説明

自動販売機、自動販売システム、販売処理方法およびプログラム

【課題】容器の廃棄物を低減するとともに、商品が容器からあふれ出てしまうことを防げる自動販売機を提供する。
【解決手段】ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、商品を入れるための容器に添付されたRFIDタグに予め格納され、容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、容器の容量を測定する容器測定部と、購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部と、容器が商品提供口の下に置かれると、購入者が容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、容器IDおよび認証情報を含む購入者情報をサーバに送信し、購入者が容器の正規の使用者である旨の応答情報をサーバから受信すると、容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、容量が十分である場合にのみ、商品を容器に提供する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機、自動販売システム、販売処理方法、およびその方法を自動販売機の制御部に実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食料を商品とする自動販売機は、缶や紙コップなどの専用容器を用いて商品を販売している。そのため、商品を販売する度に、空き缶や使用済紙コップなどの廃棄物が出ることになり、空き缶や使用済紙コップをリサイクルしなければ、有効資源の無駄使いになっていた。また、空き缶や使用済紙コップの回収箱が自動販売機の近くに設置されていないと、購入者の中には、投げ捨てを行う者もいて、不法投棄が問題になっていた。
【0003】
不法投棄を防止するために、空き缶や使用済紙コップの回収箱が自動販売機の近くに設置されている場合でも、販売される商品の値段が容器代と回収費用を含む価格に設定され、購入者は、容器代と回収費用を含む値段を支払わなければならないという問題があった。
【0004】
これらの問題に対する対策の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された自動販売機では、飲料の購入者が自分で用意したカップを自動販売機の販売口に載せ、硬貨を自動販売機に投入し、希望する飲料の選択釦とマイカップ釦を押すと、希望した飲料がカップに注がれ、紙コップの代金と回収費用が購入者に返却される。
【0005】
このようにして紙コップの使用を抑制することで、廃棄物の量を低減できるだけでなく、購入者は、自動販売機に内蔵されたカップを使用する場合に比べて、安い値段で飲料を購入することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−217761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された自動販売機では、販売者側は、提供する一杯分の飲料の量が予めわかっているので、一杯分の飲料を注入可能な紙コップが自動販売機に内蔵されているが、購入者が自分で容器を準備する場合には、容器の容量が商品を入れるのに十分でない可能性がある。購入者の準備したカップの容量が飲料を入れるのに十分でなければ、注入された飲料が容器からあふれ出てしまうことになる。購入者は、紙コップにかかる費用を抑えるために容器を準備しても、容器に入らなかった分だけ損をしてしまうことになる。
【0008】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、容器の廃棄物を低減するとともに、商品が容器からあふれ出てしまうことを防ぐことを可能にした自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の自動販売機は、ネットワークを介してサーバと接続される自動販売機であって、
前記ネットワークを介して前記サーバと通信する通信部と、
商品を入れるための容器に添付されたRFIDタグに予め格納され、容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、
容器の容量を測定する容器測定部と、
購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部と、
容器が商品提供口の下に置かれると、購入者が該容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記RFID読取部で読み取られた容器IDおよび前記認証情報取得部で取得された認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を該サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供する制御部と、
を有する構成である。
【0010】
また、本発明の自動販売システムは、ネットワークを介して接続されるサーバおよび自動販売機を有する自動販売システムであって、
前記自動販売機が上記本発明の自動販売機であり、
前記サーバは、
前記容器IDおよび前記認証情報を含む個人情報が予め登録された記憶部と、
前記購入者情報を前記自動販売機から受信すると、該購入者情報の容器IDおよび認証情報に一致する情報を含む個人情報があるか前記記憶部を調べ、該容器IDおよび該認証情報に一致する情報を含む個人情報があると、購入者が容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記自動販売機に送信する制御部とを有する構成である。
【0011】
また、本発明の販売処理方法は、ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、容器に添付されたRFIDタグから容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、容器の容量を測定する容器測定部と、購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部とを有する自動販売機による販売処理方法であって、
容器が商品提供口の下に置かれると、前記RFIDタグに登録された容器IDを前記RFID読取部を介して取得し、
購入者により入力された認証情報を前記認証情報取得部から取得し、
購入者が前記容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記容器IDおよび前記認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、
購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供するものである。
【0012】
さらに、本発明のプログラムは、ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、容器に添付されたRFIDタグから容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、容器の容量を測定する容器測定部と、購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部と、各部を制御する制御部とを有する自動販売機の該制御部に実行させるためのプログラムであって、
容器が商品提供口の下に置かれると、前記RFIDタグに登録された容器IDを前記RFID読取部を介して取得し、
購入者により入力された認証情報を前記認証情報取得部から取得し、
購入者が前記容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記容器IDおよび前記認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、
購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供する処理を前記制御部に実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、購入者が自分で用意した容器に商品を提供し、商品提供前に容器の容量を確認しているため、空き缶や紙コップといった廃棄物を低減できるだけでなく、商品が容器からあふれ出てしまうことを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態の自動販売システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の自動販売システムで利用される容器の一例を示す図である。
【図3】図1に示した自動販売機の一構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示した容量測定部による容量測定のための構成例を示す図である。
【図5】図1に示した認証・課金サーバの一構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示した決済サーバの一構成例を示すブロック図である。
【図7】個人情報の登録方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態における自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の自動販売システムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】実施例1における容器測定部の一構成例を示すブロック図である。
【図11】容器内部を撮影する様子を模式的に示した図である。
【図12】実施例1の自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】実施例2における容器測定部の一構成例を示すブロック図である。
【図14】実施例2の自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】実施例3の自動販売機の一構成例を示すブロック図である。
【図16】実施例3による自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態の自動販売システムの構成を説明する。図1は本実施形態の自動販売システムの一構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態における自動販売システムは、自動販売機100と、認証・課金サーバ110とを有する構成である。認証・課金サーバ110は、自動販売機100とネットワーク50を介して接続される。ネットワーク50は、自動販売機100を管理する企業の専用回線である。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために、ネットワーク50に接続される自動販売機100が1台の場合で説明するが、ネットワーク50に接続される自動販売機100の数は複数であってもよい。本実施形態では、自動販売機100が提供する商品を飲料とする。
【0017】
パーソナルコンピュータ(以下では、PCと表記する)40は、自動販売機100で販売される商品を購入しようとする者(以下では、購入者と称する)が操作するものである。決済サーバ30は、商品購入に関する決済を行うサーバであり、銀行で管理されている。PC40および決済サーバ30のそれぞれはネットワーク60に接続される。ネットワーク60は、広域通信網であり、例えば、インターネットである。
【0018】
ネットワーク50またはネットワーク60を介して行われる、装置間の通信方法は、IP(Internet Protocol)にしたがうものとし、装置間で送受信される信号および情報のそれぞれには、送信元および送信先のそれぞれを特定するための識別子である装置識別子が付与されているものとする。ネットワーク50またはネットワーク60に接続された装置は、これらのネットワークを介して受信する情報がどの装置から送信されたものであるかを装置識別子で特定することが可能となる。
【0019】
図2は本実施形態の自動販売システムで利用される容器の一例を示す図である。図2に示すように、容器10の底面外側にRFID(Radio Frequency Identification)タグ11が貼り付けられている。容器10は、例えば、マグカップやタンブラーである。RFIDタグ11には不揮発性メモリ(不図示)が設けられ、不揮発性メモリには、RFIDタグ11が添付される容器毎に異なる識別子である容器IDの情報が予め格納されている。本実施形態では、RFIDタグ11の装着位置を容器10の底面外側の場合で説明しているが、RFIDタグ11の装着位置は容器10の底面外側に限らず、容器10の側面であってもよい。
【0020】
図3は図1に示した自動販売機の一構成例を示すブロック図である。図3に示すように、自動販売機10は、認証情報取得部101と、RFIDリーダ・ライタ部102と、容器測定部104と、通信部105と、制御部103と、入出力部107とを有する。
【0021】
本実施形態では、本発明の商品提供方法に関連する構成と動作について詳細に説明し、通常の自動販売機において、商品の代金が投入され、かつ、商品の注文が入力されると、商品を提供する商品提供部(不図示)についての詳細な説明を省略する。
【0022】
入出力部107は、購入者が商品注文の指示を入力するための入力部と、購入者に対してメッセージを通知するための出力部とを有する。以下では、入出力部107の出力部がディスプレイの場合で説明するが、通知手段はディスプレイに限らず、音声で通知するためのスピーカであってもよく、その両方であってもよい。
【0023】
認証情報取得部101は、購入者が予め登録された人であるか否かを判定するための認証情報を入力する旨の指示があると、認証情報を取得する。認証情報は、購入者毎に異なる情報であればよく、例えば、指紋および虹彩などの人体的特徴を示す情報であってもよく、暗証番号のような文字情報であってもよい。本実施形態では、認証情報が指紋の特徴を示すデータである指紋データであり、認証情報取得部101が指紋認証装置である場合で説明する。認証情報取得部101は、購入者が指を押し当てたことを認識すると、認証情報を取得する。
【0024】
RFIDリーダ・ライタ部102は、自動販売機100の商品提供口の下に容器10が搭載されると、容器10に装着されたRFIDタグ11から容器IDを読み取って制御部103に送信する。
【0025】
容器測定部104は、商品提供口の下に容器10が搭載されると、容器10の外形寸法を測定する測定部(不図示)と、外形寸法から容器10の容量を算出する演算部(不図示)とを有する。容器測定部104の演算部が、測定部によって測定された外形寸法に基づいて容量を算出し、算出結果を制御部103に通知する。
【0026】
ここで、容器10の容量測定方法の一例を説明する。図4は図3に示した容量測定部による容量測定のための構成例を示す図である。
【0027】
図4(a)は容器置き場を上から見た図であり、図4(b)は容器置き場を横から見た図である。図4(a)に示す図の下側が容器出し入れ口であり、図4(b)は容器出し入れ口から見た様子を示す。
【0028】
図4(a)に示すように、自動販売機100の容器置き場147の側面には、発光部143と、受光部144とが設けられている。図4(b)に示すように、発光部143には、容器置き場147の面に垂直方向に複数の発光素子が一列に並べて配置されている。また、受光部144には、容器置き場147の面に垂直方法に複数の受光素子が一例に並べて配置されている。各受光素子について容器置き場147からの高さが予め測定されている。
【0029】
また、図4(a)に示すように、容器置き場147の奥側の面には挟持板141a、141bが設けられている。図4(b)に示すように、2枚の挟持板が2組設けられ、挟持板141a、141bは挟持板142a、142bよりも上側に設けられている。図4(a)に示すように、挟持板141a、141bは、容器10を挟む方向に水平に動作可能な構成である。挟持板142a、142bも挟持板141a、141bと同様に動作可能である。
【0030】
これらの挟持板141a、141bおよび挟持板142a、142bならびに発光部143および受光部144が容器測定部104の測定部の構成に含まれる。
【0031】
図4(a)および図4(b)に示すように、購入者が、容器置き場147の上に、商品提供口145が容器10の口に向くように容器10を置くと、挟持板141a、141bと挟持板142a、142bが図4(a)の破線で示す位置から容器10を挟む位置に移動する。移動後の挟持板141aと挟持板141bの距離を測定することで、容器10の上側エッジ近くの直径が測定される。同様にして、挟持板142aと挟持板142bの距離を測定することで、容器10の下側エッジの直径が測定される。容器10の上側エッジ近くの直径をL1とし、下側エッジの直径をL2とする。
【0032】
また、容器10が容器置き場147の上に置かれると、発光部143の各発光素子が光を受光部144の方に照射する。図4(b)に破線矢印で示すように、容器10のない部分は、発光部143の発光素子から発せられた光が受光部144の受光素子に到達するが、容器10のある部分では、発光素子の光が容器10に妨げられ、光が受光素子に到達しない。光を検出しない受光素子のうち、最も高い位置にある受光素子を調べることで、その位置が容器10の高さとして求まる。この高さをHとする。
【0033】
容器測定部104の演算部(不図示)は、次の(1)または(2)のようにして、容器10の容量を算出する。ここでは、説明を簡単にするために、L1を容器10の上側エッジの直径としている。
(1)容器10が円柱である場合(L1=L2の場合)
容器10の容量=(πHk/4)L22
kは容器10の厚みを考慮した係数であり、0より大きく、1より小さい値である。例えば、外形寸法から算出される体積のうち5%が容器10の厚みと考えれば、k=0.95である。
(2)容器10が円柱でない場合(L1>L2またはL1<L2の場合)
容器10の容量=(πHk/4)(1/3)(L12+L1・L2+L22
ただし、kは(1)と同様に容器10の厚みを考慮した係数である。
【0034】
なお、挟持板141a、141bの高さが容器10の上側エッジの高さに一致していなくても、上側エッジよりも少し下に位置していればよい。この場合、挟持板141a、141bについて容器置き場147の面からの高さを予め決めておき、L1とL2から容器10の側面の傾きを求めれば、その傾きと、L1またはL2と、容器10の高さの寸法とで決まる1次関数の式から、上側エッジの直径を算出することが可能となる。
【0035】
図3に示す通信部105は、ネットワーク50を介して認証・課金サーバ110と接続し、制御部103から受け取る情報を認証・課金サーバ110に送信し、また、認証・課金サーバ110から受け取る情報を制御部103に渡す。
【0036】
制御部103は、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。メモリ(不図示)には、プログラムの他に、提供する商品の代金および商品の容量の情報も格納されている。
【0037】
制御部103は、注文の指示が入力されると、購入者が容器10の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、認証情報取得部101で検出された指紋データおよびRFIDリーダ・ライタ部102で読み取られた容器IDを含む購入者情報を通信部105を介して認証・課金サーバ110に送信する。そして、制御部103は、購入者が容器10の正規の使用者である旨の応答情報を認証・課金サーバ110から通信部105を介して受信すると、容器測定部104で測定された容量に、注文の商品を入れられるか否かを判定する。容器10の容量が十分である場合、制御部103は、商品を容器10に注入する旨を商品提供部(不図示)に指示し、容器10の容量が十分でない場合、容器10の容量が不十分である旨のメッセージをディスプレイに表示させる。
【0038】
購入者が登録されておらず、購入者が容器10の正規の使用者でない場合、制御部103は、商品を販売できない旨のメッセージを入出力部107のディスプレイに表示させる。また、制御部103は、商品を購入者に提供した後、注文された商品の代金である商品代金と容器IDの情報を含む購入情報を通信部105を介して認証・課金サーバ110に送信する。
【0039】
なお、認証情報取得部101、RFIDリーダ・ライタ部102および容器測定部104は、制御部103から制御信号を受信したときに、それぞれ動作するようにしてもよい。この場合、容器10が商品提供口の下に搭載されたことを検出するセンサ(不図示)が設けられ、制御部103は、容器10を検出した旨の信号をセンサ(不図示)から受信すると、各部に制御信号を送信する。
【0040】
図5は図1に示した認証・課金サーバの一構成例を示すブロック図である。
【0041】
認証・課金サーバ110は、記憶部111と、制御部113とを有する。記憶部111は、RFIDタグ11の使用者に関する情報を格納した個人情報データベースを含む。制御部113は、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。
【0042】
制御部113は、RFIDタグ11の容器ID、口座番号および指紋データを組にした個人情報を購入者に対応して、記憶部111に登録する。制御部113は、自動販売機100からネットワーク50を介して購入者情報を受信すると、購入者情報から読み出した容器IDと指紋データの両方が一致する個人情報が記憶部111にあるかを調べ、該当する個人情報が記憶部111に登録されている場合、購入者が容器10の正規の使用者である旨の応答情報をネットワーク50を介して自動販売機100に送信する。その反対に、該当する個人情報が記憶部111に登録されていない場合、制御部113は、購入者が容器10の正規の使用者でない旨の応答情報をネットワーク50を介して自動販売機100に送信する。
【0043】
なお、購入者が初めて容器10を使用する際、購入者の指紋データがまだ認証・課金サーバ110に登録されていない。制御部113は、購入者情報から読み出した容器IDに一致する容器IDを含む個人情報に指紋データが登録されていないと、購入者情報に含まれる指紋データをその個人情報に登録するとともに、購入者が登録されている旨の応答情報を自動販売機100に送信する。
【0044】
制御部113は、自動販売機100からネットワーク50を介して購入情報を受信すると、容器IDで特定した個人情報から口座番号を読み出し、その口座番号と商品代金の情報を含む課金情報をネットワーク60を介して決済サーバ30に送信する。
【0045】
図6は図1に示した決済サーバの一構成例を示すブロック図である。
【0046】
決済サーバ30は、記憶部31と、制御部33とを有する。記憶部31には、購入者の口座番号と預金額の情報が組になった預金情報が予め登録されている。また、記憶部31には、自動販売機100を管理する企業の預金情報も登録されている。制御部33は、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。
【0047】
制御部33は、認証・課金サーバ110からネットワーク60を介して課金情報を受信すると、課金情報の口座番号に一致する口座番号を含む預金情報を記憶部31にあるかを調べ、該当する預金情報があると、その預金情報の預金額から商品代金を差し引くとともに、自動販売機100を管理する企業の預金情報の預金額に商品代金を足す処理を行う。その後、制御部33は、決済が終了した旨と購入者の口座番号の情報を含む決済終了情報をネットワーク60を介して認証・課金サーバ110に送信する。
【0048】
次に、認証・課金サーバ110への個人情報の登録方法を説明する。図7は個人情報の登録方法の手順を示すフローチャートである。ここでは、RFID読み取り装置(不図示)がPC40に装着されているものとする。
【0049】
購入者は、容器IDが予め登録されているRFIDタグ11を、自動販売機100で販売されている商品を扱っている店舗で購入する。購入者は、PC40を起動し、取得したRFIDタグ11の容器IDをRFID読み取り装置(不図示)に読み取らせる。続いて、購入者はPC40を操作して、商品代金の支払い元となる預金の口座番号および読み出された容器IDの登録を依頼する旨の指示を入力すると、PC40は、口座番号および容器IDを含む登録依頼情報をネットワーク60を介して認証・課金サーバ110に送信する(ステップA1)。
【0050】
認証・課金サーバ110は、PC40から登録依頼情報を受信すると、登録依頼情報から読み出した口座番号および容器IDを組にして、個人情報として記憶部111に登録する(ステップA2)。続いて、認証・課金サーバ110の制御部113は、個人情報の登録が終了したことを通知するための登録終了情報をネットワーク60を介してPC40に送信する(ステップA3)。PC40は、認証・課金サーバ110からネットワーク60を介して登録終了情報を受信すると、個人情報の登録が終了したことを表示部(不図示)に表示する。購入者は、個人情報の登録が終了したことを確認すると、RFIDタグ11を容器10に取り付ける。RFIDタグ11の取り付けにビニール製のタグバンドを用いてもよい。
【0051】
なお、購入者がRFIDタグ11を取得する方法として、RFIDタグ11を店舗で購入する場合を説明したが、店舗で購入する場合に限らない。また、個人情報に登録する内容として、容器IDおよび口座番号の他に、購入者の氏名、年齢、性別、メールアドレスなどがあってもよい。
【0052】
次に、購入者が自動販売機100で商品を購入する際の自動販売機100の動作を説明する。図8は本実施形態における自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。
【0053】
購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、入出力部107の入力部を介して、希望する商品を注文する旨を入力すると、RFIDリーダ・ライタ部102がRFIDタグ11から容器IDを読み取り、容器測定部104が容器10の容量を測定する。続いて、購入者が認証情報取得部101に指を押しあてると、認証情報取得部101は指の指紋を検出し、認証情報となる指紋データを制御部103に渡す。
【0054】
制御部103は、RFIDリーダ・ライタ部102から容器IDを受け取り、認証情報取得部101から指紋データを受け取ると(ステップB1)、容器IDおよび指紋データを含む購入者情報を認証・課金サーバ110に送信する(ステップB2)。制御部103は、認証・課金サーバ110から応答情報を受信すると(ステップB3)、応答情報の内容から、購入者が登録されている人であるか否かを判定する(ステップB4)。
【0055】
購入者が登録されている人である場合、制御部103は、容器測定部104で測定された容量が購入者の希望する商品を入れるのに十分であるか否かを判定する(ステップB5)。容器10の容量が十分である場合、制御部103は、商品を容器10に注入する旨を商品提供部(不図示)に指示する(ステップB6)。
【0056】
一方、ステップB4で購入者が登録されていない人である場合、制御部103は、商品を販売できない旨のメッセージを入出力部107のディスプレイに表示し、その旨を購入者に通知する(ステップB7)。また、ステップB5で容器10の容量が十分でない場合、制御部103は、容器10の容量が不十分である旨のメッセージをディスプレイに表示し、その旨を購入者に通知する(ステップB8)。
【0057】
なお、購入者が希望する商品を注文する旨を入力すると、容器測定部104が容器10の容量を測定する場合を説明したが、容量測定をステップB4の後に行うようにしてもよい。この場合、ステップB4の後、制御部103が容量測定を指示する旨の制御信号である容量測定指示信号を容量測定部104に送信し、容量測定部104は、制御部103から容量測定指示信号を受信すると、容器10の容量を測定する。購入者からの注文の指示が入力されたときに容量測定を行う場合には、ステップB1〜B4の処理と容器10の容量測定とを並列処理できるという利点があり、ステップB4の後に容量測定を行う場合には、購入者が登録されていない場合(ステップB7に進む場合)には、容量測定を行わずに済むという利点がある。
【0058】
次に、本実施形態の自動販売システムの動作を説明する。図9は本実施形態の自動販売システムの動作を示すシーケンス図である。ここでは、購入者が個人情報を認証・課金サーバ110に予め登録している場合とする。
【0059】
購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、入出力部107の入力部を介して、希望する商品を注文する旨を入力すると、自動販売機100は、容器IDおよび指紋データを含む購入者情報を認証・課金サーバ110に送信する(ステップC1)。
【0060】
認証・課金サーバ110は、自動販売機100から購入者情報を受信すると、購入者情報から読み出した容器IDと指紋データの両方が一致する個人情報が記憶部111にあるかを調べる。ここでは、購入者情報の容器IDおよび指紋データの両方が一致する個人情報が記憶部111に登録されているため、認証・課金サーバ110は、購入者が登録されている旨の応答情報をネットワーク50を介して自動販売機100に送信する(ステップC2)。
【0061】
自動販売機100は、認証・課金サーバ110から応答情報を受信し、応答情報の内容から、購入者が登録されている人であることを認識すると、商品を容器10に注入する旨を商品提供部(不図示)に指示して、商品を購入者に提供する(ステップC3)。続いて、自動販売機100は、商品代金と容器IDの情報を含む購入情報を認証・課金サーバ110に送信する(ステップC4)。
【0062】
認証・課金サーバ110は、自動販売機100から購入情報を受信すると、容器IDで特定した個人情報から口座番号を読み出し、その口座番号と商品代金の情報を含む課金情報を決済サーバ30に送信する(ステップC5)。決済サーバ30は、認証・課金サーバ110から課金情報を受信すると、課金情報の口座番号に一致する口座番号を含む預金情報を記憶部31にあるかを調べ、該当する預金情報があると、その預金情報の預金額から商品代金を差し引くとともに、自動販売機100を管理する企業の預金情報の預金額に商品代金を足す決済処理を行う(ステップC6)。その後、制御部33は、決済終了情報を認証・課金サーバ110に送信する(ステップC7)。
【0063】
なお、本実施形態では、購入者が注文の指示を入力してから、制御部103がステップB1以降の処理を実行する場合で説明したが、制御部103がステップB5で容量が十分であることを確認してから、購入者に対して商品の注文を促す旨の通知を行うようにしてもよい。
【0064】
また、提供する商品が1種類である場合には、購入者が商品を注文する旨の指示を入力しなくても、容器10が商品提供口の下に置かれることにより、制御部103は、商品注文の指示が入力されたと判断してもよい。
【0065】
また、図8に示したフローチャートでは、容器測定部104が容器10の容量を測定する場合について説明したが、自動販売機100が容器10に商品を注入する前に、容器10の容量以外の条件についても確認するようにしてもよい。容量以外の条件として、例えば、容器10の破損状態、容器10の材質、容器10の汚れ具合が考えられる。これらの条件について、以下に実施例として説明する。
【実施例1】
【0066】
本実施例は、図3に示した容器測定部104が容器10の容量以外に、容器10の破損状態を確認するものである。ここでは、容量測定に関する構成の説明を省略する。
【0067】
本実施例における自動販売機100の容器測定部104の構成を説明する。図10は図3に示した容器測定部の一構成例を示すブロック図である。図11は容器内部を撮影する様子を模式的に示した図であり、図4(b)と同様に、容器出し入れ口から見た様子を示す。
【0068】
本実施例の容器測定部104は、容器10に光を照射するための光源401と、容器10の内部を撮影するカメラ402と、カメラ402で撮影された画像を解析する画像処理部403とを有する。画像処理部403には、プログラムにしたがって所定の画像処理を実行するプロセッサが設けられていてもよく、所定の画像処理を行うための専用回路が設けられていてもよい。
【0069】
カメラ402は、光源401による光が容器10の内部で反射した光を集光するレンズ(不図示)と、レンズを介して取り込まれた画像を電子データに変換する撮像素子(不図示)とを有する。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
【0070】
画像処理部403は、制御部103から容器測定指示信号を受信すると、光源401とカメラ402を起動する。図11に示すように、光源401から放出された光は容器10の内部に反射してカメラ402に取り込まれる。カメラ402は、容器10の内部で反射した光による、レンズを介して取得した画像を撮像素子で電子データに変換し、各画素の情報を含む電子データである画像データを画像処理部403に送信する。画像処理部403は、カメラ402から画像データを受信すると、各画素の濃度から平均濃度を算出し、平均濃度に所定の濃度分を増加させた閾値を求める。この所定の濃度分が、容器10に破損箇所があるか否かを判定するための基準値となる。
【0071】
画像処理部403は、画像データの各画素の情報のうち、閾値よりも大きい濃度の画素があるか否かを調べ、閾値よりも大きい濃度の画素があると、容器10に破損があると判定し、閾値よりも大きい濃度の画素がなければ、容器10に破損がないと判定する。そして、画像処理部403は、容器10が破損しているか否かを示す破損状態情報を制御部103に送信する。
【0072】
制御部103は、購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、認証情報取得部101に指を押しあてると、図4(b)に示した商品提供口145を容器10から離れる方向に移動させ、その代わりに、図11に示した光源401とカメラ402を容器10の上に移動させる。そして、制御部103は、容器測定指示信号を容器測定部104に送信し、容量の情報および破損状態情報を容器測定部104から受信すると、光源401とカメラ402を容器10から離れる方向に移動させ、商品提供口145を元の位置に移動させる。
【0073】
次に、本実施例による自動販売機の動作手順を説明する。図12は本実施例による自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、図8で説明した動作についての詳細な説明を省略する。
【0074】
購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、認証情報取得部101に指を押しあてると、制御部103は、図12に示すステップB1からB5の処理を実行するとともに、容器測定指示信号を容器測定部104に送信する。制御部103がステップB1からB5の処理を実行する間に、容器測定部104は、容器10について容量の測定および破損の有無の検出を行い、容量の情報および破損状態情報を制御部103に送信する。
【0075】
制御部103は、容器10の容量の情報および破損状態情報を容器測定部104から受信し、ステップB5で容量が十分であると判定すると、破損状態情報から、容器10が破損しているか否かを判定する(ステップD1)。制御部103は、容器10が破損している場合、ステップB7に進み、商品を販売できない旨を購入者にディスプレイを介して通知する。容器10が破損していない場合、制御部103は、購入者に対して商品の注文を促す旨の通知をディスプレイを介して行う。購入者が入出力部107の入力部を介して商品の注文指示を入力すると、制御部103は、ステップB6に進み、商品を容器10に注入する。
【0076】
本実施例では、容器10が商品の提供を受けるのに十分な容量であっても、容器10に破損箇所があると商品の提供が行われない。そのため、容器10が破損している場合に、商品注入時の衝撃で容器10が壊れてしまったり、商品注入後に容器10の破損箇所から飲料が漏れ出てしまったりすることを防げる。
【実施例2】
【0077】
本実施例は、図3に示した容器測定部104が容器10の容量以外に、容器10の耐熱性および冷却耐性を確認するものである。ここでは、容器10の材質が樹脂の場合とし、また、容量測定に関する構成の説明を省略する。
【0078】
本実施例における自動販売機100の容器測定部104の構成を説明する。図13は図3に示した容器測定部の一構成例を示すブロック図である。
【0079】
本実施例の容器測定部104は、容器10に近赤外線を照射するための近赤外線発生部411と、容器10の内部での近赤外線の反射を取り込むカメラ402と、カメラ402で取り込まれた近赤外線の反射による画像を解析する画像処理部413とを有する。画像処理部413には、プログラムにしたがって所定の画像処理を実行するプロセッサが設けられていてもよく、所定の画像処理を行うための専用回路が設けられていてもよい。
【0080】
画像処理部413には、樹脂の種類によって異なるスペクトル情報を複数記憶するメモリ(不図示)が設けられている。スペクトル情報は、近赤外線を分析対象に照射したときの反射から得られるスペクトルである。また、そのスペクトル情報に対応して、その樹脂が変形せずに耐えられる温度の高さを示す耐熱性情報と、その樹脂がどのくらい低い温度に耐えられるかを示す冷却耐性情報とが、スペクトル情報と組になって画像処理部413内のメモリ(不図示)に予め登録されている。
【0081】
画像処理部413は、制御部103から容器測定指示信号を受信すると、近赤外線発生部411とカメラ402を起動する。容量10の材質測定の際における近赤外線発生部411およびカメラ402の位置と動作は、図11に示した光源401およびカメラ402の位置と動作の説明と同様であるため、その詳細な説明を省略する。画像処理部403は、カメラ402から画像データを受信すると、画像データからスペクトルを求め、求めたスペクトルに一致するスペクトル情報をメモリ(不図示)内で検索する。検索の結果、画像データに基づくスペクトルに一致するスペクトル情報があると、画像処理部413は、そのスペクトル情報と組になって登録されている耐熱性情報および冷却耐性情報を制御部103に送信する。
【0082】
本実施例では、自動販売機100は、液温がある一定の温度(例えば、80℃)以上の飲料であるホットドリンクと、液温がある一定の温度(例えば、5℃)以下の飲料であるコールドドリンクを選択可能に提供しているものとする。本実施例の制御部103のメモリ(不図示)に登録された、商品の情報には、各商品について購入者に提供する際の飲料の温度の情報が含まれている。
【0083】
制御部103は、購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、認証情報取得部101に指を押しあてると、図4(b)に示した商品提供口145を容器10から離れる方向に移動させ、その代わりに、近赤外線発生部411とカメラ402を容器10の上に移動させる。そして、制御部103は、容器測定指示信号を容器測定部104に送信し、容量の情報、耐熱性情報および冷却耐性情報を容器測定部104から受信すると、近赤外線発生部411とカメラ402を容器10から離れる方向に移動させ、商品提供口145を元の位置に移動させる。
【0084】
次に、本実施例による自動販売機の動作手順を説明する。図14は本実施例による自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、図8で説明した動作についての詳細な説明を省略する。本実施例では、ステップB5になるまで購入者は商品を注文できない。
【0085】
購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、認証情報取得部101に指を押しあてると、制御部103は、図14に示すステップB1からB5の処理を実行するとともに、容器測定指示信号を容器測定部104に送信する。制御部103がステップB1からB5の処理を実行する間に、容器測定部104は、容器10の耐熱性と冷却耐性を調べ、容器10の容量の情報、耐熱性情報および冷却耐性情報を制御部103に送信する。
【0086】
制御部103は、容量の情報、耐熱性情報および冷却耐性情報を容器測定部104から受信し、ステップB5で容量が十分であると判定すると、商品の情報に登録された各商品の温度の情報と耐熱性情報とから容器10の耐熱性が十分であるか否かを判定する(ステップE1)。耐熱性が十分である場合、制御部103は、各商品の温度の情報と冷却耐性情報とから容器10の冷却耐性が十分であるか否かを判定する(ステップE2)。ステップE2の判定の結果、冷却耐性が十分である場合、制御部103は、いずれの商品も提供可能である旨のメッセージをディスプレイに表示させる(ステップE3)。ステップE2の判定の結果、冷却耐性が不十分である場合、制御部103は、ホットドリンクのみ提供可能である旨のメッセージを入出力部107のディスプレイに表示させる(ステップE4)。
【0087】
一方、ステップE1で耐熱性が不十分である場合、制御部103は、冷却耐性情報から容器10の冷却耐性が十分であるか否かを判定し(ステップE5)、冷却耐性が十分である場合、コールドドリンクのみ提供可能である旨のメッセージを入出力部107のディスプレイに表示させる(ステップE6)。ステップE5の判定の結果、冷却耐性が不十分である場合、制御部103は、商品を販売できない旨のメッセージをディスプレイに表示させる(ステップB7)。
【0088】
ステップE3、ステップE4およびステップE6のいずれかの後、購入者が入出力部107を操作して、いずれかの商品を選択すると、制御部103は、選択された商品について容器10への注入を商品提供部(不図示)に指示し、選択された商品を購入者に提供する(ステップB6)。
【0089】
なお、耐熱性と冷却耐性の判定順序は図14に示す手順に限定されず、ステップE1で冷却耐性を判定し、ステップE2とステップE5で耐熱性を判定してもよい。
【0090】
また、本実施例では、容器10の材質が樹脂の場合で説明したが、容器10の材質がセラミックや金属の場合であってもよい。この場合、材質の特定方法として、近赤外線分析法の代わりに蛍光X線分析法を用いればよい。
【0091】
本実施例では、容器10の耐熱性情報の条件を満たす商品、または、容器10の冷却性情報の条件を満たす商品しか提供されない。そのため、容器10の耐熱性を越える温度の商品または容器10の冷却耐性を下回る温度の商品が容器10に注入されることで、容器10が壊れてしまうことを防げる。
【実施例3】
【0092】
本実施例は、図3に示した容器測定部104が容器10の容量以外に、容器10の汚れ具合を確認するものである。ここでは、容量測定に関する構成の説明を省略する。
【0093】
本実施例における自動販売機100の構成を説明する。図15は本実施例の自動販売機の一構成例を示すブロック図である。
【0094】
図15に示すように、本実施例の自動販売機150は、図3に示した構成の他に、容器掃除部106を有する。容器掃除部106は、容器10の汚れを落とすための洗浄部151と、洗浄後に容器10に付着した水分を除去する乾燥部152とを有する。
【0095】
容器掃除部106には、洗浄部151および乾燥部152を制御するための制御回路(不図示)が設けられている。容器掃除部106は、容器洗浄を指示する旨の信号である洗浄指示信号を制御部103から受信すると、容器10を洗浄部151に洗浄させ、続いて、容器10を乾燥部152に乾燥させると、容器洗浄が終了したことを通知するための洗浄終了信号を制御部103に送信する。
【0096】
洗浄部151は、容器10が搭載されると、予め設けられたタンク(不図示)の水を容器10に吹き付ける噴射処理を一定時間行う。
【0097】
乾燥部152は、予め設けられたファン(不図示)を回転させて容器10に風を送り、容器10に付着した水分を風で吹き飛ばす乾燥処理を行う。
【0098】
本実施例の自動販売機150における容器測定部104は、図10に示した構成と同様であり、画素の平均濃度から閾値を求める際の「所定の濃度分」を、汚れを検出する場合の値に置き換えることで、破損の代わりに汚れを検出することが可能となる。容器測定部104の画像処理部403は、画像データの各画素の情報のうち、閾値よりも大きい濃度の画素があるか否かを調べ、閾値よりも大きい濃度の画素があると、容器10が汚れていると判定し、閾値よりも大きい濃度の画素がなければ、容器10が汚れていないと判定する。そして、画像処理部403は、容器10に汚れがあるか否かを示す汚れ情報を制御部103に送信する。
【0099】
次に、本実施例による自動販売機の動作手順を説明する。図16は本実施例による自動販売機の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、図8で説明した動作についての詳細な説明を省略する。
【0100】
購入者が自動販売機100の商品提供口の下に容器10を置き、認証情報取得部101に指を押しあてると、制御部103は、図16に示すステップB1からB5の処理を実行するとともに、容器測定指示信号を容器測定部104に送信する。制御部103がステップB1からB5の処理を実行する間に、容器測定部104は、容器10について容量の測定および汚れの有無の検出を行い、容量の情報および汚れ情報を制御部103に送信する。
【0101】
制御部103は、容量の情報および汚れ情報を容器測定部104から受信し、ステップB5で容量が十分であると判定すると、汚れ情報から容器10に汚れがあるか否かを判定する(ステップF1)。容器10が汚れている場合、制御部103は、容器を交換するか、容器を洗浄するかを問い合わせる旨のメッセージを入出力部107のディスプレイに表示させる。購入者が入出力部107を操作して容器を交換する旨を入力し(ステップF2)、別の容器を自動販売機150に置くと、制御部103は、ステップB5の処理に戻る。
【0102】
容器10が汚れている場合で、購入者が入出力部107を操作して容器の洗浄を指示する旨を入力すると、制御部103は、容器掃除部106に洗浄指示信号を送信する(ステップF3)。容器掃除部106が制御部103から洗浄指示信号を受信すると、洗浄部151に噴射処理を実行させる。洗浄部151が容器10に噴射処理を一定時間行った後、動作を停止すると、容器掃除部106は、乾燥部152に乾燥処理を実行させる。乾燥部152は、ファン(不図示)を回転させて容器10に風をあて、風で容器10に付着した水分を飛ばす。乾燥処理の際、図4に示した2組の挟持板141a、141b、142a、142bで容器10を保持して容器10の口を下に傾けて、容器内の水を排出する処理を行ってもよい。乾燥部152が乾燥処理を一定時間行った後、ファンの回転を停止すると、容器掃除部106は、洗浄終了信号を制御部103に送信する。
【0103】
制御部103は、容器掃除部106から洗浄終了信号を受信すると、購入者に対して商品の注文を促す旨の通知をディスプレイを介して行う。購入者が入出力部107の入力部を介して商品の注文指示を入力すると、制御部103は、容器10への商品注入を商品提供部(不図示)に指示する(ステップB6)。
【0104】
また、ステップF1で容器10が汚れていない場合も、制御部103は、購入者に対して商品の注文を促す旨の通知をディスプレイを介して行う。購入者が入出力部107の入力部を介して商品の注文指示を入力すると、制御部103は、容器10への商品の注入を商品提供部(不図示)に指示する(ステップB6)。
【0105】
なお、本実施例では、容器掃除部106に制御回路(不図示)を設け、容器掃除部106が洗浄部151および乾燥部152を制御する場合で説明したが、容器掃除部106に制御回路を設ける代わりに、洗浄部151および乾燥部152の制御を制御部103が実行するようにしてもよい。
【0106】
本実施例では、容器10が汚れていれば、容器の交換または容器の洗浄を行うことで、商品提供に際して衛生上の問題が発生することを防げる。なお、実施例1から3を別々に説明したが、これらの実施例で説明した方法を複数組み合わせてもよい。
【0107】
上述したように、本実施形態によれば、個人の容器に商品を提供しているため、空き缶や紙コップといった廃棄物を出さずに、購入者に商品を提供することが可能になる。認証情報で正規の使用者が容器を使用していることを確認しているので、他人が勝手に容器を使うことを防げる。また、容器の容量が商品を入れるのに十分であることを確認してから商品を提供するため、商品が容器からあふれ出てしまうことを防げる。
【0108】
また、自動販売機がネットワークを介して認証・課金サーバに購入情報を送信することで、商品代金が購入者の口座から自動的に引き落とされるため、購入者は商品を購入する際に硬貨を自動販売機に投入する必要がなく、購入者の利便性が向上する。
【0109】
また、RFIDタグ11には容器10の識別子のみが記録されており、購入者の口座番号など、購入者にとって重要な情報が記録されていないため、容器10を失くしてしまったり、RFIDタグ11を容器10に貼り付けたまま容器10を捨ててしまったりしても、重要な情報が他人に盗み見られてしまう心配がない。
【0110】
商品を容器に提供する前に、容器の破損状態を確認すれば、商品を容器に入れたときに、容器から商品が漏れ出てしまったり、容器にひびが入った状態で商品を入れた衝撃で容器が破壊されたりするのを防げる。
【0111】
商品を容器に提供する前に、容器の耐熱性や冷却耐性を確認すれば、耐熱性の低い容器に熱い飲料を注いだり、冷却耐性の低い容器に冷たい飲料を注いだりして容器が壊れてしまうことを防げる。
【0112】
商品を容器に提供する前に、容器が汚れていないか確認し、汚れている場合には容器を交換してもらうか、容器の洗浄を行えば、商品を衛生上安全に購入者に提供することが可能となる。
【0113】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、商品の購入者が個人情報を事前に登録する際、RFIDタグ11に格納された容器IDの読み取りに、PC40に装着したRFIDリーダ(不図示)を用いる場合を説明したが、本実施形態は、RFIDタグ11の読み取りを自動販売機100に設けられたRFIDリーダ・ライタ部102で行うものである。
【0114】
本実施形態の自動販売システムの構成は、第1の実施形態と同様であるため、各構成についての詳細な説明を省略し、第1の実施形態の自動販売システムと異なる動作について詳しく説明する。以下に、本実施形態の自動販売システムにおける、購入者の個人情報の登録方法を説明する。
【0115】
購入者が第1の実施形態と同様にしてRFIDタグ11を取得して容器10に装着する。その後、購入者が自動販売機100の入出力部107の入力部を操作して、個人情報の登録を行う旨を入力すると、制御部103は、容器10を容器置き場に置くことを要求するメッセージと、電子メールアドレスの入力を要求するメッセージを入出力部107のディスプレイに表示させる。購入者が容器10を自動販売機100の容器置き場に置き、入出力部107の入力部を介して電子メールアドレスを入力すると、制御部103は、RFIDリーダ・ライタ部102にRFIDタグ11に格納された容器IDを読み取らせ、容器IDおよび電子メールアドレスを含む登録準備情報を認証・課金サーバ110に通信部105を介して送信する。
【0116】
購入者が自動販売機100に入力する電子メールアドレスは、購入者が操作できる情報処理装置であって、そのアドレス宛に送られてきた電子メールを開封可能な装置であれば、PC40に限らず、他の情報処理装置であってもよい。例えば、無線通信でネットワーク60と接続可能な携帯端末であってもよい。ここでは、購入者がPC40で電子メールを開封することが可能な電子メールアドレスを自動販売機100に入力したものとする。
【0117】
認証・課金サーバ110は、登録準備情報を自動販売機100から受け取ると、制御部113は、登録準備情報から容器IDおよび電子メールアドレスを読み出し、容器IDおよび電子メールアドレスを含む個人情報を記憶部111に格納する。続いて、制御部113は、個人情報を登録するためのウェブページに接続するためのURL(Uniform Resource Location)が記述された電子メールを作成して、その電子メールアドレス宛にネットワーク60を介して送信する。なお、個人情報を登録するための登録画面のデータである登録画像データは予め記憶部11に登録されている。
【0118】
購入者がPC40および電子メールアプリケーションプログラムを起動すると、PC40は、認証・課金サーバ110から受信した電子メールを表示部(不図示)に表示する。購入者がPC40を操作して、電子メールに記述されたURLを選択すると、PC40が認証・課金サーバ110から登録画像データを受け取り、登録画像データによる登録画面を表示部に表示する。
【0119】
購入者が表示部に表示された登録画面を見ながらPC40を操作して、口座番号を入力すると、PC40は、購入者の電子メールアドレスおよび口座番号の情報を含む登録依頼情報を認証・課金サーバ110に送信する。ここでは、容器IDの代わりに電子メールアドレスを登録依頼情報に含むようにしたが、第1の実施形態と同様に、容器IDを登録依頼情報に含むようにしてもよい。この場合、認証・課金サーバ110の制御部113は、PC40に送信する登録画像データに容器IDを記述しておけばよい。
【0120】
PC40が登録依頼情報を認証・課金サーバ110に送信した後の手順は、図7で説明したステップA1以降と同様になるため、その詳細な説明を省略するが、本実施例では、個人情報に電子メールアドレスが含まれることになる。
【0121】
本実施形態では、第1の実施形態で得られる効果の他に、PC40にRFIDリーダが設けられていなくても、個人情報の登録を行うことが可能となる。
【0122】
上述した第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかについて、購入される商品の情報を認証・課金サーバ110に記録することで、購入者に対して、次のようなサービスを提供することが可能である。ここでは、第1の実施形態をベースにして説明する。
【実施例4】
【0123】
本実施例の自動販売システムの構成は、第1の実施形態と同様であるため、各構成についての詳細な説明を省略し、第1の実施形態の自動販売システムと異なる動作について詳しく説明する。また、本実施例では、購入者が操作する情報処理装置がPC40の場合で説明するが、ネットワーク60と接続可能な情報処理装置であれば、携帯端末など他の情報処理装置であってもよい。
【0124】
本実施例の自動販売機100では、制御部103内のメモリ(不図示)に、自動販売機100で提供可能な商品について商品毎に異なる識別子である商品IDが予め記録されている。商品IDは商品名であってもよく、以下では、商品IDが商品名の場合で説明する。制御部103は、購入情報を認証・課金サーバ110に送信する際、購入者が選択した商品の商品名を購入情報に含めて送信する。また、制御部103は、図16で説明したステップF3の洗浄処理を行った場合、洗浄処理を行った旨と容器IDの情報を含む洗浄実行情報を認証・課金サーバ110に送信する。
【0125】
認証・課金サーバ110の記憶部111には、商品名に対応して、その商品のカロリーおよび糖分などの商品情報が予め格納されている。制御部113は、自動販売機100から購入情報を受信する度に、購入された商品の商品名と購入された日の情報を含む商品購入履歴を、その購入者の個人情報に記録する。制御部113は、自動販売機100から洗浄実行情報を受信する度に、洗浄処理が行われたことと洗浄処理が行われた日の情報を含む洗浄履歴を、洗浄実行情報内の容器IDに一致する容器IDを含む個人情報に記録する。
【0126】
制御部113は、商品購入の記録を要求する旨と電子メールアドレスの情報を含む購入記録要求情報をPC40から受信すると、購入記録要求情報に含まれる電子メールアドレスに一致するアドレスを含む個人情報を特定し、その個人情報の購入者の商品購入履歴と商品情報を含む購入記録情報をPC40に送信する。
【0127】
本実施例における自動販売システムにおける情報処理方法について説明する。
【0128】
購入者がPC40を操作して、認証・課金サーバ110に対して商品購入の記録を要求する旨を入力すると、PC40は、自装置で電子メールを開封可能な電子メールアドレスを含む購入記録要求情報を認証・課金サーバ110に送信する。認証・課金サーバ110の制御部113は、PC40から購入記録要求情報を受信すると、購入記録要求情報に含まれる電子メールアドレスに一致するアドレスを含む個人情報を記憶部111内で特定する。続いて、制御部113は、特定した個人情報から商品購入履歴を読み出すとともに、商品購入履歴に含まれる商品名から商品を特定し、その商品の商品情報を記憶部111から読み出し、商品購入履歴および商品情報を含む購入記録情報をPC40に送信する。
【0129】
PC40は、購入記録情報を認証・課金サーバ110から受信すると、商品購入履歴と商品情報を表示部(不図示)に表示する。購入者は、PC40の表示部に表示された商品購入履歴と商品情報とから、どのような商品を購入し、どのくらいカロリーおよび糖分を摂取しているかを見ることが可能となり、これらの情報を健康管理に役立てることができる。
【0130】
また、認証・課金サーバ110が購入記録情報とともに洗浄履歴をPC40に送信すれば、PC40が洗浄履歴を表示部に表示する。購入者は、PC40に表示された洗浄履歴を見て、洗浄がどのくらいの頻度で行われているかを見て、容器を新しくするか否かを判断することが可能となる。
【0131】
さらに、本実施例において、購入者が個人情報に電子メールアドレス、自分の年齢、性別の情報を予め登録してもよい。この場合、認証・課金サーバ110の制御部103が、一定期間毎に、個人情報に登録された年齢および性別ならびに個人情報に記録された商品履歴を解析し、購入者毎に商品購入傾向を分析することで、個人情報に登録された電子メールアドレス宛に、購入者に対応した商品情報を送信することが可能である。これにより、商品の販売者側から購入者の嗜好を解析した個人向けの宣伝を行うことができる。商品の販売者側は、上記解析の結果を商品開発の参考情報として利用することが可能になる。また、商品の販売者側は、上記個人向けの宣伝を行う際、懸賞付きの応募を購入者に対して促す電子メールを送ってもよく、購入者から応募があれば、応募の情報を次の商品開発に役立てることが可能となる。
【0132】
なお、上述した第1および第2の実施形態では、ネットワーク50とネットワーク60を種類の異なるネットワークの場合で説明したが、これらのネットワークが1つの通信網であってもよい。
【0133】
このようにして、ネットワークを介して自動販売機で販売される商品の情報を収集することによって、飲料の販売毎に蓄積されていく購入者の購入記録から購入者健康管理といった用途に、本発明を適用することが可能である。
【0134】
また、購入者の持つ容器毎に異なるRFIDと共に記録された年齢情報、性別情報、および購入商品記録から購入者の購入傾向を分析することによって、販売者側から利用者の嗜好を解析した個人向けの宣伝、特定購入者向けの商品情報提供を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0135】
10 容器
11 RFIDタグ
30 決済サーバ
40 パーソナルコンピュータ(PC)
50、60 ネットワーク
100 自動販売機
101 認証情報取得部
102 RFIDリーダ・ライタ部
103 制御部
104 容器測定部
105 通信部
107 入出力部
110 認証・課金サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバと接続される自動販売機であって、
前記ネットワークを介して前記サーバと通信する通信部と、
商品を入れるための容器に添付されたRFIDタグに予め格納され、容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、
容器の容量を測定する容器測定部と、
購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部と、
容器が商品提供口の下に置かれると、購入者が該容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記RFID読取部で読み取られた容器IDおよび前記認証情報取得部で取得された認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を該サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供する制御部と、
を有する自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、
購入者に対して情報を通知するための出力部をさらに有し、
前記制御部は、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに不十分である場合、前記容器の容量が不十分である旨を前記出力部を介して購入者に通知する、自動販売機。
【請求項3】
請求項1記載の自動販売機において、
前記容器測定部は、前記容器が商品提供口の下に置かれると、前記容器が破損しているか否かを調べ、該容器が破損しているか否かを示す破損状態情報を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記容器が破損していることを示す破損状態情報を前記容器測定部から受信すると、商品を前記容器に提供しない、自動販売機。
【請求項4】
請求項1記載の自動販売機において、
購入者に対して情報を通知するための出力部をさらに有し、
前記容器測定部は、前記容器が商品提供口の下に置かれると、前記容器の耐熱性および冷却耐性を調べ、その容器が耐えられる温度の高さを示す耐熱性情報とその容器がどのくらい低い温度に耐えられるかを示す冷却耐性情報とを前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記耐熱性情報および前記冷却性情報を前記容器測定部から受信すると、提供可能な商品として、該耐熱性情報の条件を満たす商品と該冷却性情報の条件を満たす商品を前記出力部を介して購入者に通知する、自動販売機。
【請求項5】
請求項1記載の自動販売機において、
購入者からの入力を受け付け、購入者に対して情報を通知するための入出力部と、
前記容器を洗浄する洗浄部と、
前記洗浄部で洗浄された容器を乾燥させるための乾燥部と、をさらに有し、
前記容器測定部は、前記容器が商品提供口の下に置かれると、該容器に汚れがあるか否かを調べ、該容器に汚れがあるか否かを示す汚れ情報を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記容器が汚れていることを示す前記汚れ情報を前記容器測定部から受信すると、容器の洗浄を行うか問い合わせる旨を前記入出力部を介して購入者に通知し、前記容器を洗浄する旨の指示が該入出力部を介して入力されると、該容器を前記洗浄部に洗浄させ、洗浄後の容器を前記乾燥部に乾燥させる、自動販売機。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるサーバおよび自動販売機を有する自動販売システムであって、
前記自動販売機が請求項1から5のいずれか1項記載の自動販売機であり、
前記サーバは、
前記容器IDおよび前記認証情報を含む個人情報が予め登録された記憶部と、
前記購入者情報を前記自動販売機から受信すると、該購入者情報の容器IDおよび認証情報に一致する情報を含む個人情報があるか前記記憶部を調べ、該容器IDおよび該認証情報に一致する情報を含む個人情報があると、購入者が容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記自動販売機に送信する制御部とを有する、自動販売システム。
【請求項7】
請求項6記載の自動販売システムにおいて、
商品購入の決済を行う決済サーバが前記ネットワークに接続され、
前記個人情報に口座番号の情報が予め登録され、
前記自動販売機の制御部は、前記容器に商品を提供する制御を行った後、該商品の代金である商品代金および前記容器IDを含む購入情報を前記サーバに送信し、
前記サーバの制御部は、前記購入情報を前記自動販売機から受信すると、該購入情報から容器IDと商品代金を読み出し、該容器IDに一致する情報を含む個人情報を前記記憶部内で特定し、該個人情報から前記口座番号を読み出し、該口座番号と該商品代金を含む課金情報を前記決済サーバに送信する、自動販売システム。
【請求項8】
ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、容器に添付されたRFIDタグから容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、容器の容量を測定する容器測定部と、購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部とを有する自動販売機による販売処理方法であって、
容器が商品提供口の下に置かれると、前記RFIDタグに登録された容器IDを前記RFID読取部を介して取得し、
購入者により入力された認証情報を前記認証情報取得部から取得し、
購入者が前記容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記容器IDおよび前記認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、
購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供する、販売処理方法。
【請求項9】
ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、容器に添付されたRFIDタグから容器毎に異なる識別子である容器IDを読み取るRFID読取部と、容器の容量を測定する容器測定部と、購入者を特定するための認証情報を購入者から取得する認証情報取得部と、各部を制御する制御部とを有する自動販売機の該制御部に実行させるためのプログラムであって、
容器が商品提供口の下に置かれると、前記RFIDタグに登録された容器IDを前記RFID読取部を介して取得し、
購入者により入力された認証情報を前記認証情報取得部から取得し、
購入者が前記容器の正規の使用者であるか否かを問い合わせる旨、前記容器IDおよび前記認証情報を含む購入者情報を前記サーバに送信し、
購入者が前記容器の正規の使用者である旨の応答情報を前記サーバから受信すると、前記容器測定部で測定された容量が商品を提供するのに十分であるか否かを判定し、該容量が十分である場合にのみ、商品を前記容器に提供する処理を前記制御部に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−232929(P2011−232929A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102088(P2010−102088)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】