説明

自動車用小物収納具の取付方法

【課題】自動車の座席間や座席とコンソールの間に差し込んで、小物収納具を水平に取り付けることができる自動車用小物収納具の取付方法を提供する。
【解決手段】四角形の平面部の両側辺から下方に延設された第1差込片と第2差込片とからなる撓み性を有する取付プレート2と、底面に取付プレート2の平面部との接続手段を備えた小物収納具3とからなる自動車用小物収納具1であって、第1差込片と第2差込片の裏側に滑止部を対向するように備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内で小物類を整理収納するための収納具の取付方法に関し、特に座席間や座席とコンソールの間に差し込んで装着する自動車用小物収納具の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の座席に小物入れなどの収納具を取り付ける場合、その収納具に備えられた固定部材を座席間の隙間や、座席の座面と背もたれの隙間に差し込んで固定する構造が知られている。例えば、特開2008−44592号公報(特許文献1)に開示された「自動車の物品取付構造」は、自動車の座席や開閉蓋のあるグローブボックスなどに、小物入れなどの物品を取り付けるための構造に関するもので、可撓性を有し帯状でその長手方向に直交した方向に両端を解放した筒状部を複数備えるとともに、該複数の筒状部の何れか1つに円柱状の固定部材を備えた取付具を物品から延設している。この取付具を座席間の隙間に差し込むことで、円柱状の固定部材が座席間で引っ掛かることで抜け止めとなり、小物入れなどの物品を確実に取り付けることができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2008−44592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の自動車の物品取付構造は、取り付け場所が傾斜している場合、その傾斜に沿って小物入れなどの物品も傾斜する。従って、収納した小物類も傾いて保持されることとなり安定した収納が期待できない。
【0005】
そこで本発明は、これらの課題を解決するとともに、自動車の座席間や座席とコンソールの間に差し込んで、小物収納具を水平に取り付けることができる自動車用小物収納具の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
四角形の平面部の両側辺から下方に延設された第1差込片と第2差込片とからなる撓み性を有する取付プレートと、底面に該取付プレートの平面部との接続手段を備えた小物収納具とからなる自動車用小物収納具であって、該第1差込片と該第2差込片の裏側に滑止部を対向するように備えたことで解決される。
【発明の効果】
【0007】
四角形の平面部の両側辺から下方に延設された第1差込片と第2差込片とからなる撓み性を有する取付プレートと、底面に該取付プレートの平面部との接続手段を備えた小物収納具とからなる自動車用小物収納具であって、該第1差込片と該第2差込片の裏側に滑止部を対向するように備えたので、取付プレートを自動車の座席間や座席とコンソールの隙間に差し込んだとき、取付プレートの第1差込片と第2差込片の合わせ位置をずらすことで平面部を容易に水平状態とすることができる。そして平面部に小物収納具をその底面に備えられた接続手段で装着することで、小物収納具に収納された小物類を安定して保持することを可能とし、使い勝手に優れた自動車用小物収納具の取付方法を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の自動車用小物収納具の取付方法の斜視図である。
【図2】本発明の自動車用小物収納具の分解状態を示す斜視図である。
【図3】本体の側面図である。
【図4】取付プレートの展開状態の平面図である。
【図5】取付プレートの展開状態の背面図である。
【図6】本体の使用状態を示す側面図である。
【図7】座席間の隙間に装着する状態を示す図である。
【図8】座席とコンソール間の隙間に装着する状態を示す図である。
【図9】座席間の隙間に装着した状態を示す図である。
【図10】座席間の隙間に装着した状態を示す図である。
【図11】座席間の隙間に装着した状態を示す図である。
【図12】座席の座面と背もたれの隙間に装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
本発明の本発明の自動車用小物収納具の取付方法の斜視図、図2は、本発明の自動車用小物収納具の分解状態を示す斜視図、図3は本体(1)の側面図である。
【0010】
図1乃至図3に表されるように、自動車用小物収納具の本体(1)は、取付プレート(2)と、小物収納具(3)とから構成される。
【0011】
図4は、取付プレート(2)の展開状態の平面図である。取付プレート(2)は、図5に表されるように、四角形の平面部(2c)の両側辺(2d)から折り曲げ自在に延設された第1差込片(2a)と第2差込片(2b)とから構成され、第1差込片(2a)と第2差込片(2b)の端部同士は開放された状態で構成される。また取付プレート(2)は、自動車の座席(4)間の隙間や、座席(4)とコンソール(5)との隙間に第1差込片(2a)と第2差込片(2b)とを差し込んだときに撓むようにポリプロピレンなどの板材から形成される。
【0012】
図5は、取付プレート(2)の展開状態の背面図である。第1差込片(2a)と第2差込片(2b)の裏側には、滑止部(2e)を対向するように備え、自動車の座席(4)間の隙間や、座席(4)とコンソール(5)との隙間に第1差込片(2a)と第2差込片(2b)とを差し込んだときに、第1差込片(2a)と第2差込片(2b)のそれぞれの裏側に備えられた滑止部(2e)同士が密着する効果を得ることができる。
【0013】
小物収納具(3)は、上面を開放した箱状に形成されている。底面には、面ファスナーなどの接続手段が備えられており、取付プレート(2)の平面部(2c)に備えられた接続手段である面ファスナーと着脱可能に接続される。もちろん、小物収納具(3)の底面と、取付プレート(2)の平面部(2c)が予め縫製などで着脱不可能に接続されていてもよい。
【0014】
図6は、本体(1)の使用状態を示す側面図である。四角形の平面部(2c)の両側辺(2d)から延設された第1差込片(2a)と第2差込片(2b)とは、両側辺(2d)の部分で折り曲げ自在であるので、図中矢印の如く第1差込片(2a)と第2差込片(2b)双方を上下方向にずらすことによって、平面部(2c)の角度を可変することができる。
【0015】
自動車の座席(4)間の隙間や、座席(4)とコンソール(5)との隙間が鉛直に下方にない場合、すなわち座席(4)間の段差があったり、下方に傾いた隙間であったりする場合、取付プレート(2)をそのまま差し込むと取付プレート(2)の平面部(2c)が傾斜して装着されてしまう。前記したように、第1差込片(2a)と第2差込片(2b)双方を上下方向にずらすことによって、平面部(2c)の角度を容易に水平にすることができる。また、第1差込片(2a)と第2差込片(2b)のそれぞれの裏側に備えられた滑止部(2e)によって、座席(4)間の隙間にいわば圧入して差し込むために双方が密着して、ずらしたときの角度を確実に固定することができる。
【0016】
図7及び図8は、以上のように構成された本体(1)を、自動車の座席(4)間の隙間や、座席(4)とコンソール(5)との隙間に装着する状態を示した図である。図9は、本体(1)を装着した状態を示した図で、取付プレート(2)が鉛直に下方に差し込まれた状態である。他方図10は、座席(4)間の隙間が斜めに開口しているため、そのまま取付プレート(2)を差し込んだ状態を示している。この場合、平面部(2c)は傾斜し、このような状態で小物収納具(3)に小物類を収納したとしても安定して保持することができない。
【0017】
図11及び図12は、図10で示した平面部(2c)が傾斜した状態を解消した図である。第1差込片(2a)と第2差込片(2b)双方を上下方向にずらして差し込むことによって、容易に平面部(2c)の角度を水平にすることができる。
【符号の説明】
【0018】
1 本体
2 取付プレート
2a 第1差込片
2b 第2差込片
2c 平面部
2d 折り線
2e 滑止部
2f 面ファスナー
3 小物収納具
4 座席
4a 背もたれ
5 コンソール
6 座席

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の平面部の両側辺から下方に延設された第1差込片と第2差込片とからなる撓み性を有する取付プレートと、底面に該取付プレートの平面部との接続手段を備えた小物収納具とからなる自動車用小物収納具であって、該第1差込片と該第2差込片の裏側に滑止部を対向するように備えたことを特徴とする自動車用小物収納具の取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−43628(P2013−43628A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194362(P2011−194362)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000150970)株式会社ナポレックス (14)
【Fターム(参考)】