説明

自動車用照明灯

【課題】光源(20)の光(18)を照明灯(10)の内部空間(12)と、前記内部空間(12)を制限する光流出面(22)とを介して前記照明灯(10)から出させるために設けられた自動車用照明灯(10)を提示する。
【解決手段】照明灯(10)は、それぞれ1つの異なる反射率および透過率を有する少なくとも2つのミラー(26、28)を有する内部空間(12)の中に配置されたミラーシステム(24)において、第1のミラー(26)が比較的小さい反射率と、比較的大きい透過率とを有し、かつ第2のミラー(28)が比較的大きい反射率と、比較的小さい透過率とを有し、かつ前記第2のミラーが第1のミラー(26)から反射された光を第1のミラーへはね返すように配設されているミラーシステムを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光を、照明灯の内部空間と、該内部空間を制限する前記照明灯の光流出面とを介して前記照明灯から出させるために設けられた自動車用照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
このような照明灯は、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第102005021079号明細書および米国特許第7111970号明細書からそれ自体公知である。
【0003】
自動車の照明灯は、通常、照明灯が自動車のボデー湾曲部の中に組み込まれていることを特徴とする。ボデー設計時の形状および構造上の自由度の制限を可能な限り少なくするために、可能な限り小さい照明灯の取付奥行と、可能な限り小さい所要面積とが目指される。同時に、照明灯の発光面は、光輝面が遠近法的に縮小して見える斜視角下に照明灯を知覚するときでもまだ可能な限り大きく見えなければならない。
【0004】
つまり、自動車内に使用するための照明灯を許可する場合、大きい観察角度、たとえば視認方向と車両縦軸との間で80度の観察角度でも照明灯を知覚する要求が満たされなければならない。この要求は、基本的に大きい取付奥行によって、および/または幅広の光流出面によって満たすことができる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005021079号明細書は、縦長の光学体、光出力領域ならびに光入力面を有する光導出要素を有する車両照明灯を示す。前記光出力領域を介して、光が光導波路から出力され、かつ照明灯の光流出面の組込領域へ偏向される。光学体の光出力領域の間に照明灯の光流出面への偏光に利用されない自由領域が設けられている。この方法により、照明灯の光流出面にスイッチを入れた光源で個々の光出力領域が照明され、照明された領域の間に比較的暗い領域がある。公知の照明灯の形態は、照明灯の放射方向へ前後して配置され、互いに位置をずらした光出力領域と、自由領域とを有する複数の光学体を有する。その際に、前記光学体によって照明された領域は、さもないと他方の光学体によって照明された照明灯の光出力面の領域の間の比較的暗い領域にあり、その結果、全体的に光る領域の広い分布と、光る領域の高い面積割合とが生じる。しかしながら、光学要素の前後配列は、比較的大きい取付奥行を要求する。
【0006】
米国特許第7111970号明細書は、鉢状の反射器内のランプと、発光ダイオード(LED)群の配置によって供給される前記ランプの前に配置された平坦な光導波路とを備える車両照明灯を示す。平坦な光導波路は、光出力領域が米国特許第7111970号明細書に同一性情報(署名)と見なされる照明灯の形状を模写するように配置された光出力領域を有する。それによって、照明灯が観察者にスイッチを入れたランプでもスイッチを切ったランプでも同じ再認効果を生ぜしめることが達成されている。平坦な光導波路なしでは、照明灯の外観像がスイッチを入れたランプの場合強く前記の光分布によって強調されるので、印象が互いに強く異なっており、これが特に幅の広い車両コーナー周りに渡される照明灯で照明灯形状の視認性を損なう。照明灯の主機能は、そこで依然として鉢状の反射器の中に配置されたランプによって満たされており、その結果、前記車両照明灯は比較的大きい取付奥行を有し、これは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102005021079号明細書
【特許文献2】米国特許第7111970号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、前記の大きい観察角度でも十分に知覚可能であり、かつ大きい取付奥行を必要としない照明灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の要部特徴によって解決される。本発明は、それぞれ1つの異なる反射率および透過率を有する少なくとも2つのミラーを有するミラーシステムを特徴とし、第1のミラーが比較的小さい反射率と、比較的大きい透過率とを有し、かつ第2のミラーが比較的大きい反射率と、比較的小さい透過率とを有し、かつ前記第2のミラーが第1のミラーから反射された光を第1のミラーへはね返すように配置されている。
【0010】
前記両ミラー配置は、それによって照明灯の奥行で前後に配置されているように見える光源の仮想像が発生される無限ミラー配置に相当する。この方法により、多数の光源の段状の前後配列の印象が生じる。この効果は、本発明に係る照明灯において、観察者に大きな実際に存在しない照明灯の奥行の印象を生ぜしめることに利用される。この印象は、特に斜めの、照明灯の光軸に対して大きい角度で行われる観察でも生じる。それによって、照明灯はその実際に存在しない奥行にもかかわらず前記のような観察角度でも知覚可能である。
【0011】
その際ミラーシステムは、機能から公知の照明灯の複数の光学体の前後配列を補い、それによって前記奥行で用意された前後配列の所要取付スペースが回避される。
【0012】
その他の長所は、従属請求項、明細書および添付図から明らかである。
【0013】
上述の、および以下さらに説明する特徴は、それぞれ表示した組合せだけではなく、本発明の枠組みを離れることなくその他の組合せでも、または単独でも使用可能であることは自明のことである。
【0014】
本発明の実施例は、図面に示されており、かつ以下の明細書でより詳しく説明する。それぞれ模式形態で示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例である。
【図2】第2の実施例の要部を示す図である。
【図3a】第3の実施例の要部を示す図であり、光源が光軸の方向へ第2のミラーの前に配置された態様を示す図である。
【図3b】第3の実施例の要部を示す図であり、光源がミラー配列の中間空間に配置された態様を示す図である。
【図4a】光学要素の態様の平面図であり、複数の棒型光導波路の配列を有する光学系の平面図を示す図である。
【図4b】光学要素の態様の平面図であり、光学系としてリング状の光導波路の対応する平面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
個別的に、図1は大幅に模式化した断面図による自動車用の照明灯10を示す。照明灯10は、不透明なハウジング14と、透明なカバーディスク16とによって制限される内部空間12を有する。照明灯10は、光源20の光18を照明灯10の内部空間12と、前記内部空間12を制限する光流出面22とを介して照明灯10から出させるために設けられている。図1の表示において、光流出面22はカバーディスク16の面または部分面である。
【0017】
光源20として、グローランプ、蛍光管または、好ましくは半導体光源、たとえばLEDを使用してよい。半導体光源は回路基板上にある。光モジュールは、半導体光源、冷却体および必要であれば光学系を備える回路基板からなる。本発明に係る照明灯は、単数または複数の光モジュールを使用してよい。
【0018】
照明灯10は、それぞれ1つの異なる反射率および透過率を有する少なくとも2つのミラー26、28を有する内部空間内に配置されたミラーシステム24を特徴とする。ここで第1のミラー26は、比較的小さい反射率と、比較的大きい透過率とを有し、他方、第2のミラー28は、比較的大きい反射率と、比較的小さい透過率とを有し、かつ前記第2のミラーは第1のミラー26から反射された光が第1のミラー26へはね返されるように配置されている。
【0019】
第1のミラー26は、照明灯10の内部空間12に、前記第1のミラーが照明灯10の規定による知覚時に光源20と観察者の眼30との間にあるように配置されている。一つの変形例においては、ミラー26は内部空間12に対向するカバーディスク16の内面に配置されている。第2のミラー28は、照明灯10の内部空間12に、前記第2のミラーが規定による照明灯10の知覚時に観察者から見て光源20の後方にあるように配置されている。一つの変形例においては、第2のミラー28は、ハウジング14の内面に配置されている。
【0020】
両方のミラー26、28の前後配列および反射性および透過性によって、両方のミラーの間で多重反射が生じる。それによって、光源20または光を放射する領域の仮想像20’、20’’、......の連続が発生され、斜角下で行われる観察時に前記像が、図1に示したように、前後に置かれているように見える。
【0021】
放射路aは、ミラー配列24で反射なしに直接観察者の眼30へ到達する光を表す。第1のミラー26の透過率が50%のとき、これは光源20から方向aへ出る強度の50%を有する。放射路bは、ミラーシステム24において第1のミラー26および第2のミラー28でそれぞれ1回反射される光を表す。観察者に対して、この光は仮想光源20’から出ているように見える。放射路aと比較して発生する第1のミラー26での付加的な反射による減光のために、観察者に光源20から方向bへ出る強度の約25%が到着する。従って、仮想光源20’は実際の光源20よりも弱い光に見える。これは、類比的に放射路cから生じ、かつ光源側で放射路aと比較して2回の付加的な反射のために、光源20から方向cへ出る強度の約8分の1を有すると見える別の仮想光源20’’にも当てはまる。
【0022】
どのような光機能が満たされるべきか、および奥行効果がどのような強さであるかに応じて、ミラー配列24の反射および透過の値が規定される。第1のミラー26で反射した光の割合が大きくなるほど、光源20の仮想光源20’、20’’がさらに明るく光るように見える。その際に、実際の光源20を直接ミラー26、28の間に配置してよい。別の可能な配列は、さらに以下その別の図を引用して説明する。
【0023】
いずれの場合においても、多重反射によって奥行で前後に段状に配置されているように見える実際の光源20の仮想像20’、20’’が発生される。結果として、実際に存在しない取付奥行T’の所望の印象が生じる。この一定の仮想取付奥行T’によって、照明灯10が実際には小さい取付奥行Tのみを必要とするにもかかわらず、大きい観察角度でも知覚可能である。
【0024】
それによって、明らかに発光しながら知覚可能な照明灯10の面積が拡大されているように見える。類似の大きさで見える面をミラーシステム24なしに発生させるためには、明らかにより大きい取付奥行が必要となる。
【0025】
両方のミラーの反射率および透過率の差は、第2のミラー28での反射時にそれぞれ非常に小さい強度ロスのみが発生し、かつ第1のミラー26に入射する強度の、あらかじめ指定された割合が流出し、それによって照明灯10が観察者に対して外部空間で明らかに発光しているように見えさせる所望の作用を有する。
【0026】
好ましい一態様において、第1のミラーの反射率は、30%および60%の間、特に45%および55%の間、特に50%である。
【0027】
第1のミラー26に当る光源20の光は、前記透過率において半分が透過し、かつ半分が反射される。反射した光は第2のミラー28に入射し、そこから再び第1のミラー26へ反射され、そこで新たに透過しかつ反射する部分に分割される。この分割は、多重反射によって何度も繰り返される。それによって、光源20は照明灯10の斜めの観察時に何度も現れる。
【0028】
第2のミラーの反射率が90%以上である場合も好適である。前記値が高くなるほど、光は規定により光流出面22を介してさらに多く外部空間へ放射される。
【0029】
図1は、両方のミラー26、28の反射面が互いに平行に配置された一態様を示す。反射面の配列は、光源の仮想像配列と、それによって照明灯10の現象像に影響を及ぼす。従って、前記配列の変化によって、様々な現象像をもたらす多数の効果を発生させることができる。つまり、両方のミラーの少なくとも一方が湾曲した表面を有してよい。この湾曲がそれぞれ入射光に対して凹形または凸形であるかどうかに応じて、放射収束または放射発散を促進する反射光への影響が生じ、これが最終的に奥行で段状に現れる光源20の仮想像の配列および大きさの変化に利用することができる。
【0030】
両方のミラー26、28の間隔によって、反射の奥行作用と共に仮想像20’、20’’の間隔を調整することができる。
【0031】
第1のミラー26及び/又は第2のミラー28は、その際にそれぞれ単体で形成しまたは別々に鏡面を有することができる。このような場合において、第1のミラー26のもとに、比較的小さい反射率と、比較的大きい透過率とを有し、かつ照明灯10の光流出面22に沿って配置されているミラーの全体が理解されている。
【0032】
同様に、このような場合において第2のミラー28のもとに、比較的大きい反射率と、比較的小さい透過率とを有し、かつ前記第2のミラーが第1のミラー26から反射された光を第1のミラー26の一方へはね返すように配置されているミラーの全体が理解されている。
【0033】
図2は、光源20の光18を第1のミラー26へ向けるために設けられた照明灯10が光学系32を有する一態様を示す。
【0034】
図2に示した態様において、光学系32は、特に光導波路34を有する。光導波路34は、光流入側36、照明灯の光流出面22に沿って整列された第1の長手側38および第1の長手側38に対向する第2の長手側40を有する。第2の長手側40は、これが光導波路34の断面が縮小される少なくとも1つの移行領域42を有することを特徴とする。光流入側は、好ましくは収光レンズまたは反射器として形成されている。光源20は、好ましくは前記レンズの焦点に配置されている。
【0035】
しかしながら、収光要素は必ずしも光導波路の集積構成要素である必要はない。相応の光学系は、前記光導波路から構造上分離された光モジュールの構成要素であってもよい。ここで、それぞれこのような収光要素が反射器および/またはレンズの形態で、光導波路34によって受光された部分を光源の光流で拡大するために設けられかつ配置されていることが重要である。
【0036】
移行領域42は、第1の長手側に沿って整列された第1の領域44と、断面変化が生じる偏光面46とを有する。ここで偏光面46は、光導波路34で拡散する光18を光導波路の長手側に沿って第1の領域44へ向けるために設けられている。ここで偏向された光がある角度で全反射が生じない光導波路の第1の領域44の境界面に入射するように偏光される。これは、前記光が第1の領域44を介して光導波路34から出力され、かつ第1のミラー26に向けられることを生ぜしめる。第1の領域44は、それによって、そのミラー配列24のミラー26および28の間の配列が図1の光源20の配列に相当する光を放射する発光領域になる。
【0037】
偏光面46から第1の領域を介して光導波路34から出力され、かつ第1のミラー26に当る光は、そこで第1のミラー26の透過と反射に応じて透過および反射した部分に分割される。透過対反射比が50対50の場合、第1のミラー26に入射する光がそれに応じて半分が透過され、かつ半分が反射される。反射した光は、次に光導波路34へかつその後第2のミラー28へ当るか、または直接第2のミラー28に当たり、そこで第2のミラー28の高い反射率に応じてほぼ無減光ではね返される。はね返された光は、新たに光導波路34を通過し、新たに第1のミラー26に当たり、そこで半分が透過され、かつ半分が反射され、以下このように続く。これは何度も繰り返すことができる。
【0038】
すでに光源20に対する図1との関連性で説明したように、照明灯の光軸44に対して斜めに行われた観察において発光領域44の仮想像が発生され、奥行作用と共に明らかに発光して知覚される照明灯の面積が拡大される。
【0039】
図2に示した態様は、3移行領域42、42’、42’’を有する。しかし、前記移行領域の数をより大きくまたはより小さくできることは自明である。
【0040】
移行領域42、42’、42’’および必要に応じて照明灯10の光流出面22に対する任意の多さの別の領域の相応の配分によって、ここに記載した技術はあらゆる照明機能にも適用可能である。これは、車両内に配設されたヘッドランプの照明機能にも、テールランプの照明機能にも当てはまる。光導波路34は、たとえば入射した光の転送および分配に対してクリアランスランプ機能に利用することができる。
【0041】
偏光面は、必ずしも段階状の断面変化によって実現する必要はない。本質的なことは、それぞれ局所的断面変化(縮小または拡大)が、前記箇所で光が全反射されず、所望の方向へ向けて第1のミラー26へ偏向されることを生ぜしめることである。
【0042】
光源20は、好ましくはLEDであるが、本発明はこのような光源の使用に制限されていない。
【0043】
図2は、光学系32として光導波路34を有する一態様に関係し、一方、図3a及び図3bは、付属取付光学系を使用する態様を示す。ここで図3aは、光源が光軸45の方向へ第2のミラー28の前に配置された態様を示し、光源20の光18は開口部48を介してミラー配列24の両方のミラー26および28の間の中間空間に入射される。図3bに示した態様において、光源20は逆にミラー配列24の中間空間に配置されており、これは図1の光源20においてもこの場合である。
【0044】
図3a記載の態様も図3b記載の態様も、それぞれ付属取付光学系50が光学系32の態様として考慮しており、付属取付光学系50はそれぞれ光源20の光を収集し、かつ第1のミラー26へ向けるために設けられている。この機能の定義を満たす付属取付光学系として、一態様において透明の材料からなるブロックが使用され、この材料の屈折率および入射面と出射面の形状は、所望の作用が生じるようにあらかじめ設定されている。択一的または補足的に、反射器またはレンズが付属取付光学系50として使用される。ここで、それぞれ複数の付属取付光学系50を1つの構造ユニットにまとめてもよい。別法として、付属取付光学系50は別々の構成要素として実現されていてもよい。
【0045】
付属取付光学系50の各光流出面52は、スイッチを入れた光源20において発光する領域を形成する。この発光する領域は、それぞれ図1の光源20と同じ機能を有し、そのためにそれぞれ1つの光源20を代用することができる。従って、図1の説明は必要な変更を加えて図3aおよび3bの配列にも適用される。すなわち、特に照明灯10の光流出面22の、光軸45に対して斜めに行われる観察において、光軸の方向へそれぞれ発光領域の後方に、つまり付属取付光学系50の光流出面52の後方に配置されている発光領域の仮想像が作られることである。
【0046】
図4aは、複数の棒型光導波路54、56、58、60の配列を有する光学系32の平面図を示す。各棒型光導波路は、その両端にそれぞれ1つの光流入側36と、その手前に配置された光源20とを有する。図示した態様において、4つの棒型光導波路は四角形として配置されており、それぞれ2つの棒型光導波路は平行に配置されている。しかし、別のパターン、特に多角形パターン及び/又はストライプ及び/又は格子パターンも棒型光導波路から構成できることも自明である。各棒型光導波路は、光出力領域62を有する。この光出力領域の配置は、ここで好ましくは各棒型光導波路の全長にわたって延伸せず、棒型光導波路構成の全体像において所望の発光パターン、この場合では棒型光導波路の交点の間にある棒型光導波路部分によって固定される四角形を生じる部分を制限する。前記棒型光導波路の別法として蛍光管を使用してもよい。
【0047】
図4bは、光学系32としてリング状の光導波路34の対応する平面図を示す。図4aおよび4bの光学系32は、照明灯10の中にそれぞれ、上述のように図2を引用して説明したように配置される。規定による照明灯10の使用および光軸44に対して斜めに行われる観察において、奥行で実際の光学系の後方に段状に現れる図4の光学系32(または別の光学系)の仮想像が発生され、照明力は奥行の増加に伴って減少する。
【0048】
一態様において、第1のミラー26は金属層からなり、または金属層を有する。好ましくは、特に第1のミラー26の反射被膜が金属被膜として実現されていることである。
【0049】
金属被膜ミラーを有する照明灯は、前記照明灯が異なる波長で作動できる長所を有する。それによって、複数の互いに隣接して設けられる照明灯を異なる光信号色によって実現することが可能となり、前記照明灯がスイッチを切った状態で統一された1色の外観像を有し、かつ様々な光信号色はスイッチを入れた状態でのみ現れる。このような照明灯は、好ましくはテールランプとして使用される。
【0050】
それに対して、別法の一態様は、誘電被膜を有する第1のミラー26または誘電層からなるまたは誘電層を有するミラー26を設けている。誘電ミラーによって、色効果も達成することができる。つまり、相応の誘電被膜によって照明灯はスイッチを切った状態で青色に現れるが、スイッチを入れた光源では、黄色の点滅光またはそれぞれの態様において赤色のブレーキ光を実現することができる。
【0051】
色効果を発生する別の可能性は、カラーフィルタとしての第1のミラー26及び/又は第2のミラー28の態様によって生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(20)の光(18)を照明灯(10)の内部空間(12)と、前記内部空間(12)を制限する光流出面(22)とを介して前記照明灯(10)から放出させるために設けられた自動車用照明灯(10)であって、
それぞれ1つの異なる反射率および透過率を有する少なくとも2つの第1のミラー(26)及び第2のミラー(28)を有する内部空間(12)の中に配置されたミラーシステム(24)において、第1のミラー(26)が比較的小さい反射率と、比較的大きい透過率とを有し、かつ第2のミラー(28)が比較的大きい反射率と、比較的小さい透過率とを有し、かつ前記第2のミラー(28)が前記第1のミラー(26)から反射された光を第1のミラーへはね返すように配置されていることを特徴とする、照明灯(10)。
【請求項2】
前記第1のミラー(26)の反射率が30%および60%の間、特に45%および55%の間、特に50%であることを特徴とする、請求項1に記載の照明灯(10)。
【請求項3】
第2のミラー(28)の反射率が90%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の照明灯(10)。
【請求項4】
前記第1及び第2のミラー(26、28)の少なくとも一方が湾曲した反射表面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項5】
前記第1及び第2のミラー(26、28)の反射面が互いに平行または共心的に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項6】
前記光源(20)の光(18)を第1のミラー(26)へ向けるために設けられた光学系(32)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項7】
前記光学系(32)が前記光源(20)から出る光(18)を前記第1のミラー(26)へ向けるために設けられた光導波路(34)を有することを特徴とする、請求項6に記載の照明灯(10)。
【請求項8】
前記光導波路(34)が光を前記第1のミラー(26)へ向けるために設けられた偏光面(46)を有することを特徴とする、請求項7に記載の照明灯(10)。
【請求項9】
前記光導波路(34)によって取り入れられた部分を光源の光流で拡大するために設けられかつ配置されている反射器および/またはレンズの形態の収光要素を有することを特徴とする、請求項8に記載の照明灯(10)。
【請求項10】
前記光導波路(34)が、光流入側(36)、照明灯(10)の光流出面(22)と平行に整列された第1の長手側(38)ならびに第1の長手側(38)に対向する第2の長手側(40)を有し、かつ第2の長手側(40)が光導波路(34)の断面が変化する少なくとも1つの移行領域(42)を有し、少なくとも1つの移行領域(42)が第1の長手側(38)に沿って整列された第1の領域(44)と、断面変化が生じる第2の領域とを有し、前記第2の領域が偏光面(46)として光導波路(34)の長手側に沿って拡散する光を第1のミラー(26)へ向けるために設けられていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項11】
前記光学系(32)が前記光源(20)の光(18)を収集し、かつ前記第1のミラー(26)へ向けるために設けられている付属取付光学系(50)を有することを特徴とする、請求項6に記載の照明灯(10)。
【請求項12】
前記光源(20)および前記付属取付光学系(50)が照明灯(10)の内部空間(12)でミラー(26、28)の間に配設されていることを特徴とする、請求項11に記載の照明灯(10)。
【請求項13】
前記第2のミラー(28)が1つの開口部(48)を有し、前記開口部を通して光源(20)の光が前記第1及び第2のミラー(26、28)によって制限された中間空間に流入および/または光学系(32)へ入射することを特徴とする、請求項6〜12のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項14】
前記第1のミラー(26)が誘電層からなりまたは誘電層を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項15】
前記第1のミラー(26)が金属層からなりまたは金属層を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項16】
前記第1のミラー(26)がカラーフィルタを形成することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の照明灯(10)。
【請求項17】
前記第2のミラー(28)がカラーフィルタであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の照明灯(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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