説明

自動車用車輪洗浄装置

【課題】 自動車の、ディスクブレーキを備えた前輪および後輪を、前輪が洗浄不足になったり、後輪が過剰洗浄になったりすることなく、いずれも適正な洗浄時間をもって洗浄できるようにした。
【解決手段】 光電センサ(14)が検出した車輪が前輪か後輪かを判別して出力し、その判別出力に基づいて車輪洗浄制御手段(D)により、車輪洗浄ブラシ装置(W)で洗浄する車輪洗浄時間を、前輪の方が後輪よりも長くなるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、特に、前、後車輪にディスクブレーキを備えた自動車の車輪洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪洗浄ブラシで、自動車の車輪を洗浄するようにした車輪洗浄装置は知られている(後記特許文献1参照)。
【0003】
また、噴射ノズルから噴射する洗浄水で、自動車の車輪を洗浄するようにした車輪洗浄装置も知られている(後記特許文献2〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭50−10657号公報
【特許文献2】実開平5−16529号公報のCDROM
【特許文献3】特開平8−253109号公報
【特許文献4】特開2002−59816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、自動車の車輪に装備される車輪ブレーキは、ブレーキペダルの踏力に比例してブレーキ力が変わることからフィーリングがよく、またブレーキの効きが安定しているなどの理由から従来のドラムブレーキに代えて、ディスクブレーキが採用されるようになっている。
【0006】
ところで、自動車では、ブレーキ力を有効に作用させるため、前輪の方が後輪よりもブレーキ力が大きくなるように設定されているため、ディスクブレーキの作動時に発生する粉塵によるホイールの汚れは、後輪よりも前輪の方が酷くなる傾向にある。
【0007】
そのため、前輪と後輪とを同じ仕様で洗浄した場合、例えば、後輪の汚れに合った仕様で、前輪と後輪を洗浄すると、前輪が洗浄不足になり、また、前輪の汚れに合った仕様で、前輪と後輪を洗浄すると、後輪の洗浄時間が長すぎて、洗浄時間が無駄に長くなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、前輪の洗浄時間を後輪の洗浄時間よりも長くなるように制御して、前輪が洗浄不足になったり、洗浄時間が無駄に長くなったりするのを防止できる、新規な車輪洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的達成のため、請求項1の発明は、自動車の前、後車輪を洗浄する車輪洗浄手段を備えた自動車用車輪洗浄装置において、
前記車輪を検出する車輪検出手段と、前記車輪検出手段が検出した車輪が、前輪か後輪かを判別して、その判別を出力する前後輪判別出力手段と、前記前後輪判別出力手段の出力に基づいて前記車輪洗浄手段を制御する車輪洗浄制御手段とを備え、
前記車輪洗浄制御手段は、前輪を洗浄する時間を後輪を洗浄する時間よりも長く制御することを特徴としている。
【0010】
前記目的達成のため、請求項2の発明は、自動車の前、後車輪を洗浄する車輪洗浄手段を備えた自動車用車輪洗浄装置において、
前記車輪を検出する車輪検出手段と、前記車輪検出手段が検出した車輪が、前輪か後輪かを判別して、その判別を出力する前後輪判別出力手段と、前記前後輪判別出力手段の出力に基づいて前記車輪洗浄手段を制御する車輪洗浄制御手段とを備え、
前記車輪洗浄制御手段は、前輪を洗浄する時間を後輪を洗浄する時間よりも長くなるように設定することができる設定操作手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項各項記載の発明によれば、前輪が洗浄不足になったり、後輪が過剰洗浄になったりすることなく、前、後車輪をいずれも適正な洗浄時間をもって洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動車用車輪洗浄装置の全体平面図
【図2】自動車用車輪洗浄装置の全体側面図
【図3】図2の3−3線に沿う洗車機本体の正面図
【図4】図2の4−4線に沿う洗車機本体の断面図
【図5】制御盤の正面図
【図6】自動車用車輪洗浄装置の制御ブロック図
【図7】自動車用車輪洗浄装置の作用図
【図8】自動車用車輪洗浄のフローチャート図
【図9】自動車用車輪洗浄装置の変型例の作用図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を、添付図1〜8に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0014】
図1〜4において、洗車機の洗車機本体1は、自動車Vを跨ぎ得る門型フレーム2を備え、この門型フレーム2に設けられた左右一対の前車輪3,3および左右一対の後車輪4,4は、設置面Fに設けられた左右一対の走行レール5,5上を往復走行する。前車輪3,3には、洗車機本体1に設けた走行モータ6,6が連結され、これらの走行モータ6,6を駆動して門型フレーム2を一対の走行レール5,5上を往復走行させることができる。 一方の走行モータ6の出力軸には、ロータリエンコーダ7が設けられている。
【0015】
洗車機本体1の設置面F上には、スタート位置カム8が設けられている。また、門型フレーム2には、スタート位置カム8に当たって洗車機本体1がスタート位置1Aにあることを検出するスタート位置検出スイッチ9が設けられている。
【0016】
門型フレーム2には、自動車Vの上面を洗浄するトップブラシ10、自動車Vの左右両側面を洗浄する、左右一対のサイドブラシ11,11、自動車Vの上面を乾燥するトップノズル12および車両Vの左右側面を乾燥する左右一対のサイドノズル13,13が設けられている。
【0017】
そして、トップブラシ10、サイドブラシ11,11により車体洗浄手段が構成され、また、トップノズル12およびサイドノズル13,13により車体乾燥手段が構成されている。
【0018】
図3,4に示すように、門型フレーム2の左右下部には、自動車Vの、ディスクブレーキDBを備えた前、後輪Wf,Wrを洗浄する、車輪洗浄手段としての左右一対の車輪洗浄ブラシ装置W,Wと、車輪検出手段としての光電センサ14とが設けられている。
【0019】
図3に示すように、光電センサ14は、投光器14aと受光記14bとからなり、投光器14aから投光する光軸14c(一点鎖線)は、受光器14bにより受光される。
【0020】
つぎに、図4を参照して前記左右一対の車輪洗浄ブラシ装置W,Wの構造を説明すると、左右一対の車輪洗浄ブラシ装置W,Wは同じ構造を備えているので、その一方について説明するに、この車輪洗浄ブラシ装置Wは、空圧シリンダ31、引張バネ32および平行リンク機構33を備えている。
【0021】
空圧シリンダ31は、シリンダバレル側の基端が門型フレーム2に揺動可能に軸支31aされ、またそのシリンダロッド側の先端が、平行リンク機構33の一方の平行リンク33Aに一体に設けたアーム34の先端に連結31bされている。引張バネ32は、その上端が門型フレーム2に連結され、その下端が前記アーム34の中間部に連結されている。前記平行リンク機構33は、互いに平行で等長の平行リンク33A,33Bよりなり、これらの平行リンク33A,33Bの上部支点35A,35Bが門型フレーム2に揺動可能に軸支され、また平行リンク33A,33Bの下部支点36A,36Bには、ブラシ支持部材37が支持されている。ブラシ支持部材37は、門型フレーム2を上下方向に延びており、その下部には、ブラシ支持軸38が回転自在に水平に支持され、その先端に車輪洗浄ブラシ39が固定されている。ブラシ支持部材37の上端には、モータ40が設けられ、このモータ40は、ブラシ支持部材37内に設けた伝動機構を介して車輪洗浄ブラシ39を回転駆動できるようになっている。
【0022】
空圧シリンダ31を伸長作動すると、車輪洗浄ブラシ39は、格納位置(図4、実線位置)から平行リンク機構33を介してブラシ支持軸38を水平に保った状態で作動位置(図4、二点鎖線位置)へと門型フレーム2の内方へ向けて進む。
【0023】
空圧シリンダ31を不作動にすると、引張バネ32の引張力によって、車輪洗浄ブラシ39は、格納位置に戻る。
【0024】
図3に示すように、門型フレーム2の前部には、制御盤15が設けられ、この制御盤15の中には、洗車機を制御する制御装置16が配置されている。また、制御盤15の前面には、設定操作手段Pが設けられている。
【0025】
図1,3に示すように、走行レール5,5間の設置面F上には、ストッパ17と、車両検出手段としての光電センサ18が設けられている。
【0026】
光電センサ18は、投光器18aと受光器18bとからなり、投光器18aから投光される光軸18c(一点鎖線)は、受光器18bにより受光される。
【0027】
図1に示すように、自動車Vの右前輪タイヤTをストッパー17に当てて停止させることにより、その自動車Vを車両洗浄位置V2(図1,2参照)に停止させることができるようになっている。
【0028】
また、光電センサ18は、自動車Vの右前輪Tを検出することで、自動車Vが車両洗浄位置V2に停止したことを検出できるようになっている。
【0029】
図1,2において、一対の走行レール5,5の前部には、車両入口ENが設けられ、その車両入口ENの前方には、遮断機19が設置されている。また、遮断機19の前方一側には受付装置20が設置されている。受付装置20には、料金受入装置21、スタートキー22が設けられている。
【0030】
一対の走行レール5,5の後方には、車両出口EXが設けられ、この車両出口EXの一側に、出口案内表示器23が設置されている。
【0031】
図6に示すように、制御盤15に設けられる制御装置16は、離隔距離検出手段24、前後輪判別手段25、設定制御手段26、前輪洗浄時間記憶手段27、後輪洗浄時間記憶手段28および制御信号出力手段29の機能を備えている。
【0032】
制御装置16には、走行モータ6,6、ロータリエンコーダ7、スタート位置検出スイッチ9、車体洗浄手段10,11、車体乾燥手段12,13、車輪洗浄ブラシ装置W、車輪検出手段としての光電センサ14,車両検出手段18、遮断機19、受付装置20、出口案内表示器23および設定操作手段Pが接続されている。
【0033】
離隔距離検出手段24は、スタート位置検出スイッチ9が不作動になったときから、ロータリエンコーダ7が出力するパルス信号を加減算することにより、洗車機本体1がスタート位置1Aから離隔した離隔距離L(図7参照)を検出する。
【0034】
前後輪判別手段25は、前輪Wfの洗浄が完了済を記憶する記憶手段Mを有し、光電センサ14が車輪を検出すると、記憶手段Mが前輪Wfの洗浄の完了済を記憶していないときは、その検出した車輪を前輪Wfと判別し、また記憶手段Mが前輪Wfの洗浄の完了済を記憶しているときは、その検出した車輪を後輪Wrと判別する。
【0035】
図5に示すように、前記設定操作手段Pは、設定キー51、決定キー52、前輪キー53、後輪キー54、増加キー55、減少キー56および表示器57を備えている。
【0036】
前後輪判別手段25は、本発明にかかる前後輪判別出力手段に相当する。
【0037】
図6に示すように、設定操作手段P、設定制御手段26、前輪洗浄時間記憶手段27、後輪洗浄時間記憶手段28および制御信号出力手段29は、協働して本発明にかかる車輪洗浄制御手段Dを構成する。
【0038】
前輪Wfおよび後輪Wrの洗浄時間はつぎのように設定される。
【0039】
〈前輪洗浄時間TFの設定〉
図5,6において、設定キー51を押してから前輪キー53を押すと、設定制御手段26は、表示器57に前輪洗浄時間記憶手段27が記憶している前輪洗浄時間TFを表示させる。
【0040】
つぎに、前輪洗浄時間TFを長くするときは、増加キー55を押す。前輪洗浄時間TFを短くするときは、減少キー56を押す。設定制御手段26は、増加キー55が押されると、表示器57が表示する前輪洗浄時間TFを長くし、減少キー56が押されると、表示器57が表示する前輪洗浄時間TFを短くする。表示器57が希望する前輪洗浄時間TFを表示したら決定キー52を押す。これにより、設定制御手段26は、表示器57が表示している前輪洗浄時間TFを前輪洗浄時間記憶手段27に記憶させる。
【0041】
〈後輪洗浄時間TRの設定〉
図5,6において、設定キー51を押してから後輪キー54を押すと、設定制御手段26は、表示器57に後輪洗浄時間記憶手段28が記憶している後輪洗浄時間TRを表示させる。
【0042】
つぎに、後輪洗浄時間TRを長くするときは、増加キー55を押す。後輪洗浄時間TRを短くするときは、減少キー56を押す。設定制御手段26は、増加キー55が押されると、表示器57が表示する後輪洗浄時間TRを長くし、減少キー56が押されると、表示器57が表示する後輪洗浄時間TRを短くする。表示器57が希望する後輪洗浄時間TRを表示したら決定キー52を押す。これにより、設定制御手段26は、表示器57が表示している後輪洗浄時間TRを後輪洗浄時間記憶手段28に記憶させる。
【0043】
しかして、本実施例では、前輪洗浄時間TFは、後輪洗浄時間TRよりも長く設定される。
【0044】
つぎに、図1,2および図7,8を参照して本実施例の車輪洗浄作用について説明する。
【0045】
図1,2に実線で示すように、洗車機本体1が走行レール5,5のスタート位置1Aにあり、遮断機19が閉じた状態になっているとする。
【0046】
ステップS1において、制御装置16は、自動車Vが車両洗浄位置V2に停止したかを判断する。
【0047】
このステップS1において、運転者は、受付装置20の横の受付位置V1に自動車Vを停止させて、料金受入装置21に所定の料金を入れ、つぎにスタートキー22を押す。スタートキー22が押されると、制御装置16は遮断機19を開ける。遮断機19が開くと、運転者は自動車を前進させる。自動車Vが車両入口ENを通って車両洗浄位置V2に達すると、運転者は、右前輪タイヤTをストッパー17に当てて自動車Vを停止させる。これにより、光電センサ18が所定時間継続して遮光されると、自動車Vが車両洗浄位置V2に停止したとして、制御装置16は、遮断機19を閉じさせて、洗車を開始させて、ステップS2へ進む。これにより、洗車機本体1が、図1,2に示すスタート位置1Aから自動車Vを通過した、図1,2に示す往行終了位置(図1,2図示)まで往走行する間に、自動車の通常の洗車、すなわちトップブラシ10およびサイドブラシ11,11による洗浄と、トップノズル12およびサイドノズル13,13による乾燥が行なわれる。
【0048】
図7(A)は、洗車を開始させたときを示す。
【0049】
なお、運転者は洗車が終了するまで、自動車Vに乗ったままでいる。
【0050】
ステップS2において、制御装置16は、光電センサ14が車輪を検出したかを判断する。
【0051】
洗車機本体1が往走行を継続して図7(B)に示す位置に達して、光電センサ14が車輪を検出すると、ステップS3へ進む。
【0052】
ステップS3において、前後輪判別手段25は、光電センサ14が検出した車輪が、前輪Wfか後輪Wrかを判別する。この場合、前後輪判別手段25は、その記憶手段Mが前輪Wfの洗浄の完了済を記憶していないので、前輪Wfと判別し、ステップS4へ進む。
【0053】
ステップS4において、ステップS2で光電センサ14が前輪Wfを検出したときに離隔距離検出手段24が検出している離隔距離Ld〔図7(B)参照〕から、車輪洗浄ブラシ39の中心から光電センサ14までの距離Gに光電センサ14が前輪Wfにより遮光されている距離Lfの1/2を加えた距離(Ld+G+Lf×1/2)を洗車機本体1が往走行すると、車輪洗浄ブラシ39の中心が、前車輪Wfの中心線上に略一致〔図7(C)参照〕し、制御信号出力手段29は、洗車機本体1の往走行を停止させて、空圧シリンダ31,31を伸長作動させると共にモータ40,40を駆動させる。これにより、平行リンク機構33を介して車輪洗浄ブラシ39,39が回転しながら下降しつつ前方に平行移動して作動位置(図4,鎖線位置)に達し、前輪Wf,Wfを洗浄する。
【0054】
つぎに、前輪洗浄時間記憶手段27が記憶している前輪洗浄時間TFだけ経過すると、制御信号出力手段29は、空圧シリンダ31,31を不作動にすると共にモータ40,40の回転を停止させて、車輪洗浄ブラシ39,39を引張バネ32,32の引張力により格納位置(図4,実線位置)に後退させ、記憶手段Mに前輪Wfの洗浄が完了済の記憶をさせて、洗車機本体1を再往行させる。つぎにステップS2へ戻る。
【0055】
ステップS4から戻ったステップS2において、制御装置16は、光電センサ14が車輪を検出したかを判断する。
【0056】
洗車機本体1が往走行を継続して、図7(D)に示す位置に達して、光電センサ14が車輪を検出すると、ステップS3へ進む。
【0057】
ステップS3において、前後輪判別手段25は、光電センサ14が検出した車輪が、前輪Wfか後輪Wrかを判別する。この場合は、記憶手段Mが前輪Wfの洗浄の完了済を記憶しているので、後輪Wrを判別し、ステップS5へ進む。
【0058】
ステップS5において、ステップS2で光電センサ14が後輪Wrを検出したときに離隔距離検出手段24が検出している離隔距離Ld′〔図7(D)参照〕から、前記距離Gに光電センサ14が後輪Wfにより遮光されている距離Lrの1/2を加えた距離(Ld′+G+Lr×1/2)を洗車機本体1が往走行すると、車輪洗浄ブラシ39の中心が、後車輪Wrの中心線上に略一致〔図7(E)参照〕し、制御信号出力手段29は、洗車機本体1の往走行を停止させて、空圧シリンダ31,31を伸長作動させると共にモータ40,40を駆動させる。これにより、平行リンク機構33を介して車輪洗浄ブラシ39,39が回転しながら下降しつつ前方に平行移動して、後輪Wrを洗浄する。つぎに、後輪洗浄時間記憶手段28が記憶している後輪洗浄時間TRだけ経過すると、制御信号出力手段29は、空圧シリンダ31,31を不作動にすると共にモータ40,40の回転を停止させて、車輪洗浄ブラシ39,39を引張バネ32,32の引張力により格納位置に後退させ、洗車機本体1を再往行させる。つぎにステップS6へ進む。
【0059】
ステップS6において、制御装置16は、洗車機本体1が往行終了位置1B(図1,2 参照)に達すると、洗車を終了させて洗車機本体1の走行を停止させる。また、記憶装置Mをクリアにする。
【0060】
つぎに、出口案内表示器23に、「洗車が終了しました。前進して退場して下さい」を表示させる。これにより、運転者は自動車Vを前進させて退場させる。
【0061】
自動車Vが退場すると、洗車機本体1は、復走行してスタート位置1Aに復帰する。
【0062】
つぎに、図6,図9を参照して、前後輪判別手段の変型例について説明する。
【0063】
制御手段16には、前記前後輪判別手段25に替えて前後輪判別手段51が設けられ、さらに、洗車機本体1には、サイドブラシ11,11が図9(C)に示すように自動車Vの前面に接触したことを検出する検出センサ50が設けられる。
【0064】
図9において、洗車機本体1がスタート位置1Aから自動車Vを通過した図1に示す往行終了位置1Bまで往走行する間に、自動車Vの通常の洗車を行なう。この洗車のときに、図9(B)に示すように、サイドブラシ11,11が自動車Vの前面に接触したことを検出センサ50が検出する前に、光電センサ14が車輪を検出したときは、その検出した車輪を前輪Wfと判別し、また、図9(D)に示すように、サイドブラシ11,11が自動車Vの前面に接触したことを検出センサ50が検出した後に、光電センサ14が車輪を検出したときは、その検出した車輪を後輪Wrと判別する。
【0065】
これにより、前輪Wfを前輪洗浄時間TFの間洗浄する。また後輪Wrを後輪洗浄時間TRの間洗浄する。
【0066】
この変型例では、検出センサ50と前後輪判別手段51とが協働して前後輪判別出力手段を構成する。
【0067】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0068】
たとえば、請求項1記載の発明は、前輪および後輪の洗浄時間を変更する手段を有しない形態で実施することができる。
【0069】
本発明は、前輪洗浄時間、後輪洗浄時間の少なくとも一方を変更する手段を有する形態で実施することができる。
【0070】
本発明は、噴射ノズルから噴射する洗浄水で車輪を洗浄する車輪洗浄手段を備えた車輪洗浄装置に実施することができる。そして、洗車機本体を走行させながら、噴射ノズルから噴射する洗浄水で車輪を洗浄する場合は、噴射ノズルから噴射する洗浄水で車輪を洗浄するときの洗車機本体の走行速度を制御することにより、車輪を洗浄する時間を制御する。
【0071】
本発明は、洗車機本体を設置面に固定し、自動車をコンベアなどの搬送手段により移動させるようにした洗車機に実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
14・・・・・・・・・光電センサ(車輪検出手段)
25・・・・・・・・・前後輪判別手段(前後輪判別出力手段)
50・・・・・・・・・検出センサ(前後輪判別出力手段)
51・・・・・・・・・前後輪判別手段(前後輪判別出力手段)
D・・・・・・・・・車輪洗浄制御手段
P・・・・・・・・・設定操作手段
V・・・・・・・・・自動車
W・・・・・・・・・車輪洗浄ブラシ装置(車輪洗浄手段)
Wf・・・・・・・・前輪
Wr・・・・・・・・後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の前、後車輪を洗浄する車輪洗浄手段を備えた自動車用車輪洗浄装置において、
前記車輪を検出する車輪検出手段と、
前記車輪検出手段が検出した車輪が、前輪か後輪かを判別して、その判別を出力する前後輪判別出力手段と、
前記前後輪判別出力手段の出力に基づいて前記車輪洗浄手段を制御する車輪洗浄制御手段とを備え、
前記車輪洗浄制御手段は、前輪を洗浄する時間を後輪を洗浄する時間よりも長く制御することを特徴とする自動車用車輪洗浄装置。
【請求項2】
自動車の前、後車輪を洗浄する車輪洗浄手段を備えた自動車用車輪洗浄装置において、
前記車輪を検出する車輪検出手段と、
前記車輪検出手段が検出した車輪が、前輪か後輪かを判別して、その判別を出力する前後輪判別出力手段と、
前記前後輪判別出力手段の出力に基づいて前記車輪洗浄手段を制御する車輪洗浄制御手段とを備え、
前記車輪洗浄制御手段は、前輪を洗浄する時間を後輪を洗浄する時間よりも長くなるように設定することができる設定操作手段を有することを特徴とする自動車用車輪洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−30623(P2012−30623A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169705(P2010−169705)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000210595)タケウチテクノ株式会社 (54)
【Fターム(参考)】