説明

自動車の構造

【課題】バイクなどの小型車両と自動車と接触した場合に、被害を最小限に抑えることができる。
【解決手段】自動車の一部に、車体の表面よりも突出した状態でクッション材を取付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の構造に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
自動車が走行している場合に、バイクやスクーター、自転車、あるいは電動歩行器のような小型車両が接近してくるときわめて危険である。
特に、小型車両が一定の範囲に入るとバックミラーに写らなくなってしまい、運転者がその存在に気がつかずにハンドルを切った場合に自動車の側面で小型車両を跳ね飛ばしてしまう可能性もある。
さらに頻繁に左右に移動するような小型車両の存在を気にしていると、本来の運転に支障をきたし、その結果、事故を招くという可能性もある。
自動車の側から見ると小型車両が危険なほど接近していても、小型車両の運転者の方ではさほど気にせずに運転している場合もあり、自動車がなんらかの原因で急にブレーキをかけたりハンドルを切ると、接近しすぎていた小型車両が自動車に激突するという事故も発生する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記のような従来の装置の課題を解決した本発明は、自動車の少なくとも側面に、車体表面から外部に突出する状態で、衝撃の吸収性能の高い材料よりなるクッション材を取り付けて構成した自動車の構造を特徴としたものである。
【発明の効果】
【0004】
本発明の自動車の構造は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> バイクなどの小型車両が万一自動車に接触した場合にも、激しい衝突の衝撃を吸収して小型車両の運転者に進路を復元するチャンスを与えることができる。
<2> 特にバックミラーに写らない範囲に接近してきた小型車両に対しては、自動車側の運転者の注意には限度があるが、小型車両が接触してもその運転者に危害を与えにくく安全である。
<3> 接近してきた小型車両に対して自動車の運転者がクラクションを鳴らすと、小型車両の運転者に心理的な反発を感じさせ、それがもとで争いや傷害事件も発生している。しかし万一、小型車両が接触してもその運転者に危害を与えにくい、という安心感があれば、頻繁にクラクションを鳴らす必要がなく、自動車側の運転者は安心して運転を続けることができる。
<4> 小型車両が接近していることが分かっていても、自動車の運転者は急にブレーキをかけたりハンドルを切らざるを得ない場合がある。その場合でも小型車両と自動車が強い衝撃で衝突することがなく、小型車両の運転者に進路を修正させることもできるから、安全な交通を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下図面を参照しながら本発明の自動車の構造の実施例を説明する。
【実施例】
【0006】
<1>全体の構成。
本発明の自動車の構造は、自動車1に取り付けたクッション材3によって構成する。
【0007】
<2>クッション材3。
クッション材3は、衝撃の吸収性能の高い材料によって構成する。
例えばゴムタイヤのような空気袋の外周を弾性材で被覆したような部材で構成する。
あるいはウレタンやスポンジ、ゴム板の積み重ねなどを採用することもできる。
クッション材3はブロック状のものでも、あるいは長さのある棒状のものでも採用することができる。
【0008】
<3>クッション材の取付け。
自動車1の少なくとも側面に、上記のクッション材3を取付ける。
自動車1の側面以外にも後部、あるいは前部に取付けることもできる。
あるいは図3に示すように側面と後部とのコーナーに取付けることもできる。
また自動車1の一部に取付けたり、周囲全部を取り囲むような状態で取付けることもできる。
クッション材3は、平面的に見て、図2、図3に示すように自動車1の車体表面から外部に突出する状態で取り付ける必要がある。
【0009】
<4>クッション材3の取り付け高さ。
クッション材3は、あまり高い位置に取付けても、あるいは低い位置に取付けても目的を達成できない。
適切な取付け位置としては、一般の自動二輪車のタイヤの最上部の高さよりも低い位置に取付ける。
すると、小型車両2の中でもっとも一般的な自動二輪車のタイヤが自動車1に触れた場合に衝撃を吸収し、同時に小型車両2の車輪の進行方向を修正するように、やわらかく押し出すこともできる。
【0010】
<5>クッション材3の効用。
自動車1と小型車両2の事故としては、自動車1の運転中に小型車両2が接近してきて誤って接触した場合と、自動車1の運転者がやむを得ず急ブレーキをかけたり、急にハンドルを切ったために小型車両2と接触したという二種類の場合が考えられる。
いずれの場合でも本発明の自動車1の場合には少なくともその側面にクッション材3が取付けてあるので、自動車1と小型車両2の接触位置では両者の間にクッション材3が介在することになる。
その場合にクッション材3は衝撃を吸収できる程度の弾性を備えているから、両者が接触しても自動車1と小型車両2が激しい衝撃のもとに衝突することを避けることができる。
さらに、クッション材3が両者の衝撃を柔軟に吸収するから、小型車両2の運転者は自動車1に接触したタイヤの方向を柔らかく押し戻され、進行方向を修正して転倒を避けることもできる。
このように本発明の自動車1においては、自動車1と小型車両2の接触事故の被害を最小限に抑制することができるものである。
また、小型車両2ではなく、一般の自動車に対しても本発明の構造は効果を期待することができる。
例えば雪道などの滑りやすい状況下で低速運転している場合、あるいは駐車場で低速で移動している場合などは、本発明の自動車1と他の自動車との接触や軽い衝突に際しても被害や車体へ与える損傷を最小限にとどめることができる。
さらに低速の運転下で横滑りして歩行者に接触したような場合、駐車場でバックしていて隣の自動車に接触したような場合、その被害を最小限に抑えることができる。
さらにこのクッション材3を膨張した状態で混雑した道路を走行していることによって、周囲の車両に多少の距離を開けるように無言の意思表示を行うことができる。
【0011】
<6>クッション材の膨張。
クッション材3は常時、膨張した状態を維持しておく構成だけではなく、通常は収縮させておくタイプを採用することもできる。
その場合には、小型車両2の接近状況をバックミラー、サイドミラーなどで察知した運転者が自動車内部において起動ボタンを押す。
するとこの信号によって、車内に搭載したエアタンクから圧縮空気をクッション材3の内部へ急激に供給することができる。
急激に圧縮空気を供給してクッション材3を膨張させることによって、万一、小型車両2が自動車1に接触した場合にも大きな被害を与えることを避けることができる。
クッション材3を膨張しておく必要がなくなったら、終了ボタンを押すことによって強制的に排気してクッション材3を目立たない程度に縮小させることもできる。
【0012】
<7>センサーとの組み合わせ。
車体の一部にセンサー4を取り付け、このセンサー4からの信号によって圧縮空気を供給してクッション材3を膨張させる構成を採用することもできる。
センサーは市販のアクティブ型、パッシブ型の各種のものを採用することができる。
その実施例の場合にも通常はクッション材3を収縮しておく。
そして小型車両2が一定の距離以内に接近してきた場合に、センサー4が検知し、センサー4からの信号によってクッション材3の内部に急激に圧縮空気を供給する。
圧縮空気は自動車1の走行中にエアタンクなどに蓄積しておく。
急激に圧縮空気を供給してクッション材3を膨張させることによって、万一、小型車両2が自動車1に接触した場合にも大きな被害を与えることを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の自動車の構造の実施例の側面からの説明図。
【図2】自動車と小型車両の位置関係の平面からの説明図。
【図3】クッション材を自動車の角部に取り付けた実施例の平面図。
【図4】センサーが検知してクッション材を膨張させる実施例についての平面図。
【符号の説明】
【0014】
1:自動車
2:小型車両
3:クッション材
4:センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の少なくとも側面に、
車体表面から外部に突出する状態で、
衝撃の吸収性能の高い材料よりなるクッション材を取り付けて構成した、
自動車の構造。
【請求項2】
自動車の少なくとも側面に、
車体表面から外部に突出する状態で、
衝撃の吸収性能の高い材料よりなるクッション材を取り付け、
自動車内部からの信号によって、
クッション材内に圧縮空気を供給しうるように構成した、
自動車の構造。
【請求項3】
自動車の少なくとも側面に、
車体表面から外部に突出する状態で、
衝撃の吸収性能の高い材料よりなるクッション材を取り付け、
自動車に取り付けたセンサーからの信号によって、
クッション材内に圧縮空気を供給しうるように構成した、
自動車の構造。
【請求項4】
クッション材は、
自動車の側面と後部との一部または全部に取付けた、
請求項1、2、3記載の、自動車の構造。
【請求項5】
クッション材は、
自動車のタイヤのような空気袋である、
請求項1、2、3記載の、自動車の構造。
【請求項6】
クッション材は、
一般の自動二輪車のタイヤの最上部の高さよりも低い位置に取付けて構成した、
請求項1、2、3記載の、自動車の構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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