自動車リチウムイオン電池システムにおける直線状高電圧接触器用の2重双極性磁界
【課題】自動車の電池システムの継電器および関連したスイッチを動作させるための装置および方法を提供すること。
【解決手段】2重双極性磁界を継電器の切換え機構の接触器部分と隣接して生じさせることにより、アーク消滅を促進するのに用いられる磁界が移動され、その結果として、磁界の副産物として形成するローレンツ力が低減する。このような構成は、同時にアーク消滅能力を維持して短絡に耐える能力を改善する一方で、ローレンツ力がソレノイドまたは他のスイッチ作動機構の動作を妨害する傾向を低減する潜在能力を有する。このような装置および方法は、ハイブリッドエンジン車両および電動車両とともに使用され得る。
【解決手段】2重双極性磁界を継電器の切換え機構の接触器部分と隣接して生じさせることにより、アーク消滅を促進するのに用いられる磁界が移動され、その結果として、磁界の副産物として形成するローレンツ力が低減する。このような構成は、同時にアーク消滅能力を維持して短絡に耐える能力を改善する一方で、ローレンツ力がソレノイドまたは他のスイッチ作動機構の動作を妨害する傾向を低減する潜在能力を有する。このような装置および方法は、ハイブリッドエンジン車両および電動車両とともに使用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年1月13日の出願の米国仮出願第61/432,329号の利益を主張するものである。
[0001]本発明は、一般に、ソレノイドベースの直線状接触板上に形成されるローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関し、より詳細には、接触板が開かれるかまたは消勢されたとき、アーク消滅機能を維持する一方でローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ソレノイドは、継電器、スイッチおよび関連する電気回路の接点を開閉するのにしばしば使用される。一般に、高電圧接触器は、端子間の電気回路を完成するために、接触板を1対の静止した電流搬送端子と選択的に接続させるように移動するのにソレノイドを使用する。この回路は、ソレノイドが消勢されると開き(すなわち不完全になり)、ソレノイドが励磁されると閉じる(すなわち完成する)。回路内の高電圧および大電流の存在が、接触が中断された直後に接触板と端子の間にアーク発生をもたらす可能性がある。アークによって生成される電力は、電気的に強化されていない可能性がある近くの素子に吸収される(または同素子に対して作用する)傾向があるので、このようなアーク発生は特に大電流の動作モードでは望ましくない。
【0003】
[0003]アークを低減するかまたは消滅させる試みは、アーク形成の期間中、エネルギーのいくらかを吸収することによってアークを抑止する機能を生じさせる誘電体ガスで満たされたチャンバの内部に接触板および端子を密封することを含んでいる。このような構成は、実装を縮小し、何らかのレベルの環境に左右されない使用法をもたらす。これにもかかわらず、このような解決策は、装置の原価および複雑さの上昇から好まれない。
【0004】
[0004]別の試みでは、磁界に露出した端子または他の電流搬送部材に作用するローレンツ力をうまく利用するように、追加の磁石対が接触板と端子の対向する面に設置されている。本来のローレンツ力は、接触板において回路が開かれた直後の瞬間に、アーク消去を促進するように、アークの極性を利用してより大きな領域にアークを広げることにより用いられ得る。このような手法は、一般に、アークを消すのを支援するのに十分である。残念ながら、追加の磁石によって生成されるローレンツ力も、通常の閉回路動作の期間中、近くの接触板上に与えられる。この力(一般に、接触板を通る電流の流れに対する磁石の配向により、端子から接触板の早すぎる分離を促進する可能性がある方向の力)が、一般にソレノイドの動作、特に接触板の動作を妨害する可能性があるので、ソレノイドの動作が改善され得るやり方がある。
【0005】
[0005]さらに別の試みでは、高電圧接触器を閉じるのに使用されるばねは、大電流(または短絡故障)の状況の期間中、接点を閉じておくためにより大きなばね定数を有するように設計され得る。このような改善されたスプリング力は、上記で論じられた追加の磁石のローレンツ力から、接触板が早まって開くのに耐える傾向を有することができるが、あいにく、ばねがより強いと、接触を開くのにより大きな力のソレノイドを必要とすることになる。これは、その結果として、より大きなコイルを通るものなど、より大きなエネルギーを必要とする。このような解決策は、重さ、体積、電気エネルギー使用および原価の増加を伴うことにより、好ましくない。
【0006】
[0006]自動車リチウムイオン電池は、部分的(ハイブリッドシステムの場合)または全体的(全電気式システムの場合)に動力を供給するのに用いられている。電動機に電力を供給し、その結果として1組の車輪に推進力を供給することができるには、電圧および電流の一方または両方のかなりのレベルが必要である。このような電池システムによって利用される高レベルの電力は、補正されなければ、継電器および関連したスイッチの動作を通じて顕著なアークをもたらす。何らかの形の磁石ベースのアーク消滅(上記で論じられたものなど)を利用するシステムでは、磁界によって誘起されるローレンツ力が、接触板および従来型の継電器の接点および関連したスイッチ組立体を、それらが設計されたものとは異なる度合いに(または異なる時間に)それらを移動させることにより、妨げになるほど十分に大きい。具体的には、この下方に向けられた力が、ソレノイドのプランジャ上に誘起される磁力によって確立されるバイアスに打ち勝つ可能性があり、その結果として意図せず接点が開き、追加の磁石によって回避しようとしていたアークの発生を引き起こす恐れがある。このように接触板が不時に開くと、電池式自動車の推進システムの動作に有害な影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]消勢された接点に関連したアークを低減し、同時に、形成されたローレンツ力が電気端子および接触板の動作に影響を与える傾向を低減するために、2重双極性磁界を設定するように、継電器、スイッチまたは関連するソレノイドベースの装置に使用される追加の磁石が形成され得る。磁石対の組によって生成された2つの別々の磁界の結果として形成される、この2重双極性の構成は、継電器の接触器部分に隣接した領域に確立される。磁界のこの分離は、磁気密度の集中を、接触器部分を構成する接触板および端子を密封するチャンバの側面に沿って形成された領域へ移動する。結果として、磁気密度は、一般により小さな接触板の表面領域に与えられ、特に接触器部分の中心では激減する。磁界に露出される接触板の表面領域の量をできるだけ小さく保つことにより、接触板に与えられるローレンツ力の量が付随的に小さく保たれ、その結果として、このような力によって接触板と端子が意図せず分離する可能性を減少させる。現在の2重双極性の設計は、高電圧接触器の安定性を改善するためにアーク消滅の制御を維持するのに役立ち、その結果として、リチウムイオン電池システムに見られるものなどの高電圧接触器向けのより頑健な継電器設計をもたらす。磁石を分離して、継電器またはスイッチの接触器部分のまわりの4つの角にそれらを設置することにより、それによって形成される双極性の設計が、短絡故障などの極限状態を通じて導入される物理的影響をかなり低下することができる。
【0008】
[0008]本発明の第1の態様によれば、切換え組立体が開示される。現在の状況では、切換え組立体は、電気回路の選択的開閉を可能にする構成要素の配置に対応する。そのため、切換え回路を通過する電流は、2次電気回路の電源を入れたり切ったりするのに用いられ得る。一例では、このような2次回路は、1つまたは複数の電池(リチウムイオン電池など)から、自動車、トラックまたは関連した車両もしくは原動力の用途に推進力を供給することができる電動機または他の装置に電流を配送するように構成された作業遂行回路であり得る。特定の形態では、本発明の切換え組立体は、継電器、スイッチまたは関連した回路の開閉機構として構成されてよい。切換え組立体は、ソレノイドのコイルを通過する電流に対して移動可能に応答するプランジャを有するソレノイドを含む。一般に、プランジャは、コイルの励磁および消勢に際して、(ソレノイドの配向次第で、例えば上下方向または横方向に)並進運動を経験する。この組立体は、電流を伝えることができてプランジャによって移動され得る接触板をさらに含む。好ましい一実施形態は、互いに直接接触するプランジャおよび接触板を有するが、プランジャから接触板に与えられる力を減じない介在する構造体が存在し得るので、このような直接接触は必要ではない。この組立体は、移動する接触板によって端子どうしが接触したとき、両端子に接続された電気回路が完成され得るように、互いに離れて設置された2つ以上の端子をさらに含む。このような電気回路の一例は、リチウムイオン動力装置から自動車用途向けの電動機または車輪の組に電気を供給するための、上記で論じられたものなどの働きを遂行することができる電流を伝えるのに使用され得る任意の回路である。ソレノイドが励磁されると、プランジャが、接触板を各端子と強制的に接触させて、それらの間に回路を完成する。
【0009】
[0009]この組立体は、多数のアーク消滅磁石をさらに含む。これらの磁石(本明細書では追加の磁石とも称される)は、少なくとも接触板および接触板と協働する端子の部分によって画定される領域のまわりに設置される。こうして、このような協働によって確立された接触点が、低減された磁界に露出される。具体的には、磁石は、接触板の一部分だけが磁界に露出されるように配置される。磁石によって生成される磁界の適切な配置、サイジングおよび区分化により、磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の一部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与える。このような構造により、接触板に与えられるローレンツ力(磁界の副産物である)は、接触板の全体が磁界に露出された場合より小さく、その一方で、ソレノイドが消勢されて接触板と端子の間の接触が遮断された直後の期間を通じて、依然としてアーク消滅機能を促進することができる。
【0010】
[0010]一形態では、追加の磁石が2重双極性の組として配置され、このような構造は、ローレンツ力の一部分を、接触板に対する動作(または結合)から除去する。接触板と相互作用する磁界の大きさを低減することにより、接触板に与えられるローレンツ力(プランジャの動きが上下方向で、接触板も上下に移動するようにプランジャ上に配置される用途では、下方へ向けられる)の大きさが低減される。これは、その結果として、接触板が早まって端子から分離する傾向を低減する。この2重双極性の組は、第1の部分に主に影響を与える磁界の部分が第1の組によって生成され、一方、第2の部分に主に影響を与える磁界の部分が第2の組によって生成されることを意味する。より詳細には、この構成では、磁界が、プランジャの移動方向に対して実質的に垂直に広がり、このようにして、第1の磁石の組によって生成される磁界の部分が、プランジャの1つの側面上に広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される磁界の部分が、プランジャの実質的に反対側の側面上に広がる。さらに詳細には、磁石の2つの組は、第1の磁石の組によって生成される磁界の部分が第1の端子に最も近い接触板の2分の1未満を覆うように広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される磁界の部分が第2の端子に最も近い接触板の2分の1未満を覆うように広がるように、4つの正方形パターンに配置される。別の選択肢では、端子は第1の端子および第2の端子で構成され、一方、接触板は、接触板の第1の部分が全体的に第1の端子に隣接する一方で、接触板の第2の部分が全体的に第2の端子に隣接するように、第1の端子と第2の端子の間の長手方向に広がる。より詳細には、接触板は、第1の部分が第2の部分に重ならない細長い形状に形成される。接触板および磁石組のこのような構造によって、接触板のかなりの部分(具体的にはその中央のまわりに領域)は、磁界と端子および接触板を通る電流の流れとの相互作用によって生成されるローレンツ力に対する露出が実質的に縮小される。このような構成は、かけられるローレンツ力とソレノイドのプランジャの動きが、全体的に平行な経路に沿うものであることを意味する。
【0011】
[0011]本発明の別の態様によれば、車両の推進システムが開示される。このシステムは、多数の電池、原動力、および電池から原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体を含む。切換え組立体は、少なくとも1つのコイルおよび同コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドを含む。さらに切換え組立体は、接触板と、互いに接触したとき接触板を介して電流を伝達するように構成された少なくとも2つの端子とを含む。これらの端子は、ソレノイドが励磁されたとき、プランジャが、電気回路を完成するために接触板を端子と強制的に接触させるように、ソレノイドおよび接触板と協働する。切換え組立体は、磁石によって生成される磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の別の部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、接触板と諸端子の接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石をさらに含む。磁石の数および配置は、磁界の部分が接触板上に与えるローレンツ力が、接触板の全体が磁界に露出された場合(実質的に接触板の全体に及ぶ寸法を有する磁石によって形成されたN−S磁界が存在する状況など)のローレンツ力を下回るようなものである。
【0012】
[0012]任意選択で、電池はリチウムイオン電池である。別の選択肢では、原動力は、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機で構成される。より詳細には、電動機によって1つまたは複数の車輪に対して生成される回転力の量を変化させるために、電動機と1つまたは複数の車輪の間に車両変速機が配置されてよい。
【0013】
[0013]本発明の別の態様によれば、切換え組立体を動作させる方法が開示される。この方法は、導電性端子に隣接して接触板を配置するステップおよびソレノイドを動作させるステップを含む。ソレノイドが励磁されると、接触板を端子と接触させて電気回路を完成する。同様に、ソレノイドが消勢されると、接触板が複数の端子から分離することが可能になり、電気回路が開く(すなわち電気回路が無効になる)。切換え組立体は、接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石も含む。このようにして、接触板の全体が磁界に露出される場合より、磁界の諸部分が接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、磁石によって生成された磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の別の部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与える。
【0014】
[0014]任意選択で、切換え組立体は自動車の継電器を備える。より詳細には、電気回路は、複数の電池と、それらの複数の電池から継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された配線とを備える電力回路の一部分を形成する。さらに詳細には、原動力は、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える。さらに詳細には、複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える。一形態では、ソレノイドの構成要素(ソレノイドのコイルに設定された磁界に応答して動くプランジャなど)が、接触板を、ソレノイドの励磁/消勢次第で端子の方へ/端子から遠ざけて押し進めるように、ソレノイドと接触板が互いに貼り付けられる。
【0015】
[0015]特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面とともに読み取られたとき最もよく理解され得るものであり、類似の構造体は類似の参照数字で示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】従来技術による一般的な直線動作の電気的継電器の簡易斜視図である。
【図1B】図1Aの継電器の部分断面図である。
【図2】図1Aおよび図1Bの継電器の接触版および端子領域のまわりに配置された磁石によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【図3A】図3Aは、直線状の継電器によって接続された回路が不通になった直後の期間を通じて形成されるアークを抑制するのに、電流と磁界の関係によって生成される外向きのローレンツ力が使用され得る様子を示す図である。
【図3B】図3Bは、通常の回路動作中に電流と磁界の関係によって生成されるローレンツ力が、直線状の継電器の接触板上に作用する下向きの成分を有する様子を示す図である。
【図4A】図4Aは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの形成を示す図である。
【図4B】図4Bは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4C】図4Cは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4D】図4Dは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4E】図4Eは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの消滅を示す図である。
【図5】本発明の一態様による直線状の電気的継電器の接触器部分を示す簡易斜視図である。
【図6】図5の継電器の接触板および端子領域のまわりに配置された磁石によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0016]上記で論じられたように、直線状の切換え組立体(継電器など)の開く接触器部分におけるアーク発生の効果は、組立体および隣接した構成要素に有害な影響を及ぼす恐れがある。切換え組立体の構成次第で、電圧および回路を流れる電流と同様に、このようなアークは、しばしば数百マイクロ秒程度で非常に急速に生じる。上で述べたように、従来技術の手法は、接触板および高電圧接触器を確立するために使用される端子を含む接触器部分に隣接して磁石を設置するステップを含む。最初に図1Aおよび図1Bを参照すると、従来型の継電器10(安全器、回路遮断器または関連したスイッチの形態であってもよい)は、アーク消滅磁石(以下でより詳細に論じられる)を装備される。継電器10は、ソレノイド部分20および接触器部分30を含む。ソレノイド部分20は、励磁されたとき、コイル22内に設置される密封された磁心、軸またはプランジャ24を長手方向に移動させる磁気流れを生成する1つまたは複数のコイル22を含む。コイル22およびプランジャ24は、磁気流れを強化するように作用する磁化可能な枠または磁界26内に密封される。頂部に示されている接触器部分30は、一般に、1対の端子32(32Aおよび32Bとして別々に示される)とプランジャ24の頂部に接続される移動接触板34とを含む。接触板34は、ソレノイド部分20の励磁/消勢次第で、選択的に、端子32に接続したり、端子32から分離したりする。したがって、コイル22が励磁されるとき、プランジャ24は、接触板34と端子32の間の接点を押しつけ、1つの端子から別の端子に電流が流れ込むことを可能にする。同様に、コイル22が励磁されないとき、プランジャは、高電圧接触器が開状態になるように、コイル22の中へばね付勢手段の下で戻るように後退される。
【0018】
[0017]次に、図1Aおよび図1Bとともに図2を参照して、磁石36と38の対は、磁界40が接触器部分30を包み込むように、端子32にまたがって設置される。図に示されたバージョンでは、磁石36と磁石38の間にN−Sの双極関係が存在するように、磁石36が北極に対応し、磁石38が南極に対応するが、当業者には反対の極性が確立され得ることが理解されよう。図1Aに示された磁石36と38の対は、接触板34と端子32の間に形成された接触域の全体の長さの両端に設置して示されており、実際には、適切な磁界サイズを促進するために水平方向に越えて広がる。フレーム39は、磁界が最も顕著な、端子32および接触板34のまわりの領域を画定するのを支援することに加えて、磁石36および38を枠26に対して確実に取り付けるために使用される。
【0019】
[0018]当業者には十分に理解されるように、磁界40は、端子32と接触板34が分離したとき生成されるアークを、接触域の面の外部、ならびに磁石36、磁石38、およびフレーム39によって画定される領域の残りに向けて強制的に広げることになる。アーク拡張(および関連したエネルギー散逸)が磁石によって有利に促進されるものの、磁石36および38は、接触板34上のローレンツ力も生成する。特定の動作条件(特に自動車または関連した車両を推進するのに使用されるものなど大電力電源に関連した条件)下では、予想以上の電流が見られることがあり、接触板34が下方へ移動するほどローレンツ力が十分に大きくなって接触板34と端子32の間の接触が開く。
【0020】
[0019]次に、図3Aおよび図3Bを参照して、図1Aおよび図1Bの継電器10の構造により、接触板を通って流れる電流の方向は、磁石36および38のそれぞれの北極と南極の間に広がる磁界に対して直交する方向に沿って作動するように配向される。このようにして、生成される力
【0021】
【数1】
【0022】
は、磁界
【0023】
【数2】
【0024】
と電流
【0025】
【数3】
【0026】
の相互作用にベクトル量
【0027】
【数4】
【0028】
によって一般に関係づけられることに留意して、結果として生じるローレンツ力は、電流
【0029】
【数5】
【0030】
と磁界
【0031】
【数6】
【0032】
の間の協働平面に対して実質的に垂直な方向に向けられる。磁石36および38によって形成される磁界と右端の端子32Aおよび左端の端子32Bを通って流れる電流との間のこの垂直の相互作用、ならびに2つの別々の環境において接触板34に与えられる力が示されている。回路が開かれた直後(すなわち接触板34と端子32Aおよび32Bとの間の接続がたった今開かれたとき)のものである図3Aの第1の例では、残留電流
【0033】
【数7】
【0034】
が、右端の端子32Aを下方へ流れ、左端の端子32Bを上方へ流れているので、磁界
【0035】
【数8】
【0036】
との相互作用が、右端の端子32Aから右方向の力を生成し、左端の端子32Bから左方向の力を生成して、それによって(どちらの場合も)、アークのエネルギーがより迅速に散逸することができるように、アーク(図示せず)を外へ押し進める。そのため、この力は、アークの期間を短縮する傾向があり、端子を通って流れる電流と磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。図3Bの第2の例(回路が開かれる直前を含めて回路が開かれるまでの通常の回路動作の期間に一致し得る)では、ローレンツ力
【0037】
【数9】
【0038】
は、電流
【0039】
【数10】
【0040】
が右から左の方向に流れ、磁界
【0041】
【数11】
【0042】
が以前のままである接触板34に作用して示される。結果として生じる力
【0043】
【数12】
【0044】
は下方へ向くことになり、接触板34に対して早まって開くように強いることにより、望ましくない作用をする可能性がある。本発明者が、少なくとも端子と接触板の間に直線状の結合がある環境については、回避されるべきであると判断したのはこの状況である。
【0045】
[0020]次に図4Aから図4Eを参照して、アーク形成を支援する機構が順に示される。図4Aで、端子32が接触板34から離れるとき形成される間隙からアークAが開始する。図4Bは、図3Aおよび図3Bの磁石36および38によって生成された磁界
【0046】
【数13】
【0047】
の影響下で外へ向かうアークAの推移を示す。図4Cは、アーク電圧が一旦増加されるとアークが拡張することを示し、一方、図4Dは、大気の冷却効果が電圧をさらに増加させるときの、アークに対する周囲の大気の効果を示す。最後に、図4Eは、アーク電圧が接点間の電圧以上になったときアークが消滅することになる様子を示す。
【0048】
[0021]次に図5および図6を参照すると、本発明は、図6に詳細に示されるように、迅速なアーク消滅と同時に、図2に示された単一の大きな双極性磁界を、1対のより小さな双極性磁界140Aおよび140Bへと分割することにより、ローレンツ力を低減することを可能にする。継電器100は、端子132および接触板134で構成された高電圧接触器を収容する接触器部分130を含む。図1A、図1Bおよび図2に示された装置と異なり、磁石は、図6に示されるように4つのより小さな磁石136A、136B、138Aおよび138Bとして形成され、2つの左端の磁石136Aと138Aが協働して1つの磁界140Aを形成し、一方、2つの右端の磁石136Bと138Bが協働して第2の磁界140Bを形成する。これによって、同じ極が接触板134の同じ側に配置された、N−SとN−Sの特定の配置が可能になり、このような構成によって、端子132および接触板134で構成される高電圧接触器部分130が、2重双極性の磁界属性を示す。図5に詳細に示されるように、接触板134のまわりの磁石136A、136B、138Aおよび138Bは、磁石136A、136B、138Aおよび138Bが、フレーム139によって、一般に矩形パターン、具体的には4つの正方形パターンを形成して固定されるように配置される。示され、かつ説明されたものに類似のやり方で接触板134に与えられるローレンツ力の減少をもたらすその他の磁石パターンは、本発明の範囲内であることが当業者には理解されよう。
【0049】
[0022]重要なことには、磁界140Aと140Bを分離すると、接触板134における磁気密度および接触板134のまわりの磁気密度をかなり低下させたまま、磁気密度の集中を、接触器部分130の外側の周辺へ移動させるという効果がある。示されるように、第1の端子および第2の端子で構成された2つの端子132が存在し、これらの端子がこれらの間の間隙に橋渡しする接触板134と接触したとき、端子132に接続された電気回路(図示せず)が完成され得る。これも示されるように、接触板134は、第1の端子と第2の端子の間の長手方向に、接触板の第1の部分が第1の端子と接触し得て、一方接触板の第2の部分が第2の端子と接触し得るように広がる全体的に長方形の構造体を画定する。図2の単一の双極性磁界40の、より小さい分離された磁石群136A、138Aおよび136B、138Bで実現された2重双極性磁界140Aおよび140Bによる置換がさらに示されている。前述のように、この2重双極性の設計の利点は、接触板134の中央のまわりの領域の磁界が弱められて、接触板134上へのローレンツ力の下向きの影響(図5に添付の直交軸の矢印Fの方向によって示される)が大幅に低減することである。これにより、結果として、磁石136A、136B、138Aおよび138Bによって形成され、接触板134にまたがって、図1A、図1Bおよび図2の従来型の装置と類似のやり方でアーク消滅機能を全体的に遂行する磁界が可能になり、一方、図1A、図1Bおよび図2の従来型装置の接触板34および端子32に対して、早まった分離および接触板134と端子132の間に形成された隙間に生成される関連した短絡に耐える改善された能力をさらにもたらす。
【0050】
[0027]本発明を説明するために特定の代表的な実施形態および詳細が示されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行なわれ得ることが当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年1月13日の出願の米国仮出願第61/432,329号の利益を主張するものである。
[0001]本発明は、一般に、ソレノイドベースの直線状接触板上に形成されるローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関し、より詳細には、接触板が開かれるかまたは消勢されたとき、アーク消滅機能を維持する一方でローレンツ力の大きさを低減する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ソレノイドは、継電器、スイッチおよび関連する電気回路の接点を開閉するのにしばしば使用される。一般に、高電圧接触器は、端子間の電気回路を完成するために、接触板を1対の静止した電流搬送端子と選択的に接続させるように移動するのにソレノイドを使用する。この回路は、ソレノイドが消勢されると開き(すなわち不完全になり)、ソレノイドが励磁されると閉じる(すなわち完成する)。回路内の高電圧および大電流の存在が、接触が中断された直後に接触板と端子の間にアーク発生をもたらす可能性がある。アークによって生成される電力は、電気的に強化されていない可能性がある近くの素子に吸収される(または同素子に対して作用する)傾向があるので、このようなアーク発生は特に大電流の動作モードでは望ましくない。
【0003】
[0003]アークを低減するかまたは消滅させる試みは、アーク形成の期間中、エネルギーのいくらかを吸収することによってアークを抑止する機能を生じさせる誘電体ガスで満たされたチャンバの内部に接触板および端子を密封することを含んでいる。このような構成は、実装を縮小し、何らかのレベルの環境に左右されない使用法をもたらす。これにもかかわらず、このような解決策は、装置の原価および複雑さの上昇から好まれない。
【0004】
[0004]別の試みでは、磁界に露出した端子または他の電流搬送部材に作用するローレンツ力をうまく利用するように、追加の磁石対が接触板と端子の対向する面に設置されている。本来のローレンツ力は、接触板において回路が開かれた直後の瞬間に、アーク消去を促進するように、アークの極性を利用してより大きな領域にアークを広げることにより用いられ得る。このような手法は、一般に、アークを消すのを支援するのに十分である。残念ながら、追加の磁石によって生成されるローレンツ力も、通常の閉回路動作の期間中、近くの接触板上に与えられる。この力(一般に、接触板を通る電流の流れに対する磁石の配向により、端子から接触板の早すぎる分離を促進する可能性がある方向の力)が、一般にソレノイドの動作、特に接触板の動作を妨害する可能性があるので、ソレノイドの動作が改善され得るやり方がある。
【0005】
[0005]さらに別の試みでは、高電圧接触器を閉じるのに使用されるばねは、大電流(または短絡故障)の状況の期間中、接点を閉じておくためにより大きなばね定数を有するように設計され得る。このような改善されたスプリング力は、上記で論じられた追加の磁石のローレンツ力から、接触板が早まって開くのに耐える傾向を有することができるが、あいにく、ばねがより強いと、接触を開くのにより大きな力のソレノイドを必要とすることになる。これは、その結果として、より大きなコイルを通るものなど、より大きなエネルギーを必要とする。このような解決策は、重さ、体積、電気エネルギー使用および原価の増加を伴うことにより、好ましくない。
【0006】
[0006]自動車リチウムイオン電池は、部分的(ハイブリッドシステムの場合)または全体的(全電気式システムの場合)に動力を供給するのに用いられている。電動機に電力を供給し、その結果として1組の車輪に推進力を供給することができるには、電圧および電流の一方または両方のかなりのレベルが必要である。このような電池システムによって利用される高レベルの電力は、補正されなければ、継電器および関連したスイッチの動作を通じて顕著なアークをもたらす。何らかの形の磁石ベースのアーク消滅(上記で論じられたものなど)を利用するシステムでは、磁界によって誘起されるローレンツ力が、接触板および従来型の継電器の接点および関連したスイッチ組立体を、それらが設計されたものとは異なる度合いに(または異なる時間に)それらを移動させることにより、妨げになるほど十分に大きい。具体的には、この下方に向けられた力が、ソレノイドのプランジャ上に誘起される磁力によって確立されるバイアスに打ち勝つ可能性があり、その結果として意図せず接点が開き、追加の磁石によって回避しようとしていたアークの発生を引き起こす恐れがある。このように接触板が不時に開くと、電池式自動車の推進システムの動作に有害な影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]消勢された接点に関連したアークを低減し、同時に、形成されたローレンツ力が電気端子および接触板の動作に影響を与える傾向を低減するために、2重双極性磁界を設定するように、継電器、スイッチまたは関連するソレノイドベースの装置に使用される追加の磁石が形成され得る。磁石対の組によって生成された2つの別々の磁界の結果として形成される、この2重双極性の構成は、継電器の接触器部分に隣接した領域に確立される。磁界のこの分離は、磁気密度の集中を、接触器部分を構成する接触板および端子を密封するチャンバの側面に沿って形成された領域へ移動する。結果として、磁気密度は、一般により小さな接触板の表面領域に与えられ、特に接触器部分の中心では激減する。磁界に露出される接触板の表面領域の量をできるだけ小さく保つことにより、接触板に与えられるローレンツ力の量が付随的に小さく保たれ、その結果として、このような力によって接触板と端子が意図せず分離する可能性を減少させる。現在の2重双極性の設計は、高電圧接触器の安定性を改善するためにアーク消滅の制御を維持するのに役立ち、その結果として、リチウムイオン電池システムに見られるものなどの高電圧接触器向けのより頑健な継電器設計をもたらす。磁石を分離して、継電器またはスイッチの接触器部分のまわりの4つの角にそれらを設置することにより、それによって形成される双極性の設計が、短絡故障などの極限状態を通じて導入される物理的影響をかなり低下することができる。
【0008】
[0008]本発明の第1の態様によれば、切換え組立体が開示される。現在の状況では、切換え組立体は、電気回路の選択的開閉を可能にする構成要素の配置に対応する。そのため、切換え回路を通過する電流は、2次電気回路の電源を入れたり切ったりするのに用いられ得る。一例では、このような2次回路は、1つまたは複数の電池(リチウムイオン電池など)から、自動車、トラックまたは関連した車両もしくは原動力の用途に推進力を供給することができる電動機または他の装置に電流を配送するように構成された作業遂行回路であり得る。特定の形態では、本発明の切換え組立体は、継電器、スイッチまたは関連した回路の開閉機構として構成されてよい。切換え組立体は、ソレノイドのコイルを通過する電流に対して移動可能に応答するプランジャを有するソレノイドを含む。一般に、プランジャは、コイルの励磁および消勢に際して、(ソレノイドの配向次第で、例えば上下方向または横方向に)並進運動を経験する。この組立体は、電流を伝えることができてプランジャによって移動され得る接触板をさらに含む。好ましい一実施形態は、互いに直接接触するプランジャおよび接触板を有するが、プランジャから接触板に与えられる力を減じない介在する構造体が存在し得るので、このような直接接触は必要ではない。この組立体は、移動する接触板によって端子どうしが接触したとき、両端子に接続された電気回路が完成され得るように、互いに離れて設置された2つ以上の端子をさらに含む。このような電気回路の一例は、リチウムイオン動力装置から自動車用途向けの電動機または車輪の組に電気を供給するための、上記で論じられたものなどの働きを遂行することができる電流を伝えるのに使用され得る任意の回路である。ソレノイドが励磁されると、プランジャが、接触板を各端子と強制的に接触させて、それらの間に回路を完成する。
【0009】
[0009]この組立体は、多数のアーク消滅磁石をさらに含む。これらの磁石(本明細書では追加の磁石とも称される)は、少なくとも接触板および接触板と協働する端子の部分によって画定される領域のまわりに設置される。こうして、このような協働によって確立された接触点が、低減された磁界に露出される。具体的には、磁石は、接触板の一部分だけが磁界に露出されるように配置される。磁石によって生成される磁界の適切な配置、サイジングおよび区分化により、磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の一部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与える。このような構造により、接触板に与えられるローレンツ力(磁界の副産物である)は、接触板の全体が磁界に露出された場合より小さく、その一方で、ソレノイドが消勢されて接触板と端子の間の接触が遮断された直後の期間を通じて、依然としてアーク消滅機能を促進することができる。
【0010】
[0010]一形態では、追加の磁石が2重双極性の組として配置され、このような構造は、ローレンツ力の一部分を、接触板に対する動作(または結合)から除去する。接触板と相互作用する磁界の大きさを低減することにより、接触板に与えられるローレンツ力(プランジャの動きが上下方向で、接触板も上下に移動するようにプランジャ上に配置される用途では、下方へ向けられる)の大きさが低減される。これは、その結果として、接触板が早まって端子から分離する傾向を低減する。この2重双極性の組は、第1の部分に主に影響を与える磁界の部分が第1の組によって生成され、一方、第2の部分に主に影響を与える磁界の部分が第2の組によって生成されることを意味する。より詳細には、この構成では、磁界が、プランジャの移動方向に対して実質的に垂直に広がり、このようにして、第1の磁石の組によって生成される磁界の部分が、プランジャの1つの側面上に広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される磁界の部分が、プランジャの実質的に反対側の側面上に広がる。さらに詳細には、磁石の2つの組は、第1の磁石の組によって生成される磁界の部分が第1の端子に最も近い接触板の2分の1未満を覆うように広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される磁界の部分が第2の端子に最も近い接触板の2分の1未満を覆うように広がるように、4つの正方形パターンに配置される。別の選択肢では、端子は第1の端子および第2の端子で構成され、一方、接触板は、接触板の第1の部分が全体的に第1の端子に隣接する一方で、接触板の第2の部分が全体的に第2の端子に隣接するように、第1の端子と第2の端子の間の長手方向に広がる。より詳細には、接触板は、第1の部分が第2の部分に重ならない細長い形状に形成される。接触板および磁石組のこのような構造によって、接触板のかなりの部分(具体的にはその中央のまわりに領域)は、磁界と端子および接触板を通る電流の流れとの相互作用によって生成されるローレンツ力に対する露出が実質的に縮小される。このような構成は、かけられるローレンツ力とソレノイドのプランジャの動きが、全体的に平行な経路に沿うものであることを意味する。
【0011】
[0011]本発明の別の態様によれば、車両の推進システムが開示される。このシステムは、多数の電池、原動力、および電池から原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体を含む。切換え組立体は、少なくとも1つのコイルおよび同コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドを含む。さらに切換え組立体は、接触板と、互いに接触したとき接触板を介して電流を伝達するように構成された少なくとも2つの端子とを含む。これらの端子は、ソレノイドが励磁されたとき、プランジャが、電気回路を完成するために接触板を端子と強制的に接触させるように、ソレノイドおよび接触板と協働する。切換え組立体は、磁石によって生成される磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の別の部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、接触板と諸端子の接触によって少なくとも部分的に画定される領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石をさらに含む。磁石の数および配置は、磁界の部分が接触板上に与えるローレンツ力が、接触板の全体が磁界に露出された場合(実質的に接触板の全体に及ぶ寸法を有する磁石によって形成されたN−S磁界が存在する状況など)のローレンツ力を下回るようなものである。
【0012】
[0012]任意選択で、電池はリチウムイオン電池である。別の選択肢では、原動力は、車両の1つまたは複数の車輪に回転式に結合された電動機で構成される。より詳細には、電動機によって1つまたは複数の車輪に対して生成される回転力の量を変化させるために、電動機と1つまたは複数の車輪の間に車両変速機が配置されてよい。
【0013】
[0013]本発明の別の態様によれば、切換え組立体を動作させる方法が開示される。この方法は、導電性端子に隣接して接触板を配置するステップおよびソレノイドを動作させるステップを含む。ソレノイドが励磁されると、接触板を端子と接触させて電気回路を完成する。同様に、ソレノイドが消勢されると、接触板が複数の端子から分離することが可能になり、電気回路が開く(すなわち電気回路が無効になる)。切換え組立体は、接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置された多数のアーク消滅磁石も含む。このようにして、接触板の全体が磁界に露出される場合より、磁界の諸部分が接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、磁石によって生成された磁界の一部分が、接触板の第1の部分に主に影響を与える一方で、磁界の別の部分が、第1の部分から離隔された接触板の第2の部分に主に影響を与える。
【0014】
[0014]任意選択で、切換え組立体は自動車の継電器を備える。より詳細には、電気回路は、複数の電池と、それらの複数の電池から継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された配線とを備える電力回路の一部分を形成する。さらに詳細には、原動力は、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える。さらに詳細には、複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える。一形態では、ソレノイドの構成要素(ソレノイドのコイルに設定された磁界に応答して動くプランジャなど)が、接触板を、ソレノイドの励磁/消勢次第で端子の方へ/端子から遠ざけて押し進めるように、ソレノイドと接触板が互いに貼り付けられる。
【0015】
[0015]特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面とともに読み取られたとき最もよく理解され得るものであり、類似の構造体は類似の参照数字で示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】従来技術による一般的な直線動作の電気的継電器の簡易斜視図である。
【図1B】図1Aの継電器の部分断面図である。
【図2】図1Aおよび図1Bの継電器の接触版および端子領域のまわりに配置された磁石によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【図3A】図3Aは、直線状の継電器によって接続された回路が不通になった直後の期間を通じて形成されるアークを抑制するのに、電流と磁界の関係によって生成される外向きのローレンツ力が使用され得る様子を示す図である。
【図3B】図3Bは、通常の回路動作中に電流と磁界の関係によって生成されるローレンツ力が、直線状の継電器の接触板上に作用する下向きの成分を有する様子を示す図である。
【図4A】図4Aは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの形成を示す図である。
【図4B】図4Bは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4C】図4Cは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4D】図4Dは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの成長を示す図である。
【図4E】図4Eは、直線状の継電器の高電圧電気接点が不通になった後の時間系列におけるアークの消滅を示す図である。
【図5】本発明の一態様による直線状の電気的継電器の接触器部分を示す簡易斜視図である。
【図6】図5の継電器の接触板および端子領域のまわりに配置された磁石によって生成される代表的な磁界の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0016]上記で論じられたように、直線状の切換え組立体(継電器など)の開く接触器部分におけるアーク発生の効果は、組立体および隣接した構成要素に有害な影響を及ぼす恐れがある。切換え組立体の構成次第で、電圧および回路を流れる電流と同様に、このようなアークは、しばしば数百マイクロ秒程度で非常に急速に生じる。上で述べたように、従来技術の手法は、接触板および高電圧接触器を確立するために使用される端子を含む接触器部分に隣接して磁石を設置するステップを含む。最初に図1Aおよび図1Bを参照すると、従来型の継電器10(安全器、回路遮断器または関連したスイッチの形態であってもよい)は、アーク消滅磁石(以下でより詳細に論じられる)を装備される。継電器10は、ソレノイド部分20および接触器部分30を含む。ソレノイド部分20は、励磁されたとき、コイル22内に設置される密封された磁心、軸またはプランジャ24を長手方向に移動させる磁気流れを生成する1つまたは複数のコイル22を含む。コイル22およびプランジャ24は、磁気流れを強化するように作用する磁化可能な枠または磁界26内に密封される。頂部に示されている接触器部分30は、一般に、1対の端子32(32Aおよび32Bとして別々に示される)とプランジャ24の頂部に接続される移動接触板34とを含む。接触板34は、ソレノイド部分20の励磁/消勢次第で、選択的に、端子32に接続したり、端子32から分離したりする。したがって、コイル22が励磁されるとき、プランジャ24は、接触板34と端子32の間の接点を押しつけ、1つの端子から別の端子に電流が流れ込むことを可能にする。同様に、コイル22が励磁されないとき、プランジャは、高電圧接触器が開状態になるように、コイル22の中へばね付勢手段の下で戻るように後退される。
【0018】
[0017]次に、図1Aおよび図1Bとともに図2を参照して、磁石36と38の対は、磁界40が接触器部分30を包み込むように、端子32にまたがって設置される。図に示されたバージョンでは、磁石36と磁石38の間にN−Sの双極関係が存在するように、磁石36が北極に対応し、磁石38が南極に対応するが、当業者には反対の極性が確立され得ることが理解されよう。図1Aに示された磁石36と38の対は、接触板34と端子32の間に形成された接触域の全体の長さの両端に設置して示されており、実際には、適切な磁界サイズを促進するために水平方向に越えて広がる。フレーム39は、磁界が最も顕著な、端子32および接触板34のまわりの領域を画定するのを支援することに加えて、磁石36および38を枠26に対して確実に取り付けるために使用される。
【0019】
[0018]当業者には十分に理解されるように、磁界40は、端子32と接触板34が分離したとき生成されるアークを、接触域の面の外部、ならびに磁石36、磁石38、およびフレーム39によって画定される領域の残りに向けて強制的に広げることになる。アーク拡張(および関連したエネルギー散逸)が磁石によって有利に促進されるものの、磁石36および38は、接触板34上のローレンツ力も生成する。特定の動作条件(特に自動車または関連した車両を推進するのに使用されるものなど大電力電源に関連した条件)下では、予想以上の電流が見られることがあり、接触板34が下方へ移動するほどローレンツ力が十分に大きくなって接触板34と端子32の間の接触が開く。
【0020】
[0019]次に、図3Aおよび図3Bを参照して、図1Aおよび図1Bの継電器10の構造により、接触板を通って流れる電流の方向は、磁石36および38のそれぞれの北極と南極の間に広がる磁界に対して直交する方向に沿って作動するように配向される。このようにして、生成される力
【0021】
【数1】
【0022】
は、磁界
【0023】
【数2】
【0024】
と電流
【0025】
【数3】
【0026】
の相互作用にベクトル量
【0027】
【数4】
【0028】
によって一般に関係づけられることに留意して、結果として生じるローレンツ力は、電流
【0029】
【数5】
【0030】
と磁界
【0031】
【数6】
【0032】
の間の協働平面に対して実質的に垂直な方向に向けられる。磁石36および38によって形成される磁界と右端の端子32Aおよび左端の端子32Bを通って流れる電流との間のこの垂直の相互作用、ならびに2つの別々の環境において接触板34に与えられる力が示されている。回路が開かれた直後(すなわち接触板34と端子32Aおよび32Bとの間の接続がたった今開かれたとき)のものである図3Aの第1の例では、残留電流
【0033】
【数7】
【0034】
が、右端の端子32Aを下方へ流れ、左端の端子32Bを上方へ流れているので、磁界
【0035】
【数8】
【0036】
との相互作用が、右端の端子32Aから右方向の力を生成し、左端の端子32Bから左方向の力を生成して、それによって(どちらの場合も)、アークのエネルギーがより迅速に散逸することができるように、アーク(図示せず)を外へ押し進める。そのため、この力は、アークの期間を短縮する傾向があり、端子を通って流れる電流と磁石間を通る磁界との相互作用の概して望ましい副産物である。図3Bの第2の例(回路が開かれる直前を含めて回路が開かれるまでの通常の回路動作の期間に一致し得る)では、ローレンツ力
【0037】
【数9】
【0038】
は、電流
【0039】
【数10】
【0040】
が右から左の方向に流れ、磁界
【0041】
【数11】
【0042】
が以前のままである接触板34に作用して示される。結果として生じる力
【0043】
【数12】
【0044】
は下方へ向くことになり、接触板34に対して早まって開くように強いることにより、望ましくない作用をする可能性がある。本発明者が、少なくとも端子と接触板の間に直線状の結合がある環境については、回避されるべきであると判断したのはこの状況である。
【0045】
[0020]次に図4Aから図4Eを参照して、アーク形成を支援する機構が順に示される。図4Aで、端子32が接触板34から離れるとき形成される間隙からアークAが開始する。図4Bは、図3Aおよび図3Bの磁石36および38によって生成された磁界
【0046】
【数13】
【0047】
の影響下で外へ向かうアークAの推移を示す。図4Cは、アーク電圧が一旦増加されるとアークが拡張することを示し、一方、図4Dは、大気の冷却効果が電圧をさらに増加させるときの、アークに対する周囲の大気の効果を示す。最後に、図4Eは、アーク電圧が接点間の電圧以上になったときアークが消滅することになる様子を示す。
【0048】
[0021]次に図5および図6を参照すると、本発明は、図6に詳細に示されるように、迅速なアーク消滅と同時に、図2に示された単一の大きな双極性磁界を、1対のより小さな双極性磁界140Aおよび140Bへと分割することにより、ローレンツ力を低減することを可能にする。継電器100は、端子132および接触板134で構成された高電圧接触器を収容する接触器部分130を含む。図1A、図1Bおよび図2に示された装置と異なり、磁石は、図6に示されるように4つのより小さな磁石136A、136B、138Aおよび138Bとして形成され、2つの左端の磁石136Aと138Aが協働して1つの磁界140Aを形成し、一方、2つの右端の磁石136Bと138Bが協働して第2の磁界140Bを形成する。これによって、同じ極が接触板134の同じ側に配置された、N−SとN−Sの特定の配置が可能になり、このような構成によって、端子132および接触板134で構成される高電圧接触器部分130が、2重双極性の磁界属性を示す。図5に詳細に示されるように、接触板134のまわりの磁石136A、136B、138Aおよび138Bは、磁石136A、136B、138Aおよび138Bが、フレーム139によって、一般に矩形パターン、具体的には4つの正方形パターンを形成して固定されるように配置される。示され、かつ説明されたものに類似のやり方で接触板134に与えられるローレンツ力の減少をもたらすその他の磁石パターンは、本発明の範囲内であることが当業者には理解されよう。
【0049】
[0022]重要なことには、磁界140Aと140Bを分離すると、接触板134における磁気密度および接触板134のまわりの磁気密度をかなり低下させたまま、磁気密度の集中を、接触器部分130の外側の周辺へ移動させるという効果がある。示されるように、第1の端子および第2の端子で構成された2つの端子132が存在し、これらの端子がこれらの間の間隙に橋渡しする接触板134と接触したとき、端子132に接続された電気回路(図示せず)が完成され得る。これも示されるように、接触板134は、第1の端子と第2の端子の間の長手方向に、接触板の第1の部分が第1の端子と接触し得て、一方接触板の第2の部分が第2の端子と接触し得るように広がる全体的に長方形の構造体を画定する。図2の単一の双極性磁界40の、より小さい分離された磁石群136A、138Aおよび136B、138Bで実現された2重双極性磁界140Aおよび140Bによる置換がさらに示されている。前述のように、この2重双極性の設計の利点は、接触板134の中央のまわりの領域の磁界が弱められて、接触板134上へのローレンツ力の下向きの影響(図5に添付の直交軸の矢印Fの方向によって示される)が大幅に低減することである。これにより、結果として、磁石136A、136B、138Aおよび138Bによって形成され、接触板134にまたがって、図1A、図1Bおよび図2の従来型の装置と類似のやり方でアーク消滅機能を全体的に遂行する磁界が可能になり、一方、図1A、図1Bおよび図2の従来型装置の接触板34および端子32に対して、早まった分離および接触板134と端子132の間に形成された隙間に生成される関連した短絡に耐える改善された能力をさらにもたらす。
【0050】
[0027]本発明を説明するために特定の代表的な実施形態および詳細が示されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行なわれ得ることが当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されたとき、前記プランジャが、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える切換え組立体。
【請求項2】
前記複数の磁石が、前記第1の部分に主に影響を与える前記磁界の前記部分が第1の組によって生成され、一方、前記第2の部分に主に影響を与える前記磁界の前記部分が第2の組によって生成されるように、少なくとも2つの組として配置される請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記磁石の少なくとも2つの組の前記第1の組によって生成された前記磁界の前記一部分が、前記プランジャの1つの側面上に広がり、一方、前記磁石の少なくとも2つの組の前記第2の組によって生成された前記磁界の前記一部分が、前記プランジャの実質的に反対側の側面上に広がるように、前記磁界が、前記プランジャの移動方向に対して実質的に垂直に広がる請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記磁石の少なくとも2組が、第1の磁石の組によって生成される前記磁界の部分が第1の前記複数の端子に最も近い前記接触板の2分の1未満を覆うように広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される前記磁界の部分が第2の前記複数の端子に最も近い前記接触板の2分の1未満を覆うように広がるように、4つの正方形パターンに配置される請求項2に記載の組立体。
【請求項5】
前記複数の端子が第1の端子および第2の端子を備え、前記接触板が、前記接触板の前記第1の部分が前記第1の端子と選択的に接触し、一方前記接触板の第2の部分が前記第2の端子と選択的に接触するように、前記第1の端子と前記第2の端子の間で長手方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記接触板上に与えられる前記ローレンツ力が、前記プランジャの移動方向に対して実質的に平行な方向に沿って作用する請求項1に記載の組立体。
【請求項7】
前記接触板が、前記第1の部分が前記第2の部分に重ならない細長い形状に形成される請求項1に記載の組立体。
【請求項8】
複数の電池と、
原動力と、
前記複数の電池から前記原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体とを備える車両推進システムであって、前記切換え組立体が、
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
電流を通して伝達するように構成された複数の端子であって、前記ソレノイドが励磁されたとき、前記プランジャが、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える、車両推進システム。
【請求項9】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項8に記載の推進システム。
【請求項10】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項8に記載の推進システム。
【請求項11】
前記車両の少なくとも1つの車輪に対して前記電動機によって生成される回転力の量を変化させるように前記電動機と前記車両の少なくとも1つの車輪の間に配置された車両変速機をさらに備える請求項10に記載の推進システム。
【請求項12】
切換え組立体を動作させる方法であって、
複数の導電性端子を、接触板との間に接触点が選択的に確立され得るように前記接触板に隣接して配置するステップと、
ソレノイドを、前記ソレノイドが、励磁されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間に電気回路を完成するように、前記接触板を強制的に前記複数の端子と接触させ、前記ソレノイドが、消勢されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間の電気回路を開くように、前記接触板が前記複数の端子から分離することを可能にするように動作させるステップとを含み、前記切換え組立体が、複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石を備える方法。
【請求項13】
前記切換え組立体が自動車の継電器を備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気回路が、前記電池から前記継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された複数の電池および配線を備える電力回路の一部分を形成する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項15に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
前記ソレノイドが励磁されたとき、前記プランジャが、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の導電性端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える切換え組立体。
【請求項2】
前記複数の磁石が、前記第1の部分に主に影響を与える前記磁界の前記部分が第1の組によって生成され、一方、前記第2の部分に主に影響を与える前記磁界の前記部分が第2の組によって生成されるように、少なくとも2つの組として配置される請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記磁石の少なくとも2つの組の前記第1の組によって生成された前記磁界の前記一部分が、前記プランジャの1つの側面上に広がり、一方、前記磁石の少なくとも2つの組の前記第2の組によって生成された前記磁界の前記一部分が、前記プランジャの実質的に反対側の側面上に広がるように、前記磁界が、前記プランジャの移動方向に対して実質的に垂直に広がる請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記磁石の少なくとも2組が、第1の磁石の組によって生成される前記磁界の部分が第1の前記複数の端子に最も近い前記接触板の2分の1未満を覆うように広がり、一方、第2の磁石の組によって生成される前記磁界の部分が第2の前記複数の端子に最も近い前記接触板の2分の1未満を覆うように広がるように、4つの正方形パターンに配置される請求項2に記載の組立体。
【請求項5】
前記複数の端子が第1の端子および第2の端子を備え、前記接触板が、前記接触板の前記第1の部分が前記第1の端子と選択的に接触し、一方前記接触板の第2の部分が前記第2の端子と選択的に接触するように、前記第1の端子と前記第2の端子の間で長手方向に広がる請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記接触板上に与えられる前記ローレンツ力が、前記プランジャの移動方向に対して実質的に平行な方向に沿って作用する請求項1に記載の組立体。
【請求項7】
前記接触板が、前記第1の部分が前記第2の部分に重ならない細長い形状に形成される請求項1に記載の組立体。
【請求項8】
複数の電池と、
原動力と、
前記複数の電池から前記原動力への電流の選択的配送を可能にするように構成された切換え組立体とを備える車両推進システムであって、前記切換え組立体が、
少なくとも1つのコイルおよび前記コイルを流れる電流に対して移動可能に応答する少なくとも1つのプランジャを備えるソレノイドと、
接触板と、
電流を通して伝達するように構成された複数の端子であって、前記ソレノイドが励磁されたとき、前記プランジャが、前記接触板を前記複数の端子と強制的に接触させて、その間に電気回路を完成するように、前記ソレノイドおよび前記接触板と協働する複数の端子と、
複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石とを備える、車両推進システム。
【請求項9】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項8に記載の推進システム。
【請求項10】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項8に記載の推進システム。
【請求項11】
前記車両の少なくとも1つの車輪に対して前記電動機によって生成される回転力の量を変化させるように前記電動機と前記車両の少なくとも1つの車輪の間に配置された車両変速機をさらに備える請求項10に記載の推進システム。
【請求項12】
切換え組立体を動作させる方法であって、
複数の導電性端子を、接触板との間に接触点が選択的に確立され得るように前記接触板に隣接して配置するステップと、
ソレノイドを、前記ソレノイドが、励磁されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間に電気回路を完成するように、前記接触板を強制的に前記複数の端子と接触させ、前記ソレノイドが、消勢されたとき、前記接触板と前記複数の端子との間の電気回路を開くように、前記接触板が前記複数の端子から分離することを可能にするように動作させるステップとを含み、前記切換え組立体が、複数のアーク消滅磁石であって、前記接触板の全体が前記磁界に露出される場合より、前記磁界の前記諸部分が前記接触板に与えるローレンツ力が小さくなるように、前記複数の磁石によって生成される磁界の一部分が、主に前記接触板の第1の部分に影響を与え、一方、前記磁界の別の部分が、前記第1の部分から離隔された前記接触板の第2の部分に主に影響を与えるように、前記接触板と前記複数の端子の間の前記接触点によって少なくとも部分的に画定された領域の周辺に配置される複数のアーク消滅磁石を備える方法。
【請求項13】
前記切換え組立体が自動車の継電器を備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気回路が、前記電池から前記継電器を通して原動力まで電流を伝えるように構成された複数の電池および配線を備える電力回路の一部分を形成する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記原動力が、車両の少なくとも1つの車輪に回転結合された電動機を備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の電池が複数のリチウムイオン電池を備える請求項15に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−146634(P2012−146634A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−245637(P2011−245637)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511095986)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245637(P2011−245637)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511095986)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
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