説明

自転車有料レンタル方法、自転車有料レンタル装置、有料貸出し用自転車

【課題】 従来の方法では利用を終了させずに自転車を施錠できない、会員が利用履歴等を確認できない等の不都合があった。
【解決手段】 本発明の自転車有料レンタル方法は、自転車に装備された情報入力装置に利用者情報が読み取られて自転車が解錠されて利用可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、当該自転車は一時施錠を解錠して再利用することができ、利用が終了されると、利用開始から利用終了までの利用料金が精算されるようにした方法である。本発明の自転車有料レンタル装置は、前記方法実施のための装置であり、情報入力装置及び施錠装置が装備された貸出し用自転車と、その貸出し用自転車の操作又は/及び情報を遠隔管理する管理センターを備える。本発明の有料貸出し用自転車は情報入力装置と施錠装置を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車を有料で貸出す自転車有料レンタル方法、その方法の実施に用いる自転車有料レンタル装置と有料貸出し用自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車を有料で貸出す自転車有料レンタル方法として、特許文献1に示すような方法があった。この自転車有料レンタル方法において、自転車を借りる場合、利用希望者は事前に運営会社に会員登録を行い、その上でその会員が会員番号に基づいて運営会社に会員か否かの認証を取り、認証が取れた場合に自転車のロックが解錠されて自転車を利用可能となる。貸出しを終了する場合、その会員が貸出し中に終了操作を行い、運営会社がそれを認証すると自転車が施錠されて貸出しを終了する。この自転車レンタル方法によると、借りた自転車を任意の返却場所に返却することができる。利用料金は、自転車にセットして使用するプリペイドカード等に入金された仮想通貨を終了処理の際に引き落とす事によって精算されるようにしてある。
【0003】
【特許文献1】特開2002−133510号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の自転車有料レンタル方法は次のような課題がある。
(1)自転車の貸出し中に自転車を一時的に施錠しようとする場合、その都度貸出しを終了させなければならないため、一々料金がかかり利用料金が嵩む。また、例えばある会員がレンタル中の自転車を一時的に施錠して用事を済ませている間に、他の会員がその自転車をレンタルして乗って行ってしまう等の不都合もある。そのような不都合を防ぐためには自転車に別途鍵を備えなければならず不便であった。
(2)自転車の貸出し中はプリペイドカード等を自転車にセットしておかなければならないため、自転車をレンタルしている間はそのプリペイドカード等を他の目的で使用することができず、不便である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、利用者が借りた自転車を任意の場所で返却でき、且つ自転車の利用中に利用を終了させることなく一時的に自転車を施錠することもでき、各利用者が利用者や自転車に関する各種情報の報知を受けられる自転車有料レンタル方法と、その方法の実施に使用される自転車有料レンタル装置及び有料貸出し用自転車を提供するものである。
【0006】
本件出願の自転車有料レンタル方法は、請求項1記載のように、貸出し自転車を有料で利用できる自転車レンタル方法において、自転車に装備されている情報入力装置に利用者情報が入力されると又は読み取られるとその自転車が解錠されて又は解錠して利用可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、当該自転車は一時施錠を解錠して再利用することができ、一時施錠とその解錠は利用終了までに所望回数行なうことができ、自転車の利用が終了されると利用開始から利用終了までの利用料金が精算されるようにした方法である。
【0007】
本件出願の自転車有料レンタル装置は、請求項2記載のように、貸出し自転車を有料で利用できる自転車レンタル装置において、利用者情報を入力又は読み取り可能な情報入力装置及び施錠・解錠可能な施錠装置が装備された貸出し用自転車と、その貸出し用自転車の操作又は/及び情報を遠隔管理する管理センターを備え、前記自転車はその情報入力装置に利用者情報が入力されると又は読み取られると解錠されて又は解錠して利用可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、一時施錠とその解錠は利用終了まで所望回数行なうことができ、管理センターは自転車の操作又は/及び情報を管理でき、自転車の利用が終了されると、利用開始から利用終了までの利用料金を精算管理できるものである。
【0008】
本件出願の有料貸出し用自転車は、請求項3記載のように、自転車の有料レンタルにおいて利用される貸出し用自転車において、情報入力装置と施錠装置を備え、情報入力装置はカードなどの記録情報を読取り可能又は入力操作により情報入力可能であり、施錠装置は情報入力装置に利用者情報が入力され又は情報入力装置で利用者情報が読み取られることによって解錠又は施錠されて自転車が利用可能又は利用終了可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、一時施錠とその解錠は利用終了まで所望回数行なうことができるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の自転車有料レンタル方法は次のような効果がある。
(1)個々の自転車に装備されている情報入力装置を用いて利用開始の操作及び利用終了の操作が可能であるため、自転車の貸出し・返却処理を行なうために大規模な駐輪場や駐輪ボックスが必要なくなり、駐輪ターミナルに必要なスペースが少なく済む。また、大規模な駐輪場や駐輪ボックス以外の場所でも自転車を返却でき、利用者が所望の場所で自転車を乗り捨てることも可能となる。
(2)利用者は利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、当該自転車は一時施錠を解錠して再利用することができ、一時施錠とその解錠は利用終了までに所望回数行なうことができるようにしたので、自転車を一時的に駐輪する度に利用を終了させる必要がなくなり、利用料金を抑えることができる。また、一時的に駐輪させている間に他の利用者に自転車をレンタルされて持っていかれてしまうおそれもなくなる。別途自転車に一時駐輪用の鍵を取り付ける必要もなくなる。
(3)自転車に装備された情報入力装置を、情報読取り部を備える情報読取り方式とした場合は、プリペイドカードや携帯電話端末等の認証手段に書き込まれた利用者情報を非接触で読み取ることができるため、認証手段を情報入力装置にかざす(近づける)だけで自転車を利用できるようになる。更にこの場合は用いる認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とすることもできる。認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とした場合、新規カード作成のコストを省くことができ、大幅なコスト減に資する。また、情報入力装置を、情報入力操作部を備える情報入力方式とした場合、利用者本人による適切な自転車の貸出しが確保される。
(4)情報入力装置に入力される利用者情報を事前登録するようにし、その登録時に利用者の氏名だけでなく、住所や電話番号、クレジットカード番号等を登録しておけば、自転車貸出し中に利用者の責によって自転車が故障したり盗難された場合や、利用者が所定のターミナル以外の場所に自転車を放置した場合等に管理センターが利用者を特定して追徴金を科したり、精算させたりすることもできる。
(5)自転車や、自転車を管理する管理センターにGPS機能を搭載して各自転車の現在位置を確認できるようにすれば、自転車が所定のターミナル以外の場所に乗り捨てられたときや、盗難、紛失にあった場合等に自転車を速やかに回収することができる。また、その際、放置、盗難、紛失時に自転車をレンタルしていた利用者から罰金を徴収することもできる。
(6)各利用者が一定期間内で又は通算で、いつ、どこで、どれだけの時間、どれだけの料金分自転車をレンタルしたか、どれだけの距離を走行したか等の利用者に関連する情報や、各自転車の現在位置、故障・修理履歴等の自転車に関連する情報を、Webサイトや電子メール等によって利用者に対して報知するようにすれば、利用者は自転車を計画的に利用しやすくなる。この場合、領収書を利用者に送付したり、印刷したりすることもできる。特に、自転車の位置情報を報知するようにすれば、利用者が最寄りの貸出し可能な自転車を探し易くなるという利点もある。
【0010】
本発明の自転車有料レンタル装置は次のような効果がある。
(1)利用者情報を入力又は読み取り可能な情報入力装置及び施錠・解錠可能な施錠装置が装備された貸出し用自転車と、その貸出し用自転車の操作又は/及び情報を遠隔管理する管理センターを備えるため、自転車の貸出し・返却処理を行なうために大規模な駐輪場や駐輪ボックスが必要なくなり、駐輪ターミナルに必要なスペースが少なく済む。また、大規模な駐輪場や駐輪ボックス以外の場所でも自転車を返却でき、利用者が所望の場所で自転車を乗り捨てることも可能となる。
(2)利用者は利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、当該自転車は一時施錠を解錠して再利用することができ、一時施錠とその解錠は利用終了までに所望回数行なうことができるようにしたので、自転車を一時的に駐輪する度に利用を終了させる必要がなくなり、利用料金を抑えることができる。また、一時的に駐輪させている間に他の利用者に自転車をレンタルされて持っていかれてしまうおそれもなくなる。別途自転車に一時駐輪用の鍵を取り付ける必要もなくなる。
(3)自転車に装備された情報入力装置を、情報読取り部を備える情報読取り方式とした場合、プリペイドカードや携帯電話端末等の認証手段に書き込まれた利用者情報を非接触で読み取ることができるため、認証手段を情報入力装置にかざす(近づける)だけで自転車を利用できるようになる。更にこの場合は用いる認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とすることもできる。認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とした場合、新規カード作成のコストを省くことができ、大幅なコスト減に資する。情報入力装置を、情報入力操作部を備える情報入力方式とした場合は、利用者本人による適切な自転車の貸出しが確保される。
(4)自転車にGPS機能、管理センターに位置検出装置を搭載して各自転車の現在位置を管理センターで確認できるようにすれば、自転車が所定のターミナル以外の場所に乗り捨てられたときや、盗難、紛失にあった場合等に自転車を速やかに回収することができる。そのため、管理センターで自転車数の偏りを調整することもできる。また、その際、放置、盗難、紛失時に自転車をレンタルしていた利用者から罰金を徴収することもできる。
【0011】
本発明の有料貸出し用自転車は次のような効果がある。
(1)情報入力装置と施錠装置を備え、情報入力装置はカードなどの記録情報を読取り可能又は入力操作により情報入力可能であり、施錠装置は情報入力装置に利用者情報が入力され又は情報入力装置で利用者情報が読み取られることによって解錠又は施錠されて自転車が利用可能又は利用終了可能であるため、自転車の貸出し・返却処理のために大規模な駐輪場や駐輪ボックスが必要なくなり、駐輪ターミナルに必要なスペースが少なく済む。また、大規模な駐輪場や駐輪ボックス以外の場所でも自転車を返却でき、利用者が所望の場所で自転車を乗り捨てることも可能となる。
(2)利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、一時施錠とその解錠は利用終了まで所望回数行なうことができるので、自転車を一時的に駐輪する度に利用を終了させる必要がなくなり、利用料金を抑えることができる。また、一時的に駐輪させている間に他の利用者に自転車をレンタルされて持っていかれてしまうおそれもなくなる。別途自転車に一時駐輪用の鍵を取り付ける必要もなくなる。
(3)情報入力装置を、情報読取り部を備える情報読取り方式とした場合、プリペイドカードや携帯電話端末等の認証手段に書き込まれた利用者情報を非接触で読み取ることができるため、認証手段を情報入力装置にかざすだけで自転車を利用できるようになる。更にこの場合は用いる認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とすることもできる。認証手段を交通機関用のプリペイドカード等と共用とした場合、新規カード作成のコストを省くことができ、大幅なコスト減に資する。情報入力装置を、情報入力操作部を備える情報入力方式とした場合は、利用者本人による適切な自転車の貸出しが確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(有料貸出し用自転車の実施形態1)
本実施形態の有料貸出し用自転車の実施形態の一例を図1、図2に基づいて以下に説明する。
【0013】
本発明の有料貸出し用自転車(以下「自転車」とする。)は、図1に示すような、貸し出される複数の自転車1と、その複数の自転車1を一括管理する管理センター2とが備えられてなる自転車有料レンタル装置において利用される自転車である。同図に示すように、自転車1には利用開始・終了操作や自転車1の現在位置の検出を行なうための自転車制御装置3が搭載されている。また、管理センター2には、各自転車1とデータを送受信し、各自転車や利用者毎にデータを管理できる管理装置4が設けられている。
【0014】
本発明の自転車は、利用者が貸出しを希望する自転車1の自転車制御装置3に利用者情報を入力することで解錠されて利用可能となり、利用可能となった自転車1は管理センター2で管理でき、利用者又は管理センター2は利用途中において利用を終了することなく自転車1を施錠でき、利用者又は管理センター2が解錠すると自転車1を再利用でき、利用終了時に利用者が終了操作を行なうことにより、終了が管理センター2で確認でき、利用開始から利用終了までの利用料金が精算されるようにしてある。
【0015】
利用者情報の入力は、利用者情報が書き込まれたプリペイドカード5等の任意の認証手段を自転車1の自転車制御装置3に読み取らせることによって行なうことができる。認証手段としては、利用者情報等の各種情報を記録可能であり、更に仮想通貨を蓄積可能なプリペイドカード5の他に、前記機能を備えた携帯電話機等の各種携帯式端末等、任意のものを用いることができる。本例では、利用者情報を管理センター2に事前登録しておき、プリペイドカード5で自転車1の自転車制御装置3に読み取らせた利用者情報を管理センター2に登録された利用者情報と照合し、適合する場合に自転車の利用開始又は利用終了が可能となるようにしてある。このプリペイドカード5は、電車やバス等の交通機関用のものと共用とすることもできる。従って、本システムで利用者が自転車1を借りる場合、プリペイドカード5の読み取りにより、利用者情報が入力され、且つ、カード内の電子通貨の残高が利用可能な金額である場合に自転車1が解錠されて利用可能となるようにしてある。
【0016】
また、各自転車1にはGPS装置12が、管理センター2には位置検出装置22(図2、図3参照。)が夫々設けられており、図1の人工衛星6を介して電波を送受信することによって、管理センター2において、各自転車1の現在位置を正確に把握できるようにしてある。そのため、管理センター2において、特定の駐輪場所(ターミナル7)に自転車が偏った場合等にその台数調整を行えるようにすることもできる。
【0017】
自転車本体には、一般に市販されているものを用いることも、貸出し用の特注品を用いることもできる。特に、市販の旧モデルの自転車を安価に大量に仕入れて使用することが、コストの面からは望ましい。自転車を特注品とした場合、その部品には市販品とは互換性のないものを用い、部品の盗難を予防するようにすることが望ましい。また、特にタイヤを空気の入っていないものとし、自転車故障でもっとも多いと推測されるパンクによる故障を防止できるようにすることが好ましい。更に、自転車に広告を表示して運営者が広告料金収入を得られるようにすることもできる。
【0018】
図1に示すように、前記自転車1には利用開始・終了操作や自転車1の現在位置の検出を行なうための自転車制御装置3が搭載されている。この自転車制御装置3は、図2に示すように、CPU11、GPS装置12、情報入力装置13、データ送受信部14、施錠装置15、終了キー16、一時施錠キー17、状態表示部18が夫々設けられている。この自転車制御装置3には任意の電源を用いることができ、例えば太陽電池やリチウム電池等を用いることができる。
【0019】
CPU11は、この自転車制御装置3の各部を制御するものであり、施錠装置15を制御して貸出し開始及び終了を操作する施錠制御機能19、施錠装置15を制御して利用途中において利用を終了することなく自転車を施錠(一時施錠)及び解錠する一時施錠制御機能20も備えられている。
【0020】
GPS装置12は、図1に示す人工衛星6からの電波を受信し、受信した電波により提供されるデータを演算することにより自転車1の位置を検出する装置である。このGPS装置12は、所定のタイミング毎に自転車1の現在位置を検出する。GPS装置12において検出された現在位置を示す情報は、CPU11を通じて、データ送受信部14に送られる。
【0021】
データ送受信部14は、電話網等の通信ネットワーク(図示しない)を用いて管理センター2と情報を送受信するものである。また、このデータ送受信部14は、GPS装置12から供給される自転車1の現在位置の情報を人工衛星6を通じて管理センター2に送信することもできる。
【0022】
情報入力装置13は、情報読取り部(図示しない)を備える情報読取り方式のものであり、プリペイドカード5に記録された利用者情報を非接触で読み取れるようにしてある。読み取った利用者情報は、自転車識別情報とともにCPU11を通じてデータ送受信部14から管理センター2へと送信されるようにしてある。
【0023】
施錠装置15は、各自転車1に設けられた鍵である。前記CPU11の施錠制御機能19、一時施錠制御機能20によって施錠及び解錠可能としてある。
【0024】
終了キー16は、自転車貸出し終了操作を行なうためのキーであって、この終了キー16を押しながら情報入力装置13にプリペイドカード5を読み取らせることによって、前記CPU11の施錠制御機能19で施錠装置15を制御して自転車1を施錠可能とし、更に、終了が管理センター2で確認されて利用開始から利用終了までの利用料金の精算が行われ、自転車の利用を終了可能としてある。
【0025】
一時施錠キー17は、自転車を利用途中において利用を終了することなく施錠するためのキーであって、この一時施錠キー17を押しながら情報入力装置13にプリペイドカード5を読み取らせることによって、自転車1を一時的に施錠(一時施錠)可能としてある。一時施錠状態の自転車の情報入力装置13にプリペイドカード5を読み取らせることにより、一時施錠が解除されて自転車1の利用再開が可能となる。
【0026】
状態表示部18は、自転車1の現在状態を表示する表示部である。この状態表示部18には、例えばモニタを用いることができ、そのモニタ上で貸出可能、貸出中、一時施錠中等、自転車1の現在状態に合わせて表示を切り換え表示可能としてある。状態表示部18による表示方式は前記モニタ式には限られず、任意の表示方式によることができる。従って、例えばランプを一又は二以上設け、自転車1の現在状態に合わせて発光色や発光させるランプの位置を切り換える等して自転車1の現在状態を表示出来るランプ式等にすることもできる。
【0027】
(有料貸出し用自転車の実施形態2)
自転車制御装置3の情報入力装置13は、情報読取り部を備える情報読取り方式のものには限られず、情報入力操作部を備える情報入力方式のものとすることもできる。その場合、利用者は自転車の利用開始時、利用終了時、一時施錠時及び解錠時の夫々において、情報入力操作部を操作して所定の利用者情報を入力する。
【0028】
(有料貸出し用自転車の実施形態3)
自転車制御装置3は、終了キー16、一時施錠キー17の一方を省略し、利用中にプリペイドカード5を情報入力装置13に読み取らせることのみによって、終了処理又は一時施錠処理可能とすることもできる。また、自転車制御装置3にキーを一つだけ設け、キーを押す回数によって一時施錠と終了を区別して操作できるようにすることもできる。キーを押す回数は、例えば、一時施錠の場合は1回、終了の場合は3回、等とすることができる。
【0029】
(自転車有料レンタル装置の実施形態1)
本発明の自転車有料レンタル装置の実施形態の一例を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態の自転車有料レンタル装置は、図1に示すように、貸出し自転車を有料で利用できる自転車レンタル装置であり、貸し出される複数の自転車1と、その複数の自転車1を一括管理する管理センター2とが備えられてなる。
【0030】
本装置で用いられる複数の自転車1には、前記本発明の有料貸出し用自転車が用いられている(図1、図2参照)。本装置では、貸出し用の自転車1は、乗り捨てられたもの以外は、通常、駅等の付近に設けられたターミナル7に駐輪されている。ターミナル7は自転車1を並べて駐輪可能なガードレール8を立てただけのもの等、簡素な構造とされ、駐輪用のボックス等の特別な設備は必要ない。そのためターミナル7には、台数の制限無く貸出し用自転車1を並べることができるようにしてある。ターミナル7のガードレール8に広告を表示することもできる。その場合、運営者は広告料金を得ることができる。
【0031】
前記管理センター2には、各自転車1とデータを送受信し、各自転車1や利用者毎にデータを管理できる管理装置4が設けられている。この管理装置4は、図3に示すように、CPU21、位置検出装置22、データ送受信部23、モニタ24、管理データベース25が設けられている。
【0032】
CPU21は、この管理装置4の各部を制御するものであり、自転車1から送信される利用者情報が管理データベース25内に登録された利用者情報と合致するか否か照合し、利用者と判別した場合に利用開始や利用終了を自転車に指示する情報判別機能26、自転車1の利用開始時刻と利用終了時刻から自転車利用時間を計測する利用時間計測機能27、自転車1から所定時間毎に送られてくる現在位置の情報から、利用開始から終了までの自転車1の走行距離を計測する走行距離計測機能28、利用時間や走行距離から利用料金を計算して精算可能とする料金計算機能29、利用者毎の利用履歴や料金情報、自転車毎の利用履歴や故障・修理履歴等を管理データベース25に記録する記録機能30、管理データベース25内に記録された利用者毎の利用履歴や料金情報、自転車毎の現在位置や利用履歴や故障・修理履歴等の各種情報を、利用者端末9で閲覧可能にWebサイトで表示したり電子メール送信したりして報知する報知機能31等の各機能が備えられている。
【0033】
位置検出装置22は、所定時間毎に人工衛星を通じて送信されてくる各自転車1に搭載された自転車制御装置3からの自転車1の現在位置を示す情報を受信して解析し、各自転車の現在位置を検出するものである。ここで検出された各自転車1の現在位置は、CPU21を通じて管理データベース25に記録され、各自転車の現在位置が管理される。
【0034】
データ送受信部23は、電話網等の通信ネットワーク(図示しない)を用いて各自転車1と情報を送受信するものである。従って、例えばこのデータ送受信部23は、自転車1の解錠や施錠を遠隔操作する信号を自転車に送信したり、人工衛星6から送信されてくる各自転車1の現在位置を示す情報を受信したりすること等ができる。
【0035】
モニタ24は、管理センター2において管理者が各自転車1の現在位置を把握したり、管理データベース25内の利用者情報や自転車情報を表示させるための表示装置である。
【0036】
管理データベース25は、利用者毎の利用履歴や料金情報、自転車毎の現在位置や利用履歴や故障・修理履歴等の各種情報を記憶し、管理可能としたものである。
【0037】
図1、図3に示す利用者端末9は、管理データベース25内の利用者毎の利用履歴や料金情報、自転車毎の現在位置や利用履歴や故障・修理履歴等の各種情報を、前記報知機能31が作成したWebサイトで閲覧したり、報知機能31が送信した電子メールによって閲覧することができるパソコン等の各種端末である。この利用者端末9は、携帯電話機やPDA等のモバイル端末であっても良い。
【0038】
本発明の自転車有料レンタル装置は上記構成を備えるので、利用者が貸出しを希望する自転車1の自転車制御装置3に利用者情報を入力することで自転車1が解錠されて利用可能となり、利用可能となった自転車1は管理センター2で管理でき、利用者は利用途中において利用を終了することなく自転車1を施錠でき、利用者が解錠すると自転車1を再利用でき、利用終了時に利用者が終了操作を行なうことにより、終了が管理センター2で確認でき、利用開始から利用終了までの利用料金が精算されるようにしてある。
【0039】
利用者情報の入力は、利用者情報が書き込まれたプリペイドカード5等の任意の認証手段を自転車1の自転車制御装置3に読み取らせることによって行なうことができる。認証手段としては、利用者情報等の各種情報が記録され、更に仮想通貨を蓄積可能なプリペイドカード5の他に、前記機能を備えた携帯電話機等の各種携帯式端末等、任意のものを用いることができる。本例では、以下認証手段としてプリペイドカード5を用いる場合について説明する。本例では、利用者情報を管理センター2に事前登録しておき、プリペイドカード5で自転車1の自転車制御装置3に読み取らせた利用者情報を管理センター2に登録された利用者情報と照合し、適合する場合に自転車の利用開始又は利用終了が可能となるようにしてある。このプリペイドカード5は、電車やバス等の交通機関用のものと共用とすることもできる。従って、本システムで利用者が自転車1を借りる場合、プリペイドカード5の読み取りにより、利用者情報が入力され、且つ、カード内の電子通貨の残高が利用可能な金額である場合に自転車1が解錠されて利用可能となるようにしてある。
【0040】
また、各自転車1にはGPS装置12、管理センター2には位置検出装置22(図2、図3参照。)が夫々設けられており、図1の人工衛星6を介して電波を送受信することによって、管理センター2において、各自転車1の現在位置を正確に把握できるようにしてある。このように、すべての自転車1の現在位置が管理センター2によって常時正確に把握されるため、貸出した自転車を所定の返却場所以外の場所で返却できる、いわゆる乗り捨てサービスの実現をも可能としている。本例では自転車の待機場所(ターミナル7)が多数設けられているため、利用者に借りた自転車1をターミナル7へ返却する義務を課しておき、それ以外の場所に自転車を返却したり放置したりした場合に、利用料金を高くしたり罰金を科したりすることもできる。また、自転車1が紛失したり盗難に遭ったりした場合であっても自転車1を容易に発見することができ、その紛失や盗難が利用者の責による場合に利用者に追徴金(罰金)を科したりすることもできる。
【0041】
(自転車有料レンタル装置の実施形態2)
前記実施形態1記載の自転車制御装置3及び管理装置4の構成はあくまで一例であって、これに限られるものではなく、任意の構成とすることができる。従って、例えば、自転車制御装置3に領収証印刷機能を備え、利用終了時に領収証を印刷できるようにしたりすること等も可能である。
【0042】
(自転車有料レンタル方法の実施形態1)
本実施形態の自転車有料レンタル方法の実施形態の一例について図4〜図9のフローチャートに基づいて説明する。本発明の自転車有料レンタル方法は、前記本発明の有料貸出し用自転車及び自転車有料レンタル装置(図1〜図3)を用いて実施される方法である。
【0043】
図4は、本方法において常時行われている位置検出作業と、本システムを使用する前に利用者が行なう事前登録作業とを示すフローチャートである。
【0044】
図4に示すように、この自転車レンタル方法においては、貸出される各自転車1に搭載された自転車制御装置3のGPS装置12は、自転車1が貸出し利用中か否かにかかわらず、常時一定時間毎に人工衛星6からの電波を受信し、その受信した電波により提供されるデータを解析して自己の現在位置を検出している(S201)。CPU11は、GPS装置12が検出した現在位置情報を、自己の自転車識別情報とともにデータ送受信部14を通じて送り出し、人工衛星6を介して管理センター2の管理装置4に送信する(S202)。管理センター2の管理装置4では、人工衛星6を介して送信されてくる各自転車1の自転車識別情報及び現在位置情報を位置検出装置22で受信して検出し(S301)、CPU21を通じて管理データベース25に記録する(S302)。本発明の自転車有料レンタル方法においてはこのようにして各自転車1の現在位置を常時管理している。そのため、管理センター2において、特定のターミナル7に自転車が偏った場合等に自転車の台数の調整を行えるようにしてある。
【0045】
図4に示すように、自転車1を利用しようとする者は、まず管理センター2に対して利用者登録を行なう(S101)。利用者登録は、利用者の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、クレジットカード番号、金融機関の口座番号等の必要事項を記載した登録申し込み用紙を管理センター2に提出することで行われる。申し込み用紙は直接提出することも郵送することも出来る。また、申し込み用紙による申し込みの他、管理センター2が提供するWebサイトから申し込んだり、電話で申し込んだりする等、任意の方法で申し込むことができる。管理センター2は、申し込みを受け付け、申し込み内容を管理データベース25に記録して利用者登録を完了させる(S303)。登録が完了した利用者は、予め本システム利用のために、本システム用のプリペイドカード5や交通機関用プリペイドカード5内に仮想通貨を購入して貯めておく等しておく。これらプリペイドカード5には利用者を識別できる利用者情報が書き込まれている。
【0046】
図5は、利用者が自転車の利用を開始する過程を示すフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、自転車1の利用を希望する利用者は、駅等の付近に設けられたターミナル7に出向き、貸出し可能な自転車を探す。貸出し可能な自転車が見つかったら、自転車を借りる際に利用者に義務付けられている所定の乗車前点検を行い、自転車に故障などがないことを確認する。確認後、その自転車1の自転車制御装置3に設けられた情報入力装置13に自己のプリペイドカード5を近づける(又は接触させる)(S111)と、情報入力装置13がプリペイドカード5から利用者情報を読み取る(S211)。情報入力装置13がプリペイドカード5から読み取った利用者情報は、自転車1の自転車識別情報とともにCPU11を通してデータ送受信部14から管理センター2へ向けて送信される(S212)。自転車1から送信された利用者情報と自転車識別情報は、管理装置4のデータ送受信部23が受信する(S311)。管理装置4のデータ送受信部23が受信した利用者情報は、CPU21の情報判別機能26によって、管理データベース25内に記録された利用者情報と適合するか否か判別され(S312)、適合する場合(S312:Y)はデータ送受信部23を通じて自転車1にロックを解錠して利用開始する旨の信号を送信する(S313)。適合しない場合(S312:N)は信号は送信されず、操作が終了される(S315)。管理装置4は、前記信号を送信したら、CPU21の記録機能30によって、当該利用者がどの自転車を何処でいつから利用開始したかを管理データベース25に記録する(S314)。管理装置4が送信した信号は、自転車1のデータ送受信部14によって受信され(S213)、CPU11の施錠制御機能19により施錠装置15を制御し、ロックを解錠して自転車1の利用が開始される(S214)。同時に状態表示部18の表示が「貸出し中」に切り換えられる。ロックが解錠されることによって、利用者は自転車1を利用することができるようになる(S112)。
【0048】
図6は、自転車の利用を開始した利用者が、利用を終了させずに一時的に自転車を施錠する過程を示すフローチャートである。
【0049】
図6に示すように、貸出した自転車1を利用中の利用者が、自転車1を一時駐輪させたい場所で自転車を停車させ、自転車制御装置3に設けられた一時施錠キー17を押しながら情報入力装置13に自己のプリペイドカード5を近づけると(S121)、情報入力装置13がプリペイドカード5から利用者情報を読み取る(S221)。情報入力装置13がプリペイドカード5から読み取った利用者情報は、自転車1の自転車識別番号と、一時施錠キー操作が行われた旨の信号とともにCPU11を通してデータ送受信部14から管理センター2へ向けて送信される(S222)。自転車1から送信された利用者情報と自転車識別番号と一時施錠キー操作が行われた旨の信号とは、管理装置4のデータ送受信部23が受信する(S321)。管理装置4のデータ送受信部23が利用者情報と自転車識別番号と一時施錠キー操作が行われた旨の信号とを受信すると、CPU21の情報判別機能26によって、当該自転車1が当該利用者によって現在貸出し中か否かを確認し(S322)、確認ができた場合(S322:Y)はデータ送受信部23を通じて自転車1を一時的に施錠する信号を送信する(S323)。確認ができない場合(S322:N)は信号は送信されず、操作が終了される(S325)。前記信号を送信したら、CPU21の記録機能30によって、利用者がいつどこで一時的に施錠をしたかを管理データベース25に記録する(S324)。管理装置4が送信した信号は、自転車1のデータ送受信部14によって受信されると(S223)、CPU11の一時施錠制御機能20により施錠装置15を制御し、自転車1を一時的に施錠する(S224)。同時に状態表示部18の表示が「一時施錠中」に切り換えられる。施錠されることによって、利用者は自転車1の利用を終了することなく施錠しておくことができる。なお、この一時施錠中も利用料金は加算される。
【0050】
図7は、一時的に施錠した自転車を解錠して再利用する過程を示すフローチャートである。
【0051】
図7に示すように、貸出した自転車1を一時的に施錠した利用者が、その自転車1の情報入力装置13に自己のプリペイドカード5を近づける(S131)と、情報入力装置13がプリペイドカード5から利用者情報を読み取る(S231)。情報入力装置13がプリペイドカード5から読み取った利用者情報は、自転車1の自転車識別番号とともにCPU11を通してデータ送受信部14から管理センター2へ向けて送信される(S232)。自転車1から送信された利用者情報と自転車識別番号とは、管理装置4のデータ送受信部23が受信する(S331)。データ送受信部23が利用者情報及び自転車識別番号を受信すると、CPU21の情報判別機能26によって、当該自転車1が当該利用者によって現在貸出し中か否かを確認し(S332)、確認ができた場合(S332:Y)はデータ送受信部23を通じて自転車1のロックを解錠して自転車1の利用を再開する信号を送信する(S333)。確認ができない場合(S332:N)は信号は送信されず、操作が終了される(S335)。前記信号を送信したら、CPU21の記録機能30によって、利用者がいつどこで自転車1の利用を再開したかを管理データベース25に記録する(S334)。管理装置4が送信した信号は、自転車1のデータ送受信部14によって受信されると(S233)、CPU11の一時施錠制御機能20により施錠装置15を制御し、ロックを解錠して自転車1の利用が再開される(S234)。同時に状態表示部18の表示が「貸出し中」に切り換えられる。
【0052】
図8は、貸出された自転車を返却して利用を終了する過程を示すフローチャートである。
【0053】
図8に示すように、自転車1を返却したいターミナル7等で自転車1を停車させ、自転車制御装置3に設けられた終了キー16を押しながら情報入力装置13に自己のプリペイドカード5を近づけると(S141)、情報入力装置13がプリペイドカード5から利用者情報を読み取る(S241)。情報入力装置13がプリペイドカード5から読み取った利用者情報は、自転車1の自転車識別番号と、終了キー操作が行われた旨の信号とともにCPU11を通してデータ送受信部14から管理センター2へ向けて送信される(S242)。自転車1から送信された利用者情報と自転車識別番号と終了キー操作が行われた旨の信号とは、管理装置4のデータ送受信部23が受信する(S341)。管理装置4のデータ送受信部23が利用者情報と自転車識別番号と終了キー操作が行われた旨の信号を受信すると、CPU21の情報判別機能26によって、当該自転車1が当該利用者によって現在貸出し中か否かを確認し(S342)、確認ができた場合(S342:Y)は、CPU21の利用時間計測機能27と走行距離計測機能28とで自転車の利用時間と走行距離を算出し(S343)、算出した利用時間と走行距離から料金計算機能29が利用料金を算出する(S344)。確認ができなかった場合は操作が終了される(S348)。更に管理装置4のCPU21では、利用者のプリペイドカード残高が利用料金の支払いに十分か否かを判断し(S345)、十分であると判断した場合(S345:Y)は、自転車1をロックして利用を終了させる終了信号及び利用料金を精算させる精算信号を送信する(S347)。不十分と判断した場合(S345:N)は、不足分は、利用者登録時に番号を登録したクレジットカードや、金融機関の口座等から後日引き落とすよう処理した上で(S346)、自転車1をロックして利用を終了させる終了信号及び利用料金を精算させる精算信号を送信する(S347)。前記信号を送信したら、CPU21の記録機能30によって、当該利用者の利用時間、走行距離、利用料金、精算記録等の利用者に関する各種情報や、当該自転車の走行距離、利用時間、現在位置等の自転車に関する各種情報を管理データベース25に記録する(S349)。管理装置4が送信した信号は、自転車1のデータ送受信部14によって受信されると(S243)、CPU11の施錠制御機能19により施錠装置15を制御し、自転車1を施錠する(S244)。同時に、情報入力装置13に読み取らせているプリペイドカード5から利用料金を引き落として精算し(S245)、利用終了処理が完了する。このとき、利用者のプリペイドカード残高が利用料金の支払いに不十分であった場合には、自転車1の状態表示部18に、不足分をクレジットカードや、金融機関の口座等から後日引き落とす旨を表示させることもできる。利用終了処理が完了すると、状態表示部18の表示が「貸出し可能」に切り換えられる。
【0054】
図9は、利用者が自己の利用者端末9を用いて管理データベース25内の利用者情報や自転車情報を閲覧する過程を示すフローチャートである。図9に示すように、利用者が自己の利用者端末9を用いて管理データベース25内の利用者情報や自転車情報を閲覧する方法として、利用者が自己の利用者端末9を用いて管理センター2のWebサイトにアクセスして閲覧する場合と、管理センター2が、各利用者毎に当該WebサイトのURLを記載した電子メールを送信し、その後利用者がそのWebサイトにアクセスして閲覧する場合とがある。
【0055】
Webサイトで情報を閲覧する場合は、図9に示すように、まず情報の閲覧を希望する利用者が利用者端末9から、管理装置4のCPU21に備えられた報知機能31が提供するWebサイトにアクセスする(S151)。管理装置4のCPU21に備えられた報知機能31は、利用者端末に認証画面を表示し、利用者に所定のID、パスワード等の認証情報の入力を求める(S351)。ここで入力を求められる認証情報は、利用者登録時に利用者が届け出たものや、管理センター2から付与されたもの等である。利用者が認証情報を入力すると(S152)、管理装置4のCPU21において入力された認証情報が利用者のものか否か判別され(S352)、利用者と認められた場合(S352:Y)は、当該利用者毎の画面を表示し、管理データベース25に記録されている利用者毎の利用時間、走行距離、積算料金等の各種利用者情報、自転車毎の現在位置、修理・故障履歴、走行距離、利用時間等の各種自転車情報を閲覧可能に提供することができる(S353)。また、この画面において、利用料金精算の領収証を表示、印刷することもできる。また、利用者端末9の現在位置から最寄りの貸出し可能な自転車の検索を行なうこと等もできる。入力された認証情報が利用者のものでなかった場合(S352:N)は、再度利用者に正しいID、パスワード等の認証情報の入力を求める。
【0056】
電子メールで情報を閲覧する場合は、図9に示すように、管理装置4のCPU21に備えられた報知機能31が、例えば、週一回、月一回等の一定期間毎に、前記管理装置4のCPU21に備えられた報知機能31が提供するWebサイトのURLを記載した電子メールを各利用者の利用者端末に送信する(S354)。電子メールを送信するメールアドレスは、利用者登録の際に登録したものやそれ以外のものとすることができる。電子メールを受信した利用者(S153)は、電子メールを開いて、電子メールに記載されたURLから当該Webサイトにアクセスし(S151)、上記の場合と同様に認証を行って管理データベース25に記録されている利用者毎の利用時間、走行距離、積算料金等の各種利用者情報、自転車毎の現在位置、修理・故障履歴、走行距離、利用時間等の各種自転車情報を閲覧する。
【0057】
電子メールで情報を閲覧する場合、WebサイトのURLに代えて、利用者毎の利用時間、走行距離、積算料金等の各種利用者情報を直接電子メールに記載して各利用者の利用者端末に送信することもできる。その場合、利用料金精算の領収証を電子メールで送信することもできる。
【0058】
(自転車有料レンタル方法の実施形態2)
本発明の自転車有料レンタル方法では、自転車1の利用可能料金の上限額又は利用可能時間の上限時間を予め決めておき、利用者が自転車1の利用を開始した後に、その上限額又は上限時間に達した場合、管理センター2によってその自転車1の貸出しを強制的に終了させることができる。これにより、運営者側は一台の貸出し用自転車1を一人の利用者に独占させることなくより効率的に使用することができるようになる。また、紛失、盗難等のトラブル下にある自転車を比較的早い段階で回収できるようにもなる。さらに上限額又は上限時間を設定することにより、運営者が比較的早い段階で利用料金を確実に徴収できるようになり、料金の徴収漏れがなくなる。利用者が自転車1の利用中に前記上限額又は上限時間に達した場合、貸出しの強制終了及び料金の強制徴収後、管理センター2に登録されている利用者情報を抹消し、以後その人物による登録を受けつけないように処理することもできる。また、その他の違反があった場合にも同様に登録抹消、再登録禁止処理を行うこともできる。
【0059】
(自転車有料レンタル方法の実施形態3)
本発明の自転車有料レンタル方法では、管理センター2において、各自転車1の現在位置を正確に把握可能であるため、貸出した自転車1を所定のターミナル7等の返却場所以外の場所で返却することもできる。この場合、自転車1が所定の返却場所以外で返却されたことを管理センター2で把握した場合、所定の返却場所で返却した場合の料金を割り増しした料金を請求できるようにしている。また、自転車1が紛失したり盗難に遭ったりした場合にも、管理センター2で、自転車1の現在位置を確認して回収に向かうことができる。そのとき、紛失や盗難が利用者の責による場合には、利用者に追徴金(罰金)を科し、プリペイドカード5から引き落としたり、利用者登録時に番号を登録したクレジットカードや、金融機関の口座等から後日引き落とすようにして精算させることもできる。
【0060】
(自転車有料レンタル方法の実施形態4)
本発明の自転車有料レンタル方法では、図6、図7に示すように、一時施錠とその解錠の際に一々管理センター2と情報の送受信を行なう方式には限られず、管理センター2と情報の送受信を一切行わず、利用者が自転車制御装置3を用いて操作を行なうことにより自転車1を一時施錠操作又は解錠できる方式とすることもできる。
【0061】
(自転車有料レンタル方法の実施形態5)
利用料金の算出方法は、利用時間と走行距離とから算出する方法には限られず、任意の方法で算出することができる。従って、例えば、利用時間のみから算出したり、走行距離のみから算出したり、所定のターミナル以外の場所で自転車の利用を終了させた場合に利用料金が割高になるように算出したり、利用者の不注意で自転車1が盗難に遭ったり故障したり紛失したりした場合に利用料金とは別に罰金を利用料金に科してプリペイドカード5から徴収したり後日引き落としたりできるようにすることもできる。
【0062】
(自転車有料レンタル方法の実施形態6)
利用者が自転車1の利用開始操作を行なう際に、情報入力装置13がプリペイドカード5内の仮想通貨の残高をも読み取るようにして、その金額が管理装置4のCPU21において自転車1の利用を開始できる金額に満たないと判断された場合には自転車1を解錠しないようにして、自転車1を利用できないようにすることもできる。また、プリペイドカード5内の仮想通貨の残高が自転車1の利用を開始できる金額に満たないと判断された場合に、利用料金を後日引き落とすように処理した上で自転車1のロックを解錠し、利用者に自転車1を利用させるようにすることもできる。
【0063】
(自転車有料レンタル方法の実施形態7)
利用者情報を自転車1に入力するための認証手段は、利用者情報等の情報の記録のみが可能であって、仮想通貨を蓄積する機能を持たないカード等とすることもできる。その場合、自転車1の利用開始時、利用終了時、一時施錠時及び解錠時の夫々において、その認証手段で利用者情報を入力し、利用料金の精算は全て後日の引き落としで行われるように処理される。
【0064】
(自転車有料レンタル方法の実施形態8)
本発明の自転車有料レンタル方法の利用に際して事前に管理センター2に利用者登録を行わずに利用できるようにすることもできる。その場合、管理センター2で利用希望者のプリペイドカード5内の電子通貨の残高が自転車1の利用開始に十分か否かのみを判断して、残高が十分な場合には自転車1のロックを解錠して自転車1を利用できるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の自転車有料レンタル方法、自転車有料レンタル装置、有料貸出し用自転車は、自転車のレンタルには限られず、自動二輪車や自動車等、任意の移動体の有料レンタル方法及び装置、有料貸出し用移動体等に応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の自転車有料レンタル装置及び有料貸出し用自転車の実施形態の一例の概要を示す説明図。
【図2】図1に示す有料貸出し用自転車の自転車制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】図1に示す管理センターの管理装置の構成を示すブロック図。
【図4】本システムが常時行っている位置検出作業と、本システムを使用する前に利用者が行なう事前登録作業とを示すフローチャート。
【図5】本システムによって利用者が自転車の利用を開始する過程を示すフローチャート。
【図6】本システムによって自転車の利用を開始した利用者が、利用を終了させずに一時的に自転車を施錠する過程を示すフローチャート。
【図7】本システムによって一時的に施錠した自転車を解錠して再利用する過程を示すフローチャート。
【図8】本システムによって貸出された自転車を返却して利用を終了する過程を示すフローチャート。
【図9】本システムにより、利用者が自己の利用者端末を用いて管理データベース内の利用者情報や自転車情報を閲覧する過程を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0067】
1 自転車
2 管理センター
3 自転車制御装置
4 管理装置
5 プリペイドカード
6 人工衛星
7 ターミナル
8 ガードレール
9 利用者端末
11 CPU
12 GPS装置
13 情報入力装置
14 データ送受信部
15 施錠装置
16 終了キー
17 一時施錠キー
18 状態表示部
19 施錠制御機能
20 一時施錠制御機能
21 CPU
22 位置検出装置
23 データ送受信部
24 モニタ
25 管理データベース
26 情報判別機能
27 利用時間計測機能
28 走行距離計測機能
29 料金計算機能
30 記録機能
31 報知機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸出し自転車を有料で利用できる自転車レンタル方法において、自転車に装備されている情報入力装置に利用者情報が入力されると又は読み取られるとその自転車が解錠されて又は解錠して利用可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、当該自転車は一時施錠を解錠して再利用することができ、一時施錠とその解錠は利用終了までに所望回数行なうことができ、自転車の利用が終了されると利用開始から利用終了までの利用料金が精算されることを特徴とする自転車有料レンタル方法。
【請求項2】
貸出し自転車を有料で利用できる自転車レンタル装置において、利用者情報を入力又は読み取り可能な情報入力装置及び施錠・解錠可能な施錠装置が装備された貸出し用自転車と、その貸出し用自転車の操作又は/及び情報を遠隔管理する管理センターを備え、前記自転車はその情報入力装置に利用者情報が入力されると又は読み取られると解錠されて又は解錠して利用可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、一時施錠とその解錠は利用終了まで所望回数行なうことができ、管理センターは自転車の操作又は/及び情報を管理でき、自転車の利用が終了されると、利用開始から利用終了までの利用料金を精算管理できることを特徴とする自転車有料レンタル装置。
【請求項3】
自転車の有料レンタルにおいて利用される貸出し用自転車において、情報入力装置と施錠装置を備え、情報入力装置はカードなどの記録情報を読取り可能又は入力操作により情報入力可能であり、施錠装置は情報入力装置に利用者情報が入力され又は情報入力装置で利用者情報が読み取られることによって解錠又は施錠されて自転車が利用可能又は利用終了可能となり、利用途中において利用を終了することなく自転車を一時施錠でき、一時施錠とその解錠は利用終了まで所望回数行なうことができることを特徴とする有料貸出し用自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−15703(P2009−15703A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178565(P2007−178565)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(307020626)ケーケーディー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】