説明

自動車のルーフサイド骨格フレーム

【課題】自動車のルーフサイド骨格フレームの耐荷重性能を高める。
【解決手段】レールアウター部材17の横断面形状は、上に凸の凸形状部21に形成されている。レールインナー部材18の横断面形状は、下に凸の凸形状部22に形成されている。仮想平面Sは、車幅方向Hに対する仮想平面Sの傾き角度θ1=20°でもって傾いている。仮想平面Sとルーフサイドレール16との接触点Poは、自動車の上方から垂直方向に下降する仮想平面Sが最初にルーフサイド骨格フレーム13に接触(ルーフサイド骨格フレーム13の横断面形状の外形に接触)する接触点である。矢印Qは、仮想平面Sとルーフサイドレール16との接触点Poに加わる荷重を表し、矢印Qの方向は、仮想平面Sと直交する直交線Toの方向である。直交線Toは、面積重心Coよりも車幅方向Hの外側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のルーフサイドレールからフロントピラーに至る自動車のルーフサイド骨格フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車では、乗員が搭乗する車室が、フロントピラーやセンターピラーなど上下に延びる部材、ロッカーやルーフサイドレールなど車両前後に延びる部材、クロスメンバーやルーフセンターリンフォースなど車幅方向に延びる部材、等の骨格をなす部材より形成されている。これらの部材には、例えばルーフサイドレールの一例として特許文献1のようにルーフサイドアウターに対し、ルーフサイドリンフォースの断面形状をできるだけ大きくするような構造が採用され、車両外部より荷重が作用した場合にも、車室内側への変形を抑制できるような強度が与えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−72589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両外部より車体に荷重が加わる一形態として、ロールオーバー(車両の横転)がある。横転時には、横転時の運動エネルギーによる力と、車両の自重とが骨格フレームであるルーフサイドレールに作用する。
【0005】
横転時の荷重の向きは、車両形状、横転時の運転状態、時間経過により変化するが、その中で、実社会における事故後の車両状態を検証することで車両が変形しやすい条件を想定し、標準的なモデルケースとして、以下のような模擬試験が定められている。
【0006】
模擬試験は、車両上方より、平板状のデバイスを車両に対して傾斜させるとともに、平板状のデバイスに垂直な直線を軸として車両に向けて降下させ、ルーフサイドレールの耐荷重を計るものである。デバイスの傾斜は、車両正面視で20°車両外側が下がり、車両側面視で5°車両前方側が下がるように設定されている。
【0007】
図5に示すように、上記条件下における従来構造では、デバイス平面Sとルーフサイドレール1の骨格フレームをなすルーフサイドリンフォース2との接触点に矢印Qの荷重(以下においては荷重Qと記す)が加わった場合、以下に示す2つのモーメントが発生する。
【0008】
一つ目のモーメントは、図1(a)に示す自動車10のベルトラインL1上のフロントピラー11の位置110と、センターピラー12の上端の位置120とを結ぶ直線L2を中心とした荷重モーメントM2である。通常、車両正面視におけるベルトラインL1より上部は、ベルトラインL1を底辺とした台形形状となる場合が多い。そのため、直線L2は、図5においては面積重心Cよりも下方で車両外側に位置している。よって、荷重モーメントM2は、直線L2を中心にした右回りのモーメントとなり、ルーフサイドリンフォース2を車内R側へ付勢する作用をもたらす。
【0009】
荷重Qによって発生する二つ目のモーメントは、ルーフサイドリンフォース2の横断面形状の面積重心Cを中心にしたモーメントM1である。図5に示す従来構造では、接触点に加わる荷重Qの方向が面積重心Cに対し車内R側に向いているため、荷重モーメントM1は、右回りのモーメントとなる。
【0010】
上記の面積重心Cを中心にした右回りの荷重モーメントM1と、直線L2を中心にした右回りの荷重モーメントM2とによって、ルーフサイドリンフォース2が車内側に倒れこむように変形する。この変形量をより小さな値に留める為には、例えば、ルーフサイドリンフォース2に用いる鋼板の板厚を厚くし、ルーフサイドリンフォース2全体の強度を上げることが考えられる。しかしながら、板厚の増加は、車両の重量増となり、省燃費が求められる近年の社会的要請上、好ましくない。
【0011】
本発明は、ルーフサイドに配置されるルーフサイド骨格フレームの板厚を厚くすること無く、ルーフサイド骨格フレームの変形を抑制することが出来る構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、自動車のルーフサイドレールからフロントピラーに至るルーフサイド骨格フレームを対象とし、請求項1の発明では、自動車の上方から垂直方向に下降する仮想平面を第1仮想平面、前記ルーフサイド骨格フレームを車幅方向に横断する仮想平面を第2仮想平面とし、前記第1仮想平面が前記第2仮想平面内で車幅方向に対して交差する角度θ1を20°以下、且つ車幅方向の外側へ向かうにつれて低くなるとした場合、前記第2仮想平面内における前記ルーフサイド骨格フレームの横断面形状は、下降する前記第1仮想平面が最初に前記横断面形状の外形に接触する接触点を通り、且つ前記第1仮想平面と直交する方向の直交線が前記横断面形状の面積重心よりも車幅方向の外側にあるように形成された形状である。
【0013】
前記のように、模擬試験の条件下で、直線L2を中心にした右回りの荷重モーメントM2は、通常の車両の形状ではルーフサイド骨格フレームを車室内側に倒れこむように変形させる力となる。本発明は、面積重心Cを中心にした右回りの荷重モーメントM1の向きを荷重モーメントM2と逆向きになるようにルーフサイド骨格フレームの形状を設定し、両モーメントを相殺することでルーフサイド骨格フレームの変形を抑制する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ルーフサイドに配置されるルーフサイド骨格フレームの板厚を厚くすること無く、自動車のルーフサイド骨格フレームの変形を抑制することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態を示し、(a)は、自動車の側面図。(b)は、図1(a)のA−A線断面図。
【図2】図1(b)のB−B線断面図。
【図3】図1(b)のC−C線断面図。
【図4】図1(b)のD−D線断面図。
【図5】従来のルーフサイドレールの横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1(a)は、自動車10の右側面を示すが、自動車10の左側面におけるルーフサイド骨格フレームは、右側面におけるルーフサイド骨格フレーム13と同じ構成である。そこで、以下においては、自動車10の右側面の構成についてのみ説明する。
【0017】
図1(b)に示すように、フロントピラー11は、車外側のフロントピラーアウター部材14と車内R側のフロントピラーインナー部材15とを接合して構成されている。センターピラー12は、ルーフサイド骨格フレーム13のアウター部材であるセンターピラーアウター部材122と、ルーフサイド骨格フレーム13のインナー部材であるセンターピラーインナー部材121とを接合して構成されている。
【0018】
フロントピラー11と共にルーフサイド骨格フレーム13を構成するルーフサイドレール16は、車外側のレールアウター部材17と車内R側のレールインナー部材18とを接合して構成されている。ルーフサイド骨格フレーム13のアウター部材であるレールアウター部材17とフロントピラーアウター部材14とは、曲線形状に連結されている。ルーフサイド骨格フレーム13のインナー部材であるレールインナー部材18とフロントピラーインナー部材15とは、曲線形状に連結されている。ルーフサイド骨格フレーム13のアウター部材であるセンターピラーアウター部材122は、レールアウター部材17に接続されている。ルーフサイド骨格フレーム13のインナー部材であるセンターピラーインナー部材121は、レールインナー部材18に接続されている。
【0019】
図3は、フロントピラー11上部におけるルーフサイドレールとの接合部付近の断面図である。図3に示すように、フロントピラーアウター部材14の横断面形状は、上に凸の凸形状部19を有するように形成されている。凸形状部19は、上壁部191と、上壁部191の一側縁に接続する平板形状の側壁部192と、上壁部191の他側縁に接続する平板形状の側壁部193とから構成されている。
【0020】
フロントピラーインナー部材15の横断面形状は、下に凸の凸形状部20を有するように形成されている。凸形状部20は、下壁部201と、下壁部201の一側縁に接続する側壁部202と、下壁部201の他側縁に接続する側壁部203とから構成されている。上壁部191と下壁部201とは、両者間に空隙を形成するように対向している。
【0021】
図3における紙面となる仮想平面CC〔図1(b)におけるC−C線断面〕上において、凸形状部19の上壁部191と側壁部192との接続部194の高さ位置は、上壁部191と側壁部193との接続部195の高さ位置よりも下にある。第2仮想平面としての仮想平面CC上において、接続部194の高さ位置は、凸形状部20の下壁部201と側壁部203との接続部204の高さ位置よりも上にある。仮想平面CC上において、下壁部201と側壁部202との接続部205の高さ位置は、下壁部201と側壁部203との接続部204の高さ位置よりも下にある。
【0022】
仮想平面CC上において、側壁部192の基端と接続部194とを結ぶ直線は、車幅方向Hに対して鈍角で車外側に傾いており、側壁部193の基端と接続部195とを結ぶ直線は、車幅方向Hに対して鈍角で車外側に傾いている。仮想平面CC上において、接続部194と接続部205との間の距離D1は、接続部195と接続部204との間の距離D2よりも長くしてある。又、側壁部192の基端と接続部194との間の距離(仮想平面CC上における側壁部192の長さ)D11は、側壁部193の基端と接続部195との間の距離(仮想平面CC上における側壁部193の長さ)D21よりも長くしてある。
【0023】
図2に示すように、レールアウター部材17の横断面形状は、上に凸の凸形状部21を有するに形成されている。凸形状部21は、上壁部211と、上壁部211の一側縁に接続する平板形状の側壁部212と、上壁部211の他側縁に接続する平板形状の側壁部213とから構成されている。
【0024】
レールインナー部材18の横断面形状は、下に凸の凸形状部22を有するように形成されている。凸形状部22は、下壁部221と、下壁部221の一側縁に接続する側壁部222と、下壁部221の他側縁に接続する側壁部223とから構成されている。上壁部211と下壁部221とは、両者間に空隙を形成するように対向している。
【0025】
図2における紙面となる仮想平面BB〔図1(b)におけるB−B線断面〕上において、凸形状部21の上壁部211と側壁部212との接続部214の高さ位置は、上壁部211と側壁部213との接続部215の高さ位置よりも下にある。第2仮想平面としての仮想平面BB上において、接続部214の高さ位置は、凸形状部22の下壁部221と側壁部223との接続部224の高さ位置よりも上にある。仮想平面BB上において、凸形状部22の下壁部221と側壁部222との接続部225の高さ位置は、下壁部201と側壁部203との接続部224の高さ位置よりも下にある。
【0026】
仮想平面BB上において、側壁部212の基端と接続部214とを結ぶ直線は、車幅方向Hに対して鈍角で車外側に傾いており、側壁部213の基端と接続部215とを結ぶ直線は、車幅方向Hに対して鈍角で車外側に傾いている。仮想平面BB上において、接続部214と接続部225との間の距離D3は、接続部215と接続部224との間の距離D4よりも長くしてある。又、側壁部212の基端と接続部214との間の距離(仮想平面BB上における側壁部212の長さ)D31は、側壁部213の基端と接続部215との間の距離(仮想平面CC上における側壁部213の長さ)D41よりも長くしてある。
【0027】
図3に示すように、フロントピラーアウター部材14は、サイドアウターパネル23によって被覆されている。
図4に示すように、レールアウター部材17は、サイドアウターパネル23によって被覆されており、サイドアウターパネル23の側縁部にはルーフパネル24が接続されている。
【0028】
図3に示すように、仮想平面CC上において、フロントピラー11の横断面形状〔合わせられた凸形状部19,20の外形〕Vの面積重心C1は、直線L2の上方にある。
図2に示すように、仮想平面BB上において、ルーフサイドレール16の横断面形状〔合わせられた凸形状部21,22の外形〕Wの面積重心Coは、直線L2の上方にある。
【0029】
図2に示す仮想平面Sは、車両が横転したと仮定したときの接地面を表している。自動車10の上方から垂直方向に下降する第1仮想平面としての仮想平面Sは、車内R側から車外側へ向かう(車幅方向Hの外側へ向かう)につれて低くなる。角度θ1は、仮想平面BB上において車幅方向Hに対する仮想平面Sの傾き角を表しており、傾き角度θ1は、例えば20°である。図1(a)に示す仮想平面Sの角度θ2は、自動車10の前後方向と上下方向とに平行な垂直面〔図1(a)における紙面〕内で車幅方向Hに対する傾き角を表している。傾き角度θ2は、例えば5°である。仮想平面Sの傾き角度θ1=20°及び傾き角度θ2=5°は、横転模擬試験において一般的に採用される角度である。
【0030】
図2に示すように、仮想平面Sとルーフサイドレール16との接触点Poは、自動車10の上方から垂直方向に下降する仮想平面Sが最初にルーフサイド骨格フレーム13に接触(ルーフサイド骨格フレーム13の横断面形状の外形に接触)する接触点である。本実施形態では、仮想平面Sは、センターピラー12とルーフサイドレール16との接続部よりも前側におけるルーフサイドレール16の横断面形状Wの外形(凸形状部21と凸形状部22とによって形成される横断面形状Wの外形)に最初に接触する。接触点Poは、凸形状部21の接続部214上にある。
【0031】
図2に示す矢印Qは、仮想平面Sとルーフサイドレール16との接触点Poに加わる荷重を表し、矢印Qの方向は、仮想平面Sと直交する直交線Toの方向である。以下においては、矢印Qの方向の荷重を荷重Qと記す。直交線Toは、面積重心Coよりも車幅方向Hの外側にある。
【0032】
荷重Qは、図1(a)に示す自動車10のベルトラインL1上のフロントピラー11の位置110と、センターピラー12の上端の位置120とを結ぶ直線L2を中心とした荷重モーメントM2をもたらす。直線L2は、図2においては面積重心Coよりも下方に位置しており、直線L2を中心にした荷重モーメントM2〔図2においては右回りのモーメント〕は、ルーフサイドレール16を車内R側へ付勢する作用をもたらす。
【0033】
又、荷重Qは、ルーフサイドレール16の横断面形状Wの面積重心Coを中心にした荷重モーメントMo〔図2においては左回りのモーメント〕をもたらす。この荷重モーメントMoは、荷重モーメントM2に対抗する。
【0034】
図3に示すように、仮に、仮想平面Sがフロントピラー11のフロントピラーアウター部材14に接触したとする。この場合の仮想平面Sとフロントピラーアウター部材14との接触点P1を通る直交線T1は、横断面形状Vの面積重心C1よりも車幅方向Hの外側にある。
【0035】
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)面積重心Coを中心にした荷重モーメントMoは、ルーフサイド骨格フレーム13の一部であるルーフサイドレール16を車外側へ回転させる作用をもたらす。この作用は、ルーフサイド骨格フレーム13の一部であるルーフサイドレール16を車内R側へ付勢する荷重モーメントM2の作用に対抗するため、ルーフサイド骨格フレーム13の変形が抑制される。
【0036】
(2)ルーフサイドレール16の接続部214の高さ位置を接続部224の高さ位置よりも高くした構成は、ルーフサイドレール16の横断面形状Wを強度的に優れた三角形状に近づけ、且つ仮想平面Sを接続部214に最初に接触させる上で、好適である。
【0037】
(3)傾き角度θ2を5°よりも大きくしてゆくと、仮想平面Sが最初に接触する接触対象は、フロントピラー11になることもある。フロントピラー11の接続部194の高さ位置を接続部204の高さ位置よりも高くした構成は、フロントピラー11の横断面形状Vを強度的に優れた三角形状に近づけ、且つ仮想平面Sを接続部194に最初に接触させる上で、好適である。
【0038】
(4)ルーフサイドレール16の接続部214,225間の距離D3を接続部215,224間の距離D4よりも長くした構成は、ルーフサイドレール16の横断面形状Wを強度的に優れた三角形状に近づけ、且つ仮想平面Sを接続部214に最初に接触させる上で、好適である。
【0039】
(5)フロントピラー11の接続部194,205間の距離D1を接続部195,204間の距離D2よりも長くした構成は、フロントピラー11の横断面形状Vを強度的に優れた三角形状に近づける上で、好適である。又、仮想平面Sが最初にフロントピラー11に接触する場合には、接続部194,205間の距離D1を接続部195,204間の距離D2よりも長くした構成は、仮想平面Sを接続部194に最初に接触させる上で、好適である。
【0040】
(6)仮想平面BB上における側壁部212の長さD31を仮想平面CC上における側壁部213の長さD41よりも長くした構成は、ルーフサイドレール16の横断面形状Wを強度的に優れた三角形状に近づけ、且つ仮想平面Sを接続部214に最初に接触させる上で、好適である。
【0041】
(7)仮想平面CC上における側壁部192の長さD11を仮想平面BB上における側壁部193の長さD21よりも長くした構成は、フロントピラー11の横断面形状を強度的に優れた三角形状に近づける上で、好適である。又、仮想平面Sが最初にフロントピラー11に接触する場合には、長さD11を長さD21よりも長くした構成は、仮想平面Sを接続部194に最初に接触させる上で、好適である。
【0042】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○前記した実施形態において、凸形状部21の側壁部213を無くしてもよい。
○前記した実施形態において、凸形状部19の側壁部193を無くしてもよい。
【0043】
○前記した実施形態において、凸形状部22の側壁部222,223の少なくとも一方を無くしてもよい。
○前記した実施形態において、凸形状部20の側壁部202,203の少なくとも一方を無くしてもよい。
【0044】
○ルーフサイドレール16の凸形状部21の横断面形状が曲線であってもよい。
○ルーフサイドレール16の凸形状部22の横断面形状が曲線であってもよい。
○フロントピラー11の凸形状部21の横断面形状が曲線であってもよい。
【0045】
○フロントピラー11の凸形状部22の横断面形状が曲線であってもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
(イ)前記接触点は、自動車のセンターピラーより前側の前記ルーフサイドレール上にある請求項1に記載の自動車のルーフサイド骨格フレーム。
【0046】
(ロ)前記ルーフサイド骨格フレームは、アウター部材とインナー部材とを結合して構成されており、前記接触点は、前記アウター部材上にある請求項1、前記(イ)項のいずれか1項に記載の自動車のルーフサイド骨格フレーム。
【0047】
(ハ)前記ルーフサイド骨格フレームのアウター部材は、上壁部と一対の側壁部とを備えており、前記上壁部と前記一対の側壁部とは、上に凸の凸形状部を構成する請求項1、前記(イ),(ロ)項のいずれか1項に記載の自動車のルーフサイド骨格フレーム。
【0048】
(ニ)前記ルーフサイド骨格フレームのインナー部材は、下壁部と一対の側壁部とを備えており、前記下壁部と前記一対の側壁部とは、下に凸の凸形状部を構成する請求項1、前記(イ),(ロ),(ハ)項のいずれか1項に記載の自動車のルーフサイド骨格フレーム。
【0049】
(ホ)角度θ1は20°である請求項1、前記(イ),(ロ),(ハ),(ニ)項のいずれか1項に記載の自動車のルーフサイド骨格フレーム。
【符号の説明】
【0050】
10…自動車。11…フロントピラー。13…ルーフサイド骨格フレーム。16…ルーフサイドレール。S…第1仮想平面である仮想平面。BB,CC…第2仮想平面である仮想平面。H…車幅方向。V…横断面形状。W…横断面形状。Po,P1…接触点。To,T1…直交線。Co,C1…面積重心。θ1…傾き角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のルーフサイドレールからフロントピラーに至るルーフサイド骨格フレームにおいて、
自動車の上方から垂直方向に下降する仮想平面を第1仮想平面、前記ルーフサイド骨格フレームを車幅方向に横断する仮想平面を第2仮想平面とし、前記第1仮想平面が前記第2仮想平面内で車幅方向に対して交差する角度θ1を20°以下、且つ車幅方向の外側へ向かうにつれて低くなるとした場合、
前記第2仮想平面内における前記ルーフサイド骨格フレームの横断面形状は、下降する前記第1仮想平面が最初に前記横断面形状の外形に接触する接触点を通り、且つ前記第1仮想平面と直交する方向の直交線が前記横断面形状の面積重心よりも車幅方向の外側にあるように形成された形状である自動車のルーフサイド骨格フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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