説明

航空機用照明装置

【課題】小型化および軽量化が可能で、照明灯を所望の光軸位置に停止可能な航空機用照明装置を提供することである。
【解決手段】照明灯を航空機に取り付けて照明を行う航空機用照明装置において、前記照明灯を軸支する支持軸と、前記支持軸を回転軸として前記照明灯を回転させることによって該照明灯の光軸を変更する照明灯回転手段と、前記照明灯回転手段による前記照明灯の回転範囲を規制する照明灯回転範囲規制手段と、前記照明灯回転範囲規制手段による規制位置の一方の端部に前記照明灯を保持する第1の態様と、前記規制位置の他方の端部に前記照明灯を保持する第2の態様と、によって前記照明灯を保持する照明灯保持手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機に装着されて離着陸時など航行時に照明を行う航空機用照明装置が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1では、コンパクトで防水の確保された、放電バルブを光源とする航空機用外部照明灯を開示している。
【0004】
従来の航空機用照明装置では、特許文献1に記載のような航空機用外部照明灯を用い、この航空機用外部照明灯を用途ごとに複数用意して機体に取着し、それぞれで用途ごとの照明を行うように構成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−212060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の航空機用照明装置では、上述のように用途ごとに照明灯を必要としており、多くの照明灯を必要とする問題があった。
【0007】
そこで、1つの照明灯を複数の用途に用いることが考えられるが、複数の用途に用いるためには、その照明灯の光軸方向を可変にする必要があり、そのためには、用途ごとの光軸方向に向くように照明灯を動かすアクチュエータが必要となる。ところが、このようなアクチュエータでは、たとえばウォームとウォームホイールから成るウォームギヤや、照明灯を所望の光軸位置で停止させるブレーキが必要であり、装置が大型化してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、小型化および軽量化が可能で、照明灯を所望の光軸位置に停止可能な航空機用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の目的を達成するために、照明灯を航空機に取り付けて照明を行う航空機用照明装置において、前記照明灯を軸支する支持軸と、前記支持軸を回転軸として前記照明灯を回転させることによって該照明灯の光軸を変更する照明灯回転手段と、前記照明灯回転手段による前記照明灯の回転範囲を規制する照明灯回転範囲規制手段と、前記照明灯回転範囲規制手段による規制位置の一方の端部に前記照明灯を保持する第1の態様と、前記規制位置の他方の端部に前記照明灯を保持する第2の態様と、によって前記照明灯を保持する照明灯保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型化および軽量化が可能で、照明灯を所望の光軸位置に停止可能な航空機用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る航空機用照明装置の斜視図である。
【図2】図1に示した航空機用照明装置1を、照明灯2の発光面2aの側から見た正面図である。
【図3】図1に示した航空機用照明装置1を、図2における右側から見た側面図である。
【図4】図1に示した航空機用照明装置1を、図2における下側から見た底面図である。
【図5】図1に示した航空機用照明装置1を、図2における上側から見た平面図である。
【図6】図1に示した航空機用照明装置1の軸部5aの近傍を拡大して示す斜視図である。
【図7】図6に示した凸部7aおよび長穴部6aの近傍を拡大して示す斜視図である。
【図8】図1に示した航空機用照明装置1から上部ブラケット3aを取り外すとともに、アクチュエータ4の内部が見えるように蓋を外した状態であって、照明灯2の光軸を右側に切り替えて保持した状態を示す斜視図である。
【図9】図8に示した航空機用照明装置1を下側から見た底面図である。
【図10】図8に示したアクチュエータ4の構成を示す平面図である。
【図11】図10に示したアクチュエータ4を右側から見た側面図である。
【図12】図8に示した状態から、ACモータ10を動かした状態を示す平面図である。
【図13】図1に示した航空機用照明装置1から上部ブラケット3aを取り外すとともに、アクチュエータ4の内部が見えるように蓋を外した状態であって、照明灯2の光軸を左側に切り替えて保持した状態を示す斜視図である。
【図14】図13に示した航空機用照明装置1を下側から見た底面図である。
【図15】図1に示した航空機用照明装置1のスライダアッシィ22を示す図であり、(a)はスライダアッシィ22の平面図であり、(b)はスライダアッシィ22の第1の腕部23および胴部28を断面にした側断面図である。
【図16】図1に示した航空機用照明装置1の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る航空機用照明装置について詳細に説明する。
【0013】
航空機用照明灯としては、着陸時(far landing)に点灯する第1のランディングライトや、地上走行時に機体前方を照らすタキシングライトや、地上走行時に左右前方を照らすランウェイターンオフライトや、着陸時(near landing)に点灯する第2のランディングライトなどが必要である。
【0014】
従来、これらの照明灯はそれぞれの用途ごとに必要であったが、本発明の実施形態では、第1のランディングライトとタキシングライトとを、1つの照明灯の光軸を上向きにするか下向きにするかで切り替えることによって1つの照明灯で済ますこととし、また、ランウェイターンオフライトと第2のランディングライトとを、1つの照明灯の光軸を右向きにするか左向きにするかで切り替えることによって1つの照明灯で済ますこととした。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る航空機用照明装置の斜視図である。
【0016】
なお、本実施の形態の航空機用照明装置1は、1つの照明灯2を左右駆動可能にし、1つの照明灯2の光軸を右向きにするか左向きにするかで切り替える(ランウェイターンオフライトと第2のランディングライトとを切り替える)構成にしているが、航空機用照明装置1を航空機(不図示)に取り付ける際に、照明灯2の光軸周りに航空機用照明装置1を90°回転させて取り付けることによって、1つの照明灯2を上下駆動可能にし、1つの照明灯2の光軸を上向きにするか下向きにするかで切り替える(第1のランディングライトとタキシングライトとを切り替える)構成にすることもできる。
【0017】
航空機用照明装置1は、照明灯2と、照明灯2を航空機に取り付ける取付具であるブランケット3と、照明灯2を軸回転させるアクチュエータ4と、を有して構成される。
【0018】
図2は、図1に示した航空機用照明装置1を、照明灯2の発光面2aの側から見た正面図である。
【0019】
図3は、図1に示した航空機用照明装置1を、図2における右側から見た側面図である。
【0020】
図4は、図1に示した航空機用照明装置1を、図2における下側から見た底面図である。
【0021】
図5は、図1に示した航空機用照明装置1を、図2における上側から見た平面図である。
【0022】
ブラケット3は、照明灯2を保持する保持ブラケット3cと、保持ブラケット3cに保持された照明灯2を上部から軸支する上部ブラケット3aと、保持ブラケット3cに保持された照明灯2を下部から軸支する下部ブラケット3bと、からなる。
【0023】
保持ブラケット3cは、円形の照明灯2の発光面2aの外周を全周に亘って保持している。保持ブラケット3cの上部は軸受5a’(図16参照)を有し、上部ブラケット3aに固定された軸部5aによって軸支され、保持ブラケット3cの下部は軸受5b’(図16参照)を有し、下部ブラケット3bに固定された軸部5bによって軸支され、軸部5aと軸部5bとは同軸にしている。照明灯2および保持ブラケット3cは、この軸部5aおよび軸部5bを中心として回動可能にしている。
【0024】
図6は、図1に示した航空機用照明装置1の軸部5aの近傍を拡大して示す斜視図である。
【0025】
照明灯2に固定された保持ブラケット3cの上部には凸部7aを設けており、上部ブラケット3aは、この凸部7aに対応する位置に、長穴部6aを設けている。
【0026】
軸部5aおよび軸部5bを中心として照明灯2が回転すると、これに伴い照明灯2に固定された保持ブラケット3cの凸部7aも軸部5aおよび軸部5bを中心として回転する。
【0027】
長穴部6aには凸部7aが嵌り、長穴部6aの形状は、軸部5aおよび軸部5bを中心とした照明灯2の回転に伴って凸部7aが移動する軌跡に応じた長さ方向の形状であって、上部ブラケット3aを貫通する穴である。
【0028】
図7は、図6に示した凸部7aおよび長穴部6aの近傍を拡大して示す斜視図である。
【0029】
照明灯2の回転に伴って移動する凸部7aは、長穴部6aの長さ方向の端部6a’に衝突して移動を妨げられ、この位置で照明灯2の回転は停止し、照明灯2の回転範囲を規制する。このように、長穴部6aの長さ方向の両端に凸部7aが達することで、照明灯2の回転範囲は規制される。
【0030】
本実施の形態の航空機用照明装置1では、たとえば、長穴部6aの長さ方向の一端(端部6a’)に凸部7aが達することで照明灯2の光軸を右向きにし(たとえばランウェイターンオフライトとして用いる)、長穴部6aの長さ方向の他端(端部6a’と反対の端)に凸部7aが達することで照明灯2の光軸を左向きにする(たとえば第2のランディングライトとして用いる)ように切り替える。この切り替えは、詳しくは後述する、アクチュエータ4で照明灯2を回転させることによって行う。
【0031】
図8は、図1に示した航空機用照明装置1から上部ブラケット3aを取り外すとともに、アクチュエータ4の内部が見えるように蓋を外した状態であって、照明灯2の光軸を右側に切り替えて保持した状態を示す斜視図である。
【0032】
図9は、図8に示した航空機用照明装置1を下側から見た底面図である。
【0033】
図8に示すように、航空機用照明装置1の上部にはアクチュエータ4を設けている。アクチュエータ4は、ACモータ10と、ACモータ10によって回転するリードスクリュー11と、内面にネジ山を有してリードスクリュー11の外面のネジ山と累合するナット部材12と、ナット部材12の動きを伝達する第1のスイングアーム13および第2のスイングアーム15と、第1のスイングアーム13および第2のスイングアーム15の回転軸となる軸部14と、を有して構成される。
【0034】
ナット部材12の凸部12aは、第1のスイングアーム13の一端の貫通孔13aに嵌り、第1のスイングアーム13の他端の貫通孔13bには軸部14が嵌り、第1のスイングアーム13と軸部14とは回動不可能に固定され、軸部14は後述の軸受14a(図16参照)に軸支され、第1のスイングアーム13および軸部14は軸受14aで回動可能にしている。また、第2のスイングアーム15の一端の貫通孔15aにも軸部14が嵌り、第2のスイングアーム15と軸部14とは回動不可能に固定され、すなわち、第1のスイングアーム13と第2のスイングアーム15とは軸部14を介して固定され、軸受14aで回動可能にしている。
【0035】
第2のスイングアーム15の他端の貫通孔15bには、照明灯2の上部に設けた凸部16が嵌り、第2のスイングアーム15が軸受14aで回動することによって、軸部5aおよび軸部5bを中心として照明灯2を回転させる。
【0036】
図9に示すように、航空機用照明装置1の下部にはスライダアッシィ22を設けている。
【0037】
スライダアッシィ22は、一端を照明灯2の発光面2aと反対側に設けた軸部21に回動自在に軸支され、他端を下部ブラケット3bに設けた軸部20に回動自在に軸支される。スライダアッシィ22は後述の圧縮ばねを内部に設けた弾性部材であり、軸部21と軸部20との距離を広げるように作用する。
【0038】
照明灯2に固定された保持ブラケット3cの下部には凸部7bを設けており、下部ブラケット3bは、この凸部7bに対応する位置に、長穴部6bを設けている。
【0039】
軸部5aおよび軸部5bを中心として照明灯2が回転すると、これに伴い照明灯2に固定された保持ブラケット3cの凸部7bも軸部5aおよび軸部5bを中心として回転する。
【0040】
長穴部6bには凸部7bが嵌り、長穴部6bの形状は、軸部5aおよび軸部5bを中心とした照明灯2の回転に伴って凸部7bが移動する軌跡に応じた長さ方向の形状であって、上部ブラケット3bを貫通する穴である。
【0041】
照明灯2の回転に伴って移動する凸部7bは、長穴部6bの長さ方向の端部6b’に衝突して移動を妨げられ、この位置で照明灯2の回転は停止し、照明灯2の回転範囲を規制する。このように、長穴部6bの長さ方向の両端に凸部7bが達することで、照明灯2の回転範囲は規制される。
【0042】
本実施の形態の航空機用照明装置1では、たとえば、長穴部6bの長さ方向の一端(端部6b’)に凸部7bが達することで照明灯2の光軸を右向きにし(たとえばランウェイターンオフライトとして用いる)、長穴部6bの長さ方向の他端(端部6b’と反対の端)に凸部7bが達することで照明灯2の光軸を左向きにする(たとえば第2のランディングライトとして用いる)ように切り替える。この切り替えは、詳しくは後述する、アクチュエータ4で照明灯2を回転させることによって行う。
【0043】
スライダアッシィ22は、軸部21と軸部20との距離を広げるように作用するため、長穴部6a、6bの長さ方向の一端(端部6a’、6b’)に凸部7a、7bが達して照明灯2の光軸を右向きにした際に、スライダアッシィ22は、軸部21と軸部20との距離を広げようとして、凸部7a、7bを長穴部6a、6bの一端(端部6a’、6b’)に押し付けて照明灯2が回転したりガタついたりしないように保持し、また、長穴部6a、6bの長さ方向の他端(端部6a’、6b’と反対の端)に凸部7a、7bが達して照明灯2の光軸を左向きにした際にも、スライダアッシィ22は、軸部21と軸部20との距離を広げようとして、凸部7a、7bを長穴部6a、6bの他端(端部6a’、6b’と反対の端)に押し付けて照明灯2が回転したりガタついたりしないように保持する。
【0044】
図10は、図8に示したアクチュエータ4の構成を示す平面図である。
【0045】
図11は、図10に示したアクチュエータ4を右側から見た側面図である。
【0046】
図12は、図8に示した状態から、ACモータ10を動かした状態を示す平面図である。
【0047】
アクチュエータ4のACモータ10を駆動すると、その回転軸10aに固定したギア10bが回転し、順に、ギア10c、10d、10eおよびリードスクリュー11を回転させる。
【0048】
リードスクリュー11の外面にはネジ山を有し、ナット部材12の内面のネジ山と累合する。ナット部材12はその上面に凸部12aを有しており、この凸部12aが、第1のスイングアーム13の一端の貫通孔13aに嵌ることによって、リードスクリュー11が回転してもナット部材12は回転せず、累合するネジ山に沿ってリードスクリュー11の長さ方向にスライド移動する。
【0049】
第1のスイングアーム13の他端の貫通孔13bには軸部14が固定されて嵌り、この軸部14は軸受14aに回動自在に軸支されており、第1のスイングアーム13および軸部14は軸受14aで回動可能である。第1のスイングアーム13の一端の貫通孔13aは、第1のスイングアーム13の長さ方向に延びた形状であり、リードスクリュー11に沿ってナット部材12がスライド移動する際に、ナット部材12の凸部12aは長さを有する貫通孔13a内でスライドし、ナット部材12のスライド移動を阻害しないようにしている。
【0050】
第2のスイングアーム15の一端の貫通孔15aには軸部14が固定されて嵌り、第1のスイングアーム13、軸部14および第2のスイングアーム15は軸受14aで回動可能である。第2のスイングアーム15の他端の貫通孔15bには、照明灯2の上部に設けた凸部16が嵌り、第2のスイングアーム15が軸受14aで回動することによって、軸部5aおよび軸部5bを中心として照明灯2を回転させる。
【0051】
また、アクチュエータ4はマイクロスイッチ17および18を有する。
【0052】
マイクロスイッチ17は、ローラ部17aと板ばね部17bとボタン部17cとを有して構成される。リードスクリュー11に沿ってナット部材12がスライド移動してローラ部17aの位置に達すると、板ばね部17bを介してボタン部17cを押し、マイクロスイッチ17をオンする。ACモータ10への電源供給は、このマイクロスイッチ17と連動しており、マイクロスイッチ17がオフ(ボタン部17cが押されない状態)であれば電源供給可能であり、オンになると電源供給が遮断される。
【0053】
マイクロスイッチ18は、ローラ部18aと板ばね部18bとボタン部18cとを有して構成される。リードスクリュー11に沿ってナット部材12がスライド移動してローラ部18aの位置に達すると、板ばね部18bを介してボタン部18cを押し、マイクロスイッチ18をオンする。ACモータ10への電源供給は、このマイクロスイッチ18と連動しており、マイクロスイッチ18がオフ(ボタン部18cが押されない状態)であれば電源供給可能であり、オンになると電源供給が遮断される。
【0054】
すなわち、ナット部材12の幅寸法およびマイクロスイッチ17および18の位置関係によって、ACモータ10による照明灯2の回動範囲が定められる。
【0055】
上述した図8および図9では、航空機用照明装置1において照明灯2の光軸を右側に切り替えて保持した状態を示した。これに対し、航空機用照明装置1において照明灯2の光軸を左側に切り替えて保持した状態を図13および図14に示す。
【0056】
図13は、図1に示した航空機用照明装置1から上部ブラケット3aを取り外すとともに、アクチュエータ4の内部が見えるように蓋を外した状態であって、照明灯2の光軸を左側に切り替えて保持した状態を示す斜視図である。
【0057】
図14は、図13に示した航空機用照明装置1を下側から見た底面図である。
【0058】
上述のように、本実施の形態の航空機用照明装置1では、マイクロスイッチ17および18によるACモータ10への電源供給の遮断とともに、上述の凸部7a、7bと長穴部6a、6bとによって、照明灯2の回動範囲を定めている。
【0059】
照明灯2の光軸を右側に切り替えて保持した状態、および、照明灯2の光軸を左側に切り替えて保持した状態のそれぞれにおいては、スライダアッシィ22が、軸部21と軸部20との距離を広げようとして、凸部7a、7bを長穴部6a、6bの他端(端部6a’、6b’と反対の端)に押し付けて照明灯2が回転したりガタついたりしないように保持する。
【0060】
ところで、光軸を右側から左側に切り替える場合や、光軸を左側から右側に切り替える場合には、スライダアッシィ22による押し付け力よりも大きな駆動力をACモータ10が発生させて照明灯2を回動させる。
【0061】
図15は、図1に示した航空機用照明装置1のスライダアッシィ22を示す図であり、(a)はスライダアッシィ22の平面図であり、(b)はスライダアッシィ22の第1の腕部23および胴部28を断面にした側断面図である。
【0062】
スライダアッシィ22は、第1の腕部23と、第1の腕部23と一体形成された中空の胴部28と、コイルバネ部材27と、第1の腕部24と、を有して構成される。
【0063】
スライダアッシィ22の一端すなわち第2の腕部24の後端には貫通孔24aを有し、この貫通孔24aは照明灯2の下部に設けた軸部21に回動自在に取り付けられる。また、スライダアッシィ22の他端すなわち第1の腕部23の端部には貫通孔23aを有し、この貫通孔23aは下部ブラケット3bの軸部20に回動自在に取り付けられる。
【0064】
中空の胴部28内には、コイルバネ部材27を取り付けた第2の腕部24の先端が収容される。このときコイルバネ部材27は圧縮された状態で収容され、貫通孔23aと貫通孔24aとの距離を広げる方向にバネ力が作用する。胴部28は、バネ力の作用方向に長さを有する貫通孔26を有し、この貫通孔26に、第2の腕部24の先端の凸部25が嵌ることによって、第1の腕部23と第1の腕部24とが固定される。
【0065】
なお、図16は、図1に示した航空機用照明装置1の側断面図であり、国構成要素の位置関係を示す。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、実施の形態については上記に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更および組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 航空機用照明装置
2 照明灯
3 ブランケット
4 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明灯を航空機に取り付けて照明を行う航空機用照明装置において、
前記照明灯を軸支する支持軸と、
前記支持軸を回転軸として前記照明灯を回転させることによって該照明灯の光軸を変更する照明灯回転手段と、
前記照明灯回転手段による前記照明灯の回転範囲を規制する照明灯回転範囲規制手段と、
前記照明灯回転範囲規制手段による規制位置の一方の端部に前記照明灯を保持する第1の態様と、前記規制位置の他方の端部に前記照明灯を保持する第2の態様と、によって前記照明灯を保持する照明灯保持手段と、
を備えたことを特徴とする航空機用照明装置。
【請求項2】
前記照明灯は凸部を有し、
前記照明灯回転範囲規制手段は、
前記支持軸を回転軸とした前記照明灯の回転に伴って前記凸部が移動する軌跡に応じた長さ方向の形状を有する長穴部であって、該長穴部の長さ方向一端および他端によって、該長穴部に嵌る前記凸部の移動を規制し、これによって前記照明灯の回転範囲を規制する
ことを特徴とする請求項1に記載の航空機用照明装置。
【請求項3】
前記照明灯保持手段は、
弾性部材を有し、
前記弾性部材によって、前記長穴部の長さ方向一端に、該長穴部に嵌る前記凸部を押し付けて前記照明灯を保持する前記第1の態様と、前記長穴部の長さ方向他端に、該長穴部に嵌る凸部を押し付けて前記照明灯を保持する前記第2の態様と、をとり得る
ことを特徴とする請求項2に記載の航空機用照明装置。
【請求項4】
前記照明灯回転手段は、
ACモータを用いて前記照明灯を回転させる
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の航空機用照明装置。
【請求項5】
前記照明灯回転範囲規制手段は、
前記照明灯の回転位置が、規制すべき回転範囲に達すると前記ACモータへの電源を遮断する
ことを特徴とする請求項4に記載の航空機用照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−246028(P2011−246028A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122424(P2010−122424)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】