説明

自動販売機玩具

【課題】 コインはもとより紙幣、カードでも商品を購入できる、乳幼児に新たな嗜好を提供可能な自動販売機玩具を提供する。
【解決手段】 本発明は、中空で略直方体形状の筐体2を有し、該筐体2の正面に見本商品陳列部11と、該見本商品陳列部11の下方に配設された複数の商品選択ボタン12と、コイン投入口14及び商品取出口16と、を備え、内部にボタンロック機構7を備えた駆動機構が組み込まれ、コインが投入されるとボタンロック機構7が稼動して商品選択ボタン12のロックを解除する自動販売機玩具1において、筐体2にはコイン投入口14の他に紙幣投入口13及びカードタッチ部15を有し、駆動機構は、商品選択ボタン12を施錠又は解除するボタンロック機構7と、紙幣投入口13の近傍に配置された紙幣感知機構3と、コイン投入口14の近傍に配置されたコイン感知機構4と、カードタッチ部15の近傍に配置されたカード感知機構5と、商品保持機構8と、から形成されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機玩具としては、実公平7−8000号公報(特許文献1)に示すものがある。この特許文献1における自動販売機玩具は、コイン投入孔からコインを投入するとこのコインが押釦のロック機構を解除するため押釦が押せるようになり、押釦の位置に対応した商品が商品取出孔に落ちてくるものである。
【特許文献1】実公平7−8000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、自動販売機の技術が発展したため、紙幣はもちろんカードで購入することもできるようになっている。上述したような従来の自動販売機玩具は、コインを投入することによって商品が出てくるものであるが、紙幣やカードで購入できるようにはなっておらず、近年の自動販売機と比較した場合には実物とかけ離れているものとなってしまっていた。
【0004】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、現在一般に流通している自動販売機のように、コインはもとより紙幣、カードでも商品を購入できる、乳幼児に新たな嗜好を提供可能な自動販売機玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、中空で略直方体形状の筐体を有し、該筐体の正面に見本商品陳列部と、該見本商品陳列部の下方に配設された複数の商品選択ボタンと、コイン投入口及び商品取出口と、を備え、内部にボタンロック機構を備えた駆動機構が組み込まれ、コインが投入されると前記ボタンロック機構が稼動して前記商品選択ボタンのロックを解除する自動販売機玩具において、前記筐体にはコイン投入口の他に紙幣投入口及びカードタッチ部を有し、前記駆動機構は、前記商品選択ボタンをロック又は解除する前記ボタンロック機構と、前記紙幣投入口の近傍に配置された紙幣感知機構と、前記コイン投入口の近傍に配置されたコイン感知機構と、前記カードタッチ部の近傍に配置されたカード感知機構と、商品保持機構と、から形成され、前記紙幣感知機構が紙幣を感知し、又は、コイン感知機構がコインを感知し、若しくは、カード感知機構が押圧されたとき、ボタンロック機構が商品選択ボタンを解除することを特徴とするものである。
【0006】
又、前記ボタンロック機構は、前記複数の商品選択ボタンの内で所定の一つが押圧されると、他の商品選択ボタンをロックすることを特徴とするものである。
【0007】
更に、前記ボタンロック機構は、前記見本商品陳列部の内側に配置された可動部材と、該可動部材の下方に配置された回動部材と、該回動部材を回動させる連動部と、該連動部を回動させるモータとから形成され、前記可動部材は、上方に付勢されており前記商品選択ボタンと連動して稼動し、前記回動部材は、所定の回転方向及び所定の軸方向に付勢されており、前記可動部材と係止することによって軸方向へ稼動することを禁止されると共に前記可動部材の下降を停止しており、前記連動部は、前記モータが稼動すると回動して前記回動部材と係合し、前記回動部材を付勢された向きとは逆方向に回動させ、前記回動部材は前記連動部によって回動されると前記可動部材の係止を外して軸方向に稼動することによってロックを解除することを特徴とするものである。
【0008】
又、前記モータは、紙幣を巻き取るモータとしても機能することを特徴とするものである。
【0009】
そして、前記商品選択ボタンが押圧されると、前記可動部材は、前記回動部材と係合して該回動部材を軸方向に稼動させ、該回動部材は、軸方向へ稼動することを禁止される位置まで軸方向に稼動して前記可動部材によって再び軸方向への稼動を禁止され、これにより再びロックがかかることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現在一般に流通している自動販売機のように、コインはもとより紙幣、カードでも商品を購入できる、乳幼児に新たな嗜好を提供可能な自動販売機玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態は、中空で略直方体形状の筐体2を有し、該筐体2の正面に見本商品陳列部11と、該見本商品陳列部11の下方に配設された複数の商品選択ボタン12と、コイン投入口14及び商品取出口16と、を備え、内部にボタンロック機構7を備えた駆動機構が組み込まれ、コインが投入されるとボタンロック機構7が稼動して商品選択ボタン12のロックを解除する自動販売機玩具1において、筐体2にはコイン投入口14の他に紙幣投入口13及びカードタッチ部15を有し、駆動機構は、商品選択ボタン12を施錠又は解除するボタンロック機構7と、紙幣投入口13の近傍に配置された紙幣感知機構3と、コイン投入口14の近傍に配置されたコイン感知機構4と、カードタッチ部15の近傍に配置されたカード感知機構5と、商品保持機構8と、から形成され、紙幣感知機構3が紙幣を感知し、又は、コイン感知機構4がコインを感知し、若しくは、カード感知機構5が押圧されたとき、ボタンロック機構7が商品選択ボタン12を解除することを特徴とするものである。
【0012】
又、ボタンロック機構7は、複数の商品選択ボタン12の内で所定の一つが押圧されると、他の商品選択ボタン12をロックすることにより、一つの商品選択ボタン12以外は押せなくさせるものである。
【0013】
更に、ボタンロック機構7は、見本商品陳列部11の内側に配置された可動部材61と、可動部材61の下方に配置された回動部材62と、回動部材62を回動させる連動部63と、連動部63を回動させるモータ35とから形成され、可動部材61は、上方に付勢されており商品選択ボタン12と連動して稼動し、回動部材62は、所定の回転方向及び所定の軸方向に付勢されており、可動部材61と係止することによって軸方向へ稼動することを禁止されると共に可動部材61の下降を停止しており、連動部63は、モータ35が稼動すると回動して回動部材62と係合し、回動部材62を付勢された向きとは逆方向に回動させ、回動部材62は連動部63によって回動されると可動部材61の係止を外して軸方向に稼動することによってロックを解除するものである。
【0014】
そして、モータ35は、紙幣を巻き取るモータ35としても機能するものであり、又、商品選択ボタン12が押圧されると、可動部材61は、回動部材62と係合して回動部材62を軸方向に稼動させ、回動部材62は、軸方向へ稼動することを禁止される位置まで軸方向に稼動して可動部材61によって再び軸方向への稼動を禁止され、これにより再びロックがかかることを特徴とするものである。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例に係る自動販売機玩具1を図に基づいて詳説する。本発明の自動販売機玩具1は、図1に示すように、前筐体2a及び後筐体2bから形成された略箱型形状の筐体2を有し、筐体2の正面には、複数の見本商品が回動可能に陳列された見本商品陳列部11と、見本商品陳列部11の下方に配設された複数の商品選択ボタン12と、紙幣投入口13及びコイン投入口14並びにカードタッチ部15と、商品取出口16と、おつり取出口17と、おつり返却ツマミ18とを備えるものであり、内部に後述するボタンロック機構7を備えた駆動機構を有することにより、紙幣又はコインが投入される、或いは、カードタッチ部15にカードが接触するとボタンロック機構7のロックが解除されて商品選択ボタン12を操作可能となり、商品選択ボタン12を押圧すると選択された商品が商品取出口16から出てくる玩具である。
【0016】
又、筐体2の背面には、図2に示すように、電池収納部21と、電源スイッチ22と、スピーカ23と、紙幣取出口24が配置され、更に、筐体2の上面には、商品を補充する商品補充口25が形成されているものである。
【0017】
更に、自動販売機玩具1の内部には、図3及び図4に示すように、駆動機構と、見本商品の下方に位置する複数の発光ダイオード9と、後方に位置するスピーカ23とが配置され、又、図示しないICチップ等が組み込まれた制御基板等が配置されているものである。
【0018】
そして、駆動機構は、紙幣を取り込むと共に紙幣を感知する紙幣感知機構3と、コインの投入を感知すると共にコインを貯蓄するコイン感知機構4と、カードが接触したことを感知するカード感知機構5と、見本商品回動機構6及びボタンロック機構7と、商品保持機構8とから形成されるものである。
【0019】
この紙幣感知機構3は、図5に示すように、紙幣投入口13を形成する紙幣投入口形成部材31と、略直方体形状の紙幣感知部ケース32と、紙幣感知部材33と、第一リーフスイッチ34と、モータ35と、モータ35によって回動する第一ロール36と、第一ロール36との間で紙幣を挟持する回動可能な第二ロール37と、第二ロール37を遊びを有した状態で保持するロール保持部材38と、内部に取り込まれた紙幣を図4に示した紙幣取出口24近傍まで誘導する紙幣収納部39とから形成されるものである。
【0020】
この紙幣感知部材33は、紙幣感知部ケース32の後方位置で回動可能に軸支され、略中間位置が第一ロール36の回転軸の上方に懸架されているものであり、上面には第一リーフスイッチ34を押し込むスイッチ係止突起33aが形成されているものである。又、第一リーフスイッチ34は、紙幣感知部材33のスイッチ係止突起33aの上方近傍に配置されているものである。そして、紙幣投入口13から紙幣が投入されると、紙幣感知部材33が紙幣によって上方に押されて回動し、第一リーフスイッチ34とスイッチ係止突起33aが係止することで第一リーフスイッチ34が入り、モータ35が稼動して第一ロール36を回動させるものである。
【0021】
又、紙幣感知部ケース32の内部上方に第一ロール36が回動可能に軸支され、この第一ロール36の下方近傍には第二ロール37がロール保持部材38によって軸支されているものである。又、このロール保持部材38は、紙幣感知部ケース32にバネを介して可動に保持されており、このバネによって上方に付勢されているものであり、ロール保持部材38に保持されている第二ロール37も同様に上方に付勢されているものである。よって、第一ロール36が回動を開始して第一ロール36と第二ロール37の間に紙幣が入り込むと、紙幣は第二ロール37によって第一ロール36に圧接された状態で内部に取り込まれ、紙幣収納部39へと送られるものである。
【0022】
更に、紙幣が落下すると紙幣感知部材33のスイッチ係止突起33aと第一リーフスイッチ34との係止状態が解除されるため、モータ35は稼動を停止するものである。尚、モータ35の回転軸35aは、紙幣感知部ケース32の側面から外方に突出しており、モータ35は、ボタンロック機構7としても機能するものである。
【0023】
コイン感知機構4は、図4及び図6に示すように、第二リーフスイッチ42を備えたコイン感知部ケース41と、コイン感知部ケース41の下方に位置するコイン収納部43とから形成されるものであり、コイン投入口14からコインが投入されると第二リーフスイッチ42とコインが係止し、上述したモータ35が稼動するものである。又、モータ35は、時間制御されており、所定の時間が経過すると動作を停止するものである。
【0024】
又、コイン収納部43は内部にコイン保持板45を備え、下端はおつり取出口17と連結されており、このコイン保持板45は、おつり返却ツマミ18と連結されて回動可能とされているものである。そして、おつり返却ツマミ18を回動させると、コイン保持板45が共に回動し、コイン保持板45上に配置されたコインはおつり取出口17へと落下するものである。
【0025】
カード感知機構5は、図7に示すように、筐体2の内側方向に僅かに移動可能とされたカードタッチ部15と、カードタッチ部15の内側に配置されたボタンスイッチ51とから形成されるものであり、カードタッチ部15にカードでタッチすると、カードタッチ部15が押圧されて内部のボタンスイッチ51が入り、モータ35が稼動するものである。又、モータ35は時間制御されており、所定時間経過すると稼動を停止するものである。
【0026】
そして、見本商品回動機構6は、図1に示した前筐体2aの見本商品陳列部11が位置する内側に配置され、複数の商品選択ボタン12と、図8に示す商品選択ボタン12と同数の可動部材61と、見本商品の回動において中心軸となる商品回動軸2hと、見本商品を回動させる可動軸2jと、第一引っ張りバネ66及び第二引っ張りバネ67とから形成されるものであり、商品選択ボタン12が押されると選択された商品の見本商品を回動させる機構である。
【0027】
この可動部材61は、略平板形状の摺動部61aと摺動部61aの下端から前方に突出する係止部61bとを備え、前筐体2aにおける見本商品陳列部11が位置する場所の裏面に上下動可能に並設されているものである。そして、摺動部61aは、商品回動軸2hが貫挿する支持レール61cを上端近傍に有し、この支持レール61cの側方に可動軸2jが貫挿する貫挿穴61dを有し、摺動部61aの側面には第一引っ張りバネ66が取り付けられるバネ突起61eを有し、他方の側面には後述するLED用リーフスイッチ71と係止するスイッチ係止突起61hを有するものである。尚、第一引っ張りバネ66は、一端がバネ突起61eと固定され、他端は前筐体2aと固定されており、可動部材61を上方に付勢しているものである。
【0028】
又、可動部材61の係止部61bは、側面から外方に突出するように形成され先端が下方に延設するL字型のロックアーム61fと、ロックアーム61fの外方に位置し支持ローラ65が取り付けられるローラ取付部とを有し、前面は商品選択ボタン12と係止しているものである。
【0029】
更に、商品回動軸2hは、見本商品陳列部11が位置する位置で前筐体2a及び可動部材61の支持レール61cを貫挿して配置され、一端には見本商品が連結され、他端は保持ローラ68が取り付けられ、可動部材61が商品回動軸2hから外れることを防止しているものである。更に、可動軸2jは、商品回動軸2hの近傍位置で前筐体2a及び可動部材61の貫挿穴61dを貫挿して配置され、一端は見本商品と連結され、他端は第二引っ張りバネ67の一端が固定されているものである。尚、第二引っ張りバネ67の他端は前筐体2aに固定されており、可動軸2jを上方に付勢しているものである。又、前筐体2aの可動軸2jが貫挿している部分は、可動軸2jが上下及び左右に可動となるように十分な大きさの開口が形成されているものである。
【0030】
そして、見本商品回動機構6における動作は、図9及び図10に示すように、商品選択ボタン12が押圧されると可動部材61が商品回動軸2hに沿って下方に摺動し、可動軸2jも可動部材61と共に下降するため見本商品の可動軸2jとの連結部分が下降し、見本商品は商品回動軸2hを中心として回動するものである。又、商品選択ボタン12が開放されると、可動部材61は第一引っ張りバネ66によって上方に引かれて上昇し、可動軸2jも第二引っ張りバネ67によって上方に引かれて上昇するため、見本商品は商品回動軸2hを中心に回動し元の状態に復帰するものである。
【0031】
又、可動部材61の側面近傍にはLED用リーフスイッチ71が配置され、可動部材61が下降するとスイッチ係止突起61hとLED用リーフスイッチ71が係止し、発光ダイオード9が発光するものである。
【0032】
そして、ボタンロック機構7は、図8に示したように、可動部材61と、可動部材61と係止する回動部材62と、モータ35の軸に軸支され回動部材62を回動させる連動部63と、紙幣感知機構3を形成するモータ35とから形成されるものである。
【0033】
この回動部材62は、図11に示すように、可動部材61と係止する可動部材61と同数のロック部72と、各ロック部72を連結する連結部73とから形成されるものである。このロック部72は、上方前端からテーパー状に形成された鍵部72aと、側面に位置しテーパー状に形成されたテーパー部72bとを備え、ロック主軸75の周りを回動可能とされるものである。
【0034】
又、連結部73は、略円筒形状であって、各ロック部72間を連結するものであり、筒内にロック主軸75が貫挿されているものである。更に、回動部材62の一端には後述するロックバネ76及び回動付勢バネ77が係着されるバネ係着部78が形成されているものである。そして、この回動部材62は、ロック主軸75を中心として各ロック部72が同様に回動するよう形成されており、ロック部72の所定の一つは、下方に突出するように形成されたロック解除部72dを有しているものである。
【0035】
そして、回動部材62は、図8に示したように、可動部材61の下方近傍位置でロック主軸75に回動可能に軸支され、バネ係着部78の近傍に押しバネとしたロックバネ76が配置されて軸方向に付勢されているものであり、ロック部72の側面が可動部材61のロックアーム61fにおける下方に延設した部分に圧接されて軸方向の可動を禁止されているものである。更に、回動部材62のバネ係着部78には引っ張りバネとされる回動付勢バネ77の一端が固定されており、この回動付勢バネ77の他端は前筐体2aに固定され、回動部材62は、この回動付勢バネ77によって可動部材61とロック部72とを係合させる方向へ回転するように付勢されているものである。
【0036】
更に、回動部材62の各ロック部72は、可動部材61のロックアーム61fの下方であって支持ローラ65とテーパー部72bが近接する位置に配置されているものである。つまり、可動部材61のロックアーム61fの下方に回動部材62のロック部72の上端が位置しているため、商品選択ボタン12を押圧しても可動部材61は下降できず、商品選択ボタン12はロックされた状態となるものである。
【0037】
連動部63は、モータ35の回転軸35aに軸支されて回動するものであり、図12に示すように、回転軸35aに固定された伝達カム81及び端部フランジ82と、伝達カム81の近傍に配置されたロック解除部材83と、端部フランジ82とロック解除部材83を連結する押しバネで形成された緩衝バネ84とを備えるものである。
【0038】
この伝達カム81は、円筒の側面の略中心位置に円板を備え、円板から円筒の一端に向かってロック解除部材83と係止する回動係止突起81aが形成されたものであり、図8に示したモータ35の回転軸35aに固定されているものである。
【0039】
又、端部フランジ82は、円筒の一端近傍に円板が形成され、この円板の所定の位置に緩衝バネ84が固定される開口を備え、モータ35の回転軸35aに伝達カム81とは所定間隔離した状態で固定されるものである。
【0040】
更に、ロック解除部材83は、中心に伝達カム貫挿開口を備えた略円板形状であって、側面近傍の所定の位置に回動部材62と係合可能とされるロック解除突起83aを備え、伝達カム貫挿開口の所定の位置には伝達カム81の回動係止突起81aと係合可能な回動支持突起83bを備え、この回動支持突起83bには緩衝バネ84が係止する開口が形成されているものである。そして、ロック解除部材83は、伝達カム81の回動係止突起81aが形成された円筒部の周縁に伝達カム貫挿開口が位置するように配置され、緩衝バネ84の一端が回動支持突起83bの開口に固定されているものである。
【0041】
この連動部63は、伝達カム81がモータ35の回転軸35aに固定され、伝達カム81の円筒部の周縁にロック解除部材83が配置され、緩衝バネ84を介して端部フランジ82がモータ35の回転軸35aの端部に固定されているものである。そして、モータ35が稼動すると伝達カム81及び端部フランジ82が回転し、ロック解除部材83に圧力がかかっていない場合には端部フランジ82の回転が緩衝バネ84によってロック解除部材83に伝達されてロック解除部材83が回転し、伝達カム81の回動係止突起81aとロック解除部材83の回動支持突起83bが係合することはないが、ロック解除部材83に圧力がかかると緩衝バネ84のねじり量が変化して伝達カム81の回動係止突起81aとロック解除部材83の回動支持突起83bとが係合し、伝達カム81の回転力によってロック解除部材83が回転するものである。
【0042】
そして、ボタンロック機構7は、図9に示したように、モータ35が稼動すると連動部63が回動し、ロック解除部材83のロック解除突起83aと回動部材62のロック解除部72dが係合して回動部材62は回動するものである。回動部材62が回動すると、回動部材62はロックバネ76によって軸方向に押されてロック部72がロックアーム61fを乗り越えて、図11に示した鍵部72aの前面側とロックアーム61fの裏面側が圧接された状態となり、商品選択ボタン12のロックが外れて商品選択ボタン12を押すことが可能となる。
【0043】
この状態において所定の商品選択ボタン12を押し下げると、図10に示すように、可動部材61も共に下降し、支持ローラ65と回動部材62のテーパー部72bが接触するため、回動部材62はロックバネ76を収縮させる方向に稼動し、図11に示した回動部材62の鍵部72aとロックアーム61fの下方に延設した部分との接触が外れる。そして、鍵部72aとロックアーム61fの下方に延設した部分との接触が外れると、回動付勢バネ77によって回動部材62は回動して、回動部材62の鍵部72aの下方がロックアーム61fの横方向に延設した部分と係止する。この時、他の商品選択ボタン12と連結されている可動部材61の下方に位置する回動部材62は、鍵部72aの前端部がロックアーム61fの下方に僅かに入り込むため可動部材61は下降不能となり、商品選択ボタン12にロックがかかる。
【0044】
そして、選択していた商品選択ボタン12を解除すると、可動部材61は、第一引っ張りバネ66によって上昇し、ロックアーム61fは鍵部72aの下方のテーパー部分を押し込んで上昇する。これにより、回動部材62は、一瞬後方へ回動した後ロックアーム61fの下にロック部が入り込み全ての商品選択ボタン12がロックされるものである。
【0045】
商品保持機構8は、図13に示すように、商品収納部材91と、商品移動部材92と、可動部材61と、三角クランク93とから形成されているものである。この商品収納部材91は、図14に示すように、上下を開口とする略直方体形状で複数の商品収納部91aと、商品収納部91aの下端に位置し商品移動部材92が摺動可能に配置される商品係止部91bと、商品誘導部91cとを備え、商品係止部91bの下端には図13に示したように商品係止板91dが形成され、商品係止部91b近傍の外方には三角クランク93が連結するクランク連結部91eが形成されているものである。そして、この商品収納部材91は、筐体2の後方近傍に配置されて商品を収納する部材であり、上方の開口から商品を補充可能とされるものである。
【0046】
又、商品移動部材92は、略円筒形状の商品保持部92aと、後方に突出するバネ係着部92bと、前方に突出する押圧部92cとから形成されるものであり、商品収納部材91の商品係止部91bに摺動可能に配置され、バネ係着部92bに押しバネとされる前方付勢バネ95が係着されて前方に付勢されるものである。そして、この商品移動部材92は、商品保持部92a内に商品収納部材91に収納されている商品の下端に位置する商品が貫挿されており、商品移動部材92が前端に位置している場合には商品収納部材91の商品係止板91d上に商品の下端が載置された状態となるものである。
【0047】
更に、三角クランク93は、支点部93aと、力点部93bと、作用点部93cとを頂点とするものであり、支点部93aが商品収納部材91のクランク連結部91eに回動可能に連結され、力点部93bが可動部材61の下方近傍と係止し、作用点部93cが商品移動部材92の押圧部92cと係止しているものである。
【0048】
そして、商品選択ボタン12が下降して可動部材61が共に下降すると、三角クランク93の力点部93bが下方に押され、三角クランク93は、支点部93aを中心に回動する。三角クランク93が回動すると作用点部93cが商品移動部材92の押圧部92cと係止して商品移動部材92を後方に押し込む。商品移動部材92が後方に移動すると、商品保持部92aに保持されている商品の下端が商品収納部材91の商品係止板91dから外れるため、商品は下方に落下し、商品誘導部91cに誘導されて図1に示した商品取出口16に出てくるものである。
【0049】
次に本実施例における自動販売機玩具1の動作フローについて図15を用いて述べる。電源スイッチ22が入れられる(ステップS100)と、紙幣が投入されたかどうかの判定(ステップS105)、及び、コインが投入されたか判定(ステップS110)、並びに、カードがタッチされたかの判定(ステップS115)を行う待機状態となる。そして、紙幣投入が感知されると紙幣の取込が完了するまでモータ35を稼動させる(ステップS120)。又、コイン投入又はカードのタッチを感知した場合には、所定時間モータ35を稼動させ(ステップS125)、商品選択ボタン12が押されたかを判定する(ステップS130)。商品選択ボタン12が押された場合には見本商品が回動し(ステップS135)、選択された商品の下方に位置する発光ダイオード9が点灯し(ステップS140)、商品が落下する(ステップS145)。その後、再び紙幣等が投入されたかどうかを判定する待機状態となり、電源スイッチ22がOFFになるまで継続するものである。
【0050】
本実施例における自動販売機玩具1によれば、紙幣やコイン又はカードを利用して商品を購入するという疑似体験を味わうことができるため、近年技術が進歩している実際の自動販売機に近い玩具を提供することができる。
【0051】
又、ボタンロック機構7を備えることにより、紙幣やコインを投入又はカードでタッチをすることによってロックを解除しないと商品選択ボタン12を押せないため、乳幼児は、紙幣やコインを投入する又はカードをタッチするという行為によって商品が得られるという学習をすることもできる。更に、乳幼児に人気のあるキャラクター等が描かれているため、乳幼児にとって親しみのある玩具を提供することもできる。更に、紙幣を取り込む或いはボタンロック機構7の動作を一つのモータ35で行うため、安価な商品を提供することもできるものである。
【0052】
尚、本発明は、以上の実施例に限定するものでなく、設計変更等において異なる実施も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例に係る自動販売機玩具の正面斜視図。
【図2】本発明の実施例に係る自動販売機玩具の背面図。
【図3】本発明の実施例に係る自動販売機玩具の前筐体を取り除いた正面図。
【図4】本発明の実施例に係る自動販売機玩具の簡易断面図。
【図5】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における紙幣感知部の拡大断面図。
【図6】本発明の実施例に係る自動販売機玩具におけるコイン感知部の拡大断面図。
【図7】本発明の実施例に係る自動販売機玩具におけるカード感知部の拡大断面図。
【図8】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における見本商品回動機構及びボタンロック機構を説明する内部拡大背面図。
【図9】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における見本商品回動機構及びボタンロック機構の商品選択ボタンを操作する前における動作説明図。
【図10】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における見本商品回動機構及びボタンロック機構の商品選択ボタンを操作した場合における動作説明図。
【図11】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における回動部材の拡大図。
【図12】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における連動部の分解斜視図。
【図13】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における商品保持機構の拡大断面図。
【図14】本発明の実施例に係る自動販売機玩具における商品収納部材の拡大背面図。
【図15】本発明の実施例に係る自動販売機玩具の動作フローチャート図。
【符号の説明】
【0054】
1 自動販売機玩具 2 筐体
2a 前筐体 2b 後筐体
2h 商品回動軸 2j 可動軸
3 紙幣感知機構 4 コイン感知機構
5 カード感知機構 6 見本商品回動機構
7 ボタンロック機構 8 商品保持機構
9 発光ダイオード 11 見本商品陳列部
12 商品選択ボタン 13 紙幣投入口
14 コイン投入口 15 カードタッチ部
16 商品取出口 17 おつり取出口
18 返却ツマミ 21 電池収納部
22 電源スイッチ 23 スピーカ
24 紙幣取出口 25 商品補充口
31 紙幣投入口形成部材 32 紙幣感知部ケース
33 紙幣感知部材 33a スイッチ係止突起
34 第一リーフスイッチ 35 モータ
35a 回転軸 36 第一ロール
37 第二ロール 38 ロール保持部材
39 紙幣収納部 41 コイン感知部ケース
42 第二リーフスイッチ 43 コイン収納部
45 コイン保持板 51 ボタンスイッチ
61 可動部材 61a 摺動部
61b 係止部 61c 支持レール
61d 貫挿穴 61e バネ突起
61f ロックアーム 61h スイッチ係止突起
62 回動部材 63 連動部
65 支持ローラ 66 第一引っ張りバネ
67 第二引っ張りバネ 68 保持ローラ
71 LED用リーフスイッチ 72 ロック部
72a 鍵部 72b テーパー部
72d ロック解除部 73 連結部
75 ロック主軸 76 ロックバネ
77 回動付勢バネ 78 バネ係着部
81 伝達カム 81a 回動係止突起
82 端部フランジ 83 ロック解除部材
83a ロック解除突起 83b 回動支持突起
84 緩衝バネ 91 商品収納部材
91a 商品収納部 91b 商品係止部
91c 商品誘導部 91d 商品係止板
91e クランク連結部 92 商品移動部材
92a 商品保持部 92b バネ係着部
92c 押圧部 93 三角クランク
93a 支点部 93b 力点部
93c 作用点部 95 前方付勢バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空で略直方体形状の筐体を有し、該筐体の正面に見本商品陳列部と、該見本商品陳列部の下方に配設された複数の商品選択ボタンと、コイン投入口及び商品取出口と、を備え、内部にボタンロック機構を備えた駆動機構が組み込まれ、コインが投入されると前記ボタンロック機構が稼動して前記商品選択ボタンのロックを解除する自動販売機玩具において、
前記筐体にはコイン投入口の他に紙幣投入口及びカードタッチ部を有し、
前記駆動機構は、前記商品選択ボタンをロック又は解除する前記ボタンロック機構と、前記紙幣投入口の近傍に配置された紙幣感知機構と、前記コイン投入口の近傍に配置されたコイン感知機構と、前記カードタッチ部の近傍に配置されたカード感知機構と、商品保持機構と、から形成され、前記紙幣感知機構が紙幣を感知し、又は、コイン感知機構がコインを感知し、若しくは、カード感知機構が押圧されたとき、ボタンロック機構が商品選択ボタンを解除することを特徴とする自動販売機玩具。
【請求項2】
前記ボタンロック機構は、前記複数の商品選択ボタンの内で所定の一つが押圧されると、他の商品選択ボタンをロックすることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機玩具。
【請求項3】
前記ボタンロック機構は、前記見本商品陳列部の内側に配置された可動部材と、該可動部材の下方に配置された回動部材と、該回動部材を回動させる連動部と、該連動部を回動させるモータとから形成され、
前記可動部材は、上方に付勢されており前記商品選択ボタンと連動して稼動し、前記回動部材は、所定の回転方向及び所定の軸方向に付勢されており、前記可動部材と係止することによって軸方向へ稼動することを禁止されると共に前記可動部材の下降を停止しており、前記連動部は、前記モータが稼動すると回動して前記回動部材と係合し、前記回動部材を付勢された向きとは逆方向に回動させ、前記回動部材は前記連動部によって回動されると前記可動部材の係止を外して軸方向に稼動することによってロックを解除することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機玩具。
【請求項4】
前記モータは、紙幣を巻き取るモータとしても機能することを特徴とする請求項3に記載の自動販売機玩具。
【請求項5】
前記商品選択ボタンが押圧されると、前記可動部材は、前記回動部材と係合して該回動部材を軸方向に稼動させ、該回動部材は、軸方向へ稼動することを禁止される位置まで軸方向に稼動して前記可動部材によって再び軸方向への稼動を禁止され、これにより再びロックがかかることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動販売機玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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