説明

自動製パン器

【課題】 自動製パン器においてタイマー予約を用いて出来上がり時刻を設定する際にユーザにとってより理解の容易な表示をすることで設定可能時刻内の出来上がり時刻の選択を促すことができる自動製パン器を提供すること。
【解決手段】 調理容器30と、製パン器本体2と、操作表示パネル5と、制御手段と、を備えた自動製パン器1において、操作手段は、少なくともコースボタン5aと、予約設定ボタン5cと、時刻設定ボタン5dと、スタートボタンと、を備え、制御手段20は、計時手段22と、設定可能時刻を出力する比較・演算手段23と、入力された出来上がり時刻が設定可能時刻内かを判別する判別手段24とを備え、表示手段は判別手段24の判別結果を表示する予約可否判別LED5fを備え、判別手段24において入力された出来上がり時刻が設定可能時刻外である場合には予約可否判別LEDを非表示としスタートボタンの操作を受け付けない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動製パン器に関し、特にタイマー予約を用いて調理を行う場合に好適な自動製パン器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭において、食パン、グルメパン、フランスパン等の各種のパンを手軽に焼くことができるとともに、ケーキ等をも焼くことができる自動製パン器が市販されている。
【0003】
このような自動製パン器において、食パン等を作りたい場合に、タイマー予約を用いて所望の時刻に出来上がるように出来上がり時刻を設定して自動調理することができるものがある(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
下記特許文献1に開示された自動製パン器は、ヒータを有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に装着しうるパン焼き型と、前記パン焼き型の内底部に設けられモータにより駆動される練り羽根と、前記焼成室内の温度を検知する温度検知部と、パン焼き制御を行う制御装置と、現在時刻の計時を行う計時手段と、予め出来上がり時刻を記憶する記憶装置と、調理メニューの選択を行うメニューキーと、タイマー調理のために出来上がりの時刻を設定する予約設定キー及び時刻設定キーと、調理を開始するスタートキーからなる操作部と、現在時刻、出来上がり時刻、および選択されたメニュー等を表示する表示手段と、を備え、予約設定キーにより記憶装置から記憶された時刻を呼び出してタイマー調理のための時刻設定を行うとき、設定された時刻が選択されたメニューの調理所要時間より遅い時刻から現在時刻に所定の時間を加えた時刻より早い時刻までの設定可能時刻かどうかを判断し、設定可能時刻でない場合は別の設定可能時刻を表示するようにしたものである。
【0005】
また、この自動製パン器におけるより詳細な変形例として、予約設定キーを操作すると記憶装置に記憶された前回調理した予約時刻が表示されるが、この予約時刻が設定可能時刻ではないと判断した場合には調理可能な設定可能時刻の最も早い時刻あるいは最も遅い時刻に設定されるものや、予約設定キーを操作すると、記憶装置に記憶された予約時刻が表示されるが、この予約時刻が設定可能時刻でなかった場合には、一時的にこの予約時刻と設定禁止時刻であることを表示した後に調理可能な設定可能時刻に設定されるものについても開示されている。
【特許文献1】特開2005−040484号公報(請求項1、3、4、6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された自動製パン器においては、タイマー予約を行うため予約設定キーを操作した段階で、一時的に前回のタイマー予約による出来上がり時刻が表示される場合はあるが、基本的には前回の出来上がり時刻が設定可能時刻外である場合には自動的に設定可能時刻内に変更され表示される。そして、時刻設定キーによる出来上がり時刻の選択操作の際にも設定可能時刻内しか選択できないようになっている。そのため、ユーザによっては選択可能な時刻が設定可能時刻と気づかず、故障したと誤認する可能性がある。
【0007】
本発明者らは上記問題点に鑑み、ユーザにとってより理解しやすい形でタイマー予約で設定可能な時刻範囲を報知できるものを種々検討し、本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の目的は、自動製パン器においてタイマー予約を用いて出来上がり時刻を設定する際にユーザにとってより理解の容易な表示をすることで設定可能時刻内の出来上がり時刻の選択を促すことができる自動製パン器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の自動製パン器の発明は、被調理材が投入される調理容器と、前記調理容器を収容する製パン器本体と、前記製パン器本体に装着されて各種の表示を行う表示手段と、前記表示手段に表示される種々の設定等を操作する操作手段と、各種調理工程の制御を行う制御手段と、を備えた自動製パン器において、
前記操作手段は、少なくとも種々の調理コースを選択するコースボタンと、タイマー予約を行う予約設定ボタンと、タイマー予約時に出来上がり時刻を設定する時刻設定ボタンと、調理の開始を行うスタートボタンと、を備え、前記制御手段は、現在時刻の計時を行う計時手段と、前記コースボタンにより選択された料理コースの調理に要する時間と前記計時手段により計時された現在時刻とに基づいて出来上がり時刻として設定できる設定可能時刻を出力する比較・演算手段と、前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻内であるか否かを判別する判別手段と、を備え、前記表示手段は、前記判別手段により前記出来上がり時刻が設定可能時刻内であると判別された場合にその旨を表示する判別結果表示手段を備え、前記制御手段は、前記判別手段において前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻外であると判別された場合には前記判別結果表示手段を非表示とするとともに前記スタートボタンの操作を受け付けないようにすることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動製パン器において、前記制御手段はさらに過去に設定された出来上がり時刻を記憶する記憶手段を備え、前記予約設定ボタンが表示されたときには、前記記憶手段内に記憶された最新の出来上がり時刻を前記表示装置に表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の自動製パン器において、前記予約設定ボタンが操作され、前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻外の状態で前記スタートボタンが操作された場合に警告を行う警告手段をさらに備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、請求項1の発明によれば、タイマー予約を行う際に、出来上がり時刻として設定可能な設定可能時刻内の時刻が選択されたか否かを判別し、設定可能時刻外の出来上がり時刻が選択された際には判別結果表示手段の表示を非表示とするとともにスタートボタンの操作を受け付けないようにしたので、ユーザにとって理解しやすい形で設定可能時刻内の出来上がり時間の設定を促すことができ、ユーザフレンドリーな自動製パン器が提供できる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、記憶手段に記憶された過去の出来上がり時刻をタイマー予約時に表示することによって過去の出来上がり時刻をユーザに常に知らせることができるようになる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、設定可能時刻外の出来上がり時刻が選択された際に、警告手段、例えば表示、LEDあるいはブザー等による報知を行うことができるので、ユーザに確実に設定可能時刻外であることを報知することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための自動製パン器を例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0016】
図1は本発明の一実施例に係る自動製パン器に調理容器を装着した状態での縦断面図、図2は図1の自動製パン器の操作表示パネルを示す平面図、図3は図1の自動製パン器の制御ブロック図である。
【0017】
この自動製パン器1は、図1に示すように、所定量の製パン或いはケーキ材料と水等の被調理材が投入される調理容器30と、この調理容器30を収容し被調理材を攪拌する攪拌手段および加熱調理する加熱手段並びにこれらの攪拌手段および加熱手段を制御し被調理材の混合から焼成までを自動的に行う制御手段20を有する製パン器本体2とで構成されている。
【0018】
製パン器本体2は、箱型の容器からなるケース3、開閉蓋4、操作表示パネル5、焼成槽6、焼成ヒータ7、ボイラ8、モータ19、動力伝達ユニット13、および制御手段20等で構成されている。また、調理容器30は、焼成槽6の内部でボイラ8の上方に取り外し可能に装着されるようになっている。
【0019】
ケース3は、ほぼ直方体形状の箱型容器からなり、その上部に容器を挿入する開口3aが設けられ、この開口3aに開閉蓋4が開閉可能に取り付けられている。また、この開口3aに近接した箇所に、操作表示パネル5が装着されている。
【0020】
また、操作表示パネル5には、図2に示すように、米粉や小麦粉、天然酵母等の米粉の種類を選択するとともに調理メニューの選択を行うコースボタン5aと、タイマー予約を設定するための予約設定ボタン5cと、タイマー予約の際等に使用する時刻設定ボタン5dと、スタートボタンと、とりけしボタンと、からなる操作手段、及び、コースボタン5aによって選択されるメニューを表示するメニュー表示部5bと、現在時刻及び予約・時刻設定ボタン5c、5dによって設定された予約時刻を表示する時刻・予約時刻表示部5eと、からなる表示手段が設けられる。なお、操作手段を構成するスタートボタンは、調理を開始する際に押下されることに加えて、タイマー予約時の設定の際にも押下されるものである。
【0021】
さらに、この操作表示パネルのスタートボタンの一部には、後述する判別手段24の判別結果に基づいて点灯あるいは消灯される判別結果表示手段としての予約可否判別LED5fが取り付けられている。この予約可否判別LED5fは、予約設定を行う際に時刻・予約時刻表示部5eに表示される予約時刻が設定可能時刻内である場合には点灯あるいは点滅し、設定可能時刻外である場合には消灯するように制御されている。
【0022】
焼成槽6は、パン生地を焼き上げる雰囲気を作るもので、ケース3の開口3aに対応する領域に配設されている。この焼成槽6の外周壁には、図1に示すように、焼成槽6内部の雰囲気温度を検出するサーミスタ6aが設けられている。焼成ヒータ7は、焼成槽6の内部の雰囲気温度を調節するもので、焼成槽6の底部寄りの内周壁に設けられている。また、この焼成ヒータ7は、予備加熱ヒータにも兼用されるが、別途予熱用ヒータを設けてもよい。
【0023】
ボイラ8は、図1に示すように、焼成槽6の底部に設置され且つ平面視でほぼ小判形に形成されて上方が開口した水を収容する水容器8aと、この水容器8aの底部外周壁に取り付けられて水容器8a内の水を蒸発させるボイラヒータ8bとからなる。水容器8aの中心領域には、円筒壁9が設けられており、この円筒壁9の上下方向中間の水平壁にスピンドル軸10が回転可能に上下に貫通されている。このスピンドル軸10の上方突出端には駆動ギヤ12が固定されている。また、この製パン器本体2は、各種製パン、ケーキ生地、餅の作成、および被調理物の蒸し器としても使用可能とした多機能器であって、ボイラ8は主にこの餅の作成および被調理物の蒸しに使用される。
【0024】
モータ19は、ボイラ8に設けられるスピンドル軸10を、動力伝達ユニット13を介して回転駆動するもので、操作表示パネル5の下方の領域に配設されている。動力伝達ユニット13は、ケース3の内底部のほぼ全域にわたって設けられ、モータ19の回転動力をスピンドル軸10に伝達するもので、モータ19の出力軸に固定されるプーリ13cと、スピンドル軸10の下端に取り付けられるプーリ13aと、両プーリ13a、13cに巻き掛けられる無端ベルト13bとで構成されている。
【0025】
調理容器30は、1斤の食パンを焼成できる大きさの僅かに縦長な長方体形状をなしている。この調理容器30の底部中心には、回転軸31が上下貫通する状態で設けられている。この回転軸31の上方突出端には、パン材料を混合・捏ねるための攪拌ブレード32が着脱可能に設けられ、また、回転軸31の下方突出端には、スピンドル軸10の駆動ギヤ12に対して噛合する従動ギヤ14が取り付けられている。
【0026】
また、調理容器30の底部外壁面には、ボイラ8の水容器8aに対して固定するための台座15が設けられている。この台座15は、上述したボイラ8の水容器8aを覆い、水容器8aを密封する蓋の役割をなす形状に形成されている。
【0027】
制御手段20は、操作表示パネル5およびサーミスタ6a等から種々の情報が入力されて製パン制御をするためのもので、ケース3内の操作表示パネル5とモータ19との間に設けられている。この制御手段20は、図3に示すように、CPU、ROM、RAMおよび入出力用の通信ポート等を1チップ上に集積したマイコンであるMCU(Micro Controller Unit)21からなり、これにサーミスタ6aと、操作表示パネル5に設けられた操作手段であるコースボタン5a、スタートボタン、とりけしボタン、予約設定ボタン5c及び時刻設定ボタン5d等のスイッチと、操作表示パネル5のメニュー表示部5b、時刻・予約時刻表示部5e等の電光表示を行うためのLCDと、スタート表示、とりけし表示、予約表示を行うためのLEDと、モータ19と、焼成ヒータ7及びボイラヒータ8bを含むヒータ回路と、ブザーとが接続される。MCU21は、スタートボタン、とりけしボタン、予約・時刻設定ボタン5c、5d等のスイッチから入力された設定・制御指示と、サーミスタ6a等から入力される情報に基づき焼成ヒータ7、ボイラヒータ8bの動作を制御するとともに、操作表示パネル5の種々のLCD、LED表示を制御する。
【0028】
さらにMCU21は、計時手段22と、比較・演算手段23と、判別手段24と、記憶手段25とを備えている。
【0029】
このうち、計時手段22は現在時刻を計時するものであり、比較・演算手段23はコースボタン5aで選択された調理コースの調理に要する時間を参照して、この調理に要する時間と計時手段22で計時された現在時刻とに基づいて、タイマー予約時の設定可能時刻を演算出力するものである。なお、この設定可能時刻とは、現在時刻に調理に要する時間を加算した時刻を最小とした所定幅の時刻であって、その最大時間は調理容器30内の被調理物(例えば食パン用の生地)が腐敗しない時間、例えば現在時刻から12時間後が設定されている。
【0030】
また、判別手段24は、タイマー予約を行う際にユーザが時刻設定ボタン5dを操作して出来上がり時刻として選択する時刻と、比較・演算手段23で出力された設定可能時刻とを比較して、このユーザが選択した出来上がり時刻が設定可能時刻内であるか否かを判別するものである。なお、この判別手段24によって設定可能時刻外であると判別された場合には、MCU21から警告手段、すなわちLCD(又はLED)及びブザーにその旨の信号が出力されて、これらに設定可能時間外であることが表示され、LEDが消灯され、あるいはブザーが鳴動されることにより、ユーザに報知を行うようになっている。
【0031】
また、記憶手段25には、過去に出来上がり時刻として設定された時刻情報が記憶されており、予約設定ボタン5cが押下された際には記憶手段25内の最新の出来上がり時刻をデフォルト表示するようになっている。なお、ここで述べる最新の出来上がり時刻とは、通常調理を含む過去の時刻情報のうちの最新の出来上がり時刻か、あるいは最新のタイマー設定を利用した調理の際の出来上がり時刻であり、この出来上がり時刻は各種コース毎に記憶され表示されるようになすとさらに好ましい。
【0032】
次に、本発明の自動製パン器1におけるタイマー予約の設定工程について、図4を参照して説明する。なお、図4は自動製パン器におけるタイマー予約設定を行う工程を示す制御フローチャートである。
【0033】
ユーザは、初めにコースボタン5aを押下することによって被調理物に伴う調理コースを選択する(ステップS01)。次いで、スタートボタンが押下されると(ステップS02でYes)、自動製パン器1は選択された調理コースでの通常の調理工程を開始する。また、スタートボタンが押下されることなく(ステップS02でNo)、予約設定ボタン5cが押下されると(ステップS03でYes)、出来上がり時刻が入力可能な状態となるとともに、記憶手段25を参照して過去のタイマー予約設定のうち、最新の出来上がり時刻の時刻情報を時刻・予約時刻表示部5eに表示する(ステップS04)。このような表示をなすと、直前になされた出来上がり時刻をユーザが常に確認することができるので好ましい。
【0034】
また、予約設定ボタン5cが押下された時点(ステップS03でYes)で時刻設定ボタン5dによる予約時刻の選択が可能な状態となっており、この状態で時刻設定ボタン5dが押下されない場合(ステップS05でNo)には、そのまま比較・演算手段23において設定可能時刻を算出する(ステップS07)。また、時刻設定ボタン5dが押下された場合(ステップS05でYes)には、予約出来上がり時刻を時刻設定ボタン5dの操作に伴って変更する(ステップS06)と同時にメニュー表示部5bに予約出来上がり時刻を表示した後、比較・演算手段23において設定可能時刻を算出する(ステップS07)。
【0035】
そして、このように設定された予約出来上がり時刻及び設定可能時刻に基づき、判別手段24において予約出来上がり時刻が設定可能時刻の範囲内であるか否かが判別される(ステップS08)。このとき予約出来上がり時刻、すなわちメニュー表示部5bに表示された時刻が設定可能時刻の範囲内である場合には(ステップS08でYes)、この予約出来上がり時刻で予約設定が可能である旨を表示する(ステップS09)。この表示は、詳しくは予約可否判別LED5fを点灯あるいは点滅させることにより行う。そして、この状態でスタートボタンが押下されなければ(ステップS10でNo)ステップS04に戻って時刻設定ボタン5dによる予約出来上がり時刻の変更が可能な状態が維持され、スタートボタンが押下されると(ステップS10でYes)タイマー予約を開始してタイマー予約設定工程を終了する。
【0036】
反対に、ステップS08において、予約出来上がり時刻、すなわちメニュー表示部5bに表示された時刻が設定可能時刻の範囲外である場合には(ステップS08でYes)、予約可否判別LED5fによる報知を行わず、この状態でスタートボタンが押下されれば(ステップS11でYes)、予約設定が不可能である旨をブザー及び各種表示手段による警告報知によってユーザに報知する(ステップS12)。なお、スタートボタンが押下されなければ(ステップS11でNo)引き続き時刻設定ボタン5dによる予約出来上がり時刻の変更が可能な状態が維持される。
【0037】
以上説明したように、本発明の自動製パン器は、タイマー予約時に予約設定時刻外の出来上がり時刻の選択をなくすことができるとともに、出来上がり時刻として選択された時刻が予約設定時刻外であるか否かを予約可否判別LED5fによる表示により簡単に知ることができ、以ってユーザに理解しやすい表示及び報知を提供することができるので、ユーザフレンドリーな自動製パン器となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る自動製パン器の調理容器を装着した状態の縦断面図である。
【図2】図2は図1の自動製パン器の操作表示パネルを示す平面図である。
【図3】図3は図1の自動製パン器の制御ブロック図である。
【図4】図4は自動製パン器におけるタイマー予約設定を行う工程を示す制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 自動製パン器
2 製パン器本体
3 ケース
4 開閉蓋
5 操作表示パネル
5a コースボタン
5b メニュー表示部
5c 予約設定ボタン
5d 時刻設定ボタン
5e 時刻・予約時刻表示部
5f 予約可否判別LED
6 焼成槽
6a サーミスタ
7 焼成ヒータ
20 制御手段
21 MCU
22 計時手段
23 比較・演算手段
24 判別手段
25 記憶手段
30 調理容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理材が投入される調理容器と、前記調理容器を収容する製パン器本体と、前記製パン器本体に装着されて各種の表示を行う表示手段と、前記表示手段に表示される種々の設定等を操作する操作手段と、各種調理工程の制御を行う制御手段と、を備えた自動製パン器において、前記操作手段は、少なくとも種々の調理コースを選択するコースボタンと、タイマー予約を行う予約設定ボタンと、タイマー予約時に出来上がり時刻を設定する時刻設定ボタンと、調理の開始を行うスタートボタンと、を備え、前記制御手段は、現在時刻の計時を行う計時手段と、前記コースボタンにより選択された料理コースの調理に要する時間と前記計時手段により計時された現在時刻とに基づいて出来上がり時刻として設定できる設定可能時刻を出力する比較・演算手段と、前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻内であるか否かを判別する判別手段と、を備え、前記表示手段は、前記判別手段により前記出来上がり時刻が設定可能時刻内であると判別された場合にその旨を表示する判別結果表示手段を備え、前記制御手段は、前記判別手段において前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻外であると判別された場合には前記判別結果表示手段を非表示とするとともに前記スタートボタンの操作を受け付けないようにすることを特徴とする自動製パン器。
【請求項2】
前記制御手段はさらに過去に設定された出来上がり時刻を記憶する記憶手段を備え、前記予約設定ボタンが表示されたときには、前記記憶手段内に記憶された最新の出来上がり時刻を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
【請求項3】
前記予約設定ボタンが操作され、前記時刻設定ボタンにより入力された出来上がり時刻が前記設定可能時刻外の状態で前記スタートボタンが操作された場合に警告を行う警告手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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