説明

自律水泳式貨物コンテナ

【解決手段】本発明は、コンテナターミナル無しに海岸側に商業用貨物コンテナを分配するための装置、方法及びシステムを提供する。本発明は、モーター127及びナビゲーション操舵制御部135を有する取り外し可能な推進システム120をコンテナ105に連結することによりコンテナに自律性を持たせ、水を介して、急速、制御された効率的で安全な貨物コンテナの個別的な配達を可能にする。バラストユニット160、展開システム171〜176、及び、遠隔ユニット181を介した制御も開示される。この改善により、コンテナ105を、固有の浮力を利用して、予め計画された又は遠隔の制御ルートに従って特定の位置に特定の到着順序で自立的に海岸に到着可能にし、これにより要求された貨物取り扱い者の数を減少し、海岸への配達プロセスの速さを向上させ、せん橋側に高い技術の設備を設ける必要を無くす。本発明は、未開の海岸側及び現代のせん橋設備への貨物の輸送を可能にし、必要とされるところは何処でも貨物の配達を促進させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、海上作業に係り、より詳しくは、積荷コンテナを移動させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去においては、海上積荷作業は、箱、ドラム缶及び木枠密封物のような多数の小品目の物品を、クレーン及び物理的労力を使用して、輸送船に積んだり、下ろしたりする移動作業からなっていた。波止場輸送は、より効率的であるが、未開発の海岸線に物品を移動させたり、未開発の海岸線から物品を移動させることがまだ一般的に行われていた。国際的貿易が増大するに至っては、物品を移動させる上で遙かに効率的な手段が海上移動産業内で生まれた。今日では、海上積荷のほとんど大多数が、共同一貫輸送コンテナを介して移動され、巨大な容積を、重要な港の間で効率的に移動することを可能にしている。その結果、今日の移動作業のほとんどは、市販の積荷コンテナを運搬し利用するように構成されている。
【0003】
商業上の積荷コンテナは、その大部分が、標準国際機構(「ISO」として知られている)により設定された詳細事項に従って製造されている。これらの詳細事項は、強度、水耐性、移動性、及び、安全性のための基準を含んでいる。それらのサイズは、典型的には、40フィート長、8フィート幅、及び、8フィート6インチ高さ(即ち、40’×8’×8’6”)であり、2,720立方フィートの容積を完全に積載された、34トンを超える重量となり得る。他のISO標準のコンテナは、20’×8’×8’6”、又は、45’×8’×8’6”、又は、45’×8’×9’6”の寸法を取り得る。本明細書で商業上のコンテナを参照するとき、商業、非営利、又は、政府の目的のための使用に拘わらず、上記サイズのコンテナ又は同様に強固で大型(4’以上)の積荷用のコンテナを意味している。
【0004】
今日の深海設計の大型積荷船は、ISO標準の積荷コンテナ等を運搬し利用するように構成されており、浅い海岸又は浅い港でさえ到着することができない。それらは、特殊な積荷取り扱い設備(例えばクレーン等)を備えた現代の港設備を使用しなければならず、又は、磯波領域の外部で積荷を下ろし、それらのコンテナを、より小さい船を介して海岸まで輸送しなければならない。後者の方法は、非常に非効率的である。それは、動的で浮いているプラットフォームの間で荷物を輸送している間に、輸送クレーンが追加の運動を導入せざるを得ない状態で、コンテナの精密な整列を要求するからである。また、より小さい船は、別の荷物を拾い上げるため海岸から空のコンテナを戻させなければならず、それらの生産性を大幅に減退させる。
【0005】
磯波領域を通して又は該領域を超えて積荷コンテナを分配することができる幾つかのシステムが存在している。最も一般的に使用されている方法は、そのデッキ内に1つ以上の商業コンテナを保持するのに十分に大きい小さいボートを使用する、はしけである。より小さいボートが、コンテナ船の側部に沿って引っ張られ、コンテナは、クレーンを使用してその舷側に配置される。より小さいボートが、その搭乗員により海浜にまで運転される。この種のボートは、それが海浜まで到達することを可能にする、浅い喫水と、積荷コンテナを海浜まで輸送することを可能にするため海浜に降りる傾斜部と、を有する。空の小型ボートは、そのサイクルを繰り返すためコンテナ船まで戻らなければならない。しかし、この解決法は、空のままで大型船まで戻る移動を要求されることに起因して、低い輸送率となる。これは、大型船が岸から離れたままでいなければならないように要求された距離によって、更に影響を及ぼされる。
【0006】
より大きい輸送率は、車輪を備えたコンテナが運び去ることができる、船によって可能となる。これらの船は、ロールオン−ロールオフ(RO−RO)船と呼ばれている。しかし、初期における海浜又は海岸の設備でのそれらの使用は、深設計用のコンテナ船が、海岸、又は、せん橋の構成部にまで到達することを可能にする典型的な急峻スロープを備えた海浜を必要としている。
【0007】
かくして、今日の共同コンテナシステムは、全てにおいて大きな利点があり、国際貿易に重要である一方で、それは、上記で強調された欠点も生じさせる。高容積の波止場コンテナ設備が高価であるが故に、これらは、特殊化された船に対して要求を満たそうとする傾向がある。これらの船は、効率的に動作するだけであり、時折、高体積設備を有する、より大きい港でのみ動作する。コンテナにより輸送される品物が、小さい港又は改善されていない海岸線に向かわせられる場合、それらは、陸地で輸送され、分解され、地域作業のためのブレークバルブ品として再搭載されなければならない。更には、共同一貫輸送による船積み体積の故に、ブレーキバルブ又ははしけ輸送のために備え付けられた運転中の数隻の船が存在しており、2次的輸送(大きな港へのコンテナ輸送の後の輸送)のための時間及び費用は、益々、増大していく。その上、未開地域へのコンテナ船積みを使用することがまだ非常に望ましい幾つかの用途(例えば、軍隊補給管理)では、一時的な積荷下ろし設備を設定すると、かなり高価につき、時間もかかる。これは、理想からはほど遠い。それは、商業活動には非常に高価となる上、なおも攻撃する上で手間取り、無防備であるからである。水陸両用のライターに関しては、これらは、外洋で積荷するのが困難である。横揺れするコンテナ船の相対運動、クレーン橋上でのコンテナの揺れ動き、及び、波上でのライターのボビングは、コンテナのライターへの挿入を緩慢な作業にさせる。平均的な海浜で使用されるRO−RO船は、該船がその喫水にとって十分深い水中に滞在している間に、コンテナ船の傾斜部がそのコンテナから該傾斜部に荷を下ろすことを可能にする一時的な舗装道路の構築を必要としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した欠点を除く海上コンテナ輸送の利点及び依存性が与えられたが、海上貨物コンテナを、高体積のコンテナ設備を備えていない場所に移動させるための改善された装置、システム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、自己推進式海上貨物コンテナ輸送のための方法、装置及びシステムを提供する。一例としての実施例では、自律水泳式貨物コンテナ(ASCC)は、運搬装置に適合した標準ISO輸送コンテナを備える。運搬装置は、推進ユニットと、コントローラとを備える。推進ユニットは、エンジン(燃料供給部、潤滑油系、空気入口、排気部、始動システム及びパワーコントローラと連係する)と、推進サブシステム(駆動シャフト、プロパルサー及び操舵構成部品と連係する)と、インターフェース(コンテナインターフェース、設備支持固定具、流体力学的フェアリング、並びに、入口及びアクセス開口部)と、を備える。コントローラは、アンテナ、ナビゲーション用ライティング及びプロセッサ、通信ユニット(連係した電気通信インターフェース、並びに、ソフトウェア入力/出力ポート)、並びに、目録及び他のオプションの制御を備えている。それは、前側バラストユニットを備えていてもよい。
【0010】
請求の範囲が本発明の幾つかの新規な特徴を記載しているが、本発明それ自身は、幾つかの目的及び効果と共に、添付図面と関連させて読むとき、本発明の開示された現在のところ好ましい実施例の次の詳細な説明を参照することにより、最も良く理解することができる。
【実施例】
【0011】
上述した従来システムの制限は、次の現在のところ好ましい実施例により示される本願発明の新規な改善によって克服される。本実施例は、貨物コンテナの自立的な海上移動のための装置、方法及びシステムに関する。便利さのために、本実施例を、自立水泳式貨物コンテナ(ASCC)と称する。ASCCの主要なシステム要素は、推進ユニット120、バラストユニット160及びコンテナ105、並びに、ASCCと相互作用する遠隔ユニットである。本発明は、ASCCと、遠隔/支持システムとを操作するための方法も提供する。
【0012】
本発明は、以下でより詳細に説明されるが、これは、説明上の利便性のみのためであり、本発明の用途を制限することが意図されていない。事実、次の説明を読んだ後では、用途及び特定の設計上の選択に依存して、次の発明を代替実施例で如何に実施するべきかを当該技術分野における当業者には容易に明らかとなろう。
【0013】
ここで、図面、特に図1乃至4を参照すると、ASCCは、本発明の現在のところ好ましい幾つかの実施例に従って表される。個々の要素は各々番号付けられており、同じ構成要素に対して全ての図面で同じ番号が使用されている。
(コンテナ)
ASCCの最大のユニットは、典型的には、標準の密封式商業貨物コンテナ105である。好ましい実施例では、ASCCは、標準ISOの一貫輸送型コンテナへの変更を必要としていない。必要とされる場合には、特殊化されたコンテナを使用することもでき、推進ユニット120及びバラストユニット160を、これらの特殊化されたコンテナの設計特徴に容易に適合させることができる。例えば、未開の海浜のために定期的に使用されるコンテナには、海浜でのエピソードに耐えるように補強された下側船体を設けることができる。
【0014】
代替の実施例では、運搬装置(推進ユニット120及びバラストユニット160)の全ての要素又は重要な要素は、内部貨物スペースを犠牲にして、コンテナ105内に組み込まれる。この代替実施例は、標準コンテナ105のほぼ全寸法内で、輸送装置の機能を提供するのが好ましい。この特徴は、コンテナ船上に標準的な積荷インターバルで積み込むことを可能にし、輸送中の容積の消費を最小にする。一体形成の運搬装置は、運搬装置及びコンテナが別々に積載されるならば、積み込み以前であろうが又はコンテナ船に乗船する前のいずれであろうが別個の項目として運搬装置を取り扱わなければならない必要性を無くす。
(推進ユニット)
好ましい実施例では、推進ユニット120は、便利な(即ち、迅速取り付け式の積み重ね可能な)形式因子で、全ての主要な原動及び制御サブシステムを備えている。これらの主要なサブシステムは、エンジン127と、推進システム122と、操舵システム124と、コネクター112と、を備えている。例えば、様々な電子機器類135、サービスインターフェース132、145、スノーケル114、及び、ローラー148等の他のサブシステムを使用することもできる。かくして、推進ユニット120は、ASCCに、その自立水泳能力を提供するため、全ての本質的な設備を収容することができる。
【0015】
エンジン127は、ジェットノズル、プロパルサー、インペラー、シュラウドで覆われたプロペラ122(シャフト123を介している)又は他の推進サブシステムを駆動するため原動推進力を提供する。好ましいエンジン127は、海洋環境の点で燃焼エンジンであるが、他のエンジンも使用することができる。燃焼エンジンにとっては、推進ユニット120のほとんどは、典型的には、使用中に水中に沈められているので、スノーケル114を介して空気を提供することができ、たとえ推進ユニット120の上を波がかぶったとしてもエンジンが機能し続けることを可能にする。
【0016】
エンジン127は、高価な時間をかけた移動や戻り移動を始めとした航行中の作業の間にコンテナにパワーを与えるのに十分な燃料貯蔵部131も供給されている。使用されていない間にタンク131内に燃料を貯蔵するというよりは、発進直前に、船上発展ステーション(図8の172)で燃料供給するための燃料ポート145を使用することができる。不使用の長期間の間(例えば、数ヶ月又は数年以内)に別個にエンジンオイルを貯蔵することを可能にし、なおも作動前に容易に利用可能であるオイルタンク130又はリザーバーが有利となり得る。エンジンが動作中での波がうねった海の状態の故に、乾燥油だめ、揺れ動き式ピックアップ等が、有用となる。
【0017】
図示の代替実施例は、共通の燃料がASCC内で利用されるとき、JP−8を使用した非点火発火式のパワープラントと、米国陸軍の「ハンマー」ジープで見出される高性能エンジン等の市販の規格化されたディーゼルエンジンと、より高価な当該技術水準を示す軽量エンジン(SC、ビューフォートのAMWキュユナエンジン社の2ストローク国際部門から現在市販されているエンジン、又は、NJ、ウッドリッジのロータリーパワーインターナショナル社から市販されているエンジン)とが含まれている。その上、過酷な移動要求のためのエキストラ燃料を運搬するため、バラスト(船首及び船尾)が使用されてもよい。このように、燃料を、任務遂行要求に合致させるため追加してもよい。船首及び船尾にバラストを移動するため、及び、パワーモジュールに燃料を供給するため、迅速取り付け式の燃料輸送ラインを使用することができる。
【0018】
推進サブシステムは、プロパルサー/シャフトユニット122、123に加えて、適切な水入口128を備えていてもよい。例えばギア減速機構、インペラーディフュザー、逆転ギア機構、逆回転プロペラ、張り板等の特殊な特徴は、当業者の設計事項の範囲にある。操舵サブシステムは、プロペラ122の次に配置され、垂直操舵ベーン124を使用して容易に実行することができる。これらは、プロペラハウジングの排気シュラウド内に収容されており、それらが損傷から保護され、制御力に耐えられる適切な構造的強度が存在する。しかし、他の方向舵又はフィンの構造を使用してもよく、電気直線アクチュエータ、ベルクランク、液圧若しくは気圧システム等のような様々な任意の海洋システムにより制御されてもよい。逆推力は、ベーンを完全に閉じ、側面及び前面に推力を切り替えることによって達成することができる。スラスターを、クォーターの閉操作のため使用することができ、反ピッチ/カウンターロールフィン125も同様に有用となる。
【0019】
電子モジュール135は、簡単な操舵から、精密な通信部136、ナビゲーション137、エンジン制御部138、センサー及びデータの格納及び処理部139の機能まで、所望レベルの制御の特徴を提供する。より簡単な設備では、方向性(例えば、コンパス又は慣性)入力により増補された現在のナビゲーションルーチンに連結された、操舵コントローラが単に設けられるだけである。
【0020】
しかし、意義のある動作上の利点は、より精密な電子機器が使用されるときに得られる。エンジンコントローラ138は、より典型的な高性能エンジンのルーチン(例えば、燃料量、レイル圧力、噴射タイミング、ブースト圧力、及び、排気ガス循環、並びに、診断及び失敗の取り扱い)を監視することができる。より正確なナビゲーションは、GPS(全地球位置決めシステム)ユニット、RF、又は、オプションの方向性航路標識センサー、又は、進歩的な位置及び操作ルーチンが連結されたレーダー及びソナーシステムで達成することができる。通信モジュール136は、ワイヤレス(例えば、RF又はナロービーム光)又はワイヤライン(例えば、コムリンク(ビット−バイト)132を介した局所的なアクセス)によって、幅広く様々な情報を送受信することを可能にする。幾つかの応用が、以下でより詳しく説明され、簡単な呼びかけ信号(ID、コンテナ内容)及びナビゲーションコマンドから、複雑なネットワーク中央リアルタイム制御及びデータの流れへの任意の事項を含んでいる。空気導管として機能することに加えて、折り畳み式スノーケル115を、通信アンテナ若しくは光学トランシーバー、ナビゲーションライト、センサー等々のためのプラットフォームとして便利に使用することができる。
【0021】
搭載プロセッサ及びメモリ139は、ASCCの制御及び他の要素との通信のための進んだルーチンを可能としている。進んだナビゲーション制御に加えて、これらは、コンテナ情報(例えば、ID及び内容)の局所的な格納も可能にしている。通信システムと連結されたとき、これらは、ASCCが呼びかけられる内容について知らされた情報及びそれの詳細な理解に全て基づいて、ASCCの遠隔呼びかけ信号によって、貨物を決定し、積荷及び荷物下ろしの優先権を設定し、配達を再回送又は中断さえすることを可能にする。
【0022】
加えて、局所的な電源(例えば、バッテリー、燃料電池)が備えられていてもよく、又は、これらは、発信前に開始された、スターター/発電機の組み合わせ形態を使用することによって省略されていてもよい。より多く時間を費やす再充電が着手されなければならなくなる前に、かなり貯蔵寿命が短そうではあるが、全ての電動モータープラント又はハイブリッドモータープラントを使用することも可能である。そのようなものの典型的な使用は、高負荷始動プロセスの間にパワーを保存すること(又は、バッテリーが無いユニットでの電動始動を可能にすること)にあるが、再充電は、スターターポート132を介して達成することができる。気圧リンク又は船上圧縮ガスを使用した空気スターター等の他のスターターも使用することができる。エンジンが失速した場合に海上で再始動することを可能にするため、オプションのアキュミレータを追加してもよい。このアキュミレータは、低圧状態で格納され、始動時にASCCエンジン駆動式コンプレッサにより初期充電される。補助ユニット140及び146は、当業者により理解されるように、追加することができる、他の多数の電子機器又は推進サブシステム(例えば、センサー制御部、バラスト、スカットル装置等)を示している。海水のブラッダーは、例えば、海での維持及び安定性を向上させるため、ASCCを水中に更に沈めるように機能し、又は、その船尾が海岸線に到達したときに船首高さを維持するように機能する(及び、軍隊応用のためのレーダーサインを減少させるように機能する)。
【0023】
推進ユニット120は、コンテナ輸送における当業者により認められるように、様々な任意の市販設計に容易に利用可能である共同一貫輸送コネクターを利用してコンテナに連結されているのが好ましい。コネクター112は、コンテナ105の一端部のコーナーの各々で、コーナー持ち上げ/拘束ポイントにおいて貨物コンテナを把持する。コンテナ105のシール部を維持させるため、後部推進ユニット120は、典型的には、コンテナ105の前部にコネクター112を介して連結され、かくして、コンテナドアに隣接して配置され、自律輸送の間に後方に面した配位にそれらを維持する。
【0024】
最終的には、推進ユニット120及びバラストユニット160の両方が、ローラー148を備えるのが好ましい。これら両ユニットのローラーは、ASCC底部を保護し、それらが岸辺に到着したときコンテナの機動力を向上させ、特殊車上にそれらを持ち上げるためクレーンを必要とする代わりにASCCを牽引し押すことを可能にする。固定された鋼鉄製ローラーが、非常に一般的であるが、他の形態(例えば、弾性若しくは格納式車輪若しくはシリンダー)を使用することもできる。補助台車ユニットを備え付けてもよく、ASCCから分離されたとき推進ユニット120のより容易な運動を可能にする。
(バラストユニット)
ここで、図5乃至図7を参照すると、ASCCバラストユニット160の好ましい実施例が示されている。このユニットの目的の一つは、ASCCの前部を水中高く維持することを援助することであり、プロパルサーが全部海中に浸漬されたままにすることを確実にし、ASCCの前部を岸辺により接近させ乗り上げさせ、それらを磯波領域から引きずり出すことをより容易にする。作業によっては、バラストユニット160は不必要となり得る。他では、機能的な設計は、推進ユニットサブシステムの幾つか(例えば、ナビゲーションライト、電子回路)が、推進ユニット120の代わりにバラストユニット160の一部としてオプションで備えられることを規定している。
【0025】
現在のところ好ましい実施例では、バラストユニット160は、バラストユニット164、回収用突っ張り支柱165、捕捉ユニット166、ローラー168、及び、コンテナコネクター161を備えている。コネクター161及びローラー168は、推進ユニット120のコネクター112及びローラー148と同じであるのが好ましい。バラストユニット164は、膨張可能構造(例えば、ブラッダー)又は固定形状の構造(発泡コア、ガラス繊維等)のいずれにしても、水を排水することができる任意の媒体とすることができる。捕捉ユニット166は、捕捉リング程度に簡単なものであってもよいが、重量物、即ち充填されて重くなった(典型的には40トンまで)コンテナを移動させる際に使用される任意の適切な装置を備えることができる。捕捉ユニットの他の例は、ボール及びソケットユニットと、雄型/雌型アダプター、プローブ等を備えている。同様に、回収用突っ張り支柱を、難地面(例えば、砂地又はでこぼこ地面)に亘って40トンものコンテナを引きずるとき見出されるような高い負荷に耐えることを可能にする、固定手段(例えば、金属プレート又はバー)又は延長可能手段(例えば、格納式コイル)とすることができる。延長可能な突っ張り支柱/コイルの一つの利点は、ASCCを牽引するため使用される陸上車両が、堅い陸地上の更に離れた位置を維持することができ、なおも陸地へとASCCをウィンチで巻き上げたり、引きずったりするためASCCに引っ掛けたままとすることができるということである。
【0026】
捕捉リング166及びバラストユニット164の両方は、それらの完全な展開が必要とされないときには、幅狭の形態にしまい込むことができる(図5参照)。
(展開システム)
船上展開システムの一実施例とその作用を図8及び図9を参照して説明する。この特定の図示は、側部に積荷能力を有する船170のものである。しかし、当業者は、クレーン、スライド、ソーダ缶滑走、水中へと沈む船尾及び側部のRO/RO(ロールオン/ロールオフ)傾斜部若しくはプラットフォーム、又は、その他のもののいずれかによって、利便性のある進水アプローチが如何に可能となるかを理解するであろう。同様に、回収作業が、クレーン、プラットフォーム等によって可能であるが、これは特定設計の船のみに制限される。
【0027】
図示の場合では、船170は、必要となるまで安全に収容されると共にASCC進水のための位置へと回転することができる移動可能な展開スライドを備えている。展開されたとき、スライドは、上側プラットフォーム及びターンテーブル173(コンテナ摩耗を減少し、進水プロセスの速度を速めるため)、スライド174、及び、水中に沈むことができるプラットフォーム175を備えている。進水のためASCCを準備するとき、それはステーション172で燃料供給され、準備される。再燃料供給作業は、車両を急速に再燃料供給する間に危険及び漏れを減少させるため、航空機で既に使用されているのと類似した圧力調整式再燃料供給部を介して可能となる。この加圧式の燃料供給部は、潤滑油をエンジン油だめに注入するため駆動力を提供することができる(選択されたエンジンがその油だめ内に潤滑油を必要とする場合)。
【0028】
この展開プロセスの一部として、自己診断チェック機能(ビットチェック)が、パワー及び通信リンクが接続された後に、実行される。ビットチェックは、GPS作動工程(慣性システム又は使用されている場合には他のナビゲーション)及び確認、目録確認、ナビゲーションライト作業(必要とされる場合)、スカットルシステムを着装する作業(要求された場合)、操舵及びバラスト制御システムの準備、エンジン診断、及び、パワー制御確認、及び、隠れたコードの認証(使用されている場合)、並びに、成功した目録及びナビゲーションデータのアップロードを含むことができる。ASCCプロセッサ/データ格納部139にダウンロード又はアップロードされた追加の情報は、コムリンク145を介して転送される。ステータス、及び、任意の警告が、ステーション172上の航海者、又は、船170上での他の制御モニターのいずれかに局所的に表示されてもよい。必要とあらば、ASCCは、全てのモード、即ちスライド、クレーン及びRO/RO傾斜部を同時に使用して展開されてもよい。
【0029】
ステータスチェックが成功した場合、ASCCのシュノーケルが展開され、エンジンが始動され、水中へと沈められる。
ASCCユニットは、典型的には、荷下ろしの連続作業を妨害しないようにビットチェックの前に標準コンテナに取り付けられる。輸送の間に、推進ユニット及びバラストユニットは、コンテナの内部に便利に積み重ねることができる。ASCCの外側寸法は、(1)格納ISO容器内への密度の高い詰め込み/積み重ね式積み込みを可能にするため、(2)プロパルサーが全て海中に浸漬されることを確実にするため、(3)輸送ユニットへの損傷を最小にする状態での乗り上げを可能にするため、(4)引きずりを減少するため、及び(5)流体力学的な合理化を援助するため、コンテナ内でのくさび形積み込みを可能にするべきである。単一のバランスポイント、持ち上げポイントでのアタッチメントは、格納ISOコンテナへの運搬ユニット(及びオプションの前側バランスブラッダー)の移動及び格納ISOコンテナからの運搬ユニットの移動をより容易にし、作業のための連結及び分離を可能にし、並びに、ユニットからのASCCの取り付け/脱着を簡単にすることを可能にするため使用される。
【0030】
各船のための取り出しプランは、最後に詰め込んだものが最初に荷下ろしされる(LIFO)標準的な方式のアプローチであってもよい。しかし、局所的なデータ格納システム(例えば、船目録データベース)により目録を容易に決定することができるので、コンテナは、目的地及び各目的地における優先貨物(快速船上で変えることができる)に基づいて、荷下ろしを更に合理化するように、積荷を行ったり又は再構成することができる。ASCCが、局所的データ格納部を備えていない場合には、電子遠隔充填部(ERF)、等、例えばバーコード等の外側にリストされた目録の枠組みを、重要な荷積みの確認及びフィールド選択のため使用することができる。
【0031】
積み込み作業のための標準的な取り扱い設備を、標準的な甲板上の積荷出し及び拘束作業に関して使用することができる。特殊なツールは、典型的な進水では要求されるべきではなく、非常に技能の高い人員、高価な人員訓練、標準的なISO船舶コンテナへの修正に関しても要求されない。軍隊海リフト手段及び/又は市販の船を使用することができる。
【0032】
所望ならば、多重ASCCコンテナが取り付けられた状態で、多重運搬モジュールを、船上に単一リフトユニットとして組み付けることができる。一実施例では、これらは、道路構成時間を減少させるため一緒に組み合わされた軍隊の現在の標準道路モジュール(JLOTS作業のため使用される)、又は、重量のある設備が、アッセンブリを直接的に荷下ろしするため道路側に沿って接近させるように頂上から船渡しすることを可能にするため又は道路構成を支持するため浜に乗り上げることを可能にするため一対若しくは二対若しくはそれ以上の対で組み合わされた道路モジュール(4つのASCCコンテナを備える)から構成することができる。
【0033】
最終的に、通信部が故障したり、又は、より大きいコンテナ船に接近する際にエンジン故障が発生した場合、ユニットを捕捉してASCCを変更するためコンテナ船上に再び荷を積むため回収容器が使用されてもよく、又は、故障したユニットの航海が危険である場合には、船上のスカットルシステムを、該故障したユニットを沈めるように遠隔から作動させてもよい。このスカットルシステムは、例えば、水センサーを介して、リバーシブル式のビルジポンプシステム(連続的にオン)を使用することによって作動し、推進ユニットの構成部品としての代わりにISOコンテナの内部に配置されさえしてもよい。代替例として、本システムは、過圧モードで動作することができ、コンテナの内部の空気圧力を上昇した状態に維持するため外部のコンプレッサユニットにより駆動されてもよく、これによって水漏れを防止する。また、ASCCが船に戻ってきたとき、例えば、図9のケーブル177、金輪178等の便利なアタッチメントが、より高い海の状態に関わらず、船上クレーン又は持ち上げプラットフォームによる迅速な捕捉を可能にする。
(地方輸送/目録システム及び作業)
図10を参照すると、地方輸送/目録システムの概観が示されている。実施されるオプションの特徴に応じて、ASCCシステムは、遠隔制御及び情報共有の特徴を用いて、様々な目的地へのASCCの自律海上輸送を可能にする。ASCCと通信することを可能にする遠隔ユニットとして示されているものは、コンテナ船170、本部センター185(衛星182及びネットワーク184/送信塔183)、及び、海岸目的地におけるフィールド要員のワイヤレスPDA181である。これらのユニットの各々は、それ自身のプロセッサ及びデータ格納部(例えば、船170上のローカルコンピュータシステム187及びデータベース188を参照)を有する。しかし、当業者は、任意の通信可能ユニット、又は、ASCC搭載センサーにより検出可能な対象(航路標識レシーバー、レーダー等)でさえ、如何に領域システム内でASCCを自律的又は遠隔的に制御する際に使用することができるかを理解するであろう。
【0034】
輸送/目録作業を概観すると、当該作業は、利便性のある荷下ろし地点に配置されたコンテナ船170からASCC(即ち、少なくとも推進ユニット120を備えたコンテナ)を降ろすことから開始する。ASCCシステムの一つの有利な特徴は、コンテナ船が最終的な目的地から遙かに離れたところ、例えば150kmを優に超える地点、シーレーン内で航行中でさえもASCCを降ろすことができるという点である。ASCC構成の頑丈さ及び柔軟性のある展開オプションの故に、ASCCは、海状態3を超える条件でも進水させることができる。更には、単一のコンテナ(例えば、人道主義的な救助貨物を小さな村にまで運ぶ場合)から1つ以上の船からの数百又は数千のコンテナまで進水させることが可能である。
【0035】
各々のASCCの貨物について維持されているデータの故に、全てのASCCは、領域内での補給管理目録の一部及び輸送システムを、それらの目的地で荷下ろしするまで残しておく。コンテンツ、位置、目的地、計画されたルート、並びに、個々のコンテナにより収集された他の任意のセンサーデータは、全ての権限を与えられたユーザーが共有することができる。これは、そのコンテンツのため最も高い優先順位の必要性を持って目的地へのコンテナの動的なリアルタイムの再回送を可能にしている。加えて、海岸要員が幅広い範囲の情報に目がきく場合には、それらの領域内でASCCのためのこれらの要員に局所的な制御を委ねることができる。かくして、地域の補給管理に責任を持つ人は、PDA181のような通信/プロセッサを備えた装置を使用することによって、適切なデータベースプログラム及び補給管理アルゴリズムを用いてプログラムすることができ、適切に段階付けられた時刻にコンテナの順序正しい到着を制御することができる。ASCCの拡大された輸送能力の故に、それらは、典型的により混雑した海岸線と同じ程度に容易に、軌道に乗ったパターン又は他の制御パターンで、海における目録付けを可能にしている。
【0036】
本システムは、最も効率的な輸送容器を利用可能な状態で使用して、貨物の分配のためのかつて無かった制御、スケール自在性、及び、柔軟性を提供する。本システムは、最近の目録及びナビゲーション技術に容易に適合可能である。様々な任意の制御地点(ASCC、船、海浜、又は、本部)を、飛行機上で更新することができ、このことは、各々与えられたユニットに対して実施されるハードウェア/ソフトウェア設計選択によってのみ制限される。ファジー論理、群アルゴリズム、EPRレベルの補給管理制御、又は、単純なナビゲーションルーチンのいずれが所望されたにしても、当業者は、ASCCシステムにより提供される特徴を使用して、選択された彼又は彼女のシステムを実行させることができる。それは、また、船積主が、民間であろうが軍隊であろうが、幅広く様々な高価で特殊な容器を用いて分配することを可能にする。個々のASCCの比較的小さいコストの故に、立案者は、苛酷で或いは敵対する環境では多数のASCCの損失というリスクを背負うことになり、十分な体積量の時間的に緊急な配達が、それを通してASCCの生き残り能力及び数を提供することを知ることになる。これと同じことは、従来の海洋輸送のオプションについて云うことはできず、全作業が何日も或いはそれ以上に亘って中断され、その間、より好ましい条件となるまで待機することになる。
【0037】
コンテナは、プレインストールされている輸送プラン(内部のそのGPS/INS設備により実行される)に従って、特定の海岸の現場に直接向かわせることができる。該コンテナは、プレインストールされている輸送プラン(内部のそのGPS/INS設備により実行される)に従って中間地点を介して航海して海岸の陸上現場に到達するか、又は、無線若しくはプレインストールされている輸送プラン(内部のそのGPS/INS設備により実行される)により命令されるまで、海岸から離れた待ち領域で滞在する。コンテナは、詳細にはコード化された無線コマンドにより宛先を指定され、変化する要求が命令された場合には途上にあるより低い優先度の貨物を海浜へと至らせるか、そうでなければ、コンテナ自体が海浜へとナビゲートする。海岸に到達したとき、コンテナは、水中から取り出される。
【0038】
最も簡単な実施例は、ASCCを単に使用することであるが、多くのASCCは、船及び岸の間の周回移動を可能にする。これは、回収船に向かう空のASCCを監視することにより達成することができる。代替例として、運搬装置(推進ユニット120及びバラストユニット160)は、海岸でそれらのコンテナ105から取り外されもよく、戻りASCCコンテナで他の運搬装置の対を用いて詰め直されてもよく、他のコンテナで使用するため船で荷を取り出されてもよい。この態様では、船毎に少数の運搬装置だけしか必要とはならず、貨物を最大にし、運搬装置のために使用されるスペースを最小にすることが可能となる。特定の数は、単なる補給管理の問題であり、予想された運搬ルート及び分配率に依存して容易に最適化することができる。
【0039】
上述した実施例は、高価なコンテナターミナルを提供することができない港及び海岸側の地域社会に商業コンテナの分配を開放する上で特に有用であるが、それは、緊急作業(救済又は危険な作業)及び軍隊の作業にも容易に適合可能である。幾つかの点では、分布された分配及び制御システムは、現代の軍事力により要求される、複雑で危険な緊急を要する補給管理上の分配にとって特に適している。一例を挙げると、本実施例は、連結補給管理のオーバーザショア(JLOTS)環境で使用するため、完全に従順に、軍隊により利用することができる。そのような環境での作業には、敵対的領土及び友好的領土、或いは敵軍のいずれにしても、据え付けされた港設備無しに、船の荷積み及び荷下ろし作業が含まれている。分布された動的な制御を可能とすることによって、補給管理の流れ速度が実質的に増大される一方で、要員及び重要な資産への危険性並びに全システムのコストが大幅に減少される。
(結論)
かくして、本発明は、自律水泳式貨物コンテナ及びそのようなコンテナを作動させるためのプロセスを始めとして、改善された海洋補給管理及び荷物輸送システムを提供する。自律され分散されているが、それでもなおオプションで完全にネットワーク化されているアプローチは、以前に可能であったものよりも予想付かないほど遙かに進歩的なものであり、柔軟性があり効率的な能力と共に、有意なコスト節約を可能にする。勿論、当業者は、様々な代替例が、本発明の範囲内になおも属すると共に、上述した、個々の要素及びそれらの構成を可能にすることを理解するであろう。かくして、本発明は、特定のASCC実施例の流れで記載されていることを記載することは重要であるが、当業者は、本発明の構成要素及びプロセスが、更に分散され、他のものと共同して、幅広い様々な仕方で、実施することができることを認めるであろう。
【0040】
更には、幾つかの利点が上記実施例と関連して説明されたが、より多くの利点が明白なものであり、本発明に適用可能である。これらの利点のうち幾つかは、大型輸送船がシーレーン内に留まるか又は沿岸水の外側に滞在している間に、その貨物を、大きな体積で迅速に且つ安全に分配すること、例えば、全ての利用可能な輸送クレーンを各作業がかなり短くされた状態で同時に利用することができるが故に、その利用によって大きなコンテナ船の荷下ろし率に実質的な増大(7倍以上)が達成されること(海における中間船への貨物輸送と比べた場合)、それは、より未開の海岸領域へのかなり増大した船舶数(20倍以上まで)を提供し、有効な取り扱い設備がASCCを受け入れることができるほど迅速に海浜に上がれるように容易に利用可能なように、ASCCが海浜から離れて待機することができ、かくして、追加の貨物を搭載して戻るためにより軽量な船を待つことが無くなるということ、ASCCを海浜ラインに沿って同時に陸地に差し向けることができること、補給管理のため要求される人員をかなり減少させること(20倍以上まで)、より軽量な船及びそれらの乗組員を必要とせず、並びに、海浜上の高価な製作アッセンブリに対する要求事項及びそれらと連係した構成人員を必要としないこと、それは、海岸上での変化する優先度又は特定の輸送車両の到着に取り組むため、選択された個々のASCCのための速度/到着時刻を遠隔から調整することによってコンテナがなおも海上にある間に貨物の海岸到着時刻の再整理を可能にすること、を含んでいる。
【0041】
結論として、上記説明は、本発明の実施例を図示及び説明するという目的のため与えられたが、包括的なものを意図したわけではなく、開示された形態に限定されるものではない。これらの実施例は、本発明の原理を説明し、その実用的な用途を示し、当業者が本発明を如何に構成し、如何に使用するべきかを理解することを可能にするため、選択され、説明された。多数の変更及び変形が当業者には明らかである。かくして、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の完全な精神及び範囲内で解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例を示す推進ユニットの側面斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例を示す推進ユニットの側断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施例を示す推進ユニットの後面斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施例を示す推進ユニットのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施例を示す前部バラストユニットの側面斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施例を示す前部バラストユニットの前面斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施例を示す前部バラストユニットの側面斜視図である。
【図8】図8は、本発明の更なる実施例に係る、船上コンテナの積荷/荷下ろしシステムの実施例の側面斜視図である。
【図9】図9は、本発明の更なる実施例を示す、取り付け式推進ユニット、バラストユニット及び積荷/荷下ろしユニットを備えた、コンテナの斜視図である。
【図10】図10は、図9の自己推進式コンテナの運動、制御及び信号解読のための操作文脈を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を介して商業用コンテナを移動させるための運搬装置であって、
前記運搬装置を前記商業用コンテナに連結するためのコネクター装置と、
推進装置と、
前記運搬装置をナビゲートするように作動可能である制御装置と、
を備える、推進システムを有する、運搬装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
ナビゲーションモジュールと、
推進制御モジュールと、
通信モジュールと、
を備える、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項3】
前記ナビゲーションモジュールは、衛星ナビゲーションユニット、慣性ナビゲーションユニット、方向性航路標識受信器、及び、レーダーからなる群のうち少なくとも1つと、位置情報及び推進コマンドのうち少なくとも1つに応答して作動可能であるプロセッサ及び指令コマンドと、を備える、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項4】
前記推進制御モジュールは、操舵コントローラ、エンジンコントローラ、及び、前記運搬装置の位置を制御するように作動的に構成されたプロセッサ及び指令コマンドのうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項5】
前記通信モジュールは、ワイヤレス受信器、ワイヤレス送信器、有線受信器、有線送信器、並びに、外部のナビゲーション情報、貨物情報及び運搬装置コマンドのうち少なくとも1つを受信するように作働的に構成されたプロセッサ及び指令コマンドのうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項6】
前記プロセッサ及び指令コマンドは、運搬装置のナビゲーション情報、コンテナ同定及び内容物情報、並びに、運搬装置センサー情報のうち少なくとも1つを送るように作働的に更に構成されている、請求項5に記載の運搬装置。
【請求項7】
前記推進装置は、
エンジンと、
操舵装置と、
を備える、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項8】
前記エンジンは、ジェットノズル、プロパルサー、インペラー及びプロペラのいずれか1つに連結された、ディーゼルモーター、ガスモーター、電動モーター及びハイブリッドモーターのいずれか1つを備え、前記操舵装置は、操舵ベーン、方向舵、フィン及びスラスターのうち少なくとも1つを備える、請求項7に記載の運搬装置。
【請求項9】
前記推進システムは、スノーケルと、ナビゲーションライトと、燃料タンク及び燃料供給ポートと、発電機及びバッテリーのうち少なくとも1つと、電子機器アクセスポートと、スカットルユニットと、ローラーとを更に備える、請求項8に記載の運搬装置。
【請求項10】
前記推進システムから前記コンテナの反対側端部に連結するように作動可能なバラスト装置を更に備える、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項11】
前記バラスト装置は、浮力ユニットと、捕捉ユニットと、前記バラスト装置を前記コンテナに連結するように作動可能なコネクターとを備える、請求項10に記載の運搬装置。
【請求項12】
前記バラスト装置は、ローラーと、前記捕捉ユニットに連結された回収用支柱とを更に備え、前記浮力ユニットは、膨張可能ユニットと、発泡コアと、ファイバーガラスと、他の固定形状ユニットとのうち1つを備え、前記捕捉ユニットは、固定式若しくは延長可能なリングと、アダプターユニットと、プローブと、ボール及びソケット部材と、のうち1
つを備える、請求項11に記載の運搬装置。
【請求項13】
前記コンテナと、前記推進システムと、前記バラスト装置とのうち少なくとも1つに連結するように作動可能なコネクターを備える回収装置を更に備える、請求項12に記載の運搬装置。
【請求項14】
前記商業用コンテナに連結された請求項1に記載の運搬装置を備える、自律コンテナ。
【請求項15】
リフト上の重い設備を運搬するため一緒に作動的に連結された、請求項14に記載の自律コンテナを複数備える、重い設備の海上輸送のためのリフトユニット。
【請求項16】
前記重い設備を移動するための表面を提供するように作動可能である、自律コンテナの各々の頂部に連結された頂部プラットフォーム装置を更に備える、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
請求項13に記載の自律コンテナを複数備える、海上貨物システム。
【請求項18】
船を備える展開システムを更に備え、該船は、展開準備装置と進水装置とを備える、請求項17に記載の海上貨物システム。
【請求項19】
前記展開準備装置は、データアップロードユニットと、燃料供給ユニットと、コンテナ及びナビゲーションのいずれかの情報を前記運搬装置にアップロードし、前記運搬装置に燃料供給し、前記推進システムの始動を開始するように作動可能である始動ユニットと、を備え、前記進水装置は、クレーン、スライド、シュート、傾斜部又は移動可能なプラットフォームのうち少なくとも1つを備える、請求項18に記載の海上貨物システム。
【請求項20】
前記自律コンテナに情報を送信し該自律コンテナから情報を受信するように作動可能である遠隔制御ユニットを更に備える、請求項17に記載の海上貨物システム。
【請求項21】
前記遠隔制御ユニットは、海上容器、空輸ユニット、固定若しくは移動式の陸上輸送ユニット、及び、スペースユニットのうちいずれかであり、これらの各々は、通信ユニットに作動的に連結されたプロセッサユニットを有し、該プロセッサユニットは、前記複数の自律コンテナの各々の移動を追跡し、該複数の自律コンテナの各々の前記制御装置を介して前記推進システムを制御し、該複数の自律コンテナの各々にデータを要求してその各々からデータを受信し、及び、該複数の自律コンテナの各々に情報を提供するルーチンの少なくとも1つを実行するように構成された指令を有する、請求項20に記載の海上貨物システム。
【請求項22】
前記複数の運搬装置は、商業用コンテナの貨物として備えられている、請求項17に記載の海上貨物システム。
【請求項23】
自己推進式コンテナ(SPC)であって、
商業用コンテナと、
前記商業用コンテナに連結され、該商業用コンテナを水を介して移動させるように作動可能である、海上運搬装置と、
を備える、
【請求項24】
前記海上運搬装置は、推進システムを備え、該推進システムは、推進装置と、前記SPCをナビゲートするように作動可能である制御装置と、を備える、請求項23に記載の自己推進式コンテナ。
【請求項25】
前記制御装置は、ナビゲーションモジュールと、推進制御モジュールと、通信モジュールとを備え、前記推進装置はエンジンと操舵装置とを備える、請求項24に記載の自己推進式コンテナ。
【請求項26】
前記海上運搬装置は、前記推進システムから前記コンテナの反対側端部に連結するように作動可能であるバラスト装置を更に備える、請求項24に記載の自己推進式コンテナ。
【請求項27】
前記バラスト装置は、浮力ユニットと、捕捉ユニットと、前記バラスト装置を前記コンテナに連結するように作動可能なコネクターと、ローラーと、前記捕捉ユニットに連結された回収用支柱と、を備える、請求項26に記載の自己推進式コンテナ。
【請求項28】
前記コンテナ、前記推進ユニット及びバラスト装置のうち少なくとも1つに連結するように作動可能であるコネクターを有する回収装置を更に備える、請求項27に記載の自己推進式コンテナ。
【請求項29】
リフト上の重い設備を運搬するため一緒に作動的に連結された、請求項23に記載の自己推進式コンテナを複数備える、重い設備の海上輸送のためのリフトユニット。
【請求項30】
船を備える展開システムを更に備え、該船は、展開準備装置と進水装置とを備える、請求項23に記載の複数の自己推進式コンテナを備える海上貨物システム。
【請求項31】
前記自律コンテナに情報を送信し該自律コンテナから情報を受信するように作動可能である遠隔制御ユニットを更に備える、請求項30に記載の海上貨物システム。
【請求項32】
前記遠隔制御ユニットは、海上容器、空輸ユニット、固定若しくは移動式の陸上輸送ユニット、及び、スペースユニットのうちいずれかであり、これらの各々は、通信ユニットに作動的に連結されたプロセッサユニットを有し、該プロセッサユニットは、前記複数の自律コンテナの各々の移動を追跡し、該複数の自律コンテナの各々の前記制御装置を介して前記推進システムを制御し、該複数の自律コンテナの各々にデータを要求してその各々からデータを受信し、及び、該複数の自律コンテナの各々に情報を提供するルーチンの少なくとも1つを実行するように構成された指令を有する、請求項30に記載の海上貨物システム。
【請求項33】
水を介して貨物を移動させる方法であって、
自己推進式コンテナ(SPC)のコントローラを使用して水を介して第1の目的地に該自己推進式コンテナをナビゲートする工程を備え、
前記自己推進式コンテナは、商業用コンテナと、該コンテナに連結されて該コンテナを移動するように作動可能である海上運搬装置と、を備える、方法。
【請求項34】
前記ナビゲーション工程は、前記自己推進式コンテナ上の位置決定装置からの出力に基づいている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ナビゲーション情報、コンテナ同定データ、及び、コンテナコンテンツデータのうち少なくとも1つである遠隔ユニットSPCデータを用いて通信する前記のコントローラを更に備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
請求項35に記載の複数の自己推進式コンテナにより輸送される貨物の補給管理制御の方法であって、
遠隔ユニットにより、前記自己推進式コンテナの各々に対してナビゲーション情報及びコンテナコンテンツデータを監視し、
前記遠隔ユニットにより、前記自己推進式コンテナの各々の目的地及び到着時間を制御する、各工程を備える、方法。
【請求項37】
前記ナビゲーション工程は、外部装置から位置情報又はナビゲーションコマンドのうち少なくとも1つであるデータを前記自己推進式コンテナが受信し、該データに基づいて該自己推進式コンテナの移動方向を調整する、各工程を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
ナビゲーション及びコンテナ同定情報をアップロードする工程を含んで、前記運搬装置の推進ユニット及びコントローラを最初に作動させ、
次に、前記自己推進式コンテナをコンテナ船から進水させる、各工程を更に備える、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記コンテナの先導端部を反対側端部よりも高く維持するため海岸に到着する前に前記自己推進式コンテナのバラストユニットを調整する工程を更に備える、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
請求項33に記載の水を介した輸送の後に陸上で自己推進式コンテナを移動させる方法であって、
前記自己推進式コンテナのバラストユニットの捕捉ユニットに、ケーブルユニットを取り付け、前記バラストユニット及び海上運搬装置の両方は底部ローラーを有し、
前記自己推進式コンテナを引っ張る、各工程を備える、方法。
【請求項41】
水に亘って重い設備を移動させる方法であって、
複数の自己推進式コンテナを一緒に連結し、
前記自己推進式コンテナに前記重い設備を積載し、
請求項33に記載のように、前記複数の自己推進式コンテナの各々をナビゲートする、各工程を備える、方法。
【請求項42】
請求項33に記載の自己推進式コンテナを移動する際に使用するため複数の運搬装置を輸送する方法であって、
前記複数の運搬装置を単一のコンテナに詰め込む工程を備える、方法。
【請求項43】
海上貨物コンテナ分配システムであって、
貨物コンテナに連結された運搬装置を備え、
前記運搬装置は、
前記連結された運搬装置及びコンテナを水を通して運転するように作動可能である推進システムと、
遠隔ユニットと通信するように作動可能であり、水を通した前記コンテナの移動を制御する、コントローラと、
を備える、海上貨物コンテナ分配システム。
【請求項44】
前記運搬装置は、前記推進システムの反対側で前記コンテナに連結されたバラストユニットを更に備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記コントローラは、衛星位置決定システム又は搭載された案内システムのいずれかからの情報に基づいて位置及び進路を決定するように作動可能であるナビゲーションプロセッサを更に備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記運搬装置は、前記コンテナから独立に再使用可能であり、更には、先ず該運搬装置を最初のコンテナから取り外し、同じか又は異なる貨物を有する新しいコンテナと連結させた後、追加の分配のために作動可能である、請求項43に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−516124(P2007−516124A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533182(P2006−533182)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/015545
【国際公開番号】WO2004/103830
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
【出願人】(505430805)アエプコ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】