説明

自動車玩具

【課題】小型・軽量化を図りつつ前後のシャーシを連結する。
【解決手段】前輪車軸2を支持する前輪用シャーシ5と、後輪車軸3を支持する後輪用シャーシ6とを備える自動車玩具1において、後輪用シャーシ6は、両側部から前方へ延出する2つのアーム部61,61を有し、この2つのアーム部61,61は、車幅方向に離間した状態で、各先端部61aが前輪用シャーシ5と連結されるとともに、それぞれ弾性部材で形成されてサスペンションとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行可能な自動車玩具においては、車軸を支持するシャーシが前後に分割されており、これら前後のシャーシを上下に相対揺動可能に連結した連結構造によって、車輪の路面追従機能やサスペンション機能を簡易に実現している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、この連結構造は、前輪車軸を支持する前輪用シャーシと後輪車軸を支持する後輪用シャーシとを、平面視略T字状の連結部材によって車幅方向の中央で連結した構造となっている。この連結部材は、棒状の突設部分(T字の下端部)を前輪用シャーシへ向けた状態で後輪用シャーシに固定され、突設部分の先端部がボールジョイント構造によって前輪用シャーシに揺動可能に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3798350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような連結構造では、前輪用シャーシの車幅方向中央に連結部材が連結されているため、電気基板等を配置するための前輪用シャーシ上のスペースが圧迫されていた。その結果、連結部材を回避して電気基板等を配置せざるを得ず、構造が複雑化して小型化や軽量化を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、小型・軽量化を図りつつ前後のシャーシを連結することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、前輪車軸を支持する前輪用シャーシと、後輪車軸を支持する後輪用シャーシとを備える自動車玩具において、
前記後輪用シャーシは、両側部から前方へ延出する2つのアーム部を有し、
前記2つのアーム部は、
車幅方向に離間した状態で、各先端部が前記前輪用シャーシと連結されるとともに、
それぞれ弾性部材で形成され、サスペンションとして機能することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動車玩具において、
前記2つのアーム部は、それぞれ捻回可能に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動車玩具において、
前記2つのアーム部は、各先端部が上下から挟持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の自動車玩具において、
前記前輪用シャーシは、前記2つのアーム部の各先端部を上下から挟持する上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとから構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車玩具において、
前記2つのアーム部の各先端部と、当該各先端部が連結された前記前輪用シャーシの各連結部とは、上下方向の中心軸を有する互いに相補的な半球状の摺動面を有し、当該摺動面で互いに摺動可能なように連結されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動車玩具において、
前記前輪用シャーシは、前記2つのアーム部の各先端部を上下から挟持する上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとから構成されており、
前記上部前輪用シャーシの両側部には、下方へ突設された半球状の第1凸部がそれぞれ形成され、
前記2つのアーム部の各先端部には、前記第1凸部と相補的であって上方へ開口する半球状の第1凹部と、下方へ突設された半球状の第2凸部とが互いに同心状に形成され、
前記下部前輪用シャーシの両側部には、前記第2凸部と相補的であって上方へ開口する半球状の第2凹部がそれぞれ形成され、
前記2つのアーム部の先端部は、前記第1凹部を前記第1凸部に摺動可能に嵌合させるとともに前記第2凸部を前記第2凹部に摺動可能に嵌合させつつ、前記前輪用シャーシの両側部と連結されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車玩具において、
前記2つのアーム部は、当該アーム部の延出方向と直交する断面の形状が車幅方向の内側に向かって傾斜する方形状にそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、後輪用シャーシは、両側部から前方へ延出する2つのアーム部を有し、この2つのアーム部は、車幅方向に離間した状態で各先端部が前輪用シャーシと連結されているので、前輪用シャーシ上のスペースを圧迫することなく、前輪用シャーシと後輪用シャーシとを連結することができる。これにより、T字状の連結部材を使用していた従来に比べ、連結部材を回避する必要なく電気基板等を容易に配置することができ、つまり、構造を簡素化して小型・軽量化を図ることができる。したがって、小型・軽量化を図りつつ前後のシャーシを連結することができる。
また、2つのアーム部がそれぞれ弾性部材で形成され、サスペンションとして機能するので、当該各アーム部を上下方向へ弾性変形させて、サスペンションとして機能させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、2つのアーム部がそれぞれ捻回可能に形成されているので、このアーム部の捻回によってロール角を更に拡大することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとによって2つのアーム部の各先端部が上下から挟持されているので、アーム部の先端部が前輪用シャーシから脱落することを抑制し、ロール角を拡大することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、2つのアーム部の各先端部と前輪用シャーシの各連結部とは、上下方向の中心軸を有する互いに相補的な半球状の摺動面を有し、当該摺動面で互いに摺動可能なように連結されているので、前輪用シャーシと後輪用シャーシとを左右方向や上下方向へ滑らかに相対揺動させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、2つのアーム部の先端部は、第1凹部を上部前輪用シャーシの第1凸部に摺動可能に嵌合させるとともに、第2凸部を下部前輪用シャーシの第2凹部に摺動可能に嵌合させつつ、前輪用シャーシの両側部と連結されている。つまり、アーム部の先端部は、上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとによって、相互に摺動可能な状態で挟持されている。したがって、前輪用シャーシからのアーム部の先端部の脱落を抑制してロール角を拡大しつつ、前輪用シャーシと後輪用シャーシとを左右方向や上下方向へ滑らかに相対揺動させることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、2つのアーム部は、当該アーム部の延出方向と直交する断面の形状が車幅方向の内側に向かって傾斜する方形状にそれぞれ形成されているので、車幅方向に平行な外力が加わった場合であっても、傾斜角度に応じてこの外力を分散させることができる。つまり、平板状のアーム部を水平に設けた場合に比べ、弾性変形しにくい幅方向への荷重を低減させることができ、ひいては、アーム部の変形や破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態における自動車玩具の外観図である。
【図2】ボディを取り外した状態の自動車玩具の平面図である。
【図3】図2のA−A矢視での断面図である。
【図4】図2のB−B矢視での断面図である。
【図5】自動車玩具の後端部の部分断面図である。
【図6】リモコンの外観図である。
【図7】充電器の外観図である。
【図8】横転防止リングを設けた自動車玩具の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
【0022】
図1は、本実施形態における自動車玩具1の外観図である。
この図に示すように、自動車玩具1は、オフロード車を模した走行玩具であり、前輪21,21を左右へ揺動可能に支持する前輪車軸2と、後輪31,31を支持する後輪車軸3(図5参照)と、ボディ4と、ウイング部材7とを備えている。
【0023】
図2は、ボディ4を取り外した状態の自動車玩具1の平面図である。
この図に示すように、前輪車軸2は前輪用シャーシ5に支持されており、後輪車軸3は後輪用シャーシ6に支持されている。
このうち、前輪用シャーシ5は、前輪車軸2を前端部で支持する略平板状の下部前輪用シャーシ51と、下部前輪用シャーシ51の車体中央部を覆う上部前輪用シャーシ52(図2では二点鎖線で図示)とが係合されて構成されている。下部前輪用シャーシ51上には、後述するリモコン8からの制御信号を受信して各部を駆動する電気基板53が載置されて上部前輪用シャーシ52に覆われている。また、下部前輪用シャーシ51には、図示しない操舵モータ及びギア機構が搭載されているとともに、前輪21,21に連結されたステアリングラック54が左右へ移動可能なように前輪車軸2と平行に支持されている。これらは自動車玩具1のステアリング機構を構成しており、操舵モータがギア機構を介してステアリングラック54を左右へ駆動することによって、前輪21,21が左右へ向きを変えて自動車玩具1が操舵される。更に、下部前輪用シャーシ51には、図示しないバッテリーが搭載されている。
一方、後輪用シャーシ6は、後輪車軸3と連結されたモータ軸を有する駆動モータ62が後端部に搭載されている。この後輪用シャーシ6は、両側部から前方へ延出する2つのアーム部61,61を有しており、平面視略コ字状に形成されている。
これら前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とは、2つのアーム部61,61によって両側部で連結されている。この2つのアーム部61,61は、車幅方向に離間した状態で前輪用シャーシ5の後端部を左右から挟みつつ、各先端部61aが前輪用シャーシ5の両側部に突設された連結部55と連結されている。
【0024】
図3は、図2のA−A矢視での断面図であり、図4は、B−B矢視での断面図である。但し、図3では、図示の分かり易さのために各部品の隙間を広げて図示している。
図3に示すように、連結部55には、下方へ突設するよう上部前輪用シャーシ52に設けられた半球状の第1凸部52aと、上方へ開口するよう下部前輪用シャーシ51に設けられた半球状の第2凹部51aとが形成されている。また、アーム部61の先端部61aには、第1凸部52aと相補的であって上方へ開口する半球状の第1凹部61bと、第2凹部51aと相補的であって下方へ突設された半球状の第2凸部61cとが互いに同心状に形成されている。そして、第1凸部52aと第1凹部61bとが摺動可能に嵌合されるとともに第2凸部61cと第2凹部51aとが摺動可能に嵌合されるように、上部前輪用シャーシ52と下部前輪用シャーシ51とによってアーム部61の先端部61aが上下から挟持されている。
このような連結構造を両側部に設けることにより、前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6との左右方向や上下方向への相対揺動を許容することができ、前後輪21,31の路面追従機能やサスペンション機能を実現している。
【0025】
また、2つのアーム部61,61は、図4に示すように、先端部61a近傍において車幅方向の内側に向かって傾斜する平板状にそれぞれ形成されている。より詳細には、このアーム部61,61は、図中の二点鎖線で示すように基端部では水平に設けられており、先端部61aに向かうにつれて内側に傾斜するように形成されている。このようにアーム部61,61を傾斜させることにより、当該アーム部に対して車幅方向に平行な外力が加わった場合であっても、傾斜角度に応じてこの外力を分散させ、アーム部61の幅方向に作用する荷重を低減させることができる。
更に、2つのアーム部61,61は、捻回可能な弾性部材でそれぞれ形成されている。そのため、このアーム部61の捻回によってロール角を拡大することができる。加えて、アーム部61を上下方向へ弾性変形させることができるため、サスペンション機能を強化することができる。
【0026】
図5は、自動車玩具1の後端部の部分断面図である。
この図に示すように、ウイング部材7は、弾性部材で形成されたステー部材71を介して後輪用シャーシ6に連結されている。ステー部材71は、前後方向に屈曲されたS字状の屈曲部を有しており、ウイング部材7の車幅方向中央部に1つだけ取り付けられている(図2参照)。このようなステー部材71を介してウイング部材7を取り付けることにより、自動車玩具1の横転等によりウイング部材7が壁や路面に接触した場合であっても、ステー部材71での局部的な応力集中を緩和して当該ステー部材71の塑性変形や破損を防止することができる。
【0027】
ステー部材71の前端部には、バネ部材63の一端が固定されており、このバネ部材63の他端は、上部前輪用シャーシ52後端の突設部52bに固定されている。このバネ部材63は、前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とを略上下方向に付勢しており、主にサスペンションの機能を果たしている。
【0028】
また、下部前輪用シャーシ51の後端部には、後方へ突設された係止部51b,51bが形成されており、後輪用シャーシ6の前端部には、前方へ突設された突起部6a,6aが係止部51b,51bの上方に形成されている(図2参照)。これら係止部51b,51b及び突起部6a,6aは、アーム部61の先端部61aを中心とした前輪用シャーシ5及び後輪用シャーシ6の上下方向への相対揺動を規制するためのものである。こうして前輪用シャーシ5及び後輪用シャーシ6の相対揺動を所定範囲に規制することにより、アーム部61の先端部61aが連結部55から脱落することを防止するとともに、電気基板53と駆動モータ62との配線の露出を防止している。なお、バネ部材63は、これら係止部51b,51bと突起部6a,6aとが常態で所定距離だけ上下方向に離間した状態となるように、付勢力が調整されている。
【0029】
図6は、自動車玩具1を遠隔操作するリモコン8の外観図である。
この図に示すように、リモコン8は、駆動モータ62を駆動して自動車玩具1を前進又は後進させるためのレバー部81と、操舵モータを駆動して自動車玩具1を操舵するための操舵ホイール部82とを備えており、本実施形態では、左手でグリップ部8aを握りつつレバー部81を操作し、右手で操舵ホイール部82を操作するように構成されている。
レバー部81は、ニュートラル状態から図中のF方向に動かすと自動車玩具1を前進させ、B方向に動かすと自動車玩具1を所定時間だけ制動させた後に後進させる。また、レバー部81のB方向側部分には、操舵ホイール部82とは反対側(図6の手前側)への張出し部81aが形成されており、B方向へのレバー部81の操作の際に、操作する指(例えば、左手の人差し指)が簡単に抜けてしまわないようになっている。
操舵ホイール部82は、ニュートラル状態から左右に回転させることで、操舵モータを駆動させて自動車玩具1を左右に操舵することが可能となっている。
また、リモコン8には、電源スイッチ83の他、操作可能な自動車玩具1を切り替えるための周波数設定ボタン84を備えている。この周波数設定ボタン84は、自動車玩具1から設定信号を出力させた状態で押下することにより、この信号を出力している自動車玩具1の操作が可能なように設定することができる。
【0030】
図7は、自動車玩具1のバッテリーを充電するための充電器9の外観図である。
この図に示すように、充電器9は、電源スイッチ91と充電開始ボタン92とを備えており、図示しない充電ケーブルを自動車玩具1に接続した状態で電源スイッチ91をONにして充電開始ボタン92を押下することにより、図示しない内蔵電池から電力を供給して自動車玩具1のバッテリーを充電することが可能となっている。また、充電器9には電源LED93と充電LED94とが設けられており、電源LED93の点灯/消灯により電源のON/OFF状態を判別することができ、充電LED94の点灯/消灯により充電中/充電完了を判別することができる。
【0031】
以上の自動車玩具1によれば、後輪用シャーシ6は、両側部から前方へ延出する2つのアーム部61,61を有しており、この2つのアーム部61,61は、車幅方向に離間した状態で各先端部61aが前輪用シャーシ5と連結されているので、前輪用シャーシ5上のスペースを圧迫することなく、前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とを連結することができる。これにより、T字状の連結部材を使用していた従来に比べ、連結部材を回避する必要なく電気基板53等を容易に配置することができ、つまり、構造を簡素化して小型・軽量化を図ることができる。したがって、小型・軽量化を図りつつ前後のシャーシを連結することができる。
【0032】
また、上部前輪用シャーシ52と下部前輪用シャーシ51とによって2つのアーム部61,61の各先端部61aが上下から挟持されているので、アーム部61の先端部61aが前輪用シャーシ5から脱落することを抑制し、ロール角を拡大することができる。
【0033】
また、2つのアーム部61,61の先端部61aは、第1凹部61bを上部前輪用シャーシ52の第1凸部52aに摺動可能に嵌合させるとともに、第2凸部61cを下部前輪用シャーシ51の第2凹部51aに摺動可能に嵌合させつつ、前輪用シャーシ5の両側部と連結されている。つまり、アーム部61,61の先端部61aは、上部前輪用シャーシ52と下部前輪用シャーシ51とによって、相互に摺動可能な状態で挟持されている。したがって、前輪用シャーシ5からのアーム部61の先端部61aの脱落を抑制してロール角を拡大しつつ、前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とを左右方向や上下方向へ滑らかに相対揺動させることができる。
【0034】
また、2つのアーム部61,61は、捻回可能な弾性部材でそれぞれ形成されているので、このアーム部61の捻回によってロール角を更に拡大することができる。
【0035】
また、2つのアーム部61,61は、車幅方向の内側に向かって傾斜する平板状にそれぞれ形成されているので、車幅方向に平行な外力が加わった場合であっても、傾斜角度に応じてこの外力を分散させることができる。つまり、平板状のアーム部を水平に設けた場合に比べ、弾性変形しにくい幅方向への荷重を低減させることができ、ひいては、アーム部61の変形や破損を抑制することができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは勿論である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、2つのアーム部61,61は後輪用シャーシ6に設けられるものとしたが、当該2つのアーム部61,61は、車幅方向に離間した状態で前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とを連結していればよく、前輪用シャーシ5に設けられてもよいし、両シャーシとは独立した部材であってもよい。
【0038】
また、2つのアーム部61,61の各先端部61aと前輪用シャーシ5の各連結部55とに設けられる半球状の凸部や凹部は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。つまり、2つのアーム部61,61の各先端部61aと前輪用シャーシ5の各連結部55とは、上下方向の中心軸を有する互いに相補的な半球状の摺動面を有し、当該摺動面で互いに摺動可能なように連結されていればよい。これにより、前輪用シャーシ5と後輪用シャーシ6とを、左右方向や上下方向へ滑らかに相対揺動させることができる。
【0039】
また、図8に示すように、自動車玩具1には、略帯状の横転防止リング10を設けることが好ましい。この横転防止リング10は、透明のポリカーボネートで形成されており、前後方向の略中央部で自動車玩具1を囲うように下部前輪用シャーシ51の裏面に固定されている。また、横転防止リング10の上端部には、前後方向への2つの突起部10a,10aが、車幅方向の中心を跨ぐように異なる周方向位置に形成されている。このような横転防止リング10を設けることにより、自動車玩具1を保護することができる他、自動車玩具1が横転しそうな場合に、この横転防止リング10が壁や路面と接触して自動車玩具1の体勢を復帰させることができる。また、自動車玩具1が反転してしまった場合でも、突起部10aの先端で支持される不安定な反転状態となるため、前輪21,21を操舵したり後輪31,31を駆動したりして反動をつけることで自動車玩具1の体勢を復帰させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 自動車玩具
2 前輪車軸
3 後輪車軸
5 前輪用シャーシ
6 後輪用シャーシ
51 下部前輪用シャーシ
51a 第2凹部
52 上部前輪用シャーシ
52a 第1凸部
55 連結部
61 アーム部
61a 先端部
61b 第1凹部
61c 第2凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪車軸を支持する前輪用シャーシと、後輪車軸を支持する後輪用シャーシとを備える自動車玩具において、
前記後輪用シャーシは、両側部から前方へ延出する2つのアーム部を有し、
前記2つのアーム部は、
車幅方向に離間した状態で、各先端部が前記前輪用シャーシと連結されるとともに、
それぞれ弾性部材で形成され、サスペンションとして機能することを特徴とする自動車玩具。
【請求項2】
前記2つのアーム部は、それぞれ捻回可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車玩具。
【請求項3】
前記2つのアーム部は、各先端部が上下から挟持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車玩具。
【請求項4】
前記前輪用シャーシは、前記2つのアーム部の各先端部を上下から挟持する上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の自動車玩具。
【請求項5】
前記2つのアーム部の各先端部と、当該各先端部が連結された前記前輪用シャーシの各連結部とは、上下方向の中心軸を有する互いに相補的な半球状の摺動面を有し、当該摺動面で互いに摺動可能なように連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車玩具。
【請求項6】
前記前輪用シャーシは、前記2つのアーム部の各先端部を上下から挟持する上部前輪用シャーシと下部前輪用シャーシとから構成されており、
前記上部前輪用シャーシの両側部には、下方へ突設された半球状の第1凸部がそれぞれ形成され、
前記2つのアーム部の各先端部には、前記第1凸部と相補的であって上方へ開口する半球状の第1凹部と、下方へ突設された半球状の第2凸部とが互いに同心状に形成され、
前記下部前輪用シャーシの両側部には、前記第2凸部と相補的であって上方へ開口する半球状の第2凹部がそれぞれ形成され、
前記2つのアーム部の先端部は、前記第1凹部を前記第1凸部に摺動可能に嵌合させるとともに前記第2凸部を前記第2凹部に摺動可能に嵌合させつつ、前記前輪用シャーシの両側部と連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動車玩具。
【請求項7】
前記2つのアーム部は、当該アーム部の延出方向と直交する断面の形状が車幅方向の内側に向かって傾斜する方形状にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240167(P2011−240167A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192342(P2011−192342)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【分割の表示】特願2010−6628(P2010−6628)の分割
【原出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【出願人】(503439167)株式会社ギャング (9)
【Fターム(参考)】