間を、少なくとも所定部分で接続する項目38のチューブアセンブリ。
(項目40)
上記患者接続部は、ルエール(luer)接続部を含む項目38のチューブアセンブリ。
(項目41)
上記所定部分は、内径をほぼ二等分する方法によって2つの長尺チャンバーに分離された周囲の外方チューブを含む項目39のチューブアセンブリ。
(項目42)
上記所定部分は、各チューブの外縁に一緒に接続されたほぼ同等の2つのチューブを含む項目39のチューブアセンブリ。
(項目43)
第1流体のために、第1流体容器と患者接続部との間に第1流路を備えた第1チューブを介して第1流体容器を患者接続部に連結するステップと、
第2流体のために、第2シリンジと患者接続部との間に第1流路から分離した第2流路を備えた第2チューブを介して第2流体容器を患者接続部に連結するステップと、
第1及び第2チューブの双方で流体が流れるように、共通チャンバーを介して第1流路と第2流路を患者接続部に連結するステップと、
上記患者接続部を介して患者に第1流体を送出する第1流体容器を駆動するステップと、
第1流体容器の駆動と同時に、第2流体容器を駆動して、第1流体容器の駆動によって引き起こされた圧力により第2流体の反対方向への流れを発生させるステップと、
を備えたデュアルヘッド造影剤注入システムでの方法。
(項目44)
選択された注入プロトコルを確認するステップと、
上記注入プロトコルによって決定された流体流れのための注射パラメータを決定するステップと、
上記決定された注射パラメータに基づいて、予備注入のための注射パラメータを設定するステップと、
を備えたデュアルヘッド造影剤注入システムで予備注入を行うための方法。
(項目45)
上記決定された予備注入パラメータは、送出された流体の確認、送出された流体の容量、及び、送出された流体の流速を含むグループから選択される項目44の方法。
(項目46)
塩水を収容するシリンジが、開通性検査と選択されたプロトコルを行うのに十分な塩水を有するか否かを決定するステップを、さらに備えた塩分開通性検査の実行に適した項目44の方法。
(項目47)
上記開通性検査と選択されたプロトコルを実行するのに不十分な塩水の場合、上記開通性検査の終了、又は、上記開通性検査の前の警告出力のグループから選択されたステップをさらに備えた項目46の方法。
(項目48)
ユーザインターフェイスを介してオペレータに、上記決定された注射パラメータを提供するステップと、
上記ユーザインターフェイスを介して上記オペレータからの指示を受信するステップと、
上記指示に係る開通性検査を実行するステップと、
をさらに備えた項目44の方法。
(項目49)
操作を制御するためのプロセッサーと、
上記プロセッサーに接続され、多数の注入プロトコルを記憶し、各プロトコルが注射パラメータをそれぞれ含むメモリと、
第1シリンジから液体を注入するための第1ヘッドと、
第2シリンジから液体を注入するための第2ヘッドと、
を備え、
上記プロセッサーは、注入プロトコルを実行する前に予備注入を選択的に実行するように形成され、予備注入のための流速は、上記予備注入に従って選択された特定注入プロトコルのための注射パラメータに基づいているデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目50)
上記第1シリンジは、塩水流体を収容し、上記予備注入は、開通性検査であり、上記注入システムの上記第1シリンジから塩水流体を利用する項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目51)
上記開通性検査の予備注入は、上記特定注入プロトコルの最大流速に等しい流速を利用する項目50のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目52)
上記予備注入は、テスト注射器であり、上記特定注入プロトコルによって最初に使用されるように、上記注入システムと同様なヘッドを最初に利用する項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目53)
上記テスト予備注入は、上記特定注入プロトコルの初期流速に等しい流速を利用する項目52のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目54)
上記予備注入は、上記特定注入プロトコルから分離して実行でき、上記プロセッサーは、オペレータからの指示に基づいて予備注入を選択的に実行しないように形成されている項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目55)
上記テスト注射器は、上記特定注入プロトコルを変形することなく、選択的に実行する項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目56)
上記プロセッサーは、上記予備注入と上記特定注入プロトコルの流体要件を計算し、不十分な流体のオペレータの指示を生成するように形成された項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目57)
上記第1及び第2シリンジは、共通長さのチューブによって患者の注射器部位に接続され、上記プロセッサーは、塩水、造影剤、及び、混合液のうち、予め決められた1つを、上記共通長さのチューブに充填する、上記予備注入の一部としての注射器ステップを実行するように形成された項目49のデュアルヘッド造影剤注入システム。
(項目58)
流体を注射器するシリンジを駆動するためのシリンジ駆動部を備え、シリンジを介して流体の送出を制御するように形成したパワーヘッドと、
対話型ユーザインターフェイスを備えるように形成された上記パワーヘッドのディスプレイと、
上記パワーヘッドとディスプレイスクリーンを接続し、上記ディスプレイを、上記パワーヘッドの表面と同一平面に配置可能とし、上記ディスプレイを、上記注射器の表面から伸長した位置に移動可能としたマウントと、
を備えた注入システム。
(項目59)
上記マウントは、上記ディスプレイを、上記注射器の表面から旋回可能とし、かつ、その軸を中心として回転可能とする一対の回り継ぎ手を備えた項目58の注入システム。
(項目60)
上記ディスプレイは、少なくとも2方向のうちの一方に方向付け可能である項目58の注入システム。
(項目61)
一連のステップに従って上記パワーヘッドを制御し、かつ、上記ディスプレイのための表示情報を生成するためのコントローラをさらに備え、上記コントローラは、上記一連のステップの第1ステップの間、ディスプレイを第1方向に旋回させ、上記一連のステップの第2ステップの間、第2方向に方向付けされた上記ディスプレイに表示情報を表示させる項目60の注入システム。
(項目62)
シリンジを介して流体の送出を制御するように形成され、一連のステップに従って流体の注入のためにシリンジを駆動するシリンジ駆動部を備えたパワーヘッドと、
対話型ユーザインターフェイスを備えるように形成され、少なくとも2方向のうちの1つで表示可能な上記パワーヘッドのディスプレイと、
上記一連のステップを介して上記パワーヘッドを制御し、かつ、上記ディスプレイのための表示情報を生成し、上記一連のステップの第1ステップの間、第1方向及び/又はスケールの表示を提供し、上記一連のステップの第2ステップの間、第2方向及び/又はスケールの上記表示のための表示情報を生成するコントローラと、
を備えた注入システム。
(項目63)
上記パワーヘッドは、上記コントローラに伝送する傾斜角度信号を生成するための傾斜センサをさらに備え、上記傾斜角度信号は、重力の方向に対する上記パワーヘッドの傾斜角度を示し、上記コントローラは、上記傾斜角度信号に基づいて注入ステップの間、第1又は第2方向にディスプレイを方向付ける項目62の注入システム。
(項目64)
プロセッサーと、
上記プロセッサーに接続される不揮発性記憶装置と、
注射器に搭載されたシリンジに収容される流体の種類の識別表示を、接続されたディスプレイに表示し、
オペレータのインプットに基づいて、上記ディスプレイに流体の種類の識別表示を修正するように、
上記プロセッサーを駆動すべく形成された、上記不揮発性記憶装置内に記憶されたアプリケーションと、
を備えた造影剤注入システム。
(項目65)
第1及び第2シリンジを搭載するための搭載部を備え、上記アプリケーションは、上記各シリンジの流体の種類の識別表示をディスプレイに生成し、各シリンジの上記識別表示は、少なくとも、上記各シリンジのための造影剤又は塩水溶液を識別するために選択可能である項目64の造影剤注入システム。
(項目66)
接続されたディスプレイスクリーンに、注射パラメータの複数の各記憶セットの識別表示を表示するステップと、
上記ディスプレイに、グループの識別表示と、上記グループの注射パラメータの上記表示された各注射パラメータのセットの関係とを表示するステップと、
上記でイスプレイに、追加されたグループの識別表示を表示するステップと、
を備えた、造影剤注入システムの記憶された注射パラメータを表示する方法。
(項目67)
上記表示ステップは、同時に実行する項目66の方法。
(項目68)
上記所定のグループに関係する注射パラメータの多数の記憶されたセットの識別表示を表示することにより、上記追加されたグループのうちの所定グループの識別表示の作動に応答するステップをさらに備えた項目66の方法。
(項目69)
上記グループの各識別表示は、上記ディスプレイの画像フォルダタブに表示され、選択されたフォルダタブの内容が、上記ディスプレイパラメータのセットの識別表示を含むように表示される項目66の方法。
(項目70)
上記注射パラメータのセットの識別表示は、上記注射パラメータの1以上の表示にそれぞれ関係する項目66の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造影剤注入システムであって、該システムは、
該注入システムの動作を制御するプロセッサーと、
該プロセッサーに接続された、注入プロトコルを格納するメモリであって、各注入プロトコルは、それぞれの注入パラメータを含んでいる、メモリと
を含み、
該プロセッサーは、注入プロトコルを実行する前に、該造影剤の注入を含む予備的な試験注入を実行するようにプログラムされており、該予備的な試験注入の流速は、該予備的な注入に続くように選択される特定の注入プロトコルに対する注入パラメータに基づいている、造影剤注入システム。
【請求項2】
前記予備的な試験注入は、前記特定の注入プロトコルの最大流速に等しい流速を含む、請求項に記載の注入システム。
【請求項3】
前記特定の注入プロトコルは、造影剤の初期注入を含む、請求項に記載の注入システム。
【請求項4】
前記予備的な試験注入は、造影剤の前記初期注入の流速に等しい流速を含む、請求項に記載の注入システム。
【請求項5】
前記プロセッサーは、前記予備的な試験注入と前記特定の注入プロトコルとの流体要件を計算し、該予備的な試験注入と該特定の注入プロトコルとを実行するためには、前記注入システムが不十分な体積の造影剤しか有していな場合に、オペレータの指示を生成するように構成されている、請求項のいずれか一項に記載の注入システム
【請求項6】
前記プロセッサーは、前記予備的な試験注入と前記特定の注入プロトコルとの流体要件を計算し、該予備的な試験注入と該特定の注入プロトコルとを実行するためには、前記注入システムが十分な造影剤を有していな場合に、該予備的な試験注入と該特定の注入プロトコルとを終了するように構成されている、請求項のいずれか一項に記載の注入システム
【請求項7】
造影剤注入システムの使用方法であって、該方法は、
注入プロトコルをプログラムまたは選択することであって、該注入プロトコルは、注入流速に対する注入パラメータを含む、ことと、
該注入プロトコルの前に行われる予備的な注入の流速を選択することであって、該流体流速を選択するための選択肢が、該造影剤注入システムによって提供され、該選択肢は、
該注入プロトコルの注入流速と、
ユーザが所望の流体流速を入力するための機会と
を含む、方法。
【請求項8】
前記注入システムは、デュアルヘッド注入システムであり、前記提供される選択肢は、
該注入プロトコルの最大注入流速と、
ユーザが所望の流体流速を入力するための機会と
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記注入システムは、デュアルヘッド注入システムであり、前記提供される選択肢は、
前記注入プロトコルの間の、該デュアルヘッドアセンブリの第1の側の注入流速と、
該注入プロトコルの間の、該デュアルヘッドアセンブリの第2の側の注入流速と、
ユーザが所望の流体流速を入力するための機会と
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記注入システムは、デュアルヘッド注入システムであり、前記提供される選択肢は、
前記注入プロトコルの間の、該デュアルヘッド注入アセンブリの第1の側の最大注入流速と、
該注入プロトコルの間の、該デュアルヘッド注入アセンブリの第2の側の最大注入流速と、
ユーザが所望の流体流速を入力する機会と
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記注入システムは、前記予備的な試験注入と前記特定の注入プロトコルとの流体要件を計算し、該予備的な注入のプログラムされた流体の体積と該注入プロトコルのプログラムされた流体の体積とが、該注入システムの実際の流体の体積を超過している場合に、不十分な流体のオペレータの指示を生成する、請求項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−218194(P2011−218194A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−148705(P2011−148705)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【分割の表示】特願2007−536819(P2007−536819)の分割
【原出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】