説明

舵軸受用の軸受素子

【課題】 より容易に、取り付けられる・取り除かれることができ、または、より安価に製造される・取り付けられることができる舵軸受又はその軸受素子を提供することである。
【解決手段】 軸受リング(15a、15b)又は軸受ブッシュ(13a、13b)である軸受素子であって、軸受素子は(15a、15b、13a、13b)は、セグメント化するように配置され、個々が組み合わせられて同種且つ本質的に固定された軸受素子を形成する環状のセグメント(17)同士は、接続手段により互いに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶、特に船の舵幹材(rudder stock)又は舵頭管(rudder trunk)を取り付けるための舵軸受の軸受素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船舶用の舵は、舵板(rudder blade)と、舵に関して回転可能にするために舵板に接続されている舵幹材とを含めている。舵幹材は、船体において、1つ又は2つの軸受を介して取り付けられている。これにより、(上部の)舵キャリア軸受は、船の内部に位置するステアリングエンジンに直面している舵幹材の上端に配置されている。もう一つの(下部の)舵キャリア軸受は、舵板側において舵幹材の他端の方向に、特に、舵幹材が船体やスケグから現われる直前に、さらに任意に配置されている。実際には、各種の舵、例えば、フローティング舵、半釣合舵、船尾の底部に取り付けられた舵などは、舵キャリア軸受又は舵幹材の軸受を持っている。また、舵構造は、舵頭管のある場合があるし、舵頭管のない場合もある。舵頭管は、船の構造に接続されており、舵板の内部に突出する片持ち梁としては配置された中空体であって、その内部には、舵幹材が配置されている。特に「頚部軸受」(neck bearing)と呼ばれる軸受が、舵頭管と舵幹材との間に、特に、船の構造から距離を持って位置する領域である下部の領域に配置されることができることは、知られている。また、付加的に、又は、舵幹材が舵頭管に取り付けられていることの代わりに、舵頭管自体が、適切な軸受手段により舵板に取り付けられることも可能である。本発明において、用語の「舵軸受」は、例えば、上部の舵キャリア軸受け、下部の舵キャリア軸受、頸部軸受、舵頭管と舵幹材との間に位置する軸受、舵板など、すべての舵幹材又は/及び舵頭管の軸受を含むことができるような方式と理解される。
【0003】
先行技術から知られている舵軸受は、通常、ラジアル軸受を含めているか、又は、ラジアル軸受で構成されている。それの代わりに、又は、付加的に、舵軸受は、アキシアル軸受を含むことができる。ただし、原則として、ラジアル軸受とアキシアル軸受は、互いに個別に、2つの個別の軸受に形成することができる。
【0004】
舵軸受は、通常、舵軸受におけるラジアル又は/及びアキシアル軸受の2つの素子(軸受素子)が、一方が直接に、又は、潤滑膜のみを介して、他方を超えて移動するように取り付けられる摩擦軸受として形成されている。従って、通常、舵軸受においては、付加的なローラー部材などを配置しないことになる。通常、舵軸受におけるラジアル又は/及びアキシアル軸受は、それぞれが互いに関連して移動可能な2つの軸受素子を備える。
【0005】
舵を操作する過程で舵を設定するときに舵幹材の頻繁な回転のため、舵軸受におけるラジアル又は/及びアキシアル軸受の軸受素子は、摩損して、比較的に頻繁に更新される必要がある。しばしば非常に大きくて重い軸受素子の製造及び設置は、技術的に複雑で、コストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−64739公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、より容易に、取り付けられる・取り除かれることができ、または、より安価に製造される・取り付けられることができる舵軸受又はその軸受素子を提供することである。この目的に対する解決手段として、請求項1に記載の軸受素子又はそれを備える舵軸受で達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明によって、舵軸受におけるラジアル又はアキシアル軸受の軸受素子は、セグメント化するように配置され、軸受素子を形成するために組み合わされた少なくとも3つの個別のセグメントを備える。軸受素子を少なくとも3つの個別のセグメントに分割することによって、組み立ては、一体で形成された軸受素子に比べて大幅に軽量化且つ小型化した少なくとも3つのセグメントが適切な組み立て作業者に使用されることになるので、簡単化される。これらの個別のセグメントは、舵幹材周りでフィッタによって組み合わせられて軸受素子を形成する。
【0009】
軸受素子の個別のセグメントは、環状セグメントとして構成される。即ち、個別の環状セグメントは、軸受リング或いは環状の軸受ディスク又は/及び軸受ブッシュなど環状に構成された軸受素子の一部である。個々の環状セグメントから構成される軸受素子は、同種であり、本質的に固定されている。これは、個々の環状セグメントが互いに向かって、又は互いに関連して移動していないことを意味する。従って、個々の環状セグメントは、個々の環状セグメントが互いに独立することではなく、それぞれの軸受内に全体として(それぞれの軸受に配置されている場合)任意に移動可能になるように互いに相対的に固定されている。個々の環状セグメントは、特に傾斜可能又は回転可能になるように構成されていない。本質的に固定された同種の軸受素子は、環状セグメントの各々が、さらに少なくとも2つの環状セグメントに当接し、連続又は隣接する環状セグメントが確実に相互に接続できる手段を提供することによって実現している。同種の軸受素子としての配置は、相互接続された個々の環状セグメントが、一体型の軸受リング又は一体型の軸受ブッシュと比べて機能モードで異なっていない又ははっきり異なっていない完全な軸受リング又は完全な軸受ブッシュを形成することを意味する。従って、軸受素子は、一体として構成されずに、基本的に独立した複数の環状セグメントで構成されている。
【0010】
個々の環状セグメントは、少なくとも更なる2つの環状セグメントに当接している、即ち、これらの少なくとも更なる2つの環状セグメントに接する共通箇所を持っている。環状セグメントは、好ましくは、環状セグメントの各々が隣接する環状セグメントに対して平らに当接するように、さらに好ましくは、1つの環状セグメントが、隣接する2つの環状セグメントの間に位置して前記2つの環状セグメントに対して平らに隣接するように配置されている。このように、個々の環状セグメントは、環状の軸受ディスクの形のような軸受リング又は/及び軸受ブッシュとして構成されている密着した環状の組み合わせを形成している。
【0011】
軸受素子は、当該軸受素子が全体として軸受における他の素子に対する可動となるように設定されるか、又は、それと逆に設定されている。
【0012】
このような軸受素子の形成は、従来技術から知られていない。逆に、既知の軸受素子が一体に形成されることになる。特に、環状セグメントは、しっかりと相互に接続し、それから一緒に、更なる手段なしにそれ自体で固定されているスタンドアロンな軸受素子を形成している。
【0013】
軸受素子が少なくとも3つのサブセグメントに分割されるため、軸受素子の保管を簡単化され、製造コストが削減される。なお、製造・保管コストの削減に関しては、軸受素子は、通常、非常に大きなものであり、例えば、1メートルまでの直径を持つことが可能であるので、より小さな単一のセグメントは、扱う又は製造することがより簡単になる。
【0014】
軸受素子は、特にアキシアル軸受の場合には、軸受リングとして配置されるか、又は/及び、特にラジアル軸受の場合には、軸受ブッシュ或いはスリーブとして配置される。このような軸受素子は、任意の方式で、少なくとも3つの個別の環状セグメントに分けることができる。軸受ブッシュの場合には、個々のセグメントは、平面図で環状セグメントとして配置される一方、軸受リングの場合には、それらのセグメントが軸受ブッシュの上部から下部に連続的に延びている。個々の環状セグメントが、環状セグメントが軸受素子を形成するために舵幹材の周りに組み合わせるか又は組み合わせ可能になるように提供されることは想定されている。この点で、取り付けられた状態において、個々の環状セグメントの間の区切り線は、通常、略縦方向ではなく、略水平に延びている。
【0015】
原則として、軸受素子の個々の環状セグメントは、先行技術から公知の任意の適切な方法により製造することができる。特に、個々の環状セグメントは、一体型の軸受素子又は他のワークからフライス加工及び切断によって製造することができるか、又は/及び射出成形によって、直接に個々の環状セグメントとして製造することができる。
【0016】
原則として、個々の環状セグメントは、組み合わせるのに適した接続手段によって接合されて、単一の軸受素子を形成する。個々の環状セグメントの寸法又は形状は、環状セグメントを組み合わせる時に、これらをフォーム(form)やフォースクロージャー(force closure)によって相互に接続されるように選択される。
【0017】
特に、軸受素子は、それによって達成する処理の簡素化や製造コストの低減などという利点が特に強く示されているので、独立した複数の環状セグメントを含むことが好ましい。複数の環状セグメントは、その数が、例えば、5〜100セグメン、又は10〜65セグメン、又は64セグメン、又は40〜80セグメン、又は50〜70セグメン、或いは15〜40セグメントであることができ、いずれの場合には、単一の軸受素子を構成する。また、例えば、軸受素子ごとにおいて、環状セグメントの数は、例えば、5〜30セグメント、又は10〜20セグメント、又は10〜25セグメント、又は15〜20セグメント、或いは16セグメントなどの数で実現することができる。
【0018】
環状セグメントを互いに接続するための手段が提供される。環状のセグメントは、接続手段によって、ソリッドな組み合わせ、それから単一且つソリッドな軸受素子を形成するように、互いに固定することができる。接続手段は、特に、環状セグメントの間に剛性接続(positive connection)、又は/及び非剛性接続(non-positive connection)を作成するように、構成される。特に、作成された接続は、非剛性接続と剛性接続の両方を兼ねることができる。接続手段は、前記手段により取り外し可能な接続を作成することができるように、即ち、環状セグメントが着脱可能に相互に接続されているように配置されることが好ましくい。結果として、軸受素子は、保守作業など中に、容易に個々の環状セグメントに再び分解することができる。
【0019】
もし、接続手段が非剛性接続を作成するように提供される場合には、これらの接続手段が弾性であるか又は弾性手段を含むように配置されることが好ましい。このような弾性手段の提供により、非剛性接続の作成は、特に簡単な形で行うことができる。
【0020】
原則として、接続手段は、先行技術から知られて、個々の環状セグメントを接続するのに適した任意の手段を備えることができる。好ましい実施形態では、接続手段は、環状セグメント内の凹部と、これらの凹部に挿入可能な相手部と備える。互いに係合している凹部とその相手部は、例えば、互いに隣接して配置されている異なる環状セグメントの上に配置され、またはしっかりと互いに隣接して配置の異なる環状のセグメントに接続されている。その代わりに、相手部は、しっかりと環状セグメントに付属しない個別のコンポーネントとして配置されることができ、それから、好ましくは、相手部は、異なる2つの環状セグメントを相互に接続するために、それらの2つの環状セグメントの少なくとも2つの凹部に導入することができる。ここで、相手部は、凹部に剛性に挿入できるように方法で構成されることが好ましい。原則として、相手部が凹部に非剛性に挿入することも可能である。例えば、相手部は、個々の凹部に掛かて、環状セグメントから突出したウェブや、突出したカムなどとすることができる。便宜上、凹部と相手部の各々は、個々の環状セグメントのエッジ又は外側の領域に配置され、これにより、環状セグメントが、別の環状セグメントに対して隣接するか又は接する。
【0021】
凹部は、原則として、例えば、溝、開口部、止まり穴、窪み等、如何なる種類のセグメント本体においての凹部とすることができる。一実施形態において、凹部と、また相手部との両方は、追加したコンポーネントなどを提供する必要のないように、それぞれの環状セグメント上に一体的に形成される。環状セグメントの本体は、通常、中空にされておらずに、完全に形成されている。
【0022】
接続手段は、有利に、ラッチ接続を備える。この手段によって、2つの環状セグメント間の接続は、有利に、例えば、保守作業中に、ラッチ接続を外して、再び解除することができる。ラッチ接続は、基本的に、任意の適当な方法で配置することができる。好ましくは、少なくとも1つの弾性ラッチング素子を有する。凹部と接続手段として前記凹部と噛み合い可能の相手部とを提供する場合、ラッチ接続は、例えば、溝又は別の窪みと前記溝又は別の窪みに導入可能である対応するラッチング部によって形成することができ、好ましくは、弾性を有するように配置される。
【0023】
さらなる好ましい実施形態において、相手部は、少なくとも1つのアンダーカットを具備している。これは、特に、燕尾形の端部領域を持っている相手部により、又は、全体的に燕尾形になるように構成されている相手部により達成することができる。その代わりに、例えば、相手部においてT字型の端部領域又は/及びただ一般的に相手に広がっている端部領域を提供することができる。もし、凹部がそれに対応して配置されている場合、すなわち、相手部の形状に対応して調整する場合、剛性接続は、アンダーカットや燕尾を提供することにより、簡単な方法で達成することができる。接続の改良した強度は、相手部又は凹部の領域或いは両方が一定の弾性を有することで実現することができる。その代わりに又はさらに、凹部と相手部とは、非剛性接続を作成するために、締まり嵌(ば)めの形で設計することができる。
【0024】
一実施形態において、それぞれの環状セグメントは、同様の数の、特に2つの凹部及び相手部を具備しており、一つの環状セグメントにおける凹部及び相手部は、好ましくは、個々の環状セグメントにおいて、互いに反対側に配置される。他の環状セグメントは、有利に、第1の環状セグメントの相手部が、第2の環状セグメントの凹部に噛み合い、第3の環状セグメントの相手部が、第1の環状セグメントの凹部に噛み合うことができるように、凹部及び相手部の形状や配置で同様に構成されている。環状セグメントの各々は、2つの環状セグメントに当接する。このような実施形態において、相手部が第1の接触領域に配置され、凹部が第2の接触領域に配置されること、又はそれと逆にして配置されることが必要である。
【0025】
代案の実施形態では、それぞれの場合に、相手部なしで凹部のみを個々の環状セグメントに配置し、また、それぞれの場合に、1つの環状セグメントにおける1つの凹部が、有利に、連続又は隣接する環状セグメントの別の凹部に隣接又は連続して配置されている。このような実施形態において、個別のコンポーネントとして形成された相手部はさらに設置されており、それぞれの相手部は、異なる隣接して配置された環状セグメントの2つの凹部に噛み合っており、故に、環状セグメントを互いに関連して固定されている。
【0026】
フォースクロージャーを改善するために、空洞又は凹部或いは開口部を相手に提供される。この手段によって、相手部の弾力性は、これに対応する凹部に挿入する時に圧縮し、凹部内に圧縮した後に拡大し、凹部の側壁に非積極的に静止することができる限り、増やすことができる。これは、非剛性接続及び/又はラッチング接続を作るために、特に有利である。
【0027】
さらに好ましい実施形態において、環状セグメントは、通常弓状又は直線的に延びている内縁と、通常弓状又は直線的に延びている外縁と、通常直線的に延びている2つの側縁とを具備している。環状セグメントの内縁は、さらなる環状セグメントのさらなる内縁と共に、内側の環状縁を形成する。従って、外縁は外側の環状縁を形成している。このような環状セグメントは、軸受リングとして配置された軸受素子を製造するために特に有利である。しかし、原則として、そのような環状セグメントは、環状セグメントが有利にブッシュの軸方向に上から下へ連続して延びるように、環状ブッシュに使用することができる。それから、単一の軸受素子を形成するために非剛性接続は、このような構造によって、一種類の楔形の接続が個々の環状セグメントの隣接する側縁によって得られるため、簡単な方法で改善することができる。
【0028】
いずれか又は複数の環状セグメントの2つの側縁は、互いに対して角度を持って延びることができる。しかし、原則として、これらは、互いに平行に延びるように構成することができる。また、前記角度は、すべての環状セグメントで同じ、又は、異なるように設定することもできる。前記角度は、好ましくは、個々の環状セグメントの内縁が外端よりも短くなるように配置する。さらに、好ましくは、少なくとも1つの側縁は、内縁及び/又は外縁に対して略直角に延びることができる。製造プロセスは、この方法でさらに簡素化することができる。例えば、異なる角度を有する環状セグメントは、メーカーにて指定することができ、それから、特定の希望の軸受素子を達成するための要求に応じて組み合わせることができる。この点では、すべての環状セグメントが特定の軸受素子に合わせてカスタマイズされる必要がなく、在庫品として製造することもできる。
【0029】
好ましい実施形態において、軸受素子の1つ又は複数の、好ましくは全ての環状セグメントは、固体潤滑剤を含有する材料を含む。この固体潤滑剤は、軸受素子に対して、自己潤滑性を与えており、それから、軸受素子が挿入されているすべての軸受は、自己潤滑軸受又は「固体摩擦軸受」になる。このような軸受は、埋め込まれた固体潤滑剤(固体潤滑剤)がそれを製造した材料中に存在して、動作中にマイクロ摩耗によって表面に到達して、軸受の摩擦や摩損を低減するため、追加の潤滑又は潤滑剤なしで作動する。特に、プラスチック又はプラスチック複合材及び/又はセラミック構造材料を使用して、軸受素子を形成する。このような材料の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とACM(アクリルゴム)とが挙げられる。グラファイト含有材料や複合材料を使用して、軸受素子の環状セグメントを形成することもできる。これによって、本発明による軸受素子が挿入されるべく舵キャリア軸受の構造は、潤滑膜等を提供するさらなる追加の手段及び外部潤滑剤が不要となるので、さらに、簡略化することができる。グリースや油等のような潤滑油が軸受から自然環境に入ることができないので、生態学的な面から有利である。さらに、通常、例えば青銅のような金属からなる従来の軸受素子と異なるのは、自己潤滑性軸受の焼付きの危険性がほぼ排除されることで、有利である。さらに効果的ことである。
【0030】
軸受素子の自己潤滑性に関わらず、軸受素子の単一又は複数の、好ましくは全ての環状セグメントは、好ましくは弾性特性を有する非金属材料を含むことができることである。この材料は、プラスチックになりえて、特に前述のプラスチックのうち特定の1つである。
【0031】
もう1つの好ましい実施形態において、軸受素子は、高い許容表面圧力を持っている。特に、その表面圧力は、少なくとも40N/mm2である必要があり、好ましくは少なくとも75N/mm2、特に好ましくは少なくとも90N/mm2である。これは一方、個々の環状セグメントの間に、軸受素子を付加的に固めることを可能にする対応の接続手段を提供することにより達成することができる。材料の有利な選択は、積極的に許容表面圧力に影響を与えることができる。
【0032】
さらにもう1つの好ましい実施形態において、1つ又は複数の、好ましくは全ての環状セグメントは、成分Aと成分Bとを含めている。この場合、成分Aは熱可塑性ポリエステルである。また、成分Bは、好ましくは、例えばエラストマーのような弾性材料であることができる。その材料は、成分Aの含有量が、好ましくは、少なくとも70%で、特に好ましくは85%である。これによって、高い許容表面圧力と、個々の環状セグメントに良好な加工性と、凹部及び相手部の良好な一体製造が可能になるため、軸受リング又は個々の環状セグメントの製造に用いる特に好適な材料を獲得することができる。前記材料は、成分AとBとで排他的に構成することができる。
【0033】
さらにもう1つの好ましい実施形態において、2つの環状セグメントが互いに隣接・当接する境界領域において、隣接する環状セグメントの一方又は両方に凹部を提供されている。前記凹部は、連続的なものであることができ、または、特定の領域のみでの窪みとして形成することもできる。例えば、環状セグメントで構成される軸受リングを再び解体する時に、ツール等を前記凹部に挿入することができる。従って、解体は、簡素化される。特に、前記凹部は、2つの環状セグメント間の接触縁に関して略中心的に配置されていることが好ましい。
【0034】
本発明の基礎とする目的は、さらに、本発明による軸受素子を含んでなる舵軸受、特に上部の舵キャリア軸受によって達成される。このような舵軸受においては、アキシアルアリング及び/又はラジアル軸受が自己潤滑軸受として構成することができる。また、前記舵軸受は、アキシアルアリングとラジアル軸受と両方を含むことを好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】舵頭管と上部キャリア軸受とを具備する舵幹材の断面図である。
【図2】図1のキャリア軸受の詳細図である。
【図3】図1と図2のキャリア軸受のセグメント化された軸受リングの平面図である。
【図4】図3の軸受リングの環状セグメントの詳細図である。
【図5】図1と図2のキャリア軸受のセグメント化された軸受ブッシュの斜視図である。
【図6】図5の軸受ブッシュの側面図である。
【図6A】図6の軸受ブッシュの詳細図である。
【図7】図5と図6の軸受ブッシュの環状セグメントの個体の斜視図である。
【図8】図5と図6の軸受ブッシュの相手部の個体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、図面に示された例示的な実施形態を参照してさらに説明される。図中には、以下のように概略的に示している。
【0037】
図1は、舵幹材50の断面図を示しており、舵頭管51が前記舵幹材50の周りに配置されている。取り付けられている状態で、舵幹材の下端50aと舵頭管の下端51aは、舵板(図示せず)に挿入されて、舵幹材の下端50aは、舵板に接続されている。キャリア軸受10は、操舵機の領域で船体(図示せず)に位置する舵幹材の上端50b上に配置されている。原則として、舵頭管のない舵構造は、キャリア軸受をも持つことができる。
【0038】
図2は、図1からのキャリア軸受10の詳細な断面図を示している。キャリア軸受10は、上部ハウジングカバー11aと下部ハウジングのベース本体11bとを含んでいる軸受ハウジング11を備える。ハウジングカバー11aとハウジングベース本体11bは、例えば、鋼製することができる。ハウジングベース本体11bは、円筒状スリーブの形で構成されており、その上部外縁領域上では、フランジとして配置されている外側に約90°で突出している周辺の締付部111bが配置されている。ハウジングベース本体11bには、孔又は貫通孔が一定の間隔で配置されており、ハウジングベース本体11bは、前記孔又は貫通孔を通してボルト12によって船体52に接続されている。ラジアル軸受13は、軸受ブッシュ13Aと、舵幹材スリーブ或いは舵幹材カバー13bとを備えているハウジングベース本体11bの内部に配置されている。軸受ブッシュ13aと舵幹材にしっかりと配置されている舵幹材スリーブ13bとは、互いに関連して移動可能なラジアル軸受13の2つの軸受部材(軸受素子)を形成する。円筒状の軸受ブッシュ13aは、その外側ジャケットによってハウジングベース本体11bの内側ジャケットに当接して、例えば、「凍結」とも呼ばれる熱膨張により、ハウジングベース本体11bに接続することができる。内部にシャフトシールリング14aが配置されている周辺溝14は、ハウジングベース本体11bの締付部111bの上部に配置されており、ハウジングカバー11aと隣接している。シャフトシールリング14a又は溝14は、ボルト又はネジ14cにより締付部111bに接続されている環状カバー14bによって、上部に向かって密封されている。
【0039】
さらに、キャリア軸受10は、第1の環状ディスク15aと第1の環状ディスク15aに当接する第2の環状ディスク15bとを具備するアキシアル軸受15を含めている。第1と第2の環状ディスク15a、15bは、相対移動可能な軸方向の軸受15の2つの軸受素子の軸受ペアを形成する。第1の環状ディスク15aは、周辺に配置された複数のネジ16aにより、ハウジングベース本体11bに接続される一方、第2の環状ディスク15Bは、周辺に分散した形で配置された複数のネジ16bにより、ハウジングカバー11aに接続されている。ハウジングカバー11aがしっかりと舵幹材50に接続されているため、舵幹材50と一緒に回転する。従って、第2の環状ディスク15bは、舵幹材50の回転時に一体回転し、前記ディスクも、固定した第1の環状ディスク15aに対して回転する。ハウジングカバー11aと、筐体のベース本体11bと、2つの環状ディスク15a及び15bと、軸受ブッシュ13aと、舵幹材スリーブ13bとは、すべて、舵幹材50に対して同軸に配置されている。
【0040】
図3と図4は、平面図で、キャリア軸受10のアキシアル軸受15の第1の環状ディスク15aを示している。軸受素子(第1の環状ディスク)15aが、独立した複数個の環状セグメント17を含めていることが分かる。環状セグメント17は、環状のセグメントとして構成されている。環状セグメント17は、固体潤滑剤を含有するプラスチックから形成されている。また、アキシアル軸受15の対応する他の軸受素子(第2の環状ディスク)15bは、好ましくはステンレス鋼から形成される。これにより、自己潤滑軸受用の特に良好な材料の組み合わせは、取得される。図3に示す軸受リング15aは、全体的に、結合されて同質の軸受リングを形成する60個の環状セグメント17から構成されている。個々の環状セグメント17は、外縁171と、内縁172と、2つの側縁173、174とを持っている。さらなる外縁は提供されていない。内縁172と外縁171は、他の実施形態で、直線的に延びているが、わずかにアーチ形になるように構成されている。側縁173、174は、略直線的に延びるか、或いは直線で配置される。環状セグメント17の側縁173、174は、互いに平行にならずに、互いに角度αで延びることになる。図3に示す軸受リング15aにおいて、すべての環状のセグメント17は、同一に構成されている。しかしながら、特に別の実施形態では、軸受リングまたは軸受素子の個々の環状セグメント間の角度αが変化されることができる。特に、略平行に延びている側縁を具備する環状セグメントを使用することができる。環状セグメント17は、その内縁172と外縁172の端部が、それぞれ隣接する環状セグメントにて平らになるように配置されている。個々の環状セグメント17の長さは、それぞれの場合において同一である。
【0041】
環状セグメント17の各々は、その側縁174において、T字型である2つの相手部175を持っている。個々がT字型の相手部175を受け取ることができる対応する2つの凹部176は、他の側縁部173に対向して配置されている。長手方向に関して、それぞれ、1つの凹部176と1つの相手部175は、同じ高さで配置されている。相手部175及び凹部176は、互いからの距離及び外縁172、173からの距離に関して、それぞれの側縁173、174に均一に分散して配置されている。環状セグメント17は、それらの側縁173、174により、第1の環状セグメントの相手部175の各々が第2の環状セグメントの対応する凹部176に噛み合う一方、第3の環状セグメントの相手部175が第1の環状セグメントの凹部176に噛み合うように、他の環状セグメント17に、合計で2つの環状セグメント17に隣接する。相手部175がT字型に形成したため、より広範囲な横ウェブ1752に隣接して側縁174から突き出た狭いウェブ1751を持っている。横ウェブ1752において、側縁174に面している領域が広がることによって、アンダーカット1753を形成する。凹部176は、それに応じて、側縁173から内側に延びている狭いポイント1761と、隣接する幅広部1762を持っている。相手部175及び窪み、即ち凹部176は、正確に調整するか又は締まり嵌めとして形成することができる。原則として、本実施例では、むしろ有利ではないが、すきま嵌(ば)めも可能である。図3に示す軸受リング15aの環状セグメント17において、側縁173に平行して延びている1つの凹部177又は内側に延びた部分は、それぞれ、2つの凹部176の間に位置している側縁173上に提供されている。凹部177は、全体の環状セグメント又はその一部の領域のみを通して延びることができる。特に、凹部177は、そこにツールを挿入するのに適しているので、セグメント化された軸受リング15aがより簡単に解体できるようになる。従って、個々の環状セグメント17は、比較的容易に、上から他の環状セグメントに挿入するか、又は上に向かってそれらから再び解除することができる。
【0042】
図5、図6及び図6Aの各々は、キャリア軸受10のラジアル軸受13において軸受ブッシュ13aを示している。軸受ブッシュ13aは、40個の環状セグメント18を含んでおり、個々のセグメントは、直接にさらなる2つの環状セグメント18に当接し、それらに相手部185と対応する凹部186とを有する接続手段によってしっかりと接続する。全体的には、基本的に機能上一体型の軸受ブッシュに対応する本質的に閉鎖して固定した同種の軸受ブッシュを獲得する。原則として、代替的に又は付加的に、舵幹材スリーブ13bをセグメント化された軸受ブッシュとして構成することができる。図3と図4に示すセグメント化された軸受リング、即ち環状ディスクと同様に、ここでも、環状セグメント18は、固体潤滑剤を含有するプラスチックから形成されている。ブッシュ13aが相対的に又は逆に移動する舵幹材スリーブ13bは、好ましくは、ステンレス鋼から形成される。いずれの場合にも、互いに間隔を隔てて配置された2つの相手部185は、2つの環状セグメント18の間に配置されており、前記2つの相手部185は、それぞれ、異なる環状セグメント18、即ち隣接する環状セグメント18に配置されている2つの凹部186に噛み合っている。
【0043】
図7には環状セグメント18の立体図を示しており、図8には個体の相手部185の立体図を示している。環状セグメント18は、前面の外表面181と、前面の内表面182と、狭い側面に配置された2つ側表面183、184とを含めている。表面181、182、183、184はすべて平坦に構成されており、表面の各々は、隣接する2つの表面に対して略90°の角度を成している。この点では、2つの側表面183、184及び2つの内・外表面181、182の各々は、互いに平行に配列している。図5及び図6に示されている軸受ブッシュ13aにおいて、すべての環状セグメント18は同一に形成されている。環状セグメント18の各々は、その側表面183及び184の全表面により隣接する環状セグメントに当接して隣接する。内・外表面181及び182の縦向縁1811及び1821の各々は、環状セグメント18がすべてともに連結して平面図において閉鎖した環状か円筒状のブッシュ13aを形成するように、略湾曲に形成されている。側表面183、184において、それぞれ、2つの凹部186が設置されており、総計4個の凹部は、同一に形成されている。個々の凹部186の各々は、そのパートナーとする凹部からの同じ距離で両側に配置され、環状セグメント18の全体の高さのおよそ3分の1或いは3分の2に位置している。これらの凹部の形に関して、これらの凹部は、最初に狭いポイント1861で、それから幅広部1862までさらに広くなると共に凹部186の端部領域を形成するように、側表面183及び184から内側へ延びている。側面図では、幅広部1862が、ほぼピンヘッドのような形状を持っている。溝又は窪み1863は、環状セグメント18の横断方向と平行して、狭いポイント1861の略中心にて提供されている。この溝1863は、より低いもの、および狭いポイント1861の上・下縁領域の両方にも提供されている。
【0044】
相手部185は、中央ウェブ1851を有している。相手部185の縦方向で見られる時、中央ウェブ1851の両端に隣接するのは、それぞれの相手部185が終了する1つのエンドヘッド1852であり、前記エンドヘッド1852は、ウェブ1851よりも広い、即ち、より大きな幅を持っている。エンドヘッド1852は、各々が凹部186の幅広部1862に剛性的に噛み合うことができるように形成されている。従って、相手部185は、隣接して傾斜しているか連続して傾斜している環状セグメント18の異なる2つの隣接する凹部186に噛み合うことができる。そして、中央ウェブ1851は、凹部1862の2つの狭いポイント1861に噛み合っており、相手部185の縦方向において、その中央領域に、それぞれ側で、外縁と平行して外側に突き出る1つの突起部1853をそれぞれ有している。これらの突起部1853は、凹部186の溝1863に噛み合うために配置される。中央ウェブ1851は、穴1854を挟んでいる並列の2つの外壁を具備している。1つの前面側から他の前面側まで連続的に延びる水路形の更なる2つの穴1855は、各エンドヘッド1852の内部に配置されている。弾性特性がある材料から形成するか、又は/及び穴1854、1855を提供する結果として、相手部185はわずかに弾性か弾力のある特性を具備している。従って、例えば、凹部186に相手部185を挿入する場合、突起部1853が溝1863に噛み合うことができるように、中央ウェブ1851の2つの外側壁は、わずかに圧縮される。これによって、突起部1853及び溝1863は、一緒に、着脱可能なラッチ接続を形成している。
【符号の説明】
【0045】
10 キャリア軸受
11 軸受ハウシング
11a ハウシングカバー
11b ハウシングベース本体
111b 締付部
12 ボルト
13 ラジアル軸受
13a 軸受ブッシュ
13b 舵幹材スリーブ
14 溝
14a シャフトシールリング
14b 環状カバー
14c ネジ
15 アキシアル軸受
15a 第1の環状ディスク
15b 第2の環状ディスク
16a,16b ネジ
17 環状セグメント/軸受リング
171 外表面
172 内表面
173 側表面
174 側表面
175 相手部
1751 ウェブ
1752 横ウェブ
1753 アンダーカット
176,179 凹部
1761 狭いポイント
1762 幅広部
177 凹部
18 環状セグメント/軸受ブッシュ
181 外表面
1811 縦向縁
182 内表面
1821 縦向縁
183 側表面
184 側表面
185 相手部
1851 相手部
1852 エンドヘッド
1853 突起部
1854,1855 穴
186 凹部
1861 狭いポイント
1862 幅広部
1863 溝
50 舵幹材
50a 舵幹材下端
50b 舵幹材上端
51 舵頭管
51a 舵頭管下端
52 船体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
舶の舵の舵幹材(50)又は舵頭管(51)を取り付けるための舵軸受(10)において、軸受リング(15a、15b)又は軸受ブッシュ(13a、13b)である軸受素子であって、前記舵軸受(10)は、ラジアル軸受(13)又はアキシアル軸受(15)として構成され、
前記軸受素子は(15a、15b、13a、13b)は、セグメント化するように配置され、個々が組み合わせられて同種且つ本質的に固定された軸受素子(15a、15b、13a、13b)を形成する独立した少なくとも3つの環状セグメント(17)を含め、
前記独立した環状セグメント(17)の各々は、さらなる2つの環状セグメント(17)に当接し、
前記環状のセグメント(17)同士は、接続手段により互いに接続されていることを特徴とする軸受素子。
【請求項2】
請求項1に記載の軸受素子であって、
前記軸受要素子(15a、15b、13a、13b)は、複数の、特別の5〜100個の、好ましくは10〜65個の、特に好ましくは15〜40個の環状セグメント(17)を含むことを特徴とする軸受素子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の軸受素子であって、
前記接続手段は、前記環状セグメント(17)の間に剛性接続及び/又は非剛性接続が発生するように構成され、
前記接続手段は、非剛性接続をするために、弾性手段を含むことを特徴とする軸受素子。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
前記接続手段は、ラッチ接続を含み、特に、凹部(186)及び対応する相手部(185)を含むことを特徴とする軸受素子。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
前記接続手段は、前記環状セグメント(17)に形成されている凹部(176、186)と、前記凹部(176、186)に剛性的に及び/又は非剛性的に挿入される相手部(175、185)とを含むことを特徴とする軸受素子。
【請求項6】
請求項5に記載の軸受素子であって、
前記相手部(175)の各々は、一つの環状セグメント(17)に設置され、或いは前記相手部(185)は、隣接する環状セグメント(17)の少なくとも2つの凹部(176)に噛み合うように配置されていることを特徴とする軸受素子。
【請求項7】
請求項6に記載の軸受素子であって、
前記相手部(175、185)は、少なくとも1のアンダーカット(1753)を有しており、前記相手部(175、185)は、好ましくは燕尾状の端部領域を有していることを特徴とする軸受素子。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の軸受素子であって、
個々の環状セグメント(17)は、同じ数量の、特に2つの凹部(176)及び相手部(175)を有しており、1つの環状セグメント(17)における前記凹部(176)及び相手部(175)は、好ましくは互いにの反対に設置されていることを特徴とする軸受素子。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の軸受素子であって、
穴、凹部或いは開口部が前記相手部(175、185)において提供されていることを特徴とする軸受素子。
【請求項10】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
前記環状セグメント(17)は、弓状又は直線的に延びている内縁(172)と、弓状又は直線的に延びている外縁(171)と、略直線的に延びている2つの側縁(173、174)とを具備していることを特徴とする軸受素子。
【請求項11】
請求項10に記載の軸受素子であって、
少なくとも1つの、好ましくは複数の2つの環状セグメント(17)における前記2つの側縁(173、174)は、特に前記内縁(172)が前記外縁(171)より短くなるように、互いに対して角度(α)で延びており、前記2つの側縁(173、174)のうちの1つは、前記内縁及び外縁(171、172)に対して、略直角に延びていることを特徴とする軸受素子。
【請求項12】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
前記軸受素子(15a、15b、13a、13b)における、1つ又は複数の、好ましくはすべての、前記環状セグメント(17)は、固体潤滑剤を含む材料を含むこと、又は/及び前記軸受素子(15a、15b、13a、13b)における、1つ又は複数の、好ましくはすべての、前記環状セグメント(17)は、好ましくは弾性特性を有する材料、特にプラスチックを含めており、好ましくは、完全に非金属材料から成ることを特徴とする軸受素子。
【請求項13】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
前記軸受素子(15a、15b、13a、13b)は、高い許容表面圧力を有し、前記許容表面圧力は、特に少なくとも40N/mm2で、好ましくは少なくとも75N/mm2で、さらに好ましくは少なくとも90N/mm2であることを特徴とする軸受素子。
【請求項14】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
1つ又は複数の、好ましくはすべての、前記環状セグメント(17)は、成分Aと成分Bとを含めており、前記成分Aは、熱可塑性ポリエステルであり、前記成分Bは、特に弾性材料で、好ましくはエラストマーであり、前記材料には、好ましくは少なくとも70%の含量で、特に好ましくは少なくとも85%の含量で、前記成分Aを含めていることを特徴とする軸受素子。
【請求項15】
前記請求項のいずれかに記載の軸受素子であって、
2の前記環状セグメント(17)が互いに隣接する境界領域において、凹部(177)は隣接している環状セグメント(17)のうちの1つ或いは両方に提供されていることを特徴とする軸受素子。
【請求項16】
船舶の舵の舵幹材(50)又は舵頭管(51)を取り付けるための舵軸受(10)、特に上部舵キャリア軸受(10)であって、
前記舵軸受(10)は、前記請求項のいずれかに記載の軸受素子(15a、15b、13a、13b)を含めていることを特徴とする舵軸受。
【請求項17】
請求項16に記載の舵軸受であって、
前記舵軸受(10)の軸のアキシアル軸受(15)、又は/及び、前記舵軸受(10)の軸のラジカル軸受(13)は、軸受素子(15a、15b、13a、13b)を含めており、特に、前記アキシアル軸受(15)、又は/及び、前記ラジカル軸受(13)は、自己潤滑軸受として構成されていることを特徴とする舵軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−52663(P2012−52663A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−190273(P2011−190273)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509255794)ベッカー マリン システムズ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (10)
【Fターム(参考)】