自動袋詰め装置
【目的】 自動袋詰め装置における袋のシール動作を的確にする。
【構成】 自動袋詰め装置は、袋収納機構10に収納されている袋Fを袋搬入機構20により一つずつ搬入し、同搬入した袋Fを袋支持機構30により支持させた状態で氷を袋F内に所定量ずつ投入した後、袋Fの上部をシール機構50によりヒートシールする。袋Fの上部をヒータブロック51とシールバー52との間に挟み込む際には、ベース61(受け板72)を上位置より若干下降させて袋Fを伸ばした状態に保って、袋Fの上部にしわがよらないようにする。また、袋Fの上部が溶解によってシールされる際には、受け板72を上位置まで上昇させて、袋Fをベース61(受け板72)により支承させて、袋Fがその自重によって破れないようにする。また、シール機構50に作動異常が発生した場合には、同装置の作動を停止させる。
【構成】 自動袋詰め装置は、袋収納機構10に収納されている袋Fを袋搬入機構20により一つずつ搬入し、同搬入した袋Fを袋支持機構30により支持させた状態で氷を袋F内に所定量ずつ投入した後、袋Fの上部をシール機構50によりヒートシールする。袋Fの上部をヒータブロック51とシールバー52との間に挟み込む際には、ベース61(受け板72)を上位置より若干下降させて袋Fを伸ばした状態に保って、袋Fの上部にしわがよらないようにする。また、袋Fの上部が溶解によってシールされる際には、受け板72を上位置まで上昇させて、袋Fをベース61(受け板72)により支承させて、袋Fがその自重によって破れないようにする。また、シール機構50に作動異常が発生した場合には、同装置の作動を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷などの品物を所定量ずつ自動的に袋詰めするとともに同袋をシールする自動袋詰め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えばアメリカ合衆国特許第5,109,651号明細書に示されているように、熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、袋収納機構から袋を一つずつ受け板上に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて上部にて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、ヒータを内蔵したヒータブロック、袋の上部をヒータブロックに圧接するシールバー、およびシールバーを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに向けて移動させる第1可動機構を有し前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、各機構を制御する電気制御装置とを備え、同電気制御装置が、袋搬入支持機構による袋の搬入動作、投入機構による品物の投入動作およびシール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御して、前記所定量ずつの氷を順次袋詰めするとともに同袋をシールするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来装置にあっては、受け板は常に一定の高さに保たれているので、袋搬入支持機構によって袋の支持される位置を受け板に対して低くすると、品物の入った袋は受け板によって支承されてその上部にしわができるので、ヒータブロックとシールバーとの間に袋の上部を挟み込む場合、前記しわの部分を挟み込むことになり、袋のシール動作が良好に行われない。また、前記袋の支持される位置を受け板に対して低くすると、袋は受け板により支承されなくなって袋搬入支持機構によって支持されるようになるので、ヒータの通電により袋の上部をシールする際に袋内の品物の重量によって袋が破れたりすることがあった。また、この自動袋詰め装置においては、シール動作に異常が発生しても、同異常に対して的確に対処しておらず、氷などの品物が袋外へ無駄に落下してしまうという問題があった。
【0004】本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的はシール機構による袋のシール動作を的確に行うとともに、同シール動作に異常が発生しても同異常に的確に対処できる自動袋詰め装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、前記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、受け板を上下動させる第2可動機構を設けるとともに、電気制御装置に、第2可動機構を制御して受け板を袋が伸ばされる高さまで下げた状態で第1可動機構を作動させて袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、第1制御手段による制御後に第2可動機構を制御して受け板を袋が受け板により支承される高さまで上昇させた状態でヒータに所定時間通電する第2制御手段と、第2制御手段による制御後に第1可動機構を制御してヒータブロックおよびシールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設けたことにある。
【0006】また、前記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に係る発明において、前記第2制御手段に、前記受け板の上昇後であって前記ヒータの通電前に前記第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む再挟み込み制御手段を設けたことにある。
【0007】また、前記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、電気制御装置に、シール機構の作動異常を検出する異常検出手段と、前記異常が検出されたときシーケンス動作を停止させる停止制御手段とを設けたことにある。
【0008】また、前記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、電気制御装置に、可動機構を制御して袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、第1制御手段による制御後にヒータに所定時間通電する第2制御手段と、第2制御手段による制御後に可動機構を制御してヒータブロックおよびシールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設け、前記請求項3に係る発明の異常検出手段を第1制御手段による袋の挟み込みに所定時間以上経過していることを検出する手段で構成したことにある。
【0009】また、前記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項3に係る発明の異常検出手段をヒータの断線を検出する手段で構成したことにある。
【0010】さらに、前記請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、前記品物は氷であり、タンクに氷を融かすための散水器を設け、かつ電気制御装置に停止制御手段がシーケンス動作を停止させたとき散水器を作動させる融解制御手段を設けたことにある。
【0011】
【発明の作用・効果】前記のように構成した請求項1に係る発明においては、袋の上部がヒータブロックとシールバーとの間に挟み込まれる際には、第1制御手段が袋を伸ばした状態に保つので、袋の上部にしわがよることはなく、同上部はヒータブロックとシールバーとの間に適正に挟み込まれる。また、袋の上部が溶解によってシールされる際には、第2制御手段が袋を受け板に支承させるので、袋がその自重によって破れることもない。その結果、この請求項1に係る発明によれば、品物が詰められた袋が常に的確にシールされるようになる。
【0012】また、前記のように構成した請求項2に係る発明においては、再挟み込み制御手段が、受け板の上昇後であってヒータの通電前に、第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込むので、ヒータへの通電前に確実に袋の上部が挟み込まれる。その結果、この請求項2に係る発明によれば、袋上部のシールが前記請求項1に係る発明よりもさらに良好に行われる。
【0013】また、前記のように構成した請求項3に係る発明においては、シール機構の作動に異常が発生した場合には、異常検出手段が同異常を検出する。この場合、異常検出手段は、例えば前記請求項4に係る発明のように、袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込むのに所定時間以上要したことを検出する。また、異常検出手段は、例えば前記請求項5に係る発明のように、ヒータの断線を検出する。そして、このようにしてシール機構の作動異常が検出された場合には、停止制御手段が電気制御装置によるシーケンス動作を停止せる。その結果、これらの請求項3〜5に係る発明によれば、袋がシールされない場合には、投入機構による次の品物の投入動作が行われないので、同品物がこの自動袋詰め装置内に散在することを避けることができる。
【0014】さらに、前記のように構成した請求項6に係る発明においては、前記停止制御手段が電気制御装置によるシーケンス動作を停止させたときに、融解制御手段が散水器を作動させてタンク内の氷を融解させる。その結果、この請求項6に係る発明によれば、氷の投入動作を停止した場合でも、タンク内の氷は前記散水により融けてしまうので、同タンク内で氷がくっついて(アーチング)しまうことがなくなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、図1は本発明による製氷袋詰め機を外観正面図により示している。この製氷袋詰め機は、上段に配置した左右一対の製氷機A1,A2と、中段に配置した氷の自動袋詰め装置Bと、下段に配置した前面に開閉扉C1,C2を有するストッカ(冷凍保管庫)Cとによって構成されている。各製氷機A1,A2は所定周期で製氷行程と除氷行程を繰り返し、製氷行程にて所定形状の氷を所定の速度で自動的に生成し、除氷行程にて前記氷を自動的に落下させて下方に配置した氷の自動袋詰め装置Bに供給するものであり、例えば米国特許第4,791,792号明細書に示されているものを用いることができる。
【0016】氷の自動袋詰め装置Bは、図2〜図6に示すように、同装置Bの中央部前側に配置されていて多数の袋Fを収容する袋収納機構10と、袋収納機構10の後方に設けられて同機構10から袋Fを一つずつ所定位置に搬入する袋搬入機構20と、袋収納機構10と袋搬入機構20との間の上方に配置されて袋搬入機構20との協働により袋Fの上部開口を図2にて仮想線により示したように広げて支持する袋支持機構30と、袋支持機構30の左右に配置されて各製氷機A1,A2にて生成された氷を収容するとともに前記広げられた袋Fに氷を投入する左右一対の氷収容投入機構40A,40Bと、所定量の氷が詰め込まれた袋Fの上部をシールするシール機構50と、袋支持機構30の下方に配置されて袋Fに詰め込まれてシールされた氷をストッカC内に滑り落とす袋落下機構60と、この袋落下機構60に一体的に組付けられて袋Fに詰め込まれる氷を計量する計量機構70等によって構成されている。
【0017】袋収納機構10は、図4,7,8に示すように、裏面および下面を開口させて直方体状に形成され多数の袋Fを収容するためのカセット11を備えている。カセット11は下端に固着したシャフト12によりフレーム91に回動可能に組付けられ、その内側面上端部には袋Fを保持するための保持ピン13,14および同袋Fの誤組付けを防止するための向き指定ピン15が固定されている。保持ピン13,14は中空状に形成されるとともに、先端部の下半分を切り欠いた切欠き13a,14aを有している。このように構成したカセット11は、フレーム91に回転可能に組み付けられた固定板16によって自動袋詰め装置Bの作動時に略垂直にて固定されていて後方に向けて袋Fが取り出し可能であるとともに、固定板16の上方への回動状態にて前方に倒されて袋Fが各ピン13〜15に組み付け可能となっている。また、フレーム91にはカセット11のセット状態を検出するための検出スイッチSW1 が組み付けられていて、同スイッチSW1 は、カセット11がセット状態にあるときオンし、カセット11がセット状態にないときオフしている。各袋Fはポリエチレンなどの熱により溶解する透明の合成樹脂で形成されており、図9に示すように、底部が内部上方に織り込まれていて氷を収容すると部分的に下方へ伸びるようになっている。この袋Fの上端開口部分の前側面にはカセット11のピン13〜15への取付孔Fa1,Fa2,Fa3 を有する取付片Faが形成されている。
【0018】袋搬入機構20は、図3,4,8,10〜12に示すように、下端に固着した一対のシャフト21a,21bにてフレーム91に傾動可能に組付けられる門型のメインアーム21を備えている。メインアーム21はフレーム91に組付けられて減速機付きの電動モータM1により傾動されるようになっているとともに、その原位置(図4の状態)が光学式の検出スイッチSW2 により検出されるようになっている。検出スイッチSW2 は袋搬入モータM1の回転軸の回転位置を検出して、メインアーム21が原位置に復帰したときオンしそれ以外のときオフしている。メインアーム21の内側には門型のサブアーム22が傾動可能に組み付けられている。サブアーム22はメインアーム21の裏面に固定した一対の板ばね23a,23bおよびサブアーム22の裏面から左右に突出した突部22a,22bによりメインアーム21に係合しており、メインアーム21が図4にて反時計方向へ傾動するときには板ばね23a,23bによって同方向へ弾撥的に押動され、またメインアーム21が図4の時計方向へ傾動するときには突部22a,22bによって同方向へ一体的に押動されるようになっている。また、メインアーム21の後面には袋掴み動作を確認するための検出スイッチSW3 が取り付けられており、同スイッチSW3 は、メインアーム21がサブアーム22に対して所定角度以上傾動したときオンしそれ以外のときにはオフしている。
【0019】サブアーム22の上辺には、前端部を下方に曲げて形成したプレート24が固着されるとともに、同プレート24には左右一対の揺動レバー25,25が揺動可能に組み付けられている。プレート24の前記下方に曲げた部分の両端部にはその中央部を切り欠いて固定爪24a,24aが形成されるととともに、同爪24a,24aに対向する揺動レバー25の端面には多数の縦溝を有する可動爪25a,25aが形成されている。また、揺動レバー25,25の外周上には上下に突出したピン26,26がそれぞれ固着され、各ピン26,26の下端部にはスプリング27,27の一端が固定されるとともに同スプリング27,27の他端はプレート24の中央部に固定されている。したがって、スプリング27,27は、可動爪25a,25aが固定爪24a,24bと係合しているときには揺動レバー25,25を前方へ付勢し、かつ可動爪25a,25aが固定爪24a,24aから離脱したときには揺動レバー25,25を後方に付勢する。サブアーム22の内側面には、解除レバー28がプレート24の前面とピン26,26の間にて傾動可能に組み付けられている。なお、これらの揺動レバー25、ピン26、スプリング27および解除レバー28により袋Fを掴むチャック機構を構成している。
【0020】袋支持機構30は、図2〜4,7,8に示すように、L形に屈曲形成されて一端にてフレーム91に回動可能に組付けられた左右一対の袋支持シャフト31,32を備えている。袋支持シャフト31,32は前記一端にてスプリング33,34によって図4,7の時計方向に付勢されていて、原位置にて他端を袋収納機構10の保持ピン13,14の切欠き部13a,14aに係合させている。これらの袋支持シャフト31,32の平行延設部にはストッパ31a,32aが一体的に設けられていて、袋Fが袋搬入機構20によって図4,7,8の右方向に引っ張られたとき、その取付片Faの変位が規制されるようになっている。また、袋支持シャフト31,32には同シャフト31,32と一体回転する所定幅の遮光板35,36が組み付けられるとともに、同遮光板35,36をそれぞれ挟む光学式の検出スイッチSW4,SW5 がフレーム91に固定されている。これらの検出スイッチSW4,SW5 は、袋支持シャフト31,32が原位置(図4,7,8の図示状態)にあるときオン状態にあり、同シャフト31,32が図4,7の反時計方向に若干量回転して遮光板35,36により光線が遮られるとオフして、同シャフト31,32が同方向にさらに回転するとふたたびオンするものである。なお、カセット11を袋Fの交換のために前方に倒した状態では、レバー37の回動により袋支持シャフト31,32がスプリング33,34に抗して下方に回動されて、袋Fの補充後のカセット11のセット時に保持ピン13,14が切欠き部13a,14aにて袋支持シャフト31,32に係合するようになっている。
【0021】右側の氷収容投入機構40Aは、図3に示すように、フレーム91に組み付けられていて右側の製氷機A1から落下供給される氷を収容するタンク41aを備えている。タンク41aには、自動袋詰め装置Bの中央部に氷を落下させる搬送シュート42aが一体的に組み付けられているとともに、同タンク41aの下部から搬送シュート42aに沿って氷を搬送するオーガ43aが回転可能に組み付けられている。オーガ43aはフレーム91に組み付けた減速機付きの電動モータM2により回転駆動されるようになっている。タンク41aの底部には排水管44aの端部が接続されていて、同配水管44aはタンク41a内に溜まる融解水を外部に排出する。タンク41aの上部には異常時などにタンク41a内の氷を融解させる散水管45aが配設されていて、同散水管45aには電磁ソレノイドSLa により駆動される給水弁46aを介して外部からの給水が可能となっている。また、タンク41aの下部および上部には光学式の検出スイッチSW6Lおよび検出スイッチSW6Hがそれぞれ組み付けられている。検出スイッチSW6Lは通常オフ状態にあり、タンク41内の氷が袋Fの一杯分以上になるとオンする。検出スイッチSW6Hは通常オフ状態にあり、氷がタンク41a内に満杯近くなるとオンする。左側の氷収容投入機構40Bは右側の氷収容投入機構40Aと対称的に構成されていて、前記と同様なタンク41b、搬送シュート42b、オーガ43b、排水管44b、散水管45bおよび電磁ソレノイドSLb を内蔵した給水弁46b(図示されていない)を備えている。なお、以降の説明においては、右側の氷収容投入機構40A内の各部品には「右」を付与して呼び、左側の氷収容投入機構40B内の各部品には「左」を付与して呼ぶことにする。また、左側の氷収容投入機構40Bも前記と同様の電動モータM3および検出スイッチSW7L,SW7Hを備えている。
【0022】シール機構50は、図3,4に示すように、ヒータブロック51およびシールバー52を備えている。ヒータブロック51はフレーム91に固定されていて、内蔵したヒータ51aへの通電により熱せられる。シールバー52は門型の支持アーム53および支持シャフト54,54を介してフレーム91に回動可能に組み付けられている。支持アーム53の両端は、一対のリンク55,55、駆動アーム56,56および引張コイルスプリング57,57を介して、フレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト58に接続されており、同シャフト58の回転により同アーム53がシールバー52と共に回転駆動されるようになっている。駆動シャフト58はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM4により回転駆動される。また、右側の駆動アーム56の近傍のフレーム91には光学式の検出スイッチSW8 が組み付けられており、同スイッチSW8 は同アーム56の回転位置によりシールバー52が上位置にあるときオンしそれ以外のときオフしている。右側の駆動シャフト58の近傍のフレーム91には検出スイッチSW9 が組み付けられており、同スイッチSW9 は同シャフト58の回転位置によりシールバー52が下位置にあるときオンしそれ以外のときオフしている。
【0023】袋落下機構60は、図3〜6に示すように、長方形上のベース61を備え、同ベース61は四隅にて4組のリンク対62,63,64,65により上下動可能に支持されている。右側の前後両リンク対62,64は基端にてフレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト66に固定されており、同シャフト66はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM5により回転駆動されるようになっている。左側の前後両リンク対63,65は基端にてフレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト67に固定されており、同シャフト67はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM6により回転駆動されるようになっている。また、右側の駆動シャフト66の近傍のフレーム91には、同シャフト66の回転位置に応答する光学式の検出スイッチSW10,SW11,SW12が組み付けられている。検出スイッチSW10はベース61の右端が上位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。検出スイッチSW11はベース61の右端が中央位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。検出スイッチSW12はベース61の右端が下位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。また、左側の駆動シャフト67の近傍のフレーム91には、前記各検出スイッチSW10,SW11,SW12と同種の検出スイッチSW13,SW14,SW15が組み付けられている。
【0024】計量機構70は、図4に示すように、図示右端にて袋落下機構60のベース61に傾動可能に支持されかつ左端にてスプリング71により弾性的に支持された受け板72を有する。受け板72上には氷の入った袋Fを保持する略U字上の保持板73が固定されているとともに、同受け板72の下方には受け板72上の重量を測定するための光学式の検出スイッチSW16が設けられている。検出スイッチSW16は通常オフ状態にあり、受け板72上の重量が所定値以上になるとオンするものである。
【0025】また、氷の自動袋詰め装置Bは、前述した電動モータM1〜M6、電磁ソレノイドSLa,SLb およびヒータ51aを制御するための電気制御装置80を備えている。電気制御装置80は、図13に示すように、検出スイッチSW1 〜SW16に接続されたマイクロコンピュータ81(以下、単にマイコン81という)、同マイコン81に接続されたドライブ回路82、断線センサ83、警告器84および電源スイッチ85を備えている。マイコン81およびドライブ回路82は図1,2に示す電気制御装置本体80Aに内蔵されていて、同マイコン81は電源スイッチ85の投入により図14〜17に示したフローチャートに対応したプログラムを実行するもので、ドライブ回路82は前記マイコン81により制御されて電動モータM1〜M6およびヒータ51aを駆動するものである。断線センサ83はヒータ51aに流れる電流の有無を検出する電流計で構成され、ヒータ51aの断線時に同断線を表す検出信号を出力する。なお、この断線センサ83を温度センサで構成して、ヒータ51aへの通電時にヒータブロック51の温度が上昇しないとき前記断線を表す検出信号を出力するようにしてもよい。警告器84および電源スイッチ85は自動袋詰め装置Bのフロントカバーに形成した窓B1を介して外部に開口した操作パネル80Bに設けられている。警告器84はブザー、表示器などでなり、袋Fのシール動作の異常発生時に使用者に同異常発生を知らせるものである。電源スイッチ85は当該自動袋詰め装置Bの作動を開始させるものである。
【0026】次に、前記のように構成した実施例の動作を説明する。電源スイッチ85が投入されると、マイコン81は図14のステップ100にて「メインプログラム」の実行を開始して、ステップ102〜110からなる循環処理を繰り返し実行する。マイコン81はステップ102にて袋収納機構10に収容されている多数の袋Fのうちの一つをベース61の上方に搬入するための袋搬入処理を実行する。この処理においては、まず電動モータM1が正転される。この電動モータM1の正転により、メインアーム21は原位置(図4の状態)から図示反時計方向に回動し始める。この場合、サブアーム22および解除レバー28もメインアーム21と共に図12の中央に示した位置関係のまま回動し、サブアーム22に固定したプレート24の前面がカセット11内に収容された袋Fに当接した時点で同アーム22の回動は停止する。その後も、電動モータM1は正転し続けるので、メインアーム21は板ばね23a,23bの作用によりさらに回動し続けてピン26,26をスプリング27,27に抗して前方へ押圧する。これにより、揺動レバー25,25が回動して、図12の左側に示すように、カセット11内に収容された多数の袋Fのうち最も表面側にある一枚の袋Fの後側面をその可動爪25a,25aとプレート24に形成した固定爪24a,24aとの間にそれぞれ挟み込む。一方、この状態では、メインアーム21はサブアーム22より前方に位置しており、検出スイッチSW3 がオンする。この検出スイッチSW3 のオンに応答して、マイコン81は前記電動モータM1の正転を停止させる。このとき、スプリング27,27は、揺動レバー25,25を固定爪24a,24a側に付勢するので、袋Fの後側面は固定爪24a,24aおよび可動爪25a,25aの間に保持される。
【0027】そして、前記電動モータM1の停止制御から2秒後に、マイコン81は電動モータM1を逆転させる。この電動モータM1の逆転により、メインアーム21は図4R>4にて時計方向に回動して原位置に復帰すると同時に、サブアーム22もメインアーム21と共に同方向に回動して原位置に復帰する。このメインアーム21の原位置への復帰によって検出スイッチSW2 がオンし、この検出スイッチSW2 のオン動作に応答してマイコン81は前記電動モータM1の逆転を停止させる。このとき、揺動レバー25,25はスプリング27,27の作用によりその可動爪25a,25aにて袋Fの後側面を掴んだままであるので、袋Fは袋支持シャフト31,32上を移動するとともに、図12の右側に示すように袋Fの前側面にある取付片Faがストッパ31a,32aに当接して上部開口が広げられる。また、袋Fの取付片Faがストッパ31a,32aに当接した状態では、前記サブアーム22の回動により袋支持シャフト31,32がスプリング33,34に抗して図7にて反時計方向に回動されるので、遮光板35,36も回動されて初めオン状態にあった検出スイッチSW4,SW5 をオフする。
【0028】前記ステップ102の処理後、マイコン81はステップ104にてベース61を中央高さ位置に設定するためのベース中央位置設定処理を実行する。この処理においては、マイコン81は電動モータM5,M6 の回転を検出スイッチSW11,SW14からの信号に応じてフィードバック制御して、ベース61を中央高さ位置に設定する。この中央高さ位置は、図19の(A)に示すように、支持シャフト31,32によって支持された袋Fの底がベース61に達しない高さである。
【0029】次に、マイコン81は図14のステップ106にて氷投入計量処理ルーチンを実行する。この氷投入計量処理ルーチンにおいては、まず電動モータM2または電動モータM3が正転される。これにより、右オーガ43aまたは左オーガ43bが回転し始め、右タンク41aまたは左タンク41b内の氷が右搬送シュート42aまたは左搬送シュート42bを介して順次上方へ搬送されて支持シャフト31,32によって支持されている袋F内へ投入され始める。なお、この場合、検出スイッチSW6L,SW7L が共にオンしていて両タンク41a,41b内に袋一杯分以上の氷があれば、氷を両タンク41a,41bから1袋ずつ交互に投入するために、電動モータM2または電動モータM3はステップ104〜116からなる循環処理毎に交互に正転される。一方、検出スイッチSW6L,SW7L のいずれか一方のみがオンしていて一方のタンク41a,41b内にのみ袋一杯分以上の氷があるときには、同スイッチSW6L,SW7L がオンしている側の電動モータM2または電動モータM3のみが正転される。また、この氷の投入と同時に、電動モータM5,M6 の正転によりベース61を上位置に上昇させて、袋F内に投入された氷の荷重が支持シャフト31,32に付与されないで、全荷重がベース61(受け板72)のみにより支承されるようにする。ベース61を上位置まで上昇させた(図1919の(B)参照)後、前記氷の投入によって袋F内の氷が所定量に達すると検出スイッチSW16がオンする。この検出スイッチSW16のオン動作に応答して、マイコン81は前記電動モータM2または電動モータM3の正転を停止させて、右タンク41aまたは左タンク41bからの氷の袋Fへの投入を停止する。
【0030】次に、マイコン81はステップ108にて袋支持機構30に支持されている氷の入った袋Fの上部をシールするための「シール処理ルーチン」を実行する。この「シール処理ルーチン」は図15〜17に詳細に示されており、マイコン81はステップ200にて同ルーチンの実行を開始し、ステップ202にてシール動作の異常を検出するためのタイマ値BKTMを「0」に初期設定する。なお、この種のタイマ値BKTMは「メインプログラム」の実行中に所定時間毎に行われる図示しない「インタラプトプログラム」の実行によって所定時間毎に「1」ずつカウントアップされる。次に、マイコン81はステップ204にて電動モータM4を正転させる。この電動モータM4の正転によってシールバー52が支持シャフト54を中心にして図4の反時計方向に回動して(図18の(A)〜(C)参照)、同バー52は袋支持シャフト31,32に係止されている袋Fの前側面上部を同シャフト31,32の反時計方向への回動と共にヒータブロック51に向けて移動し始める。
【0031】前記ステップ204の処理後、マイコン81はステップ206〜210の処理により、電動モータM5,M6を3.5秒間逆転させ、その後、同モータM5,M6 を2秒間停止させた後、1秒間正転させる。これにより、ベース61(受け板72)は上位置(図19の(B)の状態)から多少下がった高さ位置にて静止する。この場合、ベース61を一旦下降させた後、再度上昇させるようにしたのはベース61が重力により大きく下降してしまうことを避けるためである。この状態では、袋Fは支持シャフト31,32により支持されるとともに受け板72によっても支承され、同袋Fは氷の重量のために伸びた状態にある。一方、マイコン81は前記ステップ210の処理後、検出スイッチSW9 がオンするか、またはタイマ値BKTMが90秒に相当する値になるまで、ステップ212,214の循環処理を実行し続ける。シール機構50が正常に作動していれば、前記電動モータM4の正転開始から90秒が経過する前に、シールバー52が下位置まで達して検出スイッチSW9 がオンする。この検出スイッチSW9 のオン動作に応答して、マイコン81はステップ212にて「YES」と判定して、ステップ216にて前記電動モータM4の正転を停止させる。このとき、袋搬入機構20の揺動レバー25,25の可動爪25a,25aはプレート24,24の固定爪24a,24aとの間に袋Fの後側面を掴んだ状態にあるので、シールバー52はヒータブロック51との間に袋Fの前側面と後側面を合わせた状態でその上部を挟み込む。そして、この袋Fの挟み込みにおいては、袋Fは前記受け板の下降によって下方に伸ばされた状態にあるので、同袋Fの上部にしわがよることもなく適正に同上部がヒータブロック51とシールバー52との間に挟み込まれる。
【0032】一方、この挟み込みとほぼ同時に、シールバー52は袋搬入機構20の解除レバー28を図4の時計方向に押圧するので、同レバー28の上辺がピン26,26を図12にて右方に押圧する。これにより、揺動レバー25,25が回動して可動爪25a,25aによる袋Fの保持が解除される。なお、この解除状態では、スプリング27,27の作用によりメインアーム21、サブアーム22、揺動レバー25,25などは図12R>2の中央の状態に保たれる。
【0033】次に、マイコン81はステップ218にて電動モータM4を逆転させ、同モータM4の制御状態を表すフラグSBMDを”1”に設定し、かつ同モータM4の作動時間を規定するためのタイマ値SBTMを「0」に初期設定する。この電動モータM4の逆転により、シールバー52には上方向に移動し始める。また、マイコン81はステップ220,222にて電動モータM5,M6 を正転させるとともに、両モータM5,M6 の制御状態をそれぞれ表すフラグRBMD,LBMD を”1”に設定する。この電動モータM5,M6 の正転により、ベース61(受け板72)は上昇し始める。そして、マイコン81はステップ224〜242からなる循環処理を繰り返し実行する。この循環処理中、前記電動モータM4の逆転開始から2秒が経過すると、マイコン81はステップ224〜228の処理によって前記電動モータM4の逆転を停止させるとともにフラグSBMDを”0”に戻す。この電動モータM4の2秒間の逆転により、ヒータブロック51とシールバー52による袋Fの上部の挟み込みは若干緩められる。また、同循環処理中、ベース61の両端(受け板72)がそれぞれ上位置に達すると、マイコン81はステップ230〜234およびステップ236〜240の処理によって前記電動モータM5,M6 の正転をそれぞれ停止させるとともにフラグRBMD,LBMD を”0”に戻す。そして、フラグSBMD,RBMD,LBMDの全てが”0”に戻された時点で、マイコン81はステップ242にて「YES」と判定してプログラムをステップ244〜248へ進める。この状態では、袋Fの上部がヒータブロック51とシールバー52との間に緩く挟まれているとともに、同袋Fはベース61(受け板72)により支承されている。ステップ244〜248においては、マイコン81は電動モータM4を検出スイッチSW9 がオンするまで正転させる。これにより、袋Fの上部のヒータブロック51およびシールバー52による挟み込みが再度なされ、同挟み込みが堅固なものとなる。
【0034】次に、マイコン81はステップ250にてヒータ51aに通電するとともに、同通電時間を規定するためのタイマ値HTM を「0」に初期設定して、ステップ252にて断線センサ83からの検出信号によりヒータ51aが断線しているか否かを判定する。ヒータ51aか断線していなければ、マイコン81はステップ252にて「NO」と判定して、前記タイマ値HTMが0.6秒に相当する値になるまで、ステップ252,254からなる循環処理を繰り返し実行する。前記ヒータ51aの通電開始から0.6秒が経過すると、マイコン81はステップ254にて「YES」と判定して、ステップ256にてヒータ51aへの通電を解除する。これにより、袋Fの上部が溶解して前側面と後側面が接着されて、同上部がシールされる。このとき、袋Fはベース61(受け板72)により支承されているので、前記袋Fの上部が溶解しても同上部が破れることがない。次に、マイコン81はステップ258にて袋Fの上部の冷却のために2秒間待った後、ステップ260〜264の処理により電動モータM4を検出スイッチSW8 がオンするまで逆転させ、すなわちシールバー52を上位置まで移動させて、ステップ266にてこの「シール処理ルーチン」の実行を終了する。
【0035】前記「シール処理ルーチン」の終了後、マイコン81は図14のステップ110にて氷の入った袋FをストッカC内に落下させるための袋落下処理を実行する。この処理においては、まず、電動モータM5,M6 が逆転駆動され、リンク62〜65の作用によりベース61が下降する。この場合、最初図19の(B)に示すように上位置にあったベース61は図19の(C)に示す下位置まで降下する。この状態で検出スイッチSW12,SW15 はオンし、マイコン81は各スイッチSW12,SW15のオン動作に応答して前記電動モータM5,M6 の逆転をそれぞれ停止させる。次に、マイコン81は電動モータM6(または電動モータM5)を正転させる。これにより、ベース61の左端(または右端)が上昇し、氷の入った袋Fは図19R>9の(D)に示すようにベース61から滑り落ちてストッカC内に落下する。このベース61の左端(または右端)の上昇は同左端(または右端)が上位置まで到達するまで続行される。ベース61の左端(または右端)が図19の(E)に示すように上位置に到達すると、検出スイッチSW13(または検出スイッチSW10)がオンし、マイコン81は同スイッチSW13のオン動作に応答して前記電動モータM6(または前記電動モータM5)の正転を停止させる。その後、マイコン81は検出スイッチSW11,SW14との協働により電動モータM5,M6を回転させて、ベース61の両端を中央位置に移動させる。
【0036】このステップ110の処理後、マイコン81はプログラムをステップ102に戻して、前記ステップ102〜110からなる循環処理を繰り返し実行する。このように、マイコン81は袋Fの搬入動作、計量機構70により所定量の氷が検出されるまで氷を袋F内に投入する氷収容投入機構40A,40Bによる氷の投入動作、シール機構50による袋Fのシール動作、および落下機構60による袋Fの落下動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御して、所定量ずつの氷を順次袋詰めするとともに同袋詰めされた氷を一袋ずつ順次ストッカCに蓄積する。
【0037】以上の説明は、シール機構50の作動が正常である場合であり、次に、同機構50に異常が発生した場合について説明する。まず、電動モータM4などのシールバー52を下位置へ移動させる機構に異常が発生した場合について説明する。この場合、図15のステップ204にて電動モータM4を正転させてもシールバー52は下位置まで下降しない、または下降するために多大な時間を要する。したがって、この場合には、マイコン81は、ステップ212,214からなる循環処理中、ステップ214にて「YES」すなわちタイマ値BKTMが90秒に相当する値以上であると判定してプログラムをステップ268,270に進める。ステップ268においては、シール機構50が異常であることを表すデータが警告器84に出力され、同警告器84は表示器にて同異常を表示するとともにブザー音を発音する。これにより、使用者はシール機構50に異常が発生したことを簡単に認識できる。ステップ270においては、電磁ソレノイドSLa,SLb が80分間通電される。これにより、外部からの水が給水弁46a,46bを介して散水器45a,45bに供給され、散水器45a,45bはタンク41a,41b内の氷に散水するので、同タンク41a,41b内の氷が融けて配水管44a,44bを介して外部へ排出される。したがって、シール機構50に異常が発生してタンク41a,41b内の氷が長時間袋詰めされない場合にも、同タンク41a,41b内の氷同士がくっついて(アーチングして)、その後の氷収容投入機構40A,40Bの作動に異常を来すことがなくなる。前記ステップ268,270の処理後、マイコン81はステップ272にてプログラムの実行を停止、すなわち各機構のシーケンス動作の制御を停止する。これにより、氷が袋詰めされないままで自動袋詰め装置BおよびストッカC内に氷が散在することを未然に防止できる。
【0038】一方、ヒータ51aが断線した場合には、マイコン81は、図17のステップ252,254からなる循環処理中、ステップ252にて「YES」すなわちヒータ51aが断線していると判定してプログラムをステップ274,276に進める。ステップ274においては、ヒータ51aが断線していることを表すデータが警告器84に出力され、同警告器84は表示器にて同ヒータ51aの断線を表示するとともにブザー音を発音する。これにより、使用者はヒータ51aが断線したことを簡単に認識できる。ステップ276においては、前記ステップ270の場合と同様な処理により、タンク41a,41b内の氷が融かされる。したがって、この場合も、ヒータ51aが断線してタンク41a,41b内の氷が長時間袋詰めされない場合にも、同タンク41a,41b内の氷同士がくっついて(アーチングして)、その後の氷収容投入機構40A,40Bの作動に異常を来すことがなくなる。前記ステップ274,276の処理後、マイコン81はステップ278にてプログラムの実行を停止、すなわち各機構のシーケンス動作の制御を停止する。これにより、この場合も、氷が袋詰めされないままで自動袋詰め装置BおよびストッカC内に氷が散在することを未然に防止できる。
【0039】なお、上記実施例においては、計量機構70の重量測定により所定量の氷が氷収容投入機構40A,40Bによって袋F内に投入されるようにしたが、この計量機構70による重量測定の代わりに、氷収容投入機構40A,40Bによる氷の投入時間を規定して所定量の氷が袋詰めされるようにしてもよい。また、上記実施例おいては、氷を袋詰めする場合について説明したが、この自動袋詰め装置は氷に限らず、菓子、キャンデー、その他の品物を袋詰めすることもできる。この場合、タンク41a,41b内に氷の代わりに品物を入れておくようにするとともに、ヒータ51aの異常時の散水処理を省略するようにするとよい。また、上記実施例においては、ヒータブロック51をフレーム91に固定するとともにシールバー52を可動にしたが、この関係を逆にして、ヒータ51aを内蔵するヒータブロック51を可動にしてシールバー52をフレーム91に固定するようにしてもよい。また、ヒータブロック51とシールバー52の両者を可動にしてもよい。さらに、上記実施例では、各機構の作動時間に関して具体的な数値を例示したが、これらの時間は各機構にて採用される各部品の容量、性能などに応じて種々変更されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す製氷袋詰め機の正面概略図である。
【図2】 図1の氷の自動袋詰め装置の部分破断正面図である。
【図3】 図2の部分拡大図である。
【図4】 前記氷の自動袋詰め装置の部分破断側面図である。
【図5】 同部分正面図である。
【図6】 同部分背面図である。
【図7】 袋収納機構および袋支持機構の側断面図である。
【図8】 袋収納機構および袋支持機構の平面図である。
【図9】 (A)は袋の正面図、(B)は袋の側面図である。
【図10】 袋搬入機構を正面側から見た斜視図である。
【図11】 袋搬入機構を背面側から見た斜視図である。
【図12】 袋搬入機構の作動状態を示す平面図である。
【図13】 電気制御装置のブロック図である。
【図14】 図13のマイコンにて実行される「メインプログラム」のフローチャートである。
【図15】 図14の「シール処理ルーチン」の詳細を示すフローチャートの前部分である。
【図16】 同ルーチンの詳細を示すフローチャートの中間部分である。
【図17】 同ルーチンの詳細を示すフローチャートの後部分である。
【図18】 シール機構の作動説明図である。
【図19】 袋落下機構の作動説明図である。
【符号の説明】
A1,A2…製氷機、B…自動袋詰め装置、C…ストッカ、F…袋、10…袋収納機構、11…カセット、20…袋搬入機構、20a…チャック機構、21…メインアーム、30…袋支持機構、31,32…袋支持シャフト、40A,40B…氷収容投入機構、41a,41b…タンク、43…オーガ、50…シール機構、51…ヒータブロック、52…シールバー、60…袋落下機構、61…ベース、62〜64…リンク対、70…計量機構、71…スプリング、72…受け板、81…マイクロコンピュータ(マイコン)、83…警告器、M1〜M6…電動モータ、SW1 〜SW16…検出スイッチ、SLa,SLb…電磁ソレノイド。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷などの品物を所定量ずつ自動的に袋詰めするとともに同袋をシールする自動袋詰め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えばアメリカ合衆国特許第5,109,651号明細書に示されているように、熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、袋収納機構から袋を一つずつ受け板上に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて上部にて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、ヒータを内蔵したヒータブロック、袋の上部をヒータブロックに圧接するシールバー、およびシールバーを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに向けて移動させる第1可動機構を有し前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、各機構を制御する電気制御装置とを備え、同電気制御装置が、袋搬入支持機構による袋の搬入動作、投入機構による品物の投入動作およびシール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御して、前記所定量ずつの氷を順次袋詰めするとともに同袋をシールするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来装置にあっては、受け板は常に一定の高さに保たれているので、袋搬入支持機構によって袋の支持される位置を受け板に対して低くすると、品物の入った袋は受け板によって支承されてその上部にしわができるので、ヒータブロックとシールバーとの間に袋の上部を挟み込む場合、前記しわの部分を挟み込むことになり、袋のシール動作が良好に行われない。また、前記袋の支持される位置を受け板に対して低くすると、袋は受け板により支承されなくなって袋搬入支持機構によって支持されるようになるので、ヒータの通電により袋の上部をシールする際に袋内の品物の重量によって袋が破れたりすることがあった。また、この自動袋詰め装置においては、シール動作に異常が発生しても、同異常に対して的確に対処しておらず、氷などの品物が袋外へ無駄に落下してしまうという問題があった。
【0004】本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的はシール機構による袋のシール動作を的確に行うとともに、同シール動作に異常が発生しても同異常に的確に対処できる自動袋詰め装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、前記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、受け板を上下動させる第2可動機構を設けるとともに、電気制御装置に、第2可動機構を制御して受け板を袋が伸ばされる高さまで下げた状態で第1可動機構を作動させて袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、第1制御手段による制御後に第2可動機構を制御して受け板を袋が受け板により支承される高さまで上昇させた状態でヒータに所定時間通電する第2制御手段と、第2制御手段による制御後に第1可動機構を制御してヒータブロックおよびシールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設けたことにある。
【0006】また、前記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に係る発明において、前記第2制御手段に、前記受け板の上昇後であって前記ヒータの通電前に前記第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む再挟み込み制御手段を設けたことにある。
【0007】また、前記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、電気制御装置に、シール機構の作動異常を検出する異常検出手段と、前記異常が検出されたときシーケンス動作を停止させる停止制御手段とを設けたことにある。
【0008】また、前記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、電気制御装置に、可動機構を制御して袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、第1制御手段による制御後にヒータに所定時間通電する第2制御手段と、第2制御手段による制御後に可動機構を制御してヒータブロックおよびシールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設け、前記請求項3に係る発明の異常検出手段を第1制御手段による袋の挟み込みに所定時間以上経過していることを検出する手段で構成したことにある。
【0009】また、前記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項3に係る発明の異常検出手段をヒータの断線を検出する手段で構成したことにある。
【0010】さらに、前記請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、前記品物は氷であり、タンクに氷を融かすための散水器を設け、かつ電気制御装置に停止制御手段がシーケンス動作を停止させたとき散水器を作動させる融解制御手段を設けたことにある。
【0011】
【発明の作用・効果】前記のように構成した請求項1に係る発明においては、袋の上部がヒータブロックとシールバーとの間に挟み込まれる際には、第1制御手段が袋を伸ばした状態に保つので、袋の上部にしわがよることはなく、同上部はヒータブロックとシールバーとの間に適正に挟み込まれる。また、袋の上部が溶解によってシールされる際には、第2制御手段が袋を受け板に支承させるので、袋がその自重によって破れることもない。その結果、この請求項1に係る発明によれば、品物が詰められた袋が常に的確にシールされるようになる。
【0012】また、前記のように構成した請求項2に係る発明においては、再挟み込み制御手段が、受け板の上昇後であってヒータの通電前に、第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込むので、ヒータへの通電前に確実に袋の上部が挟み込まれる。その結果、この請求項2に係る発明によれば、袋上部のシールが前記請求項1に係る発明よりもさらに良好に行われる。
【0013】また、前記のように構成した請求項3に係る発明においては、シール機構の作動に異常が発生した場合には、異常検出手段が同異常を検出する。この場合、異常検出手段は、例えば前記請求項4に係る発明のように、袋の上部をヒータブロックとシールバーとの間に挟み込むのに所定時間以上要したことを検出する。また、異常検出手段は、例えば前記請求項5に係る発明のように、ヒータの断線を検出する。そして、このようにしてシール機構の作動異常が検出された場合には、停止制御手段が電気制御装置によるシーケンス動作を停止せる。その結果、これらの請求項3〜5に係る発明によれば、袋がシールされない場合には、投入機構による次の品物の投入動作が行われないので、同品物がこの自動袋詰め装置内に散在することを避けることができる。
【0014】さらに、前記のように構成した請求項6に係る発明においては、前記停止制御手段が電気制御装置によるシーケンス動作を停止させたときに、融解制御手段が散水器を作動させてタンク内の氷を融解させる。その結果、この請求項6に係る発明によれば、氷の投入動作を停止した場合でも、タンク内の氷は前記散水により融けてしまうので、同タンク内で氷がくっついて(アーチング)しまうことがなくなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、図1は本発明による製氷袋詰め機を外観正面図により示している。この製氷袋詰め機は、上段に配置した左右一対の製氷機A1,A2と、中段に配置した氷の自動袋詰め装置Bと、下段に配置した前面に開閉扉C1,C2を有するストッカ(冷凍保管庫)Cとによって構成されている。各製氷機A1,A2は所定周期で製氷行程と除氷行程を繰り返し、製氷行程にて所定形状の氷を所定の速度で自動的に生成し、除氷行程にて前記氷を自動的に落下させて下方に配置した氷の自動袋詰め装置Bに供給するものであり、例えば米国特許第4,791,792号明細書に示されているものを用いることができる。
【0016】氷の自動袋詰め装置Bは、図2〜図6に示すように、同装置Bの中央部前側に配置されていて多数の袋Fを収容する袋収納機構10と、袋収納機構10の後方に設けられて同機構10から袋Fを一つずつ所定位置に搬入する袋搬入機構20と、袋収納機構10と袋搬入機構20との間の上方に配置されて袋搬入機構20との協働により袋Fの上部開口を図2にて仮想線により示したように広げて支持する袋支持機構30と、袋支持機構30の左右に配置されて各製氷機A1,A2にて生成された氷を収容するとともに前記広げられた袋Fに氷を投入する左右一対の氷収容投入機構40A,40Bと、所定量の氷が詰め込まれた袋Fの上部をシールするシール機構50と、袋支持機構30の下方に配置されて袋Fに詰め込まれてシールされた氷をストッカC内に滑り落とす袋落下機構60と、この袋落下機構60に一体的に組付けられて袋Fに詰め込まれる氷を計量する計量機構70等によって構成されている。
【0017】袋収納機構10は、図4,7,8に示すように、裏面および下面を開口させて直方体状に形成され多数の袋Fを収容するためのカセット11を備えている。カセット11は下端に固着したシャフト12によりフレーム91に回動可能に組付けられ、その内側面上端部には袋Fを保持するための保持ピン13,14および同袋Fの誤組付けを防止するための向き指定ピン15が固定されている。保持ピン13,14は中空状に形成されるとともに、先端部の下半分を切り欠いた切欠き13a,14aを有している。このように構成したカセット11は、フレーム91に回転可能に組み付けられた固定板16によって自動袋詰め装置Bの作動時に略垂直にて固定されていて後方に向けて袋Fが取り出し可能であるとともに、固定板16の上方への回動状態にて前方に倒されて袋Fが各ピン13〜15に組み付け可能となっている。また、フレーム91にはカセット11のセット状態を検出するための検出スイッチSW1 が組み付けられていて、同スイッチSW1 は、カセット11がセット状態にあるときオンし、カセット11がセット状態にないときオフしている。各袋Fはポリエチレンなどの熱により溶解する透明の合成樹脂で形成されており、図9に示すように、底部が内部上方に織り込まれていて氷を収容すると部分的に下方へ伸びるようになっている。この袋Fの上端開口部分の前側面にはカセット11のピン13〜15への取付孔Fa1,Fa2,Fa3 を有する取付片Faが形成されている。
【0018】袋搬入機構20は、図3,4,8,10〜12に示すように、下端に固着した一対のシャフト21a,21bにてフレーム91に傾動可能に組付けられる門型のメインアーム21を備えている。メインアーム21はフレーム91に組付けられて減速機付きの電動モータM1により傾動されるようになっているとともに、その原位置(図4の状態)が光学式の検出スイッチSW2 により検出されるようになっている。検出スイッチSW2 は袋搬入モータM1の回転軸の回転位置を検出して、メインアーム21が原位置に復帰したときオンしそれ以外のときオフしている。メインアーム21の内側には門型のサブアーム22が傾動可能に組み付けられている。サブアーム22はメインアーム21の裏面に固定した一対の板ばね23a,23bおよびサブアーム22の裏面から左右に突出した突部22a,22bによりメインアーム21に係合しており、メインアーム21が図4にて反時計方向へ傾動するときには板ばね23a,23bによって同方向へ弾撥的に押動され、またメインアーム21が図4の時計方向へ傾動するときには突部22a,22bによって同方向へ一体的に押動されるようになっている。また、メインアーム21の後面には袋掴み動作を確認するための検出スイッチSW3 が取り付けられており、同スイッチSW3 は、メインアーム21がサブアーム22に対して所定角度以上傾動したときオンしそれ以外のときにはオフしている。
【0019】サブアーム22の上辺には、前端部を下方に曲げて形成したプレート24が固着されるとともに、同プレート24には左右一対の揺動レバー25,25が揺動可能に組み付けられている。プレート24の前記下方に曲げた部分の両端部にはその中央部を切り欠いて固定爪24a,24aが形成されるととともに、同爪24a,24aに対向する揺動レバー25の端面には多数の縦溝を有する可動爪25a,25aが形成されている。また、揺動レバー25,25の外周上には上下に突出したピン26,26がそれぞれ固着され、各ピン26,26の下端部にはスプリング27,27の一端が固定されるとともに同スプリング27,27の他端はプレート24の中央部に固定されている。したがって、スプリング27,27は、可動爪25a,25aが固定爪24a,24bと係合しているときには揺動レバー25,25を前方へ付勢し、かつ可動爪25a,25aが固定爪24a,24aから離脱したときには揺動レバー25,25を後方に付勢する。サブアーム22の内側面には、解除レバー28がプレート24の前面とピン26,26の間にて傾動可能に組み付けられている。なお、これらの揺動レバー25、ピン26、スプリング27および解除レバー28により袋Fを掴むチャック機構を構成している。
【0020】袋支持機構30は、図2〜4,7,8に示すように、L形に屈曲形成されて一端にてフレーム91に回動可能に組付けられた左右一対の袋支持シャフト31,32を備えている。袋支持シャフト31,32は前記一端にてスプリング33,34によって図4,7の時計方向に付勢されていて、原位置にて他端を袋収納機構10の保持ピン13,14の切欠き部13a,14aに係合させている。これらの袋支持シャフト31,32の平行延設部にはストッパ31a,32aが一体的に設けられていて、袋Fが袋搬入機構20によって図4,7,8の右方向に引っ張られたとき、その取付片Faの変位が規制されるようになっている。また、袋支持シャフト31,32には同シャフト31,32と一体回転する所定幅の遮光板35,36が組み付けられるとともに、同遮光板35,36をそれぞれ挟む光学式の検出スイッチSW4,SW5 がフレーム91に固定されている。これらの検出スイッチSW4,SW5 は、袋支持シャフト31,32が原位置(図4,7,8の図示状態)にあるときオン状態にあり、同シャフト31,32が図4,7の反時計方向に若干量回転して遮光板35,36により光線が遮られるとオフして、同シャフト31,32が同方向にさらに回転するとふたたびオンするものである。なお、カセット11を袋Fの交換のために前方に倒した状態では、レバー37の回動により袋支持シャフト31,32がスプリング33,34に抗して下方に回動されて、袋Fの補充後のカセット11のセット時に保持ピン13,14が切欠き部13a,14aにて袋支持シャフト31,32に係合するようになっている。
【0021】右側の氷収容投入機構40Aは、図3に示すように、フレーム91に組み付けられていて右側の製氷機A1から落下供給される氷を収容するタンク41aを備えている。タンク41aには、自動袋詰め装置Bの中央部に氷を落下させる搬送シュート42aが一体的に組み付けられているとともに、同タンク41aの下部から搬送シュート42aに沿って氷を搬送するオーガ43aが回転可能に組み付けられている。オーガ43aはフレーム91に組み付けた減速機付きの電動モータM2により回転駆動されるようになっている。タンク41aの底部には排水管44aの端部が接続されていて、同配水管44aはタンク41a内に溜まる融解水を外部に排出する。タンク41aの上部には異常時などにタンク41a内の氷を融解させる散水管45aが配設されていて、同散水管45aには電磁ソレノイドSLa により駆動される給水弁46aを介して外部からの給水が可能となっている。また、タンク41aの下部および上部には光学式の検出スイッチSW6Lおよび検出スイッチSW6Hがそれぞれ組み付けられている。検出スイッチSW6Lは通常オフ状態にあり、タンク41内の氷が袋Fの一杯分以上になるとオンする。検出スイッチSW6Hは通常オフ状態にあり、氷がタンク41a内に満杯近くなるとオンする。左側の氷収容投入機構40Bは右側の氷収容投入機構40Aと対称的に構成されていて、前記と同様なタンク41b、搬送シュート42b、オーガ43b、排水管44b、散水管45bおよび電磁ソレノイドSLb を内蔵した給水弁46b(図示されていない)を備えている。なお、以降の説明においては、右側の氷収容投入機構40A内の各部品には「右」を付与して呼び、左側の氷収容投入機構40B内の各部品には「左」を付与して呼ぶことにする。また、左側の氷収容投入機構40Bも前記と同様の電動モータM3および検出スイッチSW7L,SW7Hを備えている。
【0022】シール機構50は、図3,4に示すように、ヒータブロック51およびシールバー52を備えている。ヒータブロック51はフレーム91に固定されていて、内蔵したヒータ51aへの通電により熱せられる。シールバー52は門型の支持アーム53および支持シャフト54,54を介してフレーム91に回動可能に組み付けられている。支持アーム53の両端は、一対のリンク55,55、駆動アーム56,56および引張コイルスプリング57,57を介して、フレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト58に接続されており、同シャフト58の回転により同アーム53がシールバー52と共に回転駆動されるようになっている。駆動シャフト58はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM4により回転駆動される。また、右側の駆動アーム56の近傍のフレーム91には光学式の検出スイッチSW8 が組み付けられており、同スイッチSW8 は同アーム56の回転位置によりシールバー52が上位置にあるときオンしそれ以外のときオフしている。右側の駆動シャフト58の近傍のフレーム91には検出スイッチSW9 が組み付けられており、同スイッチSW9 は同シャフト58の回転位置によりシールバー52が下位置にあるときオンしそれ以外のときオフしている。
【0023】袋落下機構60は、図3〜6に示すように、長方形上のベース61を備え、同ベース61は四隅にて4組のリンク対62,63,64,65により上下動可能に支持されている。右側の前後両リンク対62,64は基端にてフレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト66に固定されており、同シャフト66はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM5により回転駆動されるようになっている。左側の前後両リンク対63,65は基端にてフレーム91に回動可能に組付けられた駆動シャフト67に固定されており、同シャフト67はフレーム91に組付けられた減速機付きの電動モータM6により回転駆動されるようになっている。また、右側の駆動シャフト66の近傍のフレーム91には、同シャフト66の回転位置に応答する光学式の検出スイッチSW10,SW11,SW12が組み付けられている。検出スイッチSW10はベース61の右端が上位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。検出スイッチSW11はベース61の右端が中央位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。検出スイッチSW12はベース61の右端が下位置にあるときオンし、それ以外のときオフしている。また、左側の駆動シャフト67の近傍のフレーム91には、前記各検出スイッチSW10,SW11,SW12と同種の検出スイッチSW13,SW14,SW15が組み付けられている。
【0024】計量機構70は、図4に示すように、図示右端にて袋落下機構60のベース61に傾動可能に支持されかつ左端にてスプリング71により弾性的に支持された受け板72を有する。受け板72上には氷の入った袋Fを保持する略U字上の保持板73が固定されているとともに、同受け板72の下方には受け板72上の重量を測定するための光学式の検出スイッチSW16が設けられている。検出スイッチSW16は通常オフ状態にあり、受け板72上の重量が所定値以上になるとオンするものである。
【0025】また、氷の自動袋詰め装置Bは、前述した電動モータM1〜M6、電磁ソレノイドSLa,SLb およびヒータ51aを制御するための電気制御装置80を備えている。電気制御装置80は、図13に示すように、検出スイッチSW1 〜SW16に接続されたマイクロコンピュータ81(以下、単にマイコン81という)、同マイコン81に接続されたドライブ回路82、断線センサ83、警告器84および電源スイッチ85を備えている。マイコン81およびドライブ回路82は図1,2に示す電気制御装置本体80Aに内蔵されていて、同マイコン81は電源スイッチ85の投入により図14〜17に示したフローチャートに対応したプログラムを実行するもので、ドライブ回路82は前記マイコン81により制御されて電動モータM1〜M6およびヒータ51aを駆動するものである。断線センサ83はヒータ51aに流れる電流の有無を検出する電流計で構成され、ヒータ51aの断線時に同断線を表す検出信号を出力する。なお、この断線センサ83を温度センサで構成して、ヒータ51aへの通電時にヒータブロック51の温度が上昇しないとき前記断線を表す検出信号を出力するようにしてもよい。警告器84および電源スイッチ85は自動袋詰め装置Bのフロントカバーに形成した窓B1を介して外部に開口した操作パネル80Bに設けられている。警告器84はブザー、表示器などでなり、袋Fのシール動作の異常発生時に使用者に同異常発生を知らせるものである。電源スイッチ85は当該自動袋詰め装置Bの作動を開始させるものである。
【0026】次に、前記のように構成した実施例の動作を説明する。電源スイッチ85が投入されると、マイコン81は図14のステップ100にて「メインプログラム」の実行を開始して、ステップ102〜110からなる循環処理を繰り返し実行する。マイコン81はステップ102にて袋収納機構10に収容されている多数の袋Fのうちの一つをベース61の上方に搬入するための袋搬入処理を実行する。この処理においては、まず電動モータM1が正転される。この電動モータM1の正転により、メインアーム21は原位置(図4の状態)から図示反時計方向に回動し始める。この場合、サブアーム22および解除レバー28もメインアーム21と共に図12の中央に示した位置関係のまま回動し、サブアーム22に固定したプレート24の前面がカセット11内に収容された袋Fに当接した時点で同アーム22の回動は停止する。その後も、電動モータM1は正転し続けるので、メインアーム21は板ばね23a,23bの作用によりさらに回動し続けてピン26,26をスプリング27,27に抗して前方へ押圧する。これにより、揺動レバー25,25が回動して、図12の左側に示すように、カセット11内に収容された多数の袋Fのうち最も表面側にある一枚の袋Fの後側面をその可動爪25a,25aとプレート24に形成した固定爪24a,24aとの間にそれぞれ挟み込む。一方、この状態では、メインアーム21はサブアーム22より前方に位置しており、検出スイッチSW3 がオンする。この検出スイッチSW3 のオンに応答して、マイコン81は前記電動モータM1の正転を停止させる。このとき、スプリング27,27は、揺動レバー25,25を固定爪24a,24a側に付勢するので、袋Fの後側面は固定爪24a,24aおよび可動爪25a,25aの間に保持される。
【0027】そして、前記電動モータM1の停止制御から2秒後に、マイコン81は電動モータM1を逆転させる。この電動モータM1の逆転により、メインアーム21は図4R>4にて時計方向に回動して原位置に復帰すると同時に、サブアーム22もメインアーム21と共に同方向に回動して原位置に復帰する。このメインアーム21の原位置への復帰によって検出スイッチSW2 がオンし、この検出スイッチSW2 のオン動作に応答してマイコン81は前記電動モータM1の逆転を停止させる。このとき、揺動レバー25,25はスプリング27,27の作用によりその可動爪25a,25aにて袋Fの後側面を掴んだままであるので、袋Fは袋支持シャフト31,32上を移動するとともに、図12の右側に示すように袋Fの前側面にある取付片Faがストッパ31a,32aに当接して上部開口が広げられる。また、袋Fの取付片Faがストッパ31a,32aに当接した状態では、前記サブアーム22の回動により袋支持シャフト31,32がスプリング33,34に抗して図7にて反時計方向に回動されるので、遮光板35,36も回動されて初めオン状態にあった検出スイッチSW4,SW5 をオフする。
【0028】前記ステップ102の処理後、マイコン81はステップ104にてベース61を中央高さ位置に設定するためのベース中央位置設定処理を実行する。この処理においては、マイコン81は電動モータM5,M6 の回転を検出スイッチSW11,SW14からの信号に応じてフィードバック制御して、ベース61を中央高さ位置に設定する。この中央高さ位置は、図19の(A)に示すように、支持シャフト31,32によって支持された袋Fの底がベース61に達しない高さである。
【0029】次に、マイコン81は図14のステップ106にて氷投入計量処理ルーチンを実行する。この氷投入計量処理ルーチンにおいては、まず電動モータM2または電動モータM3が正転される。これにより、右オーガ43aまたは左オーガ43bが回転し始め、右タンク41aまたは左タンク41b内の氷が右搬送シュート42aまたは左搬送シュート42bを介して順次上方へ搬送されて支持シャフト31,32によって支持されている袋F内へ投入され始める。なお、この場合、検出スイッチSW6L,SW7L が共にオンしていて両タンク41a,41b内に袋一杯分以上の氷があれば、氷を両タンク41a,41bから1袋ずつ交互に投入するために、電動モータM2または電動モータM3はステップ104〜116からなる循環処理毎に交互に正転される。一方、検出スイッチSW6L,SW7L のいずれか一方のみがオンしていて一方のタンク41a,41b内にのみ袋一杯分以上の氷があるときには、同スイッチSW6L,SW7L がオンしている側の電動モータM2または電動モータM3のみが正転される。また、この氷の投入と同時に、電動モータM5,M6 の正転によりベース61を上位置に上昇させて、袋F内に投入された氷の荷重が支持シャフト31,32に付与されないで、全荷重がベース61(受け板72)のみにより支承されるようにする。ベース61を上位置まで上昇させた(図1919の(B)参照)後、前記氷の投入によって袋F内の氷が所定量に達すると検出スイッチSW16がオンする。この検出スイッチSW16のオン動作に応答して、マイコン81は前記電動モータM2または電動モータM3の正転を停止させて、右タンク41aまたは左タンク41bからの氷の袋Fへの投入を停止する。
【0030】次に、マイコン81はステップ108にて袋支持機構30に支持されている氷の入った袋Fの上部をシールするための「シール処理ルーチン」を実行する。この「シール処理ルーチン」は図15〜17に詳細に示されており、マイコン81はステップ200にて同ルーチンの実行を開始し、ステップ202にてシール動作の異常を検出するためのタイマ値BKTMを「0」に初期設定する。なお、この種のタイマ値BKTMは「メインプログラム」の実行中に所定時間毎に行われる図示しない「インタラプトプログラム」の実行によって所定時間毎に「1」ずつカウントアップされる。次に、マイコン81はステップ204にて電動モータM4を正転させる。この電動モータM4の正転によってシールバー52が支持シャフト54を中心にして図4の反時計方向に回動して(図18の(A)〜(C)参照)、同バー52は袋支持シャフト31,32に係止されている袋Fの前側面上部を同シャフト31,32の反時計方向への回動と共にヒータブロック51に向けて移動し始める。
【0031】前記ステップ204の処理後、マイコン81はステップ206〜210の処理により、電動モータM5,M6を3.5秒間逆転させ、その後、同モータM5,M6 を2秒間停止させた後、1秒間正転させる。これにより、ベース61(受け板72)は上位置(図19の(B)の状態)から多少下がった高さ位置にて静止する。この場合、ベース61を一旦下降させた後、再度上昇させるようにしたのはベース61が重力により大きく下降してしまうことを避けるためである。この状態では、袋Fは支持シャフト31,32により支持されるとともに受け板72によっても支承され、同袋Fは氷の重量のために伸びた状態にある。一方、マイコン81は前記ステップ210の処理後、検出スイッチSW9 がオンするか、またはタイマ値BKTMが90秒に相当する値になるまで、ステップ212,214の循環処理を実行し続ける。シール機構50が正常に作動していれば、前記電動モータM4の正転開始から90秒が経過する前に、シールバー52が下位置まで達して検出スイッチSW9 がオンする。この検出スイッチSW9 のオン動作に応答して、マイコン81はステップ212にて「YES」と判定して、ステップ216にて前記電動モータM4の正転を停止させる。このとき、袋搬入機構20の揺動レバー25,25の可動爪25a,25aはプレート24,24の固定爪24a,24aとの間に袋Fの後側面を掴んだ状態にあるので、シールバー52はヒータブロック51との間に袋Fの前側面と後側面を合わせた状態でその上部を挟み込む。そして、この袋Fの挟み込みにおいては、袋Fは前記受け板の下降によって下方に伸ばされた状態にあるので、同袋Fの上部にしわがよることもなく適正に同上部がヒータブロック51とシールバー52との間に挟み込まれる。
【0032】一方、この挟み込みとほぼ同時に、シールバー52は袋搬入機構20の解除レバー28を図4の時計方向に押圧するので、同レバー28の上辺がピン26,26を図12にて右方に押圧する。これにより、揺動レバー25,25が回動して可動爪25a,25aによる袋Fの保持が解除される。なお、この解除状態では、スプリング27,27の作用によりメインアーム21、サブアーム22、揺動レバー25,25などは図12R>2の中央の状態に保たれる。
【0033】次に、マイコン81はステップ218にて電動モータM4を逆転させ、同モータM4の制御状態を表すフラグSBMDを”1”に設定し、かつ同モータM4の作動時間を規定するためのタイマ値SBTMを「0」に初期設定する。この電動モータM4の逆転により、シールバー52には上方向に移動し始める。また、マイコン81はステップ220,222にて電動モータM5,M6 を正転させるとともに、両モータM5,M6 の制御状態をそれぞれ表すフラグRBMD,LBMD を”1”に設定する。この電動モータM5,M6 の正転により、ベース61(受け板72)は上昇し始める。そして、マイコン81はステップ224〜242からなる循環処理を繰り返し実行する。この循環処理中、前記電動モータM4の逆転開始から2秒が経過すると、マイコン81はステップ224〜228の処理によって前記電動モータM4の逆転を停止させるとともにフラグSBMDを”0”に戻す。この電動モータM4の2秒間の逆転により、ヒータブロック51とシールバー52による袋Fの上部の挟み込みは若干緩められる。また、同循環処理中、ベース61の両端(受け板72)がそれぞれ上位置に達すると、マイコン81はステップ230〜234およびステップ236〜240の処理によって前記電動モータM5,M6 の正転をそれぞれ停止させるとともにフラグRBMD,LBMD を”0”に戻す。そして、フラグSBMD,RBMD,LBMDの全てが”0”に戻された時点で、マイコン81はステップ242にて「YES」と判定してプログラムをステップ244〜248へ進める。この状態では、袋Fの上部がヒータブロック51とシールバー52との間に緩く挟まれているとともに、同袋Fはベース61(受け板72)により支承されている。ステップ244〜248においては、マイコン81は電動モータM4を検出スイッチSW9 がオンするまで正転させる。これにより、袋Fの上部のヒータブロック51およびシールバー52による挟み込みが再度なされ、同挟み込みが堅固なものとなる。
【0034】次に、マイコン81はステップ250にてヒータ51aに通電するとともに、同通電時間を規定するためのタイマ値HTM を「0」に初期設定して、ステップ252にて断線センサ83からの検出信号によりヒータ51aが断線しているか否かを判定する。ヒータ51aか断線していなければ、マイコン81はステップ252にて「NO」と判定して、前記タイマ値HTMが0.6秒に相当する値になるまで、ステップ252,254からなる循環処理を繰り返し実行する。前記ヒータ51aの通電開始から0.6秒が経過すると、マイコン81はステップ254にて「YES」と判定して、ステップ256にてヒータ51aへの通電を解除する。これにより、袋Fの上部が溶解して前側面と後側面が接着されて、同上部がシールされる。このとき、袋Fはベース61(受け板72)により支承されているので、前記袋Fの上部が溶解しても同上部が破れることがない。次に、マイコン81はステップ258にて袋Fの上部の冷却のために2秒間待った後、ステップ260〜264の処理により電動モータM4を検出スイッチSW8 がオンするまで逆転させ、すなわちシールバー52を上位置まで移動させて、ステップ266にてこの「シール処理ルーチン」の実行を終了する。
【0035】前記「シール処理ルーチン」の終了後、マイコン81は図14のステップ110にて氷の入った袋FをストッカC内に落下させるための袋落下処理を実行する。この処理においては、まず、電動モータM5,M6 が逆転駆動され、リンク62〜65の作用によりベース61が下降する。この場合、最初図19の(B)に示すように上位置にあったベース61は図19の(C)に示す下位置まで降下する。この状態で検出スイッチSW12,SW15 はオンし、マイコン81は各スイッチSW12,SW15のオン動作に応答して前記電動モータM5,M6 の逆転をそれぞれ停止させる。次に、マイコン81は電動モータM6(または電動モータM5)を正転させる。これにより、ベース61の左端(または右端)が上昇し、氷の入った袋Fは図19R>9の(D)に示すようにベース61から滑り落ちてストッカC内に落下する。このベース61の左端(または右端)の上昇は同左端(または右端)が上位置まで到達するまで続行される。ベース61の左端(または右端)が図19の(E)に示すように上位置に到達すると、検出スイッチSW13(または検出スイッチSW10)がオンし、マイコン81は同スイッチSW13のオン動作に応答して前記電動モータM6(または前記電動モータM5)の正転を停止させる。その後、マイコン81は検出スイッチSW11,SW14との協働により電動モータM5,M6を回転させて、ベース61の両端を中央位置に移動させる。
【0036】このステップ110の処理後、マイコン81はプログラムをステップ102に戻して、前記ステップ102〜110からなる循環処理を繰り返し実行する。このように、マイコン81は袋Fの搬入動作、計量機構70により所定量の氷が検出されるまで氷を袋F内に投入する氷収容投入機構40A,40Bによる氷の投入動作、シール機構50による袋Fのシール動作、および落下機構60による袋Fの落下動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御して、所定量ずつの氷を順次袋詰めするとともに同袋詰めされた氷を一袋ずつ順次ストッカCに蓄積する。
【0037】以上の説明は、シール機構50の作動が正常である場合であり、次に、同機構50に異常が発生した場合について説明する。まず、電動モータM4などのシールバー52を下位置へ移動させる機構に異常が発生した場合について説明する。この場合、図15のステップ204にて電動モータM4を正転させてもシールバー52は下位置まで下降しない、または下降するために多大な時間を要する。したがって、この場合には、マイコン81は、ステップ212,214からなる循環処理中、ステップ214にて「YES」すなわちタイマ値BKTMが90秒に相当する値以上であると判定してプログラムをステップ268,270に進める。ステップ268においては、シール機構50が異常であることを表すデータが警告器84に出力され、同警告器84は表示器にて同異常を表示するとともにブザー音を発音する。これにより、使用者はシール機構50に異常が発生したことを簡単に認識できる。ステップ270においては、電磁ソレノイドSLa,SLb が80分間通電される。これにより、外部からの水が給水弁46a,46bを介して散水器45a,45bに供給され、散水器45a,45bはタンク41a,41b内の氷に散水するので、同タンク41a,41b内の氷が融けて配水管44a,44bを介して外部へ排出される。したがって、シール機構50に異常が発生してタンク41a,41b内の氷が長時間袋詰めされない場合にも、同タンク41a,41b内の氷同士がくっついて(アーチングして)、その後の氷収容投入機構40A,40Bの作動に異常を来すことがなくなる。前記ステップ268,270の処理後、マイコン81はステップ272にてプログラムの実行を停止、すなわち各機構のシーケンス動作の制御を停止する。これにより、氷が袋詰めされないままで自動袋詰め装置BおよびストッカC内に氷が散在することを未然に防止できる。
【0038】一方、ヒータ51aが断線した場合には、マイコン81は、図17のステップ252,254からなる循環処理中、ステップ252にて「YES」すなわちヒータ51aが断線していると判定してプログラムをステップ274,276に進める。ステップ274においては、ヒータ51aが断線していることを表すデータが警告器84に出力され、同警告器84は表示器にて同ヒータ51aの断線を表示するとともにブザー音を発音する。これにより、使用者はヒータ51aが断線したことを簡単に認識できる。ステップ276においては、前記ステップ270の場合と同様な処理により、タンク41a,41b内の氷が融かされる。したがって、この場合も、ヒータ51aが断線してタンク41a,41b内の氷が長時間袋詰めされない場合にも、同タンク41a,41b内の氷同士がくっついて(アーチングして)、その後の氷収容投入機構40A,40Bの作動に異常を来すことがなくなる。前記ステップ274,276の処理後、マイコン81はステップ278にてプログラムの実行を停止、すなわち各機構のシーケンス動作の制御を停止する。これにより、この場合も、氷が袋詰めされないままで自動袋詰め装置BおよびストッカC内に氷が散在することを未然に防止できる。
【0039】なお、上記実施例においては、計量機構70の重量測定により所定量の氷が氷収容投入機構40A,40Bによって袋F内に投入されるようにしたが、この計量機構70による重量測定の代わりに、氷収容投入機構40A,40Bによる氷の投入時間を規定して所定量の氷が袋詰めされるようにしてもよい。また、上記実施例おいては、氷を袋詰めする場合について説明したが、この自動袋詰め装置は氷に限らず、菓子、キャンデー、その他の品物を袋詰めすることもできる。この場合、タンク41a,41b内に氷の代わりに品物を入れておくようにするとともに、ヒータ51aの異常時の散水処理を省略するようにするとよい。また、上記実施例においては、ヒータブロック51をフレーム91に固定するとともにシールバー52を可動にしたが、この関係を逆にして、ヒータ51aを内蔵するヒータブロック51を可動にしてシールバー52をフレーム91に固定するようにしてもよい。また、ヒータブロック51とシールバー52の両者を可動にしてもよい。さらに、上記実施例では、各機構の作動時間に関して具体的な数値を例示したが、これらの時間は各機構にて採用される各部品の容量、性能などに応じて種々変更されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す製氷袋詰め機の正面概略図である。
【図2】 図1の氷の自動袋詰め装置の部分破断正面図である。
【図3】 図2の部分拡大図である。
【図4】 前記氷の自動袋詰め装置の部分破断側面図である。
【図5】 同部分正面図である。
【図6】 同部分背面図である。
【図7】 袋収納機構および袋支持機構の側断面図である。
【図8】 袋収納機構および袋支持機構の平面図である。
【図9】 (A)は袋の正面図、(B)は袋の側面図である。
【図10】 袋搬入機構を正面側から見た斜視図である。
【図11】 袋搬入機構を背面側から見た斜視図である。
【図12】 袋搬入機構の作動状態を示す平面図である。
【図13】 電気制御装置のブロック図である。
【図14】 図13のマイコンにて実行される「メインプログラム」のフローチャートである。
【図15】 図14の「シール処理ルーチン」の詳細を示すフローチャートの前部分である。
【図16】 同ルーチンの詳細を示すフローチャートの中間部分である。
【図17】 同ルーチンの詳細を示すフローチャートの後部分である。
【図18】 シール機構の作動説明図である。
【図19】 袋落下機構の作動説明図である。
【符号の説明】
A1,A2…製氷機、B…自動袋詰め装置、C…ストッカ、F…袋、10…袋収納機構、11…カセット、20…袋搬入機構、20a…チャック機構、21…メインアーム、30…袋支持機構、31,32…袋支持シャフト、40A,40B…氷収容投入機構、41a,41b…タンク、43…オーガ、50…シール機構、51…ヒータブロック、52…シールバー、60…袋落下機構、61…ベース、62〜64…リンク対、70…計量機構、71…スプリング、72…受け板、81…マイクロコンピュータ(マイコン)、83…警告器、M1〜M6…電動モータ、SW1 〜SW16…検出スイッチ、SLa,SLb…電磁ソレノイド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、前記袋収納機構から袋を一つずつ受け板上に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて上部にて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、ヒータを内蔵したヒータブロック、袋の上部を前記ヒータブロックに圧接するシールバーおよび前記シールバーまたはヒータブロックを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに対して相対的に移動させる第1可動機構を有し前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、前記袋搬入支持機構による袋の搬入動作、前記投入機構による品物の投入動作および前記シール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御する電気制御装置とからなり、前記所定量ずつの品物を順次袋詰めする自動袋詰め装置において、前記受け板を上下動させる第2可動機構を設けるとともに、前記電気制御装置に、前記第2可動機構を制御して前記受け板を袋が伸ばされる高さまで下げた状態で前記第1可動機構を作動させて袋の上部を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、前記第1制御手段による制御後に前記第2可動機構を制御して前記受け板を袋が受け板により支承される高さまで上昇させた状態で前記ヒータに所定時間通電する第2制御手段と、前記第2制御手段による制御後に前記第1可動機構を制御して前記ヒータブロックおよび前記シールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項2】前記請求項1に記載の第2制御手段に、前記受け板の上昇後であって前記ヒータの通電前に前記第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む再挟み込み制御手段を設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項3】熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、前記袋収納機構から袋を一つずつ所定位置に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、前記袋搬入支持機構による袋の搬入動作、前記投入機構による品物の投入動作および前記シール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御する電気制御装置とを備え、前記所定量ずつの品物を順次袋詰めする自動袋詰め装置において、前記電気制御装置に、前記シール機構の作動異常を検出する異常検出手段と、前記異常が検出されたとき前記シーケンス動作を停止させる停止制御手段とを設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項4】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記シール機構を、ヒータを内蔵したヒータブロックと、袋の上部を前記ヒータブロックに圧接するシールバーと、前記シールバーまたはヒータブロックを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに対して相対的に移動させる可動機構とで構成するとともに、前記電気制御装置に、前記可動機構を制御して袋の上部を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、前記第1制御手段による制御後に前記ヒータに所定時間通電する第2制御手段と、前記第2制御手段による制御後に前記可動機構を制御して前記ヒータブロックおよび前記シールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設け、前記異常検出手段を前記第1制御手段による袋の挟み込みに所定時間以上経過していることを検出する手段で構成したことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項5】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記異常検出手段を前記ヒータの断線を検出する手段で構成したことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項6】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記品物は氷であり、前記タンクに氷を融かすための散水器を設け、かつ前記電気制御装置に前記停止制御手段が前記シーケンス動作を停止させたとき前記散水器を作動させる融解制御手段を設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項1】熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、前記袋収納機構から袋を一つずつ受け板上に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて上部にて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、ヒータを内蔵したヒータブロック、袋の上部を前記ヒータブロックに圧接するシールバーおよび前記シールバーまたはヒータブロックを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに対して相対的に移動させる第1可動機構を有し前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、前記袋搬入支持機構による袋の搬入動作、前記投入機構による品物の投入動作および前記シール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御する電気制御装置とからなり、前記所定量ずつの品物を順次袋詰めする自動袋詰め装置において、前記受け板を上下動させる第2可動機構を設けるとともに、前記電気制御装置に、前記第2可動機構を制御して前記受け板を袋が伸ばされる高さまで下げた状態で前記第1可動機構を作動させて袋の上部を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、前記第1制御手段による制御後に前記第2可動機構を制御して前記受け板を袋が受け板により支承される高さまで上昇させた状態で前記ヒータに所定時間通電する第2制御手段と、前記第2制御手段による制御後に前記第1可動機構を制御して前記ヒータブロックおよび前記シールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項2】前記請求項1に記載の第2制御手段に、前記受け板の上昇後であって前記ヒータの通電前に前記第1可動機構を制御して一旦袋の挟み込みを若干解除して再度袋を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む再挟み込み制御手段を設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項3】熱により溶解する多数の袋を収容した袋収納機構と、前記袋収納機構から袋を一つずつ所定位置に搬入して同搬入された袋の上部開口を広げて支持する袋搬入支持機構と、多数の品物を収容するタンクと、前記収容された品物を順次搬送して前記支持された袋内に所定量ずつ投入する投入機構と、前記品物が投入された袋の上部をシールするシール機構と、前記袋搬入支持機構による袋の搬入動作、前記投入機構による品物の投入動作および前記シール機構による袋のシール動作からなるシーケンス動作を繰り返し制御する電気制御装置とを備え、前記所定量ずつの品物を順次袋詰めする自動袋詰め装置において、前記電気制御装置に、前記シール機構の作動異常を検出する異常検出手段と、前記異常が検出されたとき前記シーケンス動作を停止させる停止制御手段とを設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項4】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記シール機構を、ヒータを内蔵したヒータブロックと、袋の上部を前記ヒータブロックに圧接するシールバーと、前記シールバーまたはヒータブロックを駆動して同シールバーを同ヒータブロックに対して相対的に移動させる可動機構とで構成するとともに、前記電気制御装置に、前記可動機構を制御して袋の上部を前記ヒータブロックと前記シールバーとの間に挟み込む第1制御手段と、前記第1制御手段による制御後に前記ヒータに所定時間通電する第2制御手段と、前記第2制御手段による制御後に前記可動機構を制御して前記ヒータブロックおよび前記シールバーによる袋の挟み込みを解除する第3制御手段とを設け、前記異常検出手段を前記第1制御手段による袋の挟み込みに所定時間以上経過していることを検出する手段で構成したことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項5】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記異常検出手段を前記ヒータの断線を検出する手段で構成したことを特徴とする自動袋詰め装置。
【請求項6】前記請求項3に記載の自動袋詰め装置において、前記品物は氷であり、前記タンクに氷を融かすための散水器を設け、かつ前記電気制御装置に前記停止制御手段が前記シーケンス動作を停止させたとき前記散水器を作動させる融解制御手段を設けたことを特徴とする自動袋詰め装置。
【図1】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図16】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開平6−99908
【公開日】平成6年(1994)4月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−212810
【出願日】平成4年(1992)8月10日
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【公開日】平成6年(1994)4月12日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)8月10日
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
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