自動試験システム
【課題】受信機の性能を自動的に正確に評価することができる自動試験システムを提供することを提供すること。
【解決手段】測位信号を受信して測位する受信装置60の自動試験システム10であって、受信装置60に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段20と、受信装置60が擬似距離を算出し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段30と、模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段50と、模擬補助情報格納手段50に格納された模擬補助情報を読み取って、受信装置60に送信するための模擬補助情報読み取り手段80と、を有する。
【解決手段】測位信号を受信して測位する受信装置60の自動試験システム10であって、受信装置60に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段20と、受信装置60が擬似距離を算出し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段30と、模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段50と、模擬補助情報格納手段50に格納された模擬補助情報を読み取って、受信装置60に送信するための模擬補助情報読み取り手段80と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位信号の受信機の自動試験システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星を利用した衛星航法システムであるSPS(Satellite Positioning System)を利用して受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
これに関連して、実際に人工衛星から送信される信号ではなくて、模擬信号を受信機に受信させて測位システムのシミュレーションを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特願2004−309307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の技術においては、衛星から発信される信号のパラメータは調整しているが、GPS受信機が測位等の補助のために使用するアシストデータについては考慮されていないため、例えば、第3世代(3G)携帯電話機の規格において要求されるアシストデータを受信して測位に利用するGPS受信機について、有効なシミュレーションを行うことができない場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる自動試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、測位信号を受信して測位する受信装置の自動試験システムであって、前記受信装置に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段と、前記受信装置が擬似距離を算出するために使用し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、前記模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段と、前記模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段と、前記模擬補助情報格納手段に格納された前記模擬補助情報を読み取って、前記受信装置に送信するための模擬補助情報読み取り手段と、を有することを特徴とする自動試験システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記自動試験システムは、前記模擬補助情報読み取り手段を有するから、前記模擬補助情報を前記受信装置に送信することができる。
これにより、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記模擬信号生成手段は、前記模擬信号を生成する条件を示す信号生成シナリオに基づいて、前記模擬信号を生成する構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0008】
第2の発明の構成によれば、前記自動試験システムは、例えば、任意の時刻・時間や位置を前記信号生成シナリオに設定することにより、任意の時刻・時間、位置において受信されるはずの前記模擬信号を生成することができる。
実環境においては、同一の環境(例えば、測位衛星の配置など)は二度と出現しないため、同一の環境における試験を繰り返し行うことは不可能である。
これに対して、前記自動試験システムによれば、例えば、同一の前記信号生成シナリオを使用して、何度でも同一の環境において、前記受信装置の試験を行うことができる。
これにより、同一の環境において、前記受信装置のハードウエアやソフトウエアの変更による、TTFF(Time To First Fix:最初の測位位置算出までの時間)や測位精度等の性能への影響を計測することができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のいずれかの構成において、前記模擬補助情報読み取り手段は、前記受信装置から前記設定時刻を含む模擬補助情報要求を受信する模擬補助情報要求受信手段と、前記模擬補助情報格納手段から前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を抽出する模擬補助情報抽出手段と、前記受信装置に対して、前記模擬補助情報を送信する模擬補助情報送信手段と、を有することを特徴とする自動試験システムである。
【0010】
第3の発明の構成によれば、前記模擬補助情報読み取り手段は、前記受信装置に対して、前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を前記受信装置に対して送信することができる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記模擬信号は、SPS(Satellite Positioning System)衛星からの信号を模した構成であることを特徴とする自動試験システムである。
【0012】
第4の発明の構成によれば、SPS衛星からの信号を受信して測位する前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。
【0013】
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記信号生成シナリオには、現在、過去及び未来の任意の時刻及び/又は時間を設定することができる構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0014】
第5の発明の構成によれば、前記信号生成シナリオに過去の時刻及び/又は時間を設定することによって、過去における前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。過去においては、過去の実績を利用してシミュレーション結果を評価することができるから、前記受信装置の性能を正確に判断することができる。
また、前記信号生成シナリオに未来の時刻及び/又は時間を設定することによって、未来における前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。これにより、未来における、前記受信装置の性能を予想することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明の構成において、前記信号生成シナリオには、前記受信装置の概略位置及び/又は移動速度を設定することができる構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0016】
第6の発明の構成によれば、地球上の任意の場所での性能計測を容易に実現することができる。また、前記受信装置の任意の移動速度における性能計測を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態の端末15等を示す概略図である。
図1に示すように、端末15は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g及び12hから、電波S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7及びS8を受信することができる。なお、測位衛星は、GPS衛星に限らず、広くSPS(Satellite Positioing System)において使用される衛星であってもよい。SPSは、GPSの他に、例えば、トランシット(Transit)、GNSSを含む。
電波S1等には各種のコード(符号)が乗せられている。そのうちの一つがC/AコードScaである。このC/AコードScaは、1.023Mbpsのビット率、1,023bit(=1msec)のビット長の信号である。C/AコードScaは、1,023チップ(chip)で構成されている。端末15は、このC/Aコードを使用して現在位置の測位を行う。
【0019】
また、電波S1等に乗せられる情報として、アルマナックSal及びエフェメリスSehがある。アルマナックSalはすべてのGPS衛星12a等の概略の衛星軌道を示す情報であり、エフェメリスSehは各GPS衛星12a等の精密な衛星軌道を示す情報である。アルマナックSal及びエフェメリスSehを総称して航法メッセージと呼ぶ。
【0020】
端末15は、例えば、3個以上の異なるGPS衛星12a等からのC/Aコードのコードフェーズ(位相)を特定して、各GPS衛星12a等と端末15との擬似距離を算出し、その擬似距離を使用して現在位置を測位することができるようになっている。
【0021】
図2は、測位方法の一例を示す概念図である。
図2に示すように、例えば、GPS衛星12aと端末15との間には、C/Aコードが連続的に並んでいると観念することができる。そして、GPS衛星12aと端末15との間の距離は、C/Aコードの長さ(約300キロメートル(km))の整数倍とは限らないから、コード端数部C/Aaが存在する。つまり、GPS衛星12aと端末15との間には、C/Aコードの整数倍の部分と、端数部分が存在する。C/Aコードの整数倍の部分と端数部分の合計の長さが擬似距離である。端末15は、3個以上のGPS衛星12a等についての擬似距離を使用して測位を行う。
本明細書において、C/Aコードの端数部C/Aaをコードフェーズ(位相)と呼ぶ。コードフェーズは、例えば、C/Aコードの1,023あるチップの何番目かで示すこともできるし、距離に換算して示すこともできる。擬似距離を算出するときには、コードフェーズを距離に換算している。
【0022】
GPS衛星12aの軌道上の位置はエフェメリスSehを使用して算出可能である。そして、例えば、GPS衛星12aの軌道上の位置と後述の初期位置Q0(図示せず)との距離を算出すれば、C/Aコードの整数倍の部分を特定することができる。なお、C/Aコードの長さが約300キロメートル(km)であるから、初期位置Q0の位置誤差は、150キロメートル(km)以内である必要がある。
【0023】
そして、図2に示すように、レプリカC/Aコードの位相を例えば、矢印X1方向に移動させながら、相関処理を行う。このとき、端末15は、同期用周波数も変動させながら、相関処理を行う。この相関処理は、後述のコヒーレント処理及びインコヒーレント処理で構成される。
相関積算値が最大になった位相がコード端数C/Aaである。
なお、本実施の形態とは異なり、端末15は、例えば、携帯電話の通信基地局からの電波を使用して測位を行うようにしてもよい。
【0024】
図3は、相関処理の説明図である。
コヒーレントは、端末15が受信したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関をとる処理である。レプリカC/Aコードは、端末15が発生する符号である。レプリカC/Aコードは、レプリカ測位基礎符号の一例である。
例えば、図3に示すように、コヒーレント時間が5msecであれば、5msecの時間において同期積算したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関値等を算出する。コヒーレント処理の結果、相関をとったときのコードフェーズと、相関値が出力される。
インコヒーレントは、コヒーレント結果の相関値を積算することによって、相関積算値(インコヒーレント値)を算出する処理である。
相関処理の結果、コヒーレント処理で出力されたコードフェーズと、相関積算値が出力される。
【0025】
ここで、端末15に搭載されている後述のGPSモジュール60(図7参照)の性能を試験するために、実際のGPS衛星12a等からの電波S1を受信するだけでは不十分な場合がある。
このため、GPSモジュール60を試験するためのシステムが必要になる。
以下、本実施の形態における自動試験システム10について説明する。
【0026】
図4は、自動試験システム10(以下、「システム10」と呼ぶ)において、アシストデータ生成に関する構成を示す概略図である。
図5は、アシストデータを構成するデータファイル及びインデックスファイルの一例を示す図である。
図6は、アシストデータ収集装置55の画面例を示す図である。
図7は、アシストデータ使用に関する構成を示す図である。
図8及び図9は、アシストデータ供給装置80の画面例を示す図である。
【0027】
図4及び図7に示すように、システム10は、GPS信号発生装置20、アシストデータ生成サーバ30、アシストデータ収集装置55、アシストデータDB(Data Base)50、GPSモジュール60及びアシストデータ供給装置80を有する。
GPSモジュール60は、受信装置の一例である。
【0028】
上記の構成のうち、まず、図4を使用して、アシストデータ生成のために使用する構成を説明する。
図4に示すように、アシストデータ生成時には、GPS信号発生装置20、アシストデータ生成サーバ30、アシストデータ収集装置55及びアシストデータDB50が使用される。GPS信号発生装置20は模擬信号生成手段の一例である。アシストデータ生成サーバ30は模擬補助情報生成手段の一例である。アシストデータDB50は、模擬補助情報収集格納手段の一例である。
【0029】
GPS信号発生装置20は、zカウントを含む模擬GPS信号を生成乃至発生するための構成である。zカウントは、擬似GPS信号のサブフレームの先頭におけるGPS時刻を示す情報である。模擬GPS信号に含まれるzカウントは、実際のGPS信号に含まれるzカウントを模したものである。このため、zカウントの精度は、実際のGPS衛星の時刻精度と同等に設定されている。
模擬GPS信号は、模擬信号の一例である。
図4に示すように、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオDB(Data Base)22を格納している。GPSシナリオDB22は、GPSシナリオを格納している。GPSシナリオは、模擬GPS信号を生成する条件を示す情報である。GPSシナリオは、信号生成シナリオの一例である。GPSシナリオDB22は、信号生成シナリオ格納手段の一例である。
GPSシナリオは、例えば、アルマナック(Almanac)、エフェメリス(Ehemeris)、概略位置、シミュレーションGPS時間、衛星番号、移動速度を含む。
概略位置は、GPSモジュール60の概略位置である。概略位置としては、地球上の任意の座標を設定することができる。
シミュレーションGPS時間は、試験実施時の時間である。シミュレーションGPS時間としては、現在、過去、未来の任意の時間を設定することができる。なお、シミュレーションGPS時間は、開始時刻と終了時刻によって規定される。シミュレーションGPS時間中の時刻をシミュレーションGPS時刻と呼ぶ。
GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに基づいて、zカウントを含む模擬GPS信号を生成するようになっている。
zカウントは、例えば、設定されたシミュレーションGSP時間の開始時刻から計測が開始される正確な時刻を示す。
なお、システム10は、アシストデータ生成時に、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして得たシミュレーションGSP時刻によって、全体として時刻同期することができるようになっている。
【0030】
アシストデータ生成サーバ30は、模擬GPS信号に基づいて、アシストデータを生成するための構成である。アシストデータは、模擬補助情報の一例である。アシストデータは、GPSモジュール60(図7参照)が、擬似距離を算出し、さらに、現在位置を測位するために使用する情報である。
【0031】
アシストデータ生成サーバ30は、RF部32、BB部34、測位部36及びアシストデータ生成部38を有する。
RF部32は、模擬GPS信号を乗せた電波を受信し、周波数を中間(IF)周波数にダウンコンバートし、さらに、A/D変換してデジタル信号をBB部34に供給するように構成されている。
BB部34は、デジタル信号としての模擬GPS信号とBB部34内部で発生したレプリカGPS信号との相関をとって、模擬GPS信号に含まれるC/AコードのコードフェーズCPを算出するようになっている。
測位部36は、例えば、3つ以上のC/Aコードを受信して、現在位置を算出することができるようになっている。測位部36は、また、模擬GPS信号からアルマナック及びエフェメリスをデコードすることができるようになっている。
さらに、測位部36は、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして、zカウントが示す時刻gtを取得することができる。
アシストデータ生成部38は、BB部34及び測位部36からの出力に基づいて、アシストデータを生成するための構成である。具体的には、アルマナック、エフェメリス、コードフェーズCPを、時刻gtと関連付けることによってアシストデータを生成する。
アシストデータ生成サーバ30は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信している間において、継続的にアシストデータを生成し、最新のアシストデータを保持している。
【0032】
アシストデータ収集装置55は、アシストデータ生成サーバ30に対してアシストデータを要求し、アシストデータ生成サーバ30からアシストデータを受信する。
そして、アシストデータ収集装置55は、アシストデータをアシストデータDB(Data Base)50に格納する。
【0033】
図5に示すように、アシストデータは、データファイルとインデックスファイルから構成される。
データファイルはヘッダとボディから構成され、ボディにアルマナック、エフェメリス、コードフェーズCP及び時刻gtが記載されている。
インデックスファイルには、シミュレーションGPS時間、先頭位置、及びメッセージ長が記載されている。シミュレーションGPS時間は、GPSシナリオに設定された時間である。先頭位置は、データファイルのヘッダの先頭位置を示す。メッセージ長は、アシストデータのサイズを示す。
【0034】
図6に示すように、アシストデータ収集装置55の画面には、アシストデータ生成サーバのアドレス及びポート番号、概略位置、アシストデータの収集時間及び収集間隔、及び、アシストデータDBのアドレスが設定される。
また、アシストデータ収集装置55の画面には、システム時刻及びシミュレーションGPS時間を含む時刻情報が表示される。なお、システム時刻は、試験システム10が有する時計(図示せず)によって計測される時刻である。シミュレーションGPS時刻はシステム時刻からのずれ(乖離している程度)によって管理されている。
また、アシストデータ収集装置55の画面には、アシストデータ収集の進捗状況が表示される。
【0035】
アシストデータDB50には、アルマナック、エフェメリス、コードフェーズCP及び時刻gtを含むアシストデータが格納されている。
アシストデータDB50には、アシストデータ収集装置52が一定期間に収集したアシストデータが格納されている。
【0036】
次に、図7を使用して、アシストデータ使用時に使用する構成を説明する。
図7に示すように、アシストデータ使用時には、GPSモジュール60、アシストデータ供給装置80及びアシストデータDB50が使用される。アシストデータ供給装置80は、模擬補助情報読み取り手段の一例である。
【0037】
GPSモジュール60は、RF部62、BB部64、測位部66、アプリケーション部68及び通信インタフェース(I/F)部70を有する。
RF部62は、模擬GPS信号を乗せた電波を受信し、周波数を中間(IF)周波数にダウンコンバートし、さらに、A/D変換してデジタル信号をBB部64に供給するように構成されている。
BB部64は、デジタル信号としての模擬GPS信号とBB部64内部で発生したレプリカGPS信号との相関をとって、模擬GPS信号に含まれるC/AコードのコードフェーズCPを算出するようになっている。
測位部66は、例えば、3つ以上のC/Aコードを受信して、現在位置を算出することができるようになっている。
さらに、測位部66は、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして、zカウントが示す時刻gtを取得することができる。
【0038】
アプリケーション部68は、現在位置を出力したり、通信I/F部70を介して、アシストデータ供給装置80に対してアシストデータを要求するための構成である。
アプリケーション部68は、アシストデータを要求するための要求信号をアシストデータ供給装置80に送信するようになっている。要求信号は、模擬補助情報要求の一例である。
例えば、アプリケーション部68は、アシストデータ供給装置80からアシストデータを取得すると、そのアシストデータを使用して、現在位置を測位するようになっている。
【0039】
アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60からの要求に応じて、アシストデータDB50からアシストデータを読み取り、そのアシストデータをGPSモジュール60に送信するように構成されている。
【0040】
アシストデータ供給装置80は、要求受信部82を含む。要求受信部82は、GPSモジュール60から要求信号を受信するための構成である。要求受信部82は、模擬補助情報要求受信手段の一例である。
【0041】
アシストデータ供給装置80は、アシストデータ抽出部84を含む。アシストデータ供給装置80は、アシストデータDB50から、アシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを抽出するための構成である。アシストデータ抽出部84は、模擬補助情報抽出手段の一例である。
【0042】
アシストデータ供給装置80は、アシストデータ送信部86を含む。アシストデータ送信部86は、GPSモジュール60に対して、アシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを送信するための構成である。アシストデータ供給装置80は、模擬補助情報送信手段の一例である。
【0043】
図8に示すように、アシストデータ供給装置80の画面には、待ち受けポート番号、シミュレーションGPS時刻、データ保存ディレクトリを設定される。
また、アシストデータ供給装置80の画面には、GPSモジュール60に対するアシストデータの配信状態が表示される。
図8は、アシストデータ供給装置80がGPSモジュール60に対してアシストデータを配信している状態の画面例である。
【0044】
これに対して、図9は、アシストデータ供給装置80がGPSモジュール60に対するアシストデータの配信を完了したときの画面例である。
【0045】
図10は、アシストデータのデータ量見積りについての説明図である。
上述のアシストデータ収集装置55は、図10に示すように、アシストデータ収集条件の設定段階において、アシストデータのデータ量を見積ることができる。
アシストデータ収集装置55は、設定されたアシストデータ収集期間及びアシストデータ収集間隔と、各アシストデータ(メッセージ)の最大サイズ、及びデータファイル最大サイズ、インデックスファイル最大サイズに基づいて、個々のシミュレーションにおいて格納が必要なアシストデータのデータ量を見積る。
そして、個々のシミュレーションにおいて格納が必要なアシストデータのデータ量がアシストデータDB50の記憶容量を超える場合には、アシストデータ収集装置55の画面に、設定された条件ではすべてのアシストデータを格納することができない旨の警告メッセージを表示する。
これにより、アシストデータDB50の記憶容量を超えるシミュレーションの実施を防止することができる。
【0046】
システム10は、上述のように構成されている。
上述のように、システム10は、アシストデータ供給装置80を有するから、アシストデータをGPSモジュール60に送信することができる。
これにより、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0047】
また、システム10は、任意の時刻・位置等をGPSシナリオに設定することにより、模擬GPS信号を生成することができる。
システム10は、例えば、任意の時刻・時間や位置をGPSシナリオに設定することにより、任意の時刻・時間、位置において受信されるはずの模擬GPS信号を生成することができる。
実環境においては、同一の環境(例えば、GPS衛星の配置など)は二度と出現しないため、同一の環境における試験を繰り返し行うことは不可能である。
これに対して、システム10によれば、例えば、同一のGPSシナリオを使用して、何度でも同一の環境において、GPSモジュール60の試験を行うことができる。
これにより、同一の環境において、GPSモジュール60のハードウエアやソフトウエアの変更による、TTFF(Time To First Fix:最初の測位位置算出までの時間)や測位精度等の性能への影響を計測することができる。
また、GPSシナリオに過去の時刻を設定することによって、過去の時刻におけるGPSモジュール60のシミュレーションを行うことができる。過去の時刻においては、過去の実績を利用してシミュレーション結果を評価することができるから、GPSモジュール60の性能を正確に判断することができる。
また、GPSシナリオに未来の時刻を設定することによって、未来の時刻におけるGPSモジュール60のシミュレーションを行うことができる。これにより、未来の時刻にける、GPSモジュール60の性能を予想することができる。
【0048】
さらに、GPS生成シナリオには、GPSモジュール60の概略位置及び移動速度を設定することができる構成となっているから、地球上の任意の場所での性能計測を容易に実現することができる。また、GPSモジュール60の任意の移動速度における性能計測を容易に実現することができる。
上述のように、システム10によれば、GPSモジュール60の性能評価を能率的かつ効果的に実施でき、しかも再現性を確保して実施可能である。
【0049】
以上が本実施の形態に係るシステム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図11及び図12を使用して説明する。
図11及び図12はシステム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0050】
まず、図11を使用して、システム10のアシストデータ生成に関する動作例を説明する。
まず、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに従って、模擬GPS信号を生成する(図11のステップST1)。
続いて、GPS信号発生装置20は、模擬GPS信号を送信する(ステップST2)。
GPS信号発生装置20は、ステップST1及びST2を、GPSシナリオに示されるシミュレーションGPS時間が終了するまで繰り返す。
【0051】
アシストデータ生成サーバ30は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信する(ステップST11)。
続いて、アシストデータ生成サーバ30は、アシストデータを生成する(ステップST12)。
続いて、アシストデータ生成サーバ30は、アシストデータ収集装置55からの要求に応じて、アシストデータ収集装置55に対してアシストデータを送信する(ステップST13)。
【0052】
アシストデータ生成サーバ30は、ステップST11乃至ST13を、GPS信号発生装置20及びアシストデータ収集装置55の動作が終了するまで繰り返す。
【0053】
アシストデータ収集装置55は、設定されたアシストデータ収集時間及びアシストデータ収集間隔(図6参照)に従って、アシストデータ生成サーバ30からアシストデータを収集する(ステップST21)。
続いて、アシストデータ収集装置55は、アシストデータDB50にアシストデータを格納する(ステップST22)。
【0054】
次に、図12を使用して、システム10のアシストデータ使用に関する動作例を説明する。
まず、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに従って、模擬GPS信号を生成する(図12のステップST101)。
続いて、GPS信号発生装置20は、模擬GPS信号を送信する(ステップST102)。
GPS信号発生装置20は、ステップST101及びST102を、GPSシナリオに示されるシミュレーションGPS時間が終了するまで繰り返す。
【0055】
GPSモジュール60は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信する(ステップST111)。
続いて、GPSモジュール60は、アシストデータ供給装置80に対して、要求信号を送信する(ステップST112)。
【0056】
一方、アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60から要求信号を受信する(ステップST121)。
続いて、アシストデータ供給装置80は、アシストデータDB50からアシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを抽出する(ステップST122)。
続いて、アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60に対して、アシストデータを送信する(ステップST123)。
【0057】
これに対して、GPSモジュール60は、アシストデータ供給装置80からアシストデータを受信する(ステップST113)。
GPSモジュールは、このアシストデータを使用して、模擬GPS信号に基づく測位を実施する。なお、測位についての説明は、省略する。
【0058】
上述のアシストデータ生成とアシストデータ使用は、並行して実施してもよいし、アシストデータ生成を先に実施してもよい。
【0059】
上述のステップによって、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0060】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態の端末等を示す概略図である。
【図2】測位方法を示す概念図である。
【図3】相関処理の説明図である。
【図4】アシストデータ生成に関する構成を示す概略図である。
【図5】アシストデータを構成するデータファイル及びインデックスファイルフォーマットの一例を示す図である。
【図6】アシストデータ収集装置の画面例を示す図である。
【図7】アシストデータ使用に関する構成を示す図である。
【図8】アシストデータ供給装置の画面例を示す図である。
【図9】アシストデータ供給装置の画面例を示す図である。
【図10】アシストデータのデータ量見積りについての説明図である。
【図11】システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h・・・GPS衛星、15・・・端末、20・・・GPS信号発生装置、30・・・アシストデータ生成サーバ、50・・・アシストデータDB、55・・・アシストデータ収集装置、60・・・ZGPSモジュール、80・・・アシストデータ供給装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位信号の受信機の自動試験システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星を利用した衛星航法システムであるSPS(Satellite Positioning System)を利用して受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
これに関連して、実際に人工衛星から送信される信号ではなくて、模擬信号を受信機に受信させて測位システムのシミュレーションを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特願2004−309307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の技術においては、衛星から発信される信号のパラメータは調整しているが、GPS受信機が測位等の補助のために使用するアシストデータについては考慮されていないため、例えば、第3世代(3G)携帯電話機の規格において要求されるアシストデータを受信して測位に利用するGPS受信機について、有効なシミュレーションを行うことができない場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる自動試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、測位信号を受信して測位する受信装置の自動試験システムであって、前記受信装置に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段と、前記受信装置が擬似距離を算出するために使用し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、前記模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段と、前記模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段と、前記模擬補助情報格納手段に格納された前記模擬補助情報を読み取って、前記受信装置に送信するための模擬補助情報読み取り手段と、を有することを特徴とする自動試験システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記自動試験システムは、前記模擬補助情報読み取り手段を有するから、前記模擬補助情報を前記受信装置に送信することができる。
これにより、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記模擬信号生成手段は、前記模擬信号を生成する条件を示す信号生成シナリオに基づいて、前記模擬信号を生成する構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0008】
第2の発明の構成によれば、前記自動試験システムは、例えば、任意の時刻・時間や位置を前記信号生成シナリオに設定することにより、任意の時刻・時間、位置において受信されるはずの前記模擬信号を生成することができる。
実環境においては、同一の環境(例えば、測位衛星の配置など)は二度と出現しないため、同一の環境における試験を繰り返し行うことは不可能である。
これに対して、前記自動試験システムによれば、例えば、同一の前記信号生成シナリオを使用して、何度でも同一の環境において、前記受信装置の試験を行うことができる。
これにより、同一の環境において、前記受信装置のハードウエアやソフトウエアの変更による、TTFF(Time To First Fix:最初の測位位置算出までの時間)や測位精度等の性能への影響を計測することができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のいずれかの構成において、前記模擬補助情報読み取り手段は、前記受信装置から前記設定時刻を含む模擬補助情報要求を受信する模擬補助情報要求受信手段と、前記模擬補助情報格納手段から前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を抽出する模擬補助情報抽出手段と、前記受信装置に対して、前記模擬補助情報を送信する模擬補助情報送信手段と、を有することを特徴とする自動試験システムである。
【0010】
第3の発明の構成によれば、前記模擬補助情報読み取り手段は、前記受信装置に対して、前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を前記受信装置に対して送信することができる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記模擬信号は、SPS(Satellite Positioning System)衛星からの信号を模した構成であることを特徴とする自動試験システムである。
【0012】
第4の発明の構成によれば、SPS衛星からの信号を受信して測位する前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。
【0013】
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記信号生成シナリオには、現在、過去及び未来の任意の時刻及び/又は時間を設定することができる構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0014】
第5の発明の構成によれば、前記信号生成シナリオに過去の時刻及び/又は時間を設定することによって、過去における前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。過去においては、過去の実績を利用してシミュレーション結果を評価することができるから、前記受信装置の性能を正確に判断することができる。
また、前記信号生成シナリオに未来の時刻及び/又は時間を設定することによって、未来における前記受信装置のシミュレーションを行うことができる。これにより、未来における、前記受信装置の性能を予想することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明の構成において、前記信号生成シナリオには、前記受信装置の概略位置及び/又は移動速度を設定することができる構成となっていることを特徴とする自動試験システムである。
【0016】
第6の発明の構成によれば、地球上の任意の場所での性能計測を容易に実現することができる。また、前記受信装置の任意の移動速度における性能計測を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態の端末15等を示す概略図である。
図1に示すように、端末15は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g及び12hから、電波S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7及びS8を受信することができる。なお、測位衛星は、GPS衛星に限らず、広くSPS(Satellite Positioing System)において使用される衛星であってもよい。SPSは、GPSの他に、例えば、トランシット(Transit)、GNSSを含む。
電波S1等には各種のコード(符号)が乗せられている。そのうちの一つがC/AコードScaである。このC/AコードScaは、1.023Mbpsのビット率、1,023bit(=1msec)のビット長の信号である。C/AコードScaは、1,023チップ(chip)で構成されている。端末15は、このC/Aコードを使用して現在位置の測位を行う。
【0019】
また、電波S1等に乗せられる情報として、アルマナックSal及びエフェメリスSehがある。アルマナックSalはすべてのGPS衛星12a等の概略の衛星軌道を示す情報であり、エフェメリスSehは各GPS衛星12a等の精密な衛星軌道を示す情報である。アルマナックSal及びエフェメリスSehを総称して航法メッセージと呼ぶ。
【0020】
端末15は、例えば、3個以上の異なるGPS衛星12a等からのC/Aコードのコードフェーズ(位相)を特定して、各GPS衛星12a等と端末15との擬似距離を算出し、その擬似距離を使用して現在位置を測位することができるようになっている。
【0021】
図2は、測位方法の一例を示す概念図である。
図2に示すように、例えば、GPS衛星12aと端末15との間には、C/Aコードが連続的に並んでいると観念することができる。そして、GPS衛星12aと端末15との間の距離は、C/Aコードの長さ(約300キロメートル(km))の整数倍とは限らないから、コード端数部C/Aaが存在する。つまり、GPS衛星12aと端末15との間には、C/Aコードの整数倍の部分と、端数部分が存在する。C/Aコードの整数倍の部分と端数部分の合計の長さが擬似距離である。端末15は、3個以上のGPS衛星12a等についての擬似距離を使用して測位を行う。
本明細書において、C/Aコードの端数部C/Aaをコードフェーズ(位相)と呼ぶ。コードフェーズは、例えば、C/Aコードの1,023あるチップの何番目かで示すこともできるし、距離に換算して示すこともできる。擬似距離を算出するときには、コードフェーズを距離に換算している。
【0022】
GPS衛星12aの軌道上の位置はエフェメリスSehを使用して算出可能である。そして、例えば、GPS衛星12aの軌道上の位置と後述の初期位置Q0(図示せず)との距離を算出すれば、C/Aコードの整数倍の部分を特定することができる。なお、C/Aコードの長さが約300キロメートル(km)であるから、初期位置Q0の位置誤差は、150キロメートル(km)以内である必要がある。
【0023】
そして、図2に示すように、レプリカC/Aコードの位相を例えば、矢印X1方向に移動させながら、相関処理を行う。このとき、端末15は、同期用周波数も変動させながら、相関処理を行う。この相関処理は、後述のコヒーレント処理及びインコヒーレント処理で構成される。
相関積算値が最大になった位相がコード端数C/Aaである。
なお、本実施の形態とは異なり、端末15は、例えば、携帯電話の通信基地局からの電波を使用して測位を行うようにしてもよい。
【0024】
図3は、相関処理の説明図である。
コヒーレントは、端末15が受信したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関をとる処理である。レプリカC/Aコードは、端末15が発生する符号である。レプリカC/Aコードは、レプリカ測位基礎符号の一例である。
例えば、図3に示すように、コヒーレント時間が5msecであれば、5msecの時間において同期積算したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関値等を算出する。コヒーレント処理の結果、相関をとったときのコードフェーズと、相関値が出力される。
インコヒーレントは、コヒーレント結果の相関値を積算することによって、相関積算値(インコヒーレント値)を算出する処理である。
相関処理の結果、コヒーレント処理で出力されたコードフェーズと、相関積算値が出力される。
【0025】
ここで、端末15に搭載されている後述のGPSモジュール60(図7参照)の性能を試験するために、実際のGPS衛星12a等からの電波S1を受信するだけでは不十分な場合がある。
このため、GPSモジュール60を試験するためのシステムが必要になる。
以下、本実施の形態における自動試験システム10について説明する。
【0026】
図4は、自動試験システム10(以下、「システム10」と呼ぶ)において、アシストデータ生成に関する構成を示す概略図である。
図5は、アシストデータを構成するデータファイル及びインデックスファイルの一例を示す図である。
図6は、アシストデータ収集装置55の画面例を示す図である。
図7は、アシストデータ使用に関する構成を示す図である。
図8及び図9は、アシストデータ供給装置80の画面例を示す図である。
【0027】
図4及び図7に示すように、システム10は、GPS信号発生装置20、アシストデータ生成サーバ30、アシストデータ収集装置55、アシストデータDB(Data Base)50、GPSモジュール60及びアシストデータ供給装置80を有する。
GPSモジュール60は、受信装置の一例である。
【0028】
上記の構成のうち、まず、図4を使用して、アシストデータ生成のために使用する構成を説明する。
図4に示すように、アシストデータ生成時には、GPS信号発生装置20、アシストデータ生成サーバ30、アシストデータ収集装置55及びアシストデータDB50が使用される。GPS信号発生装置20は模擬信号生成手段の一例である。アシストデータ生成サーバ30は模擬補助情報生成手段の一例である。アシストデータDB50は、模擬補助情報収集格納手段の一例である。
【0029】
GPS信号発生装置20は、zカウントを含む模擬GPS信号を生成乃至発生するための構成である。zカウントは、擬似GPS信号のサブフレームの先頭におけるGPS時刻を示す情報である。模擬GPS信号に含まれるzカウントは、実際のGPS信号に含まれるzカウントを模したものである。このため、zカウントの精度は、実際のGPS衛星の時刻精度と同等に設定されている。
模擬GPS信号は、模擬信号の一例である。
図4に示すように、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオDB(Data Base)22を格納している。GPSシナリオDB22は、GPSシナリオを格納している。GPSシナリオは、模擬GPS信号を生成する条件を示す情報である。GPSシナリオは、信号生成シナリオの一例である。GPSシナリオDB22は、信号生成シナリオ格納手段の一例である。
GPSシナリオは、例えば、アルマナック(Almanac)、エフェメリス(Ehemeris)、概略位置、シミュレーションGPS時間、衛星番号、移動速度を含む。
概略位置は、GPSモジュール60の概略位置である。概略位置としては、地球上の任意の座標を設定することができる。
シミュレーションGPS時間は、試験実施時の時間である。シミュレーションGPS時間としては、現在、過去、未来の任意の時間を設定することができる。なお、シミュレーションGPS時間は、開始時刻と終了時刻によって規定される。シミュレーションGPS時間中の時刻をシミュレーションGPS時刻と呼ぶ。
GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに基づいて、zカウントを含む模擬GPS信号を生成するようになっている。
zカウントは、例えば、設定されたシミュレーションGSP時間の開始時刻から計測が開始される正確な時刻を示す。
なお、システム10は、アシストデータ生成時に、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして得たシミュレーションGSP時刻によって、全体として時刻同期することができるようになっている。
【0030】
アシストデータ生成サーバ30は、模擬GPS信号に基づいて、アシストデータを生成するための構成である。アシストデータは、模擬補助情報の一例である。アシストデータは、GPSモジュール60(図7参照)が、擬似距離を算出し、さらに、現在位置を測位するために使用する情報である。
【0031】
アシストデータ生成サーバ30は、RF部32、BB部34、測位部36及びアシストデータ生成部38を有する。
RF部32は、模擬GPS信号を乗せた電波を受信し、周波数を中間(IF)周波数にダウンコンバートし、さらに、A/D変換してデジタル信号をBB部34に供給するように構成されている。
BB部34は、デジタル信号としての模擬GPS信号とBB部34内部で発生したレプリカGPS信号との相関をとって、模擬GPS信号に含まれるC/AコードのコードフェーズCPを算出するようになっている。
測位部36は、例えば、3つ以上のC/Aコードを受信して、現在位置を算出することができるようになっている。測位部36は、また、模擬GPS信号からアルマナック及びエフェメリスをデコードすることができるようになっている。
さらに、測位部36は、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして、zカウントが示す時刻gtを取得することができる。
アシストデータ生成部38は、BB部34及び測位部36からの出力に基づいて、アシストデータを生成するための構成である。具体的には、アルマナック、エフェメリス、コードフェーズCPを、時刻gtと関連付けることによってアシストデータを生成する。
アシストデータ生成サーバ30は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信している間において、継続的にアシストデータを生成し、最新のアシストデータを保持している。
【0032】
アシストデータ収集装置55は、アシストデータ生成サーバ30に対してアシストデータを要求し、アシストデータ生成サーバ30からアシストデータを受信する。
そして、アシストデータ収集装置55は、アシストデータをアシストデータDB(Data Base)50に格納する。
【0033】
図5に示すように、アシストデータは、データファイルとインデックスファイルから構成される。
データファイルはヘッダとボディから構成され、ボディにアルマナック、エフェメリス、コードフェーズCP及び時刻gtが記載されている。
インデックスファイルには、シミュレーションGPS時間、先頭位置、及びメッセージ長が記載されている。シミュレーションGPS時間は、GPSシナリオに設定された時間である。先頭位置は、データファイルのヘッダの先頭位置を示す。メッセージ長は、アシストデータのサイズを示す。
【0034】
図6に示すように、アシストデータ収集装置55の画面には、アシストデータ生成サーバのアドレス及びポート番号、概略位置、アシストデータの収集時間及び収集間隔、及び、アシストデータDBのアドレスが設定される。
また、アシストデータ収集装置55の画面には、システム時刻及びシミュレーションGPS時間を含む時刻情報が表示される。なお、システム時刻は、試験システム10が有する時計(図示せず)によって計測される時刻である。シミュレーションGPS時刻はシステム時刻からのずれ(乖離している程度)によって管理されている。
また、アシストデータ収集装置55の画面には、アシストデータ収集の進捗状況が表示される。
【0035】
アシストデータDB50には、アルマナック、エフェメリス、コードフェーズCP及び時刻gtを含むアシストデータが格納されている。
アシストデータDB50には、アシストデータ収集装置52が一定期間に収集したアシストデータが格納されている。
【0036】
次に、図7を使用して、アシストデータ使用時に使用する構成を説明する。
図7に示すように、アシストデータ使用時には、GPSモジュール60、アシストデータ供給装置80及びアシストデータDB50が使用される。アシストデータ供給装置80は、模擬補助情報読み取り手段の一例である。
【0037】
GPSモジュール60は、RF部62、BB部64、測位部66、アプリケーション部68及び通信インタフェース(I/F)部70を有する。
RF部62は、模擬GPS信号を乗せた電波を受信し、周波数を中間(IF)周波数にダウンコンバートし、さらに、A/D変換してデジタル信号をBB部64に供給するように構成されている。
BB部64は、デジタル信号としての模擬GPS信号とBB部64内部で発生したレプリカGPS信号との相関をとって、模擬GPS信号に含まれるC/AコードのコードフェーズCPを算出するようになっている。
測位部66は、例えば、3つ以上のC/Aコードを受信して、現在位置を算出することができるようになっている。
さらに、測位部66は、模擬GPS信号に含まれるzカウントをデコードして、zカウントが示す時刻gtを取得することができる。
【0038】
アプリケーション部68は、現在位置を出力したり、通信I/F部70を介して、アシストデータ供給装置80に対してアシストデータを要求するための構成である。
アプリケーション部68は、アシストデータを要求するための要求信号をアシストデータ供給装置80に送信するようになっている。要求信号は、模擬補助情報要求の一例である。
例えば、アプリケーション部68は、アシストデータ供給装置80からアシストデータを取得すると、そのアシストデータを使用して、現在位置を測位するようになっている。
【0039】
アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60からの要求に応じて、アシストデータDB50からアシストデータを読み取り、そのアシストデータをGPSモジュール60に送信するように構成されている。
【0040】
アシストデータ供給装置80は、要求受信部82を含む。要求受信部82は、GPSモジュール60から要求信号を受信するための構成である。要求受信部82は、模擬補助情報要求受信手段の一例である。
【0041】
アシストデータ供給装置80は、アシストデータ抽出部84を含む。アシストデータ供給装置80は、アシストデータDB50から、アシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを抽出するための構成である。アシストデータ抽出部84は、模擬補助情報抽出手段の一例である。
【0042】
アシストデータ供給装置80は、アシストデータ送信部86を含む。アシストデータ送信部86は、GPSモジュール60に対して、アシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを送信するための構成である。アシストデータ供給装置80は、模擬補助情報送信手段の一例である。
【0043】
図8に示すように、アシストデータ供給装置80の画面には、待ち受けポート番号、シミュレーションGPS時刻、データ保存ディレクトリを設定される。
また、アシストデータ供給装置80の画面には、GPSモジュール60に対するアシストデータの配信状態が表示される。
図8は、アシストデータ供給装置80がGPSモジュール60に対してアシストデータを配信している状態の画面例である。
【0044】
これに対して、図9は、アシストデータ供給装置80がGPSモジュール60に対するアシストデータの配信を完了したときの画面例である。
【0045】
図10は、アシストデータのデータ量見積りについての説明図である。
上述のアシストデータ収集装置55は、図10に示すように、アシストデータ収集条件の設定段階において、アシストデータのデータ量を見積ることができる。
アシストデータ収集装置55は、設定されたアシストデータ収集期間及びアシストデータ収集間隔と、各アシストデータ(メッセージ)の最大サイズ、及びデータファイル最大サイズ、インデックスファイル最大サイズに基づいて、個々のシミュレーションにおいて格納が必要なアシストデータのデータ量を見積る。
そして、個々のシミュレーションにおいて格納が必要なアシストデータのデータ量がアシストデータDB50の記憶容量を超える場合には、アシストデータ収集装置55の画面に、設定された条件ではすべてのアシストデータを格納することができない旨の警告メッセージを表示する。
これにより、アシストデータDB50の記憶容量を超えるシミュレーションの実施を防止することができる。
【0046】
システム10は、上述のように構成されている。
上述のように、システム10は、アシストデータ供給装置80を有するから、アシストデータをGPSモジュール60に送信することができる。
これにより、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0047】
また、システム10は、任意の時刻・位置等をGPSシナリオに設定することにより、模擬GPS信号を生成することができる。
システム10は、例えば、任意の時刻・時間や位置をGPSシナリオに設定することにより、任意の時刻・時間、位置において受信されるはずの模擬GPS信号を生成することができる。
実環境においては、同一の環境(例えば、GPS衛星の配置など)は二度と出現しないため、同一の環境における試験を繰り返し行うことは不可能である。
これに対して、システム10によれば、例えば、同一のGPSシナリオを使用して、何度でも同一の環境において、GPSモジュール60の試験を行うことができる。
これにより、同一の環境において、GPSモジュール60のハードウエアやソフトウエアの変更による、TTFF(Time To First Fix:最初の測位位置算出までの時間)や測位精度等の性能への影響を計測することができる。
また、GPSシナリオに過去の時刻を設定することによって、過去の時刻におけるGPSモジュール60のシミュレーションを行うことができる。過去の時刻においては、過去の実績を利用してシミュレーション結果を評価することができるから、GPSモジュール60の性能を正確に判断することができる。
また、GPSシナリオに未来の時刻を設定することによって、未来の時刻におけるGPSモジュール60のシミュレーションを行うことができる。これにより、未来の時刻にける、GPSモジュール60の性能を予想することができる。
【0048】
さらに、GPS生成シナリオには、GPSモジュール60の概略位置及び移動速度を設定することができる構成となっているから、地球上の任意の場所での性能計測を容易に実現することができる。また、GPSモジュール60の任意の移動速度における性能計測を容易に実現することができる。
上述のように、システム10によれば、GPSモジュール60の性能評価を能率的かつ効果的に実施でき、しかも再現性を確保して実施可能である。
【0049】
以上が本実施の形態に係るシステム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図11及び図12を使用して説明する。
図11及び図12はシステム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0050】
まず、図11を使用して、システム10のアシストデータ生成に関する動作例を説明する。
まず、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに従って、模擬GPS信号を生成する(図11のステップST1)。
続いて、GPS信号発生装置20は、模擬GPS信号を送信する(ステップST2)。
GPS信号発生装置20は、ステップST1及びST2を、GPSシナリオに示されるシミュレーションGPS時間が終了するまで繰り返す。
【0051】
アシストデータ生成サーバ30は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信する(ステップST11)。
続いて、アシストデータ生成サーバ30は、アシストデータを生成する(ステップST12)。
続いて、アシストデータ生成サーバ30は、アシストデータ収集装置55からの要求に応じて、アシストデータ収集装置55に対してアシストデータを送信する(ステップST13)。
【0052】
アシストデータ生成サーバ30は、ステップST11乃至ST13を、GPS信号発生装置20及びアシストデータ収集装置55の動作が終了するまで繰り返す。
【0053】
アシストデータ収集装置55は、設定されたアシストデータ収集時間及びアシストデータ収集間隔(図6参照)に従って、アシストデータ生成サーバ30からアシストデータを収集する(ステップST21)。
続いて、アシストデータ収集装置55は、アシストデータDB50にアシストデータを格納する(ステップST22)。
【0054】
次に、図12を使用して、システム10のアシストデータ使用に関する動作例を説明する。
まず、GPS信号発生装置20は、GPSシナリオに従って、模擬GPS信号を生成する(図12のステップST101)。
続いて、GPS信号発生装置20は、模擬GPS信号を送信する(ステップST102)。
GPS信号発生装置20は、ステップST101及びST102を、GPSシナリオに示されるシミュレーションGPS時間が終了するまで繰り返す。
【0055】
GPSモジュール60は、GPS信号発生装置20から模擬GPS信号を受信する(ステップST111)。
続いて、GPSモジュール60は、アシストデータ供給装置80に対して、要求信号を送信する(ステップST112)。
【0056】
一方、アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60から要求信号を受信する(ステップST121)。
続いて、アシストデータ供給装置80は、アシストデータDB50からアシストデータ供給装置80が管理している自分のシミュレーションGPS時刻に対応するアシストデータを抽出する(ステップST122)。
続いて、アシストデータ供給装置80は、GPSモジュール60に対して、アシストデータを送信する(ステップST123)。
【0057】
これに対して、GPSモジュール60は、アシストデータ供給装置80からアシストデータを受信する(ステップST113)。
GPSモジュールは、このアシストデータを使用して、模擬GPS信号に基づく測位を実施する。なお、測位についての説明は、省略する。
【0058】
上述のアシストデータ生成とアシストデータ使用は、並行して実施してもよいし、アシストデータ生成を先に実施してもよい。
【0059】
上述のステップによって、アシストデータを受信して測位に利用する受信機について、有効にシミュレーションを行うことができる。
【0060】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態の端末等を示す概略図である。
【図2】測位方法を示す概念図である。
【図3】相関処理の説明図である。
【図4】アシストデータ生成に関する構成を示す概略図である。
【図5】アシストデータを構成するデータファイル及びインデックスファイルフォーマットの一例を示す図である。
【図6】アシストデータ収集装置の画面例を示す図である。
【図7】アシストデータ使用に関する構成を示す図である。
【図8】アシストデータ供給装置の画面例を示す図である。
【図9】アシストデータ供給装置の画面例を示す図である。
【図10】アシストデータのデータ量見積りについての説明図である。
【図11】システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h・・・GPS衛星、15・・・端末、20・・・GPS信号発生装置、30・・・アシストデータ生成サーバ、50・・・アシストデータDB、55・・・アシストデータ収集装置、60・・・ZGPSモジュール、80・・・アシストデータ供給装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位信号を受信して測位する受信装置の自動試験システムであって、
前記受信装置に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段と、
前記受信装置が擬似距離を算出するために使用し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、前記模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段と、
前記模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段と、
前記模擬補助情報格納手段に格納された前記模擬補助情報を読み取って、前記受信装置に送信するための模擬補助情報読み取り手段と、
を有することを特徴とする自動試験システム。
【請求項2】
前記模擬信号生成手段は、
前記模擬信号を生成する条件を示す信号生成シナリオに基づいて、前記模擬信号を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の自動試験システム。
【請求項3】
前記模擬補助情報読み取り手段は、
前記受信装置から前記設定時刻を含む模擬補助情報要求を受信する模擬補助情報要求受信手段と、
前記模擬補助情報格納手段から前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を抽出する模擬補助情報抽出手段と、
前記受信装置に対して、前記模擬補助情報を送信する模擬補助情報送信手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項4】
前記模擬信号は、SPS(Satellite Positioning System)衛星からの信号を模した構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項5】
前記信号生成シナリオには、現在、過去及び未来の任意の時刻及び/又は時間を設定することができる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項6】
前記信号生成シナリオには、前記受信装置の概略位置及び/又は移動速度を設定することができる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項1】
測位信号を受信して測位する受信装置の自動試験システムであって、
前記受信装置に送信する模擬信号を生成する模擬信号生成手段と、
前記受信装置が擬似距離を算出するために使用し、及び/又は、現在位置を測位するために使用する模擬補助情報を、前記模擬信号に基づいて生成する模擬補助情報生成手段と、
前記模擬補助情報を格納する模擬補助情報格納手段と、
前記模擬補助情報格納手段に格納された前記模擬補助情報を読み取って、前記受信装置に送信するための模擬補助情報読み取り手段と、
を有することを特徴とする自動試験システム。
【請求項2】
前記模擬信号生成手段は、
前記模擬信号を生成する条件を示す信号生成シナリオに基づいて、前記模擬信号を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の自動試験システム。
【請求項3】
前記模擬補助情報読み取り手段は、
前記受信装置から前記設定時刻を含む模擬補助情報要求を受信する模擬補助情報要求受信手段と、
前記模擬補助情報格納手段から前記設定時刻に対応する前記模擬補助情報を抽出する模擬補助情報抽出手段と、
前記受信装置に対して、前記模擬補助情報を送信する模擬補助情報送信手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項4】
前記模擬信号は、SPS(Satellite Positioning System)衛星からの信号を模した構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項5】
前記信号生成シナリオには、現在、過去及び未来の任意の時刻及び/又は時間を設定することができる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動試験システム。
【請求項6】
前記信号生成シナリオには、前記受信装置の概略位置及び/又は移動速度を設定することができる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動試験システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−315859(P2007−315859A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144203(P2006−144203)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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