説明

自動濾過およびトップオフ能力を有する低油量フライヤ

フライヤおよび複数のフライヤ・ポットを有する、フライヤのフライヤ・ポットの調理油を自動的に濾過し、保持する多機能システムが提供される。複数のフライヤ・ポットの各々は、少なくとも第1の温度センサおよび第2の温度センサを有する。フライヤは、第1のセンサが第1の所定の油温を検出する時、油面を保持するために自動装充填モードで、そして第1のセンサが第1の所定の油温を検出したあと、複数のフライヤ・ポットのうちの1つの油の濾過を可能にする自動濾過モードで、稼働できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス・フライヤに関する。特に本発明は,調理油の寿命を延ばす低油量(LOV)構成、自動濾過および自動油トップオフ能力を有するガス・フライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
商用の調理産業において、使用されるガス火力フライヤ(gas fired deep fryer)は、顧客の期待に答えるために、急速に油を加熱し、大量の食品を調理する必要がある。フライヤは所望の量の食品を調理するために充分な深さおよび量の油を保持する必要がある。更に、調理油は、その有効寿命を延ばすために、調理プロセスの間できるだけ残さ物がないようにする必要がある。加えて、販売業者は、顧客の期待と調理油の高コストおよびフライヤ・ポットの保守問題とのバランスをとる必要がある。
【0003】
調理プロセスの間、大量の油が食品により吸収され、結果として油量が減少する。油量の減少はフライヤ・ポットの油の深さの減少に等しく、製品は適切に調理されないかもしれない。最適レベルおよび最適温度で油を保持する自動装置なしでは、調理の間、操作者は油のレベルを見落しかねず、低品質でおそらく安全でない製品を生産するかもしれない。
【0004】
フライヤ・ポットを最適レベルに満たすように保持することに加えて、最高の製品を生み出すために、調理油はまた適切に濾過される必要がある。調理サイクルの繰り返しの後に残っている油は、使い続けられたため残さ物で満たされるようになる。したがって、調理プロセスの間、吸収されていない油の使用可能な寿命を延ばし、吸収されていない油をクリーンに保つ必要がある。
【0005】
更に、油は節約しても器材の完全性は保持するために、最適な大きさのフライヤ・ポットを用いる必要がある。全体の調理効率および有効寿命を改良する努力の過程で、ガスフライヤ・ポットのさまざまなデザインが開発されてきたにもかかわらず、欠点は依然として存在する。多数のそのようなポットは、それらのサイズの故かなりの油量を必要とし、他のものも熱伝達量の増大、フライヤ・ポット壁に応力を生じさせる可能性があるコールド・ゾーン容量および温度勾配の上昇を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、低油量フライヤ・ポットにおいて、自動的に濾過し、所望の油のレベルを保持できるガス火力フライヤの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ガス火力フライヤの自動装置濾過およびトップオフ能力を有する低油量フライヤを提供する。
【0008】
本開示は、また、調理油の寿命を延長するため、使用済み調理油を濾過するガス火力フライヤを提供する。
【0009】
本開示は、更に、調理油の量を保持するために、一以上のフライヤ・ポットに付随する温度センサが調理油が所定の温度に達したことを検出した場合にだけ、ポンプおよび複数のフライヤ・ポットの一以上に付随するソレノイドバルブを起動させる、ガス火力フライヤを提供する。
【0010】
本開示は、なお更に、油面がポットにおいて低下したことを示す所定の低温が検出されるときに、一つまたは複数のフライヤ・ポットの調理油の量を保持するフライヤを提供し、ポンプおよびソレノイドバルブは、特定のフライヤ・ポットにおいて、充填を開始するために開かれる。
【0011】
本開示は、特定のポットの温度センサに応答してフライヤ・ポットの調理油の量を保持するガス火力フライヤを提供する。
【0012】
本開示は、また、フライヤ・ポットの容量を減らすために、オフセットされた側壁および正面および後方壁を有するフライヤ・ポットを提供する。オフセットされた壁は、コールド・ゾーンのサイズ、続いてポット壁の周辺部周辺の温度勾配を減らす役目もする。温度勾配の減少は、膨張により誘発されたポット壁の応力の減少に等しい。
【0013】
本開示は、更に、特定のポットの油が低レベルにあることに応答して、新規な油を複数のフライヤ・ポットの一以上に導入するフライヤを提供し、新しい油への使用済油による混入を最小化するため、油は別々の配管によって、フライヤ・ポットの既存の油の上から導入される。
【0014】
本開示は、なお更に2つのポンプを有するフライヤを提供し、2つのポンプのうちの1つは油ラインより上に新規な調理油を送り込むためであり、2つのポンプの他のものは使用された調理油を濾過するためのものである。
【0015】
本開示は、なお更に、残さ物を十分に撹拌するために、油を排出する前に5秒乃至15秒間バブリング(泡立て)し、排出の際それがフライヤ・ポットから運び出されるようにする、フィルタ・シーケンスを含むフライヤ・ポットを有するガス火力フライヤを提供する。
【0016】
本開示は、また、フライヤ・ポット壁の界面でゾーンを有するフライヤ・ポットおよびクラムおよび残さ物を集めることができるバスケット支持ラックを提供する。クラムを集めるゾーンを最小化するために、支持バーの間に間隔を置くユニークなラックが構成される。
【0017】
本開示は、更に、特に焦げつきを防止するため、フライヤ・ポットの中に調理油があることを検出した後にだけ、自動フィルタ・シーケンスの後ガスバーナを起動させることができるシステムを提供する。
【0018】
これらの、そしてまた他の利点および効果は、前記フライヤ内に設けられたフライヤおよび複数のフライヤ・ポットを有する、フライヤのフライヤ・ポットの調理油を自動的に濾過し、保持する多機能システムにより提供される。複数のフライヤ・ポットの各々は、少なくとも第1の温度センサおよび第2の温度センサを有する。フライヤは、第1のセンサが第1の所定の油温を検出する時、油面を保持するために自動充填モードで、そして、第1センサが第1の所定の油温を検出した後、複数のフライヤ・ポットのうちの1つの油の濾過を可能にする自動濾過モードで、稼働できる。
【0019】
フライヤのフライヤ・ポットの調理油を自動的に濾過し、保持する多機能システムは、フライヤと、フライヤ内に設けられた複数のフライヤ・ポットとを備えている。複数のフライヤ・ポットの各々は、一対の対向した端壁および一対の対向した側壁および底部壁を有する。一対の対向した端壁の各々は、前記フライヤ・ポットの容量を減少させるため、曲げられたオフセット部分によって各々連結された第1の垂直の部分および第2の垂直の部分を有する。複数のフライヤ・ポットの各々は、少なくとも第1の温度センサおよび第2の温度センサを有する。第1のセンサが第1の所定の油温を検出したあと、フライヤは濾過を可能にするための自動濾過モードで、そして、第1のセンサが第1の所定の油温を検出する時は、油面を保持する自動充填モードで、稼働できる。
【0020】
別のおよび更なる利点および効果および本開示の特徴は、添付図面と共に以下の明細書を参照することで理解されるが、そこで同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による3つのフライヤ・ポットおよび内部貯蔵部を有するガス火力フライヤを示す正面から見た斜視図を示す。
【図2】本発明による温度センサを有するフライヤ・ポットの後面から見た斜視図を示す。
【図3】線3―3に沿う図2のフライヤ・ポットの横断面図を示す。
【図4】本発明による支持ラックを有するフライヤ・ポットの断面斜視図を示す。
【図5】本発明の温度センサ、線運動モータおよびドレインおよび注入弁を有するフライヤ・ポットの正面から見た斜視図を示す。
【図6】本発明のそれぞれのフライヤ・ポットおよびポンプを満たすため、各々別々に起動する3つのソレノイドバルブを示す図である。
【図7】本発明のフライヤー・ハウジングの側方の断面図を示す。
【図8】本発明のフィルタ・パンの分解図を示す。
【図9】図2乃至図5の本発明のフライヤ・ポットの前方の断面図を例示す。
【図10】図2乃至図5の本発明のフライヤ・ポットの側方の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、ガス・フライヤの正面から見た斜視図が示され、そして通常符号10により参照される。フライヤ10は、ハウジング15および3つのフライヤ・ポット20、25および30を有する。ポット20、25および30は各々、商業食品業界において一般に使用される食品を揚げる油を収容する。ポット20、25および30それぞれは、各々、特定のポットの調理状況を制御する専用のコントロールパネル35、40および44を有する。ハウジング15は、オイルリザーバ60、およびオイルリザーバ60と協働する表示ランプ65をも備えている。ハウジング15は、オイルリザーバ60へのアクセスを提供するために開かれる個々のドア(図示せず)をも有する。更に、ドアは商業調理システムのために必要な定期保全のためにも開けられ、使用されうる。ハウジング15は、濾過の必要性を示すために作動する表示ランプ75も備えている。ハウジング15は3つのフライヤ・ポットを有するものとして示されているが、ハウジングは食品サービス専門家の必要性に応じて、わずか2から12もの多数のフライヤ・ポットを擁することができる。
【0023】
図2乃至図4には、個々の深いフライヤ・ポット20が示される。図1のフライヤ・ポット25および30は、各々、フライヤ・ポット20と同じ部材および機能を有する。フライヤ・ポット20は、調理エリア100の油を加熱するためのガス火力バーナ22を有する。フライヤ・ポット20は、また、浸漬型主(プライマリ)油レベルセンサ105、任意の安全バックアップのための浸漬型油レベルセンサ106およびトップオフ油入口107を有する。フライヤ・ポット20は、また、フライヤ高さ制限プローブ108、補助ヒータのプローブヒータ109およびフライヤ温度プローブ111を有する。浸漬型センサ105および106は好ましくはバイ・メタル熱センサであるが、連続して温度を参照するセンサであってもよい。
【0024】
フライヤ・ポット20は、ポット20から使用済油を排出する、一対のリニア運動モータ130のうちの1により駆動される排出弁155を有する。ポット20は、また、一対のリニア運動モータ130の内の他の1により駆動される油戻り弁140を介して、使用済油をポット20に供給するパイプシステム125を有する。個々のポット20は、離れて位置するソレノイドバルブ135およびそれに付随するポンプ160を備えており、それは、トップオフ入口107で終わる配管165を通してポット20に新規な油を供給するために作動する。配管165はポット20に使用済油を供給する配管125とは別である。ソレノイドバルブ135は温度センサ105に応答して開閉される。
【0025】
図5に示すように、3つのソレノイドバルブ135、145および150がある。ソレノイドバルブ145および150は、それぞれ、ポット25および30を充填するために、それらのポットにおいて、設けられる浸漬型温度センサに応答して協働するように連結される。ポンプ160は、それぞれのポットの調理油のレベルにより、3つのソレノイドバルブ135、145および150に対し作動する。
【0026】
動作は、フライヤ・ポット20に関して説明する。動作中、センサ111が少なくともほぼ300°Fの油温を検出すると、新規なオイルポンプ160は浸漬型温度センサ105によってのみ、フライヤ・ポット20の自動充填サイクルまたはモードを始めることができる。温度センサ105は、それから、ソレノイドバルブ135および新規なオイルポンプ160を動作させる。沈潜型温度センサ105は、ほぼ300°F(開位置)およびほぼ270°F(閉位置)の所定の温度でのみ、ソレノイドバルブ135および新規なオイルポンプ160を動作させる。任意の予備安全センサ106の目的は、ポンプ160の不注意による動作および不適切なポット20の充填および起こりうる過充填を防止することである。
【0027】
あるいは、連続して温度を参照するセンサを利用してより高度な制御を使用することもできる。これはトップオフシステムの運転温度と通常の熱い調理油のセットポイントとの調整関係を許容する。例えば、340°Fでのフライドポテト調理は290°F乃至300°Fの係合温度か、または、セットポイントより40°F乃至50°F下の温度を有する。360°Fのチキン製品の調理は、例えば320°F乃至310°Fの係合温度か、または、セットポイントより下40°F乃至50°Fの温度を有する。
【0028】
温度センサ105がほぼ270°Fを下回る温度を検出すると、ポンプ160およびソレノイドバルブ135を起動させる。270°Fをほぼ下回る温度は、センサ105に、それがもはや油中に沈んでいない、そしてポット20に適当な油量を戻すために、充填を始める必要があることを示す。一旦浸漬型温度センサ105がほぼ300°Fを上回る温度を検出すると、それは開き、ポット20の充填を止める。ほぼ300°F以上の温度は、そのセンサ105が再び油に沈み、そのポット20が所望の油量を有することを示す。
【0029】
センサ105がポンプ160の動作を止めることに失敗した場合、任意のセンサ106、ポット20において、より高い位置にある第2の浸漬型熱センサが起動する。センサ106は、充填動作を止めるため、ポンプ160に電気的に直列に配線される。第2の熱センサ106は、ポット20が溢れるのを防止する安全機構として作用する。更に、追加の安全機能はポンプ160と協働する限時復帰タイマーであって、動作を止めて溢れるのを防止する。リザーバにある油が低レベルか、または、リザーバ油がユーザによって、取り替えられていない様な場合、同様に限時復帰タイマーはポンプ動作を保留する。
【0030】
新規な油がフライ・ポット20に入るとき、それは別々の配管165およびトップオフ油入口107を通して油ラインより上に入り、使用済油と接触してポット20に入る前に新規な油が汚染されることを防止する。更に、より高い注入位置(entry point)は、ソレノイドバルブ135、145および150が詰まる可能性を減らす。
【0031】
油はフライヤ・ポット20にゆっくり加えられるので、油の温度は設定された温度からほぼ5°F以上は決して下がらない。
【0032】
図1乃至図6には、ハウジング15およびリザーバ60が示される。フライ・ポット20、25および30を充填するために用いられる油はリザーバ60にある。リザーバ60の油が低レベルにあることをユーザに警報するために、リザーバ60が載っているばねが、リザーバを持ち上げて広がり、警報または光を出す。あるいは、フライヤ・ポットを補充するための所定の予想間隔を超えていることを検出し、リザーバが空なことを示して、警報またはランプ65がポンプ160と協働する限時復帰タイマーにより起動する。その場合個々のリザーバは取りはずされ、そして新規な満たされたリザーバが挿入される。あるいは、すべてのフライヤ・ポット20、25および30の最適液面を保持するために、フライヤと離れた大きな単一の常設されたリザーバが、ハウジングの中の小さなリザーバを補充するために用いられるか、または直接ポットを補充する。
【0033】
油および食品の製品品質を更に補強し、油劣化を最小にするため、フライヤ10は、断続的自動濾過サイクル能力を持つようにもプログラムされる。断続的自動濾過サイクルは、使用者により開始されるか、フライヤ10が処理した調理サイクルの数または時間により自動的に開始されうる。図4を再度参照すると、フライヤ・ポット20は、排出弁155、ドレンバルブ・アクチュエータ130、戻り弁140および第2のアクチュエータ130を有する。調理油を排出する前に、フィルタ・シーケンスはフライヤ・ポット20の内表面に残留した残さ物もかき混ぜる5秒乃至15秒のバブリング期間を含む。
【0034】
コントローラ39は、さまざまな設定、例えば温度およびタイミング設定に対応できる。例えば、コントローラ39はフライヤ・ポット20において、処理された調理サイクルの数を計数できる。所定の数の調理サイクルの後、コントロールパネル35は、フィルタ・サイクル表示器75、例えばランプまたは音響式確認機構によって、ユーザを促す。ユーザは、濾過サイクルを始めるために、コントロールパネル35上のボタンを押すことができる。
【0035】
図1乃至図7において、油濾過サイクルおよびプロセスの構成部品は、順に記載されている。各フライヤ・ポット20、25および30は、クラムが集積する可能性のあるいかなる間隙も最小となるように構成される。各機能は同一であるが、フライヤ・ポット20を分かりやすさのために説明の対象とする。フィルタ・シーケンスを開始する寸前に、バブルをつくるために、空気が戻り弁140を通してフライヤ・ポットにポンプで注入される。バブルは調理油を混ぜて、それらが排出の間に除かれるように、フライヤ・ポット20の側面および隙間から残さ物を移動させる。調理油は、油が濾過サイクル構成部品を通して自由に流れることができるように、濾過サイクルをサポートするに十分な暖かい温度である必要がある。センサ111が予め設定されたほぼ300°F乃至320°Fの温度より下の温度を検出するときには、自動濾過は始められない。濾過サイクルを始めるのに油があまりに冷たい場合、油に浸漬された温度センサ111からのフィードバックが自動装過サイクルの開始を阻む。あるいは、ユーザは、非互換の食品の調理油による相互汚染を制限するために、ハウジングの中の特定のフライヤ・ポットの濾過サイクルを解除できる。
【0036】
図3に示すように、フライヤ・バスケット支持ラック153は、クラム回収ゾーンを最小化するために、フライヤ・ポット20の内表面と最小の接点を有するように構成される。本発明の支持バスケット・ラック153は、ポット20の内面に沿って載置される側面のバーを備えていない。ラック153は、食品落下物(food falloff)および残さ物が自然にフライヤのより下側のエリアに移動できるよう、そして、濾過プロセスの間、容易に取り除かれるよう、フライヤ・ポット内部に沿って4つの間隔を置いた位置で支持される。また、クラム回収ゾーンを最小化することは、食品落下物および残さ物を除く際の濾過プロセスのバブリング/かき混ぜ段階の効果を増加させる。フライヤ・ポット20は、一対のアクチュエータ130のうちの1つにより開閉される排出バルブ155を有する。排出バルブ155は、調理プロセスの間に形成される残さ物による詰まりを防止するために、その完全な開位置で、ほぼ1.25インチのかなり大きな内径を有する。フライヤ・ポット20の下には、排出バルブ155から油を集めるドレイン・マニホールド56がある。マニホールド56は、フライヤ10の各排出バルブから油を集める。
【0037】
溢流管71を介して、油はドレイン・マニホールド56からクラム・バスケット70に移る。クラム・バスケット70は、油から食品残さ物の大きな部分を除く予備フィルタである。クラム・バスケット70を通った後、油はフィルタ・パン73に置かれる。油は、クラム・バスケット70を通過して、フィルタ・パン73の底部にあるフィルタ・パッド76およびフィルタ・スクリーン72を通して引かれる。フィルタ・スクリーン72は、油が容易にフィルタ・パンを出ることができるよう、その下面上に一連のうねおよび溝を有する。フィルタ・パン73は、フィルタ・パッド76およびフィルタ・スクリーン72の位置を保持するための押さえリング74を含む。油は、フライヤ・ポット20に戻される前に、濾過用ポンプおよびモータ アセンブリを通して移送される。
【0038】
ポット20の焦げつきを防止するため、バーナ22が起動する前に油の存在を検出する、異なったタイプの方法がある。油を検出する1つの方法は、フライヤ・ポット20の中に、油が満たされたときに、熱伝導エリア112を覆っていることを示すことになるレベルに取り付けられた、フライヤ温度プローブ111を使用する。フライヤのコントローラ39はフライヤ温度プローブ111をモニタし、突然の温度変化に反応して油があるかどうかを判定する。温度変化は、比較的冷たいフライヤ・ポット20の現在温度および戻る濾過油の温度によって、増加または減少のいずれかでありえる。温度変化は、空のフライヤ・ポットに起こる通常の冷却より大きい必要がある。検出された温度変化が所定の閾値より大きい場合、バーナが点火される。
【0039】
油の存在を保証する更なる方法は、単独で、あるいは上記の第1の方法と連動して、使用されうる。加熱は、予定時間でまたは上記の方法が満足された時に、再開され、短い時間(ほぼ10秒乃至12秒)加熱され、ほぼ15秒乃至25秒の短い時間停止し、4回乃至10回繰り返す。コントローラ39は、フライヤ温度プローブ111の応答をモニタすることができる。フライヤ温度センサ・プローブ111が、オン/オフサイクルの全体の経過時間に亘り、6秒以内に3°Fをほぼ下回る温度変化を示す場合、その時油の存在は確認され、ガス火力バーナ22は再開されうる。
【0040】
油を検出する更なる方法では、付近に取り付けられた温度センサ・プローブ111と結合された、電気的に加熱された小さな補助プローブ109からなる能動センサを使用する。動作中、油がフライヤ・ポット20に戻ったと思われるときに、補助被加熱プローブ109は間隔をあけて作動する。補助被加熱プローブ109の起動は温度センサ・プローブ111をモニタすることにより確認され、油によって、囲まれていないとき、それは比較的高い温度を示す。油があるときに、温度センサ・プローブ111は、比較的高い熱伝導の油のため、比較的低い温度を示す。一旦履行されると、補助被加熱プローブ109はオフにされうる。
【0041】
他の油を検出する方法として、フライヤ・ポット20は、バーナ22を起動させるために、フライヤ・ポットに充分な油が存在する時を判定するためのプレッシャースイッチ・センサを含むことができる。フライヤ・ポット20は、前面壁142のスタンドパイプ162を含む。フライヤ・ポット内の、油の予想される最高水準を上回る位置にあるプレッシャースイッチにプレッシャータップ166の圧力を伝達するため、追加の配管が使用される。プレッシャースイッチの位置は、調理油との汚染の機会を最小にするために、油ラインより上に選択される。スタンドパイプ162は、詰まりの機会を最小にするため,産業圧力センサに一般に使われる配管と比べ、比較的大きい。フィルタ・シーケンスの後の充填の間、油がパイプの下側開口より高くなったあとに、圧力を生成するようスタンドパイプ162は配置される。一旦油が十分に深くなり熱伝導エリアを覆うと、プレッシャースイッチは制御システムにバーナ22を起動させても安全である旨の信号を送る。工業用標準センサによって容易に検出される範囲内に、測られる圧力があるように、スタンドパイプ162はフライヤ・ポットの中で十分に低く、しかし、調理の間の食品落下物がその動作に影響を及ぼさない程度に十分に高く配置される。
【0042】
油が濾過され、そして十分な油が加熱プロセスを開始するためにフライヤ・ポットに戻った時、センサ101は、すべての油が戻されたこと、そして濾過プロセスを停止することができ、フライヤが調理モードに戻ることができることを示す。センサ101からの入力は、3つの方法のうちの一つで濾過プロセスを停止する。センサ101は、基準温度(290°F乃至310°F)を検出すること、または温度(3秒乃至5秒で7°F乃至10°F)の突然の変化を検出すること、またはセンサ101の温度が濾過プロセスの始まりのちょうど前に記録されたのと同じ温度である場合、に条件が満たされうる。
【0043】
フライヤ10は、更に低油量能力を持つ。低油量による調理によって、フライヤ10は、従来の大きさのフライヤよりほぼ40%より少ない油によって、同等の食品量を調理できる。図8乃至図9において、本開示によれば、フライヤ・ポット20、25および30は、低油量フライヤ・ポットである。示されるように、フライヤ・ポット20は、対向する側壁120および126を含む。側壁120および126は、各々3つの垂直の部分120a、120b、120cと、126a、126bおよび126cとをそれぞれ含む。側壁120および126は、オフセット部分120dおよび120eと、126dおよび126eとをそれぞれ有する。オフセット部分120d、120e、126dおよび126eは、フライヤ・ポット20の全幅を減らす。側壁120および126は、使用中に調理残さ物の循環を最小にするため、比較的狭いチャンバ132またはコールド・ゾーンを形成する。オフセット120d、120e、126dおよび126eのため、コールド・ゾーン132の幅は、この種のオフセットのない従来のフライヤ・ポットのコールド・ゾーンより狭い。したがって、フライヤ・ポット20は、同程度の調理エリアを確保する一方、従来のフライヤ・ポットより少ない油量を収容する。
【0044】
フライヤ・ポット20は、前面壁142および後面壁146を有する。前面壁142は、従来のフライヤ・ポットの前面壁と同様であるが、前面壁142は、従来のフライヤ・ポット前面壁のそれと比較して、より機内にある。後面壁146は、2つの垂直の部分146aおよび146bを有する。垂直の部分146aおよび146bは、146aおよび146bに対して曲げられたオフセット部分152により接続されている。機内の前面壁142と合わせオフセット部分152は、正面および後部方向から、フライヤ・ポット20の全長を減らす。したがって、フライヤ・ポット20の壁がより小さな容量のポットを形成するためにオフセットされる一方、フライヤ・バスケットのための通路は、実質的に適切な作業を阻害するほどには減じられていない。更に、フライヤ・ポット20の両側から形成されるより小さなコールド・ゾーン132は、コールド・ゾーン132とフライヤ・ポット20の調理領域との間の熱勾配を減らす。より小さな熱勾配は、ポット壁に沿って生ずる熱応力を減らす。
【0045】
フライヤ10において、オンオフ・スイッチは、単一システムのすべてのフライヤ・ポットに適用する。自動濾過システムは、そのフライヤ・ポットのためのコントローラの範囲内で、フライヤ・ポットごとに解除されうる。
【0046】
本開示では電気式アクチュエータを組み込むように記載されていたが、油圧または空気アクチュエータが、本開示の排出および戻り弁を開閉するために使用されてもよい。
【0047】
前述の記載は本発明を例示するだけのものであることを理解されたい。さまざまな代案および変形が、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者により考案されうる。それゆえに、本発明は、すべてのこの種の代案、変形および相違を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライヤと、
当該フライヤ内に設けられた複数のフライヤ・ポットとからなり、
当該複数のフライヤ・ポットの各々は少なくとも第1の温度センサおよび第2の温度センサを含み、
当該フライヤは、当該第1のセンサが第1の所定の油温を検出したとき、液面を保持するために自動充填モードで、そして、当該第1のセンサが当該第1の所定の油温を検出したあと、当該複数のフライヤ・ポットのうちの1つの油の濾過を可能にする自動濾過モードで、稼働できる
フライヤのフライヤ・ポットの調理油を自動的に濾過し、保存する多機能システム。
【請求項2】
前記複数のフライヤ・ポットの各々は、一対の対向した端壁および一対の対向した側壁および底部壁からなる低容量フライヤ・ポットであり、当該一対の対向した端壁の各々は、前記フライヤ・ポットの容量を減少させるために、曲げられたオフセット部分によって各々連結された第1の垂直の部分および第2の垂直の部分を有する
請求項1に記載の多機能システム。
【請求項3】
前記一対の対向した側壁の各々は、3つの連続した垂直の部分から更になり、当該3つの連続した垂直の部分の各々は、先行する垂直の部分の内にあって、それにより前記一対の対向した外側側壁の各々は前記底部壁の方へテーパをつけられている
請求項2に記載の多機能システム。
【請求項4】
前期第1の所定の油温は、ほぼ300°Fから320°Fである
請求項1に記載の多機能システム。
【請求項5】
ポンプおよび複数の弁からなり、当該複数の弁の各々は前記複数のフライヤ・ポットのうちの1つに付随して連動し、前記複数のフライヤ・ポットの前記第2の温度センサが第2の所定の温度を検出するとき、当該ポンプおよび当該複数の弁のうちの1つが作動する
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプおよび前記複数の弁は、前記第2の温度がほぼ260°Fからほぼ290°Fまでの範囲の温度を検出するとき、前記フライヤ・ポットの油面を保持するために開かれる
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポンプおよび前記複数の弁は、前記第2の温度センサがほぼ300°Fからほぼ320°Fの範囲の第3の所定の温度を検出するときに閉じられる
請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のフライヤ・ポットの各々は、更に排出弁、戻り弁および一対のアクチュエータからなり、当該一対のアクチュエータのうちの1つは当該排出弁を開閉し、当該一対のアクチュエータの他のものは前記戻り弁を開閉する
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のフライヤ・ポットに付随するフィルタ・パン、当該フィルタ・パンは更に、クラム・バスケットおよびフィルタ・パッド、前記フライヤ・ポットに戻る前に前記調理油が当該フィルタ・パンを通過するフィルタ・スクリーンからなる
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記濾過サイクルの後、前記排出バルブは閉じ、前記ポンプおよびモータが前記フライヤ・ポットに前記調理油を戻す
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第3の温度センサを更に有する
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3の温度センサが290°Fからほぼ310°Fまでの範囲の温度を検出するときには、前記調理油の全てが前記フライヤ・ポットに戻っており、そして前記バーナは調理を始めるために起動する
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第3の温度センサが3秒乃至5秒間に7°Fから10°Fまでの温度増加を検出するとき、前記調理油の全ては前記フライヤ・ポットに戻っており、そして前記バーナは調理を始めるために起動する
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第3の温度センサが前記第1の所定の温度と同じであるかより高い温度を検出するときに、前記調理油の全ては前記フライヤ・ポットに戻っており、そして前記バーナは調理を始めるために起動する
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
フライヤと、
当該フライヤ内に設けられる複数のフライヤ・ポットとからなり、
当該複数のフライヤ・ポットの各々は、一対の対向した端壁および一対の対向した側壁および底部壁を有し、
当該一対の対向している端壁の各々は、当該フライヤ・ポットの容量を減少させるために曲げられたオフセット部分によって、各々連結される第1の垂直の部分および第2の垂直の部分を有し、
当該複数のフライヤ・ポットの各々は少なくとも第1の温度センサおよび第2の温度センサを含み、
当該第1のセンサが第1の所定の油温を検出したあと、当該フライヤは濾過するため自動濾過モードで、そして、当該第1のセンサが当該第1の所定の油温を検出するとき、油面を保持するための自動充填モードで稼働する
フライヤのフライヤ・ポットの調理油を自動的に濾過して、保存する多機能システム。
【請求項16】
前記一対の対向する側壁の各々は、3つの連続した垂直の部分から更になり、当該3つの連続した垂直の部分の各々は、先行する垂直の部分の内にあって、それにより前記一対の対向している外側側壁の各々はテーパをつけられる
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記一対の対向する側壁および前記一対の対向する端壁は、前記底部壁に連結されて狭い部分を形成し、当該狭い部分は一対のバーナの間に設けられる
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の所定の油温は、ほぼ300°Fから320°Fまでである
請求項15に記載の多機能システム。
【請求項19】
前記複数のフライヤ・ポットの各々は、更に排出バルブ、戻り弁および一対のアクチュエータからなり、当該一対のアクチュエータの1つは当該排出バルブを開閉し、当該一対のアクチュエータの他のものは当該戻り弁を開閉する
請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
更にポンプおよび複数の弁からなり、当該複数の弁の各々は前記複数のフライヤ・ポットのうちの1つに付随して連動し、前記複数のフライヤ・ポットの前記第2の温度センサが第2の所定の温度を検出するときに、前記ポンプおよび前記複数の弁のうちの1つが作動する
請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の温度センサがほぼ260°Fからほぼ290°Fまでの範囲の温度を検出するとき、前記ポンプおよび前記複数の弁は、油面を保持するために開かれる
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2の温度センサが、第3の所定の温度がほぼ300°Fからほぼ320°Fまでの範囲にあることを感知すると、前記ポンプおよび前記複数の弁は閉じられる
請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
更に前記複数のフライヤ・ポットに付随するフィルタ・パンを含み、当該フィルタ・パンは更にクラム・バスケット、フィルタ・スクリーンおよびフィルタ・パッドからなり、前記調理油は、前記フライヤ・ポットに戻る前に、当該フィルタ・パンを通過する
請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
更に第3の温度センサからなる
請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記濾過サイクルの後、前記排出バルブは閉じ、前記調理油は前記フライヤ・ポットに戻る
請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
更に第3の温度センサからなる
請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
前記第3の温度センサが3秒乃至5秒の間に7°Fから10°Fまでの温度変化を検出するときに、前記フライヤ・ポットにおいて、油の存在が検出される
請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第3の温度センサが6秒に亘り3°F未満の温度変化を検出するときに、前記フライヤ・ポットにおいて、油の存在が検出される
請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記フライヤ・ポットのプレッシャースイッチが所定圧力を検出するときに、前記フライヤ・ポットにおいて、油の存在が検出される
請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数のフライヤ・ポットの各々には、支持ラックが設けられる
請求項15に記載のシステム。
【請求項31】
前記支持ラックは、クラム集積を最小化するために最小限の数の位置で前記フライヤ・ポットの内面と接触するように構成される
請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記支持ラックは、クラム集積を最小化するために4つの別々の位置で前記フライヤ・ポットの内面と接触するように構成される
請求項30に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−505880(P2011−505880A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526921(P2010−526921)
【出願日】平成20年9月23日(2008.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/011001
【国際公開番号】WO2009/042108
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(508096932)フライマスター エル.エル.シー. (6)
【氏名又は名称原語表記】Frymaster, L.L.C.
【Fターム(参考)】