説明

自動車燃料部品用の熱可塑性樹脂材料

【課題】耐燃料透過性および耐衝撃性に優れ、かつ耐久性、安全性に優れた燃料系部品用の樹脂組成物を得ることを課題とする。
【解決手段】本発明の燃料系部品用樹脂組成物は、柔軟性、耐熱性、耐ガソリン性、耐衝撃性に優れたポリアミド系樹脂に、耐燃料透過性に優れた特定のポリエステル樹脂を特定量配合することにより、燃料系部品に求められる機械的強靭性と耐燃料透過性を兼ね備えることにより、単一素材で燃料系部品を構成することが可能となる。本発明の燃料系部品用樹脂組成物は、特定の相溶化剤を介在しポリアミド系樹脂とポリエステル樹脂を溶融混合させることにより、機械的特性および耐燃料透過性を向上させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を搬送する配管としてのチューブ・ホース類、燃料を搬送する管同士やその周辺機器等への接続に用いる燃料用コネクタ、燃料タンク内で発生するガソリン蒸発ガスを活性炭で取り込み炭化水素を吸着する燃料用キャニスター、燃料収容タンク、或いはバルブをはじめとする各種形状を有し、燃料に接触する燃料系部品に適する熱可塑性樹脂材料に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料を搬送、収容する際に用いられる燃料遮断材として、古くから使用されてきた金属に代わり、近年、軽量性に優れると共に錆の発生しない樹脂材料が使用されてきている。
例えば、比較的強度の大きい合成樹脂製品として、ガラス繊維を配合したポリアミド12を用いて成形された合成樹脂成形品が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、ポリアミド12による樹脂製材は金属よりも耐燃料透過性に劣るという欠点があった。一方、エバポ規制をはじめとする近年の燃料排出規制を契機として、様々な代替燃料が実用化され、或いは実用化されつつある。代替燃料としては例えば、オクタン価向上のための添加剤として、メチルブチルエーテルに代わりアルコール等の様々な代替添加剤を使用したものがある。よって、このようなアルコール混合燃料等の代替燃料に対しても耐燃料透過性を確保する樹脂性燃料系部品が求められている。
【0004】
このような耐燃料透過性を向上させるバリアー性機能樹脂材料として、EVOH,フッ素系樹脂などが上げられるが、どれも耐燃料透過性は優れるが機械的特性が低く単一素材で燃料系部品を構成することは困難であり、積層化させる必要があった。(例えば特許文献2参照)
【0005】
一方、上記のバリアー性機能樹脂材料に代わる、機械的特性に優れ耐燃料透過性に優れた樹脂材料として、PPS(ポリフェニレンスルフィド)を主たる材料として用いた燃料部品が開発されている。(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、PPSはPE(ポリエチレン)、PA(可塑化ナイロン)等と比較すれば有利な耐燃料透過性を示すものの、今だ十分な燃料遮断機能材とはいえない。また、耐衝撃性に劣るため、配管、タンク等の燃料遮断機構を組み立てる際や、使用中に衝撃を受けた際に割れが生じたり、破損したりする恐れがある。このため、高度な安全性が求められる燃料遮断用の樹脂成形品として、十分に優れたものとはいえなかった。また、PPSの耐衝撃性を改善する目的で、ゴム成分などを配合した樹脂材料もあるが、耐衝撃性は改善できるが、耐燃料性が低下するため、十分に特性を満足した燃料系部品に適する熱可塑性樹脂材料とは言えない。
【0006】
ポリブチレンナフタレート系樹脂が耐燃料透過性に優れ、燃料系部品への適用が可能であることは公知である。(例えば特許文献3、4参照)しかし、ポリブチレンナフタレート系樹脂は、耐燃料透過性は優れるが、結晶性樹脂であるがゆえに耐衝撃性に劣り、燃料部品への単一材料としての適合性は低く、他のバリアー性機能樹脂材料と同様に他の材料よりなる層と積層化し使用することが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−233181号公報
【特許文献2】特開平7−96564号公報
【特許文献3】特開2002−188782号公報
【特許文献4】特開2004−239429号公報
【特許文献5】特開2005−281342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の如く、近年環境規制が厳しくなる中、燃料系部品には耐燃料透過性が求められている。そこで、バリアー性機能樹脂材料を用いた製品が数多く開発されてきたが、機械的特性と耐燃料透過性を両立させる為に積層化・多層化などが必要であった。そこで、本発明の課題は、耐燃料透過性および耐衝撃性に優れ、かつ耐久性、安全性に優れた、単一材料で燃料系部品を作製することのできる樹脂組成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した。その結果、本発明者らは上記課題解決に対して、ポリブチレンナフタレート系樹脂にポリアミド系樹脂を配合せしめる熱可塑性樹脂材料、好ましくはさらに相溶化剤を配合した熱可塑性樹脂材料が耐衝撃性などの機械的特性および耐燃料透過性に優れた熱可塑性樹脂材料となることを見出し、本発明に至った。
【0010】
本発明によれば上記課題は、(A)ポリブチレンナフタレート系樹脂(A成分)、好ましくは主たる酸成分としての2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、および主たるグリコール成分としてのテトラメチレングリコール成分から構成されるポリブチレンナフタレート系樹脂5〜90重量部、および(B)ポリアミド系樹脂(B成分)95〜10重量部の合計100重量部に対し、(C)相溶化剤(C成分)、好ましくグリシジル基、カルボキシル基、水酸基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する相溶化剤0.1〜20重量部含有する熱可塑性樹脂材料を単一もしくは他素材と組み合わせて燃料系部品に適用することによって達成される。なお、本発明においてジカルボン酸成分とは、ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体に由来する芳香族ポリエステル中の構成単位を示す。またグリコール成分も同様に、グリコールまたはそのエステル系形成性誘導体に由来する芳香族ポリエステル中の構成単位を示す。ジカルボン酸成分およびグリコール成分の具体名においても同様の意を示す。
【0011】
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミド系樹脂と、ポリブチレンナフタレート系樹脂が非相溶系での溶融混合により両者が不連続層を形成することによって耐燃料透過性と機械的特性を兼ね備えることが可能となる。特に非相溶系での溶融混合による分散では、樹脂材料の持つ化学的特性、溶融粘度比、混合時のせん断、成形時の冷却固化過程でのスピノーダル分離などの要因によって、その分散形態が変化し樹脂材料の特性が変化することは知られている。特に溶融粘度比、混合時のせん断、成形時の冷却過程などは、使用部品、使用部位により大きく変化するため、適宜調整が必要である。
【0012】
ポリブチレンナフタレート系樹脂に対するポリアミド系樹脂の配合量については、ポリブチレンナフタレート系樹脂5〜90重量部に対し、ポリアミド系樹脂を95〜10重量部、好ましくは、ポリブチレンナフタレート系樹脂20〜80重量部に対し、ポリアミド系樹脂80〜20重量部、より好ましくはポリブチレンナフタレート系樹脂20〜50重量部に対し、ポリアミド系樹脂80〜50重量部である。
【0013】
以下、本発明の詳細について説明する。
<A成分:ポリブチレンナフタレート系樹脂>
本発明のポリブチレンナフタレート系樹脂(以下、PBN系樹脂と略称することがある。)は、好ましくはそのジカルボン酸成分が主に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分であり、かつグリコール成分が主にテトラメチレングリコールであるPBN系樹脂である。
【0014】
本発明のPBN系樹脂のジカルボン酸成分は、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が主成分であることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他のジカルボン酸成分を含有してもよく、その含有量は酸成分全体を100モル%としたとき20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
【0015】
かかる他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、tert−ブチルフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、フェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、およびジフェニルスルフィドジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、およびドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、デカリンジカルボン酸、およびテレラリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが例示される(前記のとおりこれらの酸からなるエステル形成性誘導体を含む)。なお、これらの他のジカルボン酸成分は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でもテレフタル酸、イソフタル酸がより好ましい。従って、ジカルボン酸成分は2,6−ナフタレンジカルボン酸成分並びにテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分からなることが好ましく、さらに、ジカルボン酸成分が、その100モル%中、80〜99モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、並びに1〜20モル%がテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分からなることがより好ましい。
【0016】
本発明のPBN系樹脂のグリコール成分は、実質的に主にテトラメチレングリコールであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他のグリコール成分を含有してもよく、その含有量は酸成分全体を100モル%としたとき20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
【0017】
他のグリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、およびジエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールおよびトリシクロデカンジメチロールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン、およびジヒドロキシジフェニルなどの二価フェノール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコール、ポリエチレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどポリオール、並びにビスヒドロキシエトキシフェニルフルオレンなどフルオレンなどが例示される。なお、これらの他のグリコール成分は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でもエチレングリコールが好ましい。
【0018】
また、本発明のPBN系樹脂にはオキシ酸成分を含有してもよく、オキシ安息香酸およびヒドロキシジフェニルカルボン酸等が例示される。なお、オキシ酸成分の含有量は酸成分全体を100モル%としたとき2モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましい。
【0019】
更に本発明のPEN系樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において3官能以上の酸成分またはグリコール成分を含有することができる。3官能以上の酸成分としてはトリメリット酸などが例示され、3官能以上のグリコール成分としてはグリセリン、トリメチルプロパン、およびペンタエリスリトールなどが例示される。3官能以上の成分は酸成分、またはグリコール成分全体を100モル%としたとき、好ましくは2モル%以下、より好ましくは1モル%以下の割合で使用される。
【0020】
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、ポリアミド系樹脂のマトリクス中にPBN系樹脂が分散しているほうが、ポリアミド系樹脂の持つ優れた機械的特性を維持したまま、耐燃料透過性を改善できる。そのため、本発明のPBN系樹脂は、樹脂0.6gをオルトクロロフェノール50ml中に、加熱溶解した後、一旦冷却させ、その溶液をオストワルド式粘度管を用いて25℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した極限粘度(IV値)において、好ましくは1.5dl/g以下であることが好ましく、1.2dl/g以下がより好ましい。極限粘度が1.5以上の場合、PBN系樹脂の溶融粘度が増加し、ポリアミド系樹脂との均質な溶融混合が困難となり、樹脂材料の溶融混合可能性が低下する。一方かかる極限粘度は0.6dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.8dl/g以上、更に好ましくは1.0dl/g以上である。極限粘度が0.6以下では機械的特性、特に耐衝撃性が著しく低下しPBN系樹脂がマトリクスを構成した場合、得られる樹脂材料の耐衝撃性が低下する。
【0021】
また、本発明のPBN系樹脂は、末端カルボキシル基濃度が12〜30当量/tonの範囲にあることが好ましく、15 〜25当量/tonがより好ましく、20〜25当量/tonがさらに好ましい。12当量/ton以下では、後述の相溶化剤との反応性が低く、PBN系樹脂とポリアミド系樹脂が完全に層分離を起こし、機械的特性の著しい低下が発生する。一方30当量/ton以上では、PBN系樹脂自体の熱安定性が低下し、溶融混合時および成形時の熱履歴でポリマーの分解が進み、樹脂材料としての機械的特性が低下する。なお、この末端カルボキシル基濃度は以下の方法により測定した。すなわち、A.Conixの方法(Makromal.Chem.26,226(1958))に準じた測定法、具体的には、樹脂2.0gにo−クレゾール/クロロホルム(3:2)溶液を50ml加え、90℃で1時間溶解した後、30分間放冷した。その後、クロロホルムを30ml加え、さらに13%塩化リチウムメタノール溶液を5ml加え、N/25エタノール性水酸化ナトリウム溶液で滴定する方法を用いた。
【0022】
本発明のPBN系樹脂を重合するには、従来公知の各種重合方法を適用することが可能である。その一例として、1,4ブタンジオール、並びに2,6−ナフタレンジカルボン酸のジメチルエステルおよび共重合成分(テレフタル酸ジメチルエステルなど)をメチルアルコールを留去しながらエステル交換させ、その後減圧下で重縮合を行う方法が例示される。本発明においては、特に更に極限粘度を上げる為に固相重合を行うことが好ましい。エステル交換触媒としては、酢酸カルシウムや酢酸マグネシウムなどが好適に例示される。またエステル交換触媒としてはその他にも、マグネシウム、マンガン、カルシウム、および亜鉛などの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、および酸化物などが挙げられる。またかかるエステル交換触媒を失活するためにトリメチルホスフェートなどのリン化合物をエステル交換反応後に添加することが好ましい。また重合反応触媒としては、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、およびアンチモン化合物などが使用可能であり、例えば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが例示される。
【0023】
<B成分:ポリアミド系樹脂>
本発明で用いるポリアミド系樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするポリアミド樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0024】
本発明において、機械的剛性が必要とされる用途すなわちISO527−1、−2に準じた測定方法で、試験速度2mm/minにて行った曲げ試験から算出される曲げ弾性率が2,000MPa以上であることが必要な用途、例えばキャニスター、コネクター、ハウジングなどの燃料系成形部品用途において、とくに有用なポリアミド系樹脂は、200℃以上の結晶融解温度を有する耐熱性や強度に優れた硬質系ポリアミド系樹脂であり、具体的な例としてはカプロラクタムを開環重縮合したポリアミド類、またはヘキサメチレンジアミンを構成成分としたポリアミド類であるポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/12コポリマーなどの例を挙げることができる。
【0025】
一方、柔軟性が必要である用途すなわち曲げ弾性率が1,500Mpa以下であることが必要な用途、例えば燃料搬送用配管に用いられる燃料チューブなどの軟質燃料中空部品に関しては、ラウリルラクタム、ウンデカンラクタムなどのラクタムを開環重合して得られたナイロン11、ナイロン12およびこれらの混合物ないし共重合などが上げられる。
更にこれらのナイロン樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0026】
また、これらナイロン樹脂の重合度にはとくに制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0027】
<C成分:相溶化剤>
本発明の熱可塑性樹脂材料には、PBN系樹脂とポリアミド系樹脂との分散状態を最適化させることを目的として相溶化剤が添加される。
本発明で用いる相溶化剤としては、各種相溶化剤が適用可能であるが、グリシジル基、カルボキシル基、および水酸基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する相溶化剤が好ましい。
【0028】
上記相溶化剤としては、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート(EGMA)、変性EGMA、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリル酸メチル三元共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−アクリル酸三元共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、変性EEA、変性エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAc)、変性EVAc、変性ポリプロピレン(PP)、変性ポリエチレン(PE)、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(エポキシ化SBS)、エポキシ化スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(エポキシ化SEBS)、酸変性SBS、酸変性SEBS、スチレン−イソプロペニルオキサゾリン共重合体、グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体、熱可塑性ウレタン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0029】
上記変性EGMAとしては、例えば、EGMAに、ポリスチレン(PS),ポリメチルメタクリレート(PMMA),アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS),PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
また、変性EEAとしては、例えば、EEAに、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたものや、無水マレイン酸変性EEA、シラン変性EEA等があげられる。
また、変性エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体としては、例えば、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体に、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
【0030】
また、変性EVAcとしては、例えば、EVAcに、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
また、変性PPとしては、例えば、PPに、PSまたはASをグラフトしたものや、無水マレイン酸変性PP等があげられる。
また、変性PEとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)に、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたものや、無水マレイン酸変性PE等があげられる。
【0031】
本発明に用いる相溶化剤としては、特にグリシジル基を低濃度含有したポリマータイプの相溶化剤が好ましく、エチレン−グリシジルメタクリレート(EGMA)にて、GMA濃度が6〜12wt%であるものが好適である。GMA濃度が6wt%以下では相溶化の効果が低く特性改善とならず、GMA濃度が12wt%以上では、反応性が高く溶融混練時にゲル状の架橋物が生成する恐れがある。
C成分の含有量はA成分とB成分の合計100重量部に対し、0.1〜20重量部が好ましく、0.2〜10重量部がより好ましく、1〜5重量部がさらに好ましい。
【0032】
<その他の添加剤>
本発明においては、強度及び寸法安定性等を向上させるため、必要に応じて充填材を用いてもよい。充填材の形状としては繊維状であっても非繊維状であってもよく、繊維状の充填材と非繊維状充填材を組み合わせて用いてもよい。かかる充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら繊維状および/または非繊維状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。強度および寸法安定性等を向上させるため、かかる充填剤を用いる場合、その配合量は特に制限はないが、通常熱可塑性樹脂材料100重量部に対して30〜400重量部配合される。
【0033】
さらに本発明の樹脂材料中においては、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、本発明の樹脂材料を製造する任意の段階で配合することが可能であり、例えば、少なくとも2成分の樹脂を配合する際に同時の添加する方法や、予め2成分の樹脂を溶融混練した後に添加する方法や、始めに片方の樹脂に添加し溶融混練後、残りの樹脂を配合する方法が挙げられる。
【0034】
本発明の樹脂材料には、PBN系樹脂およびポリアミド系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ゴム質重合体、ポリアルキレンオキサイド、あるいはカルボキシル基等を含有するオレフィン系共重合体等の樹脂等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することが挙げることができる。ポリアミド系樹脂の耐湿性改良のためにはポリオレフィン系重合体を含むことなどが例示できる。これらの樹脂の含有量はA成分とB成分の合計100重量部に対し、好ましくは20重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
【0035】
<熱可塑性樹脂材料の製造>
本発明のPBN系樹脂、ポリアミド系樹脂および任意に相溶化剤を混合するプロセスについては、共通溶媒に溶解後、この溶液から噴霧乾燥、凍結乾燥、非溶媒物質中の凝固、溶媒蒸発によるフィルム生成等の方法により得られる溶媒キャスト法や、非相溶系を、相溶条件下で溶融混練による溶融混練法が挙げられる。中でも溶媒を用いないドライプロセスである溶融混練による相溶化が、実用上好ましく用いられる。溶融混練により分散化させるには、通常の押出機が用いられるが、2軸押出機を用いることが好ましい。また、樹脂の組合わせによっては射出成形機の可塑化工程で相溶化できる場合もある。相溶化のための温度は、非相溶系の樹脂が相溶する条件である必要がある。
【0036】
<成形品>
本発明から得られる樹脂材料の成形方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができるが、中でもチューブ状成形品を成形する押出成形では、分散方向を用意に制御することが可能であることから、本発明の効果が得られやすい。これらの方法で成形される燃料系部品としては燃料配管用チューブ、燃料配管用コネクタ、燃料タンクセンターシール、燃料タンクキャップシール、キャニスター、タンクおよびインジェクターなどが例示される。
【発明の効果】
【0037】
本発明の熱可塑性樹脂材料により、燃料配管用チューブ、燃料配管用コネクタ、燃料タンクセンターシール、燃料タンクキャップシール、キャニスター、タンクおよびインジェクターなどの燃料系部品を作成することができる。また、本発明の燃料系部品に使用される燃料としては、ガソリン、軽油、重油、LPG、灯油、ジェット燃料、GTL軽油、DME(ジメチルエーテル)、並びにアルコール、エーテル、エステル、ケトン、およびフェノールなどの含酸素化合物および含酸素化合物混合燃料などが例示される。本発明の燃料は必ずしも内燃機関に限定されるものではなく、燃料電池で発生する電気を利用する電気自動車であってもよく、燃料電池では例えばアルコール燃料が代表的に例示される。本発明の熱可塑性樹脂材料は、特に含酸素化合物および含酸素化合物混合燃料に好適である。尚、かかる含酸素化合物にはDMEを含む。本発明の熱可塑性樹脂材料は上記の如く多様な燃料に対して幅広く対応可能であり、燃料に関係なく同様の部品の使用が可能であり、バイフューエル型の自動車にも対応できるため、その工業的有用性は極めて大である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。本発明はそれに限定されるものではない。
【0040】
[樹脂組成物の調製]
A成分、B成分、C成分を表1および表2に記載の配合量でポリエチレン袋を用いて混合した。この混合物を、(株)日本製鋼所製同方向2軸押出機(TEX30α)に供給し、スクリュによる溶融混練を行い、吐出されたストランドを水冷冷却後カットし、ペレット状の樹脂組成物を得た。なお、上記溶融混練はシリンダー温度280℃、スクリュ回転120rpm、吐出量40kg/hrの条件で行なった。また、供給原料は無乾燥状態であり、シリンダに設置された真空ベント孔から真空吸引し水分除去を行なった。
【0041】
[機械的特性の評価]
(1)引張破断伸度
得られたペレット状樹脂組成物を、溶融樹脂を高圧高速で金型に射出し、金型内で冷却固化させ成形品を成形する射出成形機に供給し、シリンダー温度280℃、金型温度60℃、射出率80cc/sec、並びに成形サイクル25秒の条件でISO527−1に準拠した引張ダンベル試験片を成形した。得られた試験片を、ISO527−2記載の引張試験を試験速度50mm/minにて行い、引張破断伸度を測定した。この引張破断伸度をもって、樹脂組成物の靱性を示す特性とした。
【0042】
(2)曲げ弾性率
上記射出成形と同様の方法で、ISO178標準試験片を成形し、ISO178記載の曲げ試験方法によって曲げ弾性率を算出した。このときの試験速度は2mm/min、支点間距離64mmとした。
【0043】
[燃料透過性の評価]
得られたペレット状樹脂組成物を、ダイ幅30cmのTダイに接続されたスクリュ径40mmの単軸押出機に供給し、Tダイから吐出された溶融樹脂膜を温度調整された金属ロールにて冷却固化させる、Tダイ製膜法にて100μmのシート状成形体に成形した。なお、上記成形はシリンダー温度280℃、スクリュー回転数40rpm、Tダイ温度280℃、ロール温度60℃に温調されたTダイ製膜機を用い、引き取り速度5m/minにて実施した。
【0044】
そのシート状成形体をカップ法における気相法で減少重量測定による透過量の測定を実施した。ここでカップ法における気相法とは下記に記載の測定法である。すなわち、容量100mLのアルミカップ中に、一定量の燃料油を入れ、これに、上記シートから切り出し作成した蓋をとりつけ、締め具で固定する。次にこの蓋をしたアルミカップを60℃の恒温槽内におき、測定開始前、24時間後、48時間後および72時間後の重量を測定し、それぞれの時点における24時間当たりの重量減少量(ΔM24、ΔM48、ΔM72)を算出した。次に、その重量減少量から下記式に基づいてそれぞれのガソリン透過係数(G24、G48、G72)を算出し、G24、G48およびG72の平均値をその樹脂組成物のガソリン透過率とした。
ガソリン透過係数[G]
=重量減少量[ΔM](mg)×サンプル厚み(mm)/透過面積(cm
なお、試験温度は60±2℃とし、試験薬品はENEOSレギュラーガソリンを用いた。また、透過面積は1.133×10−3である。
【0045】
なお、実施例および比較例で使用した原材料は、下記のとおりである。
[A成分−1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸およびテトラメチレングリコールからなるポリブチレンナフタレート樹脂(帝人化成製:TQB−OT)
(通常のポリエステル重合方法によって液相重合を行ったのち、更に固相重合を行うことによって、分子量を上げた樹脂であり、IV1.1、末端カルボキシル基濃度17eq/ton)
[A成分−2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸90mol%およびテレフタル酸を10mol%からなるジカルボン酸成分並びにテトラメチレングリコールからなる共重合ポリブチレンナフタレート樹脂(IV0.8、末端カルボキシル基濃度は25eq/ton)
[B成分−1]
ナイロン66(宇部興産製UBEナイロン2020B )
(カプロラクタム開環重縮合によって重合された曲げ弾性率3000MPaの硬質系ナイロン系樹脂)
[B成分−2]
ナイロン11(アルケマ社製Rilsan BESN P20)
(ウンデカンラクタム開環縮合によって重合された曲げ弾性率450MPaの軟質系ナイロン樹脂)
[C成分−1]
エチレン-アクリル酸メチル共重合体にグリシジルメタアクリレートを6wt%付加させた樹脂(住友化学製ボンドファースト7M)
[C成分−2]
アクリル・PMMAグラフト共重合体にグリシジルメタアクリレートを共重合させた樹脂(東亞合成製レゼダGP−301)
[C成分−3]
エチレン・1−ブテン・マレイン酸変性共重合体(三井化学製タフマ- MH0710)
実施例および比較例の結果を表1および表2に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
ポリブチレンナフタレート単独またはPA11にポリブチレンナフタレートを配合した樹脂は燃料透過性が著しく低い。しかし、引張破断伸度は低く非常に脆い素材である。(比較例1、4)
【0049】
それらの樹脂に相溶化剤としてGMA変性オレフィン、GMA変性アクリル、または酸変性オレフィンを配合すると、燃料透過性は、ポリブチレンナフタレート単体と同様まで低減されると共に破断伸度は200%以上となり、著しく靱性が改善される。(実施例1〜3)
【0050】
PA11に対し、配合するポリブチレンナフタレートの量は、20wt%でも相溶化剤を併用すれば、靱性および燃料透過性を両立することが可能である。(実施例6) 一方相溶化剤を併用しないと、ポリブチレンナフタレート量が増加すると燃料透過性は低減し良化するが靱性は損なわれる。逆にポリブチレンナフタレート量を低下させると全く逆の傾向となる。(比較例2、3)
【0051】
また、PA11の代わりにPA66を用いても、引っ張り破断伸度は若干劣るものの実施例1と同様な効果がみとめられる。(実施例4)ただし、PA66単独で用いた場合は、引張伸度が低いため脆い素材となる。(比較例6)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリブチレンナフタレート系樹脂(A成分)5〜90重量部、および(B)ポリアミド系樹脂(B成分)95〜10重量部の合計100重量部に対し、(C)相溶化剤(C成分)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項2】
A成分が主たる酸成分としての2,6−ナフタレンジカルボン酸成分(B−1成分)、および主たるグリコール成分としてのテトラメチレングリコール成分(B−2成分)から構成されるポリブチレンナフタレート系樹脂である請求項1に記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項3】
C成分が、グリシジル基、カルボキシル基、および水酸基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する相溶化剤である請求項1または2に記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項4】
A成分中の酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分80〜100モル%、並びにテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分0〜20モル%からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
ポリブチレンナフタレート系樹脂のIV値が0.6〜1.5dl/gの範囲にあり、かつ末端カルボキシル基濃度が12〜30当量/tonの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項6】
B成分が、ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド類、またはラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド類を主たる成分とした軟質系ポリアミド系樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項7】
曲げ弾性率が1500MPa以下であることを特徴とする請求項6に記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項8】
B成分が、カプロラクタムを開環重縮合したポリアミド類、またはヘキサメチレンジアミンを構成成分としたポリアミド類を主たる成分とした硬質系ポリアミド系樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項9】
曲げ弾性率が2000MPa以上であることを特徴とする請求項8に記載の燃料系部品用熱可塑性樹脂材料。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂より形成された燃料系部品。

【公開番号】特開2010−235804(P2010−235804A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86057(P2009−86057)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000215888)帝人化成株式会社 (504)
【Fターム(参考)】