自動車リチウムイオン電池システムにおける回転式高電圧接触器用の2重双極性磁界
【課題】自動車の電池システムの継電器および関連したスイッチを動作させるための装置および方法を提供すること。
【解決手段】磁界を、磁界を生成している磁石の間に配置された接触板を流れる電流の方向とそろえることにより、生成されるローレンツ力が、継電器を開くシーケンスを通じてアーク消滅を促進する一方で、同時に、ローレンツ力が、ソレノイドまたは他のスイッチを作動させる機構の動作を妨害する傾向を低減するように用いられ得る。接触板と電流搬送端子の間の接触を確立するために、回転ベースの機構を使用することにより、継電器が意図せず開く可能性が低減される。このような装置および方法は、ハイブリッドエンジン車両および電動車両とともに使用され得る。
【解決手段】磁界を、磁界を生成している磁石の間に配置された接触板を流れる電流の方向とそろえることにより、生成されるローレンツ力が、継電器を開くシーケンスを通じてアーク消滅を促進する一方で、同時に、ローレンツ力が、ソレノイドまたは他のスイッチを作動させる機構の動作を妨害する傾向を低減するように用いられ得る。接触板と電流搬送端子の間の接触を確立するために、回転ベースの機構を使用することにより、継電器が意図せず開く可能性が低減される。このような装置および方法は、ハイブリッドエンジン車両および電動車両とともに使用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年1月14日の出願の米国仮出願第61/432,811号の利益を主張するものである。
[0001]本発明は、一般に、ソレノイドベースの回転式接触板上に形成されるローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関し、より詳細には、接触板が開かれるかまたは消勢されたとき、アーク消滅機能を維持する一方でローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ソレノイドは、継電器、スイッチおよび関連する電気回路の接点を開閉するのにしばしば使用される。さらに、ソレノイドは、一般に直線状の構成または回転式の構成でよい。いずれの構成でも、高電圧接触器は、端子間の電気回路を完成するために、接触板を1対の静止した電流搬送端子と選択的に接続させるように移動するのにソレノイドを使用する。この接点は、ソレノイドが消勢されると開き、ソレノイドが励磁されると閉じる(すなわち完成する)。回転式ソレノイドに関連した特定の構成では、ソレノイドの励磁/消勢次第で、ソレノイドのプランジャまたは軸が時計回りまたは反時計回りに回転する。プランジャに取り付いている接触板は、同様に、ソレノイドが励磁された状態では、接触板が2つの端子間の回路を閉じ、一方ソレノイドが消勢された状態では、接触板が2つの端子間の回路を開くように回転することになる。
【0003】
[0003]高電圧および大電流の存在が、分離直後に接触板と端子の間にアーク発生をもたらす可能性がある。アークによって生成される電力は、電気的に強化されていない可能性がある近くの素子に吸収される(または同素子に対して作用する)傾向があるので、このようなアーク発生は特に大電流の動作モードでは望ましくない。
【0004】
[0004]アークを低減するかまたは消滅させる試みは、アーク形成の期間中、エネルギーのいくらかを吸収することによってアークを抑止する機能を生じさせる誘電体ガスで満たされたチャンバの内部に接触板および端子を密封することを含んでいる。このような構成は、実装を縮小し、何らかのレベルの環境に左右されない使用法をもたらす。この利点にもかかわらず、このような解決策は、装置の原価および複雑さにおいて不都合がある。
【0005】
[0005]別の試みでは、磁界に露出した端子または他の電流搬送部材に作用するローレンツ力をうまく利用するように、追加の磁石対が接触板と端子の対向する面に設置されている。本来のローレンツ力は、接触板において回路が開かれた直後の瞬間に、アーク消去を促進するように、アークの極性を利用してより大きな領域にアークを広げることにより用いられ得る。このような手法は、一般に、アークを消すのを支援するのに十分である。残念ながら、追加の磁石によって生成されるローレンツ力も、通常の閉回路動作の期間中、近くの接触板上に与えられる。この力(一般に、接触板を通る電流の流れに対する磁石の配向により、端子から接触板の早すぎる分離を促進する可能性がある方向の力)が、一般にソレノイドの動作、特に接触板の動作を妨害する可能性があるので、ソレノイドの動作が改善され得るやり方がある。
【0006】
[0006]リチウムイオン電池は、自動車用途に対して、部分的(ハイブリッドシステムの場合)または全体的(全電気式システムの場合)に動力を供給するのに用いられている。電動機に電力を供給し、その結果として1組の車輪に推進力を供給することができるには、電圧および電流の一方または両方のかなりのレベルが必要である。このような電池システムによって利用される高レベルの電力は、補正されなければ、継電器および関連したスイッチの動作を通じて顕著なアークをもたらす。何らかの形の磁石ベースのアーク消滅機能(上記で論じられたものなど)を利用するシステムでは、磁界によって誘起されるローレンツ力が、接触板および従来型の継電器の接点および関連したスイッチ組立体を、それらが設計されたものとは異なる度合いに(または異なる時間に)それらを移動させることにより、妨げになるほど十分に大きい。具体的には、下方に向けられたローレンツ力が、ソレノイドのプランジャ上に誘起される磁力によって確立されるバイアスに打ち勝つ可能性があり、その結果として意図せず接点が開き、追加の磁石によって回避しようとしていたアークの形成を引き起こす恐れがある。このように接触板が不時に開くと、電池式自動車の推進システムの動作に有害な影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の第1の態様によれば、切換え組立体が開示される。現在の状況では、切換え組立体は、電気回路の選択的開閉を可能にする構成要素の配置に対応する。そのため、切換え回路を通過する電流は、2次電気回路の電源を入れたり切ったりするのに用いられ得る。一例では、このような2次回路は、1つまたは複数の電池(リチウムイオン電池など)から、自動車、トラックまたは関連した車両もしくは原動力の用途に推進力を供給することができる電動機または他の装置に電流を配送するように構成された作業遂行回路であり得る。特定の形態では、本発明の切換え組立体は、継電器、スイッチまたは関連した回路の開閉機構として構成されてよい。継電器、スイッチまたは関連したソレノイドベースの装置に使用される追加の磁石は、磁界と電流の相互作用によって生成されるローレンツ力の大きさを低減する一方で、消勢された接点に関連するアーク発生を同時に低減するために、端子および接触板を通って流れる電流の方向と併せて配置され得る。この後者の特徴は、接点が部分的に開く可能性の低減を伴って、1つの端子からもう一方の端子への電流経路のより高い安定性を促進する。換言すれば、接触板上のローレンツ力が最小化されるので、このような力によって端子から接点が意図せず分離される可能性が低下する。
【0008】
[0008]ソレノイド、接触板および端子の間の接続の回転式の性質は、より速い分離を保証し、これは、その結果として、接触板と端子の分離期間中に生成されるアークの、より速い消去をもたらす。さらに、ソレノイドと接触板の間の接続の回転式の性質は、より強い結合の可能性と、リチウムイオン電池システムに見られるものなどの高電圧接触器向け装置の頑健性の付随する増加とを促進する。例えば、直線状ソレノイド(軸が、比較的小さなボール形の領域を通して接触板と相互作用する)とは異なって、回転式設計は、より丈夫な構造を促進する、接続の大きな領域を可能にすることができる。
【0009】
[0009]前述のように、この設計の利点の1つに、大電流パルスの期間中、接触板と端子の間の接触がローレンツ力によって意図せず開くのを防止することがある。このような防止は、以下に示して説明されるように、追加の(すなわちアーク消滅またはアーク遮断の)磁石が、電流と磁界が平行になるように設置される状況で明らかになる。理論上、電流の流れと磁界のこの平行な配置は、接触板上のローレンツ力の完全な消去と一致する。重要なことには、接触板上のこの力が、端子と接触板の間の接続の辺りの領域に対するローレンツ力のアーク遮断効果と全く関係がないので、その位置における電流が磁界と平行ではなく直交であるため、このようなアーク遮断力が依然として存在する。
【0010】
[0010]本発明による回転式設計は、変形形態を同様に有することができる。一変形形態では、追加の磁石は、それらの間に生成される磁界が、接続されている端子を通って流れる電流に対して平行になるように設置されるのでなく、磁界が、端子を通って流れる電流に対して直交方向に向けられるように、端子の両端に設置されてよい。直線的に作動される接触板構成(すなわちソレノイドからのプランジャが、ソレノイドのコイルを通って与えられる電流の力の下で移動する)では、磁界と端子を通って流れる電流との間のこのような直交性により、誘起された力によって、通常動作中に接触板と端子の間の接触が意図せず開く可能性があるので、上記で論じられたローレンツ力問題を促進する恐れがある。本発明の一変形形態では、このような直交性が存在するとき、ローレンツ力が生成されるものの、接触箇所が、誘起された力によって影響を受けない方向に配向されるので、上記で論じられた接触が開く問題を回避する。設計のこの変形形態では、追加磁石の構成は、以前の設計に全体的に類似したやり方で所定の位置に残されてよいが、回転式接触および接触板の性質のために、ローレンツ力(前節で論じられた設計と同様に、除去されていない)は、大電流が流れる期間中動作を妨害しがたくなる一方で、接点の開閉事象を通じて、追加磁石のアーク消滅機能を維持する。
【0011】
[0011]任意選択で、磁石は、接触板上へのローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、複数の磁石によって生成される磁界が電流の方向と全体的に平行な方向に広がるように配置されてよい。別の選択肢では、複数の磁石によって生成される磁界は、生成されるローレンツ力が、接触板に対して、接触板が複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に作用するように、電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる。例えば、切換え組立体の配向は、閉回路を通って電流が流れる通常動作中に生成されるローレンツ力が、接触板に対して全体的に下方へ与えられるものでよく、一方、接触板の移動方向が、生成されたローレンツ力の面外の全体的に円形の経路を画定し、このようにして、ローレンツ力は、接触板の動きを促進するかあるいは抑止することになるものは何ももたらさない。より詳細な形では、接触板が複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向とは、プランジャの回転運動によって形成される軸に実質的に沿って広がるものである。
【0012】
[0012]上記の任意選択の構成のそれぞれに、それ自体の利点がある。第1の実施形態は、電流と磁界を全体的に並べることにより、ローレンツ力の生成が成長を妨げられるという点で有効である。したがって、磁界を、磁界を生成している磁石の間に配置された接触板の電流の方向(または電流の反対方向)とそろえることにより、ローレンツ力が、通常の(すなわち中断のない)電流の流れを通じて、ソレノイドまたは他のスイッチ作動機構の動作を妨害する傾向が排除され、同時に、継電器を開くシーケンス(電流が、閉回路動作ルーチンの期間中の電流の流れと同様に、磁界に対して垂直な方向に進む)を通じてアーク消滅を促進するのに用いられるローレンツ力を維持する。第2の実施形態は、(電流と磁界の全体的に直交の配向によって)ローレンツ力を所定の位置に残すように配向されるが、効果的に空間を節約する(すなわち正方形の)構成にパッケージ化される可能性がより高い。そのため、用いられる構成は、特定の構成が設置される自動車または関連したシステムの要求に左右されることになる。
【0013】
[0013]本発明の別の態様によれば、車両の推進システムが開示される。このシステムは、多数の電池、原動力、および電池から原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体を含む。切換え組立体は実質的に前述のもののようなソレノイドを含む。
【0014】
[0014]任意選択の一形態では、多数の電池はリチウムイオン電池である。別の好ましい形態では、原動力は、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機である。電動機によって1つまたは複数の車輪に配送される回転力の量を変化させるやり方として、電動機と1つまたは複数の車輪の間に変速機が使用されてよい。上記で論じられたように、磁石によって生成された磁界は、(一形態では)電流の方向に対して全体的に平行な方向、または(別の形態では)電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がってよい。第1の構成では、接触板上のローレンツ力の生成は実質的に存在せず、一方、第2の構成では、ローレンツ力が接触板に作用する方向は、接触板が端子から早まって分離するのを実質的に促進しないものである。
【0015】
[0015]本発明の別の態様によれば、切換え組立体を動作させる方法が開示される。この方法は、導電性端子に隣接して接触板を配置するステップおよびソレノイドを動作させるステップを含む。ソレノイドが励磁されると、接触板を端子と接触させて電気回路を完成する。同様に、ソレノイドが消勢されると、接触板が複数の端子から分離することが可能になり、電気回路が開く(すなわち電気回路が無効になる)。切換え組立体は、接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石も含む。このようにして、切換え組立体は、実質的に、以前に論じられた本発明の態様で説明されたように動作する。
【0016】
[0016]任意選択の一形態では、切換え組立体は、自動車の継電器の少なくとも1つの一部分として作製される。電気回路は、電池から継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された多数の電池および配線を含み得る電力回路の一部分を形成する。上記で論じられたように、このような原動力の一例に、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機がある。好ましい一形態では、電池はリチウムイオン電池である。上記で論じられたように、複数の磁石によって生成される磁界は、接触板上へのローレンツ力の生成が実質的に抑止されるような、電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に平行な方向、または電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広げられてよい。いずれの構成でも、ローレンツ力の作用が、複数の端子から接触板が早まって分離するのを促進する可能性はない。一形態では、ソレノイドの構成要素(ソレノイドのコイルに設定された磁界に応答して動くプランジャなど)が、接触板を、ソレノイドの励磁/消勢次第で端子の方へ/端子から遠ざけて推し進めるように、ソレノイドと接触板が互いに貼り付けられる。
【0017】
[0017]特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面とともに読み取られたとき最もよく理解され得るものであり、類似の構造体は類似の参照数字で示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来技術による一般的な直線動作の電気的継電器の斜視図である。
【図1B】図1Aの電気的継電器の、接触部分の直線状の構成を強調した部分的断面図である。
【図2】図1Aおよび図1Bの継電器によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【図3A】図3Aは、直線状の継電器によって接続された回路が不通になった直後の期間を通じて形成されるアークを抑制するのに、電流と磁界の関係によって生成される外向きのローレンツ力が使用され得る様子を示す図である。
【図3B】図3Bは、通常の回路動作中に電流と磁界の関係によって生成されるローレンツ力が、直線状の継電器の接触板上に作用する下向きの成分を有する様子を示す図である。
【図4A】図4Aは、アークの形成を示す図である。
【図4B】図4Bは、アークの成長を示す図である。
【図4C】図4Cは、アークの成長を示す図である。
【図4D】図4Dは、アークの成長を示す図である。
【図4E】図4Eは、アークの成長を示す図である。
【図5A】図5Aは、本発明の一態様による回転式の電気的継電器の接触部分を示す斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの接触器部分を組み込む回転式の電気的継電器を示す図である。
【図6】本発明の一態様による回転式プランジャを組み込む代表的な回転式ソレノイドを示す図である。
【図7】図5Aおよび図5Bの構成によってローレンツ力が最小化される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0018]上記で論じられたように、直線状の切換え組立体(継電器など)の開く接触器部分におけるアーク発生は、組立体および隣接した構成要素に有害な影響を及ぼす恐れがある。切換え組立体の構成次第で、電圧および回路を流れる電流と同様に、このようなアークは、しばしば数百マイクロ秒程度で非常に急速に生じる。同様に、従来技術の手法は、接触板および高電圧接触器を確立するために使用される端子を含む接触器部分に隣接して磁石を設置するステップを含む。最初に図1Aおよび図1Bを参照すると、従来型の継電器10(安全器、回路遮断器または関連したスイッチの形態であってもよい)は、アーク消滅磁石36および38(以下でより詳細に論じられる)を装備される。継電器10は、ソレノイド部分20および接触器部分30を含む。ソレノイド部分20は、励磁されたとき、コイル22内に設置される密封された磁心、軸またはプランジャ24を長手方向に移動させる磁気流れを生成する1つまたは複数のコイル22を含む。コイル22およびプランジャ24は、磁気流れを強化するように作用する磁化可能な枠または磁界26内に密封される。頂部に示されている接触器部分30は、一般に、1対の端子32とプランジャ24の頂部に接続される移動接触板34とを含む。接触板34は、ソレノイド部分20の励磁/消勢次第で、選択的に、端子32に接続したり、端子32から分離したりする。したがって、コイル22が励磁されるとき、プランジャ24は、接触板34と端子32の間の接点を上方へ押しつけ、1つの端子から別の端子に電流が流れ込むことを可能にする。同様に、コイル22が励磁されないとき、プランジャは、高電圧接触器部分30が開状態になるように、コイル22の中へばね付勢手段の下で戻るように後退される。
【0020】
[0019]次に図4Aから図4Eを参照して、アーク形成を支援する機構が順に示される。図4Aで、端子32が接触板34から離れるとき形成される間隙からアークが開始する。図4Bは、磁石36および38によって生成された磁界の影響下で外へ向かうアークの推移を示す。図4Cは、アーク電圧が一旦増加されるとアークが拡張することを示す。図4Dは、大気の冷却効果が電圧をさらに増加させるときの、アークに対する周囲の大気の効果を示す。最後に、図4Eは、アーク電圧が接点間の電圧以上になったときアークが消滅することになる様子を示す。
【0021】
[0020]図1Aおよび図1Bの継電器10の構造により、接触板34を通って流れる電流の方向は、磁石36および38のそれぞれの北極と南極の間に広がる磁界に対して直交する方向に沿って作動するように配向される。このようにして、生成される力
【0022】
【数1】
【0023】
は、磁界
【0024】
【数2】
【0025】
と電流
【0026】
【数3】
【0027】
の相互作用にベクトル量
【0028】
【数4】
【0029】
によって一般に関係づけられることに留意して、結果として生じるローレンツ力は、電流
【0030】
【数5】
【0031】
と磁界
【0032】
【数6】
【0033】
の間の協働平面に対して実質的に垂直な方向に沿って配向される。磁石36および38によって形成された磁界と端子32(右端の端子32Aおよび左端の端子32Bとして現在示される)を通って流れる電流の間のこの垂直相互作用が、電流
【0034】
【数7】
【0035】
の方向次第で、2つの別々に与えられる力を生成する。
[0021]次に図2および図3Aを参照すると、高電圧ソレノイドの接点が開かれるとき生じる、図4Aから図4Eに示されるアークを補正するために、高電圧接触器を確立するのに使用される接触板および端子を含む接触部分に隣接して磁石36、38が設置される。磁石36と38の対は、磁界40が接触部分30を包み込むように、端子32にまたがって設置される。フレーム39は、磁界が最も顕著な端子32および接触板34のまわりの領域を画定するのを支援することに加えて、磁石36および38を枠26に対して確実に取り付けるために使用される。図に示されたバージョンでは、磁石36と磁石38の間にN−Sの双極関係が存在するように、磁石36が北極に対応し、磁石38が南極に対応するが、当業者には反対の極性が確立され得ることが理解されよう。対の磁石36および38は、接触板34と端子32の間に形成された接触域の全体の長さの両端に設置して示されており、実際には、適切な磁界サイズを促進するために水平方向に越えて広がる。
【0036】
[0022]上記で(特に図3Aを参照しながら)論じられたように、磁石36および38によって生成される磁界40が、端子32と接触板34が分離するとき生成されるアークを、接触域の面の外部に向かって拡張するように強制することになる。このような拡張は迅速なエネルギー散逸を有利にもたらし、結果としてアークが迅速に消滅する。磁石36および38によって形成される磁界と端子32を通って流れる電流の間のこの垂直相互作用は、アーク持続時間を短縮する傾向がある外向きの力を生成し、端子を通って流れる電流と追加の磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。残留電流
【0037】
【数8】
【0038】
が、右端の端子32Aを下方へ流れ、左端の端子32Bを上方へ流れているので、磁界
【0039】
【数9】
【0040】
との相互作用が、右端の端子32Aから右方向の力を生成し、左端の端子32Bから左方向の力を生成して、それによって(どちらの場合も)、アークのエネルギーがより迅速に散逸することができるように、アーク(図示せず)を外へ押し進める。そのため、この力は、アークの期間を短縮する傾向があり、(前述のように)端子を通って流れる電流と磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。
【0041】
[0023]磁石36および38は、接点が開くとき形成し得るあらゆるアークを消滅させるのに有用である一方で、直線的に往復運動する接触板34上にローレンツ力を生成する。これは図3Bに示されている。特定の動作状態(特に、自動車または関連した車両を推進するために使用されるものなどの大電力電源に関連した動作状態)では、予想以上の電流が見られることがあり、接触板34を下方へ動かすほど十分に大きなローレンツ力をもたらし、それによって、接触板34と端子32の間の接点を開く。図3Bに示される状況(回路が開かれる直前を含めて回路が開かれるまでの通常の回路動作の期間に一致し得る)では、ローレンツ力
【0042】
【数10】
【0043】
は、電流
【0044】
【数11】
【0045】
が右から左の方向に流れ、磁界
【0046】
【数12】
【0047】
が以前のままである接触板34に作用して示される。結果として生じる力
【0048】
【数13】
【0049】
は下方へ向くことになり、接触板34に対して早まって開くように強いることにより、望ましくない作用をする可能性がある。本発明者が、少なくとも端子と接触板の間に直線状の結合がある環境については、回避されるべきであると判断したのはこの状況である。
【0050】
[0024]本発明者は、端子と接触板の間に直線状の結合がある構成は回避されるべきであると判断した。次に図5Aおよび図5Bを参照して、本発明は、アークを迅速に消滅させる一方で、同時にローレンツ力の低減を可能にする回転式接触部分130を利用する。継電器100は、自由に回る(すなわち回転する)プランジャ124が、2つの端子132間の選択的な電気的接続を確立するために接触板134と協働するように、端子132(図1A、図1B、図3Aおよび図3Bのものと全体的に類似のやり方で132Aおよび132Bと個々にラベルが付けられている)および接触板134で構成された高電圧接触器を収容する接触部分130を含む。そのため、プランジャ124は、ソレノイド部分120の軸の頂部に位置するキャップのように動くので自由に回転することができ、そのため、コイル122を通過する電流に応答する軸に対して堅く連結しない。図2Aに示された装置と異なり、プランジャ124は、個々の端子132Aおよび132Bの間の選択的接触を確立するようには使用されない。その代わりに、カラー124A(ソレノイド部分120に接続されている)が、接触板134との間欠接触を構成する。ソレノイド部分120が励磁されると、同部分がカラー124Aを時計回りに回転させ、その結果としてカラー124Aが接触板134に接触して時計回りに回転させることになる。ソレノイド部分120が消勢されると、カラー124Aは反時計回りに回転することになり、次いで、接触板134を戻す方向すなわち反時計回りに押すのに、ばね(図示されていないが、例えば回転タイプのばねであり得る)が利用される。
【0051】
[0025]図5Bを入念に参照すると、追加の磁石136および138は、端子132、接触板134およびプランジャ124の最上部の延長部が、磁石136および138の南北の極によって生成された磁界内に存在するように、枠(または磁界)126の対向する面に設置される。上記で示され、かつ説明された直線状の変形形態と異なって、プランジャ124は、2つの端子132間の電気的に連続した接続を確立するように回転する。この構成では、接触板134は全体的に水平な(垂直ではなく)配向に対向する。また、直線状の変形形態と異なって、追加の磁石136および138は、それらの間で形成された磁界が、通常の閉じた回路動作の期間中、接触板134を通る電流の方向と実質的にそろうように設置される。直線状の変形形態と同様に、この電気的接触は、ソレノイド部分120が励磁され続ける期間にわたって維持される。
【0052】
[0026]図6は、回転式接触の設計を有して作製されるソレノイド部分120が、用途次第で様々な形状およびサイズに作製され得ることを示す。このような構成では、ソレノイド部分120は、少なくとも1つのコイルおよび同コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを含み、その結果、回転式ソレノイド部分120の作用は、プランジャ124を移動させるのではなく回転させるものになる。そのため、接触板134をプランジャ124に結合することにより、接触板134も全体的に回転運動する。2つの端子132が接触板134の回転の弧によって画定される経路内に位置しているので、接触板134の全体的に対向する終端が、2つの端子132のそれぞれの1つと接触することになる。これは、その結果として電気回路を完成し(すなわち閉じ)、電流が流れることが可能になる。図7は、磁石136と磁石138の間の南北の磁界の方向と平行に、2つの端子132および接触板134を通して電流を流すことにより、磁界と電流が互いに直交するとき最大のローレンツ力が生成される限りでは、通常の閉回路動作を通じて生成されるローレンツ力が実質的に除去されることを示す。そのため、現在示されているこの平行な整列がもたらす結合は、わずかであるかまたはゼロであり、したがってローレンツ力の生成もわずかであるかまたはゼロである。ローレンツ力による通常動作の妨害なしで、2つの別々のやり方で磁石を配置する自由を設計者に与えることに加えて、この回転式設計は、接触板の高速開閉動作ならびに効率的アーク遮断を可能にする。
【0053】
[0027]本発明を説明するために特定の代表的な実施形態および詳細が示されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行なわれ得ることが当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年1月14日の出願の米国仮出願第61/432,811号の利益を主張するものである。
[0001]本発明は、一般に、ソレノイドベースの回転式接触板上に形成されるローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関し、より詳細には、接触板が開かれるかまたは消勢されたとき、アーク消滅機能を維持する一方でローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ソレノイドは、継電器、スイッチおよび関連する電気回路の接点を開閉するのにしばしば使用される。さらに、ソレノイドは、一般に直線状の構成または回転式の構成でよい。いずれの構成でも、高電圧接触器は、端子間の電気回路を完成するために、接触板を1対の静止した電流搬送端子と選択的に接続させるように移動するのにソレノイドを使用する。この接点は、ソレノイドが消勢されると開き、ソレノイドが励磁されると閉じる(すなわち完成する)。回転式ソレノイドに関連した特定の構成では、ソレノイドの励磁/消勢次第で、ソレノイドのプランジャまたは軸が時計回りまたは反時計回りに回転する。プランジャに取り付いている接触板は、同様に、ソレノイドが励磁された状態では、接触板が2つの端子間の回路を閉じ、一方ソレノイドが消勢された状態では、接触板が2つの端子間の回路を開くように回転することになる。
【0003】
[0003]高電圧および大電流の存在が、分離直後に接触板と端子の間にアーク発生をもたらす可能性がある。アークによって生成される電力は、電気的に強化されていない可能性がある近くの素子に吸収される(または同素子に対して作用する)傾向があるので、このようなアーク発生は特に大電流の動作モードでは望ましくない。
【0004】
[0004]アークを低減するかまたは消滅させる試みは、アーク形成の期間中、エネルギーのいくらかを吸収することによってアークを抑止する機能を生じさせる誘電体ガスで満たされたチャンバの内部に接触板および端子を密封することを含んでいる。このような構成は、実装を縮小し、何らかのレベルの環境に左右されない使用法をもたらす。この利点にもかかわらず、このような解決策は、装置の原価および複雑さにおいて不都合がある。
【0005】
[0005]別の試みでは、磁界に露出した端子または他の電流搬送部材に作用するローレンツ力をうまく利用するように、追加の磁石対が接触板と端子の対向する面に設置されている。本来のローレンツ力は、接触板において回路が開かれた直後の瞬間に、アーク消去を促進するように、アークの極性を利用してより大きな領域にアークを広げることにより用いられ得る。このような手法は、一般に、アークを消すのを支援するのに十分である。残念ながら、追加の磁石によって生成されるローレンツ力も、通常の閉回路動作の期間中、近くの接触板上に与えられる。この力(一般に、接触板を通る電流の流れに対する磁石の配向により、端子から接触板の早すぎる分離を促進する可能性がある方向の力)が、一般にソレノイドの動作、特に接触板の動作を妨害する可能性があるので、ソレノイドの動作が改善され得るやり方がある。
【0006】
[0006]リチウムイオン電池は、自動車用途に対して、部分的(ハイブリッドシステムの場合)または全体的(全電気式システムの場合)に動力を供給するのに用いられている。電動機に電力を供給し、その結果として1組の車輪に推進力を供給することができるには、電圧および電流の一方または両方のかなりのレベルが必要である。このような電池システムによって利用される高レベルの電力は、補正されなければ、継電器および関連したスイッチの動作を通じて顕著なアークをもたらす。何らかの形の磁石ベースのアーク消滅機能(上記で論じられたものなど)を利用するシステムでは、磁界によって誘起されるローレンツ力が、接触板および従来型の継電器の接点および関連したスイッチ組立体を、それらが設計されたものとは異なる度合いに(または異なる時間に)それらを移動させることにより、妨げになるほど十分に大きい。具体的には、下方に向けられたローレンツ力が、ソレノイドのプランジャ上に誘起される磁力によって確立されるバイアスに打ち勝つ可能性があり、その結果として意図せず接点が開き、追加の磁石によって回避しようとしていたアークの形成を引き起こす恐れがある。このように接触板が不時に開くと、電池式自動車の推進システムの動作に有害な影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の第1の態様によれば、切換え組立体が開示される。現在の状況では、切換え組立体は、電気回路の選択的開閉を可能にする構成要素の配置に対応する。そのため、切換え回路を通過する電流は、2次電気回路の電源を入れたり切ったりするのに用いられ得る。一例では、このような2次回路は、1つまたは複数の電池(リチウムイオン電池など)から、自動車、トラックまたは関連した車両もしくは原動力の用途に推進力を供給することができる電動機または他の装置に電流を配送するように構成された作業遂行回路であり得る。特定の形態では、本発明の切換え組立体は、継電器、スイッチまたは関連した回路の開閉機構として構成されてよい。継電器、スイッチまたは関連したソレノイドベースの装置に使用される追加の磁石は、磁界と電流の相互作用によって生成されるローレンツ力の大きさを低減する一方で、消勢された接点に関連するアーク発生を同時に低減するために、端子および接触板を通って流れる電流の方向と併せて配置され得る。この後者の特徴は、接点が部分的に開く可能性の低減を伴って、1つの端子からもう一方の端子への電流経路のより高い安定性を促進する。換言すれば、接触板上のローレンツ力が最小化されるので、このような力によって端子から接点が意図せず分離される可能性が低下する。
【0008】
[0008]ソレノイド、接触板および端子の間の接続の回転式の性質は、より速い分離を保証し、これは、その結果として、接触板と端子の分離期間中に生成されるアークの、より速い消去をもたらす。さらに、ソレノイドと接触板の間の接続の回転式の性質は、より強い結合の可能性と、リチウムイオン電池システムに見られるものなどの高電圧接触器向け装置の頑健性の付随する増加とを促進する。例えば、直線状ソレノイド(軸が、比較的小さなボール形の領域を通して接触板と相互作用する)とは異なって、回転式設計は、より丈夫な構造を促進する、接続の大きな領域を可能にすることができる。
【0009】
[0009]前述のように、この設計の利点の1つに、大電流パルスの期間中、接触板と端子の間の接触がローレンツ力によって意図せず開くのを防止することがある。このような防止は、以下に示して説明されるように、追加の(すなわちアーク消滅またはアーク遮断の)磁石が、電流と磁界が平行になるように設置される状況で明らかになる。理論上、電流の流れと磁界のこの平行な配置は、接触板上のローレンツ力の完全な消去と一致する。重要なことには、接触板上のこの力が、端子と接触板の間の接続の辺りの領域に対するローレンツ力のアーク遮断効果と全く関係がないので、その位置における電流が磁界と平行ではなく直交であるため、このようなアーク遮断力が依然として存在する。
【0010】
[0010]本発明による回転式設計は、変形形態を同様に有することができる。一変形形態では、追加の磁石は、それらの間に生成される磁界が、接続されている端子を通って流れる電流に対して平行になるように設置されるのでなく、磁界が、端子を通って流れる電流に対して直交方向に向けられるように、端子の両端に設置されてよい。直線的に作動される接触板構成(すなわちソレノイドからのプランジャが、ソレノイドのコイルを通って与えられる電流の力の下で移動する)では、磁界と端子を通って流れる電流との間のこのような直交性により、誘起された力によって、通常動作中に接触板と端子の間の接触が意図せず開く可能性があるので、上記で論じられたローレンツ力問題を促進する恐れがある。本発明の一変形形態では、このような直交性が存在するとき、ローレンツ力が生成されるものの、接触箇所が、誘起された力によって影響を受けない方向に配向されるので、上記で論じられた接触が開く問題を回避する。設計のこの変形形態では、追加磁石の構成は、以前の設計に全体的に類似したやり方で所定の位置に残されてよいが、回転式接触および接触板の性質のために、ローレンツ力(前節で論じられた設計と同様に、除去されていない)は、大電流が流れる期間中動作を妨害しがたくなる一方で、接点の開閉事象を通じて、追加磁石のアーク消滅機能を維持する。
【0011】
[0011]任意選択で、磁石は、接触板上へのローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、複数の磁石によって生成される磁界が電流の方向と全体的に平行な方向に広がるように配置されてよい。別の選択肢では、複数の磁石によって生成される磁界は、生成されるローレンツ力が、接触板に対して、接触板が複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に作用するように、電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる。例えば、切換え組立体の配向は、閉回路を通って電流が流れる通常動作中に生成されるローレンツ力が、接触板に対して全体的に下方へ与えられるものでよく、一方、接触板の移動方向が、生成されたローレンツ力の面外の全体的に円形の経路を画定し、このようにして、ローレンツ力は、接触板の動きを促進するかあるいは抑止することになるものは何ももたらさない。より詳細な形では、接触板が複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向とは、プランジャの回転運動によって形成される軸に実質的に沿って広がるものである。
【0012】
[0012]上記の任意選択の構成のそれぞれに、それ自体の利点がある。第1の実施形態は、電流と磁界を全体的に並べることにより、ローレンツ力の生成が成長を妨げられるという点で有効である。したがって、磁界を、磁界を生成している磁石の間に配置された接触板の電流の方向(または電流の反対方向)とそろえることにより、ローレンツ力が、通常の(すなわち中断のない)電流の流れを通じて、ソレノイドまたは他のスイッチ作動機構の動作を妨害する傾向が排除され、同時に、継電器を開くシーケンス(電流が、閉回路動作ルーチンの期間中の電流の流れと同様に、磁界に対して垂直な方向に進む)を通じてアーク消滅を促進するのに用いられるローレンツ力を維持する。第2の実施形態は、(電流と磁界の全体的に直交の配向によって)ローレンツ力を所定の位置に残すように配向されるが、効果的に空間を節約する(すなわち正方形の)構成にパッケージ化される可能性がより高い。そのため、用いられる構成は、特定の構成が設置される自動車または関連したシステムの要求に左右されることになる。
【0013】
[0013]本発明の別の態様によれば、車両の推進システムが開示される。このシステムは、多数の電池、原動力、および電池から原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体を含む。切換え組立体は実質的に前述のもののようなソレノイドを含む。
【0014】
[0014]任意選択の一形態では、多数の電池はリチウムイオン電池である。別の好ましい形態では、原動力は、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機である。電動機によって1つまたは複数の車輪に配送される回転力の量を変化させるやり方として、電動機と1つまたは複数の車輪の間に変速機が使用されてよい。上記で論じられたように、磁石によって生成された磁界は、(一形態では)電流の方向に対して全体的に平行な方向、または(別の形態では)電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がってよい。第1の構成では、接触板上のローレンツ力の生成は実質的に存在せず、一方、第2の構成では、ローレンツ力が接触板に作用する方向は、接触板が端子から早まって分離するのを実質的に促進しないものである。
【0015】
[0015]本発明の別の態様によれば、切換え組立体を動作させる方法が開示される。この方法は、導電性端子に隣接して接触板を配置するステップおよびソレノイドを動作させるステップを含む。ソレノイドが励磁されると、接触板を端子と接触させて電気回路を完成する。同様に、ソレノイドが消勢されると、接触板が複数の端子から分離することが可能になり、電気回路が開く(すなわち電気回路が無効になる)。切換え組立体は、接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石も含む。このようにして、切換え組立体は、実質的に、以前に論じられた本発明の態様で説明されたように動作する。
【0016】
[0016]任意選択の一形態では、切換え組立体は、自動車の継電器の少なくとも1つの一部分として作製される。電気回路は、電池から継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された多数の電池および配線を含み得る電力回路の一部分を形成する。上記で論じられたように、このような原動力の一例に、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機がある。好ましい一形態では、電池はリチウムイオン電池である。上記で論じられたように、複数の磁石によって生成される磁界は、接触板上へのローレンツ力の生成が実質的に抑止されるような、電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に平行な方向、または電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広げられてよい。いずれの構成でも、ローレンツ力の作用が、複数の端子から接触板が早まって分離するのを促進する可能性はない。一形態では、ソレノイドの構成要素(ソレノイドのコイルに設定された磁界に応答して動くプランジャなど)が、接触板を、ソレノイドの励磁/消勢次第で端子の方へ/端子から遠ざけて推し進めるように、ソレノイドと接触板が互いに貼り付けられる。
【0017】
[0017]特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面とともに読み取られたとき最もよく理解され得るものであり、類似の構造体は類似の参照数字で示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来技術による一般的な直線動作の電気的継電器の斜視図である。
【図1B】図1Aの電気的継電器の、接触部分の直線状の構成を強調した部分的断面図である。
【図2】図1Aおよび図1Bの継電器によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【図3A】図3Aは、直線状の継電器によって接続された回路が不通になった直後の期間を通じて形成されるアークを抑制するのに、電流と磁界の関係によって生成される外向きのローレンツ力が使用され得る様子を示す図である。
【図3B】図3Bは、通常の回路動作中に電流と磁界の関係によって生成されるローレンツ力が、直線状の継電器の接触板上に作用する下向きの成分を有する様子を示す図である。
【図4A】図4Aは、アークの形成を示す図である。
【図4B】図4Bは、アークの成長を示す図である。
【図4C】図4Cは、アークの成長を示す図である。
【図4D】図4Dは、アークの成長を示す図である。
【図4E】図4Eは、アークの成長を示す図である。
【図5A】図5Aは、本発明の一態様による回転式の電気的継電器の接触部分を示す斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの接触器部分を組み込む回転式の電気的継電器を示す図である。
【図6】本発明の一態様による回転式プランジャを組み込む代表的な回転式ソレノイドを示す図である。
【図7】図5Aおよび図5Bの構成によってローレンツ力が最小化される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0018]上記で論じられたように、直線状の切換え組立体(継電器など)の開く接触器部分におけるアーク発生は、組立体および隣接した構成要素に有害な影響を及ぼす恐れがある。切換え組立体の構成次第で、電圧および回路を流れる電流と同様に、このようなアークは、しばしば数百マイクロ秒程度で非常に急速に生じる。同様に、従来技術の手法は、接触板および高電圧接触器を確立するために使用される端子を含む接触器部分に隣接して磁石を設置するステップを含む。最初に図1Aおよび図1Bを参照すると、従来型の継電器10(安全器、回路遮断器または関連したスイッチの形態であってもよい)は、アーク消滅磁石36および38(以下でより詳細に論じられる)を装備される。継電器10は、ソレノイド部分20および接触器部分30を含む。ソレノイド部分20は、励磁されたとき、コイル22内に設置される密封された磁心、軸またはプランジャ24を長手方向に移動させる磁気流れを生成する1つまたは複数のコイル22を含む。コイル22およびプランジャ24は、磁気流れを強化するように作用する磁化可能な枠または磁界26内に密封される。頂部に示されている接触器部分30は、一般に、1対の端子32とプランジャ24の頂部に接続される移動接触板34とを含む。接触板34は、ソレノイド部分20の励磁/消勢次第で、選択的に、端子32に接続したり、端子32から分離したりする。したがって、コイル22が励磁されるとき、プランジャ24は、接触板34と端子32の間の接点を上方へ押しつけ、1つの端子から別の端子に電流が流れ込むことを可能にする。同様に、コイル22が励磁されないとき、プランジャは、高電圧接触器部分30が開状態になるように、コイル22の中へばね付勢手段の下で戻るように後退される。
【0020】
[0019]次に図4Aから図4Eを参照して、アーク形成を支援する機構が順に示される。図4Aで、端子32が接触板34から離れるとき形成される間隙からアークが開始する。図4Bは、磁石36および38によって生成された磁界の影響下で外へ向かうアークの推移を示す。図4Cは、アーク電圧が一旦増加されるとアークが拡張することを示す。図4Dは、大気の冷却効果が電圧をさらに増加させるときの、アークに対する周囲の大気の効果を示す。最後に、図4Eは、アーク電圧が接点間の電圧以上になったときアークが消滅することになる様子を示す。
【0021】
[0020]図1Aおよび図1Bの継電器10の構造により、接触板34を通って流れる電流の方向は、磁石36および38のそれぞれの北極と南極の間に広がる磁界に対して直交する方向に沿って作動するように配向される。このようにして、生成される力
【0022】
【数1】
【0023】
は、磁界
【0024】
【数2】
【0025】
と電流
【0026】
【数3】
【0027】
の相互作用にベクトル量
【0028】
【数4】
【0029】
によって一般に関係づけられることに留意して、結果として生じるローレンツ力は、電流
【0030】
【数5】
【0031】
と磁界
【0032】
【数6】
【0033】
の間の協働平面に対して実質的に垂直な方向に沿って配向される。磁石36および38によって形成された磁界と端子32(右端の端子32Aおよび左端の端子32Bとして現在示される)を通って流れる電流の間のこの垂直相互作用が、電流
【0034】
【数7】
【0035】
の方向次第で、2つの別々に与えられる力を生成する。
[0021]次に図2および図3Aを参照すると、高電圧ソレノイドの接点が開かれるとき生じる、図4Aから図4Eに示されるアークを補正するために、高電圧接触器を確立するのに使用される接触板および端子を含む接触部分に隣接して磁石36、38が設置される。磁石36と38の対は、磁界40が接触部分30を包み込むように、端子32にまたがって設置される。フレーム39は、磁界が最も顕著な端子32および接触板34のまわりの領域を画定するのを支援することに加えて、磁石36および38を枠26に対して確実に取り付けるために使用される。図に示されたバージョンでは、磁石36と磁石38の間にN−Sの双極関係が存在するように、磁石36が北極に対応し、磁石38が南極に対応するが、当業者には反対の極性が確立され得ることが理解されよう。対の磁石36および38は、接触板34と端子32の間に形成された接触域の全体の長さの両端に設置して示されており、実際には、適切な磁界サイズを促進するために水平方向に越えて広がる。
【0036】
[0022]上記で(特に図3Aを参照しながら)論じられたように、磁石36および38によって生成される磁界40が、端子32と接触板34が分離するとき生成されるアークを、接触域の面の外部に向かって拡張するように強制することになる。このような拡張は迅速なエネルギー散逸を有利にもたらし、結果としてアークが迅速に消滅する。磁石36および38によって形成される磁界と端子32を通って流れる電流の間のこの垂直相互作用は、アーク持続時間を短縮する傾向がある外向きの力を生成し、端子を通って流れる電流と追加の磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。残留電流
【0037】
【数8】
【0038】
が、右端の端子32Aを下方へ流れ、左端の端子32Bを上方へ流れているので、磁界
【0039】
【数9】
【0040】
との相互作用が、右端の端子32Aから右方向の力を生成し、左端の端子32Bから左方向の力を生成して、それによって(どちらの場合も)、アークのエネルギーがより迅速に散逸することができるように、アーク(図示せず)を外へ押し進める。そのため、この力は、アークの期間を短縮する傾向があり、(前述のように)端子を通って流れる電流と磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。
【0041】
[0023]磁石36および38は、接点が開くとき形成し得るあらゆるアークを消滅させるのに有用である一方で、直線的に往復運動する接触板34上にローレンツ力を生成する。これは図3Bに示されている。特定の動作状態(特に、自動車または関連した車両を推進するために使用されるものなどの大電力電源に関連した動作状態)では、予想以上の電流が見られることがあり、接触板34を下方へ動かすほど十分に大きなローレンツ力をもたらし、それによって、接触板34と端子32の間の接点を開く。図3Bに示される状況(回路が開かれる直前を含めて回路が開かれるまでの通常の回路動作の期間に一致し得る)では、ローレンツ力
【0042】
【数10】
【0043】
は、電流
【0044】
【数11】
【0045】
が右から左の方向に流れ、磁界
【0046】
【数12】
【0047】
が以前のままである接触板34に作用して示される。結果として生じる力
【0048】
【数13】
【0049】
は下方へ向くことになり、接触板34に対して早まって開くように強いることにより、望ましくない作用をする可能性がある。本発明者が、少なくとも端子と接触板の間に直線状の結合がある環境については、回避されるべきであると判断したのはこの状況である。
【0050】
[0024]本発明者は、端子と接触板の間に直線状の結合がある構成は回避されるべきであると判断した。次に図5Aおよび図5Bを参照して、本発明は、アークを迅速に消滅させる一方で、同時にローレンツ力の低減を可能にする回転式接触部分130を利用する。継電器100は、自由に回る(すなわち回転する)プランジャ124が、2つの端子132間の選択的な電気的接続を確立するために接触板134と協働するように、端子132(図1A、図1B、図3Aおよび図3Bのものと全体的に類似のやり方で132Aおよび132Bと個々にラベルが付けられている)および接触板134で構成された高電圧接触器を収容する接触部分130を含む。そのため、プランジャ124は、ソレノイド部分120の軸の頂部に位置するキャップのように動くので自由に回転することができ、そのため、コイル122を通過する電流に応答する軸に対して堅く連結しない。図2Aに示された装置と異なり、プランジャ124は、個々の端子132Aおよび132Bの間の選択的接触を確立するようには使用されない。その代わりに、カラー124A(ソレノイド部分120に接続されている)が、接触板134との間欠接触を構成する。ソレノイド部分120が励磁されると、同部分がカラー124Aを時計回りに回転させ、その結果としてカラー124Aが接触板134に接触して時計回りに回転させることになる。ソレノイド部分120が消勢されると、カラー124Aは反時計回りに回転することになり、次いで、接触板134を戻す方向すなわち反時計回りに押すのに、ばね(図示されていないが、例えば回転タイプのばねであり得る)が利用される。
【0051】
[0025]図5Bを入念に参照すると、追加の磁石136および138は、端子132、接触板134およびプランジャ124の最上部の延長部が、磁石136および138の南北の極によって生成された磁界内に存在するように、枠(または磁界)126の対向する面に設置される。上記で示され、かつ説明された直線状の変形形態と異なって、プランジャ124は、2つの端子132間の電気的に連続した接続を確立するように回転する。この構成では、接触板134は全体的に水平な(垂直ではなく)配向に対向する。また、直線状の変形形態と異なって、追加の磁石136および138は、それらの間で形成された磁界が、通常の閉じた回路動作の期間中、接触板134を通る電流の方向と実質的にそろうように設置される。直線状の変形形態と同様に、この電気的接触は、ソレノイド部分120が励磁され続ける期間にわたって維持される。
【0052】
[0026]図6は、回転式接触の設計を有して作製されるソレノイド部分120が、用途次第で様々な形状およびサイズに作製され得ることを示す。このような構成では、ソレノイド部分120は、少なくとも1つのコイルおよび同コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを含み、その結果、回転式ソレノイド部分120の作用は、プランジャ124を移動させるのではなく回転させるものになる。そのため、接触板134をプランジャ124に結合することにより、接触板134も全体的に回転運動する。2つの端子132が接触板134の回転の弧によって画定される経路内に位置しているので、接触板134の全体的に対向する終端が、2つの端子132のそれぞれの1つと接触することになる。これは、その結果として電気回路を完成し(すなわち閉じ)、電流が流れることが可能になる。図7は、磁石136と磁石138の間の南北の磁界の方向と平行に、2つの端子132および接触板134を通して電流を流すことにより、磁界と電流が互いに直交するとき最大のローレンツ力が生成される限りでは、通常の閉回路動作を通じて生成されるローレンツ力が実質的に除去されることを示す。そのため、現在示されているこの平行な整列がもたらす結合は、わずかであるかまたはゼロであり、したがってローレンツ力の生成もわずかであるかまたはゼロである。ローレンツ力による通常動作の妨害なしで、2つの別々のやり方で磁石を配置する自由を設計者に与えることに加えて、この回転式設計は、接触板の高速開閉動作ならびに効率的アーク遮断を可能にする。
【0053】
[0027]本発明を説明するために特定の代表的な実施形態および詳細が示されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行なわれ得ることが当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されるとき、前記プランジャの回転運動が、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える切換え組立体。
【請求項2】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記接触板が、前記プランジャの前記回転運動によって形成される軸のまわりに回転する請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記複数の端子が、第1の端子および第2の端子を備え、前記接触板が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触に際して前記第1の端子と前記第2の端子の間に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向が、前記プランジャの前記回転運動によって形成される軸に実質的に沿って広がるものである請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
複数の電池と、
原動力と、
前記複数の電池から前記原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体とを備える車両推進システムであって、前記切換え組立体が、
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されるとき、前記プランジャの回転運動が、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える車両推進システム。
【請求項8】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項7に記載の推進システム。
【請求項9】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項7に記載の推進システム。
【請求項10】
前記車両の少なくとも1つの車輪に対して前記電動機によって生成される回転力の量を変化させるように前記電動機と前記車両の少なくとも1つの車輪の間に配置された車両変速機をさらに備える請求項9に記載の推進システム。
【請求項11】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項7に記載の推進システム。
【請求項12】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項7に記載の推進システム。
【請求項13】
切換え組立体を動作させる方法であって、
複数の導電性端子を、接触板との間に接触が選択的に確立され得るように前記接触板に隣接して配置するステップと、
回転式ソレノイドを、前記ソレノイドが、励磁されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間に電気回路を完成するように、前記接触板を強制的に回転させて前記複数の端子と接触させ、前記ソレノイドが、消勢されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間の電気回路を開くように、前記接触板が前記複数の端子から分離することを可能にするように動作させるステップと、
複数のアーク消滅磁石を、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域のまわりに並べるステップとを含む方法。
【請求項14】
前記切換え組立体が自動車の継電器を備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気回路が、前記電池から前記継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された複数の電池および配線を備える電力回路の一部分を形成する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電気回路を通って流れる電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項13に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されるとき、前記プランジャの回転運動が、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える切換え組立体。
【請求項2】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記接触板が、前記プランジャの前記回転運動によって形成される軸のまわりに回転する請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記複数の端子が、第1の端子および第2の端子を備え、前記接触板が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触に際して前記第1の端子と前記第2の端子の間に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向が、前記プランジャの前記回転運動によって形成される軸に実質的に沿って広がるものである請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
複数の電池と、
原動力と、
前記複数の電池から前記原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体とを備える車両推進システムであって、前記切換え組立体が、
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して回転可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されるとき、前記プランジャの回転運動が、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える車両推進システム。
【請求項8】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項7に記載の推進システム。
【請求項9】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項7に記載の推進システム。
【請求項10】
前記車両の少なくとも1つの車輪に対して前記電動機によって生成される回転力の量を変化させるように前記電動機と前記車両の少なくとも1つの車輪の間に配置された車両変速機をさらに備える請求項9に記載の推進システム。
【請求項11】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項7に記載の推進システム。
【請求項12】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項7に記載の推進システム。
【請求項13】
切換え組立体を動作させる方法であって、
複数の導電性端子を、接触板との間に接触が選択的に確立され得るように前記接触板に隣接して配置するステップと、
回転式ソレノイドを、前記ソレノイドが、励磁されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間に電気回路を完成するように、前記接触板を強制的に回転させて前記複数の端子と接触させ、前記ソレノイドが、消勢されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間の電気回路を開くように、前記接触板が前記複数の端子から分離することを可能にするように動作させるステップと、
複数のアーク消滅磁石を、前記複数の磁石によって生成される磁界が、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触の期間中、前記磁界と前記複数の端子間の電流の間の結合によって形成されるローレンツ力が、実質的に抑止されるかまたは前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない方向に沿って形成されるような方向に広がるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定される領域のまわりに並べるステップとを含む方法。
【請求項14】
前記切換え組立体が自動車の継電器を備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気回路が、前記電池から前記継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された複数の電池および配線を備える電力回路の一部分を形成する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記接触板上への前記ローレンツ力の生成が実質的に抑止されるように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電気回路を通って流れる電流の方向と全体的に平行な方向に広がる請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記生成されるローレンツ力が、前記接触板に対して、前記接触板が前記複数の端子から早まって分離するのを実質的に促進しない前記方向に作用するように、前記複数の磁石によって生成される前記磁界が前記電気回路を通って流れる電流の方向に対して全体的に垂直な方向に広がる請求項13に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−151090(P2012−151090A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−245641(P2011−245641)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511095986)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245641(P2011−245641)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511095986)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
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