説明

自己発熱サーミスタ制御回路を備えるリークディテクタ

リーク検出用のシステムは、液体と接触した時にリークを検出するよう構成されている第1サーミスタデバイス12aと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイス12bとを有する感知回路10を含む。第1および第2サーミスタデバイス12a、12bは、サーミスタデバイスの両方が雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作するような電流で駆動されている。制御システムは、参照サーミスタデバイスを含む感知回路内の参照ポイントでモニタされる電圧に応答して、サーミスタデバイスの両方を通して一定の電力印加を維持する駆動回路を制御する。第1サーミスタデバイスを含む感知回路の一部分内の参照ポイントでの電圧が、追加的にモニタされ、かつ第2サーミスタデバイスを含む感知回路10上の参照ポイントでの電圧と比較される。リーク状態は、その雰囲気温度の比較結果に基づいて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許仮出願第60/549,706号、仮出願日2004年3月3日、に基づいて優先権を主張する。この仮出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、特定のシステム内の液体または空気の流れに対するリークを感知する電子回路、さらに詳しくは、雰囲気温度が変化する場合に自己発熱モードでの一定の電力放散を提供する一対のサーミスタを使用する新規な制御回路を対象とする。
【背景技術】
【0003】
サーミスタは、熱的に敏感な、その温度の変化と共に電気抵抗に変化を示すことを主たる機能とする抵抗体である。一般に、これらのデバイスは、負の(非線形の)抵抗対温度特性、即ち、温度の上昇と共に抵抗が減少する特性を示し、大きな抵抗変化が、狭い温度範囲で必要とされる場合に特に有用である。ほとんどの適用分野で、通常、サーミスタデバイスは、少量の電流で駆動される。大量の電流で駆動される場合、過剰な量の電力が放散されるように自己発熱現象が生じ、それが抵抗体を加熱し温度の読み取りを不可能にする。
【0004】
したがって、サーミスタデバイスが、大量の電流で駆動される場合は、いわゆる「自己発熱モード」内で動作させる。液体の存在を感知するために、自己発熱サーミスタは、雰囲気温度よりも上の決まった温度に置かれることになる。それが水(または任意の液体)と接触すると、そのシステムの熱動態の変化によりサーミスタの温度が変わることになる。通常、摂氏温度毎ミリワット(mW/℃)で表現される「熱放散定数」として知られている、サーミスタのパラメータは、サーミスタの電力放散の変化と、その結果の本体温度の変化の比である。そこで、リークディテクタのような、液体の存在を測定することが望まれる特定の用途では、自己発熱モードのサーミスタの温度は、上げられる。例えば、サーミスタの温度を30C°上昇するために、また例えば1.0mW/℃の熱放散定数を与えられると、所与の温度で電圧と抵抗が分かるので容易に達成でき、30ミリワットの駆動電力が、温度を30C°上昇するために加えられなければならないであろう。
【0005】
温度4℃から40℃の間の温度で動作する5.0キロオームサーミスタデバイスの例の場合、自己発熱モードのその温度30C°の上昇は、サーミスタの温度が34℃から70℃にわたって変動するという結果になるであろう。これは、サーミスタの抵抗を3404オームから876オームに変化させることになるであろう。したがって、抵抗の変化がかなり著しく、また、定電圧または定電流源が利用されている場合、異なる電力レベルで放散されるという結果になることが分かる。
【0006】
したがって、自己発熱サーミスタ測定回路では、常に一定の電力放散を提供することが、有利である。サーミスタ自体が、温度につれて抵抗を大きく変化させるので、そのようにしないと2つの不利益がある。第1に、ある温度で、妥当な動作電力であることが、別の温度での場合においてはサーミスタに対し害を与えるようになることがある。第2に、変化する動作電力放散が、サーミスタを利用する測定回路の感度変化を結果として生ずることがある。
【0007】
通常、そのような自己発熱サーミスタ測定システムは、一定電流で駆動されるサーミスタデバイスを利用する。雰囲気温度が知られていない場合、電力上昇中、リークを決定するのは困難であるという事実を別にして、リークを測定するために、ほとんど全ての適用分野では、1つのサーミスタが、動作するのに使用されてよい。そのような筋書きでは、常に雰囲気(空気中)に在ることになる1つの参照サーミスタと、場合によっては、湿っていることもあるもう1つの参照サーミスタとの、2つのサーミスタを用いるのが有利である。感知サーミスタが、リークを感知する1つであり、また、従来技術によればアナログ回路を用いて一般的になされる比較測定が採用される。通常、従来技術では、2つの自己発熱サーミスタが、良く知られた「ホイートストン」ブリッジ構成で接続されている。
【0008】
米国特許第4,392,782号明細書は、定電流条件下で動作する2つのサーミスタデバイスを組み込む従来技術による液体レベル制御デバイスを表わしている。
【0009】
米国特許第6,543,282号明細書は、雰囲気温度よりも高く維持された温度を有する1つのサーミスタデバイスと、空気流条件で決まる感知サーミスタデバイスとの2つのサーミスタデバイスを組み込む従来技術による空気流装置を表わしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
雰囲気温度と独立に動く自己発熱サーミスタデバイスを含むリークディテクタを提供することが、大いに望まれる。
【0011】
さらに、2つの自己発熱サーミスタデバイスを利用する、リーク検出デバイスに対する制御システムと、リーク検出システムの動作方法とを提供することが、大いに望まれる。
【0012】
さらに、2つの自己発熱サーミスタを利用する、リーク検出デバイスに対するデジタル制御システムと、リーク検出システムに対するデジタル制御システムの動作方法とを提供することが、大いに望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、リークディテクタとして機能する自己発熱サーミスタ制御回路が提供される。この態様によれば、2つのサーミスタのうちの1つ(「リークディテクタ」サーミスタ)が、装置内のリークが在るはずである、リークディテクタを利用する装置またはデバイスの「雫受け(drip tray)」内に、サーミスタが液体と接触可能なように配置される。他のサーミスタ(「参照」サーミスタ)は、すぐ近くに在るが、サーミスタが乾燥状態を維持するように配置されている。電子回路は、サーミスタ中に放散される電力を制御し、また同時に「リークディテクタ」サーミスタが、「雫受け」内の液体を感知しているかどうかを決める。
【0014】
この態様によれば、液体と接触した時にリークを検出するよう構成されている第1サーミスタデバイスと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイスとを有する感知回路を含むシステムおよび方法が、リーク検出用に提供される。第1および第2サーミスタデバイスは、デバイスの両方が雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作するような電流で駆動される。制御システムは、参照サーミスタを含む感知回路内の参照ポイントでモニタされる電圧に応答して、デバイスの両方を通して一定の電力印加を維持する駆動回路を制御する。第1サーミスタデバイスを含む感知回路の一部分内の参照ポイントでの電圧が、追加的にモニタされ、かつ第2サーミスタデバイスを含む感知回路内の参照ポイントでの電圧と比較される。リーク状態は、その雰囲気温度に関係なく比較結果に基づいて決定される。
【0015】
有利なことに、本発明は、液体クロマトグラフシステムのための自動サンプリングデバイス用など、リーク検出用途に対し、特に、多くの種類の装置およびシステム内での実施用に構成される。本発明のさらなる態様によれば、自己発熱サーミスタ制御回路は、空気流検出器用途として機能を果たす。この実施形態では、定電力状態に維持された感知サーミスタが、空気流路中に置かれ、定電力状態に維持された参照サーミスタは、同じ雰囲気温度で停滞空気中に在る。
【0016】
本発明の装置と方法のさらなる特徴、態様および利点が、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲および添付の図面に関して、より良く理解されるようになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図1を参照して説明される、例示の実施形態に示されているリークディテクタディテクタ回路10は、2つの自己発熱サーミスタ12a、12bの使用を利用している。1つの自己発熱サーミスタ12aが、リーク流体と接触するように配置され、かつ他方の自己発熱サーミスタ12bが、近傍の乾燥参照として使用されている。2つの自己発熱サーミスタは、近くに接近して在るべきで、また、好ましくは1つの自己発熱サーミスタが上向きに、1つの自己発熱サーミスタが下向きに、同じパッケージ内に組み込まれている。これらのデバイスは、デジタル選択回路25のアナログ−デジタルコンバータ(ADC)に接続されている、アナログマルチプレクサデバイス18に接続された出力端子を有する。特定の用途用に、参照サーミスタが上を向いた1つであり、下を向いた1つが、例えば、リークを感知できるように、雫受け内配置用に構成されている。結果として、比較測定が、本明細書でより詳細に説明されることになる、プログラムされたマイクロ制御デバイス30を含むデジタル制御回路25によって実行される。
【0018】
前述されたように、サーミスタが、温度測定に使用される場合、低電流を印加することにより、測定をゆがめることがある自己発熱を避ける。本発明のリークディテクタ10の例示の実施形態では、サーミスタ12a、12bは、意図的に加熱される。高温のサーミスタ12aが、液体と接触すると、液体が、サーミスタから熱を取り出し、サーミスタの温度を下げ、したがってサーミスタの抵抗を上昇させる。こうなると、電圧降下が、直列の感知抵抗15aの両端で減少し、電圧降下の減少が、アナログマルチプレクサデバイス18を介して、バッファリングされ(buffered)またマルチプレクシングされ(multiplexed)て、アナログ−デジタル変換を実行するアナログ−デジタルコンバータ(ADC)回路22に入力される。ここで、より詳細に説明すると、マイクロプロセッサは、それぞれ、双方のサーミスタの感知抵抗15aおよび15bの所で出力Vsと出力Vs’のADC読取り値を比較し、リークが在るかどうかを決定するようにプログラムされている。この比較は、プログラムされたマイクロ制御デバイス30によって周期的に実行される。
【0019】
制御回路32は、特にデジタル−アナログコンバータ(DAC)回路35を使用して、雰囲気温度に応じて必要とされる制御電圧Vを各サーミスタ12a、12bに供給する。図1に示されているように、制御電圧Vは、それぞれ、それらの感知抵抗15a、15bと直列に、サーミスタ12a、12bに印加され、以下の式によって表わされる。
V=V+V 式(1)
ここで、Vは、サーミスタの両端の電圧であり、またVは、参照感知抵抗の両端の電圧である。
【0020】
=P/Iなので、ここで、Pは、サーミスタデバイス12aを通して放散される定電力であり、また同じ電流が、参照感知抵抗を通して流れ、したがってV=P/(V/R)であり、したがって、式(1)から以下の式が得られる。
V=(P/(V/R))+V 式(2)
ここで、Pと感知抵抗Rは、既知の値であるので、式(2)は、1つの未知のVのみに関する。
【0021】
この値Vは、雰囲気温度よりも上の一定の温度上昇で、所望の自己発熱モードにサーミスタデバイス12a、12bの両方を維持するために、DACデバイス35が供給する電圧である。DAC35の出力に接続された任意の駆動回路が、サーミスタ12a、12bに対して必要とされる駆動を維持するために付加的に提供されることがある。ここで説明された式では、雰囲気温度は、因子ではないことが理解される。
【0022】
あらかじめ決められた(predetermined)放散定数と所定(pre−defined)の感知抵抗を有するサーミスタデバイスで一定の上昇を維持する方法が、次に説明される。第1ステップでは、ADCデバイス出力22が、参照サーミスタの参照感知抵抗での電圧(V)を決定するためにマイクロ制御器30によって読み取られる。必要とされるDAC電圧(V)は、例示の実施形態の中の式(2)に従ってマイクロ制御デバイス30によって計算される。DACデバイス35の性能特性を知る(例えば、DAC参照電圧を知る)と、どんなデジタルワード(即ちビット)32が、所望の制御電圧を達成するためにDACに入力される必要があるかが容易に計算される。
【0023】
動作中に、印加される最初の電圧Vは、上記手順が雰囲気温度に順応しているので、重要でないことを理解されたい。ADC電圧出力Vを読み取り、式(2)を用いることによって、システムは、安定することになる。
【0024】
次いで、マイクロ制御器30は、周期的に抵抗値変化を補償する電圧変化を引き起こすように電圧Vを周期的に読み取る。リーク検出制御回路のように、図1が、閉ループシステムである場合、その電圧は無視しうる量の電力変動を伴って上下に変動する(温度変化はほとんど無視できる)。一実施形態では、そのループは、周期的に、例えば、10秒毎に制御される。この周期の値は、実装されたサーミスタデバイスの種類および他のシステムのパラメータによって構成可能かどうか決まる。
【0025】
リーク検出動作の間に、各周期で、感知サーミスタ電圧V’が、追加的に測定され、ADC回路へマルチプレクシングされ、さらにマイクロ制御器によって読み取られたV電圧と比較するために適する形に変換される。リークがADCの読取り値のサーミスタ感知抵抗電圧VとV’の差の大きさと極性とによって検出され、それを決定するのはプログラムされたマイクロ制御器によってである。さらに本発明によれば、サーミスタの実際の温度が、必ずしも決定されている必要はない。
【0026】
本発明のリーク検出制御回路は、雰囲気温度が変動するにつれてサーミスタに一定の電力放散を供給するので、雰囲気温度を知る必要はない。必要であれば、測定感度が、電力放散を変えることによってソフトウェア(マイクロ制御器にプログラムされている)中で変更されてよい。ソフトウェアは、リークディテクタが異なる目的(例えば、緩やかなまたは急速なリーク)に対して異なる場所に設置されている場合に、何を重要となるリークと見なすべきかをさらに決定する。そのソフトウェアは、さらに、生じる可能性があり、誤った読取り値を生じることがあった未知の実際の状況に対して補償するように構成されている。その上、サーミスタが、異なる物理的バージョンに置き換えられた場合に、たいがい異なる「熱放散定数」を有することがあった。そのソフトウェアは、容易に、この変化に順応可能である。
【0027】
デバイス内の任意の変形もオフセットされ、較正可能(calibrated out)であると理解される。例えば、利用している装置が、最初に製作されている場合、装置がオンされる時に、標準的なオフセットが何であるかが分かるようにこのオフセット電圧は、読み取られ、かつバッテリーバックアップされているメモリーに格納されている。その標準的なオフセットは、濡れた差電位がどうなるのかと比べると温度変化につれて極わずかに変化するだけである。
【0028】
有利なことに、リークディテクタのデバイス出力は、温度について比較的安定である。装置内へのリークディテクタの据付技術は、リークディテクタの出力にシフトを引き起こす可能性があるが、リークディテクタの性能に害はない。さらに、異なる液体に関する性能に大きな差がないことも理解されたい。液体に対するリークディテクタの応答は、温度変化に対するリークディテクタの応答に比べて充分大きく、デバイス間の変動を補償するのには、室温較正でよい。
【0029】
本発明のさらなる態様によれば、図1に関して本明細書で説明された自己発熱サーミスタ制御回路は、空気流検出器用途で機能する。この実施形態では、感知サーミスタデバイスが、空気流路内に置かれ、参照サーミスタは、同じ雰囲気温度で、停滞空気中に在る。空気流の検出は、雰囲気温度に係わらず容易に検出可能である自己発熱感知サーミスタデバイスの温度を下げることになる。
【0030】
本発明が、本明細書の例示的、かつ好ましい実施形態に関して特に示され、説明されたが、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべき本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく本発明中の形態や細部において、前述の変更および他の変更がなされてよいことが当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による、2つの自己発熱サーミスタを利用するリークディテクタ回路10の図である。
【図2】本発明による回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リークディテクタであって、
液体と接触することでリークを検出するよう構成されている第1サーミスタデバイスと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイスとを有する感知回路と、
前記第1および第2サーミスタデバイスの両方が雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作するような電流で、前記第1および第2サーミスタデバイスを駆動する手段と、
前記第2サーミスタデバイスを含む前記感知回路の一部分内の参照ポイントでモニタされる電圧Vに応答して、前記第1および第2サーミスタデバイスの両方を通して一定の電力印加を維持するように前記駆動手段を制御する制御システムであって、前記第1サーミスタデバイスを有する前記感知回路の一部分内の参照ポイントで電圧V’をモニタする手段を含む制御システムと、
前記第1サーミスタデバイスを含む前記感知回路内の参照ポイントでの電圧V’を前記第2サーミスタデバイスを含む前記感知回路内の参照ポイントでの電圧Vと比較し、前記雰囲気温度に関係なく比較結果に基づいてリーク状態を決定する比較手段とを備える、リークディテクタ。
【請求項2】
前記感知回路内の参照ポイントで電圧をモニタする前記手段が、直列に接続された参照抵抗と前記第2サーミスタを接続する前記感知回路内の参照ポイントで前記電圧Vを測定する手段を含み、かつ、さらに、直列に接続された追加の参照抵抗と前記第1サーミスタを接続する前記感知回路内の参照ポイントで電圧特性V’をモニタし、
前記制御システムが、前記測定された電圧Vを対応するデジタル信号に変換する手段と、
前記デジタル信号を処理し、かつ、前記定電力で前記第1および第2サーミスタデバイスを駆動する前記駆動手段によって、前記感知回路の前記第1および第2サーミスタデバイスの両方に印加されるべき駆動電圧値Vのデジタル表現を生成する制御手段とを含み、
前記制御システムが閉ループのシステムを含む、請求項1に記載のリークディテクタ。
【請求項3】
前記制御システムが、さらに、前記制御手段の前記デジタル値出力を前記駆動電圧Vに変換する手段を備える、請求項2に記載のリークディテクタ。
【請求項4】
前記電圧値を生成する前記制御手段によってなされる処理が、前記第1および第2サーミスタを前記自己発熱モードで動作させるための定電力要求を与えられる駆動電圧と、前記参照サーミスタと直列に接続された感知抵抗の値とを計算することを含む、請求項2に記載のリークディテクタ。
【請求項5】
前記測定された電圧Vを対応するデジタル信号に変換する前記手段が、アナログ−デジタル変換器デバイスを含む、請求項3に記載のリークディテクタ。
【請求項6】
前記第1サーミスタデバイスに印加される前記電圧値を対応するアナログ駆動電圧Vに変換する前記手段が、デジタル−アナログ変換器を含む、請求項3に記載のリークディテクタ。
【請求項7】
前記モニタ手段が、前記感知回路内の対応する参照ポイントで前記電圧VおよびV’を前記アナログ−デジタル変換器デバイスに導くマルチプレクサデバイス手段を含み、前記第1サーミスタデバイスが、前記比較結果によって直ちに検出可能であるリークを検出した時に異なる電圧V’を生成する、請求項5に記載のリークディテクタ。
【請求項8】
前記モニタ手段と前記制御手段とが周期的に参照電圧VおよびV’を得るようにプログラムされており、前記VとV’が液体に接触する前記第1サーミスタによる温度の変化を示す量だけ異なる場合にリークが検出される、請求項3に記載のリークディテクタ。
【請求項9】
さらに、空気流状態を検出するよう構成されて、自己発熱モードの前記第1サーミスタデバイスが、空気流状態を検出する感知サーミスタとして機能し、自己発熱モードの前記第2サーミスタデバイスが、停滞空気にさらされる参照サーミスタとして機能する、請求項1に記載のリークディテクタ。
【請求項10】
装置内のリーク検出方法であって、
a)液体と接触した時にリークを検出するよう構成された第1サーミスタデバイスと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイスとが共に一定の電力放散を提供するようにしてリークディテクタ回路を駆動するステップであって、前記第1および第2サーミスタデバイスが、雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作する電流で駆動されるように構成されるステップと、
b)前記第1参照サーミスタデバイスと直列に接続された第1抵抗デバイスとを接続する前記リークディテクタ回路内の参照ポイントで第1電圧V’を受け取り、かつ前記第2参照サーミスタデバイスと直列に接続された第2抵抗デバイスとを接続する前記リークディテクタ回路内の参照ポイントで第2電圧Vを受け取るステップと、
c)前記第1電圧V’と第2電圧Vとを比較するステップと、
d)前記雰囲気温度に関係ない比較結果に基づきリーク状態を決定するステップとを含む、リーク検出方法。
【請求項11】
前記駆動ステップa)が、前記第2サーミスタデバイスを直列に接続された参照抵抗に接続する前記感知回路の一部分内の参照ポイントで電圧Vをモニタするステップと、
前記測定された電圧Vを対応するデジタル信号に変換するステップと、
前記デジタル信号を処理し、かつ、前記定電力で前記第1および第2サーミスタデバイスを駆動する駆動手段によって、前記感知回路の前記第1および第2サーミスタデバイスの両方に印加されるべき駆動電圧値Vのデジタル表現を生成するステップと、
前記生成されたデジタル表現を前記駆動電圧Vに変換するステップとを含む、請求項10に記載のリーク検出方法。
【請求項12】
処理ステップが、前記第1および第2サーミスタを前記自己発熱モードで動作させるための定電力要求を与えられる駆動電圧値と、前記参照サーミスタと直列に接続された感知抵抗の値とを計算することを含む、請求項11に記載のリーク検出方法。
【請求項13】
前記測定された電圧Vを対応するデジタル信号に変換する前記ステップが、アナログ−デジタル変換器デバイスの実装を含む、請求項11に記載のリーク検出方法。
【請求項14】
前記生成されたデジタル表現を変換する前記ステップが、デジタル−アナログ変換器デバイスの実装を含む請求項11に記載のリーク検出方法。
【請求項15】
参照ポイントで第1電圧V’を受け取り、かつ第2電圧Vを受け取る前記ステップb)が、前記第1電圧V’と第2電圧Vとを前記アナログ−デジタル変換器デバイスにマルチプレクシングするステップを含み、前記第1サーミスタデバイスが、前記比較結果によって直ちに検出可能であるリークを検出した時に異なる電圧V’を生成する、請求項13に記載のリーク検出方法。
【請求項16】
参照ポイントで第1電圧V’を受け取りかつ第2電圧Vを受け取る前記ステップb)が周期的に実行される、請求項13に記載のリーク検出方法。
【請求項17】
環境状態を検出するよう構成された第1サーミスタデバイスと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイスとを有する感知回路を備える検出デバイス用制御回路であって、
前記第1および第2サーミスタデバイスが雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作するような電流と、共有の方法で前記第1および第2サーミスタデバイスを駆動する手段と、
前記第2サーミスタデバイスを参照抵抗に接続する前記感知回路の一部分内の参照ポイントで電圧Vをモニタする手段と、
前記電圧Vに応答して、前記第1および第2サーミスタデバイスの両方を通して一定の電力印加を維持するように前記駆動手段を制御する制御システムであって、前記手段が、前記第1サーミスタデバイスを有する前記感知回路の一部分内の参照ポイントで電圧V’を追加的にモニタする制御システムと、
前記第1サーミスタデバイスを含む前記感知回路内の参照ポイントでの電圧V’を前記第2サーミスタデバイスを含む前記感知回路内の参照ポイントでの電圧Vと比較し、かつ前記雰囲気温度に関係なく比較結果に基づいて前記環境状態を検出する比較手段とを備える制御回路。
【請求項18】
前記感知回路が、前記第1サーミスタデバイスに接触する液体の存在を含む環境状態を検出する、請求項17に記載の制御回路。
【請求項19】
前記感知回路が、前記第1サーミスタデバイスと接触する空気流の存在を含む環境状態を検出する、請求項17に記載の制御回路。
【請求項20】
装置内のリークを検出する方法ステップを実行するのに機械によって実施可能なプログラム命令を具体的に実行する、機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置であって、前記方法ステップが、
a)液体と接触した時にリークを検出するよう構成された第1サーミスタデバイスと、参照デバイスとして機能する第2サーミスタデバイスとが共に一定の電力放散を提供するようにしてリークディテクタ回路を駆動するステップであって、前記第1および第2サーミスタデバイスが、雰囲気温度よりも上の温度で自己発熱モードで動作する電流で駆動されるように構成されるステップと、
b)前記第1参照サーミスタデバイスと直列に接続された第1抵抗デバイスとを接続する前記リークディテクタ回路内の参照ポイントで第1電圧V’を受け取り、かつ前記第2参照サーミスタデバイスと直列に接続された第2抵抗デバイスとを接続する前記リークディテクタ回路内の参照ポイントで第2電圧Vとを受け取るステップと、
c)前記第1電圧V’と第2電圧Vとを比較するステップと、
d)前記雰囲気温度に関係ない比較結果に基づきリーク状態を決定するステップとを含む、機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置。
【請求項21】
前記駆動ステップa)が、さらに、前記第2サーミスタデバイスを直列に接続された参照抵抗に接続する前記感知回路の一部分内の参照ポイントで電圧Vをモニタするステップと、
前記測定された電圧Vを対応するデジタル信号に変換するステップと、
前記デジタル信号を処理し、かつ、前記定電力で前記第1および第2サーミスタデバイスを駆動する駆動手段によって、前記感知回路の前記第1および第2サーミスタデバイスの両方に印加されるべき駆動電圧値Vのデジタル表現を生成するステップと、
前記生成されたデジタル表現を前記駆動電圧Vに変換するステップとを含む、請求項20に記載の機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置。
【請求項22】
処理ステップが、前記第1および第2サーミスタを前記自己発熱モードで動作させるための定電力要求を与えられる駆動電圧値と、前記参照サーミスタと直列に接続された感知抵抗の値とを計算するステップを含む、請求項21に記載の機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置。
【請求項23】
参照ポイントで第1電圧V’を受け取り、かつ第2電圧Vを受け取る前記ステップb)が、前記第1電圧V’と第2電圧Vとを、前記測定された電圧を対応するデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器デバイスにマルチプレクシングするステップを含む、請求項21に記載の機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置。
【請求項24】
参照ポイントで第1電圧V’を受け取りかつ第2電圧Vを受け取る前記ステップb)が周期的に実行される、請求項21に記載の機械によって読み取り可能なプログラム記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−526481(P2007−526481A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501934(P2007−501934)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/006718
【国際公開番号】WO2005/085815
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】