自動車両のステアリングコラムカバーとライニング部との間に配置されるシール部材、シール部材とライニング部からなる装置、およびシール部材をライニング部に取り付ける方法
本発明は、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)に関し、前記シール部材は、復元可能材料からなる発泡体部(10)から形成されることを特徴とし、二つの腕部(11a,11b)とそれに接続された湾曲した環状の中心部(11c)とを備えるか、環状に具現化される。本発明はまた、前記シール部材をライニング部(3)に取り付ける方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両のステアリングコラムカバーとライニング部との間に配置されるシール装置と、シール部材とライニング部とからなる装置と、シール部材をライニング部に取り付けるための方法とに関する。これらのシール部材または装置は、特に調節可能な自動車両ステアリングコラムと連係するように企図されている。
【背景技術】
【0002】
自動車両のステアリングコラムは、車両内部からステアリング機構に向かって延びており、ダッシュボード内の開口部、または、内部ライニング部内の特に運転手の脚の領域に位置する開口部を通って突出している。特に車内領域において、ステアリングコラムはライニングによって部分的に囲まれている。このステアリングコラムライニング部またはステアリングコラムカバーは、内部ライニング部まで延びており、一般的にはその中に設けられた開口部をも通って延びている。
【0003】
ステアリングコラム軸線に対して横断方向に調節可能なステアリングコラムの場合、ライニング部内の開口部の大きさおよび形状は、ステアリングコラムのための意図した調節範囲のみならずステアリングコラムカバーの形状とも一致するように形成されるので、ステアリングコラムの各調節位置において、残余開口部、すなわちハッチまたは隙間が、運転手には見えないステアリングコラムの下に残る。従って、このハッチまたは隙間の形状および大きさもまた、ステアリングコラムの調節位置によって決まる。
【0004】
この残余開口部または隙間が、単に覆われないか、本質的に外観上の理由のためにルーバー付きの織布またはプラスチックバーによって覆われることが、先行技術において知られている。
【0005】
特許文献1は、ステアリングコラムまたはそれに接続されたライニング部と、ダッシュボードの反対側部分との間の可変隙間のための、可撓性の被覆部材から形成された、自動車両の調節可能ステアリングコラムにおける隙間カバーを開示している。この被覆部材は、ステアリングコラムの中心位置に対応する縦断面においてほぼS形状に湾曲しているので、ライニング部に隣接した領域において、車の運転手に向かって凹形に湾曲したループを形成している。このために、被覆部材の端部領域は、ステアリングコラムの軸線方向において、ほぼ反対方向に延びるそれぞれの関連部品に固定される。ステアリングコラムの軸線に対してほぼ反対方向に向けられた被覆部材の末端領域は、一方ではライニング部に固定され、他方ではダッシュボードに取り外し可能に接続されたハウジングに固定される。このステアリングコラムのライニング部への固定は、ブラケットとクリップとの接続によって行われる。ステアリングコラムが軸線方向に運動した場合、隙間カバーの大部分が不規則に外側または内側に曲がり、このことは不都合である。
【0006】
特許文献2は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置される被覆部を開示している。この被覆部は、軸線方向に互いに離間された複数の環状支持部分を有する。複数の環状支持部分は、寸法が安定したプラスチックから形成されており、どんな場合でも弾性接続によって接続される。外側で、被覆部は、その外観を改善するために、伸縮可能なフィルムに積層される。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第DE4337721C1号
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第DE10349681C2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ライニング部とステアリングコラムとの間で作用し、内部ライニング部とステアリングコラムカバーとの間のいずれの調節位置においても安定に配置され、車内の快適さを改善するシール部材を提供することにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、多数の本発明によるシール部材の経済的な製造と取り付けを可能にするとともに、シール部材が傷むことなく使用期間中において調節可能ステアリングコラムの極めて頻繁に行われるものと想定される動きに対しても耐えることができるように、シール部材を対応するライニング部に十分に適切に固定する方法を提供することにある。
【0009】
これらの目的は、独立特許請求項によって達成される。更なる実施態様が、それぞれ独立特許請求項を引用する従属請求項の中で述べられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置されるシール部材であって、弾性材料から形成された発泡体部を有すると共に、二つの腕部とそれらを接続する湾曲中心部とによって形成されるシール部材を提供する。
【0011】
本発明は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置されるシール部材であって、弾性材料から形成された発泡体部を有すると共に、トーラスおよびリムの少なくともいずれかの形態で形成されるシール部材を提供する。
【0012】
前記シール部材は、弾性発泡体部からなる2層と、更に、前記ステアリングコラムカバーに面する側において、更に滑性を有する材料の層からなる少なくとも複数部分とから形成され得る。前記滑性を有する材料の層は、積層されるか、接着接合されるか、フロック加工によって前記発泡体部に付与され得る。あるいは、前記滑性を有する材料の層は、可撓性の伸縮可能材料からなる被覆部から形成され得る。前記被覆部は、少なくとも複数部分において、前記発泡体部を越えて伸張され、かつ/または、固定手段によって前記ライニング部に固定され得る。前記被覆部は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部に接着接合され得る。代替案として、または、更に、前記被覆部は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部に溶接され得る。
【0013】
前記被覆部は、製造されるべきシール部材の形状の可撓性のチューブまたはホースとして形成されることもでき、いずれの場合においても、前記シール部材を形成する可撓性のチューブまたはホースの中に発泡体が形成される。
【0014】
前記被覆部は、ポリアミド織布から単一層に形成され得る。
あるいは、前記被覆部は、ポリアミド織布と発泡体層とから2層に形成され、前記発泡体層は前記発泡体部の側に配置され得る。
【0015】
前記被覆部は、二つのポリアミド織布層とその間に配置された発泡体層とから3層に形成されることも可能である。
前記発泡体部のために使用される材料は、
好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度と、
0.5〜3kPaである40%変形の圧縮硬度と、
cm当たり20〜200個である発泡材料のセル計数と
のうちの一つ以上の決定変数を満足する材料とすることができる。
【0016】
前記発泡体部はポリエーテルまたはポリウレタンから形成することができる。
本発明はまた、ライニング部とステアリングコラムカバーの間に位置する装置であって、前記ライニング部とステアリングコラムカバーの間に配置されたシール部材を有し、前記シール部材は、ステアリング中心軸線がその中に位置し、前記シール部材の中央3分の1を通過する断面平面において見たときに、前記シーリングコラムカバーと前記ライニング部に対して、前記ライニング部の端領域の輪郭線または断面平面内の断面線の、断面平面上に投影された延長部分が、前記シール部材の断面の内側に位置するように、配置される装置を提供する。
【0017】
シール部材を備えた装置において、前記シール部材はフレーム部材上に取り付けることができる。更に、前記シール部材に当たることになる前記ステアリングコラムカバーの領域の上にテフロン(登録商標)層を配置することができる。
【0018】
本発明はまた、ライニング部とステアリングコラムカバーの間にシール部材を取り付ける方法であって、
前記ライニング部を受容装置の上部側に配置する工程と、
予め製造された出発材料を前記ライニング部の上において被覆部を形成する工程と、
前記被覆部を第1端領域によって前記ライニング部に固定する工程と、
前記予め製造された被覆部の第2端領域をクリップによって前記ライニング部に固定する工程とを備えた方法を提供する。
【0019】
本発明による方法において、第1端領域による前記被覆部の固定は、接着接合か溶接または固定部材によって行うことができる。代替案として、または、更に、前記第2端領域による前記被覆部の固定は、接着接合か溶接または固定部材によって行うことができる。
【0020】
前記発泡体部は前記被覆部および前記ライニング部の少なくともいずれかに固定することができる。前記溶接または接着接合は、点状に、または、面領域にわたって行うことができる。
【0021】
本発明によるシール部材の一つの利点は、調節可能ステアリングコラムが使用される場合、ステアリングコラムを調節するのに必要な力が比較的小さいことである。
本発明の更なる利点は、摺動層により、操作上の使用において非常に耐久性が高いシール部材が得られることである。
【0022】
本発明によるシール部材1は、シール部材がその間に配置された部分が振動する場合においてさえもシール部材の位置安定性が確保されるので、ステアリングコラムが調節可能でない場合でも有利である。
【0023】
本発明によるシール部材の使用により、シャーシ領域からの騒音およびほこりに対して車内を効率的にシールすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について添付図面を参照しながら説明する。
図1〜図8に示すシール部材1は、自動車両のライニング部3と該ライニング部3を通って突出するステアリングコラムカバー5との間の隙間7をシールするものである。ライニング部3は、特にダッシュボード、例えばダッシュボードの上部、または下方ライニング部などのライニング部であってもよい。ライニング部とは、一般的には自動車両の内部の部品であり、ステアリングコラムは該部品をその横断面に関して通過する。隙間7は開口部4の一部分であり、開口部4を通ってステアリングコラムが延びている。ライニング
部3は、自動車両の内部IRのダッシュボード(図示せず)の領域内の内部ライニングの一部分であり、運転手の脚の領域内に位置する。シール部材1によるシールはまた、エンジン区画からの騒音に対する遮音機能、および隙間7を覆う機能を有している。
【0025】
ライニング部3とステアリングコラムカバー5の間に配置されたシール部材1の一実施態様の図1に示す側面図は、上述のライニング部品3および5の間におけるシール部材1
の特定の位置を示している。前記位置において、シール部材1はライニング部3から一定量だけ突出している。ライニング部3は適切な形状を有するものとする。ライニング部3の適切な形状によって、シーリング部材1をライニング部3の中に更に後退させることが可能である。
【0026】
図2は、ライニング部3とステアリングコラムカバー5とそれらの間に配置されたシール部材1の一実施態様との組合せの一部分を、車内IRから、具体的にはほぼ運転手の視点から見たように、図式的に示している。この方向から見たとき、ライニング部3の内部側3aが見える。図示されたステアリングコラムカバー5は開口部6を有しており、この開口部6を通ってステアリングコラムのシャフト(図2では図示せず)が延びる。ステアリングコラムは、ステアリングコラムシャフトの長手方向LRまたはステアリング中心軸線の方向LRに調節可能であることが好ましい。しかしながら、本発明によるシール部材1は、代替的または付加的に、ステアリングコラムが、その長手方向軸線に対して横断方向に調節可能である、即ち、高さ調節可能であるか、ステアリング機構の領域内にある基準点に対して旋廻可能である場合においても、使用することができる。この種のオプションの調節機構は図に示されていない。
【0027】
シール部材1は、発泡体部または発泡体切片10と、具体的な用途に応じて、オプションとして、ステアリングコラムカバー5の端領域19に対して摺動層として機能する、滑性を有する材料の層とから形成される。この層は、被覆部20によって実現することができる。これに代わって、滑性を有する材料の層は、発泡体部または発泡体切片10に積層または接着接合されてもよいし、あるいは、フロック加工によって発泡体部10に塗布されてもよい。ライニング部3とステアリングコラムカバー5と間にシール部材1を配置する際、滑性を有する材料の層は、ステアリングコラムカバー5に面した側に配置される。滑性を有する材料の層、特に被覆部は、特にステアリングコラムがステアリングシャフトに対して横断方向にのみ調節可能であるがステアリングシャフトの長手方向には調節可能でない場合には、省略されてもよい。
【0028】
本発明の一代替実施態様においては、発泡体切片上の少なくとも複数部分に配置されている滑性を有する材料の更なる層は、複数部分において繊維材料の粒子でフロック加工される。繊維粒子によるフロック加工は、シール部材の移動性を維持し、同時に、繊維粒子によるフロック加工によって生成されたコーティングは、堅牢である、すなわちカバー5とライニング部3の間の相対運動によって生じる磨耗に対して耐性を有する。フロック加工は、好ましくは、まず、フロック加工されるべきシール部材の領域、例えばシール部材表面に噴霧することによって、接着剤を塗布し、それから、接着剤が付与された表面を繊維粒子で被覆することによって行われる。適切な接着剤は感圧硬化性接着剤である。繊維粒子によるフロック加工は、繊維粒子を含む対応する槽の中にシール部材の少なくとも一部分を浸漬することによって行うこともできる。発泡体切片のフロック加工により、ベルベットのような感触の良好な滑性が得られる。
【0029】
図3は、発泡体切片10の一実施態様を、単独で、前方から斜めに見た様子を示す。これは、ライニング部とステアリングコラムカバーの間にある開口部を少なくとも複数の領域においてシールするために、発泡体切片の対応する表面が、一方ではライニング部の端領域によって支持され、他方ではステアリングコラムカバーの支持面によって支持される
形状をなしている。シール部材1全体が湾曲した形状を有していることが好ましい。特に、シール部材1は、二つの腕部11a,11bとそれらを接続する中心湾曲部11cとを有する単一片として形成されることが好ましい。好ましい実施態様においては、シール部材1は、湾曲した、特にU形または馬蹄形の形状(図3)を実質的に有することができる。
【0030】
シール部材はまた、周囲方向に連続な形状であり、特に、カラー、円環、または輪の形状、即ち、ステアリングコラムカバーを囲むか、その周囲に係合するような形状を有し得る(図5a,5b,5c)。切断面の形状および大きさは、周囲方向に見たときに少なくとも複数部分において可変であってもよいし、または一定であってもよい。すべての代替案において、シール部材は、単一片(図5aおよび図5c、参照符号70,90)として形成されてもよいし、または複数片(図5b、参照符号80)として形成されてもよい。
【0031】
シール部材が複数片からなる実施態様の場合、シール部材は特に二片から形成することができる。この場合、ダッシュボードの領域に配置される予定の領域は、ダッシュボードの領域によって支持されるように設けることができる。この領域の少なくとも一部をダッシュボード領域のミラーパネルによって実現することも可能である。特にこの応用において、しかし一般的にも、シール部材を、湾曲した、特にU形の領域71または領域81と、横断部72または横断部82とから形成することができ、この横断部は、湾曲部71または湾曲部81の両端にもたれることによって、湾曲部71または湾曲部81の両端を互いに接続する。図5bに示すような二片構成の場合、横断部を湾曲部71または湾曲部81の両端に接着接合することができる。更に、または代替案として、横断部を湾曲部71または湾曲部81の両端にプラグ嵌合させてもよい。
【0032】
二片構成のシール部材における一つの利点は、ステアリングコラムが取り付けられた後でも、シール部材をステアリングコラムカバーへ取り付けることができることである。
発泡体切片10は吸収層として作用し、すべての空間方向において弾性を有する発泡体材料から形成される。自動車両内での使用を考慮して、その弾性が温度に関係なく確保される材料を提供することが必要である。従って、本発明において使用するには、軟質ポリウレタン発泡体が特に適している。
【0033】
発泡体部10のために選択されるべき材料は、好ましくは、以下の決定変数の一つ以上を満足しなければならない。
・好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度
・0.5〜3kPaであり、特に好適には1.6kPa±0.25の範囲にある40%変形の圧縮硬度
・cm当たり20〜200個である発泡材料のセル計数
上記圧縮硬度を満足することにより、一方では弾性変形性が、他方では変形のために必要な力が、確実に所定レベルに制限される。
【0034】
提供される基本材料はポリエステルが好ましい。発泡体切片10は、全体をポリエステルで形成することもできる。しかしながら、標準的な合成ゴム材料(TPE)は、必要な弾性を有していないために、発泡体切片10のための材料には適していない。天然ゴムは、ほとんどの応用に対して本発明に従う使用に適しているが、比較的高価であるので除外される。
【0035】
シール部材1の好ましい実施態様においては、発泡体切片10は、ステアリングコラムカバー5の対応する支持領域または端領域19に当たることになる少なくとも複数部分において、特に中央領域中心部11cにおいて、被覆部20によって被覆される。被覆部20は、ステアリングコラムカバー5の端領域に対して摺動層として作用し、すべての方向
に伸縮可能な薄い柔軟な外皮または層として形成される。
【0036】
更に、シール部材1に当たることになるステアリングコラムカバー5の領域にテフロン(登録商標)層を設けることができる。ステアリングコラムカバーは、この領域において、テフロン(登録商標)から形成することもできる。
【0037】
シール部材1は、被覆部20の配置が理論上無視される場合、発泡体切片10は、その断面形状に従って、ステアリングコラムカバー5の対応する表面19を押圧するようになっている第1支持表面すなわち支持輪郭14(図3および図7)を有している。ほとんどの用途に対して、シール部材1または発泡体切片10の対応する側の支持表面14は、少なくとも中心領域11cにわたって、好ましくは少なくともその長手方向長さの3分の1にわたって延びている。しかしながら、支持表面14の範囲は、個々の用途によって決まり、シール部材1または発泡体切片10の第1領域15に位置し、湾曲構成の場合には、例えば腕部11a,11bに跨る領域のような内部領域15に位置する。シール部材1または発泡体切片10、あるいは中心部11cにおけるその断面形状13は、第2支持表面または支持輪郭16を有しており、この第2支持表面または支持輪郭16は、発泡体切片10の第1領域16の隣または反対側に位置する第2または外部領域17にあり、ライニング部3、より具体的には、その開口部4の対応する端領域を押圧するようになっている。
【0038】
発泡体切片10と、特に被覆部20であり得る滑性を有する層とから構成されるシール部材1は、関連するライニング部とステアリングコラムカバーとの間に、それらの間で安定して位置するように、配置される。図示された実施態様において、ステアリング中心軸線LRがその中に位置し、シール部材1の中央3分の1を通過する断面平面Eにおいて見られるように、シール部材1は、ステアリングコラムカバー5とライニング部3に対して、ライニング部3の端領域18の輪郭線18bまたは断面平面E内のライニング部3の断面線の、断面平面上に投影された延長部分18aが、シール部材1の断面の内側に位置するように配置される。
【0039】
特にシール部材1がその長手方向に湾曲している場合、ライニング部3の端領域18の輪郭線18bの、断面平面上に投影された延長部分18aは、シール部材1の断面の内側
に位置していることが好ましい。
【0040】
特にシール部材1がほとんど曲がっていない、すなわちほぼ直線状である場合、断面平面E内のライニング部3の端領域18の輪郭線18cの、断面平面上に投影された延長部分18aは、シール部材1の断面の内側に位置していることが好ましい。
【0041】
調節可能ステアリングコラムの場合においては特に、ステアリングコラムの調節の間に発生するステアリングコラムカバー5とライニング部3との間の相対運動のために、シール部材1の安定位置が要求される。
【0042】
シール部材1または発泡体切片10は、この場合、ステアリングシャフトが配置されている断面平面E内に見られるように、シール部材1または発泡体切片10が変形していない状態において、発泡体切片の第1支持表面14は、発泡体切片の長手方向に対して横断方向に見たときに、その第2支持表面16よりも大きな広さを有するように形成される。ほとんどの用途において、このことは、ライニング部とステアリングコラムカバーとの間の位置の安定性を改善する。
【0043】
本発明による第1代替案においては、摺動層は、少なくとも複数部分において、発泡体切片10の第1支持表面の上に積層または接着接合することができる。あるいは、いくつ
かの他の方法によって、特にフロック加工によって、摺動層を第1支持表面上に付与することができる(図4a,図4c)。この場合、発泡体切片10は、少なくとも複数領域に配置された摺動層20aと共に、好ましくは溶接または接着接合によって、ライニング部3の対応端領域18の上に、フレーム部材51を介して、あるいは、ライニング部3の対応端領域18の上に直接、取り付けられ得る。
【0044】
本発明による第2代替案においては、発泡体切片10は、被覆部20の形態の摺動層と共に形成され得る。被覆部20は、少なくとも複数部分において、発泡体切片を被覆するか、発泡体切片上に伸張される(図6,7,9a〜9d)。
【0045】
本発明による第3代替案においては、被覆部20は、製造されるべきシール部材1の形状を有する可撓性のチューブまたはホースとして形成することができ、その中に可撓性のチューブまたはホース発泡体を形成して、発泡体部10、よってシール部材1全体を製造する(図示せず)。
【0046】
第2および第3代替案においては、第1代替案による発泡体切片を使用することもでき、従って、発泡体切片に、滑性を有する層が、少なくとも複数部分において付与される。
上記すべての代替案において、滑性を有する層または被覆層20を備えるかまたは備えない発泡体切片10を、フレーム部材51(図4a,4b,4c)に取り付けることができる。フレーム部材51は、一部分が、例えば固定手段によって、ライニング部に取り付けられる。図4bに示す図は、この固定の形態を実現するための穴を示している。もちろん、フレーム部51またはフレーム部51および被覆部20を有する発泡体切片10との組合せ55(図4c)を、ライニング部に接着接合するか溶接することも可能である。詳細には、図4bは本発明による発泡体切片10を受容するためのフレーム部51を示している。フレーム部51は、ライニング部3と一体に形成してもよいし、ライニング部3の上に配置されるべき独立した部品として形成してもよい。
【0047】
上記代替案において、被覆部20は、1層、2層、3層、または一般的には更に多くの層の形態とすることができる。いずれにせよ、被覆部20のステアリングコラムカバー5に面する外側は、滑性を有する材料、好ましくはポリアミド繊維から形成される。2層または一般的には更に多くの層を設けることにより、材料の安定性が増し、摺動面における皺の形成を最小限にすることができる。一方、被覆部20の材料の厚みを増やすと、同じように達成されなければならない柔軟性が減少する。従って、被覆部20は1層、2層、または3層の形態にすることが好ましい。
【0048】
被覆部は、単一層形態の場合、滑性を有する織布、好ましくはポリアミド織布から形成される。被覆部20は、2層から形成される場合、その外側、即ち、ステアリングコラムカバー5の対応する端領域に面する側は、滑性を有する織布、好ましくはポリアミド織布から形成されるが、発泡体切片側の被覆部は発泡体層を有する。
【0049】
被覆部20の3層構成は図8に示されている。この場合、被覆部20は、滑性を有する二つの外側および内側伸縮可能織布層20a,20cと、その間に配置された好ましくはポリアミド織布と更なる発泡体層20bとから形成される。こういうわけで、再度述べると、外側とは、ステアリングコラムカバーの対応端領域に面する側を意味すると理解されるべきであり、内側とは、発泡体切片の側を意味すると理解されるべきである。
【0050】
すべての変形例において、ポリアミド織布が被覆部20の外側に設けられることが好ましい。ライニング部3の対応する端領域における本発明による発泡体切片10の配置と、発泡体切片10またはシール部材1の形状とが協働して、結果として、ステアリングコラムカバー5の移動する場合においてさえも、シール部材1は安定な位置をとり、確実に内
部IRがシールされる。
【0051】
滑性を有する織布のためと被覆部20全体のための出発材料として、対応する打ち抜き部品を使用することができる。発泡体層が被覆部20のために使用される場合、この層はその上に形成するのが好ましい。従って、発泡体層は、被覆部20が少なくとも複数領域において発泡体切片10に直接付与される場合には、発泡体切片10の上に直接形成することができる。発泡体切片10上を越えて伸張されることが企図される2層または3層の被覆部を使用する場合、発泡体層は滑性を有する織布の上に形成することができる。
【0052】
あるいは、被覆部20を発泡体切片の上に接着接合することもできる。この場合、細片状または網状の粘着性トラックを使用することにより、相対運動によって生じる発泡体切片10に対する被覆部20の歪を補償することが可能である。
【0053】
被覆部20が発泡体部10を越えて伸張される上記第2代替案においては、被覆部20の第1端31はライニング部3の対応端領域18の上に固定される。第1端の反対側の第2端32は同様にライニング部3に固定される。第1端31および第2端32は、被覆部20の同じ側、具体的にはシャーシ側3bに固定されることが好ましい。この場合、被覆部20は少なくとも複数領域において発泡体部10の周囲に伸張する。被覆部20の第1端31と第2端32またはそのいずれかの固定は、固定手段によって、あるいは、溶接、接着接合、またはその組合せによって行うことができる。更に、発泡体部は、これらの手段によってライニング部3の対応領域に塗布または固定することができる。この場合、発泡体部は、フレーム部材51によってライニング部3上に固定することができる。
【0054】
被覆部の第1端31の固定は、ライニング部3または被覆部20への発泡体部の固定と共に行うことができる。
被覆部のその端における固定は、図6に図示的に表されている。これは、溶接、接着接合、または機械的手段によって、複数領域において、または、点状に、行うことができる。接着接合の場合は、特に、形成される接着接合が、操作上の使用の間に発生する伸縮運動に耐えるように十分強いことが確保されなければならない。
【0055】
従って、被覆部20の第1端31の反対側の端32は、発泡体切片10を越えて引っ張られるので、発泡体切片10のステアリングコラムカバーに面した側全体を越えて延びて、反対側表面14上のライニング部に固定される。
【0056】
被覆部20は、発泡体切片10を越えて引っ張られ、ライニング部3の第2側3bに固定される第2端側32の上には、切り欠き23によって互いに分離されたクリップ22を有している。これにより、ライニング部3を第2側3bに対して、被覆部の皺を生じることなく、固定することが可能となる。被覆部は、ステアリングコラムカバーに面した表面上の発泡体切片を少なくとも部分的に囲んでいる。
【0057】
溶接は一般的に超音波プロセスによって行うことができる。
第1端31と第2端32またはそのいずれかが機械的手段によって固定される場合、開口部41がクリップ22の中に設けられていて、ライニング部3の中に配置された対応する固定ドーム、フック、または他の固定手段と連係するので、クリップを、それが発泡体部10を越えて伸びる位置に固定することができる。
【0058】
更に、付加的な遮音を行うために、更なる遮音材料、例えばフェルトを、ライニング部3に付与することができる。
代替案として、ライニング部3上のシール部材の配置のために述べられた変形例を、ステアリングコラムカバー上のシール部材1の配置のために適用することもできる。このこ
とは、ステアリングコラムが長手方向に移動可能ではなく、むしろ垂直方向にのみ移動可能である場合、特に有益である。
【0059】
以下の文章は、自動車両の内部ライニング部にシール部材1を取り付けるための本発明によるプロセスを述べている。
第1工程において、ライニング部は、受容装置100の上部側面101上に配置され、次いで、受容装置100自身は、通常、取り付け装置102の上に配置される。受容装置101は、ライニング部3を受容するときに、受容装置101の上部側面102が、複数領域において、確実にロックするようにライニング部3の内部側3aと相互に作用する形態であることが好ましい。ライニング部3は更に、シール部材1の取り付けを行うために、固定手段によって受容装置に固定されるか、受容装置に固定され得る。図8aから分かるように、ライニング部3は、内部側3aの反対側が、取り付けのために自由にアクセス可能であるように配置されるように、受容装置101の上に載置されることが好ましい。この場合、ライニング部3が受容装置101の上に置かれた後の受容装置101およびライニング部3の少なくともいずれかの向きを、取り付けのための境界条件に従って配向させることができる。例えば、取り付け装置は水平面に延びる取り付け板とすることができるので、ライニング部3は、その通常の曲面構造のために、水平面に対してほぼ斜めに配置される。
【0060】
更に、被覆部20の予め製造された出発材料がライニング部3に付与される。被覆部20は、型板によって適所に配置され得る。図9aは、受容装置101の上に取り付けられたライニング部を示し、被覆部20は予め製造された状態でライニング部に固定されている。ライニング部は、第1端領域31によってライニング部3上に固定される。このことは、種々の方法で実現することができる。溶接または接着接合が好ましく、その場合、この操作は、点状に、または、端領域31の直線領域または面領域にわたって、行うことができる。接着接合の場合、形成される接着接合が操作上の使用の間に発生する伸縮運動に耐えるように十分強いことを保証することが特に必要である。端領域はまた、固定ドームまたはフックにおいて、予め製造された開口部またはスロットによって、あるいは、ライニング部3の広い側3bに設けられた同様の固定手段によって、懸架され得る。
【0061】
予め製造された被覆部3の第2端領域32は、切り欠き24によって互いに分離されたクリップ22を有している。第2端領域32のこの構成は、更なる取り付け工程が行われた後に、この第2端領域26をライニング部3へ皺を生じることなく固定することを可能にする。ライニング部への第1端領域25の固定後に、クリップ22は、予め製造された被覆部の自由端側を形成する(図9a)。
【0062】
シール部材をライニング部3上に取り付ける更なる工程において、発泡体切片がライニング部上に置かれる(図9b)。ステアリングコラムカバーと連係する発泡体切片またはシール部材1は、シール部材1の複数部分がライニング部3の断面の延長部分の両側で延びるように、ライニング部3上に配置される。この配置を達成するために、例えば型板(図示せず)などの補助器具を使用することが好ましい。
【0063】
更に、発泡体切片が、ライニング部のシャーシ側3bの所定箇所に固定される(図9c)。発泡体切片10の固定は、種々の方法で行うことができる。まず第1に、発泡体切片10は、被覆部20またはライニング部3に固定することができる。また、それは被覆部20とライニング部3の両方に固定することができる。
【0064】
固定の形態は、再度述べると、具体的には点状での溶接を好ましく含むことができる。図9cは、図式的に示された溶接スポット110によってこの代替案を表している。溶接は直線的接合箇所または局部的接合箇所を介して行うこともできる。溶接に加えて、一般
的に接着接合を記載された代替案に従って考えることもでき、機械的な固定形態もそうである。機械的な固定は、もう一度言うが、ライニング部3上に設けられた固定ドームまたはフック(図示せず)によって行うことができる。これらの固定形態または固定手段は互いに組み合わせることもできる。
【0065】
更なる工程において、被覆部3のクリップ22が、この目的のために設けられた場所に固定されうるような範囲まで、発泡体切片10を越えて引っ張られる。
第1代替案においては、この目的のために、発泡体切片は、所定箇所または領域においてライニング部3のシャーシ側3bに溶接される。第2代替案においては、クリップ22に設けられた開口部またはスロットが、ライニング部3のシャーシ側3bに設けられた例えばフックまたはドームなどの対応固定手段に吊るされる。
【0066】
上述の取り付けプロセスは、可撓性のチューブかスリーブまたはホースの中に導入される発泡体材料によって発泡体部10が製造される状況に対しても適当である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ライニング部とステアリングコラムカバーおよびその間に配置されたシール部材の部分側面図。
【図2】ライニング部とステアリングコラムカバーとそれらの間に配置されたシール部材との組合せの一部分を、車内から見たように示す図であり、ステアリングコラムシャフトを示していないためにステアリングコラムカバー内の対応開口部が見える。
【図3】本発明によるシール部材のために使用される発泡体切片の一実施態様を、単独に、前から斜めに見た図。
【図4a】ライニング部のために使用されるようになっているフレーム部材への取り付けを積極的にロックするのに適した、前から斜めに見た発泡体切片の変形例の末端部を示す図。
【図4b】ライニング部と一体的にまたは別部品として形成することができる、図4aの発泡体切片を受けるためのフレーム部材を示す図。
【図4c】図4bのフレーム部材を有するシール部材と、発泡体切片の上に積層された本発明による被覆部との組合せの末端部を示す図。
【図5a】周囲方向に連続な形態のシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図5b】周囲方向に連続な形態の二つの部分に形成されたシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図5c】周囲方向に連続な形態のシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図6】フレーム部材を使用または使用しないシール部材の更なる実施態様の一部を示し、車内の方向においてライニング部の内部から見たときに、被覆部が発泡体切片を越えて伸びている。
【図7】図6の2−2線上の側断面の形態の図6のシール部材の実施態様を示す図であって、シール部材およびステアリングコラムカバーと連係したライニング部の開放端を示し、ステアリングコラムカバーは、基準位置と、破線による二つの更なる位置において示されている図。
【図8】図6に示すようなシール部材のために使用される被覆部の断面図。
【図9a】本発明に従ってライニング部にシール部材を取り付ける工程を示すために、予め製造された状態の、ライニング部に固定された被覆部を有する、受容装置上に取り付けられたライニング部を示す図。
【図9b】ライニング部上にシール部材を取り付ける更なる工程を示す図であり、図9aに示す工程から始まって、発泡体切片がライニング部の上に置かれている。
【図9c】ライニング部上にシール部材を取り付ける更なる工程を示す図であり、発泡体切片が所定箇所においてライニングに溶接されるが、この工程は別の方法でも行うことができる。
【図9d】更なる取り付け工程を示す図であり、被覆部は、車内から離れた方へ向いているライニング部の発泡体切片側で発泡体切片を越えて伸ばされ、代替案においては、所定箇所においてライニング部に溶接される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両のステアリングコラムカバーとライニング部との間に配置されるシール装置と、シール部材とライニング部とからなる装置と、シール部材をライニング部に取り付けるための方法とに関する。これらのシール部材または装置は、特に調節可能な自動車両ステアリングコラムと連係するように企図されている。
【背景技術】
【0002】
自動車両のステアリングコラムは、車両内部からステアリング機構に向かって延びており、ダッシュボード内の開口部、または、内部ライニング部内の特に運転手の脚の領域に位置する開口部を通って突出している。特に車内領域において、ステアリングコラムはライニングによって部分的に囲まれている。このステアリングコラムライニング部またはステアリングコラムカバーは、内部ライニング部まで延びており、一般的にはその中に設けられた開口部をも通って延びている。
【0003】
ステアリングコラム軸線に対して横断方向に調節可能なステアリングコラムの場合、ライニング部内の開口部の大きさおよび形状は、ステアリングコラムのための意図した調節範囲のみならずステアリングコラムカバーの形状とも一致するように形成されるので、ステアリングコラムの各調節位置において、残余開口部、すなわちハッチまたは隙間が、運転手には見えないステアリングコラムの下に残る。従って、このハッチまたは隙間の形状および大きさもまた、ステアリングコラムの調節位置によって決まる。
【0004】
この残余開口部または隙間が、単に覆われないか、本質的に外観上の理由のためにルーバー付きの織布またはプラスチックバーによって覆われることが、先行技術において知られている。
【0005】
特許文献1は、ステアリングコラムまたはそれに接続されたライニング部と、ダッシュボードの反対側部分との間の可変隙間のための、可撓性の被覆部材から形成された、自動車両の調節可能ステアリングコラムにおける隙間カバーを開示している。この被覆部材は、ステアリングコラムの中心位置に対応する縦断面においてほぼS形状に湾曲しているので、ライニング部に隣接した領域において、車の運転手に向かって凹形に湾曲したループを形成している。このために、被覆部材の端部領域は、ステアリングコラムの軸線方向において、ほぼ反対方向に延びるそれぞれの関連部品に固定される。ステアリングコラムの軸線に対してほぼ反対方向に向けられた被覆部材の末端領域は、一方ではライニング部に固定され、他方ではダッシュボードに取り外し可能に接続されたハウジングに固定される。このステアリングコラムのライニング部への固定は、ブラケットとクリップとの接続によって行われる。ステアリングコラムが軸線方向に運動した場合、隙間カバーの大部分が不規則に外側または内側に曲がり、このことは不都合である。
【0006】
特許文献2は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置される被覆部を開示している。この被覆部は、軸線方向に互いに離間された複数の環状支持部分を有する。複数の環状支持部分は、寸法が安定したプラスチックから形成されており、どんな場合でも弾性接続によって接続される。外側で、被覆部は、その外観を改善するために、伸縮可能なフィルムに積層される。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第DE4337721C1号
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第DE10349681C2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ライニング部とステアリングコラムとの間で作用し、内部ライニング部とステアリングコラムカバーとの間のいずれの調節位置においても安定に配置され、車内の快適さを改善するシール部材を提供することにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、多数の本発明によるシール部材の経済的な製造と取り付けを可能にするとともに、シール部材が傷むことなく使用期間中において調節可能ステアリングコラムの極めて頻繁に行われるものと想定される動きに対しても耐えることができるように、シール部材を対応するライニング部に十分に適切に固定する方法を提供することにある。
【0009】
これらの目的は、独立特許請求項によって達成される。更なる実施態様が、それぞれ独立特許請求項を引用する従属請求項の中で述べられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置されるシール部材であって、弾性材料から形成された発泡体部を有すると共に、二つの腕部とそれらを接続する湾曲中心部とによって形成されるシール部材を提供する。
【0011】
本発明は、ライニング部とステアリングシャフトのステアリングコラムカバーとの間に配置されるシール部材であって、弾性材料から形成された発泡体部を有すると共に、トーラスおよびリムの少なくともいずれかの形態で形成されるシール部材を提供する。
【0012】
前記シール部材は、弾性発泡体部からなる2層と、更に、前記ステアリングコラムカバーに面する側において、更に滑性を有する材料の層からなる少なくとも複数部分とから形成され得る。前記滑性を有する材料の層は、積層されるか、接着接合されるか、フロック加工によって前記発泡体部に付与され得る。あるいは、前記滑性を有する材料の層は、可撓性の伸縮可能材料からなる被覆部から形成され得る。前記被覆部は、少なくとも複数部分において、前記発泡体部を越えて伸張され、かつ/または、固定手段によって前記ライニング部に固定され得る。前記被覆部は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部に接着接合され得る。代替案として、または、更に、前記被覆部は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部に溶接され得る。
【0013】
前記被覆部は、製造されるべきシール部材の形状の可撓性のチューブまたはホースとして形成されることもでき、いずれの場合においても、前記シール部材を形成する可撓性のチューブまたはホースの中に発泡体が形成される。
【0014】
前記被覆部は、ポリアミド織布から単一層に形成され得る。
あるいは、前記被覆部は、ポリアミド織布と発泡体層とから2層に形成され、前記発泡体層は前記発泡体部の側に配置され得る。
【0015】
前記被覆部は、二つのポリアミド織布層とその間に配置された発泡体層とから3層に形成されることも可能である。
前記発泡体部のために使用される材料は、
好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度と、
0.5〜3kPaである40%変形の圧縮硬度と、
cm当たり20〜200個である発泡材料のセル計数と
のうちの一つ以上の決定変数を満足する材料とすることができる。
【0016】
前記発泡体部はポリエーテルまたはポリウレタンから形成することができる。
本発明はまた、ライニング部とステアリングコラムカバーの間に位置する装置であって、前記ライニング部とステアリングコラムカバーの間に配置されたシール部材を有し、前記シール部材は、ステアリング中心軸線がその中に位置し、前記シール部材の中央3分の1を通過する断面平面において見たときに、前記シーリングコラムカバーと前記ライニング部に対して、前記ライニング部の端領域の輪郭線または断面平面内の断面線の、断面平面上に投影された延長部分が、前記シール部材の断面の内側に位置するように、配置される装置を提供する。
【0017】
シール部材を備えた装置において、前記シール部材はフレーム部材上に取り付けることができる。更に、前記シール部材に当たることになる前記ステアリングコラムカバーの領域の上にテフロン(登録商標)層を配置することができる。
【0018】
本発明はまた、ライニング部とステアリングコラムカバーの間にシール部材を取り付ける方法であって、
前記ライニング部を受容装置の上部側に配置する工程と、
予め製造された出発材料を前記ライニング部の上において被覆部を形成する工程と、
前記被覆部を第1端領域によって前記ライニング部に固定する工程と、
前記予め製造された被覆部の第2端領域をクリップによって前記ライニング部に固定する工程とを備えた方法を提供する。
【0019】
本発明による方法において、第1端領域による前記被覆部の固定は、接着接合か溶接または固定部材によって行うことができる。代替案として、または、更に、前記第2端領域による前記被覆部の固定は、接着接合か溶接または固定部材によって行うことができる。
【0020】
前記発泡体部は前記被覆部および前記ライニング部の少なくともいずれかに固定することができる。前記溶接または接着接合は、点状に、または、面領域にわたって行うことができる。
【0021】
本発明によるシール部材の一つの利点は、調節可能ステアリングコラムが使用される場合、ステアリングコラムを調節するのに必要な力が比較的小さいことである。
本発明の更なる利点は、摺動層により、操作上の使用において非常に耐久性が高いシール部材が得られることである。
【0022】
本発明によるシール部材1は、シール部材がその間に配置された部分が振動する場合においてさえもシール部材の位置安定性が確保されるので、ステアリングコラムが調節可能でない場合でも有利である。
【0023】
本発明によるシール部材の使用により、シャーシ領域からの騒音およびほこりに対して車内を効率的にシールすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について添付図面を参照しながら説明する。
図1〜図8に示すシール部材1は、自動車両のライニング部3と該ライニング部3を通って突出するステアリングコラムカバー5との間の隙間7をシールするものである。ライニング部3は、特にダッシュボード、例えばダッシュボードの上部、または下方ライニング部などのライニング部であってもよい。ライニング部とは、一般的には自動車両の内部の部品であり、ステアリングコラムは該部品をその横断面に関して通過する。隙間7は開口部4の一部分であり、開口部4を通ってステアリングコラムが延びている。ライニング
部3は、自動車両の内部IRのダッシュボード(図示せず)の領域内の内部ライニングの一部分であり、運転手の脚の領域内に位置する。シール部材1によるシールはまた、エンジン区画からの騒音に対する遮音機能、および隙間7を覆う機能を有している。
【0025】
ライニング部3とステアリングコラムカバー5の間に配置されたシール部材1の一実施態様の図1に示す側面図は、上述のライニング部品3および5の間におけるシール部材1
の特定の位置を示している。前記位置において、シール部材1はライニング部3から一定量だけ突出している。ライニング部3は適切な形状を有するものとする。ライニング部3の適切な形状によって、シーリング部材1をライニング部3の中に更に後退させることが可能である。
【0026】
図2は、ライニング部3とステアリングコラムカバー5とそれらの間に配置されたシール部材1の一実施態様との組合せの一部分を、車内IRから、具体的にはほぼ運転手の視点から見たように、図式的に示している。この方向から見たとき、ライニング部3の内部側3aが見える。図示されたステアリングコラムカバー5は開口部6を有しており、この開口部6を通ってステアリングコラムのシャフト(図2では図示せず)が延びる。ステアリングコラムは、ステアリングコラムシャフトの長手方向LRまたはステアリング中心軸線の方向LRに調節可能であることが好ましい。しかしながら、本発明によるシール部材1は、代替的または付加的に、ステアリングコラムが、その長手方向軸線に対して横断方向に調節可能である、即ち、高さ調節可能であるか、ステアリング機構の領域内にある基準点に対して旋廻可能である場合においても、使用することができる。この種のオプションの調節機構は図に示されていない。
【0027】
シール部材1は、発泡体部または発泡体切片10と、具体的な用途に応じて、オプションとして、ステアリングコラムカバー5の端領域19に対して摺動層として機能する、滑性を有する材料の層とから形成される。この層は、被覆部20によって実現することができる。これに代わって、滑性を有する材料の層は、発泡体部または発泡体切片10に積層または接着接合されてもよいし、あるいは、フロック加工によって発泡体部10に塗布されてもよい。ライニング部3とステアリングコラムカバー5と間にシール部材1を配置する際、滑性を有する材料の層は、ステアリングコラムカバー5に面した側に配置される。滑性を有する材料の層、特に被覆部は、特にステアリングコラムがステアリングシャフトに対して横断方向にのみ調節可能であるがステアリングシャフトの長手方向には調節可能でない場合には、省略されてもよい。
【0028】
本発明の一代替実施態様においては、発泡体切片上の少なくとも複数部分に配置されている滑性を有する材料の更なる層は、複数部分において繊維材料の粒子でフロック加工される。繊維粒子によるフロック加工は、シール部材の移動性を維持し、同時に、繊維粒子によるフロック加工によって生成されたコーティングは、堅牢である、すなわちカバー5とライニング部3の間の相対運動によって生じる磨耗に対して耐性を有する。フロック加工は、好ましくは、まず、フロック加工されるべきシール部材の領域、例えばシール部材表面に噴霧することによって、接着剤を塗布し、それから、接着剤が付与された表面を繊維粒子で被覆することによって行われる。適切な接着剤は感圧硬化性接着剤である。繊維粒子によるフロック加工は、繊維粒子を含む対応する槽の中にシール部材の少なくとも一部分を浸漬することによって行うこともできる。発泡体切片のフロック加工により、ベルベットのような感触の良好な滑性が得られる。
【0029】
図3は、発泡体切片10の一実施態様を、単独で、前方から斜めに見た様子を示す。これは、ライニング部とステアリングコラムカバーの間にある開口部を少なくとも複数の領域においてシールするために、発泡体切片の対応する表面が、一方ではライニング部の端領域によって支持され、他方ではステアリングコラムカバーの支持面によって支持される
形状をなしている。シール部材1全体が湾曲した形状を有していることが好ましい。特に、シール部材1は、二つの腕部11a,11bとそれらを接続する中心湾曲部11cとを有する単一片として形成されることが好ましい。好ましい実施態様においては、シール部材1は、湾曲した、特にU形または馬蹄形の形状(図3)を実質的に有することができる。
【0030】
シール部材はまた、周囲方向に連続な形状であり、特に、カラー、円環、または輪の形状、即ち、ステアリングコラムカバーを囲むか、その周囲に係合するような形状を有し得る(図5a,5b,5c)。切断面の形状および大きさは、周囲方向に見たときに少なくとも複数部分において可変であってもよいし、または一定であってもよい。すべての代替案において、シール部材は、単一片(図5aおよび図5c、参照符号70,90)として形成されてもよいし、または複数片(図5b、参照符号80)として形成されてもよい。
【0031】
シール部材が複数片からなる実施態様の場合、シール部材は特に二片から形成することができる。この場合、ダッシュボードの領域に配置される予定の領域は、ダッシュボードの領域によって支持されるように設けることができる。この領域の少なくとも一部をダッシュボード領域のミラーパネルによって実現することも可能である。特にこの応用において、しかし一般的にも、シール部材を、湾曲した、特にU形の領域71または領域81と、横断部72または横断部82とから形成することができ、この横断部は、湾曲部71または湾曲部81の両端にもたれることによって、湾曲部71または湾曲部81の両端を互いに接続する。図5bに示すような二片構成の場合、横断部を湾曲部71または湾曲部81の両端に接着接合することができる。更に、または代替案として、横断部を湾曲部71または湾曲部81の両端にプラグ嵌合させてもよい。
【0032】
二片構成のシール部材における一つの利点は、ステアリングコラムが取り付けられた後でも、シール部材をステアリングコラムカバーへ取り付けることができることである。
発泡体切片10は吸収層として作用し、すべての空間方向において弾性を有する発泡体材料から形成される。自動車両内での使用を考慮して、その弾性が温度に関係なく確保される材料を提供することが必要である。従って、本発明において使用するには、軟質ポリウレタン発泡体が特に適している。
【0033】
発泡体部10のために選択されるべき材料は、好ましくは、以下の決定変数の一つ以上を満足しなければならない。
・好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度
・0.5〜3kPaであり、特に好適には1.6kPa±0.25の範囲にある40%変形の圧縮硬度
・cm当たり20〜200個である発泡材料のセル計数
上記圧縮硬度を満足することにより、一方では弾性変形性が、他方では変形のために必要な力が、確実に所定レベルに制限される。
【0034】
提供される基本材料はポリエステルが好ましい。発泡体切片10は、全体をポリエステルで形成することもできる。しかしながら、標準的な合成ゴム材料(TPE)は、必要な弾性を有していないために、発泡体切片10のための材料には適していない。天然ゴムは、ほとんどの応用に対して本発明に従う使用に適しているが、比較的高価であるので除外される。
【0035】
シール部材1の好ましい実施態様においては、発泡体切片10は、ステアリングコラムカバー5の対応する支持領域または端領域19に当たることになる少なくとも複数部分において、特に中央領域中心部11cにおいて、被覆部20によって被覆される。被覆部20は、ステアリングコラムカバー5の端領域に対して摺動層として作用し、すべての方向
に伸縮可能な薄い柔軟な外皮または層として形成される。
【0036】
更に、シール部材1に当たることになるステアリングコラムカバー5の領域にテフロン(登録商標)層を設けることができる。ステアリングコラムカバーは、この領域において、テフロン(登録商標)から形成することもできる。
【0037】
シール部材1は、被覆部20の配置が理論上無視される場合、発泡体切片10は、その断面形状に従って、ステアリングコラムカバー5の対応する表面19を押圧するようになっている第1支持表面すなわち支持輪郭14(図3および図7)を有している。ほとんどの用途に対して、シール部材1または発泡体切片10の対応する側の支持表面14は、少なくとも中心領域11cにわたって、好ましくは少なくともその長手方向長さの3分の1にわたって延びている。しかしながら、支持表面14の範囲は、個々の用途によって決まり、シール部材1または発泡体切片10の第1領域15に位置し、湾曲構成の場合には、例えば腕部11a,11bに跨る領域のような内部領域15に位置する。シール部材1または発泡体切片10、あるいは中心部11cにおけるその断面形状13は、第2支持表面または支持輪郭16を有しており、この第2支持表面または支持輪郭16は、発泡体切片10の第1領域16の隣または反対側に位置する第2または外部領域17にあり、ライニング部3、より具体的には、その開口部4の対応する端領域を押圧するようになっている。
【0038】
発泡体切片10と、特に被覆部20であり得る滑性を有する層とから構成されるシール部材1は、関連するライニング部とステアリングコラムカバーとの間に、それらの間で安定して位置するように、配置される。図示された実施態様において、ステアリング中心軸線LRがその中に位置し、シール部材1の中央3分の1を通過する断面平面Eにおいて見られるように、シール部材1は、ステアリングコラムカバー5とライニング部3に対して、ライニング部3の端領域18の輪郭線18bまたは断面平面E内のライニング部3の断面線の、断面平面上に投影された延長部分18aが、シール部材1の断面の内側に位置するように配置される。
【0039】
特にシール部材1がその長手方向に湾曲している場合、ライニング部3の端領域18の輪郭線18bの、断面平面上に投影された延長部分18aは、シール部材1の断面の内側
に位置していることが好ましい。
【0040】
特にシール部材1がほとんど曲がっていない、すなわちほぼ直線状である場合、断面平面E内のライニング部3の端領域18の輪郭線18cの、断面平面上に投影された延長部分18aは、シール部材1の断面の内側に位置していることが好ましい。
【0041】
調節可能ステアリングコラムの場合においては特に、ステアリングコラムの調節の間に発生するステアリングコラムカバー5とライニング部3との間の相対運動のために、シール部材1の安定位置が要求される。
【0042】
シール部材1または発泡体切片10は、この場合、ステアリングシャフトが配置されている断面平面E内に見られるように、シール部材1または発泡体切片10が変形していない状態において、発泡体切片の第1支持表面14は、発泡体切片の長手方向に対して横断方向に見たときに、その第2支持表面16よりも大きな広さを有するように形成される。ほとんどの用途において、このことは、ライニング部とステアリングコラムカバーとの間の位置の安定性を改善する。
【0043】
本発明による第1代替案においては、摺動層は、少なくとも複数部分において、発泡体切片10の第1支持表面の上に積層または接着接合することができる。あるいは、いくつ
かの他の方法によって、特にフロック加工によって、摺動層を第1支持表面上に付与することができる(図4a,図4c)。この場合、発泡体切片10は、少なくとも複数領域に配置された摺動層20aと共に、好ましくは溶接または接着接合によって、ライニング部3の対応端領域18の上に、フレーム部材51を介して、あるいは、ライニング部3の対応端領域18の上に直接、取り付けられ得る。
【0044】
本発明による第2代替案においては、発泡体切片10は、被覆部20の形態の摺動層と共に形成され得る。被覆部20は、少なくとも複数部分において、発泡体切片を被覆するか、発泡体切片上に伸張される(図6,7,9a〜9d)。
【0045】
本発明による第3代替案においては、被覆部20は、製造されるべきシール部材1の形状を有する可撓性のチューブまたはホースとして形成することができ、その中に可撓性のチューブまたはホース発泡体を形成して、発泡体部10、よってシール部材1全体を製造する(図示せず)。
【0046】
第2および第3代替案においては、第1代替案による発泡体切片を使用することもでき、従って、発泡体切片に、滑性を有する層が、少なくとも複数部分において付与される。
上記すべての代替案において、滑性を有する層または被覆層20を備えるかまたは備えない発泡体切片10を、フレーム部材51(図4a,4b,4c)に取り付けることができる。フレーム部材51は、一部分が、例えば固定手段によって、ライニング部に取り付けられる。図4bに示す図は、この固定の形態を実現するための穴を示している。もちろん、フレーム部51またはフレーム部51および被覆部20を有する発泡体切片10との組合せ55(図4c)を、ライニング部に接着接合するか溶接することも可能である。詳細には、図4bは本発明による発泡体切片10を受容するためのフレーム部51を示している。フレーム部51は、ライニング部3と一体に形成してもよいし、ライニング部3の上に配置されるべき独立した部品として形成してもよい。
【0047】
上記代替案において、被覆部20は、1層、2層、3層、または一般的には更に多くの層の形態とすることができる。いずれにせよ、被覆部20のステアリングコラムカバー5に面する外側は、滑性を有する材料、好ましくはポリアミド繊維から形成される。2層または一般的には更に多くの層を設けることにより、材料の安定性が増し、摺動面における皺の形成を最小限にすることができる。一方、被覆部20の材料の厚みを増やすと、同じように達成されなければならない柔軟性が減少する。従って、被覆部20は1層、2層、または3層の形態にすることが好ましい。
【0048】
被覆部は、単一層形態の場合、滑性を有する織布、好ましくはポリアミド織布から形成される。被覆部20は、2層から形成される場合、その外側、即ち、ステアリングコラムカバー5の対応する端領域に面する側は、滑性を有する織布、好ましくはポリアミド織布から形成されるが、発泡体切片側の被覆部は発泡体層を有する。
【0049】
被覆部20の3層構成は図8に示されている。この場合、被覆部20は、滑性を有する二つの外側および内側伸縮可能織布層20a,20cと、その間に配置された好ましくはポリアミド織布と更なる発泡体層20bとから形成される。こういうわけで、再度述べると、外側とは、ステアリングコラムカバーの対応端領域に面する側を意味すると理解されるべきであり、内側とは、発泡体切片の側を意味すると理解されるべきである。
【0050】
すべての変形例において、ポリアミド織布が被覆部20の外側に設けられることが好ましい。ライニング部3の対応する端領域における本発明による発泡体切片10の配置と、発泡体切片10またはシール部材1の形状とが協働して、結果として、ステアリングコラムカバー5の移動する場合においてさえも、シール部材1は安定な位置をとり、確実に内
部IRがシールされる。
【0051】
滑性を有する織布のためと被覆部20全体のための出発材料として、対応する打ち抜き部品を使用することができる。発泡体層が被覆部20のために使用される場合、この層はその上に形成するのが好ましい。従って、発泡体層は、被覆部20が少なくとも複数領域において発泡体切片10に直接付与される場合には、発泡体切片10の上に直接形成することができる。発泡体切片10上を越えて伸張されることが企図される2層または3層の被覆部を使用する場合、発泡体層は滑性を有する織布の上に形成することができる。
【0052】
あるいは、被覆部20を発泡体切片の上に接着接合することもできる。この場合、細片状または網状の粘着性トラックを使用することにより、相対運動によって生じる発泡体切片10に対する被覆部20の歪を補償することが可能である。
【0053】
被覆部20が発泡体部10を越えて伸張される上記第2代替案においては、被覆部20の第1端31はライニング部3の対応端領域18の上に固定される。第1端の反対側の第2端32は同様にライニング部3に固定される。第1端31および第2端32は、被覆部20の同じ側、具体的にはシャーシ側3bに固定されることが好ましい。この場合、被覆部20は少なくとも複数領域において発泡体部10の周囲に伸張する。被覆部20の第1端31と第2端32またはそのいずれかの固定は、固定手段によって、あるいは、溶接、接着接合、またはその組合せによって行うことができる。更に、発泡体部は、これらの手段によってライニング部3の対応領域に塗布または固定することができる。この場合、発泡体部は、フレーム部材51によってライニング部3上に固定することができる。
【0054】
被覆部の第1端31の固定は、ライニング部3または被覆部20への発泡体部の固定と共に行うことができる。
被覆部のその端における固定は、図6に図示的に表されている。これは、溶接、接着接合、または機械的手段によって、複数領域において、または、点状に、行うことができる。接着接合の場合は、特に、形成される接着接合が、操作上の使用の間に発生する伸縮運動に耐えるように十分強いことが確保されなければならない。
【0055】
従って、被覆部20の第1端31の反対側の端32は、発泡体切片10を越えて引っ張られるので、発泡体切片10のステアリングコラムカバーに面した側全体を越えて延びて、反対側表面14上のライニング部に固定される。
【0056】
被覆部20は、発泡体切片10を越えて引っ張られ、ライニング部3の第2側3bに固定される第2端側32の上には、切り欠き23によって互いに分離されたクリップ22を有している。これにより、ライニング部3を第2側3bに対して、被覆部の皺を生じることなく、固定することが可能となる。被覆部は、ステアリングコラムカバーに面した表面上の発泡体切片を少なくとも部分的に囲んでいる。
【0057】
溶接は一般的に超音波プロセスによって行うことができる。
第1端31と第2端32またはそのいずれかが機械的手段によって固定される場合、開口部41がクリップ22の中に設けられていて、ライニング部3の中に配置された対応する固定ドーム、フック、または他の固定手段と連係するので、クリップを、それが発泡体部10を越えて伸びる位置に固定することができる。
【0058】
更に、付加的な遮音を行うために、更なる遮音材料、例えばフェルトを、ライニング部3に付与することができる。
代替案として、ライニング部3上のシール部材の配置のために述べられた変形例を、ステアリングコラムカバー上のシール部材1の配置のために適用することもできる。このこ
とは、ステアリングコラムが長手方向に移動可能ではなく、むしろ垂直方向にのみ移動可能である場合、特に有益である。
【0059】
以下の文章は、自動車両の内部ライニング部にシール部材1を取り付けるための本発明によるプロセスを述べている。
第1工程において、ライニング部は、受容装置100の上部側面101上に配置され、次いで、受容装置100自身は、通常、取り付け装置102の上に配置される。受容装置101は、ライニング部3を受容するときに、受容装置101の上部側面102が、複数領域において、確実にロックするようにライニング部3の内部側3aと相互に作用する形態であることが好ましい。ライニング部3は更に、シール部材1の取り付けを行うために、固定手段によって受容装置に固定されるか、受容装置に固定され得る。図8aから分かるように、ライニング部3は、内部側3aの反対側が、取り付けのために自由にアクセス可能であるように配置されるように、受容装置101の上に載置されることが好ましい。この場合、ライニング部3が受容装置101の上に置かれた後の受容装置101およびライニング部3の少なくともいずれかの向きを、取り付けのための境界条件に従って配向させることができる。例えば、取り付け装置は水平面に延びる取り付け板とすることができるので、ライニング部3は、その通常の曲面構造のために、水平面に対してほぼ斜めに配置される。
【0060】
更に、被覆部20の予め製造された出発材料がライニング部3に付与される。被覆部20は、型板によって適所に配置され得る。図9aは、受容装置101の上に取り付けられたライニング部を示し、被覆部20は予め製造された状態でライニング部に固定されている。ライニング部は、第1端領域31によってライニング部3上に固定される。このことは、種々の方法で実現することができる。溶接または接着接合が好ましく、その場合、この操作は、点状に、または、端領域31の直線領域または面領域にわたって、行うことができる。接着接合の場合、形成される接着接合が操作上の使用の間に発生する伸縮運動に耐えるように十分強いことを保証することが特に必要である。端領域はまた、固定ドームまたはフックにおいて、予め製造された開口部またはスロットによって、あるいは、ライニング部3の広い側3bに設けられた同様の固定手段によって、懸架され得る。
【0061】
予め製造された被覆部3の第2端領域32は、切り欠き24によって互いに分離されたクリップ22を有している。第2端領域32のこの構成は、更なる取り付け工程が行われた後に、この第2端領域26をライニング部3へ皺を生じることなく固定することを可能にする。ライニング部への第1端領域25の固定後に、クリップ22は、予め製造された被覆部の自由端側を形成する(図9a)。
【0062】
シール部材をライニング部3上に取り付ける更なる工程において、発泡体切片がライニング部上に置かれる(図9b)。ステアリングコラムカバーと連係する発泡体切片またはシール部材1は、シール部材1の複数部分がライニング部3の断面の延長部分の両側で延びるように、ライニング部3上に配置される。この配置を達成するために、例えば型板(図示せず)などの補助器具を使用することが好ましい。
【0063】
更に、発泡体切片が、ライニング部のシャーシ側3bの所定箇所に固定される(図9c)。発泡体切片10の固定は、種々の方法で行うことができる。まず第1に、発泡体切片10は、被覆部20またはライニング部3に固定することができる。また、それは被覆部20とライニング部3の両方に固定することができる。
【0064】
固定の形態は、再度述べると、具体的には点状での溶接を好ましく含むことができる。図9cは、図式的に示された溶接スポット110によってこの代替案を表している。溶接は直線的接合箇所または局部的接合箇所を介して行うこともできる。溶接に加えて、一般
的に接着接合を記載された代替案に従って考えることもでき、機械的な固定形態もそうである。機械的な固定は、もう一度言うが、ライニング部3上に設けられた固定ドームまたはフック(図示せず)によって行うことができる。これらの固定形態または固定手段は互いに組み合わせることもできる。
【0065】
更なる工程において、被覆部3のクリップ22が、この目的のために設けられた場所に固定されうるような範囲まで、発泡体切片10を越えて引っ張られる。
第1代替案においては、この目的のために、発泡体切片は、所定箇所または領域においてライニング部3のシャーシ側3bに溶接される。第2代替案においては、クリップ22に設けられた開口部またはスロットが、ライニング部3のシャーシ側3bに設けられた例えばフックまたはドームなどの対応固定手段に吊るされる。
【0066】
上述の取り付けプロセスは、可撓性のチューブかスリーブまたはホースの中に導入される発泡体材料によって発泡体部10が製造される状況に対しても適当である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ライニング部とステアリングコラムカバーおよびその間に配置されたシール部材の部分側面図。
【図2】ライニング部とステアリングコラムカバーとそれらの間に配置されたシール部材との組合せの一部分を、車内から見たように示す図であり、ステアリングコラムシャフトを示していないためにステアリングコラムカバー内の対応開口部が見える。
【図3】本発明によるシール部材のために使用される発泡体切片の一実施態様を、単独に、前から斜めに見た図。
【図4a】ライニング部のために使用されるようになっているフレーム部材への取り付けを積極的にロックするのに適した、前から斜めに見た発泡体切片の変形例の末端部を示す図。
【図4b】ライニング部と一体的にまたは別部品として形成することができる、図4aの発泡体切片を受けるためのフレーム部材を示す図。
【図4c】図4bのフレーム部材を有するシール部材と、発泡体切片の上に積層された本発明による被覆部との組合せの末端部を示す図。
【図5a】周囲方向に連続な形態のシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図5b】周囲方向に連続な形態の二つの部分に形成されたシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図5c】周囲方向に連続な形態のシール部材の更なる実施態様を示す図。
【図6】フレーム部材を使用または使用しないシール部材の更なる実施態様の一部を示し、車内の方向においてライニング部の内部から見たときに、被覆部が発泡体切片を越えて伸びている。
【図7】図6の2−2線上の側断面の形態の図6のシール部材の実施態様を示す図であって、シール部材およびステアリングコラムカバーと連係したライニング部の開放端を示し、ステアリングコラムカバーは、基準位置と、破線による二つの更なる位置において示されている図。
【図8】図6に示すようなシール部材のために使用される被覆部の断面図。
【図9a】本発明に従ってライニング部にシール部材を取り付ける工程を示すために、予め製造された状態の、ライニング部に固定された被覆部を有する、受容装置上に取り付けられたライニング部を示す図。
【図9b】ライニング部上にシール部材を取り付ける更なる工程を示す図であり、図9aに示す工程から始まって、発泡体切片がライニング部の上に置かれている。
【図9c】ライニング部上にシール部材を取り付ける更なる工程を示す図であり、発泡体切片が所定箇所においてライニングに溶接されるが、この工程は別の方法でも行うことができる。
【図9d】更なる取り付け工程を示す図であり、被覆部は、車内から離れた方へ向いているライニング部の発泡体切片側で発泡体切片を越えて伸ばされ、代替案においては、所定箇所においてライニング部に溶接される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、発泡体部(10)が弾性材料から形成されると共に、二つの腕部(11a,11b)とそれらを接続する湾曲中心部(11c)とを備えることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項2】
ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、発泡体部(10)が弾性材料から形成されると共に、周囲方向に連続した形状を有することを特徴とするシール部材(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、該シール部材(1)は、弾性発泡体部(10)からなる2層と、更に、前記ステアリングコラムカバー(5)に面する側において、滑性を有する材料の付加的な層からなる少なくとも複数部分とに形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項4】
請求項3に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、前記滑性を有する材料の層は、前記発泡体部(10)に対して、積層されるか、接着接合されるか、またはフロック加工によって付与されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項5】
請求項3に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、前記滑性を有する材料の層は、可撓性の伸縮可能材料からなる被覆部(20)から形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項6】
請求項5に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、少なくとも複数部分において、前記発泡体部(10)を越えて伸張されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項7】
請求項5及至6のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は固定手段によって前記ライニング部(3)に固定されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項8】
請求項5及至7のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部(3)に接着接合されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項9】
請求項5及至8のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部(3)に溶接されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項10】
請求項5及至9のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、製造されるべき該シール部材(1)の形状を有する可撓性のチューブまたはホースとして形成され、それらの可撓性チューブまたはホースの中には、可撓性チューブまたはホース発泡体が形成されていることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項11】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、ポリアミド織布から単一層に形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項12】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、ポリアミド織布と発泡体層とから2層に形成され、前記発泡体層は前記発泡体部の側に配置されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項13】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、二つのポリアミド織布層とその間に配置された発泡体層とから3層に形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、発泡体部(10)の材料は、
好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度と、
0.5〜3kPaである40%変形における圧縮硬度と、
センチメートル当たり20〜200個である発泡材料のセル計数と
のうち一つ以上の決定変数を満足することを特徴とするシール部材(1)。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記発泡体部(10)はポリエーテルまたはポリウレタンから形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項16】
ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に位置する装置であって、前記ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に配置されたシール部材(1)を備え、前記シール部材(1)は、ステアリング中心軸線(LR)がその中に位置し、かつ前記シール部材(1)の中央3分の1を通過する断面平面(E)において見ると、前記シーリングコラムカバー(5)と前記ライニング部(3)に対して、前記ライニング部(3)の端領域(18)の輪郭線(18b)または断面平面(E)内の断面線の、断面平面上に投影された延長部分(18a)が、前記シール部材(1)の断面の内側に位置するように、配置されることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の、シール部材(1)を備えた装置であって、前記シール部材(1)はフレーム部材(51)上に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の、ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)の間に位置する装置であって、前記ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に配置されたシール部材(1)を備える装置において、前記シール部材(1)に当たることになる前記ステアリングコラムカバー(5)の領域の上にテフロン層が配置されることを特徴とする装置。
【請求項19】
ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間にシール部材を取り付ける方法であって、
前記ライニング部を受容装置(100)の上部側(101)に配置する工程と、
予め製造された出発材料を前記ライニング部(3)の上に配置して被覆部(20)を形成する工程と、
前記被覆部(20)を第1端領域(31)によって前記ライニング部(3)に固定する工程と、
前記予め製造された被覆部(3)の第2端領域(32)をクリップ(22)によって前記ライニング部(3)に固定する工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載のシール部材を取り付ける方法であって、第1端領域(31)による前
記被覆部(20)の固定は、接着接合、溶接および固定部材のいずれかによって行われることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記第2端領域(31)による前記被覆部(20)の固定は、接着接合、溶接および固定部材のいずれかによって行われることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19及至21のいずれか1項に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記発泡体部(10)は前記被覆部(20)および前記ライニング部(3)の少なくともいずれかに固定されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項19及至22のいずれか1項に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記溶接または接着接合は、点状に行なわれるか、または面領域にわたって行われることを特徴とする方法。
【請求項1】
ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、発泡体部(10)が弾性材料から形成されると共に、二つの腕部(11a,11b)とそれらを接続する湾曲中心部(11c)とを備えることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項2】
ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、発泡体部(10)が弾性材料から形成されると共に、周囲方向に連続した形状を有することを特徴とするシール部材(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、該シール部材(1)は、弾性発泡体部(10)からなる2層と、更に、前記ステアリングコラムカバー(5)に面する側において、滑性を有する材料の付加的な層からなる少なくとも複数部分とに形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項4】
請求項3に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、前記滑性を有する材料の層は、前記発泡体部(10)に対して、積層されるか、接着接合されるか、またはフロック加工によって付与されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項5】
請求項3に記載の、ライニング部(3)とステアリングシャフトのステアリングコラムカバー(5)との間に配置されるシール部材(1)であって、前記滑性を有する材料の層は、可撓性の伸縮可能材料からなる被覆部(20)から形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項6】
請求項5に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、少なくとも複数部分において、前記発泡体部(10)を越えて伸張されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項7】
請求項5及至6のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は固定手段によって前記ライニング部(3)に固定されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項8】
請求項5及至7のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部(3)に接着接合されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項9】
請求項5及至8のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、点状に、または、複数の領域において、前記ライニング部(3)に溶接されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項10】
請求項5及至9のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、製造されるべき該シール部材(1)の形状を有する可撓性のチューブまたはホースとして形成され、それらの可撓性チューブまたはホースの中には、可撓性チューブまたはホース発泡体が形成されていることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項11】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、ポリアミド織布から単一層に形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項12】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、ポリアミド織布と発泡体層とから2層に形成され、前記発泡体層は前記発泡体部の側に配置されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項13】
請求項5及至10のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記被覆部(20)は、二つのポリアミド織布層とその間に配置された発泡体層とから3層に形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、発泡体部(10)の材料は、
好ましくは24kg/m3で偏差が±0.25である材料密度と、
0.5〜3kPaである40%変形における圧縮硬度と、
センチメートル当たり20〜200個である発泡材料のセル計数と
のうち一つ以上の決定変数を満足することを特徴とするシール部材(1)。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシール部材(1)であって、前記発泡体部(10)はポリエーテルまたはポリウレタンから形成されることを特徴とするシール部材(1)。
【請求項16】
ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に位置する装置であって、前記ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に配置されたシール部材(1)を備え、前記シール部材(1)は、ステアリング中心軸線(LR)がその中に位置し、かつ前記シール部材(1)の中央3分の1を通過する断面平面(E)において見ると、前記シーリングコラムカバー(5)と前記ライニング部(3)に対して、前記ライニング部(3)の端領域(18)の輪郭線(18b)または断面平面(E)内の断面線の、断面平面上に投影された延長部分(18a)が、前記シール部材(1)の断面の内側に位置するように、配置されることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の、シール部材(1)を備えた装置であって、前記シール部材(1)はフレーム部材(51)上に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の、ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)の間に位置する装置であって、前記ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間に配置されたシール部材(1)を備える装置において、前記シール部材(1)に当たることになる前記ステアリングコラムカバー(5)の領域の上にテフロン層が配置されることを特徴とする装置。
【請求項19】
ライニング部(3)とステアリングコラムカバー(5)との間にシール部材を取り付ける方法であって、
前記ライニング部を受容装置(100)の上部側(101)に配置する工程と、
予め製造された出発材料を前記ライニング部(3)の上に配置して被覆部(20)を形成する工程と、
前記被覆部(20)を第1端領域(31)によって前記ライニング部(3)に固定する工程と、
前記予め製造された被覆部(3)の第2端領域(32)をクリップ(22)によって前記ライニング部(3)に固定する工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載のシール部材を取り付ける方法であって、第1端領域(31)による前
記被覆部(20)の固定は、接着接合、溶接および固定部材のいずれかによって行われることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記第2端領域(31)による前記被覆部(20)の固定は、接着接合、溶接および固定部材のいずれかによって行われることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19及至21のいずれか1項に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記発泡体部(10)は前記被覆部(20)および前記ライニング部(3)の少なくともいずれかに固定されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項19及至22のいずれか1項に記載のシール部材を取り付ける方法であって、前記溶接または接着接合は、点状に行なわれるか、または面領域にわたって行われることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【公表番号】特表2007−509001(P2007−509001A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537142(P2006−537142)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011962
【国際公開番号】WO2005/042333
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(504328912)フォールシア インネンラオム システム ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011962
【国際公開番号】WO2005/042333
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(504328912)フォールシア インネンラオム システム ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
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