説明

自走式処理機及びそのコンベヤ組み付け方法

【課題】コンベヤの分解組み立ての作業性を改善することができる自走式処理機及びそのコンベヤ組み付け方法を提供する。
【解決手段】被処理物を処理する自走式処理機100において、左右の走行装置3を有する走行体1と、走行体1上に設けたジョークラッシャ12と、ジョークラッシャ12から排出された破砕物を搬出する排出コンベヤ13と、排出コンベヤ13のフレーム22の左右の壁面に機体左右方向の外側から挿し込まれたピン41と、ピン41と固定関係にあって排出コンベヤ13側に設けられるブラケット42とを備え、走行体1の左右のトラックフレーム5の機体左右方向の内側の壁面にブラケット42を取り付けることによって排出コンベヤ13をトラックフレーム5に取り付けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式破砕機、自走式スクリーン、自走式土質改良機等、被処理物を処理する自走式処理機及びそのコンベヤ組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自走式処理機は、走行体上に搭載した処理機によって被処理物に所定の処理を施す機械である。例えば、被破砕物を破砕処理するジョークラッシャ、シュレッダ若しくは木材破砕機等の破砕装置を処理機として搭載した自走式破砕機、土砂等を土質改良材と混合する混合装置を搭載した自走式土質改良機、又は選別対象物を粒度に応じて選別する選別装置を搭載した自走式スクリーン等、自走式処理機には用途に応じた様々な種類のものが存在する。
【0003】
こうした自走式処理機には、通常、処理装置から排出された処理物を搬出するコンベヤが搭載されているが、このコンベヤの搬送方向の上流側の部分と下流側の部分とをピンで連結し、下流側の部分に対して上流側の部分が屈曲するように構成したものがある(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−122014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自走式処理機のコンベヤは、処理機から落下する処理物を受け止める関係上、その上流側の部分が左右の走行装置の間の空間において処理機の下方に位置し、走行体から吊り支持される場合がある。例えば上記特許文献1の自走式処理機の場合、コンベヤの下流側の部分を当該部分の前後両端部から所定距離にある2箇所の支持部材で走行体から吊り下げる一方、上流側の部分については、その上流側端部をシリンダで走行体から吊っている。こうした構成の場合、コンベヤを走行体に組み付けるとき、コンベヤの上流側と下流側とをピンで連結し、事前にピンの抜け止めの処置等を施してまずコンベヤ単体の組み立てを完了させた上で、これを上記のように走行体に組み付け、その後、駆動装置の油圧配管等を接続するのが通常である。
【0006】
しかしながら、このようにコンベヤが吊り構造である場合、コンベヤを走行体に組み付ける際には、コンベヤを地面から持ち上げて保持した状態で走行体に下から連結しなければならず、走行体下部の作業スペースが狭隘なこともあってコンベヤの組み付け作業は煩わしく労力を要していた。特に、コンベヤの上流側の部分と下流側の部分とをピンで連結したコンベヤにあっては、コンベヤフレームを屈曲構造としている分だけ構造が複雑であり、屈曲しないものに比べて組み立てや組み付け等に要する工程も多いので、製造時の組み立て工数、メンテナンス時等の分解及び組み立て作業に伴う稼動停止時間を低減するためにも、分解及び組み立ての作業性の改善が望まれる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、コンベヤの分解組み立ての作業性を改善することができる自走式処理機及びそのコンベヤ組み付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、被処理物を処理する自走式処理機において、左右の走行装置を有する走行体と、前記走行体上に設けた処理装置と、前記処理機から排出された処理物を搬出するコンベヤと、前記コンベヤのフレームの左右の壁面に機体左右方向の外側から挿し込まれたピンと、前記ピンと固定関係にあって前記コンベヤ側に設けられるブラケットとを備え、前記走行体の左右のトラックフレームの機体左右方向の内側の壁面に前記ブラケットを取り付けることにより、前記コンベヤを前記トラックフレームに取り付けたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記コンベヤは、前記走行体の前方に傾斜姿勢で取り付けた下流側コンベヤと、前記処理装置の下方に位置する上流側コンベヤとからなる屈曲式のコンベヤであって、前記ピンは、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとを連結していることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記トラックフレームは、機体前方に延在し前記ブラケットを取り付けるための取り付け部を有していることを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、走行体上に処理機を搭載した自走式処理機のコンベヤ組み付け方法において、ブラケットに固定したピンをコンベヤのフレームの左右の壁面に機体左右方向の外側から挿し込んだ後、コンベヤを吊り上げて前記ブラケットを前記走行体の左右のトラックフレームの機体幅方向の内側に重ね合わせ、機体幅方向の外側からボルトを挿入して前記トラックフレームに前記ブラケットを取り付けることにより、前記コンベヤを前記トラックフレームに取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンベヤの組み付け作業がピンの抜け止め作業を兼ね、ブラケットの固定も機体側部から行えるので、コンベヤの分解組み立ての作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る自走式処理機の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る自走式処理機の全体構成を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自走式処理機の全体構成を示す背面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたホッパ及びその周辺部分を左後方から俯瞰した斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたホッパ及びその周辺部分を右前方から俯瞰した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたホッパ及びその周辺部分を正面から俯瞰した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたホッパ及びその周辺部分背面から俯瞰した斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられた排出コンベヤの中間部の支持構造を表した部分側面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられた排出コンベヤの中間部の支持構造を右前方から表した斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられた排出コンベヤの中間部の支持構造を右下方から表した斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられた排出コンベヤの中間部の支持構造を前方から見た正面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたブラケットの構成図であり、機体に取り付けた状態で機体幅方向の外側から見た側面図に相当する。
【図13】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたブラケットの構成図であり、機体に取り付けた状態で機体前方から見た正面図に相当する。
【図14】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたブロックの構成図であり、機体に取り付けた状態で機体幅方向の外側から見た側面図に相当する。
【図15】本発明の一実施形態に係る自走式処理機に備えられたブロックの構成図であり、機体に取り付けた状態で機体前方から見た正面図に相当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明の自走式処理機の実施形態を説明する。
【0015】
1.構成
図1は本発明の一実施形態に係る自走式処理機の全体構成を示す側面図、図2はその平面図、図3は背面図である。本実施形態では、岩石等の被破砕物を破砕処理する自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、図1及び図2中の右左を自走式処理機の前後とする。
【0016】
図1及び図2に示した自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)100は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を破砕対象とし、これらを被破砕物として受け入れて破砕するものである。この自走式破砕機100は、走行体1、及びこの走行体1上に設けた破砕機本体部2を備えており、走行体1によって自走可能である。
【0017】
走行体1は、左右の走行装置3、及び破砕機本体部2のベースとなる本体フレーム4を備えている。左右の走行装置3はそれぞれ、トラックフレーム5、トラックフレーム5の前後両端に設けた駆動輪6及び従動輪7、従動輪7と駆動輪6に掛け回した履帯8、並びに駆動輪6の軸に連結した走行用駆動装置9を備えている。本体フレーム4は、トラックフレーム5の上部に接続されていて、前後方向に水平に延在している。
【0018】
破砕機本体部2は、被破砕物を受け入れるホッパ10、ホッパ10に受け入れた被破砕物を搬送するグリズリフィーダ11、グリズリフィーダ11により供給された被破砕物を破砕するジョークラッシャ(破砕装置)12、ジョークラッシャ12で破砕した破砕物等を機外に排出する排出コンベヤ13、及び機体各所に搭載した作動装置の動力源等を内蔵した動力装置(パワーユニット)14を備えている。
【0019】
ホッパ10は、本体フレーム4の後方部分の上部に設けた架台状の支持部材15に対して支持ポスト16を介して固定されていて、グリズリフィーダ11の上部に位置している。このホッパ10の構成については後で詳述する。
【0020】
グリズリフィーダ11は、ホッパ10の下方に位置し、ホッパ10とは別個にスプリング17を介して支持部材15に支持されている。このグリズリフィーダ11の本体内には、左右方向(図2中上下方向)に列設された櫛歯18を前部に有する複数(本実施形態では2つ)のグリズリプレート19が前方に向かって下る階段状に固定されている。そして、グリズリフィーダ11の本体下部には、図1に示すように、このグリズリフィーダ本体を振動させる起振機(フィーダ用駆動装置)20が固定されており、起振機20によってグリズリフィーダ本体が加振されると、グリズリプレート19上の被破砕物が前方に搬送され、櫛歯18間の隙間寸法よりも小さな被破砕物中の細粒(いわゆるズリ)等が櫛歯18の隙間から落下し、それよりも粒度の大きな被破砕物が櫛歯18上を移動してジョークラッシャ12に供給される。
【0021】
なお、グリズリフィーダ11の櫛歯18の下方にはシュート21が設けられており、櫛歯18間の隙間から落下するズリ(細粒分)等はシュート21によって排出コンベヤ13の後端付近に導かれる。
【0022】
ジョークラッシャ12は、ホッパ10及びグリズリフィーダ11の前方に位置し、本体フレーム4の前後方向中央付近に支持されている。このジョークラッシャ12には、互いの間隙空間(破砕室)が下方に向かって縮径するよう対向配置した一対の固定歯及び動歯(ともに図示せず)を備えている。動歯のスイングジョーは上端部がフライホイール(図示せず)に連結されており、フライホイールに破砕装置用駆動装置(図示せず)の回転動力が伝達されると、フライホイールの回転運動が動歯の揺動運動に変換され、動歯が下部を支点にして前後方向に揺動するような動きをする。このように固定歯に対して動歯が揺動運動することにより、動歯及び固定歯間の破砕室に導入された被破砕物を動歯及び固定歯で噛み砕いて破砕する構成である。
【0023】
排出コンベヤ13は、支持部材等を介し本体フレーム4等から吊り下げ支持されたコンベヤフレーム22、コンベヤフレーム22の両端に設けた従動輪及び駆動輪(ともに図示せず)、従動輪及び駆動輪に掛け回したコンベヤベルト23(図3参照、図2では図示省略)、及び駆動輪を回転駆動させる排出コンベヤ用駆動装置(図示せず)等を備えている。排出コンベヤ用駆動装置によって駆動輪が回転駆動されると、従動輪との間に掛け回されたコンベヤベルト23が循環駆動する。この排出コンベヤ13は、左右のトラックフレーム5の間のシュート21の下方位置(履帯8の後端付近)からジョークラッシャ12の下方を通って前方に延在し、動力装置14の下方(履帯8の前端付近)あたりで屈曲して前方に向かって斜めに立ち上がっている。この排出コンベヤ13の支持構造については後で詳述する。
【0024】
排出コンベヤ13の上方には、排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機24が備えられている。この磁選機24は、動力装置14よりも前方に延在する本体フレーム4の前端部4a上に立設した支持部材24aから吊り下げられている。
【0025】
動力装置14は、ジョークラッシャ12の前方に位置するように本体フレーム4上に支持されている。特に図示していないが、この動力装置14内には、ジョークラッシャ12の動力源であるエンジン、エンジンによって駆動される油圧ポンプ、及び油圧ポンプから吐出された圧油の流通方向や流量を制御して対応の油圧アクチュエータに供給する制御弁等が備えられている。例えば前述した走行用駆動装置9や起振機20、破砕装置用駆動装置、排出コンベヤ用駆動装置等を油圧モータとした場合、これらはエンジンで駆動される油圧ポンプからの圧油によって動作する。
【0026】
図1に示すように機体側面(本実施形態では右側面)には、上述した破砕機本体部2に搭載された油圧機器やエンジン等を操作する操作盤25、及び走行体1を操作する有線操作式又は無線操作式の遠隔操作手段等を収納する収納ボックス26が、動力装置14の下側に位置するように配置されている。操作盤25は、機体の側方に向かって開口した操作盤筐体に収容されており、操作盤筐体の開口部には透明な開閉扉が取り付けられている。本実施形態において、収納ボックス26は操作盤25の前側に配置されているが、この前後関係は特に限定されない。
【0027】
図4は本実施形態の自走式処理機のホッパ及びその周辺部分を左後方から俯瞰した斜視図、図5は同部分を右前方から俯瞰した斜視図、図6は正面から俯瞰した斜視図、図7は背面から俯瞰した斜視図である。
【0028】
ホッパ10は、ホッパ本体部27、及びホッパ本体部27に設けた煽り部材28を備えている。
【0029】
ホッパ本体部27は、全体として上方に拡開した形状の部材であり、投入された被破砕物をグリズリプレート19上に導く役割を果たす。このホッパ本体部27は、上方に向かって機体幅方向外側に傾斜した左右の側部側壁29L,29R、及び側部側壁29L,29Rの後端部の内法空間を閉塞する後部側壁30を有しており、グリズリプレート19の上方の空間の左右の側部及び後部を囲う一方で、ジョークラッシャ12に通ずるグリズリフィーダ11の前方を開放している。側部側壁29L,29Rの下端部は、グリズリフィーダ11のグリズリプレート19の前後左右を囲う枠状の本体部のうちの左右の側壁の上部に、後部側壁30の下端部は、グリズリフィーダ11の本体部のうちの左右の後部側壁の上部に、それぞれ近接している。
【0030】
煽り部材28は、ホッパ本体部27の上部開口を囲う部材であり、一旦ホッパ本体部27に入った被破砕物のこぼれを抑制する役割を果たす。この煽り部材28は、ホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rのそれぞれ前端部に設けた前部煽り板31FL,31FR、側部側壁29L,29Rのいずれか一方の上端部に設けた側部煽り板31S、及び後部側壁30の上端部に設けた後部煽り板31Rを有している。
【0031】
まず、前部煽り板31FL,31FRは、ホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rのそれぞれ前端部に鉛直に立設されていて、ホッパ10の内側を向く壁面である後面がフラットに形成されている。これら前部煽り板31FL,31FRの上下左右の外縁部にはホッパ10の外側(前方)に突出した平板状のリブが立てられており、これらリブは枠状に接続されている。下部のリブはホッパ10の側部側壁29L,29Rに対する取り付け部31Fa(図5等参照)になっており、この取り付け部31Faをボルト等で固定することで前部煽り板31FL,31FRがホッパ10の側部側壁29L,29Rに対して固定されている。また、機体幅方向の外側(左側の前部煽り板31FLであれば左側)のリブは側部煽り板31Sに対する取り付け部31Fb(図5等参照)になっており、この取り付け部31Fbをボルト等で固定することで前部煽り板31FL又は31FRが側部煽り板31Sに対して固定されている。さらに、機体幅方向の内側(左側の前部煽り板31FLであれば右側)のリブには、グリズリフィーダ11からジョークラッシャ12への被破砕物の流れをガイドするガイド板32L,32Rがボルト等で連結されている。ガイド板32L又は32Rは、鉛直に立っていて、前部煽り板31FL,31FRから前方のジョークラッシャ12の入口にかけて延在している。
【0032】
また、本実施形態において、前部煽り板31FL,31FRは台形状に形成されている。前部煽り板31FL,31FRの上下の辺は互いに平行でホッパ10の側部側壁29L,29Rに合わせて上方に向かって機体幅方向の外側に傾斜する一方で、グリズリフィーダ11に近い機体幅方向の内側の辺は上記ガイド板32L,32Rに合わせて鉛直に立っている。他方、グリズリフィーダ11から遠い機体幅方向の外側の辺は、連結される側部煽り板31Sに合わせて上方に向かって機体幅方向の内側に傾斜している。
【0033】
さらに、前部煽り板31FL,31FRの上下のリブの間には当該リブに直交する方向に延在する補強部材が設けられており、前部煽り板31FL,31FRには、投入重機により投入される被破砕物との衝突に十分に耐え得る強度が与えられている(図5及び図6参照)。
【0034】
次に、側部煽り板31Sは、ホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rのいずれかの上端部に選択的に立設されていて、ホッパ10の内側を向く機体幅方向内側の壁面がフラットに形成されている。この側部煽り板31Sは、上方に向かって機体幅方向内側に傾斜していて、本実施形態ではホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rに対して直交する方向に起立している。また、側部煽り板31Sの上下前後の外縁部には、前部煽り板31FL,31FRと同様、ホッパ10の外側(機体幅方向の外側)に突出した平板状のリブが立てられており、これらリブは枠状に接続されている。前部煽り板31FL,31FRと同様、側部煽り板31Sにおいても、ホッパ10の外側を向いた面における上下のリブの間には当該リブに直交する方向に延在する補強部材が設けられており、側部煽り板31Sには、投入重機により投入される被破砕物との衝突に十分に耐え得る強度が与えられている(図4、図6及び図7参照)。
【0035】
このとき、前部煽り板31FL,31FRと異なり、側部煽り板31Sの下部のホッパ10の側部側壁29L又は29Rに対する取り付け部31Sa(図5参照)は、機体幅方向の外側に突出したリブとは別に、ホッパ10の内側(つまり機体幅方向の内側)に突出して設けられている。当該取り付け部31Saをホッパ本体部27の左右いずれかの側部側壁29L又は29Rに締結することで、側部煽り板31Sが側部側壁29L又は29Rに対して固定されている。ホッパ本体部27の側部煽り板31Sと反対側の側部側壁29L又は29R(図1−図7では29R)においては、側部煽り板31Sを締結するためのボルト穴が露出するため、当該側部側壁には、ボルト穴を塞ぐためにフラットバー状のシート31Sb(図4等参照)をボルト締結してある。
【0036】
また、本実施形態において、側部煽り板31Sは矩形状に形成されている。矩形状であるため、ホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rのいずれに取り付け場合であっても、前部煽り板31FL,31FR及び後部煽り板31Rとの取り合いが変化せず、左右を入れ替えて自在に着脱することができる。
【0037】
なお、本実施形態において、側部煽り板31Sは、ガイド板32L,32Rに高さを合わせた前部煽り板31FL,31FRに比べて高さ方向の寸法(上辺と下辺の間の距離)が大きく、上辺から下辺までの面幅寸法は、例えばホッパ本体部27の側部側壁29L,29Rのそれと同程度の寸法を確保してある。
【0038】
最後に、後部煽り板31Rは、ホッパ本体部27の後部側壁30の上端部に鉛直面に沿って上方に延在していて、ホッパ10の内側を向く前側の壁面がフラットに形成されている。この後部煽り板31Rの上下前後の外縁部には、側部煽り板31Sと同様、ホッパ10の外側(機体後側)に突出した平板状のリブが立てられており、これらリブは枠状に接続されている。左右のリブは側部煽り板31Sに対する取り付け部31Ra(図7等参照)になっており、この取り付け部31Raを側部煽り板31Sとボルト等で固定することで後部煽り板31Rが側部煽り板31Sに対して固定されている。それに対し、後部煽り板31Rの下部の取り付け部31Rb(図6等参照)は、側部煽り板31Sと同様、後方に突出したリブとは別に、ホッパ10の内側(前方)に突出して設けられていて、当該取り付け部31Rbをホッパ本体部27の後部側壁30に締結することで、後部煽り板31Rが後部側壁30に対して固定されている。
【0039】
また、本実施形態において、後部煽り板31Rは左右対称の台形状に形成されている。後部煽り板31Rの上下の辺は互いに平行で水平に延在する一方で、左右の斜辺は、連結される側部煽り板31Sの傾斜角に合わせて上方に向かって機体幅方向の内側に傾斜しており、側部煽り板31Sの左右の付け替えを許容している。また、前部煽り板31FL,31FR及び側部煽り板31Sと同様、後部煽り板31Rにおいても、ホッパ10の外側を向いた面(後面)における上下のリブの間には当該リブに直交する方向(鉛直方向)に延在する補強部材が設けられており、後部煽り板31Rには、投入重機により投入される被破砕物との衝突に十分に耐え得る強度が与えられている(図4及び図7参照)。
【0040】
なお、本実施形態において、後部煽り板31Rの高さ方向の面幅寸法(上辺と下辺の間の距離)は、側部煽り板31Sのそれと同程度に設定し、後部煽り板31Rと側部煽り板31Sの上辺が水平に連続するようにしてある。
【0041】
ところで、図1及び図2では図示省略したが、図4、図5及び図7に示したように、ホッパ本体部27の外壁面、具体的には、側部煽り板31S及び後部煽り板31Rを設けた側(図1−図7では左側)の外壁面には、ホッパ10の下部のグリズリフィーダ11や排出コンベヤ13等の機器の周囲を覆うようにしてカーテン状の保護部材33R1,33R2,33Sが垂設されている。これら保護部材33R1,33R2,33Sは、上下に延びる細長の短冊状の複数のラバーの集合体であり、保護部材33R1,33R2,33Sの水平断面で見た場合、ラバーは隣接するもの同士が一部重なり合うように千鳥状に配列されている。主面(広い面)を後方に向けた後部の保護部材33R1,33R2は、所定の間隙を介して前後に重なってホッパ本体部27の後部に配設されており、保護部材33R1はホッパ10を支持する架台状の支持部材15の後面に、保護部材33R2はホッパ本体部27の上部開口の後縁部に、それぞれ上端部が抑え板34を介してボルトで止められている。主面を機体側方に向けた側部の保護部材33Sは、ホッパ本体部27の上部開口の側縁部(図示した状態では右縁部)に上端部が抑え板34を介してボルトで止められている。保護部材33R1,33R2,33Sはいずれも抑え板34の付け外しで着脱可能である。また、側部の保護部材33Sは、側部煽り板31Sと反対側に取り付けられており、側部煽り板31Sを左右のどちらに設置するかによってホッパ本体部27の左右のいずれの側にも取り付け可能である。
【0042】
図8は排出コンベヤの中間部の支持構造を表した部分側面図、図9はその斜視図、図10は下方から見た斜視図、図11は前方から見た正面図である。図8では履帯8を取り外した状態を図示してある。
【0043】
排出コンベヤ13は、上流側コンベヤ13a及び下流側コンベヤ13bからなる屈曲式のコンベヤである。上流側コンベヤ13a及び下流側コンベヤ13bの両コンベヤフレーム22a,22bはピン41で連結されるとともに、このピン41等(詳細は後述)によってトラックフレーム5に対して連結されており(図10等参照)、上流側コンベヤ13aに対して下流側コンベヤ13bが屈曲した構成となっている。上流側コンベヤ13aのコンベヤフレーム22aは、前端部がピン41を介してトラックフレーム5に連結される一方で、後端部が支持部材35(図3及び図4参照)を介して本体フレーム4から吊り下げ支持されており、左右の履帯8の間の空間においてシュート21及びジョークラッシャ12の下方から前方に概ね水平に延在している。下流側コンベヤ13bのコンベヤフレーム22bは、後端部がピン41を介してトラックフレーム5に連結される一方で、図1及び図2に示したように、前後方向の中間部が本体フレーム4の先端部4aに支持されていて、走行体1の前方に左右の走行装置3の間の空間から下流側に上る傾斜姿勢で取り付けられている。
【0044】
ピン41は、排出コンベヤ13の左右両側に存在し、いずれもコンベヤフレーム22の左右の壁面(厳密にはコンベヤフレーム22a,22bの対向端部に設けたブラケット22aa,22ba(図10参照))に機体左右方向の外側から挿し込まれている。このピン41はブラケット42に例えば溶接によって固定されており、ブラケット42とは固定関係にある。したがって、ブラケット42は排出コンベヤ13側に設けられている。ブラケット42はブロック43を介してトラックフレーム5の取り付け部44にボルト45で固定されているため、ピン41はブラケット42及びブロック43を介してトラックフレーム5に固定関係にある。ブロック43はボルト45とは別に、ボルト46によっても取り付け部44に固定されている。
【0045】
取り付け部44は、トラックフレーム5におけるブラケット42を取り付けるための部分であって、機体前方に延在する鉛直姿勢の板状の部材である。具体的には、トラックフレーム5における駆動輪6及び従動輪7を支持する部分をベース部47、ベース部47の機体幅方向内側に接続し本体フレーム4に向かって立ち上がる部分をポスト部48とすると、取り付け部44は、その後端部がポスト部48の機体幅方向内側の壁面に溶接されて当該壁面に一体化されており、ポスト部48の機体幅方向内側の壁面を前方に一部延長したような構成となっている。また、取り付け部44の上端部は本体フレーム4に対して溶接され、さらに構造強度が高められている。このような構成であるため、左右の取り付け部44の間隔は、左右のトラックフレーム5のポスト部48の間隔にほぼ等しくすることができる。
【0046】
図12及び図13は上記ブラケット42を抜き出して示した構成図であり、図12は機体に取り付けた状態で機体幅方向の外側から見た側面図、図13は機体前方から見た正面図に相当する。
【0047】
図12及び図13において、ブラケット42は、鉛直姿勢で取り付けられる平板状の部材であり、主面(一番広い面)の形状に特別な限定はないが、本実施形態では四角形の下側の2つの角を斜めに落とした六角形状に形成されている。言い換えれば、下底が短い台形状のピン支持部42a、及びこのピン支持部42aの上底から上方に延びるボルト締結部42bからなっている。下側のピン支持部42aには、上記ピン41が貫通しており、このピン41はピン支持部42aに溶接されている。上側のボルト締結部42bには、雌ねじを切ったボルト穴49a−49dが2行2列の配置で設けられている。ピン41及びボルト穴49a−49dの配置、並びにブラケット42の形状は、機体左右方向から見ら側面視で前後対称(図12における左右対称)になっている。
【0048】
図14及び図15は上記ブロック43を抜き出して示した構成図であり、図14は機体に取り付けた状態で機体幅方向の外側から見た側面図、図15は機体前方から見た正面図に相当する。
【0049】
図14及び図15において、ブロック43は、鉛直姿勢で取り付けられる平板状のベース43a、ベース43aのブラケット42との対向面に溶接した取り付け部43b、及びベース43aにおける取り付け部43bの上方に溶接した裏ナット43cを備えている。ベース43aの主面(一番広い面)の形状に特別な限定はないが、本実施形態では四隅にRを付けた(四隅を丸めた)四角形状に形成されている。取り付け部43bは、ベース43aよりも面積の小さな四角形状の平板であってブラケット42のボルト締結部42bに対向する部分であり、ベース43aの下側に寄せて取り付けられている。取り付け部43bには、貫通孔50a−50dが2行2列の配置で設けられている。貫通孔50a−50dはベース43aを貫いている。一方、裏ナット43cは、取り付け部43bの上部に1行2列の配置で設けられている。ベース43aにおける裏ナット43cの対応位置には、裏ナット43cの雌ねじ43caよりも僅かに径の大きな貫通孔5e,50fが設けられている。貫通孔50a−50f、ベース43a、取り付け部43b及び裏ナット43cの形状及び配置は、機体左右方向から見ら側面視で前後対称(図14における左右対称)になっている。
【0050】
2.組み立て手順
本実施形態において、排出コンベヤ13を走行体1に組み付ける場合、まず、組み付け前に排出コンベヤ13を予め組み立てておく。このとき、上流側コンベヤ13a及び下流側コンベヤ13bの互いのコンベヤフレーム22a,22bは、それぞれ左右方向の外側からブラケット22aa,22baに挿し込まれたピン41で連結された状態にあるが、ピン41に割ピン等の抜け止めをする必要はなく、ピン41及びブラケット42については仮組みに止めておく。
【0051】
また、これに前後して、走行体1側においては、トラックフレーム5の取り付け部44の機体左右方向の内側の面に上記ブロック43を合わせ、機体左右方向の外側からボルト46を挿し込み、ボルト46をブロック43の裏ナット43cに螺合してブロック43をトラックフレーム5に取り付けておく。この時点においては、走行体1には、ジョークラッシャ12やグリズリフィーダ11、ホッパ10、或いは動力装置14等が組み付けられている必要は必ずしもないが、排出コンベヤ13を組み付けるに当たって自走して排出コンベヤ13との位置関係を調整できると作業性が良くなる場合があるため、その場合には動力装置14を搭載しておくことが好ましい。
【0052】
続いて、排出コンベヤ13を走行体1の左右の走行装置3の間に入れ(若しくは排出コンベヤ13上に走行体1を移動させ)、排出コンベヤ13をクレーンやチェーンブロック等の吊上げ手段で吊り上げる。そして排出コンベヤ13を吊り姿勢で保持し、上流側コンベヤ13aに支持部材35を連結して本体フレーム4から吊り下げるとともに、下流側コンベヤ13bを本体フレーム4の前端部4aに連結する。そして、これと前後して、ピン41によって上流側コンベヤ13aと下流側コンベヤ13bに仮留めされた状態のブラケット42をトラックフレーム5に取り付けておいたブロック43の内側に重ね合わせて、機体左右方向の外側からボルト45を挿し込み、ボルト45をブラケット42のボルト穴49a−49dに螺合することによって、ブラケット42をトラックフレーム5の機体左右方向の内側の壁面に連結する。この連結を完了すると、ピン41はコンベヤフレーム22を外側から抱え込んだ状態でトラックフレーム5に対して固定され、トラックフレーム5によって拘束されるため、コンベヤフレーム22に対してピン41が左右に移動することがなくなり、コンベヤフレーム22がピン41から脱落することがなくなる。
【0053】
その後、ジョークラッシャ12やグリズリフィーダ11、ホッパ10、或いは動力装置14等の組み付けがまだであれば、順次それらを走行体1に組み付けていけば、自走式破砕機100の組み立てが完了する。
【0054】
なお、本実施形態では、排出コンベヤ13の上流側コンベヤ13aと下流側コンベヤ13bとをピン41で連結し、上流側コンベヤ13aが下流側コンベヤ13bに対して屈曲する構成であるため、例えば支持部材35に代えてシリンダ(図示せず)を介して上流側コンベヤ13aの上流側端部を本体フレーム4に連結することで、ピン41を支点にして上流側コンベヤ13aを上下に揺動させることができる。このように構成した場合、シリンダのみで上流側コンベヤ13aを保持するのではなく、角度に応じて選択的に上流側コンベヤ13aを保持できる支持部材を並設することが望ましい。
【0055】
3.動作
次に上記構成の自走式破砕機100の動作を説明する。
【0056】
破砕動作中の自走式破砕機100に対し、例えばホイールローダ等の投入重機によってホッパ10に被破砕物を投入する。このとき、図1−図7の構成では、煽り部材28のない機体右側から被破砕物をホッパ本体部27に投入する。投入された被破砕物はグリズリフィーダ11上に導かれ、ジョークラッシャ12に向かって搬送される。その際、グリズリプレート19の各櫛歯18間の隙間よりも小さな細粒(ズリ等)は、その隙間からシュート21を介して排出コンベヤ13上に導かれ、それより大きな被破砕物(大塊)がジョークラッシャ12に供給される。ジョークラッシャ12に供給された被破砕物は、固定歯及び動歯間の破砕室の出口隙間に応じた粒度に破砕処理されて下方の排出コンベヤ13上に落下する。ジョークラッシャ12で破砕された破砕物は、グリズリフィーダ11で粒度選別された細粒と合流して排出コンベヤ13によって前方に搬送され、その途中で磁選機24によって鉄筋等の異物を吸着除去された上で機外に搬出される。
【0057】
4.作用効果
本実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
【0058】
(1)排出コンベヤ13の組み付け及び分解の作業性の向上
まず、コンベヤフレーム22の中間部分、本実施形態では上流側及び下流側コンベヤ13a,13bの連結部を走行体1に対してピン41で連結するに当たって、ピン41に固定されたブラケット42がブロック43を介してトラックフレーム5の取り付け部44に固定されるため、排出コンベヤ13を走行体1に組み付ける前の段階では単にコンベヤフレーム22に挿入されているだけの状態のピン41が、排出コンベヤ13の組み付けによってコンベヤフレーム22から抜けないように拘束される。しかも、この連結作業に使用されるボルト45,46は、いずれも機体幅方向の外側から機体幅方向の内側に向けて水平にねじ込まれるようになっており、なおかつ図9等に示したようにボルト45,46の取り付け部44がトラックフレーム5のポスト部48から前方に突出していて機体側部からアクセスできる構成であるため、走行体1の下部に潜り込まなくても、走行装置3越しにボルト45,46をねじ込むことができる。
【0059】
上記のように、上流側コンベヤ13a及び下流側コンベヤ13bを連結するピン41を排出コンベヤ13及び走行体1の連結手段の一部に利用し、排出コンベヤ13の組み付け作業でピン41の固定作業が兼用するとともに、その際の作業も機体側部から容易に行うことができるようにしたため、排出コンベヤ13の分解組み立ての作業性を改善することができ、ひいては製造時の組み立て工数、メンテナンス時等の分解・組み立て作業に伴う稼動停止時間を低減することができる。
【0060】
(2)排出コンベヤ13の拡幅の可能性
また、一般にコンベヤフレームの中間部分は、走行体の本体フレームから支持部材を介して吊り下げられているところ、その支持部材はコンベヤフレームの上面に連結される。そして、この支持部材はトラックフレームよりも機体幅方向の内側に設置されるため、排出コンベヤとトラックフレームの間に間隙が存在し、左右のトラックフレームの間のスペースにあって排出コンベヤの幅を十分にとることが難しかった。
【0061】
それに対し、本実施形態においては、ピン41、ブラケット42及びブロック43を介してコンベヤフレーム22をトラックフレーム5に連結する構成であるため、排出コンベヤ13とトラックフレーム5の間の間隙を縮小するのに有利であり、左右のトラックフレーム5間のスペースを有効に活用して排出コンベヤの幅をとることができる。このように排出コンベヤ13の拡幅に寄与する意味においては、本実施形態ではピン41を固定したブラケット42とトラックフレーム5の取り付け部44との間にブロック43を介在させたが、ブロック43を省略してブラケット42を取り付け部44に直接連結する構成も考えられる。
【0062】
(3)強度の向上
排出コンベヤ13の中間部を支持部材で吊り下げ支持する構成の場合、稼動中の振動等によって水平方向に揺れ易いが、本実施形態ではトラックフレーム5に連結することによって剛性が高まり、排出コンベヤ13の揺動を抑制することができる。
【0063】
5.その他
上記実施形態では、上流側コンベヤ13aが下流側コンベヤ13bに対してピン41を支点に屈曲可能な排出コンベヤ13を例示したが、必ずしも排出コンベヤ13が屈曲構造である必要はなく、本実施形態は、屈曲しない固定フレームタイプの排出コンベヤにも適用可能である。フレームが固定式であっても側部からピン41を挿し込んでブラケット42等を介してトラックフレーム5に連結することは可能であるためである。
【0064】
また、トラックフレーム5のポスト部48から取り付け部44を前方に突出させて機体側方からのボルト45,46の操作をし易く構成したが、ピン41を介してコンベヤフレーム22をトラックフレーム5に連結する上では、取り付け部44が前方に突出している必要は必ずしもなく、例えばトラックフレーム5のポスト部48の機体幅方向内側の壁面にブラケット42等を直接連結する構成とすることもできる。
【0065】
また、ホッパ10(被破砕物の受け入れ側)と反対側に排出コンベヤ13を設けた自走式破砕機100に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、ホッパと同じ側に排出コンベヤを設けた構成の自走式破砕機にも本発明は適用可能である。また、走行手段として無限軌道の履帯8を有するクローラ式の自走式破砕機100に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、走行手段としてタイヤを有するホイール式の自走式処理機にも本発明は適用可能である。これらの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、本発明は、自走式破砕機に限らず、いわゆる自走式土質改良機や自走式スクリーン等、リサイクル品の生産又は生産補助に関わる処理装置を走行体上に搭載した自走式処理機全般に適用可能である。具体的には、揺動する動歯と固定歯との間に岩石等の被処理物を供給して破砕する破砕装置(ジョークラッシャ)12を処理装置として備えた自走式破砕機100に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、例えば、破砕刃を有する一対のロール状の回転体の間に岩石等の被処理物を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(ロールクラッシャ等)、タイヤや家電製品等をせん断破砕するせん断式破砕装置(シュレッダ)、複数個の刃物を備えた打撃板による打撃と反発板への衝突によって岩石等の被処理物を破砕する破砕装置(インパクトクラッシャ)、カッタを備えたロータやビット付きのロータ及び反発板で木材、枝木材、建設廃木等の被処理物を破砕する破砕装置(木材破砕装置)等、他の方式の破砕装置を備えた自走式破砕機にも本発明は適用可能である。また、例えば建設現場で発生する建設発生土を被処理物として土質改良材と混合処理することで処理物(改良土)を生産する自走式土質改良機や、被処理物を粒度に応じて選別処理するスクリーン(篩装置)を備えた自走式スクリーン等にも本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 走行体
3 走行装置
5 トラックフレーム
12 ジョークラッシャ(処理装置)
13 排出コンベヤ(コンベヤ)
13a 上流側コンベヤ
13b 下流側コンベヤ
22,22a,b コンベヤフレーム
41 ピン
42 ブラケット
44 取り付け部
45,46 ボルト
100 自走式処理機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を処理する自走式処理機において、
左右の走行装置を有する走行体と、
前記走行体上に設けた処理装置と、
前記処理機から排出された処理物を搬出するコンベヤと、
前記コンベヤのフレームの左右の壁面に機体左右方向の外側から挿し込まれたピンと、
前記ピンと固定関係にあって前記コンベヤ側に設けられるブラケットとを備え、
前記走行体の左右のトラックフレームの機体左右方向の内側の壁面に前記ブラケットを取り付けることにより、前記コンベヤを前記トラックフレームに取り付けたことを特徴とする自走式処理機。
【請求項2】
前記コンベヤは、前記走行体の前方に傾斜姿勢で取り付けた下流側コンベヤと、前記処理装置の下方に位置する上流側コンベヤとからなる屈曲式のコンベヤであって、
前記ピンは、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとを連結していることを特徴とする請求項1に記載の自走式処理機。
【請求項3】
前記トラックフレームは、機体前方に延在し前記ブラケットを取り付けるための取り付け部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の自走式処理機。
【請求項4】
走行体上に処理機を搭載した自走式処理機のコンベヤ組み付け方法において、
ブラケットに固定したピンをコンベヤのフレームの左右の壁面に機体左右方向の外側から挿し込んだ後、
コンベヤを吊り上げて前記ブラケットを前記走行体の左右のトラックフレームの機体幅方向の内側に重ね合わせ、
機体幅方向の外側からボルトを挿入して前記トラックフレームに前記ブラケットを取り付けることにより、前記コンベヤを前記トラックフレームに取り付ける
ことを特徴とする自走式処理機のコンベヤ組み付け方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate