説明

航空機用ターボジェットエンジン取付部

本発明は、横方向のリブ(23)を介して結合された2つの側面パネルから成る組立体によって形成された中央のトーションボックス(22)、及び中央のトーションボックス(22)の前方部分に固定され且つ両側に配置された2つの側方のトーションボックス(24a)を備えている航空機用ターボジェットエンジンのためのエンジンマウントに関する。本発明においては、中央のトーションボックス(22)を形成する横方向のリブ(23)のうち一方のリブが横方向のリブ(23)と一体に形成され、且つ中央のトーションボックス(22)から外方に2つの側面パネルから突出している2つの側方延長部(52a)を備え、2つの側方延長部(52a)それぞれは、2つの側方のトーションボックスそれぞれのフレーム(46a)に固定された状態で取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用ターボジェットエンジンのための固定パイロンに関する。エンジン取付構造(Engine Mounting Structure)を略した“EMS”と呼称されるパイロン固定構造は、航空機の翼体の下方でターボジェットエンジンを懸架するか、又は該翼体の上方で該ターボジェットエンジンを取り付けるために利用される。
【背景技術】
【0002】
エンジンマウントは、ターボジェットエンジンと航空機の翼体とを接続するインターフェースを形成するために設けられている。ターボジェットエンジンが発生させる負荷は機体に伝達し、燃料システム、電気システム、及び液圧システムのための経路と、エンジンと航空機との間隙を形成する。
【0003】
負荷を確実に伝達させるために、エンジンマウントは、場合によっては箱状、すなわち上方の翼桁、下方の翼桁、及び横方向のリブを介して共に結合された2つの側面パネルから成る組立体によって形成された高剛性な構造体を備えている。
【0004】
また、エンジンマウントは、ターボジェットエンジンとエンジンマウントの高剛性な構造体との間に位置決めされた取付システムを備えている。この取付システムは、少なくとも2つのエンジン取付部、少なくとも1つの前方取付部、及び少なくとも1つの後方取付部を備えている。
【0005】
さらには、取付システムは、ターボジェットエンジンが発生させる推進方向の負荷を伝達するスラストマウント装置を備えている。従来技術では、スラストマウント装置は、例えばターボジェットエンジンのファンケースの後部に結合され、その後に中央エンジンケースに固定された後部取付部に結合された2つの側方リンクの形態とされる。
【0006】
同様に、エンジンマウントは、このエンジンマウントの高剛性な構造体と航空機の翼体との間に位置決めされた第2の取付システムを備えている。この第2の取付システムは、一般に2つ又は3つの取付部から成る。
【0007】
最後に、エンジンマウントは、空力的カウルを備える一方、異なるシステムを分離し支持する二次構造体を備えている。
【0008】
上述のように、従来技術の従来型エンジンマウントは、ターボジェットエンジンによっては節制する全負荷を伝達可能とするように大きな略平行六面体状のトーションボックスの形態をしている。
【0009】
従って、大きなトーションボックスの形態とされるエンジンマウントがターボジェットエンジンの中央のケース近傍に配置されている場合には、このエンジンマウントは環状のファンダクトから排出される二次空気流の大きな乱流を発生させる。この乱流は大きな抗力となって、ターボジェットエンジンの耐力及び燃費が浪費される。
【0010】
さらに、これら乱流は、環状のファンダクトの出口に配置されたスライドリンク式のスラスト取付装置が設けられることによって高められる。
【0011】
これら欠点を鑑みて、長手方向に延在する中央のトーションボックス及び中央のトーションボックスの前方部分に固定された2つの側方のトーションボックスを備えているエンジンマウントを提案する。エンジンマウントは、エンジンマウントの長手方向に作用する負荷が伝達するように構成された第1の前方エンジン取付部及び第2の前方エンジン取付部を有している。これら第1の前方エンジン取付部及び第2の前方エンジン取付部それぞれが2つの側方箱状部に配置されている。
【0012】
本発明の提案する構成は、この目的を達成するために設けられた2つの側方のトーションボックスを介して、スラスト方向の負荷、すなわちエンジンマウントの長手方向に向いている負荷を確実に伝達するようになっている。第1の前方エンジン取付部及び第2の前方エンジン取付部を介して作用するスラスト方向の負荷が側方のトーションボックスの外板、すなわち機能外板(working skin)を介して容易に伝わることによって、このような伝達が実現される。前記負荷は、側方のトーションボックスの上端に伝達すると、長手方向においてエンジンマウントの後方に向かって伝達される長手方向中央のトーションボックスに到達する。
【0013】
同様に、垂直方向に作用するモーメントも2つの側方のトーションボックスによって、特に前記側方のトーションボックスそれぞれに設けられた前方の閉フレーム及び後方の閉フレームを介して、さらに任意に上述の前方の閉フレーム及び後方の閉フレームとの間に配置された中間フレームを介して確実に伝達される。
【0014】
最後に、エンジンマウントの長手方向に作用するモーメントの伝達についても同様であり、第1の前方エンジン取付部及び第2の前方エンジン取付部がエンジンマウントの垂直方向に作用する負荷を伝達するように構成されている場合に、この伝達は側方のトーションボックスによって効果的且つ確実に成されなくてはならない。
【0015】
また、エンジンマウントの高剛性な構造体は、中央のトーションボックス(torque box)とも呼称される長手方向に延在する中央のトーションボックスを備えている。この中央のトーションボックスは、仮想面の長手軸線に対して平行に延在しているので、側方のトーションボックスそれぞれに固定されている。側方のトーションボックスに生じる機械的抵抗によって、中央のトーションボックスは、特に厚さに関して従来の中央のトーションボックスよりも小さな大きさとされる。このことは、環状のファンダクトから出る二次空気流の乱流が非常に僅かであるが発生する。
【0016】
しかしながら、このような高剛性な構造体は、エンジンマウントの一次構造体とも呼称され、各側方のトーションボックスのすべてのフレームの長手方向の中央のトーションボックス上における高速安定性を確保するために、安定化手段を備えていないことに起因する無視できない程の欠点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、従来技術と関連する上述の欠点を少なくとも部分的に解決する航空機用ターボジェットのエンジンマウントを提供することである。
【0018】
この目的を達成するために、本発明の課題は、横方向のリブを介して結合された2つの側方のトーションボックスから成る組立体によって形成された長手方向に延在する中央のトーションボックスを備えた高剛性な構造体を有し、前記高剛性な構造体は、前記中央のトーションボックスの前方部分に固定され、前記中央のトーションボックスの両側に配置され、少なくとも1つのフレームを有している2つの側方のトーションボックスを備えているエンジンマウントであって、長手方向の中央のトーションボックスを形成している前記横方向のリブが、前記リブと一体的に形成され、長手方向の中央のトーションボックスから外方に側面パネルから突出している2つの側方延長部を備え、それぞれが前記側方のトーションボックスそれぞれの前記フレームに固定された状態で取り付けられていることを特徴とする航空機用ターボジェットのエンジンマウントである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、上述のフレームがトーションボックスの後方の閉フレームである好ましいが非制限的な実施例では、本願において提案するエンジンマウントは、長手方向に延在する中央のトーションボックスを形成する横方向のリブのうち一方のリブに完全に固定する側方延長部が設けられていることによって、これら後方の閉フレームを高剛性な構造体の長手方向の中央のトーションボックスに独創的且つ高性能で固定することができる。中央のトーションボックスの構成部分であって、中央のトーションボックスと2つの後方の閉フレームそれぞれとを機械的に結合する一体に形成された側方延長部が設けられていることによって、効果的に負荷を中央のトーションボックスに向かって側方のトーションボックス内で安全且つ満足できる程度に伝達することができる。
【0020】
また、これら側方延長部を備えた中央のトーションボックスの横方向のリブを位置決めする場合にこれら閉フレームを結合するために利用される側方延長部が自動的に位置決めされるので、この解決のために、非常に簡便且つ迅速に後方の閉フレームを中央のトーションボックスに機械的に結合することができる。従って、優位にはエンジンマウントの高剛性な構造体の組み立て作業時間が短縮される。
【0021】
2つの側方延長部が固定された状態で取り付けられるように構成されたフレームは、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、代替的に中央のトーションボックスの前方の閉フレーム、又は中間フレームいわゆる中央のトーションボックス内に配置された内部フレームとされる場合がある。一般に、これら様々なフレームは、補強材(stiffener)とも呼称されるが、関連する中央のトーションボックスの下方の外板及び上方の外板を備え、好ましくは横断面(transverse plane)に沿って配置されている。さらに、各補強材は関連するトーションボックス内部で構造的な役割を果たす。
【0022】
好ましくは、上述のフレームが中央のトーションボックスの後方の閉フレームである好ましいが非制限的な実施例では、側方延長部それぞれが関連する閉フレームの中心体に固定された状態で取り付けられた第1の部分を有しているので、2つの側方のトーションボックスそれぞれの後方の閉フレームが、下方の支持プレート及び上方の支持プレートが設けられた両側面に中心体を有していることに留意すべきである。
【0023】
後方の閉フレームの取付を補強するために、側方延長部それぞれが関連する閉フレームの上方の支持プレートに固定された状態で取り付けられた第2の部分を有している。
【0024】
好ましくは、側方延長部それぞれは、延長支持部が関連する側方パネルに形成された延長貫通孔を閉塞するように配置されているので、横方向のリブ及び2つ側方延長部と一体に形成された延長支持部を介して横方向のリブに結合されている。従って、長手方向の中央のトーションボックスは、側面パネルに形成された延長貫通孔内に延長支持部を収納することによって密閉状態を保つことができる。
【0025】
また、2つの側方延長部それぞれについて、延長支持部の外面は、関連する側面パネルの外面と略同一平面内に位置決めされている。このようにして、中央のトーションボックスから外方に突出している延長部が存在するにも関わらず、中央のトーションボックスの外側の両側面における良好な空気力学的な連続性を得ることができる。
【0026】
エンジンマウントは、2つの側方延長部を備えた横方向のリブ上に配置された付加的な横方向のリブを備えている。付加的な横方向のリブは、自身と一体的に形成され、且つ長手方向の中央のトーションボックスの2つの側面パネルから外方に突出している。また、2つの付加的な側方延長部は、それぞれ2つの側方のトーションボックスそれぞれの後方の閉フレームに固定された状態で取り付けられている。
【0027】
この付加的な横方向のリブ及び2つの付加的な側方延長部は共に上述の平面と略同一の単一部品を形成していることに留意すべきである。従って、付加的な横方向のリブは、この第1の部分が破損又は故障した場合にフェールセーフの役割、すなわち一体に形成された第1の単一部品の動作機能を確実に実行させる。それにも関わらず、一体に形成されたこの第2の部分は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、単に第1の部分に形成された機械的な支持部を補強するために利用されるにすぎない。
【0028】
当該実施例では、2つの側方のトーションボックスそれぞれについて、側方延長部及び付加的な側方延長部が後方の閉フレームの中心体の両側面に配置されている。
【0029】
さらに、2つの側方のトーションボックスそれぞれの後方の閉フレームが下方の支持プレート及び上方の支持プレートを備えた両側面に中心体を有している場合には、好ましくは付加的な側方延長部それぞれが、関連する閉フレームの中心体に固定された状態で取り付けられた第1の部分、及び任意に同一の閉フレームの上方の支持プレートに固定された状態で取り付けられた第2の部分を有している。
【0030】
側方延長部及び付加的な側方延長部については、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、後方の閉フレームの上方の支持プレートに固定された状態で取り付けられた上述の第2の部分のみが設けられていることは明白である。
【0031】
ここで、付加的な側方延長部それぞれが、付加的な延長支持部及び2つの付加的な側方延長部と一体に形成された付加的な延長支持部を介して付加的な横方向のリブに結合されている。付加的な延長支持部は、付加的な延長をするために関連する側面パネルに形成された貫通孔を閉じるように配置されている。
【0032】
従って、2つの付加的な側方延長部については、付加的な延長部のための支持部の外面が、関連する側面パネルの外面と略同一平面内に配置されている。
【0033】
このようにして、これら特徴によって、付加的な延長部のための支持部が側面パネルに設けられた付加的な延長部のための貫通孔内に収納されるので、長手方向の中央のトーションボックスの密閉性が維持される。さらには、付加的な延長部が中央のトーションボックスから外方に突出しているように設けられているにもかかわらず、中央のトーションボックスの外面における空気力学的な連続性が良好にすることができる。
【0034】
当該実施例では、長手方向の中央のトーションボックスの2つの側面パネルについて、延長部のための貫通孔及び付加的な延長部のための貫通孔は、共に延長部のための支持部及び付加的な延長部のための支持部によって閉じられる単一の貫通孔を形成している。
【0035】
好ましくは、2つの側方のトーションボックスそれぞれが、円状断面を有する略円筒状の仮想面の一部を区切っている下方の外板を有し、ターボジェットエンジンの長手軸線と一致する長手軸線を有している。
【0036】
さらに、2つの下方の外板それぞれは、円状断面を有する略円筒状の仮想面の周囲に延在することができるように湾曲している。従って、下方の外板は、中央に配置された単一の大きな平行六面体のボックスの形態とされるエンジンマウントのような従来技術と比較して、関連するターボジェットエンジンの環状のファンダクトから排出される二次空気流の乱流が制限されない点において優位な高剛性な構造体の組立体を形成することができる。
【0037】
仮想面の直径が関連するターボジェットエンジンのファンケースの円筒状の外面の直径と略同一であると効果的である。このことは、下方の外板によって形成される高剛性な組立体がファンケースの前記外面に略連続的に延在すること、より具体的にはこのファンケースの周囲の環状部分に略連続的に延在することを意味する。2つの側方のトーションボックスがファンケース、すなわち円状断面を有する略円筒部に類し、ファンケースの直径に近い直径を有している場合には、側方のトーションボックスによって発生する二次空気流の乱流は極めて僅かであり、ほとんど存在しない。
【0038】
これにより抵抗、ターボジェットエンジンの耐性及び燃費において余裕を得ることができる。
【0039】
2つの側方のトーションボックスが円状断面を備えた略円筒状のケースに非常に類似する場合には、半円状断面を備えた略円筒状のケース部の形態であることが望ましい。この好ましい形態は、エンジンマウントの高剛性な構造体にターボジェットエンジンを容易且つ確実に取付可能となるように適合されている。
【0040】
また上述のように、2つの側方のトーションボックスの間に位置決めされた長手方向の中央ケースは、二次空気流の乱流を僅かにしか発生させないように配置されている。下方の部分の非常に僅かな部分が仮想面内部に延出している。
【0041】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの上記エンジンマウントを備えた航空機を提供することである。
【0042】
本発明の他の利点及び特徴は以下の詳細な説明から明らかになるが、これら説明は本発明を制限するものではない。
【0043】
本発明の説明は添付図面を参照して行なわれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1を参照すると、航空機のエンジン組立体1は、本発明の好ましい実施例におけるエンジンマウント4を備え、前記航空機の翼体の下方に固定されるように構成されている。
【0045】
エンジン組立体1は、一般にターボジェットエンジン2及びエンジンマウント4から構成される。このエンジンマウントは、特に複数のエンジン取付部6a,6b,8,9と、これらエンジン取付部が取り付けられた高剛性な構造体10を備えている(エンジン取付部6bは図1ではエンジン取付部6aに隠れている)。図1には、エンジン組立体1はナセル(図示しない)によって囲まれるように構成され、エンジンマウント4はエンジン組立体1を航空機の翼体の下方に懸架するために他の一連のエンジン取付部(図示しない)を備えていることが示されている。
【0046】
以下の発明の詳細な説明において、X方向は、ターボジェットエンジン2の長手方向に近似されるエンジンマウント4の長手方向を規定するために利用される。このX方向は、ターボジェットエンジン2の中心軸線5に対して平行とされる。Y方向は、エンジンマウント4に対して横向きの方向であり、ターボジェットエンジン2の横方向に近似される。Z方向は、垂直方向すなわち高さ方向である。X方向、Y方向、及びZ方向の三方向は互いに対して直交している。
【0047】
また、“前方(forward)”及び“後方(aft)”という用語は、ターボジェットエンジン2が発生させる推力によって航空機が移動する方向に関連して考えられるものであって、この方向は矢印7によって表わされる。
【0048】
図1は、エンジン取付部6a,6b,8,9とエンジンマウント4の高剛性な構造体10とを表わす。エンジンマウント4の図示されない他の構成要素、例えば高剛性な構造体10を航空機の翼体の下方に取り付けるための取付手段や、異なるシステムを分離し支持するための、空力的カバーを備えた二次構造体は、従来技術による部品と同一又は類似であって、本発明が属する技術分野における当業者にとって既知の部品である。従って、ここでは詳細に説明しない。
【0049】
また、ターボジェットエンジン2は、前方に環状のファンダクト14が形成された大きなファンケース12を有し、後方に向かって前記ターボジェットエンジンのコアを覆った小さな中心ケース16を備えている。最後に、中心ケース16は、中心ケース16よりも大きな排出ケース17に至るまで後方に延在している。ファンケース12、中心ケース16、及び排出ケース17が互いに対して固定されていることは言うまでもない。
【0050】
図1は、第1の前方エンジン取付部6a及び第2の前方エンジン取付部6bが共に中心軸線5及びZ方向によって規定される平面Pに対して対称なファンケース12に固定されていることを表わす。
【0051】
図2は、第1の前方エンジン取付部6a及び第2の前方エンジン取付部6bは、共に平面Pに関して対照的に配置され、好ましくはファンケース12の環状周囲部分に配置され、より正確には環状周囲部分の後方に配置されていることを概略的に表わす。
【0052】
第1の前方エンジン取付部6a及び第2の前方エンジン取付部6bは、ファンケース12の円筒状の外面18が形成された環状周囲部分に直径方向において対向して配置されているので、これらエンジン取付部6a,6bのそれぞれが中心軸線5及びY方向によって規定される第2の平面P’に交わっている。
【0053】
図2の矢印によって、第1の前方エンジン取付部6a及び第2の前方エンジン取付部6bのそれぞれがターボジェットエンジン2によって発生する負荷をX方向及びZ方向に伝達させ、Y方向には伝達させないように構成されていることが概略的に表わされている。
【0054】
このようにして、互いに離間して配置された2つの前方エンジン取付部6a,6bは、結合した状態でX方向に作用するモーメント及びZ方向に作用するモーメントを確実に伝達させることができる。
【0055】
図2は、ファンケース12の環状周囲部分の周囲、好ましくは環状周囲部分の後方に固定されている第3の前方エンジン取付部8を概略的に表わす。
【0056】
第1の前方エンジン取付部6a,第2の前方エンジン取付部6b、及び第3の前方エンジン取付部8は、好ましくは環状周囲部分の後方に配置されたエンジンの構造的な部分(図示しない)を介して、ファンケース12の環状周囲部分に固定されている。それにも関わらず、エンジンの構造的な部分が環状周囲部分のさらに前方に位置決めされ、第1の前方エンジン取付部6a,第2の前方エンジン取付部6b、及び第3の前方エンジン取付部8がファンケース12の環状周囲部分上でエンジンの前部に対して固定されている。
【0057】
第3の前方エンジン取付部8は、ファンケース12の最も高い部分に位置決めされた上で、環状周囲部分の最も高い部分に位置決めされている。従って、上述の第1の平面Pは仮想的に最も高い部分を通過している。さらに、第1の前方エンジン取付部6a,第2の前方エンジン取付部6b、及び第3の前方エンジン取付部8は、好ましくはYZ平面(図示しない)と交差している。
【0058】
図2の矢印によって、第3の前方エンジン取付部8がターボジェットエンジンが発生させたY方向の負荷のみを伝達し、X方向及びZ方向に作用する負荷を伝達しないように構成されていることが概略的に表わされている。
【0059】
図2は、後方エンジン取付部9が高剛性な構造体10(図2には図示されない)と排出ケース17との間、好ましくは排出ケース17の最大径を有している部分に固定されていることを概略的に表わす。後方エンジン取付部9は、好ましくは仮想的に第1の平面Pに交差している。
【0060】
図2の矢印は、後方エンジン取付部9がターボジェットエンジン2によってZ方向に発生された負荷のみを伝達し、X方向及びY方向に作用する負荷を伝達させないように構成されていることを概略的に表わす。
【0061】
このようにして、後方エンジン取付部9は、2つの前方エンジン取付部6a,6bと結合しているので、Y方向において作用するモーメントを確実に伝達させることができる。
【0062】
この後方エンジン取付部9が異なる位置に配置される場合もあることは明白である。すなわち、後方エンジン取付部9は、ターボジェットエンジン2の中央ケース16、好ましくは該中央ケースの後部又は中央ケース16と排出ケース17との結合部20に位置決めされている。
【0063】
図1及び図2はエンジン取付部6a,6b,8,9の概略図であるが、これらエンジン取付部が、本発明の属する技術分野における当業者にとって既知とされる任意の形態、例えばリンク及びブラケットから成る組立体から構成されることに留意すべきである。
【0064】
上述のように、上記の如く構成された本発明の主たる特徴の一つは、ファンケース12に設けられた第1の前方エンジン取付部6a,第2の前方エンジン取付部6b、及び第3の前方エンジン取付部8が様々な航空機の飛行段階における中央ケース16の曲げを著しく低減し、これにより圧縮機とタービンブレードとの中央ケース16に対する摩擦に起因する摩耗も著しく低減されることである。
【0065】
図3は、本発明の主題であるエンジンマウント4の高剛性な構造体10の詳細図である。但し、図3はエンジン取付部6a,6b,8,9を意図的に省略している。
【0066】
最初に、高剛性な構造体10は、上述の第1の平面P、すなわちターボジェットエンジン2の長手方向の中心軸線5及びZ方向によって規定される垂直面に関して対称となるように構成されている。
【0067】
高剛性な構造体10は、長手方向において中心に配置され、X方向において高剛性な構造体10の一端から他端に延在し、且つ、X方向に対して平行な長手中央の箱状構造物22、いわゆる中央トーションボックス(torque box)を備えている。図示の如く、この中央トーションボックス22は、平行なXZ平面内でX方向に延在し、且つ平行なYZ平面内に面している横方向のリブ23を介して共に結合されている2つの側面パネル30から成る組立体によって形成されている。さらに、上方の翼桁35及び下方の翼桁36は、中央トーションボックス22を閉じるために設けられている。側面パネル30、上方の翼桁35、及び下方の翼桁36それぞれは、単一部品又は結合部から成る組立体によって形成されており、互いに対して所定角度で僅かに傾斜した状態で設置されている場合もある。
【0068】
2つの側方のトーションボックス24a,24bは、高剛性な構造体10を完成させる。高剛性な構造体の中央のトーションボックスは、高剛性な構造体10の上部に配置されている。2つの側方のトーションボックス24a,24bは、それぞれ中央のトーションボックス22に固定され、Y方向において該中央のトーションボックスの両側から下方に突出している。
【0069】
中央のトーションボックス22の前方部に固定された前記側方のトーションボックスの一の実施態様は、図3に表わすように、ターボジェットエンジンに面し、円状断面(circular section)を有する略円柱状の仮想面32の一部を形成し、且つ中央のトーションボックス22及びX方向に対して平行な長手軸線34を有している内板26a,26b(lower skin)を有している。
【0070】
言い換えれば、これら2つの内板26a,26bは、それぞれ自身の全長に亘って、自身が仮想面32の周囲に該仮想面と接触した状態で位置決めされるように適合された曲面を有している。従って、一般に、2つの側方のトーションボックス24a,24bは、円状断面を有する略円柱状のケース/ケージの一部を共に形成し、これによりターボジェットエンジン2の中央ケース16の周囲に該中央ケースから離間された状態で位置決めされる。
【0071】
図示の如く、長手軸線34はターボプロップエンジンの長手方向の中心軸線5と一致することが望ましい。従って、高剛性な構造体10は、長手軸線34及びエンジンマウント4のZ方向によって規定される垂直面に関して対称とされることに留意すべきである。
【0072】
図4は、任意の方向において側方のトーションボックス24a,24bを通過する横方向の平面P1に沿って切断した断面図である。
【0073】
図4は、外面を有した2つの内板26a,26bが円状断面を有する略円柱状の仮想面32の一部を形成し、図5に表わすように2つのトーションボックス24a,24bが長手軸線34に沿って位置合わせされた半円状断面を有する略円筒状のケース/ケージの一部を形成していることを表わす。
【0074】
環状のファンダクト14から発せられる二次気流に起因する乱流を最小限に抑えるためには、円筒状の仮想面32の直径がファンケース12の環状部の円筒状の外面18の直径と略同一であることが望ましい。また、図4に表わすように、仮想面32によって形成される空間38内部に対する中央のトーションボックス22の要素の突出量は非常に小さいので、二次気流は阻害されない。このことは、Z方向における側面パネル30の高さが仮想面32の直径及び外面18の直径と比較して非常に小さいことに特に起因する。
【0075】
図5は、長手軸線34に沿って位置合わせされ且つ仮想面32の上半分を囲んでいる、半円状断面を有する略円筒状のケース/ケージ40の一部を結合した状態で形成する側方のトーションボックス24a,24bの好ましい形態を概略的に表わす。従って、図5においてクロスハッチングで示された部分42は、2つの側方のトーションボックス24a,24bの欠落部分に対応し、これにより完全な半円筒部40を形成する。図3及び図4に表わすエンジンマウントにおいては、前記部分42は、実際には仮想面32の内側にごく僅かに突出し、且つ2つの側方のトーションボックス24a,24bを結合している中央のトーションボックス22の一部に置換可能であることに留意すべきである。図示の如く、これら2つの側方のトーションボックスがファンケース12の環状周囲部分の後方への延長部を実質的に形成している。
【0076】
図6及び図7を併せて参照すると、側方のトーションボックス24aは、側方のトーションボックス24bと同一であって、側方のトーションボックス24bと対称的に配置されていることがわかる。さらに、側方のトーションボックス24aは、X方向に対して平行とされ、且つ円状断面を有する円筒要素の一部を形成する内板26a(lower skin)と、X方向に対して平行とされ、且つ円状断面の円筒要素の一部を形成する外板44a(upper skin)とを備えている。内板26a及び外板44aは、同心的に配置されていることが望ましい。
【0077】
内板26a及び外板44aは、前方の閉フレーム28a及び後方の閉フレーム46aを介して互いに結合されている。従って、前方の閉フレーム28a及び後方の閉フレーム46aは、横方向に向いており、それぞれ側方のトーションボックス24aの前方部分及び後方部分に配置されている。中間フレーム29aは、側方のトーションボックス24aの剛性を高めるために、内板26a及び外板44aを結合し、且つ前方の閉フレーム28aと後方の閉フレーム46aとの間に配置されるように設けられている。従って、この中間フレーム29aは、内板及び外板を支持するように機能し、横方向に向いている。
【0078】
さらに、閉プレート48aは、平面P’に対して平行とされ、好ましくは平面P’上に配置されており、側方のトーションボックス24aの下部を閉じるようになっているので、前方の閉フレーム28a、後方の閉フレーム46a、内板26a、及び外板44aを結合することができる。
【0079】
側方のトーションボックス24bが、それぞれが側方のトーションボックス24aの内板26a、外板44a、前方の閉フレーム28a、中間フレーム29a、後方の閉フレーム46a、及び閉プレート48aと同一とされる内板26b、外板44b、前方の閉フレーム28b、中間フレーム29b、後方の閉フレーム46b、及び閉プレート48bを備えていることは言うまでもない。また、前方の閉フレーム28b、中間フレーム29b、及び後方の閉フレーム46bは、平面Pに関して前方の閉フレーム28a、中間フレーム29a、及び後方の閉フレーム46aと対称に配置されている。
【0080】
図6及び図7に表わすように、2つの内板26a,26bは、一体に形成されており、平面XYに沿って向き且つ中央のトーションボックス22の下方の翼桁36と接触した状態で位置決めされた結合プレート50を介して、自身の上部で結合されている。結合プレート50は、下方の翼桁36と同一の幅を有し、仮想面32の内部で内側に僅かに突出していることは言うまでもない。
【0081】
同様に、2つの前方の閉フレーム28a,28bは、一体に形成されており、中央のトーションボックス22の前方の閉フレーム31を介して上部で結合され、YZ平面に沿って向いている。従って、このような構成においては、一体に形成された前方の閉フレーム28a,28b,31は、YZ平面内に配置され、エンジンマウント4の高剛性な構造体10の前端部を形成している。
【0082】
また、後方の閉フレーム46a,46bの上端部と外板44a,44bの上端部とは、図9〜図12を参照して以下に詳述される本発明に特有な手段によって中央のトーションボックス22に固定されている。さらに、中間フレーム29a,29bの上端を中央のトーションボックス22に結合することについては詳述しないが、後方の閉フレーム46a,46bの上端に関連する図9〜図12を参照して説明される方法に類する方法で実施されることは言うまでもない。
【0083】
図7を参照すると、前方エンジン取付部6a,6b,8は、エンジンマウント4の高剛性な構造体10に設けられるように完全に適合されているので、前方の閉フレーム28a,28b,31を一体に形成した横方向に延在する部品に容易に固定可能とされることがわかる。第1の前方エンジン取付部6a及び第2の前方エンジン取付部6bは、それぞれ平面P’が前方の閉フレーム28a,28bを通過するように、前方の閉フレーム28a,28bの下端に固定されている。一方、第3の前方エンジン取付部8は、前方の閉フレーム28a,28bの間に配置された前方の閉フレーム31に固定されている。従って、このようにして、2つの前方エンジン取付部6a,6bが、長手軸線34及びエンジンマウント4のZ方向によって規定される垂直面に関して対称に配置されていることは言うまでもない。同様に、第3の前方エンジン取付部8は、上述の第1の平面Pと同一の平面上に配置されている。
【0084】
後方エンジン取付部は、下方の翼桁36に固定された支持部54を介して中央のトーションボックス22の下方に固定されている。この支持部54は、後方エンジン取付部9がターボジェットエンジン2の排出ケース17に取り付け可能な程度に十分な長さで下方の翼桁36からZ方向下向きに延在している。
【0085】
上述の高剛性な構造体10の構成要素のすべてが、例えば鉄、アルミニウムやチタンのような金属材料又は好ましくは炭素繊維複合材料のような複合材料を利用することによって製造されている。
【0086】
図8は、上述の好ましい実施例の代替的な実施例である航空機用エンジン組立体1を表わす。(エンジンマウントの高剛性な構造体は省略する)。このエンジン組立体は上述のエンジン組立体に類似している。従って、同一の参照符号は同一又は類する部品に対応している。
【0087】
当該代替的な実施例の主な相違点として、第3の前方エンジン取付部を除いたこと、及びZ方向に作用する負荷及びY方向に作用する負荷を確実に伝達させるために、後方エンジン取付部9が設けられていることが挙げられる。従って、当該代替的な実施例は、絶縁取付システムを形成するために複数のエンジン取付部を備えている。
【0088】
図9及び図10は、本発明の一の特定態様では、中央のトーションボックス22を形成する横方向のリブ23のうちの一のリブが例えばチタンのような金属材料で一体に形成された2つの側方延長部52a,52bを備えていることを表わす。これら側方延長部は、高さ方向においてリブ23の上方の側壁53と下方の側壁55の中間に配置されていることが望ましい。これら側壁は、それぞれ上方の翼桁35及び下方の翼桁36と接触した状態でXY平面に沿って配置され、中央のトーションボックス22を形成している。このことは、側方延長部52a,52bが結合されている後方の閉フレーム46a,46bのそれぞれが、関連する側面パネル30の中間部分と接触しているが前記側面パネルの上端部分又は下端部分とは接触していない上端を有していることを示している。
【0089】
従って、各側方延長部52a,52bは、横方向のリブ23の2つの側壁54a,54bのうち一方の側壁及び側面パネル30から延在している。このことは、各側方延長部52a,52bが中央のトーションボックス22に対して外方に設けられていることを意味する。
【0090】
より正確には、側方延長部52aは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46aの中心体58aに固定された状態で取り付けられた第1の部分56aを備えている。図10を参照すると、この中心体58aは、YZ平面内に位置し、上方の支持プレート60a及び下方の支持プレート62aを備えている。これら2つの支持プレートの外面は、自身が接触している側方のトーションボックスの外板44a及び内板26aのための固定支持手段として機能するように構成されている。従って、第1の部分56aは、YZ平面内に位置し、自身が固定された状態で取り付けられた中心体と平面接触している。
【0091】
また、側方延長部52aは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46aの上方の支持プレート60aに固定された状態で取り付けられた第2の部分64aを備えている。従って、第2の部分64aの形状は、上方の支持プレート60aの湾曲した断面に追従するように構成されている。この第2の部分は、図10に表わすように自身が固定された状態で取り付けられた上方の支持プレート60aの下面に接触していることが望ましい。
【0092】
また、第1の部分56a及び第2の部分64aが後方の閉フレーム46aに沿って略同一の長さに亘って延在し、L字状断面を形成するように共通する縁部を有していることが望ましい。
【0093】
側方延長部52aは、側壁54aと側方延長部52aとの間に前記側方延長部のための支持部68aを挿入するために設けられているので、XZ平面に沿って延在している側壁54aに直接接触している訳ではない。この支持部68aは、他の上述の構成要素と一体に形成され、Y方向の寸法誤差を効果的に許容する形態とされ、側壁54aから外方に延在している。図10に表わすように、前記支持部は、隣接する側面パネル30内に形成された支持部のための貫通孔70aを閉塞するように機能する。この貫通孔70aは、中央のトーションボックス22の所定位置にリブ23を位置決めした後に側面パネル30が取付可能となるように構成されている。従って、側面パネル30が所定位置に位置決めされた場合に、側方延長部52aが貫通孔70aを貫通することは明らかである。
【0094】
貫通孔70aが閉じられることによって、トーションボックス22の密閉状態が維持される一方、この必要な貫通孔が形成されれることによって、側面パネル30が中央のトーションボックス22を側方で閉じるように位置決め可能となる。
【0095】
図10は、延長支持部68aの外面72aが、側面パネル30の外面によって形成された中央のトーションボックスの外側面における空気力学的な連続性が良好となるように前記側面パネルの外面74aと略同一平面内に配置されていることを表わす。
【0096】
当該実施態様では、リブ23の側壁54aが側面パネル30の内面と接触している限り、延長支持部68aの厚さは側面パネル30の厚さと略同一であることに留意すべきである。
【0097】
側方延長部52bは、図10に表わすように側方延長部52aと平面Pに関して対称に配置されている。より好ましくは、平面Pは一体に形成され且つリブ23に結合された部品全体についての対称面とされる。
【0098】
従って、側方延長部52bは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46bの中心体58bに固定された状態で取り付けられた第1の部分56bを備えている。この中心体58bは、YZ平面に配置され、上方の支持プレート60b及び下方の支持部レート62bを備えている。これら2つの支持プレートの外面は、自身が接触しているトーションボックスの側方の外板44b及び内板26bのための固定支持部として機能するように構成されている。従って、第1の部分56bも、YZ平面に配置され、自身が固定された状態で取り付けられた中心体と平面接触している。
【0099】
側方延長部52bは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46bの上方の支持プレート60bに固定された状態で取り付けられた第2の部分64bを備えている。従って、第2の部分64bの形状は、上方の支持プレート60bの湾曲した外形に追従するように適合している。第2の部分は、自身が固定された状態で取り付けられた上方の支持プレート60bの下面と接触していることが望ましい。
【0100】
また、第1の部分56b及び第2の部分64bが後方の閉フレーム46bに沿って略同一の長さで延在し、好ましくはL字状断面を形成するように共通の縁部を有していることに留意すべきである。
【0101】
側方延長部52bは、側方延長部のための支持部68bが側壁54bと側方延長部52bとの間に挿入されるように設けられているので、XZ平面に沿って延在している側壁54aに対向する側壁54bと直接接触している訳ではない。この支持部68bは、他の上述の構成要素と一体に形成され、Y方向の寸法誤差を効果的に許容する形態とされ、側壁54bから外方に延在している。この支持部は、側方延長部52bが側面パネル30を位置決めする際に貫通孔70bを確実に貫通することによって、リブ23がトーションボックス22上の所定位置に配置された後に支持部が側面パネルに取付可能となるように、隣接する側面パネル30に形成された貫通孔70bを閉塞するように機能する。
【0102】
貫通孔70bが閉じられることによって、中央のトーションボックス22の密閉性が維持されることが望ましい。また、延長支持部68bの外面72bは、側面パネル30の外面によって形成された中央のトーションボックスにおける空気力学的な連続性が良好となるように前記側面パネルの外面74bと略同一の平面内に配置されている。
【0103】
リブ23の側壁54bが側面パネル30の内面と接触している限り、延長支持部68bの厚さは側面パネル30の厚さと略同一であることに留意すべきである。
【0104】
図9を参照すると、コーナーブラケット76aを前方の閉フレーム28aの上端と後方の閉フレーム46aの上端との間で側面パネル30に取り付けることによって、側方のトーションボックス24aが中央のトーションボックス22に固定される。従って、このコーナーブラケット76aは外板44aのための支持部として機能する。この外板は2つの閉フレーム28a,46aの上方の支持プレートに配置されている。側方のトーションボックス24bを固定するために同様の構成が設けられていることは言うまでもない。
【0105】
図10は、リブ23には、全体の重量を低減するために中央開口部80が形成されていることを表わす。また、このリブには、Y方向に沿って延在している補強部材82が設けられている。より具体的には、この補強部材82は、部品の残り部分と一体構造とされ、後方の閉フレーム46a,46bの上方の支持プレートと同様に湾曲し、2つの上方の支持プレート60a,60bそれぞれ又は2つの第2の部分64a,64bそれぞれと連続するように配置された2つの側端部を有している。このような特徴によって、横方向のリブ23を介した負荷経路の連続性が確保される。
【0106】
図11は、エンジンマウントがX方向に沿って上述のリブ23の上方に重ねられた状態で配置された付加的な横方向のリブ84を備えていることを表わす。このリブは、後方の閉フレーム46a,46bの一体的な機械的支持を実現し、一体構造から成り且つリブ23に結合した部品が破断又は破損した場合にフェールセーフ機能を発揮させることができる。
【0107】
従って、2つのリブ23,84は、Y方向及びZ方向に向いている平面P2に沿って面接触している。
【0108】
図12は付加的なリブ84の後面図である。図12は、このリブが上述のリブと同様の一体構造とされ、リブ23に結合していることを表わす。
【0109】
付加的なリブ84には、例えばチタンのような金属材料で一体構造とされた2つの付加的な側方延長部86a,86bが設けられている。
【0110】
従って、各側方延長部86a,86bは、関連する側面パネル30から突出するようにリブ84の2つの側壁88a,88bのうち一方の側壁からY方向に延在している。このことは、各側方延長部86a,86bが中央のトーションボックス22に対して外方に配置されていることを意味する。
【0111】
より詳しくは、側方延長部86aは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46aの中心体58aに固定された状態で取り付けられた第1の部分90aを備えている。図11は、第1の部分56a,90aがそれぞれ中心体58aの側面と接触するように配置されていることを表わす。具体的には、第1の部分56aは側方のトーションボックス24aの内側に配置され、第1の部分90aは側方のトーションボックス24aの外側に配置されている。従って、第1の部分90aも、YZ平面に配置され、自身が固定された状態で取り付けられた中心体と平面接触している。
【0112】
また、側方延長部86aは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46aの上方の支持プレート60aに固定された状態で取り付けられた第2の部分92aを備えている。従って、第2の部分92aの形状は、上方の支持プレート60aの湾曲した外形に追従するように適合している。第2の部分92aは、図11に表わすような側方のトーションボックス24aの外側に配置された側方延長部52aの第2の部分64aとは異なり、側方のトーションボックス24aの外側で上方の支持プレート60aの下面と接触していることが望ましい。
【0113】
さらに、第1の部分90a及び第2の部分92aは後方の閉フレーム46aに沿って略同一の長さで延在し、L字状断面を形成するように共通の縁部を有していることが望ましい。
【0114】
付加的な側方延長部86aは、自身が側壁88aと側方延長部86aとの間に側方延長部のための支持部94aを挿入するように設けられているので、XZ平面に沿って延在している側壁88aと直接接触している訳ではない。この支持部94aは、他の上述の構成要素と一体構造とされ、Y方向に沿った寸法誤差を許容する形態とされ、側壁88aから外方に延在している。図12を参照すると、前記支持部は、隣接する側面パネル30に形成された延長部の貫通孔96aを閉塞するように機能することであることがわかる。この貫通孔96aはリブ84を中央のトーションボックス22の所定位置に配置した後に側面パネル30を取り付けるために形成されている。従って、側方延長部86aが、側面パネル30を位置決めする場合に貫通孔96aを通過することは言うまでもない。
【0115】
中央のトーションボックス22の側面を閉じる側面パネル30を所定位置に位置決めするために必要な貫通孔が設けられているにも関わらず、貫通孔96aを閉じることによってトーションボックス22の密閉性が維持されることが望ましい。
【0116】
図示の実施態様では、図11に表わすように、2つの貫通孔70a,96aは、同一の側面パネル30に形成され、X方向において隣接した2つの支持部68a,94aによって閉じられた、例えば矩形状の単一の貫通孔を形成している。
【0117】
側面パネル30の外面から成る中央のトーションボックスの外側面における空気力学的な連続性が良好となるように、延長支持部94aの外面98aは、図12に表わすように上述の側面パネルの外面100aと略同一平面内に配置されている。
【0118】
当該実施態様では、リブ84の側壁88aが側面パネル30の内面と接触している限り、側方延長部の支持部94aの厚さは側面パネル30の厚さと略同一であることに留意すべきである。
【0119】
側方延長部86bは平面Pに関して側方延長部86aと対称に配置されている。好ましくは、平面Pは一体構造とされ且つリブ84に結合する部品全体について対称な平面とされる。
【0120】
従って、側方延長部86bは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46bの中心体58bに固定された状態で取り付けられた第1の部分90bを備えているので、第1の部分56b,90bそれぞれが中心体58bの側面に配置される。従って、第1の部分90bもYZ平面に配置され、自身が固定された状態で取り付けられた中心体と平面接触している。
【0121】
側方延長部86bは、例えばボルトのような組立手段を利用することによって、後方の閉フレーム46bの上方の支持プレート60bに固定された状態で取り付けられた第2の部分92bを備えている。従って、第2の部分92bの形状は、上方の支持プレート60bの湾曲した外形に追従するように適合している。この第2の部分は、上方の支持プレート60bの下面と接触していることが望ましい。この上方の支持プレートは、好ましくは側方のトーションボックス24bの外側に固定された状態で取り付けられている。
【0122】
また、第1の部分90b及び第2の部分92bは、後方の閉フレーム46bに沿って略同一の長さで延在し、好ましくはL字状断面から成る要素を形成するように共通の縁部を有している。
【0123】
側方延長部86bは、側壁88bと側方延長部86bとの間に側方延長部のための支持部94bを挿入するように形成されているので、側壁88aに対向し且つXZ平面に沿って延在している側壁88bと直接接触している訳ではない。この支持部94bは、他の上述の構成要素と一体構造とされ、Y方向の寸法誤差を許容する形態とされ、側壁88bから外方に延在している。前記支持部は、中央のトーションボックス22の所定位置にリブ84を配置した後に側面パネルを取り付けるために、隣接する側面パネル30に形成された側方延長部の貫通孔96bを閉塞するように機能する。従って、側方延長部86bが側面パネル30を位置決めする場合に貫通孔96bを通過することは言うまでもない。
【0124】
貫通孔96bを閉じ、上述の貫通孔70bと共に単一の貫通孔を形成することによって、トーションボックス22の密閉性が維持される。また、中央のトーションボックスの外側面における空気力学的な連続性が良好となるように、延長支持部94bの外面98bは上述の側面パネルの外面100bと略同一平面に配置されている。
【0125】
リブ84の側壁88bが側面パネル30の内面と接触している限り、延長支持部94bの厚さは側面パネル30の厚さと略同一であることに留意すべきである。
【0126】
図12は、リブ84が全重量を低減するために形成された中央開口部102を有していることを表わす。中央開口部102は、リブ23に形成された開口部80の後方に連続するように配置されている。また、前記リブは、Y方向に沿って、好ましくは上述の補強部材82の後方に連続するように延在している補強部材104を備えている。さらに具体的には、この補強部材104は、部品の残り部分と一体構造とされ、後方の閉フレーム46a,46bの上方の支持プレートと略同一に湾曲し、2つの上方の支持プレート60a,60bそれぞれ又は2つの第2の部分92a,92bそれぞれと連続的に配置されている。当該実施態様では、横方向のリブ84を介した負荷経路における連続性を確保することができる。
【0127】
非限定的な実施例として、様々な改良が当業者によって上述の航空機用ターボジェットエンジン2のためのマウント4に成されることは明白である。当該実施態様では、エンジンマウント4は、航空機の翼体の下方に取り付けられるように構成されているが、この翼体の上方に取り付けられた、航空機の胴体部分の後部にも取付可能な相違する構成とすることもできる。
【0128】
また、本明細書は側方のトーションボックスの後方の閉フレームを確実に結合するための本発明の好ましい実施例を詳細に説明する一方、本発明は上述の中間フレーム又は前方の閉フレームの結合に同時又は代替的に適用されることに留意すべきである。後者の場合は、2つの前方の閉フレームが上記説明のような単一構造ではない場合に適用可能であることは明白である。それは、高剛性な構造体が中央のトーションボックスが2つの側方のトーションボックスよりも前方に延在しているように構成される場合に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の好ましい実施例におけるエンジンマウントを備えた航空機用エンジン組立体の概略的な側面図である。
【図2】エンジンマウントのエンジン取付部を明確にするためにエンジンマウントの高剛性な構造体を省略した、図1に表わすエンジン組立体の概略的な斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施例におけるエンジンマウントの、部分的に拡大された斜視図である。
【図4】図3に表わす横方向の平面P1に沿った断面図である。
【図5】図3に表わすエンジンマウントの一部を形成するように構成された側方のトーションボックスの形状の斜視図である。
【図6】図3に表わすエンジンマウントの分解図である。
【図7】エンジンマウントのエンジン取付部の図面が付加された、図3に表わすエンジンマウントの類する図面である。
【図8】エンジンマウントのエンジン取付部が代替的な形態をした、図2に類するエンジン組立体である。
【図9】図3に表わすエンジンマウントの一部を拡大した斜視詳細図である。
【図10】側方のトーションボックスの後方の閉フレームに結合された側方延長部を備えた中央のトーションボックスの横方向のリブを通過する平面に沿った、図9に表わすエンジンマウントの断面図である。
【図11】2つの側方延長部のうち一方の側方延長部を通過する平面に沿った、図9に表わすエンジンマウントの縦断面図である。
【図12】側方のトーションボックスの後方の閉フレームに結合された付加的な側方の延長部を備えた横方向のリブを通過する平面に沿った、図9に表わすエンジンマウントの断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 エンジン組立体
2 ターボジェットエンジン
4 エンジンマウント
5 中心軸線
6a 第1の前方エンジン取付部
6b 第2の前方エンジン取付部
7 矢印
8 第3の前方エンジン取付部
9 後方エンジン取付部
10 高剛性な構造体
12 ファンケース
14 ファンダクト
16 中心ケース
17 排出ケース
18 外面
20 結合部
22 中央トーションボックス
23 横方向のリブ
24a 側方のトーションボックス
24b 側方のトーションボックス
26a 内板
26b 内板
28a 前方の閉フレーム
28b 前方の閉フレーム
29a 中間フレーム
29b 中間フレーム
30 側面パネル
32 仮想面
34 長手軸線
35 上方の翼桁
36 下方の翼桁
40 半円筒部
42 部分
44a 外板
44b 外板
46a 後方の閉フレーム
46b 後方の閉フレーム
48a 閉プレート
48b 閉プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用ターボジェットエンジン(2)のためのエンジンマウント(4)であって、
前記エンジンマウントは、横方向のリブ(23)を介して結合された2つの側面パネル(30)から成る組立体によって形成され、且つ長手方向に延在している中央のトーションボックス(22)を備えた高剛性な構造体(10)を有し、
前記高剛性な構造体(10)は、それぞれが前記中央のトーションボックス(22)の前方部分に固定され、且つ前記中央のトーションボックスの側面に配置された2つの側方のトーションボックス(24a,24b)を備え、
前記側方のトーションボックスは、それぞれ少なくとも1つのフレーム(28a,28b,29a,29b,46a,46b)を有しており、
前記中央のトーションボックス(22)を形成している前記横方向のリブ(23)のうち1つのリブが、前記リブ(23)と一体的に形成され、且つ前記中央のトーションボックス(22)の外方に側面パネル(30)から突出している2つの側方延長部(52a,52b)を備え、
2つの前記側方延長部は、それぞれ前記側方のトーションボックス(24a,24b)の前記フレーム(28a,28b,29a,29b,46a,46b)に固定された状態で取り付けられていることを特徴とするエンジンマウント。
【請求項2】
2つの前記側方のトーションボックス(24a,24b)のそれぞれにおいて、2つの前記側方延長部(52a,52b)が固定された状態で取り付けられた前記フレーム(28a,28b,29a,29b,46a,46b)は、前記側方のトーションボックス内に配置された前方の閉フレーム(28a,28b)、後方の閉フレーム(46a,46b)、及び中間フレーム(29a,29b)から形成されたボックス状要素であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項3】
2つの前記側方のトーションボックス(24a,24b)のそれぞれについて、2つの前記側方延長部(52a,52b)が固定された状態で取り付けられている前記フレーム(28a,28b,29a,29b,46a,46b)は、前記側方のトーションボックスの後方の閉フレーム(46a,46b)であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項4】
2つの前記側方のトーションボックス(24a,24b)それぞれの前記後方の閉フレーム(46a,46b)は、下方の支持プレート(62a,62b)及び上方の支持プレート(60a,60b)が設けられた両側面に中心体(58a,58b)を有しており、
前記側方延長部(52a,52b)それぞれが、閉フレームの前記中心体に固定された状態で取り付けられている第1の部分(56a,56b)を有していることを特徴とする請求項3に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項5】
前記側方延長部(52a,52b)それぞれが、関連する閉フレームの前記上方の支持プレート(60a,60b)に固定された状態で取り付けられている第2の部分(64a,64b)を有していることを特徴とする請求項4に記載のエンジンマウント。
【請求項6】
前記側方延長部(52a,52b)それぞれが、前記横方向のリブ及び2つの前記側方延長部と一体とされた延長支持部(68a,68b)を介して前記横方向のリブ(23)に結合されており、
前記延長支持部(68a,68b)は、関連する側面パネル(30)内に形成された貫通孔(70a,70b)を閉じるように配置されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項7】
2つの前記側方延長部(52a,52b)それぞれにおいて、前記延長支持部の外面(72a,72b)が関連する側面パネルの外面(74a,74b)と略同一の平面内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンマウント。
【請求項8】
前記エンジンマウントは、2つの前記側方延長部(52a,52b)が設けられた前記横方向のリブ(23)上に配置された付加的な横方向のリブ(84)を備えており、
前記付加的な横方向のリブは、前記横方向のリブと一体化され、且つそれぞれが前記中央のトーションボックスの2つの前記側面パネル(30)から前記中央のトーションボックスの外方に突出している2つの付加的な側方延長部(86a,86b)を備えており、
2つの前記付加的な側方延長部(86a,86b)のそれぞれが、2つの前記側方のトーションボックスそれぞれの前記後方の閉フレーム(46a,46b)に固定された状態で取り付けられていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載のエンジンマウント。
【請求項9】
2つの前記側方のトーションボックス(24a,24b)それぞれにおいて、側方延長部(52a,52b)及び付加的な側方延長部(86a,86b)が、前記後方の閉フレーム(46a,46b)の中心体(58a,58b)の両側面に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項10】
2つの前記側方のトーションボックス(24a,24b)それぞれの前記後方の閉フレームは、下方の支持プレート(62a,62b)及び上方の支持プレート(60a,60b)が設けられた両側面に中心体(46a,46b)を有しており、
前記付加的な側方延長部(86a,86b)それぞれが、関連する閉フレームの中心体に固定された状態で取り付けられた第1の部分(90a,90b)を有していることを特徴とする請求項8又は9に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項11】
前記付加的な側方延長部(86a,86b)それぞれが、関連する閉フレームの前記上方の支持プレートに固定された状態で取り付けられた第2の部分(92a,92b)を有していることを特徴とする請求項10に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項12】
前記付加的な側方延長部(86a,86b)それぞれが、前記付加的な側方延長部のための支持部(94a,94b)を介して前記付加的な横方向のリブ(84)に結合され、前記付加的な横方向のリブ及び2つの前記付加的な側方延長部と一体とされており、
前記付加的な側方延長部のための前記支持部(94a,94b)は、関連する側面パネル(30)内に形成された前記付加的な側方延長部のための貫通孔(96a,96b)を閉じるように配置されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のエンジンマウント。
【請求項13】
2つの前記付加的な側方延長部(86a,86b)それぞれにおいて、前記付加的な側方延長部のための支持部の外面(98a,98b)は、関連する側面パネルの外面(100a,100b)と略同一平面内に配置されていることを特徴とする請求項12に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項14】
長手方向に延在する前記中央のトーションボックス(22)の2つの前記側面パネルそれぞれにおいて、付加的な側方延長部のための延長部の前記貫通孔(70a,70b)及び貫通孔(96a,96b)は、共に前記延長支持部(68a,68b)及び前記付加的な側方延長部のための前記支持部(94a,94b)によって閉じられている単一の貫通孔を形成することを特徴とする請求項6及び12に記載のエンジンマウント(4)。
【請求項15】
前記エンジンマウントは、請求項1〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのエンジンマウントを備えていることを特徴とする航空機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−509847(P2009−509847A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532789(P2008−532789)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066873
【国際公開番号】WO2007/039556
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)