説明

自動販売機運用支援装置、自動販売機運用支援方法およびプログラム

【課題】複数の自動販売機の設置場所と天気とから、ルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見出すこと。
【解決手段】クライアント端末101は、各種テーブルを参照しながら、各々処理を実行する各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無に基づいて、予め定められた仮日程に従い売上予測値を計算する売上算出部301、算出した売上予測値と在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出部302、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整303および対象期間設定部304を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機運用支援装置、自動販売機運用支援方法およびプログラムに関し、より具体的には、特に自動販売機の補充日程を定める際に支援することができる自動販売機運用支援装置、自動販売機運用支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料などを販売する自動販売機の売上は天気に応じて変動することが知られている。例えば、寒い日は、温かいものがよく売れ、暑い日には冷たいものがよく売れる。したがって、自動販売機に商品を補充するルートマンと呼ばれる営業従事者は、売り切れにより販売機会の消化を減らすために、天気に応じて多く補充できる商品や、その商品数を予測して自動販売機の補充のためルート巡回を行っている。
【0003】
即ち、商品を補充するために、天気に応じて変動する自動販売機の売上を予測することが求められている。このような、ルートマンを支援するため、例えば特許文献1のような、天気予報データに基づいて販売予測を行い、在庫と予測販売量から在庫の足りないデータを出力するシステムが提案されている。
【0004】
また、特許文献2のような、自動販売機において天気予報情報から飲料の最適温度を調整し、人通り情報より販売数を予測し、必要数の商品に対し温度制御を行うシステムも提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平4−353970号公報
【特許文献2】特開2002−74490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献に開示されている仕組みでは、複数の自動販売機の設置場所と、天気とを考慮して、複数の自動販売機の中からルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見つけ出すことが困難である。たとえば、従来では、自動販売機の設置場所を考慮していなかったため、路上に設置された自動販売機も、地下街に設置された自動販売機も、天気が雨の場合は自動販売機内の商品があまり売れず、商品を補充すべきではないと判断していた。
【0007】
すなわち、天気が雨の場合は、路上に設置された自動販売機内の商品はあまり売れないが、地下街に設置された自動販売機内の商品はよく売れるのが通常であるが、従来の仕組みでは、自動販売機の設置場所が天気に応じて売上が変わる場所であるか否かを考慮していなかったため、ルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見出すことが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、複数の自動販売機の設置場所と天気とから、ルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の課題を解決することを目的とし、請求項1に記載の発明は、自動販売機運用支援装置であって、各自動販売機ごとに、設置場所および設置場所における天候により設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段と、各自動販売機について、ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出手段と、売上算出手段により算出した売上予測値と、売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出手段と、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動販売機運用支援装置において、在庫消化率は、売上予測値を前記在庫数で除算して得られることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の自動販売機運用支援装置において、日程調整手段は、閾値よりも高い在庫消化率を有する自動販売機の補充日程を仮日程よりも1営業日前倒しするように調整することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置において、自動販売機毎にイベントがある日と、通常の日の売上に対する倍率とを紐付けて記憶するイベント記憶手段を更に備え、売上予測値は、イベント記憶手段から自動販売機の仮日程の対応日がイベントのある日であるか否かを読み出して、仮日程の対応日がイベントのある日である場合は、イベント記憶手段に記憶された倍率を乗算することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置において、ロケーション記憶手段は、更に自動販売機の設置場所が曜日により売上が変化する否かを記憶し、売上予測値は、各自動販売機について、ロケーション記憶手段に記憶された曜日による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、仮日程に従い補充する曜日と同じ曜日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、仮日程に従い補充する曜日と異なる曜日における売上を用いて計算されることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置において、過去の売上データとして使用する期間を設定する設定手段を更に備え、売上予測値は、設定手段で設定された期間の過去の売上を用いて計算されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置において、売切れ状態にある期間に売切れでなかった場合に推定される売上を自動販売機毎に記憶する推定売上記憶手段を更に備え、売上予測値は、設定手段で設定された期間の過去の売上期間に売切れ状態にある期間がある場合は、推定売上記憶手段に記憶された売上を用いて計算されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、各自動販売機ごとに、設置場所および設置場所における天候により設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段とを備えたコンピュータシステムにより実行される自動販売機運用支援方法であって、各自動販売機について、ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出ステップと、売上算出ステップにおいて算出した売上予測値と、売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出ステップと、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整ステップとを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、各自動販売機ごとに、設置場所および設置場所における天候により設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段とを備えたコンピュータシステムに自動販売機運用支援方法を実行させるプログラムであって、方法は、各自動販売機について、ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出ステップと、売上算出ステップにおいて算出した売上予測値と、売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出ステップと、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整ステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各自動販売機について、ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出手段と、売上算出手段により算出した売上予測値と、売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出手段と、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整手段とを備えているので、複数の自動販売機の設置場所と天気とから、ルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示すシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態では、自動販売機の補充を主な業務とする会社内の一般的な業務支援システムを用いる。図1に示すシステムは、営業所内のクライアント端末101(情報処理装置、自動販売機運用支援装置)と、営業所内のプリンタ102と、光コミュニケーションユニット(OC)103と、気象団体のサーバ106と、ハンディターミナル(携帯端末)104と、自動販売機(107〜110)とを備える。
【0021】
また、営業所内のクライアント端末101とプリンタ102とOC103とがそれぞれ接続されたネットワーク(社内LANなど)と、気象団体のサーバ106が接続されたネットワークとは、広域回線105を介して通信可能に接続されている。したがって、営業所内のクライアント端末101と、気象団体のサーバ106は、広域回線(ネットワーク)105を介して通信可能に接続されている。
【0022】
営業所には、クライアント端末101とプリンタ102とOC103とがそれぞれネットワーク(社内LANなど)を介して通信可能に接続されている。OC103は、いわゆる「光コミュニケーションユニット」であって、ハンディターミナルをネットワーク(社内LANなど)に接続するための装置である。ハンディターミナル104をOC103に接続することにより、ハンディターミナル104は、OC103を介してネットワーク(社内LANなど)に接続され、営業所内のクライアント端末101やプリンタ102と相互に通信することが可能になる。プリンタ102は、ハンディターミナル104やクライアント端末101からの印刷要求を受信すると、印刷要求された印刷データを印刷することができる。
【0023】
クライアント端末101は、クライアント端末101の記憶手段に、後述する自販機データテーブル(図11)、自販機在庫数テーブル(図13)、休日・イベントデータテーブル(図14)、気象情報(図15)、過去の売上実績データテーブル(図16)、第1の閾値、第2の閾値を記憶している。クライアント端末101は、これらのデータを用いて、複数の自動販売機の設置場所と天気とから、ルートマンが効率的に商品を補充すべき自動販売機を見出すための処理を実行するが、テーブルの構成はこれに限られることなく、相互にデータ項目を組み合わせてより少ないテーブルとし、あるいはデータ項目を細分化してより多くのテーブルとするなど、本技術分野で知られたいずれのテーブル構成とすることができる。具体的には、クライアント端末101は、図3に示す機能モジュールにより、図5、図6、図7、図8、図9、図10を参照して説明する処理を実行する。
【0024】
気象団体(天気予報提供団体)のサーバ106は、各地における、現在の天気、過去の天気、将来の天気予報などの天気情報(気象情報)をデータベースなどの記憶装置に記憶している。クライアント端末101は、気象団体のサーバ106の記憶装置に記憶されている現在の天気、過去の天気、将来の天気予報などの天気情報を、ネットワーク105を介して気象団体のサーバ106から取得することができる。
【0025】
ハンディターミナル104は赤外線ポートなどの赤外線通信するための通信部を備え、地下街Aや路上Bや地下街Cなどに設置された自動販売機(自販機)107〜110と赤外線通信を行うことが可能である。図1に示すシステム構成図には、地下街Aには、自動販売機107と自動販売機108とが設置され、路上Bには、自動販売機109が設置され、地下街Cには、自動販売機110が設置されていることを示している。
【0026】
図2は、図1に示したクライアント端末101(情報処理装置)の基本構成を示すブロック図である。図2を参照して、クライアント端末101のハードウェア構成について説明するが、ハンディターミナル104も、形状はサイズは異なるものの基本的には情報処理装置であり、同様のハードウェア構成を有しているものとする。
【0027】
図2に示すように、クライアント端末101は、ハードウェアとして、CPU201、RAM202、ROM203、HDD(ハードディスクドライブ)204、およびネットワークI/F(インタフェース)205を備える。また、クライアント端末101は、ハードウェアとして、記録媒体ドライブ206、キーボード207、マウス208、ビデオI/F209、ディスプレイ装置210、および外部機器I/F211も備える。これらのハードウェアは、システムバス212を介して互いに接続されている。
【0028】
CPU201は、RAM202やROM203に格納されているプログラムやデータを用いて、クライアント端末101全体を制御するとともに、クライアント端末101が行う各処理を実行する。RAM202は、HDD204からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶するためのエリアを有するとともに、CPU201が各種処理を実行するために使用するワークエリアを有する。ROM203は、コンピュータのブートプログラムやBIOS等の各種プログラムを記憶している。
【0029】
HDD204は、OS(オペレーティングシステム)や、クライアント端末101が行う各処理をCPU201に実行させるためのプログラムや各種データを保存しており、これらは必要に応じてCPU201の制御によりRAM202に読み出されて実行される。ネットワークI/F205はネットワーク104に接続するためのものであり、このネットワークI/F205を介して外部機器との間でデータ通信を行うことが可能となる。記録媒体ドライブ206は、CD−ROM、CD−R/RW、DVD―ROM、DVD−R/RW、およびDVD−RAM等のドライブとして機能する。
【0030】
キーボード207、およびマウス208は、各種の指示を入力するための入力部として機能する。ビデオI/F209には、ディスプレイ装置210が接続される。ディスプレイ装置210は、CRTや液晶表示装置等で構成されており、ビデオI/F209を介して送られた信号に基づいて、文字や画像等の情報を表示画面上に表示する機能を有する。
【0031】
外部機器I/F211は、周辺機器を接続するためのポートであり、この外部機器I/F211を介して周辺機器との間でデータの送受信を行うことが可能になる。外部機器I/F211は、SCSI、USB、IEEE1394等の各種インタフェースで構成することができ、通常、複数の外部機器I/Fを有する。なお、周辺機器との接続形態は有線/無線を問わない。この外部機器I/F211を介してプリンタ103−1〜103−3と接続することも勿論可能である。
【0032】
図3は、本実施形態のクライアント端末101内の機能モジュールの構成を示す図である。クライアント端末101は、上述の各種テーブルを参照しながら、各々処理を実行する各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無に基づいて、予め定められた仮日程に従い売上予測値を計算する売上算出部301、算出した売上予測値と在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出部302、算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整部303および対象期間設定部304を備える。
【0033】
図4は、自動販売機から売上データをハンディターミナル104が取得する処理を示すフローチャートである。ステップS401、ステップS405、ステップS406は、ハンディターミナル104のCPU201が実行する処理である。ステップS402、ステップS403は、自動販売機のCPUが実行する処理である。まず、ハンディターミナル104は、自動販売機に対して売上データの要求を送信すると(ステップS401)、自動販売機は、この要求を受信し(ステップS402)、自動販売機の記憶手段に記憶された商品の売上データをハンディターミナル104に送信する(ステップS403)。
【0034】
そして、ハンディターミナル104は、自動販売機から商品の売上データを受信すると(ステップS405)、売上データをハンディターミナル104内のHDDやRAMなどの記憶手段に記憶する(ステップS406)。ルートマンが各自動販売機を巡回して、各自動販売機と以上の処理を実行することで、各自販機の商品の売上データを取得することができる。
【0035】
次に、図5および16を参照して、自動販売機から取得した売上データをクライアント101の記憶手段に登録するまでの処理を説明する。図5は、クライアント端末101が、各自動販売機から取得した売上データを、ハンディターミナル104から取得して登録する処理を示すフローチャートである。また、図16は、本実施形態の自販機毎の過去の売上実績を示す過去の売上実績データテーブルである。過去の売上実績データテーブルは、通常クライアント端末101の記憶手段に記憶されているが、これに限らず接続されたいずれかの記憶装置等に記憶しておくこともできる。過去の売上実績データテーブルは、「自販機」、「天気」、「日付」、「曜日」、「売上本数(売上データ)」、「売切れ時間」の項目を備える。過去の売上実績データテーブルには、自販機毎に、過去の日付と、その曜日と、その日付における自販機周辺の天気と、前回の商品の補充日から、過去の日付までの売上本数(売上データ)と、前回の商品補充日からルートマンが商品を補充するまでの商品の売り切れ時間とを記憶している。
【0036】
ステップS501は、ハンディターミナル104のCPU201が実行する処理である。ステップS502およびステップS503は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理である。まず、ハンディターミナル104は、クライアント端末101に対して、ステップS406でハンディターミナル104内の記憶部に記憶された、各自販機の商品の売上データを登録すべく送信する。
【0037】
次に、クライアント端末101は、売上データをハンディターミナル104から受信すると(ステップS502)、クライアント端末101内のHDDやRAMなどの記憶部に記憶する(ステップS503)。ここで、売上データには、図16に示す過去の売上実績データテーブルの「自販機」、「日付」、「売上本数(売上データ)」、「売切れ時間」の項目に記憶されるデータが含まれる。すなわち、ステップS503では、これらのデータが、過去の売上実績データテーブルに記憶される。また、過去の売上実績データテーブル(図16)の「天気」と「曜日」の項目に記憶されるデータは、後述する図6のステップS605で記憶される。
【0038】
図6および15を参照して天気情報を取得し、登録する処理について説明する。図6は、クライアント端末101が、サーバ106から、現在の天気、過去の天気、将来の天気予報などの天気情報(気象情報)を取得し、登録する処理を示すフローチャートである。図15は、気象団体(天気予報提供団体)のサーバ106から取得し、クライアント端末101の記憶手段に記憶された天気情報(気象情報)テーブルである。図15に示す天気情報テーブルには、「日付」、「曜日」、「天気(気象)」の項目を備える。すなわち、天気情報テーブルには、日付とその曜日と、その日の天気を示す情報が記憶されている。
【0039】
ステップS601、ステップS604、ステップS605は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理であり、ステップS602およびステップS603は気象団体のサーバ106のCPU201が実行する処理である。
【0040】
クライアント端末101は、気象団体のサーバ106に対して気象情報の取得要求を行い(ステップS601)、気象団体のサーバ106は、当該取得要求を受信すると(ステップS602)、気象情報をクライアント端末101に送信する(ステップS603)。次に、クライアント端末101は、気象団体のサーバ106から気象情報を受信すると(ステップS604)、この気象情報を、クライアント端末101内のHDDやRAMなどの記憶手段に記憶する(ステップS605)。ここで、気象情報とは、図15に示す気象情報テーブルに示されるデータを含んでいる。すなわち、気象情報テーブルには、日付と、その日付の曜日と、その日付の天気から構成される。
【0041】
図15の例を用いて説明すると、「2008年5月25日」は、「月曜日」で「天気」は晴れであることを示している。また、ここで、ステップS503で記憶された「日付」に対応する「曜日」と「天気」を当該気象情報の中から取得し、取得した「曜日」と「天気」を、「日付」に対応付けて過去の売上実績データテーブル(図16)に記憶する。これにより、図16に示す過去の売上実績データが記憶される。
【0042】
図7、11および18を参照してロケーション情報の設定登録処理について説明する。
図7は、ロケーション情報を自販機毎に設定登録する処理を示すフローチャートである。図11は、クライアントPC101のHDD204やRAM202などの記憶手段に記憶された自販機データテーブルである。自販機データテーブルには、図11の通り、「ルートマン」、「自販機(自販機ID)」、「ロケーション特性区分」、「日付(売上データ取得日)」、「前回訪問日」、「次回訪問日」が含まれる。「ルートマン」の項目には、ハンディターミナル104を持って各自販機に補充する商品を配達するルートマンを識別する情報が記憶される。また、「自販機」の項目には、自動販売機を識別する情報、例えば自販機コードなどが記憶されている。また、「ロケーション特性区分」の項目には、自動販売機の設置場所(ロケーション)より、天気や曜日に依存するかを識別する情報が記憶される。この項目に記憶されるデータについては、図12を用いて後述する。
【0043】
「日付(売上データ取得日)」の項目には、ハンディターミナル104が自動販売機から売上データを取得した日付が記憶されている。また、「前回訪問日」の項目には、前回、自動販売機に商品を補充した日付が記憶されている。この「前回訪問日」の日付は、図5のステップS503で売上データを登録(記憶)する際に、自動販売機ごとに記憶される。さらに、「次回訪問日」の項目には、次回、自動販売機に商品を補充する日付が記憶される。
【0044】
「次回訪問日」の日付は、「前回訪問日」の日付が記憶された際に、所定の期間(例えば、2日など)後の日が記憶される。ここでの所定の期間は、自動販売機ごとに異なっていてもよい。ここで、後述するように「次回訪問日」は、補充の巡回の仮日程であり、他の方法によっても、予め何らかの本技術分野で知られたいずれかの方法も用いて行うことができる。図18は、図11に示す自販機データテーブルのロケーション特性区分を登録するための登録画面である。
【0045】
ステップS701〜ステップS705は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理である。まず、クライアント端末101は、各自動販売機を識別するデータ(例えば自販機コード(自販機ID)を、自販機データテーブルから取得する(ステップS701)。具体的には、図11に示す自販機データテーブルの「自販機」の項目に記憶された自販機コードを取得し、ロケーション情報設定画面(図18)をクライアント端末101の表示部に表示する(ステップS702)。
【0046】
図18の画面においてユーザが入力した、自動販売機ごとにロケーション情報(ロケーション特性区分)を受け付ける(ステップS703)。図18の画面には、自動販売機ごとに、ロケーション情報として、「売上が天気及び曜日に応じて変わる場所」(ロケーション特性区分が1)、「売上が天気に応じて変わる場所」(ロケーション特性区分が2)、「売上が曜日に応じて変わる場所」(ロケーション特性区分が3)、「売上が天気及び曜日に応じて変わらない場所」(ロケーション特性区分が4)を選択するラジオボタン1801が表示されている。
【0047】
これらのラジオボタンが、自動販売機ごとにユーザにより選択され、登録ボタン1802が押下された場合(ステップS704:YES)、自販機毎に選択されたロケーション特性区分が図11に示す自販機データテーブルに記憶される(ステップS705)。
【0048】
図8および14を参照して本実施形態の基本処理を説明する。図8は、本実施形態に係る基本的な処理を示すフローチャートである。図14は、自動販売機の周辺で、花火や文化祭などのイベントが行われるかを管理する休日・イベントデータテーブルである。本実施形態において、休日・イベントデータテーブルは、クライアント端末101の記憶手段に記憶されているがこれに限らない。休日・イベントデータテーブルは、「自販機」、「期間開始」、「期間終了」、「倍率」を備える。
【0049】
「期間開始」の項目には、イベントが開始する日付を記憶し、「期間終了」には、イベントが終了する日付を記憶している。「倍率」の項目には、数値が設定されている。
「倍率」に設定された数値は、後述するステップS914、ステップS912、ステップS908、ステップS907で算出された売上予測データに乗算するために用いられるが、その詳細は後述する。
【0050】
ここで、ステップS801〜ステップS817は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理である。まず、クライアント端末101は、ルートマンを特定するための特定情報の入力を受け付け(ステップS801)、実績データの範囲の入力を受け付ける(ステップS802)。ステップS801で受け付けた特定情報から特定されるルートマンが商品の補充を担当している自動販売機を、自販機データテーブルの中から検索し(ステップS803)、検索されたルートマンが担当している自動販売機の自販機データを取得する(ステップS804)。ここで、自販機データとは、自販機データテーブル(図11)に記憶されている各項目のデータを言う。
【0051】
次に、クライアント端末101は、ステップS804で取得した自販機データのうち、ロケーション特性区分(ロケ特性区分)を取得し(ステップS806)、以下のステップS809からステップS812までの処理を次回訪問日までについて実行する。
【0052】
すなわち、先ずステップS809において、ステップS806で取得したロケーション情報に基づいて、自動販売機内の商品の売上予測データを算出する処理(売上予測データ算出処理)を実行する。この売上予測データ算出処理の詳細は、図9を用いて後述する。次に、クライアント端末101は、図14の「休日・イベントデータテーブル」を参照し、現在予測対象の自動販売機の日付にイベントが開催されているか否かを判定し(ステップS810)、予測対象の自動販売機の予測対象日にイベントがあると判定された場合は(ステップS810:YES)、自動販売機について定められた倍率を、ステップS809で算出された売上予測データに対して乗算し、ステップS809で算出された売上予測データを補正する(ステップS811)。一方、ステップS810でイベントが開催されていないと判定された場合は(ステップS810:NO)、ステップS812の処理へ移行する。
【0053】
ステップS812では、ステップS810でイベントが開催されていないと判定された場合は、ステップS809で算出された売上予測データを累積加算し、ステップS810でイベントが開催されていると判定された場合は、ステップS811で補正された売上予測データを累積加算する。その後、現在、処理の対象となっている日の次の日を予測対象日と設定し、ステップS809からステップS812までの処理を実行する。
【0054】
次に、クライアント端末101は、前回、ルートマンが巡回して得られた自動販売機内の商品の在庫数と、ステップS812で累積加算された売上予測データ(売上予測数)とから在庫消化率である売上予測率を算出する(ステップS814)。本実施形態において、売上予測率は、「ステップS812で算出された売上予測数÷自動販売機内の商品の在庫数」を計算することにより求めることができるが、これに限られず在庫消化を示すいずれかの一定の指標を用いることができる。
【0055】
ここで在庫消化率とは、自動販売機内の商品の在庫数のうち、ステップS812で算出された売上予測数を売り上げることを示す指標である。すなわち、在庫消化率が高いほど、自動販売機内の在庫がよく売れることを示し、在庫消化率が低いほど、自動販売機内の在庫が売れにくいことを示している。
【0056】
ステップS806からステップS814までの処理を、ステップS803で検索された全ての自販機に対して実行し終わると、ステップS816の処理に移行する。一方、検索された全ての自販機に対して実行していない場合は、次の自販機を予測対象としてステップS806からステップS814までの処理を実行する。
【0057】
ステップS816においては、優先巡回先決定処理を実行する(ステップS816)。この処理は、ステップS814で得られた売上予測率と予め設定された閾値とに従って、次に商品を補充する日を自販機毎に変更し、ルートマンが1日に巡回するべき自販機の巡回順序を変更する処理である。この処理の詳細は、図10を用いて後述する。
【0058】
以上の処理の結果、クライアント端末101は、ステップS816で設定された巡回順序を出力する(ステップS817)。ここで出力とは、クライアント端末101の表示部への表示、クライアント端末101と通信可能なプリンタへの印刷、ハンディターミナル104などの各種装置への送信のいずれの構成でもよい。
【0059】
次に、図9および12を参照して、売上予測データ算出処理を説明する。図9は、図8に示す売上予測データ算出処理(ステップS809)の詳細処理を示すフローチャートである。
【0060】
図12は、図11に示した「ロケーション特性区分」の説明するための図である。図12の例では、「ロケーション特性区分」が「1」は、気候(天気)及び曜日により自販機内の商品の売上が依存することを示す。例えば、地下や屋内、店内などに設置された自動販売機が「ロケーション特性区分」が「1」が設定される。「ロケーション特性区分」が「2」は、気候(天気)により自販機内の商品の売上が依存するが、自販機内の商品の売上が曜日には依存しないことを示す。「ロケーション特性区分」が「3」は、気候(天気)により自販機内の商品の売上が依存しないが、自販機内の商品の売上が曜日には依存することを示す。例えば、学校内や社内、車内などに設置された自動販売機が「ロケーション特性区分」が「1」に設定される。「ロケーション特性区分」が「4」は、気候(天気)及び曜日により自販機内の商品の売上が依存しないことを示す。
【0061】
ステップS901〜ステップS914は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理である。ここで、詳述しないが、ルートマンの自動販売機を補充する巡回順序などは、クライアント端末101あるいは接続されたいずれかの記憶装置などに図11に示すようなテーブルとして記憶されているが、別の、例えばルートマンごとに何日にどの自動販売機を補充するかといったスケジュールの形など、システムに適合したいずれの形態とすることもできる。なお、本実施形態では、自動販売機の補充は日単位で行う、すなわち各自動販売機は概ね1乃至2週間に1回補充するものとして、補充のタイミングは曜日や日付など日単位で扱うものとし、1日に何回も補充することは想定しないで説明する。ただし、日に何度も巡回する場合でも、本技術分野のいずれかの技術を用いて本発明の技術的思想を適用することができる。
【0062】
まず、クライアント端末101は、ステップS806で取得したロケーション特性区分が「1」又は「2」であるか否かを判定(ステップS901)、すなわち現在、予測対象の自動販売機の設置場所が天気に応じて売上が変わる場所であるか否かを判定する。そして、クライアント端末101は、ロケーション特性区分が「1」又は「2」である(現在、予測対象の自動販売機の設置場所が天気に応じて売上が変わる場所である)と判定された場合(ステップS901:YES)、ステップS902に処理を移行する。一方、ロケーション特性区分が「1」又は「2」ではなく「3」又は「4」であると判定された場合(ステップS901:No)、処理をステップS909に移行する。
【0063】
ステップS902では、現在、予測対象の自動販売機の次回巡回日である日付(仮日程)の天気を、図15に示す気象情報から取得し、ステップS806で取得したロケーション特性区分が「1」であるか否かを判定する(ステップS903)。即ち、現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わる場所であるか否かを判定する。そして、ロケーション特性区分が「1」である(現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わる場所である)と判定された場合は(ステップS903:YES)、現在の仮日程の曜日を気象情報(図15)から取得する(ステップS904)。
【0064】
一方、ロケーション特性区分が「1」ではなく「2」である(現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わらない場所である)と判定された場合は(ステップS903:NO)、現在、予測対象の自動販売機における、ステップS802で設定された期間内の過去の売上実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)の中から、ステップS902で取得した天気(気象情報)と同じ天気の過去の売り上げ実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)を選択し(ステップS906)、ステップS906で選択された全ての過去の売上実績データから、売上予測データを算出する(ステップS908)。
【0065】
また、クライアント端末101は、ステップS904で曜日を取得すると、現在、予測対象の自動販売機における、ステップS802で設定された期間内の過去の売上実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)の中から、ステップS902で取得した天気(気象情報)と同じ天気で、かつステップS904で取得した曜日と同じ曜日の過去の売り上げ実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)を選択し(ステップS905)、ステップS907で選択された全ての過去の売り上げ実績データ(売上本数)から、売上予測データを算出する(ステップS907)。
【0066】
また、クライアント端末101は、ステップS806で取得したロケーション特性区分が「3」であるか否かを判定(ステップS909)、即ち、現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わる場所であるか否かを判定し、ステップS806で取得したロケーション特性区分が「3」である(現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わる場所である)と判定された場合は(ステップS909:YES)、現在、予測対象日である日付の曜日を気象情報(図15)から取得する(ステップS910)。現在、予測対象の自動販売機における、ステップS802で設定された期間内の過去の売上実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)の中から、ステップS910で取得した曜日と同じ曜日の過去の売り上げ実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)を選択し(ステップS911)、ステップS911で選択された全ての過去の売り上げ実績データから、売上予測データを算出する(ステップS912)。
【0067】
一方、ステップS909において、ステップS806で取得したロケーション特性区分が「3」ではなく「4」である(現在、予測対象の自動販売機の設置場所が曜日に応じて売上が変わる場所ではない)と判定された場合は(ステップS909:NO)、現在、予測対象の自動販売機における、ステップS802で設定された期間内の過去の売上実績データ(図16の「売上本数(売上データ)」の項目のデータ)を選択する(ステップS913)。ステップS913で選択された全ての過去の売り上げ実績データから、売上予測データを算出する(ステップS914)。
【0068】
ここで、ステップS914、ステップS912、ステップS908、ステップS907での売上予測データの算出は、選択された過去の実績データの平均値を求めることにより行う。具体的には、「選択された過去の実績データの和÷選択された過去の実績データの数」から過去の実績データの平均値を算出できる。すなわち、ステップS914では、ステップS913で選択された過去の実績データの数と、選択された過去の実績データの和とから、過去の実績データの平均値を求める。同様に、ステップS912では、ステップS911で選択された過去の実績データの数と、選択された過去の実績データの和とから、過去の実績データの平均値を求める。ステップS908でも、ステップS906で選択された過去の実績データの数と、選択された過去の実績データの和とから、過去の実績データの平均値を求める。さらに、ステップS907でも、ステップS905で選択された過去の実績データの数と、選択された過去の実績データの和とから、過去の実績データの平均値を求める。
【0069】
さらに、ステップS914、ステップS912、ステップS908、ステップS907での売上予測データの算出方法について、ここで簡単に説明する。まず、ステップS913、ステップS911、ステップS906、ステップS905で選択された過去の売り上げ実績データ(売上本数)に対応して図16に示す売上実績データテーブルに記憶された売切れ時間を取得する。
【0070】
また、図示していないが、クライアント101の記憶手段には、自動販売機(自販機)毎に、売切れ時間の単位時間(例えば1時間)当たりの売上データを記憶している。ここで記憶されている売上データ(売上本数)は、売切れの状態にある期間に仮に商品があるとしたら売れると推定される売上を示している。そして、売切れ状態になっている時間がある(0ではない)場合は、現在算出対象の自動販売機に対応した、単位時間当たりの売上データを当該記憶手段から取得する。ここで取得した売上データと売切れ時間とを乗算することで、売切れの期間がなかった場合の売上データを算出することができ、これにより、算出された売上データを用いて、上述した通りに、売上予測データを算出することができる。
【0071】
図10および17を参照して優先巡回先決定処理を説明する。図10は、図8に示す優先巡回先決定処理(ステップS8816)の詳細処理を示すフローチャートである。図17は、売上予測率に基づいて、自動販売機への巡回順序を示す売上予測率データテーブルである。売上予測率データテーブルは、クライアント端末101の記憶手段に記憶されているがこれに限られない。図17に示す売上予測率データテーブルは、少なくとも、自販機を識別する情報(自販機コードなど)と、売上予測率と、巡回順序を備える。図17には、説明の便から在庫数と売上予測データも含めて記載している。すなわち、例えば、図17の例では、前回商品補充した際の自販機1の在庫数は20で、それからの売上予測数は12であり、自販機1の売上予測率0.6(=12÷20)であることを示している。他の自販機の売上予測率についても同様に算出することができる。
【0072】
ステップS1001〜ステップS1005は、クライアント端末101のCPU201が実行する処理である。まず、クライアント端末101は、予めクライアント端末の記憶手段に記憶された第1の閾値を取得し(ステップS1002)、ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1002で取得した第1の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS1003)。次に、ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1002で取得した第1の閾値よりも大きいと判定された場合は(ステップS1003:YES)、現在、対象の自動販売機の次回の商品を補充する日(巡回する日)を所定の日数(例えば、1営業日)早めに設定する(ステップS1004)。
【0073】
図17の例では、第1の閾値が例えば、0.75である場合、自販機3に次回の商品を補充する日を1日早めることを示している。ここで、このように、次回の商品を補充する日を変更した場合、図11に示す自販機データテーブルの、変更された自販機に対応する次回訪問日を、ステップS1004で変更された日に設定する。以上の処理により、各自動販売機に商品を補充する次の予定日を決定(変更)することができる。
【0074】
一方、ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1002で取得した第1の閾値以下であると判定された場合は(ステップS1003:NO)、ステップS1005の処理へ移行し、クライアント端末101は、予めクライアント端末の記憶手段に記憶された第2の閾値を取得する(ステップS1005)。その結果ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1005で取得した第2の閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS1006)。
【0075】
ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1005で取得した第2の閾値よりも小さいと判定された場合は(ステップS1006:YES)、現在、対象の自動販売機の次回の商品を補充する日(巡回する日)を所定の日数(例えば、1日)遅めに設定する(ステップS1007)。図17の例では、第2の閾値が例えば、0.55である場合、自販機2に次回の商品を補充する日を1営業日遅くすることを示している。
【0076】
ここで、このように、次回の商品を補充する日を変更した場合、図11に示す自販機データテーブルの、変更された自販機に対応する次回訪問日を、ステップS1007で変更された日に設定する。以上の処理により、各自動販売機に商品を補充する次の予定日を決定(変更)することができる。
【0077】
一方、ステップS814で算出された売上予測率が、ステップS1005で取得した第2の閾値以上と判定された場合は(ステップS1006:NO)、ステップS1008の処理へ移行する。ステップS1002からステップS1007の処理を、ステップS803で検索された自販機の全てに対して実行し、ステップS803で検索された全ての自販機に対して実行し終われば、ステップS1009の処理へ移行する(ステップS1008)。
【0078】
次に、各自販機の販売予測率をそれぞれ比較し(ステップS1009)、売上予測率の高い順に優先順序を設定する(ステップS1010)。このとき、ステップS1004及びステップS1007で巡回日(訪問日)が変更された自販機は、ステップS1010の処理の対象外とする。したがって、図17の例では、売上予測率が最も高い自販機4(売上予測率が0.7)の優先順序が1で、その次に売上予測率が高い自販機1(売上予測率が0.6)の優先順位を2と設定する。
【0079】
図13は、各自動販売機内の商品の在庫数を示す自販機在庫数テーブルである。自販機在庫数テーブルは、クライアント端末101の記憶手段に記憶されている。自販機在庫数テーブルには、「自販機」、「在庫数」が含まれ、各自販機毎の商品の在庫数がそれぞれ記憶されている。図13に示す各自販機内の商品の在庫数は、ステップS503で登録又は更新される。
【0080】
図19は、図14に示す休日・イベントデータテーブルの各項目のデータを登録するための画面であり、クライアント端末101の表示部に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明における一実施形態のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の管理サーバ装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の機能モジュール構成を示す図である。
【図4】本実施形態の自販機から売上データを吸い上げる処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の自販機の売上データを登録する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の気象情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態のロケーション情報設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の基本処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の売上予測データ算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の優先巡回先決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の自販機データテーブルを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態のロケーション特性データテーブルの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態の自販機在庫数テーブルの一例を示す図である。
【図14】本実施形態の休日・イベントデータテーブルの一例を示す図である。
【図15】本実施形態の気象情報テーブルの一例を示す図である。
【図16】本実施形態の売上実績データテーブルの一例を示す図である。
【図17】本実施形態の自販機ごとの在庫消化率テーブルの一例を示す図である。
【図18】本実施形態のロケーション情報登録画面の一例を示す図である。
【図19】本実施形態のイベント情報登録画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
101 クライアント装置
102 プリンタ
103 OC
104 ハンディターミナル
105 ネットワーク
106 サーバ
107〜110 自動販売機
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
205 ネットワークI/F
301 売上算出部
302 消化率算出部
303 日程調整部
304 対象期間設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各自動販売機ごとに、設置場所および該設置場所における天候により該設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、
前記各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、
過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、
前記自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段と、
各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出手段と、
前記売上算出手段により算出した売上予測値と、前記売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出手段と、
前記算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について前記仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整手段と
を備えたことを特徴とする自動販売機運用支援装置。
【請求項2】
前記在庫消化率は、前記売上予測値を前記在庫数で除算して得られることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項3】
前記日程調整手段は、前記閾値よりも高い在庫消化率を有する自動販売機の補充日程を前記仮日程よりも1営業日前倒しするように調整することを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項4】
前記自動販売機毎にイベントがある日と、通常の日の売上に対する倍率とを紐付けて記憶するイベント記憶手段を更に備え、
前記売上予測値は、前記イベント記憶手段から自動販売機の仮日程の対応日がイベントのある日であるか否かを読み出して、該仮日程の対応日がイベントのある日である場合は、前記イベント記憶手段に記憶された倍率を乗算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項5】
前記ロケーション記憶手段は、更に自動販売機の設置場所が曜日により売上が変化する否かを記憶し、
前記売上予測値は、各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された曜日による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、前記仮日程に従い補充する曜日と同じ曜日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、前記仮日程に従い補充する曜日と異なる曜日における売上を用いて計算されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項6】
過去の売上データとして使用する期間を設定する設定手段
を更に備え、前記売上予測値は、前記設定手段で設定された期間の過去の売上を用いて計算されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項7】
売切れ状態にある期間に売切れでなかった場合に推定される売上を自動販売機毎に記憶する推定売上記憶手段を更に備え、
前記売上予測値は、前記設定手段で設定された期間の過去の売上期間に売切れ状態にある期間がある場合は、前記推定売上記憶手段に記憶された売上を用いて計算されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動販売機運用支援装置。
【請求項8】
各自動販売機ごとに、設置場所および該設置場所における天候により該設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、前記各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、前記自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段とを備えたコンピュータシステムにより実行される自動販売機運用支援方法であって、
各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出ステップと、
前記売上算出ステップにおいて算出した売上予測値と、前記売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出ステップと、
前記算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について前記仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整ステップと
を備えたことを特徴とする自動販売機運用支援方法。
【請求項9】
各自動販売機ごとに、設置場所および該設置場所における天候により該設置場所に設置された自動販売機の売上が変化するか否かを記憶するロケーション記憶手段と、前記各自動販売機の過去の売上および在庫数を記憶する売上記憶手段と、過去の天候および将来予測される予測天候を記憶する天候記憶手段と、前記自動販売機への補充の実績から推定される将来の補充の仮日程を記憶する仮日程記憶手段とを備えたコンピュータシステムに自動販売機運用支援方法を実行させるプログラムであって、該方法は、
各自動販売機について、前記ロケーション記憶手段に記憶された天候による売上の変化の有無を読み出し、変化の有る自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と同じ天候の日における売上を用い、変化の無い自動販売機においては、前記仮日程記憶手段に記憶する仮日程に従い補充する日の天候と異なる天候の日における売上を用い売上予測値を計算する売上算出ステップと、
前記売上算出ステップにおいて算出した売上予測値と、前記売上記憶手段に記憶された在庫数とに基づき在庫消化率を算出する消化率算出ステップと、
前記算出された在庫消化率が所定の閾値よりも高い自動販売機について前記仮日程を早めるように補充の日程を調整する日程調整ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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