説明

自己発光窓ガラスパネル

自動車車両(10)で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネル(18)は、安全性の目的で夜間及び夕暮れ時のよりよい可視性のため、また、日中のより明るい外観のために設けられる。自己発光窓ガラスパネル(18)は、リン光又は蛍光顔料又は染料を含有するルミネセント層(24)をプラスチック基材(22)と一体にする。ルミネセント層(24)は、ヘッドランプ及び街路灯などの外部光源によって励起されることによって、パネル(18)が、夕方及び夜間の時間中に発光することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車窓として使用するためのプラスチック窓ガラスパネルに関する。より具体的には、本発明は、リン光又は蛍光顔料を含有するルミネセントインク層をポリマー基材と一体にする自己発光窓ガラスパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料は、Bピラー、ヘッドランプ、及び種々のパネルなどの種々の自動車部品及びコンポーネントを製造するのに使用される。ポリカーボネートなどの一部のプラスチック材料は、事故の場合に、破壊及び/又は離脱に対する優れた耐性を提供し、したがって、自動車両の窓及びサンルーフ用の窓ガラスパネルとして使用される場合がある。プラスチック材料は、窓ガラスパネルのスタイル及び形状においてより多くの自由度を与え、その自由度は、実際には、自動車窓の設計に関してかなりの自由度を提供する。さらに、プラスチック材料は、コーティングシステムと組み合わされて、異なる機能を窓ガラスパネルに付加してもよい。
【0003】
スタイリングと安全性の両方の目的のために、色付きで且つ発光するバンドをガラス窓パネルと共に使用することが、現在、エンドユーザに一般的になってきた。車両の窓上の明るいバンドは、他のドライバ及び歩行者に対する車両の可視性を増すのに役立つ。こうした車両の可視性の向上は、側面及びリアエンドの衝突を大幅に減少させるのに役立つ。明るいバンド付き窓のある車両は、夕方及び夜間の時間中に事故を回避するのに重要な役割を果たす可能性がある。
【0004】
装飾的又は安全性の目的で車の窓又は車体に取り付けられてもよい発光式バンド又はストリップは、アフターマーケット製品である。これらの発光バンドは、車体(car body)の一部として一体にされるか、又は、窓ガラス自体の中に一体にされる。これらの発光バンドなどのアフターマーケット製品は、通常、費用がかかり、自動車オリジナルイクイプメントについて要求される厳しい性能条件を満たす、又は、維持するように試験されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、有害な性能作用が全く存在しないことを保証し、且つ、エンドユーザに対してこうしたコンポーネントのコストを最小にするために、自動車窓ガラスシステムへ色付き且つ/又は発光式バンドを一体にする必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動車車両で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネル、安全性の目的で夜間の間に美的受容性と良好な可視性を提供する自己発光窓ガラスパネルを対象とする。本発明の一態様では、自己発光窓ガラスは、プラスチック基材と、プラスチック基材の上に配置されたルミネセント層と、下にあるプラスチック基材内に侵入する赤外及び紫外放射の量を低減するための、ルミネセント層に固着された耐候性層と、外部要因にさらされることによる磨耗に耐えることが可能な耐磨耗性層とを含む。
【0007】
別の態様では、本発明は、自己発光窓ガラスパネルを製造する方法を提供する。方法は、ポリマー樹脂からプラスチック基材を成型することによって自己発光窓ガラスパネルを形成すること、及び、成型されたプラスチック基材上にルミネセント材料層を印刷することを含む。方法は、さらに、プラスチックパネルの表面上に少なくとも1つの耐候性層を堆積させること、及び、耐候性層(複数可)上に少なくとも1つの磨耗性層を堆積させることを含み、磨耗性層は、窓ガラスパネルの外側に面する表面に耐磨耗性を提供する。
【0008】
ルミネセント層は、窓ガラスパネルと一体にされるため、窓ガラスパネルは、別の車両からのヘッドランプなどの、夜間における外部光源による励起によって発光する。窓ガラスパネルは、好ましくは、自己発光性があり、且つ、エレクトロルミネセント材料の場合に必要とされるように外部電力源を必要とすることなく、ルミネセンスを生成することが可能である。
【0009】
自動車の安全性は、本発明の自己発光窓ガラスパネルが、他のドライバ及び歩行者に対する車両の可視性を増すことによって提供する1つの利点である。これは、次に、夕方及び夜間の時間中に事故を回避するのに重要な役割を果たす可能性がある。本発明の第2の利点は、ルミネセント層が、窓ガラスパネルと一体にされると、日照時間中に窓又はサンルーフに明るい外観を与える可能性がある。この作用は、エンドユーザに対して車両の美観を高める可能性がある。
【0010】
自動車車両で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネルであって、プラスチック基材と、プラスチック基材の上に堆積されたルミネセント層と、窓ガラスパネルを環境要因から保護することが可能な少なくとも1つの耐候性層と、耐候性層の上に堆積された少なくとも1つの耐磨耗性層とを含む自己発光窓ガラスパネル。
【0011】
プラスチック基材と耐磨耗性層との間に配置された機能層をさらに含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0012】
プラスチック基材は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、ポリアミド、ポリアルキレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、及び、それらのコポリマー、それらのブレンド、又はそれらの混合物の群から選択されるプラスチック基材である請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0013】
耐候性層は、シリコーン、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、エポキシ、及び、それらの混合物又はそれらのコポリマーの群から選択される耐候性層を含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0014】
プラスチック基材は、透明、半透明、不透明、又はそれらの組合せのうちの1つである請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0015】
ルミネセント層は、リン光材料、蛍光材料、又はそれらの組合せのうちの1つである請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0016】
ルミネセント層は、ポリマー樹脂又はバインダ、及び、キャリア媒体内に分散した、リン光顔料、蛍光顔料、蛍光染料、又はそれらの混合物のうちの1つを含む請求項6に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0017】
機能層をさらに含み、ポリマー樹脂又はバインダは、機能層内に存在するポリマー樹脂と実質的に類似している請求項7に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0018】
磨耗性層は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ボロン、酸化ハフニウム、フッ化ランタニウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシ窒化物、シリコンオキシカーバイド、水素添加シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、或いは、それらの混合物又はそれらのブレンドの群から選択される磨耗性層を含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0019】
ブラックアウト、フェードアウト、ロゴ、デフロスタ、アンテナ、日射光制御、エレクトロルミネセンス、導電性膜、フォトクロミック膜、及びエレクトロクロミック膜の群から選択される機能を含む機能層をさらに含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0020】
イルミネセント層は、プラスチック基材及び耐候性層によって遮断されないか、又は、フィルタリングされないスペクトル領域の一部分の光を吸収する請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0021】
イルミネセント層は、約380ナノメートルより長い波長を有する光を吸収する請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル。
【0022】
自動車車両で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネルを製造する方法であって、自己発光プラスチック基材を形成する工程と、自己発光プラスチック基材の表面上に少なくとも1つの耐候性層を堆積させる工程であって、耐候性層は、環境要因から自己発光プラスチック基材を保護することが可能である工程と、耐候性層上に少なくとも1つの耐磨耗性層を堆積させる工程とを含む自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0023】
自己発光プラスチック基材を形成する工程は、ポリマー樹脂からプラスチック基材を成型する工程と、成型されたプラスチック基材上にルミネセントインクを印刷する工程とをさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0024】
ルミネセントインクは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、並びに、マスク及びスプレーの群から選択される方法のうちの1つを使用して印刷される請求項14に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0025】
空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、及びカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合の群から選択される1つの方法を使用してルミネセントインクを硬化させる工程をさらに含む請求項14に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0026】
耐候性層は、押出し層、キャスト薄膜、及び離散被膜のうちの1つとして設けられる請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0027】
離散被膜は、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、及びカーテンコーティングの群から選択される技術を使用して塗布される請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0028】
耐磨耗性層は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、拡張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相堆積、イオンビーム堆積、イオンメッキ堆積、カソードアーク堆積、スパッタリング、蒸着、中空カソード活性化堆積、マグネトロン活性化堆積、活性化反応性蒸着、熱化学気相堆積、及びゾルゲルコーティングプロセスの群から選択される方法のうちの1つを使用して堆積される請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0029】
ルミネセント層上に機能層を設ける工程をさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0030】
自己発光プラスチック基材を形成する工程は、プラスチック膜上にルミネセントインクを印刷する工程と、型のキャビティ内に膜を設置する工程と、プラスチック基材を射出成型する工程であって、それにより、プラスチック膜と基材との間でルミネセントインクがカプセル化される工程とをさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0031】
ルミネセントインクは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、並びに、マスク及びスプレーの群から選択される方法のうちの1つを使用して印刷される請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0032】
空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、及びカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合の群から選択される方法のうちの1つによってルミネセントインクを硬化させる工程をさらに含む請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0033】
プラスチック膜上に配設された機能層を設ける工程をさらに含む請求項21に記載の自己発光窓ガラスパネルを製造する方法。
【0034】
本発明の、これらのまた他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。
【0035】
図面において、同じか又は類似の参照数字は類似の要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の原理による自己発光窓ガラスパネルを組み込む自動車両の部分斜視図である。
【図2】ルミネセント層がプラスチック基材上に印刷された、本発明による自己発光窓ガラスパネルの略断面図である。
【図3A】自己発光窓ガラスパネルが、膜挿入成型(FIM)技術を使用して自己発光窓ガラスパネルと一体にされたプラスチック膜を含む、本発明の代替の実施形態の略断面図である。
【図3B】自己発光窓ガラスパネルが、膜挿入成型(FIM)技術を使用して自己発光窓ガラスパネルと一体にされたプラスチック膜を含む、本発明の代替の実施形態の略断面図である。
【図4】本発明の別の態様による自己発光窓ガラスパネルを製造するプロセスを示すブロック図である。
【図5】本発明の原理に従って自己発光窓ガラスパネルを製造するプロセスについての代替の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明による自己発光窓ガラスパネル18が、接着結合によるなどで、従来方式でそこに固定されるリアクォータ窓開口を画定する部分14、16を有する車体12を備える自動車両10の一部分を示す。接着接合部を隠すために、マスキング本体20が、好ましくは、設けられる。
【0038】
図2は、本発明の自己発光窓ガラスパネル18の一実施形態の断面図を図式的に示す。図示するように、窓ガラスパネル18は、良好な光学的清澄性を有する剛性のある透明プラスチックパネルであるプラスチック基材22と一体的に形成された複数の層を含む。プラスチック基材22は、窓ガラスパネル18用のベース層を形成する。プラスチック基材22上に印刷されたルミネセント層24は、窓ガラスパネル18に自己発光特性を提供する。さらに、オプションの機能層26は、当業者に知られている任意の標準的な技術を使用してルミネセント層24上に印刷される、又は、堆積されてもよい。オプションの機能層26は、単一層又は複数のサブ層25を含んでもよく、各サブ層は異なる機能を提供する。たとえば、1つのサブ層25は、装飾的境界(先に述べたマスキング本体20など)を含んでもよく、一方、第2サブ層25は、窓の霜を取る加熱器グリッドを含んでもよい。ルミネセント層24及びオプションの機能層26は、自動車両10の内部に配置された表面である、プラスチック基材の内側表面上に設置される。プラスチック基材22の外側面上には、紫外放射の透過を遮断し、それにより、下にある層に対する放射の有害な作用を防止する耐候性層28が重ねられる。第2の耐候性層28’は、任意選択で、車両の内側に設けられてもよい。この層28’は、窓ガラスパネルの内側表面が、窓ガラスパネルの外側表面に比べて太陽光線との相互作用が実質的に小さいためオプションである。耐磨耗性層29は、耐候性層28を覆って、自己発光窓ガラスパネルの一番外側の層を形成し、磨耗、水分、及び他の外部要因からの、自己発光窓ガラスパネルについてのさらなる程度の保護を提供する。第2の耐候性層28’の場合と同様に、第2の磨耗性層29’が、窓ガラスパネル18の内側に設けられてもよい。
【0039】
好ましくは、プラスチック基材22は、剛性があり且つ透明である。しかし、プラスチック基材22は、事例によっては、半透明、不透明、又は、それらの組合せであってよい。プラスチック基材22は、当業者に知られている種々の異なる熱可塑性又は熱硬化性ポリマー樹脂で形成されることができる。これらのポリマー樹脂は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、ポリアミド、ポリアルキレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含むが、それらに限定されず、同様に、それらのコポリマー、それらのブレンド、及びそれらの混合物を有する。プラスチック基材22は、さらに、とりわけ、着色剤、流動学的制御剤、離型剤、抗酸化剤、紫外吸収(UVA)分子、及び、赤外(IR)吸収又は反射顔料などの種々の添加剤を含んでもよい。
【0040】
ルミネセント層24は、放射エネルギー又は他のタイプのエネルギーを吸収した後に、ルミネセンスを生成することが可能であるリン光又は蛍光インクを含む。ルミネセント層24は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、マスク及びスプレー、又は、当業者に知られている任意の他の技術によって塗布されるバンド、ストリップ、境界、又は装飾的パターンであることができる。ルミネセント層24は、空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、或いはカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合によって硬化されてもよい。
【0041】
リン光又は蛍光インクは、好ましくは、ポリマーバインダ又は樹脂、及び、キャリア液内に分散した、リン光顔料、蛍光染料、蛍光顔料、又は両方の混合物で形成される。キャリア液は、単一溶媒又は溶媒の混合物を含んでもよい。とりわけ、流動学的制御剤、抗酸化剤、界面活性剤、及び生物毒などの他の添加剤もまた、インク内に存在してもよい。
【0042】
リン光又は蛍光インクのポリマーバインダは、自己発光窓ガラスパネルの形成において使用されるプラスチック基材(ベース層)22又はプラスチック膜(以下でさらに説明される)に固着するのに適した任意のポリマーであってよい。ポリマーバインダ又は樹脂の例は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、ポリアミド、ポリアルキレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含むが、それらに限定されず、同様に、それらのコポリマー、それらのブレンド、及びそれらの混合物を有する。好ましくは、リン光又は蛍光インク内のポリマーバインダは、以下に説明されるように、自己発光窓ガラスパネル内でオプションの機能層を形成するのに使用される任意のインク又は被膜内に存在するポリマー樹脂と実質的に類似している。
【0043】
リン光顔料は、酸化ストロンチウムアルミン酸塩、カルシウムの硫化物、ストロンチウム、亜鉛、或いは、銅、ビスマス、又はマンガンをドープしたバリウム、及び、ラジウム又はトリチウムなどの放射性同位元素を含むが、それらに限定されない。リン光顔料の特定の例は、Nemoto & Co.Ltd.(東京、日本)からのLumiNova(登録商標)として入手可能な酸化ストロンチウムアルミン酸塩である。
【0044】
適した蛍光染料は、フルオレセインナトリウム、ローダミン、フルオレセイン、レゾルシノルフタレイン、並びに、スチルベンとベンズイミダゾール(benzimidazole)の共役誘導体を含むが、それらに限定されない。蛍光顔料は、有機顔料、及び、光の短い波長と長い波長を吸収する鉱物を含むが、それらに限定されない。長波長を吸収する蛍光鉱物の例は、アゲート(白〜青)、マグネサイト(白〜青)、カルサイト(赤)、フルオライト(黄)、及びスカポライト(ピンク)を含む。短波長を吸収する蛍光鉱物の例は、ルビー(赤)、ハライト(赤)、ジプサム(黄)、ダイヤモンド、及びアダマイト(緑)を含む。有機蛍光顔料の特定の例は、Lumogen(登録商標)YellowS0790(BASF社、独国)として入手可能なアルダジン顔料(黄)である。
【0045】
リン光は、紫外可視近赤外(UV−Vis−NIR)スペクトル領域の光の吸収によって刺激されるある形態のフォトルミネセンスである。リン光顔料は、このスペクトル領域によって表される波長の光を吸収し、光は、その後、通常、光の長波長の光子として、ある期間にわたってゆっくり再放出する。リン光顔料は、光源が取り除かれた後、数分から数時間にわたって吸収した光を放出しながら「暗闇の中で発光する(glow in the dark)」ことが知られている。リン光顔料が、車両の自己発光窓ガラスパネルと一体にされるとき、励起光源は、通常、他の車両のヘッドライト、並びに、街路灯及び周囲光を含む車両の外部の他の光源であってよい。
【0046】
リン光作用は、顔料の選択、自己発光窓ガラスパネルの光吸収特性、及び吸収される光の強度に著しく依存する。選択される顔料のタイプは、好ましくは、プラスチック基材、プラスチック膜、又は耐候性層によって効果的にフィルタリングされる又は吸収される領域の部分と実質的に異なるスペクトル領域のある部分の光を吸収する。たとえば、ポリカーボネートは、約380ナノメートル未満の波長を有する任意のUV放射の有効なフィルタである。さらに、290〜340ナノメートルの波長を示すUV放射にさらされることによる、ポリカーボネートの光解離的劣化は、光のこれらの波長を吸収するか、又は、反射し、それにより、下にあるプラスチックパネル及びプラスチック膜を保護するための耐候性層を必要とする。そのため、この特定の場合では、ルミネセント層内に存在するリン光顔料は、約380ナノメートルより長い光の波長を吸収することが好ましいことになる。
【0047】
ルミネセント層は、リン光顔料と蛍光顔料の混合物を含んでもよい。この実施形態では、蛍光顔料によって吸収され、再放出される光は、リン光顔料によって光が再放出される時間枠と比べて、非常に短い時間枠にわたって発生する。蛍光のこの短時間の再放出によって、自己発光窓ガラスパネルが「発光する(glow)」。
【0048】
蛍光は、リン光に比べて、実質的に短い時間スケールで発生するある形態のフォトルミネセンスである。蛍光では、放出光は、常に、励起光又は入射光より長い波長である。蛍光の放出は、外部光源が存在する限り発生し続ける。励起放射が停止する場合、蛍光の発生が終了する。リン光と蛍光の両方のより完全な分子処理は、ヤブロンスキーエネルギー図の形態で当業者が利用可能である。リン光と同様に、蛍光作用は、顔料の選択、自己発光窓ガラスパネルの光吸収特性、及び吸収される光の強度に著しく依存する。自己発光パネルのルミネセント層内で利用される蛍光顔料は、好ましくは、プラスチック基材、プラスチック膜、又は耐候性層によってフィルタリングされる又は吸収される領域の部分と異なるスペクトル領域のある部分の光を吸収する。
【0049】
光を放出するための関連する時間枠が長いため、リン光顔料の使用は、蛍光顔料の使用に比べて好ましい。
【0050】
オプションの機能層26は、ルミネセント層24の表面上に設置されてもよい。このオプションの機能層26は、自己発光窓ガラスパネル18に複数の機能を提供してもよい。たとえば、機能層26は、パネルを車両に固着するのに使用される結合システムを隠すために、ブラックアウト又はフェードアウト層などの装飾的層を含んでもよい。オプションの機能層26によって提供される他の機能は、ロゴ、デフロスタ又は加熱器グリッド、アンテナ、日射光制御、エレクトロルミネセンス、導電性膜、フォトクロミック膜、或いはエレクトロクロミック膜を含んでもよいが、それらに限定されない。オプションの機能層26は、空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、或いはカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合によって硬化してもよい。
【0051】
UV放射及び水分などの環境要因から自己発光窓ガラスパネルを保護する耐候性層28は、シリコーン、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、エポキシ、及び、それらの混合物又はそれらのコポリマーを含んでもよい。耐候性層28が、自己発光窓ガラスパネルに耐候性を与える他の適した材料を含んでもよいことが当業者には明らかになるであろう。耐候性層28は、押し出されるか、薄膜としてキャストされるか、又は、離散被膜として塗布されてもよい。耐候性層28は、単一層又は複数のサブ層27の組合せであってよい。複数のサブ層27を含む耐候性層28の特定の例は、アクリルプライマー(SHP401、GE Silicones社、ニューヨーク州ウォータフォード(Waterford,NY))及びシリコーンハードコート(AS4000、GE Silicones社)の組合せを含む。耐候性層28は、さらに、とりわけ、着色剤(ティント)、流動学的制御剤、抗酸化剤、紫外吸収(UVA)分子、及び、IR吸収又は反射顔料を含むさらなる添加剤を含んでもよい。車の内側に面する窓の表面に当たるUV放射の量が減少するため、自己発光窓ガラスパネルの内側面上に存在する耐候性層28’はオプションである。
【0052】
耐候性層28は、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、又は、当業者に知られている任意の他の技術によって塗布されてもよい。耐候性層28の厚さは、約2マイクロメートル〜数ミル(1ミル=25.4マイクロメートル)の範囲にあってよく、約6マイクロメートル〜1ミルが好ましい。耐候性層28は、空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、或いはカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合によって硬化されてもよい。
【0053】
耐磨耗性層29は、単一層又は複数のサブ層30を含んでもよい。耐磨耗性層29は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ボロン、酸化ハフニウム、フッ化ランタニウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシ窒化物、シリコンオキシカーバイド、水素添加シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、或いは、それらの混合物又はそれらのブレンドを含んでもよい。好ましくは、耐磨耗性層29は、堆積層内に残る炭素原子及び水素原子の量に応じてSiO又はSiOの組成を含む。この点で、耐磨耗性層29は、「ガラス様の(glass−like)」被膜に似る。
【0054】
耐磨耗性層29は、限定はしないが、真空支援堆積プロセスで使用される技術などの、反応性種からの膜の堆積を含む技術を含む、当業者に知られている任意の適した技術によって塗布されてもよい。適したコーティングプロセスの例は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、拡張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相堆積、イオンビーム堆積、イオンメッキ堆積、カソードアーク堆積、スパッタリング、蒸着、中空カソード活性化堆積、マグネトロン活性化堆積、活性化反応性蒸着、熱化学気相堆積、及び任意の知られているゾルゲルコーティングプロセスを含むが、それらに限定されない。磨耗性層29の厚さは、約1マイクロメートル〜1ミルの範囲にあってよく、約3マイクロメートル〜10マイクロメートルが好ましい。任意選択で、同様の磨耗性層29’が、窓ガラスパネルの内側に塗布されてもよい。
【0055】
耐候性層28及び耐磨耗性層29は、組み合わされて、層状窓ガラスシステムを形成してもよい。層状窓ガラスシステムの例は、Exatec(登録商標)500、Exatec(登録商標)900、及びExatec(登録商標)900vt窓ガラスシステムとして、Exatec LLC社(ミシガン州ウィクソム(Wixom,MI))によって提供されるアクリル/シリコーン/「ガラス様」システムを含むが、それらに限定されない。
【0056】
本発明の別の実施形態は、膜挿入成型(FIM)技術を使用して、自己発光窓ガラスパネル内の種々の層の一部として装飾的膜を組み込むことを含む。この装飾的膜は、ルミネセント層及び任意のオプションの機能層と共に非剛性プラスチック膜を含んでもよい。パネルを形成するとき、装飾的膜は、射出型のツーリング上に設置され、同時に、ルミネセント層及びオプションの機能層は、ツーリングの表面から離れ、且つ、型によって画定されたキャビティの方に面する。その後、プラスチック樹脂が、型内に注入されて、プラスチック樹脂と膜との間でルミネセント層及び任意のオプションの機能層がカプセル化される。
【0057】
図3Aは、本発明によって提供され、装飾的膜の使用を組み込む自己発光窓ガラスパネル18の別の実施形態の図式断面図を示す。この実施形態では、自己発光窓ガラスパネル18は、非剛性プラスチック膜層31及びプラスチック膜層31上に印刷されたルミネセント層24を含む。オプションの機能層26は、当業者に知られている任意の標準的な技術によってルミネセント層24上に印刷される、又は、堆積されてもよい。その後、プラスチック基材22は、プラスチック膜上にバックモールドされる。この実施形態では、プラスチック膜は、基材22を基準にして、車両の外側の方に配置される。プラスチック膜への紫外放射の透過を遮断するために、プラスチック膜に対して耐候性層28をその後塗布することが好ましい。耐磨耗性層29は、さらなる程度の表面硬化、並びに、磨耗、水分、及び他の外部要因からの保護を提供する。前の実施形態の場合と同様に、さらなる耐候性層28’及び耐磨耗性層29’が、基材22の内側面に塗布されてもよい。
【0058】
図3Bは、本発明によって提供される自己発光窓ガラスパネル18のさらなる実施形態の断面図を示す。この実施形態は、プラスチック膜30が車両10の内側の方に配置されることを除いて、図3Aに示す実施形態と類似している。ルミネセント層24を不明にしないために、任意のオプションの機能層26は、好ましくは、プラスチック膜30にルミネセント層24を塗布する前に、この膜に塗布される。この点で、ルミネセント層24と任意の機能層26の位置は、図3Aで先に述べた実施形態と比較して、この実施形態では反転している。実質的に全ての他の態様において、図3Bの実施形態は、図3Aの実施形態と同様に構築される。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態による自己発光窓ガラスパネル18を製造するプロセスのブロック図である。工程41にて、プラスチック基材22は、ポリカーボネート又はアクリル樹脂などの透明プラスチック樹脂の射出成型によって形成される。プラスチック基材22は、自己発光窓ガラスパネル18用のベース層を形成する。工程42にて、プラスチック基材22は、型から取り外され、検査され、任意の静電荷の排除を含む清浄などの任意の予備処理が実行される。工程43にて、ルミネセント層24がプラスチック基材22上に印刷される。
【0060】
好ましい実施形態では、ルミネセント層24は、スクリーン印刷プロセスによって印刷される。スクリーン印刷プロセスでは、ルミネセント層24の所望の形状に応じたステンシルを装備する微細メッシュスクリーンが、プラスチック基材22と平行に設置される。その後、スクリーンは、ルミネセントインクを堆積され、それに続いて、スクリーンの表面にわたって引張られるスクイジーを使用してルミネセントインクがスクリーン上のステンシルの開口を強制的に通される。スクイジーがステンシル領域を通過した後、伸張したスクリーンの張力は、スクリーンとプラスチック基材22との間の非接触距離と共に、スクリーンが基材の表面から分離することを可能にし、基材の表面上に堆積したルミネセント層24が残る。プラスチック基材22上にルミネセント層24を設けるために、インクジェット印刷又はマスク及びスプレーなどの他の技術が使用されてもよいことが当業者には明らかになるであろう。
【0061】
工程44にて、任意のオプションの機能層26は、ルミネセント層24を覆って塗布される。機能層26は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、マスク及びスプレー、スプレーコーティング、又は当業者に知られている任意の他の技術によって塗布されることができる。工程45にて、耐候性層28が窓ガラスパネルに塗布される。耐候性層28は、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、又は当業者に知られている任意の他の技術によって塗布されてもよい。工程46にて、磨耗性層29は窓ガラスパネルに塗布される。磨耗性層29は、反応性種からの膜の堆積を含む技術、たとえば、真空支援堆積プロセスを含む、当業者に知られている任意の適した技術によって塗布される。工程47にて、自己発光窓ガラスパネル18の最終検査と仕上げの両方が実行される。自己発光窓ガラスパネルの仕上げは、パネルエッジのサンディング又はミリング、位置決め用クリップ、スペーサ、又はファスナの取付け、接着プライマー及び接着剤の塗布、或いはワイパなどの取付け具用の穴の切除のような作業を含んでもよいが、それらに限定される必要はない。
【0062】
図5は、本発明の別の実施形態による自己発光窓ガラスパネル18を調製するプロセスのブロック図である。工程51にて、ルミネセント層24が、プラスチック膜上に印刷される。好ましい実施形態では、ルミネセント層24は、スクリーン印刷プロセスによって印刷される。プラスチック膜上にルミネセント層24を印刷するために、インクジェット印刷又はマスク及びスプレーなどの他の技術が使用されてもよいことが当業者に理解されるであろう。工程52にて、オプションの機能層26がルミネセント層24を覆って塗布される。オプションの機能層26は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、マスク及びスプレー、スプレーコーティング、又は当業者に知られている他の技術によって塗布されることができる。工程51及び52は、プラスチック膜が、図3Aに示すように車両の外側に面するか、図3Bに示すように車両の内側に面するかに応じて、シーケンスが反転されてもよい。
【0063】
工程53にて、装飾的プラスチック膜が型のキャビティ内に設置され、プラスチック基材22が、膜上にバックモールドされ、それにより、ルミネセント層24と任意のオプションの機能層36がカプセル化される。この成型プロセスは、膜挿入成型(FIM)として当業者に知られている。工程54にて、成型されたプラスチック基材22は、型から取り外され、検査され、静電荷の排除を含む清浄などの任意の予備処理が実行される。工程55にて、耐候性層28が窓ガラスパネルに塗布される。耐候性層28は、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、又は当業者に知られている任意の他の技術によって塗布されてもよい。工程56にて、耐磨耗性層29が窓ガラスパネルに塗布される。耐磨耗性層29は、限定はしないが、反応性種からの膜の堆積を含む技術、たとえば、真空支援堆積プロセスを含む、当業者に知られている任意の適した技術によって塗布されてもよい。工程57にて、自己発光窓ガラスパネル18の最終検査と仕上げの両方が実行される。
【0064】
当業者が本発明を実施することを可能にすることを、先の開示が意図される限り、先の開示は、制限されると考えられるのではなく、こうした前述の明白な変形を含むと考えられ、また、添付特許請求の範囲の精神及び範囲によってだけ制限されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車車両(10)で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネル(18)であって、
プラスチック基材(22)と、
前記プラスチック基材(22)の上に堆積されたルミネセント層(24)と、
窓ガラスパネル(18)を環境要因から保護することが可能な少なくとも1つの耐候性層(28)と、
記耐候性層の上に堆積された少なくとも1つの耐磨耗性層(29)とを含む自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項2】
前記プラスチック基材(22)と前記耐磨耗性層(29)との間に配置された機能層(26)をさらに含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項3】
前記プラスチック基材(22)は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、ポリアミド、ポリアルキレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、及び、それらのコポリマー、それらのブレンド、又はそれらの混合物の群から選択される1つである請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項4】
前記耐候性層(28)は、シリコーン、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、エポキシ、及び、それらの混合物又はそれらのコポリマーの群から選択される1つを含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項5】
前記プラスチック基材(22)は、透明、半透明、不透明、又はそれらの組合せのうちの1つである請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項6】
前記ルミネセント層(24)は、リン光材料、蛍光材料、又はそれらの組合せのうちの1つである請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項7】
前記ルミネセント層(24)は、ポリマー樹脂又はバインダ、及び、キャリア媒体内に分散した、リン光顔料、蛍光顔料、蛍光染料、又はそれらの混合物のうちの1つを含む請求項6に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項8】
機能層(26)をさらに含み、前記ポリマー樹脂又はバインダは、前記機能層(26)内に存在するポリマー樹脂と実質的に類似している請求項7に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項9】
前記磨耗性層(29)は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ボロン、酸化ハフニウム、フッ化ランタニウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシ窒化物、シリコンオキシカーバイド、水素添加シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、或いは、それらの混合物又はそれらのブレンドの群から選択される1つを含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項10】
ブラックアウト、フェードアウト、ロゴ、デフロスタ、アンテナ、日射光制御、エレクトロルミネセンス、導電性膜、フォトクロミック膜、及びエレクトロクロミック膜の群から選択される機能を含む機能層(26)をさらに含む請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項11】
前記イルミネセント層(24)は、前記プラスチック基材(22)及び耐候性層(28)によって遮断されない、又は、フィルタリングされないスペクトル領域の一部分の光を吸収する請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項12】
前記イルミネセント層(24)は、約380ナノメートルより長い波長を有する光を吸収する請求項1に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)。
【請求項13】
自動車車両(10)で使用するのに適した自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法であって、
自己発光プラスチック基材(22、24)を形成する工程と、
前記自己発光プラスチック基材(22、24)の表面上に少なくとも1つの耐候性層(28)を堆積させる工程であって、前記耐候性層(28)は、環境要因から前記自己発光プラスチック基材(22、24)を保護することが可能である工程と、
前記耐候性層(28)上に少なくとも1つの耐磨耗性層(29)を堆積させる工程とを含む自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項14】
前記自己発光プラスチック基材(22、24)を形成する工程は、
ポリマー樹脂からプラスチック基材(22)を成型する工程と、
前記成型されたプラスチック基材(22)上にルミネセントインク(24)を印刷する工程とをさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項15】
前記ルミネセントインク(24)は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、並びに、マスク及びスプレーの群から選択される方法のうちの1つを使用して印刷される請求項14に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項16】
空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、及びカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合の群から選択される1つの方法を使用して前記ルミネセントインク(24)を硬化させる工程をさらに含む請求項14に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項17】
前記耐候性層(28)は、押出し層、キャスト薄膜、及び離散被膜のうちの1つとして設けられる請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項18】
前記離散被膜は、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、及びカーテンコーティングの群から選択される技術を使用して塗布される請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項19】
前記耐磨耗性層(29)は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、拡張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相堆積、イオンビーム堆積、イオンメッキ堆積、カソードアーク堆積、スパッタリング、蒸着、中空カソード活性化堆積、マグネトロン活性化堆積、活性化反応性蒸着、熱化学気相堆積、及びゾルゲルコーティングプロセスの群から選択される方法のうちの1つを使用して堆積される請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項20】
ルミネセント層(24)上に機能層(26)を設ける工程をさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項21】
前記自己発光プラスチック基材(22、24)を形成する工程は、
プラスチック膜(31)上にルミネセントインク(24)を印刷する工程と、
型のキャビティ内に前記膜(31)を設置する工程と、
前記プラスチック基材(22)を射出成型する工程であって、それにより、前記プラスチック膜(31)と前記基材(22)との間でルミネセントインク(24)がカプセル化される工程とをさらに含む請求項13に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項22】
前記ルミネセントインク(24)は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、並びに、マスク及びスプレーの群から選択される方法のうちの1つを使用して印刷される請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項23】
空気乾燥、UV吸収、熱吸収、付加縮合、熱駆動エンタングルメント、及びカチオン種又はアニオン種によって誘導される架橋結合の群から選択される方法のうちの1つによって前記ルミネセントインク(24)を硬化させる工程をさらに含む請求項17に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。
【請求項24】
前記プラスチック膜(31)上に配設された機能層(26)を設ける工程をさらに含む請求項21に記載の自己発光窓ガラスパネル(18)を製造する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−540370(P2009−540370A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514461(P2009−514461)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069244
【国際公開番号】WO2007/146548
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】