説明

航空エンジンを取り付けるための装置

本発明は、構造ボックスを形成する剛構造と、固定手段(40)によって、構造ボックスを形成するスパー(17)のうちの一のスパーに固定的に取り付けられた主取り付け部(34)を有するスラスト荷重を吸収するための装置と、を含んでいる航空エンジンを取り付けるための装置に関する。本発明によれば、固定手段(40)は、スパー(17)に取り付けられ、且つボックスに対して外側に配置されたメイン部(54)を有している固定ペグ(50)を備え、この主取り付け部(34)は、固定ペグ(50)のメイン部(54)によって交差され、メイン部(54)を囲むベル形状の支持ワッシャー(68)によってスパー(17)に対して押圧され、且つベル形状の支持ワッシャー(68)と交差するスクリュー(72)によって圧迫され、ねじ(72)は、メイン部(54)の内側に形成されたボア(74)内に収容されたバレル型ナット(78)内にねじ込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、航空エンジンを取り付けるための装置に関し、例えば、取り付け装置などを備えているエンジンアセンブリと同様に、航空機の翼と関連したエンジンとの間に介在されることを意図される航空エンジンを取り付けるための装置に関する。
【0002】
本発明は、ターボジェットエンジン又はターボプロペラエンジンを備える任意の種類の航空機に使用されることができる。
【0003】
この種の取り付け装置は、エンジンパイロンサスペンション取り付け部、又は、<<エンジン取り付け構造>>(EMS)と称され、航空機の翼の下にエンジンを吊るす、この同一の翼の上方にエンジンを取り付ける、又は航空機の胴体の後方部にこのエンジンを追加するために使用されることができる。
【背景技術】
【0004】
そのような取り付け装置は、実際に、通常タービンエンジンと航空機の翼との間の接続境界面を形成するために設けられる。そのような取り付け装置は、この航空機の構造に、その結合されたタービンエンジンによって発生された力の伝達を可能にし、同様に、エンジンと航空機との間の燃料、電気、油圧系統、及び空気の移動を可能にする。
【0005】
力の伝達を確実にするために、取り付け装置は、剛構造を含み、多くの場合<<構造ボックス>>タイプの剛構造を含み、すなわち、上部スパー及び下部スパーのアセンブリ、及び横断方向のリブを介して共に接続された側部パネル/スパーのアセンブリによって形成された剛構造を含む。
【0006】
他方で、取り付け装置には、タービンエンジンと剛構造との間に介在された取り付け手段が設けられ、それらの手段はタービンエンジンによって発生されたスラスト荷重を吸収するための装置と同様に、2つのモータ取り付け部材を全体的に含む。
【0007】
先行技術において、このスラスト荷重吸収装置は、例えば、2つの側部リンクロッドを備え、一端でエンジンのファンケースの後方部に接続され、且つ他端でタービンエンジンの中央ケースに固定された後方取り付け部材に接続される。
【0008】
同一方法において、取り付け装置はまた、剛構造と航空機の翼との間に介在された取り付けシステムを形成している他の一連の取り付け部材を含み、このシステムは通常、2つ又は3つの取り付け部材からなる。
【0009】
最後に、パイロンには、分離(segregation)を提供し、システムを維持する一方、空力フェアリングを支持する二次構造が設けられる。
【0010】
一次構造として称される、取り付けパイロンの剛構造にスラスト荷重を吸収するための装置の固定を提供するために、取り付け装置は一般的に、構造ボックスのスパーのうちの一のスパー、前記支持スパーに固定的に取り付けられた主取り付け部を含む。適切な固定手段は、それ故に、支持スパー上の主取り付け部のそのようなアセンブリを可能にするために使用され、それらの固定手段は、特に、トラクションスクリュー(traction screw)と、このバレル型ナット内にねじ込まれた、スクリューの締付を確実にする変形フランジを有するバレル型ナット、及びタイプの構成要素を統合することができる。
【0011】
バレル型ナットの使用が、バレル型ナットが提供する高い安全性のために、関心を持たせることを証明する場合に、この使用に関連する欠点は、それらのナットが一般的に、構造ボックスを形成している剛構造の内側に配置されているという事実に属し、それによって、この種のナットが必要とする多数のインスペクションコール(inspection call)中に、バレル型ナットを、困難さとともにアクセス可能にさせる。それらのバレル型ナットにアクセスできるために、操作者は実際に、<<ゲート(gates)>>と称される、小さな寸法を有する開口部を通過させ、その開口部構造ボックスを形成している側部パネル/スパーに形成される。強化された機械的強度の明白な理由から多く場合に保たれる解決法のように、バレル型ナットが、構造ボックスを形成している剛構造の横断方向のリブと協働する場合、インスペクションコール中に経験されたアクセスの困難さが、さらに増加されることに留意されたい。
【0012】
それ故に、検査のための操作、及び構造ボックスの内側に配置されたバレル型ナットを交換するための操作が明らかに最適化されず、結果として時間的に非常に不利にしていることは、明白である。
【0013】
当然ながら、そのようなスクリュー/バレル型ナットのアセンブリは、剛構造の付与された支持スパーにエンジン取り付け部材の主取り付け部を固定するために経験されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、それ故に、取り付け装置と、先行技術の得られた事に関して、上述の欠点に対する対策を見出すそのような装置を備えているモータアセンブリと、を提案することである。
【0015】
これを達成するために、本発明の目的は、剛構造と、剛構造にエンジンを取り付けるための手段と、を含んでいる航空エンジンを取り付けるための装置であって、この剛構造は、横断方向のリブを介して共に接続されたスパーを含んでいる構造ボックスを形成し、取り付け手段は、エンジンによって発生されたスラスト荷重を吸収するための装置と同様に、複数のエンジン取り付け部材を含み、構成要素のうちの少なくとも1つ構成要素は、スラスト荷重吸収装置と、スパーのうちの一のスパーに固定的に取り付けられた主取り付け部を有し、このバレル型ナット内にねじ込まれたスクリューの締付を確実にするために、変形フランジを有するバレル型ネットと同様に、スクリューを含んでいる固定手段によって、支持スパーを形成している、エンジン取り付け部材とから選択される。本発明によれば、前記固定手段は、支持スパーに固定的に取り付けられ、且つ剛構造に対して外側に配置されたメイン部を有している固定ペグをさらに備えており、主取り付け部は、固定ペグのメイン部によって交差され、メイン部を囲んでいるベル形状の支持ワッシャーを介して支持スパーに対して押圧され、支持ワッシャーを通過するスクリューによって圧迫され、スクリューが固定ペグのメイン部内に形成されたボア内に収容されたバレル型ナット内にねじ込まれている。
【0016】
それ故に、本発明は、ボックスを形成する剛構造の外側にバレル型ナットを収容するという利点を提供し、この同一のバレル型ナットの定期的な検査又は定期的な交換を実行したい操作者のために、容易にアクセス可能にさせる。それ故に、前述の操作は、先行技術で経験された操作と比較して、広く利用されることができ、操作者ために、時間に関する利益及び干渉の容易さに関する利益によって、有利に表現される。
【0017】
本来、モータ取り付け部材又はスラスト荷重吸収装置のうちの一の構成要素の主取り付け部を固定するために、この種類の数個のアセンブリ、すなわち、それぞれにシャーリングペグ(shearing peg)とも称される固定ペグを組み込んでいるアセンブリのために形成され、固定ペグ内に、ベル形状の支持ワッシャーを締め付けるために使用されるスクリューと協働するバレル型ナットを収容し、バレル型ナットに関しては、ボックスを形成する剛構造の支持スパーに対してこの主取り付け部を押圧するために提供されることに関して規定される。
【0018】
好ましくは、バレル型ナットは、この同一の固定ペグの長手方向で、固定ペグによって交差される主取り付け部のボアの端部を越えて、全体的に配置される。言い換えると、固定ペグ内に収容されるバレル型ナットは、主取り付け部から離間する十分な間隙とともに配置され、それによって、ボックスを形成している剛構造に対して外側に配置された主取り付け部の取り外しを必要とせず、固定ペグから取り外されることができる。実際に、そのような場合において、バレル型ナットに直接的にアクセスできるために、バスクリュー及びベル形状の支持ワッシャーだけの取り外しは、十分であり、バレル型ナットは、スライドすることによって、その結合されたハウジングから容易に取り外されることができる。
【0019】
同一の目的で、固定ペグのメイン部内に形成され、且つバレル型スクリューのためのハウジングとして使用されるボアを有し、この同一の固定ペグの長手方向で固定ペグによって交差された主取り付け部のボアの端部を越えて全体的に配置されることに関して規定される。
【0020】
さらに、好ましくは、固定ペグは、メイン部と一体であり、支持スパーと交差する二次固定部をさらに含み、この二次固定部は、ボックスを形成している剛構造の内側に配置されたナット内にねじ込まれた、ねじ山を切られた端部を有することは、提供される。それ故に、固定ペグが支持スパーに固定的に取り付けられることがまた、このナットとねじ山が切られた端部との間の協働によって、このペグのメイン部のショルダーが、支持スパーに対して、締付を提供するために押圧されることができることが、理解される。
【0021】
さらに、二次固定部はまた、ナットが押圧されるのに対して、剛構造の横断方向リブの一のリブのソールを通過する。アセンブリに横断方向のリブのうちの一のリブを統合することによって、剛構造に対する主取り付け部の維持は、強化されることができ、より良い力の伝達はエンジンから直接的に翼又は航空機の胴体の後方部に向けて、提供されることができる。
【0022】
さらに、本発明の目的は、タービンエンジンなどのエンジンと、このエンジンを取り付けるための装置と、を備えているエンジンアセンブリであり、取り付け装置は、記述された取り付け装置のようである。
【0023】
最終的に、本発明の目的はまた、翼に、又は航空機の胴体の後方部に組み立てられた、少なくともそのようなエンジンアセンブリを含む航空機である。
【0024】
本発明の他の利点及び他の特性は、以下の制限されていない詳細な説明で、明白になるであろう。
【0025】
この説明は、添付された図面に関してなされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照すると、航空機用のエンジンアセンブリ1が見られ、このエンジンアセンブリ1は、明白にするために、鎖線で概略的に図示されているこの航空機の翼2の下に固定されるように意図される。このアセンブリ1は、本発明の好ましい実施形態による取り付け装置4と、この取り付け装置4の下に取り付けられた、タービンエンジンなどのエンジン6と、を含む。
【0027】
全体的に、取り付け装置4は、エンジン6を取り付けるための手段を支持している剛構造8を含む。それらの取り付け手段は、エンジン6によって発生されたスラスト荷重を吸収するための装置14と同様に、複数の取り付け部材10及び12を有している。
【0028】
表示されているように、アセンブリ1は、ポッド(図示せず)によって囲まれることを意図され、取り付け装置4は、他の一連の取り付け部材16を含み、このアセンブリ1のサスペンションが航空機の翼2の下に他の一連の取り付け部材16が設けられている。
【0029】
以下の全体の説明において、慣例により、装置4の長手方向はXと称され、タービンエンジン6の長手方向と同化され、この方向Xは、このタービンエンジン6の長手方向軸5に平行である。一方、取り付け装置4に対して横断方向に方向付けられた方向は、Yと称され、タービンエンジン6の横断方向と同化されることができる。Zは、垂直方向又は高さ方向であり、それら3つの方向X、Y、及びZは、互いに直交している。
【0030】
一方、<<前方>>及び<<後方>>との用語は、タービンエンジン6によって作用された推進力の結果として、経験される航空機の進行方向に対して考慮されるできであり、この方向は、矢印7によって概略的に図示される。
【0031】
図1では、エンジン取り付け部材10及び12の両方、一連の取り付け部材16、スラスト荷重吸収装置14、及び取り付け装置4の剛構造8を見ることができる。分離を提供し、システムを維持する一方、空力フェアリングを支持する二次構造などの他の構造的な構成要素は、この取り付け装置4に示されておらず、先行技術で経験され、且つ当業者に周知である、他の構造的な構成要素に同一な又は類似な基本的な構成要素である。それ故に、他の構造的な構成要素は詳細な説明に記載されていない。
【0032】
一方、タービンエンジン6は、前方に、ファン管状流路20の境界を定めている大型のファンケース18有し、後方に向けて、このタービンエンジンのコアを含有している小型の中央ケース22を含むことは、示される。ケース18及び20は、当然ながら、互いに一体である。
【0033】
これが図1に見られるように、取り付け装置4のエンジン取り付け部材10及び12は、合計で、2つからなるように設けられ、前方エンジン取り付け部材及び後方エンジン取り付け部材としてそれぞれ明示されている。
【0034】
本発明のこの好ましい実施形態において、剛構造8は、X方向に略沿って、後方から前方へ延在している構造ボックスの形状を有する。
【0035】
構造ボックス8は、タービンエンジンのパイロンサスペンションの取り付けのために一般的に見られる構造ボックスに類似な設計のパイロンの形状を考えられ、特に、上部スパー15、下部スパー17、及び2つの側部パネル/スパー19(側面図なので、1つのみ可視できる)を組み立てることによって形成される程度では、それらの構成要素15,17,及び19は、それぞれ全体的に矩形状を考えられる横断方向のリブ21を介してともに接続されている。それ故に、リブ21は、YZ平面内に延在し、スパー15,17は略XY平面内に延在し、及び、側部パネル19は略XZ平面に延在する。
【0036】
全てのこの好ましい第1の実施形態の取り付け手段は、ピラミッド形状を呈することができる剛構造8の先端と、ファンケース18の開口部との間に介在された前方エンジン取り付け部材10を含む。一方、後方エンジン取り付け部材12は、エンジン取り付け部材に関して、剛構造8とタービンエンジン6の中央ケース22との間に介在される。
【0037】
スラスト荷重吸収装置14は、X方向で、前方エンジン取り付け部材10の固定部と後方エンジン取り付け部材12の固定部との間に配置された構造ボックス8の下部スパー17に関して、一次構造と称される剛構造8に固定される。
【0038】
全体的に、スラスト荷重吸収装置14は、スラスト加重を吸収するための2つの側部リンクロッド26(図1では1つのリックロッドのみが可視できる)を有し、それらのリンクロッドのそれぞれは、例えば、タービンエンジン6の中間水平面に、又は中間水平面に隣接して、ファンケース18に接続された前方端部を含む。
【0039】
スラスト荷重吸収装置14の後方部は、図2を参照して詳細に記述されるであろう。
【0040】
この図において、側部リンクロッド26の両方が、タービンエンジンの中間垂直面に対応する取り付け装置の中間垂直面Pの両側に配置され、側部リンクロッド26のそれぞれが、基準軸システム(図示せず)を介してラダー制御バー28にジョイントを通じて接続された後方端部を有していることは、理解される。
【0041】
ラダー制御バー28は、上記の軸システムの両方の間に位置付けられた接続軸32に接続され、軸システムは、側部リンクロッドに関して、取り付け装置4の中間垂直面Pに対して対称に位置付けられる。さらに、接続軸32は、スラスト荷重吸収装置14の主取り付け部34の一体部分である場合があり、図2に示された二重の主取り付け部34の取り付け構成要素にそれぞれ属する2つの半円筒形からなる場合がある。当業者に周知な方法において、下部ソール36が支持スパー17の内側表面に対して支持される一方、支持スパー17の外側表面が主取り付け部34と一致することも、理解されることができ、それ故に、好ましくは二重の取り付け部の形状を呈する。
【0042】
この主取り付け部34の下部支持スパー17上の取り付け部は、ラダー制御バー支持取り付け部と称され、図2において参照符号40として参照された、本発明に特有である固定手段を達成する。そのようなものとして、様々な同一のアセンブリ42、又は類似のアセンブリ42が前記固定手段40、例えば、合計で4つである(図2では、それらのうち3つのみが可視できる)ように設けられたそれらのアセンブリ42を形成することができ、中間垂直面Pに対して対照的に位置付けられることができ、リブ21の横断面44の両側に公平に配置されることができることは、理解されることができる。それにもかかわらず、それらのアセンブリ42のうち一のアセンブリのみが、図3を参照して、以降に記載されるであろう。
【0043】
それ故に、図3を参照して、アセンブリ42のうちの一のアセンブリ42は、エンジンアセンブリが航空機の翼の下に吊るされるように意図される場合に、考慮されたケース且つ好ましいケースにおいて、剛構造8に、特に下部支持スパー17にスラスト荷重吸収装置14の主取り付け部34を取り付けるために使用された取り付け手段40に属することが、実際に理解されることができる。
【0044】
全てのアセンブリのうちの第1のアセンブリ42は、シャーリングペグ(shearing peg)と称される固定ペグ50を含み、固定ペグ50は、Z軸方向、それ故に、支持スパー17に垂直である方向に沿って全体的に展開された長手方向の軸52を有している。図示されるように、後述される全体のアセンブリ構成要素42は、中心を共有しており、アセンブリ構成要素42は、全てのアセンブリ構成要素42の長手方向を画定する、ペグ50のこの同一軸52に中心に配置される。
【0045】
より具体的には、固定ペグ50は、下部を形成するメイン部54と、メイン部54と一体であり、且つメイン部54の下に配置された二次固定部56とを含み、好ましくは、この同一のメイン部54を有する単一部材で作られる。
【0046】
メイン部54の平均直径より小さいサイズの平均直径を有している二次固定部56は、ねじ山を切られた上部自由端58を有し、前記剛構造8の内側に配置されたナット60内にねじ込まれる。これが図3で可視できるように、このナット60は、横断方向のリブ21のうちの一の横断方向のリブの下部ソール36に対して押圧され、できる限り、このナットの下部支持部と下部ソール36との間に介在された標準的な非回転システム62と結合される。この態様において、このリブの上部ソール及び2つの側部ソール(図示せず)を有するソール36が、矩形状のリブの外側フレームを形成するアセンブリの一部であり、構造ボックスのスパー/パネルを矩形状のリブに取り付け、矩形状のリブ内にリブの横断方向のフランク44を見つけ出すことができることは、示される。
【0047】
この主題に関して、ナットの下部支持部が、リブ21の前記横断方向のフランク44に対して平坦に押圧された平面部を含んでいる側壁部を有し、それによって、このナットがこの平坦な支持手段によって、その軸に沿って回転を妨げることを可能にすることは、提供されることができる。それ故に、固定ペグ50の取り付け部は、回転を阻止するナット60内にそのねじ山を切られた端部58をねじ込むことによって実行される。
【0048】
ソール36に対して押圧されたナット60に対応するそのねじ山を切られた端部58から、二次固定部は、非回転システム62、ソール36、及び下部支持スパー17を連続的に通過している軸52に沿って下向きに延在し、全てのそれらの部品が、当然ながらペグを通過させるためのボアをそれぞれ有する。
【0049】
二次固定部56の下部端部で、固定ペグ50は、円状の断面を有する略円柱形を有し、好ましくは、ねじ山が切られていないメイン部54とともに、下向きに延在する。
【0050】
メイン部54の上端部で、メイン部54は、YZ平面に沿って方向付けられたショルダー面64を画定し、且つスパー17の外側表面と接触する状態になる。これは、このメイン部54が構造ボックス8に対して外側に全体的に配置され、それ故に、固定ペグ50は、一方で、ナット60とソール36との間で、他方で、ショルダー表面64とスパー17との間で、Z軸に沿って2つの対向する支持手段によって構造ボックス8に固定的に組み立てられることが考慮されることができることを暗示する
【0051】
常に図3を参照して、スラスト荷重吸収装置14の主取り付け部34が軸52に沿ってボア66を有し、軸52は、メイン部54によって交差され、Z軸方向で、このボアから下向きに突出することが理解されることができる。
【0052】
支持スパー17に対する主取り付け部34の押圧を提供するために、アセンブリ42は、ベル形状の支持ワッシャー68を備え、それ故に、この同一のベル形状のワッシャーによって囲まれたメイン部54の下部が、ベル形状の支持ワッシャー68内に収容されることができるように、ベル形状の支持ワッシャーが上方に開口している。
【0053】
ベル形状の支持ワッシャーの環状の端部縁70は、支持スパー17に対して押圧された上部面に対向する主取り付け部の下部面に対して押圧され、この取り付け部34がこのスパー17に対して押圧されることが可能になる。さらに、軸52を中心に配置したベル形状のワッシャー70は、これが以下に記述されるように、同様に軸52を中心に配置したスクリュー72を介してZ軸方向に圧迫される。
【0054】
実際に、このスクリュー72は、ベル形状の支持ワッシャー68の外側表面に対して押圧されて、下向きに方向付けされたヘッド部を有する。スクリュー72は、ワッシャー68及びペグ50のメイン部54の下部を連続的に通過することによって、上方に延在し、Z軸に沿ってこの目的のために設けられたボア71,73がそれぞれ設けられる。次に、スクリュー72は、そのねじ山を切られた端部を有し、ねじ山を切られた端部は、これが図示されるように、例えばX方向などの、その長手方向の軸52に対して垂直である方向に沿って、固定ペグ50のメイン部54内に形成された他のボア74内に開口する。当然ながら、このアセンブリは、スクリューを通過させるためのボア73がペグ50を通過するボア74内に開口することによって、可能になり、これが図3及び図4を参照して記述されているように、バレル型のナット78が固定ペグ50内に収容される。
【0055】
実際には、円形状の断面を有するボア74において、このナット内にねじ込まれたスクリュー72の締付を確実にする変形フランジ80を有するバレル型ナット78に関する規定を設け、当業者に周知である任意の標準的な形状を呈する。バレル型ナットが一般的に、円柱状の外側表面81と、軸82を交差するタップされた穴84の軸83に垂直である(図4に図示する)円柱状の外側表面81の軸82と、ペグ50の軸52に一致する適切なアセンブリのこの軸83と、を有するナットであることは、思い出される。バレル型ナットは、1つ又は2つの部品でケースに応じて作られることができる。第2のケースにおいて、バレル型ナットは、円柱形ナットの支持部で形成されたハウジング内に取り付ける、フローティングナットを備える。
【0056】
それ故に、タップされた穴84の軸83に沿った回転及び並進移動でボア74によって阻止されるバレル型ナット78とともに、スクリュー72は、容易に取り付けられることができ、スクリューは、例えば、楕円形状に変形フランジ80とともに延在しているこの同一のタップされた穴84内にねじ込まれるように意図され、それによって、このスクリュー72のZ軸方向に沿う回転を阻止することが可能になる。
【0057】
このアセンブリ42と結合した特殊性のうちの一の特殊性は、それ故に、バレル型ナット78が構造ボックス8に対して外側に配置されることであり、それによって、そのアクセスが操作者に任意の特定の問題を持ち出さない。この態様において、ボア74内に収容されたこのナット78の容易な引き抜きを可能にするために、このナット78が、Z軸方向及び下向きに、すなわち、支持スパー17から主取り付け部34に向けての方向で、メイン部54によって交差された主取り付け部のボア66の端部を越えて全体的に配置されることは、提供される。ナット78は、それ故に、主取り付け部34から離隔して十分な間隙ともに配置され、それによって、バレル型ナット78は、この主取り付け部34の除去を必要とすることなく、ボア74から取り外すことができる。そのような場合において、ナット78に直接アクセスできるように、スクリュー72及びベル形状の支持ワッシャー68のみを取り外すことは、実際に十分であり、スライドすることによって、そのハウジングから容易に引き抜くことができる。
【0058】
これが図3に見られるように、好ましくは、一の実施形態は、バレル型ナット78を収容するために設けられたボア74の全体を有するし、バレル型ナット78は、Z軸方向及び下向きに、すなわち、支持スパー17から主取り付け部34に向けての方向で、メイン部54によって交差された主取り付け部のボア66の端部を越えて全体的に配置される。
【0059】
当然ながら、様々な改良は、当業者によって、制限されていない例として独占的に記載されている取り付け装置4及びエンジンアセンブリ1に提供されることができる。この態様において、エンジンアセンブリ1が、エンジンアセンブリ1が航空機の翼の下に吊るされる適切な構成で示される場合に、このアセンブリ1は、この同一の翼の上方に、又はこの航空機の胴体の後方部に取り付けられることを可能にする異なる構成で存在することが明白に表示されることができる。さらに、本発明に特有の固定手段が取り付け構造の剛構造にスラスト荷重吸収装置の主取り付け部を組み立てるために記載されている場合に、それらの同一の手段は、同様に/その代わりに、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、この同一の剛構造にエンジン取り付け部材の主取り付け部の組立を提供するために使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の好ましい実施形態による取り付け装置を備える、航空機のためのエンジンアセンブリの側面図である。
【図2】図1に示された取り付け装置の部分斜視図である。
【図3】この取り付け装置の剛構造に、スラスト荷重吸収装置の主取り付け部を取り付けるために使用される、図1及び図2で示された取り付け装置に属する固定手段の断面図である。
【図4】取り付け装置の剛構造に、スラスト荷重吸収装置の主取り付け部を取り付けるために使用されている、図3に示された固定手段に属するバレル型ナットを図示する図である。
【符号の説明】
【0061】
1 エンジンアセンブリ
2 翼
4 取り付け装置
5 長手方向軸
6 エンジン
7 矢印
8 剛構造
12 後方エンジン取り付け部材
14 スラスト荷重吸収装置
15 上部スパー
16 他の一連の取り付け部材
17 下部スパー
18 ファンケース
19 側部パネル
20 ファン管状流路
21 リブ
22 中央ケース
26 側部リンクロッド
28 ラダー制御バー
32 接続軸
34 主取り付け部
36 下部ソール
40 ラダー制御バー支持取り付け部
42 アセンブリ
44 横断面
50 固定ペグ
52 軸
54 メイン部
56 二次固定部
58 上部自由端
60 ナット
62 非回転システム
64 ショルダー面
66 ボア
68 ベル形状の支持ワッシャー
70 環状端部縁
71 ボア
72 スクリュー
73 ボア
74 ボア(他のボア)
78 バレル型ナット
80 変形フランジ
81 外側表面
84 タップされた穴
P 中間垂直面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛構造(8)と、前記剛構造(8)に航空エンジン(6)を取り付けるための手段と、を含んでいる航空エンジン(6)を取り付けるための装置(4)であって、
前記剛構造は、横断方向のリブ(21)を介して共に接続されたスパー(15,17,19)を含んでいる構造ボックスを形成し、
前記取り付け手段は、前記航空エンジン(6)によって発生されたスラスト荷重を吸収するための装置(14)と同様に、複数のエンジン取り付け部材(10,12)を含み、
前記構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素は、前記スラスト荷重吸収装置(14)、及び主取り付け部(34)を有している前記エンジン取り付け部材(10,12)から選択され、
前記主取り付け部は、スクリュー(72)と、前記バレル型ナット内にねじ込まれた前記スクリュー(72)の締付を提供する変形フランジ(80)を有するバレル型ナット(78)と、を含んでいる固定手段(40)によって、支持スパー(17)を形成する前記スパーのうちの一のスパーに固定的に取り付けられている取り付け装置において、
前記固定手段(40)は、前記支持スパー(17)に固定的に取り付けられ、且つ前記剛構造(8)に対して外側に配置されたメイン部(54)を有している固定ペグ(50)をさらに備え、
前記主取り付け部(34)は、前記固定ペグ(50)の前記メイン部(54)によって交差され、前記メイン部(54)を囲んでいるベル形状の支持ワッシャー(68)を介して、前記支持スパー(17)に対して押圧され、且つベル形状の支持ワッシャー(68)を交差している前記スクリュー(72)によって圧迫され、
前記スクリュー(72)は、前記固定ペグ(50)の前記メイン部(54)内に形成されたボア(74)内に収容される前記バレル型ナット(78)内にねじ込まれていることを特徴とする取り付け装置(4)。
【請求項2】
前記バレル型ナット(78)は、この同一の固定ペグの長手方向で、前記固定ペグ(50)によって交差された前記メイン部(34)のボア(66)の端部を越えて全体的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の取り付け装置(4)。
【請求項3】
前記ボア(74)は、前記固定ペグ(50)の前記メイン部(54)内に形成され、且つ前記バレル型ナット(78)を収容するために使用され、
前記バレル型ナット(78)は、この同一の固定ペグの長手方向で、前記固定ペグ(50)によって交差された前記メイン部(34)のボア(66)の端部を越えて全体的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の取り付け装置(4)。
【請求項4】
前記固定ペグ(50)は、前記メイン部(54)と一体であり、且つ前記支持スパー(17)と交差している二次固定部(56)をさらに含み、
前記二次固定部(56)は、前記剛構造(8)の内側に配置されたナット(60)内にねじ込まれた、ねじ山を切られた端部(58)を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の取り付け装置(4)。
【請求項5】
前記二次固定部(56)は、前記剛構造(8)の前記横断方向のリブ(21)の一のリブのソール(36)と交差し、
前記ナット(60)が前記剛構造(8)に対して押圧されていることを特徴とする請求項4に記載の取り付け装置(4)。
【請求項6】
エンジン(6)と、前記エンジン(6)を取り付けるための装置(4)と、を備えているエンジンアセンブリ(1)であって、
前記取り付け装置が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置であることを特徴とするエンジンアセンブリ(1)。
【請求項7】
請求項6に記載の少なくとも1つのエンジンアセンブリを含んでいる航空機であって、
前記エンジンアセンブリが、この航空機の翼又は後方胴体部に組み立てられることを特徴とする航空機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−537371(P2009−537371A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510434(P2009−510434)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054617
【国際公開番号】WO2007/131979
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)