説明

船外機の操舵装置

【課題】ティラーハンドルにアシスト機構およびヘルム機構を用いてティラーハンドルの操作性の向上を図ることができる船外機の操舵装置を提供する。
【解決手段】船外機の操舵装置16は、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角の差異を操舵トルクとして検出するトルクセンサ41と、トルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて制御可能な電動アシスト機構43と、電動アシスト機構で駆動されることで、船外機本体およびティラーハンドルの各操舵角の差異を補正するヘルム機構45とを備える。また、トルクセンサは、船外機本体およびティラーハンドルを連結する連結アーム28に設けられている。さらに、電動アシスト機構およびヘルム機構は船体11に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体に船外機本体が操舵自在に設けられ、船外機本体にティラーハンドルが連結され、ティラーハンドルで船外機本体を操舵する船外機の操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船体の後部に支持した船外機を操舵する操舵ハンドルとしてステアリングホイールやティラーハンドルが用いられる。
ステアリングホイールを用いた操舵装置のなかには、ステアリングホイールおよび油圧ヘルムポンプ(油圧操舵ポンプ)間にアシスト機構を設け、このアシスト機構でステアリングホイールの操舵力(操作力)をアシスト(補助)するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ステアリングホイールは、船外機本体から切り離して船体の前部(インストルメントパネル)に設けられているため、ステアリングホイールの近傍にアシスト機構や油圧ヘルムポンプを設けることが可能である。
【0004】
特許文献1の操舵装置によれば、ステアリングホイールを操作したとき、ステアリングホイールの操舵力をアシスト機構でアシストすることで、ヘルム機構(操舵機構)の駆動軸を比較的小さな操舵力で作動させることができる(すなわち、ステアリングホイールの操舵力を軽減できる)。
ヘルム機構の駆動軸を作動することで、ヘルム機構からオイルが吐出され、吐出されたオイルが舵取り手段に導かれる。舵取り手段にオイルが導かれることで、オイルで舵取り手段を作動させて船外機本体を操舵することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−231383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、ティラーハンドルを用いた操舵装置は、ティラーハンドルが連結部を介して船外機本体に連結されている。
この操舵装置によれば、ティラーハンドルを左右に操作することで、ティラーハンドルと一体に船外機本体を操舵することができる。
しかし、ティラーハンドルを用いた操舵装置は、ティラーハンドルが連結部を介して船外機本体に連結されているため、ティラーハンドルの近傍にアシスト機構やヘルム機構を備えることが難しいとされていた。
【0007】
本発明は、ティラーハンドルにアシスト機構およびヘルム機構を用いてティラーハンドルの操作性の向上を図ることができる船外機の操舵装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、船体に船外機本体が操舵自在に設けられ、前記船外機本体にティラーハンドルが連結され、前記ティラーハンドルで船外機本体を操舵する船外機の操舵装置において、前記船外機本体および前記ティラーハンドルの各操舵角の差異を操舵トルクとして検出するトルクセンサと、前記トルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて制御可能な電動アシスト機構と、前記電動アシスト機構で駆動されることで、前記船外機本体および前記ティラーハンドルの各操舵角の差異を補正するヘルム機構と、を備え、前記トルクセンサが前記船外機本体および前記ティラーハンドルを連結する連結部に設けられ、前記電動アシスト機構および前記ヘルム機構が前記船体に設けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記ヘルム機構は、油圧で前記船外機を操舵する油圧ヘルムポンプ、または、機械的に前記船外機を操舵するメカニカルヘルム機構であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記電動アシスト機構は、前記トルクセンサで検出した操舵トルク、および前記船外機の推進プロペラを駆動するエンジンの回転数に基づいて制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、船外機本体およびティラーハンドルを連結する連結部にトルクセンサを設け、電動アシスト機構およびヘルム機構を船体に設けた。
船外機本体およびティラーハンドルの各操舵角の差異をトルクセンサで操舵トルクとして検出し、検出した操舵トルクに基づいて電動アシスト機構を制御するようにした。
そして、電動アシスト機構でヘルム機構を駆動し、船外機本体およびティラーハンドルの各操舵角の差異をヘルム機構で補正するようにした。
【0012】
電動アシスト機構でヘルム機構を駆動して船外機本体およびティラーハンドルの各操舵角の差異を補正することで、ティラーハンドルの操舵力(操作力)をアシスト(補助)することができる。
これにより、ティラーハンドルの操舵力(操作力)の軽減を図ることができ、ティラーハンドルの操作性の向上を図ることができる。
【0013】
ここで、船外機本体およびティラーハンドルを連結する連結部にトルクセンサを設け、船体に電動アシスト機構およびヘルム機構を設けた。
トルクセンサは比較的コンパクトな部材である。よって、トルクセンサを電動アシスト機構やヘルム機構から切り離すことで、トルクセンサを連結部に設けることが可能になる。
これにより、既存の連結部の簡単な改修で(すなわち、既存の連結部を利用して)トルクセンサを設けることができる。
【0014】
また、トルクセンサを切り離した電動アシスト機構およびヘルム機構は船体に設けられている。
船体は比較的大きな空間を確保しやすい。よって、既存の船体の簡単な改修で(すなわち、既存の船体を利用して)電動アシスト機構およびヘルム機構を設けることができる。
【0015】
このように、既存の連結アームや既存の船体の簡単な改修(利用)で、トルクセンサや電動アシスト機構およびヘルム機構を設けることができるので、操舵装置の用途の拡大を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、ヘルム機構として油圧ヘルムポンプ(油圧操舵ポンプ)やメカニカルヘルム機構の両方を使用可能とした。
これにより、船外機の操舵装置を船体に取り付ける際に、油圧ヘルムポンプやメカニカルヘルム機構のうちから船体に適したものを選択でき、設計の自由度を高めることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、検出した操舵トルクに基づいて電動アシスト機構を制御するとともに、推進プロペラを駆動するエンジンの回転数に基づいて電動アシスト機構を制御するようにした。
ここで、エンジンの回転数を高くすると船体が高速滑走状態(高速滑走域)になり、推進プロペラの反力が大きくなる。このため、高速滑走域では、操舵ハンドルの操舵力(操作力)が大きくなる。
一方、エンジンの回転数を低くすると船体が低速滑走状態(低速滑走域)になり、推進プロペラの反力が小さくなる。このため、低速滑走域では、操舵ハンドルの操舵力が軽くなる。
【0018】
そこで、請求項3において、推進プロペラを駆動するエンジンの回転数に基づいて電動アシスト機構を制御するようにした。
よって、高速滑走域において、電動アシスト機構による操舵ハンドルの操舵力(アシスト力)が大きくなるように制御することで、操作者による操舵ハンドルの操舵力を軽減することができる。
【0019】
一方、低速滑走域において、電動アシスト機構による操舵ハンドルの操舵力(アシスト力)を小さく抑えるように制御することで、操作者による操舵ハンドルの操舵力を適正に保つことができる。
このように、高速滑走域において操舵ハンドルの操舵力を軽減し、低速滑走域において操舵ハンドルの操舵力を適正に保つことで、操舵ハンドルの操縦安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る船外機の操舵装置(実施例1)を示す平面図である。
【図2】図1の船外機の操舵装置からティラーハンドルを除去した状態を示す平面図である。
【図3】図1のティラーハンドルを示す側面図である。
【図4】図3の4部拡大図である。
【図5】図1の5矢視図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】本発明に係るティラーハンドルで船外機本体を操舵する例を説明する図である。
【図8】本発明に係る船外機の操舵装置(実施例2)を示す概略図である。
【図9】図8の9矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は操作者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【実施例1】
【0022】
実施例1に係る船外機の操舵装置16について説明する。
図1、図2に示すように、船外機10は、船体11の船尾12に支持台17(図3参照)を介して設けられた船外機本体13と、船外機本体13を操舵するシリンダユニット14と、シリンダユニット14を操作する船外機の操舵装置(以下、「操舵装置」という)16とを備えている。
【0023】
船外機本体13は、支持台17にスイベル軸21および連結アーム(連結部)28を介して左右方向に揺動自在(スイング自在)に支持されている。支持台17は、船体11の船尾12に取り付けられている。
船外機本体13は、エンジン22が内蔵され、エンジン22の出力軸に推進プロペラ23が連結されている。
【0024】
シリンダユニット14は、船体11の船尾12に設けられた操舵シリンダ25と、操舵シリンダ25のピストン部27に連結アーム28を連結する連結バー29とを備えている。
【0025】
図3に示すように、連結アーム28は、基端部28aが船外機本体13に設けられるとともに、基端近傍部28bがスイベル軸21に支持され、先端部28cが船体11の前方に向けて延出されている。スイベル軸21は支持台17に回動自在に支持されている。
この連結アーム28は、一例として、通常の船外機に用いるものが使用されている。
【0026】
連結アーム28の基端近傍部28bをスイベル軸21に支持することで、スイベル軸21を軸にして連結アーム28が水平方向に回動(揺動)自在に支持されている。
連結アーム28の基端部28aに船外機本体13が設けられることで、船外機本体13がスイベル軸21を軸にして左右方向に操舵自在に支持されている。
【0027】
操舵シリンダ25は、シリンダ部27がピボット軸31に支持部材32を介して支持されることで、船体幅方向を向いた状態で略水平に配置されている(図1、図2参照)。
スイベル軸21は、船外機本体13を操舵可能に支持する軸である。
ピボット軸31は、船外機本体13をチルト(傾斜)可能に支持する軸である。
【0028】
図1、図2に戻って、操舵シリンダ25は、左端部25aが左操舵用配管37を介して油圧ヘルムポンプ45(後述する)の左ポート部92に連通されている。
さらに、操舵シリンダ25は、右端部25bが右操舵用配管38を介して油圧ヘルムポンプ45の右ポート部93に連通されている。
【0029】
連結バー29は、シリンダ部27の船体後方において操舵シリンダ25に略平行に配置されている。連結バー29の左端部29aがピストン部27の左端部27aにボルト36で連結されている。また、連結バー29の右端部29bがピストン部27の右端部27bにボルト36で連結されている。
さらに、連結バー29は、中央部に長孔33が形成され、長孔33が支持軸部(支持ボルト)34(図3、図4参照)に回動自在に、かつ長軸方向にスライド自在に嵌合されている。支持軸部34は、連結アーム28に取り付けられている。
【0030】
左操舵用配管37に油圧ヘルムポンプ45から油圧が作用することでピストン部27が右方向に矢印Aの如く移動する。ピストン部27が右方向に移動することで連結バー29(すなわち、長孔33)が右方向に移動する。
連結バー29の長孔33が右方向に移動することで支持軸部34が右方向に移動する。支持軸部34が移動することで、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして左方向に矢印Bの如く揺動する。
【0031】
一方、右操舵用配管38に油圧ヘルムポンプ45から油圧が作用することでピストン部27が左方向に矢印Cの如く移動する。ピストン部27が左方向に移動することで連結バー29(すなわち、長孔33)が左方向に移動する。
連結バー29の長孔33が左方向に移動することで支持軸部34が左方向に移動する。支持軸部34が移動することで、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして右方向に矢印Dの如く揺動する。
【0032】
操舵装置16は、連結アーム28の先端部28cに設けられたトルクセンサ41と、トルクセンサ41に連結されたティラーハンドル42と、トルクセンサ41から伝えられた信号に基づいて制御可能な電動アシスト機構43と、電動アシスト機構43に動力伝達手段44(図5参照)を介して連結されたヘルム機構(操舵機構)45と、電動アシスト機構43を制御する制御部46とを備えている。
【0033】
この操舵装置16は、ティラーハンドル42を操作してヘルム機構45を作動し、ヘルム機構45の作動で船外機本体13を操舵する機能を備えている。
さらに、操舵装置16は、ティラーハンドル42を操作する際に、ティラーハンドル42の操作性を電動アシスト機構43で高める機能を備えている。
【0034】
ここで、トルクセンサ41は、電動アシスト機構43およびヘルム機構45から切り離された状態で連結アーム28の先端部28cに設けられている。
さらに、トルクセンサ41を切り離した電動アシスト機構43およびヘルム機構45は船体11に設けられている。
【0035】
図3、図4に示すように、トルクセンサ41は、連結アーム28の先端部28cに設けられたベース51と、ベース51に設けられたホルダ52と、ホルダ52にベアリング53を介して回転自在に支持された中空支持軸54と、中空支持軸54の頂部54aに設けられたスイングアーム55とを備えている。
スイングアーム55に支持ボルト63を介してティラーハンドル42が連結されている。
【0036】
ベース51は、鉛直部65および水平部66で側面視略L字状に形成されている。
このベース51の鉛直部65が、複数の取付ボルト67で連結アーム28の先端部28cが取り付けられている。
ベース51の水平部66にホルダ52が設けられている。
【0037】
さらに、トルクセンサ41は、中空支持軸54にスプライン結合されたトルク入力軸56と、トルク入力軸56の下方に同軸上に設けられたトルク出力軸57と、トルク入力軸56に上端部58aが連結されるとともにトルク出力軸57に下端部58bが連結されたトーションバー58と、トーションバー58(具体的には、トルク入力軸56)に軸線方向に移動自在に支持されたトルクリング59と、トルクリング59の外側に設けられたコイル61とを備えた一般的なセンサである。
【0038】
トルク出力軸57は、トルク入力軸56に対して同軸上に配置されるとともに、ベース51の水平部66に固定されている。
【0039】
スイングアーム55は、トルク入力軸56を介してホルダ52に回転自在に支持されている。また、トルク入力軸56は、トーションバー58を介してトルク出力軸57に連結されている。
よって、トーションバー58に捩れが発生したとき、スイングアーム55がトルク入力軸56を軸にして回動する。
一方、トーションバー58に捩れが発生しないとき、スイングアーム55がホルダ52と一体に支持される。
【0040】
このトルクセンサ41は、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角の差異を操舵トルクとして検出するものである。
換言すれば、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵トルクに差異が発生した場合、この差異をトルクセンサ41で操舵トルクとして検出することができる。
【0041】
具体的には、ティラーハンドル42で船外機本体13を操舵したとき、船外機本体13に作用する負荷が比較的大きい場合、トーションバー58に捩れが生じる。
よって、ティラーハンドル42と一体にスイングアーム55がトルク入力軸56を軸にして揺動し、スイングアーム55と一体にトルク入力軸56が回動する。
【0042】
このように、スイングアーム55がトルク入力軸56を軸にして揺動することで、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角(各操舵トルク)に差異が生じる。
これにより、船外機本体13の操舵を電動アシスト機構43およびヘルム機構45によりアシスト(補助)する状態に保つことができる。
【0043】
一方、船外機本体13に作用する負荷が比較的小さい場合、トーションバー58に捩れが生じない。
よって、ティラーハンドル42およびスイングアーム55が、ホルダ52、ベース51および連結アーム28と一体にスイベル軸21を軸にして揺動する。
スイングアーム55がスイベル軸21を軸にして揺動することで、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角(各操舵トルク)に差異が生じない。
これにより、船外機本体13の操舵を電動アシスト機構43およびヘルム機構45によるアシスト(補助)しない状態に保つことができる。
【0044】
ここで、トルクセンサ41のトーションバー58に捩れが生じた場合の作用について説明する。
トーションバー58に捩れが生じることで、トーションバー58の捩れに基づいてトルクリング59がトルク入力軸56の軸線方向に移動する。
トルクリング59の移動量をコイル61で検出し、検出した移動量に基づいて操舵トルクを検出する。
すなわち、トルクセンサ41によれば、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角の差異を操舵トルクとして検出することができる。
【0045】
検出された操舵トルクは制御部46(図1、図2参照)に伝えられる。
制御部46は、伝えられた操舵トルクに基づいて電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を出力する。
電動アクチュエータ71は、制御部46からの駆動信号に基づいて駆動する(具体的には、出力軸72(図6参照)を回転する)通常の電動モータである。
出力軸72にはアシストギヤ機構74のピニオン76(図6参照)が設けられている。
【0046】
ところで、前述したように、トルクセンサ41は、電動アシスト機構43やヘルム機構45から切り離された状態で、連結アーム28の先端部28cに設けられている。
トルクセンサ41を電動アシスト機構43やヘルム機構45から切り離すことで、トルクセンサ41をコンパクトな形状にすることができる。
よって、通常の船外機に用いる連結アームの簡単な改修で、コンパクトなトルクセンサ41を取付可能な連結アーム28を得ることができる。
【0047】
また、前述したように、トルクセンサ41を切り離した電動アシスト機構43およびヘルム機構45は船体11に設けられている。
船体11は比較的大きな空間を確保しやすい。よって、既存の船体の簡単な改修で電動アシスト機構43およびヘルム機構45を取付可能な船体11を得ることができる。
【0048】
このように、既存の連結アームや既存の船体の簡単な改修で、トルクセンサ41や電動アシスト機構43およびヘルム機構45を設けることができるので、操舵装置16の用途の拡大を図ることができる。
【0049】
図5、図6に示すように、電動アシスト機構43は、トルクセンサ41から伝えられた操舵トルクに基づいて作動する電動アクチュエータ71と、電動アクチュエータ71の出力軸72をアシスト出力軸73に連結するアシストギヤ機構74とを備えている。
電動アシスト機構43は、図1、図2に示すように、船体11の右側部18に油圧ヘルムポンプ45と一体的に設けられている。
【0050】
アシストギヤ機構74は、電動アクチュエータ71の出力軸72に設けられたピニオン76と、ピニオン76に噛み合うとともにアシスト出力軸73に設けられたヘリカルギヤ(はすば歯車)77とを備えている。
ピニオン76をヘリカルギヤ77に噛み合わせることで、ピニオン76の回転をヘリカルギヤ77を介してアシスト出力軸73に伝えることができる。
ピニオン76は、検出した操舵トルクに基づいて電動アクチュエータ71が作動することにより出力軸72と一体に回転する。
【0051】
加えて、電動アシスト機構43は、後述するように、図1に示すエンジン22の回転数(以下、「エンジン回転数」という)に基づいて、ティラーハンドル42の操舵力(操舵トルク)をアシスト(補助)する機能を備えている。
すなわち、電動アシスト機構43は、検出した操舵トルクや、エンジン回転数に基づいてティラーハンドル42の操作を好適に制御可能に構成されている。
【0052】
アシスト出力軸73は、ヘリカルギヤ77から下方に突出され、動力伝達手段44を介してヘルム機構45に連結されている。
動力伝達手段44は、アシスト出力軸73の下端部73aに同軸上に設けられた駆動ギヤ81と、駆動ギヤ81に噛み合うとともにヘルム機構45の駆動軸82に同軸上に設けられた従動ギヤ83とで構成されている。
よって、アシスト出力軸73の回転を駆動ギヤ81に伝え、駆動ギヤ81の回転を従動ギヤ83に伝え、従動ギヤ83の回転をヘルム機構45の駆動軸82に伝えることができる。
【0053】
ヘルム機構45は、一例として、油圧ヘルムポンプが用いられている。
ヘルム機構(すなわち、油圧ヘルムポンプ)45は、図1、図2に示すように、船体11の右側部18に電動アシスト機構43と一体的に設けられている。
【0054】
油圧ヘルムポンプ45は、駆動軸82が回転することで駆動軸82と一体に回転体86が回転する。回転体86が回転することで、回転体86と一体にピストン87が回転する。
ピストン87はベアリング88を介して斜板89に対して摺接しながら回転することで、ピストン87が軸線方向に摺動してシリンダ91内のオイルを吐出する。
すなわち、油圧ヘルムポンプ45は、通常用いられているピストンポンプ(プランジャポンプ)である。
【0055】
ここで、油圧ヘルムポンプ45の左ポート部92に左操舵用配管37が連通され、油圧ヘルムポンプ45の右ポート部93に右操舵用配管38が連通されている。
油圧ヘルムポンプ45からオイルを吐出することで、操舵シリンダ25の左操舵用配管37および右操舵用配管38の何れか一方に油圧が作用する。
【0056】
よって、図1に示す操舵シリンダ25のピストン部27を左方向および右方向の一方に移動する。
これにより、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして左方向および右方向の一方に揺動することにより、船体11を左方向および右方向の一方に転舵することができる。
このように、油圧ヘルムポンプ45を用いることで、船外機本体13を油圧で操舵することが可能になる。
【0057】
図1、図2に示すように、制御部46は、トルクセンサ41で検出した操舵トルクに基づいて電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を伝える機能を備えている。
よって、前述したように、ティラーハンドル42のグリップ42aを握って船外機本体13を操舵したとき、船外機本体13およびティラーハンドル42の各操舵角に差異が生じることがある。
この場合、トーションバー58に捩れが生じ、トーションバー58の捩れに基づいて操舵トルクを検出する。
【0058】
検出した操舵トルクに基づいて、制御部46から電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を伝える。この駆動信号に基づいて電動アクチュエータ71を駆動する。
これにより、ティラーハンドル42で船外機本体13を操舵する際に、ティラーハンドル42の操舵力(操舵トルク)F1を電動アシスト機構43でアシスト(補助)することができる。
【0059】
加えて、ティラーハンドル42の操舵力F1を電動アシスト機構43でアシストすることで、ティラーハンドル42の長さを短く抑えることができる。
このように、ティラーハンドル42を短く抑えることで、ティラーハンドル42の操作性の向上を図ることができる。
【0060】
ここで、エンジン22の回転数を高くすると船体11が高速滑走状態(高速滑走域)になり、推進プロペラ23の反力が大きくなる。このため、高速滑走域では、ティラーハンドル42の操舵力F1が大きくなる。
一方、エンジン22の回転数を低くすると船体11が低速滑走状態(低速滑走域)になり、推進プロペラ23の反力が小さくなる。このため、低速滑走域では、ティラーハンドル42の操舵力F1が軽くなる。
【0061】
そこで、制御部46は、エンジン回転数に基づいて電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を伝える機能を備えるようにした。
具体的には、エンジン回転数を回転数検出手段95(図1参照)で検出し、検出した信号を制御部46に伝える。
【0062】
エンジン回転数が高回転の場合、電動アシスト機構43によるアシストを促進するような信号を制御部46から電動アクチュエータ71に伝える。
よって、高速滑走域において、ティラーハンドル42に作用する操舵力(アシスト力)が大きくなるように電動アシスト機構43を制御できる。
これにより、操作者によるティラーハンドル42の操舵力F1を軽減することができる。
【0063】
一方、エンジン回転数が低回転の場合、電動アシスト機構43によるアシストを抑えるような信号を制御部46から電動アクチュエータ71に伝える。
よって、低速滑走域において、ティラーハンドル42に作用する操舵力(アシスト力)を小さく抑えるように電動アシスト機構43を制御できる。
これにより、操作者によるティラーハンドル42の操舵力F1を適正に保つことができる。
【0064】
このように、高速滑走域においてティラーハンドル42の操舵力F1を軽減し、低速滑走域においてティラーハンドル42の操舵力F1を適正に保つことで、操作者によるティラーハンドル42の操縦安定性を向上させることができる。
【0065】
つぎに、ティラーハンドル42で船外機本体13を操舵する例を図7(a),(b)に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、ティラーハンドル42をスイベル軸21を軸にして右方向に矢印Eの如く操作する。
ティラーハンドル42を操作することにより、船外機本体13がスイベル軸21を軸にして左方向に矢印Fの如く操舵される。
【0066】
ここで、例えば、船外機本体13に作用する海水などの抵抗が小さい場合、船外機本体13に比較的小さな負荷F2が作用する。
よって、ティラーハンドル42および船外機本体13がスイベル軸21を軸にして一体的に操舵される。
これにより、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2に差異は生じない。換言すれば、ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクに差異は生じない。
【0067】
一方、船外機本体13に作用する海水などの抵抗が大きい場合、船外機本体13に比較的大きな負荷F2が作用する。
よって、ティラーハンドル42がトルク入力軸56を軸にして矢印Eの如く揺動する。
これにより、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2に差異が生じる。換言すれば、ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクに差異が生じる。
【0068】
この場合、図4に示すトーションバー58に捩れが生じ、トーションバー58の捩れに基づいてトルクセンサ41で操舵トルクを検出する。
検出された操舵トルクが制御部46に伝えられ、伝えられた操舵トルクに基づいて制御部46から電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を伝える。
【0069】
伝えられた駆動信号に基づいて電動アクチュエータ71が駆動し、電動アクチュエータ71の出力軸72と一体にピニオン76(図6参照)が回転する。
ピニオン76が回転することで、ピニオン76の回転がヘリカルギヤ77を介してアシスト出力軸73(図7(b)参照)に伝えられる。
【0070】
図7(b)に示すように、アシスト出力軸73の回転が駆動ギヤ81に伝わり、駆動ギヤ81の回転が従動ギヤ83に伝わる。従動ギヤ83の回転が油圧ヘルムポンプ45の駆動軸82に伝わり、油圧ヘルムポンプ45が駆動する。
油圧ヘルムポンプ45が駆動することで、図7(a)に示す操舵シリンダ25の右操舵用配管38に油圧が作用する。
【0071】
図7(a)に戻って、操舵シリンダ25のピストン部27を右方向に矢印Gの如く移動する。ピストン部27が移動することで、船外機本体13がスイベル軸21を軸にして左方向に矢印Fの如く揺動する。
よって、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2の差異を解消することができる(ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクの差異を解消することができる)。
【0072】
すなわち、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2を同じにすることができる。
このように、操舵装置16によれば、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2に差異が生じた場合に、電動アシスト機構43や油圧ヘルムポンプ45などでティラーハンドル42の操舵角θ1に追従させて船外機本体13を操舵することができる。
よって、ティラーハンドル42の操舵角θ1および船外機本体13の操舵角θ2の差異を補正することができる。
【0073】
各操舵角θ1、θ2の差異を補正することで、ティラーハンドル42の操舵力(操舵トルク)をアシスト(補助)することができる。
これにより、ティラーハンドル42の操舵力の軽減を図ることができ、ティラーハンドル42の操作性の向上を図ることができる。
【0074】
ここで、ティラーハンドル42を右方向に操作して船外機本体13を左方向に操舵する際の作用について説明したが、この操舵作用は、ティラーハンドル42を左方向に操作して船外機本体13を右方向に操舵する場合も同様である。
そこで、ティラーハンドル42を左方向に操作して船外機本体13を右方向に操舵する場合の説明を省略する。
【0075】
つぎに、実施例2を図8、図9に基づいて説明する。
なお、実施例2において実施例1の操舵装置16と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0076】
実施例2に係る船外機の操舵装置100について説明する。
図8、図9に示すように、操舵装置100は、実施例1の油圧ヘルムポンプ45に代えてメカニカルヘルム機構(メカニカル操舵機構)102を設けたものでその他の構成は実施例1の操舵装置16と同じである。
【0077】
メカニカルヘルム機構102は、駆動軸82にプーリ103が同軸上に設けられ、プーリ103の外周103aに操作ケーブル104が取り付けられたヘルム機構である。
操作ケーブル104は、ケース105から外部に引き出され、一対の端部104a,104bが船外機本体13(図1も参照)まで延出されている。
【0078】
一端部104aが操舵ロッド107の右端部107aに連結され、他端部104bが操舵ロッド107の左端部107bに連結されている。
操舵ロッド107は、支持筒体106に貫通された状態で船体幅方向に摺動自在に支持されている。
すなわち、メカニカルヘルム機構102は、船外機本体13を機械的に操舵する機構である。
【0079】
つぎに、船外機の操舵装置100の作用を図8、図9に基づいて説明する。
図8に示すように、ティラーハンドル42を右方向に矢印Hの如く操作することで、船外機本体13がスイベル軸21を軸にして矢印Iの如く操舵される。
【0080】
ここで、例えば、船外機本体13に作用する海水などの抵抗が小さい場合、船外機本体13に比較的小さな負荷F4が作用する。
よって、ティラーハンドル42および船外機本体13がスイベル軸21を軸にして一体的に操舵される。
これにより、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角に差異は生じない。換言すれば、ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクに差異は生じない。
【0081】
一方、例えば、船外機本体13に作用する海水などの抵抗が大きい場合、船外機本体13に比較的大きな負荷F4が作用する。
よって、ティラーハンドル42がトルク入力軸56を軸にして矢印Hの如く揺動する。
これにより、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角に差異が生じる。換言すれば、ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクに差異が生じる。
【0082】
この場合、図4に示すトーションバー58に捩れが生じ、トーションバー58の捩れに基づいてトルクセンサ41で操舵トルクを検出する。
検出された操舵トルクが制御部46に伝えられ、伝えられた操舵トルクに基づいて制御部46から電動アシスト機構43(電動アクチュエータ71)に駆動信号を伝える。
【0083】
伝えられた駆動信号に基づいて電動アクチュエータ71が駆動し、電動アクチュエータ71の出力軸72と一体にピニオン76(図6参照)が回転する。
ピニオン76が回転することで、ピニオン76の回転がヘリカルギヤ77を介してアシスト出力軸73に伝えられる。
【0084】
アシスト出力軸73の回転が駆動ギヤ81に伝わり、駆動ギヤ81の回転が従動ギヤ83に伝わる。従動ギヤ83の回転がメカニカルヘルム機構102の駆動軸82に伝わり、駆動軸82と一体にプーリ103が時計回り方向に矢印Jの如く回転する。
プーリ103が時計回り方向に回転することで、操作ケーブル104の一端部104bが矢印Kの如く引き戻される。
【0085】
よって、操舵ロッド107が右方向に移動し、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして左方向に矢印Iの如く揺動(操舵)する。
これにより、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角の差異を解消することができる(ティラーハンドル42および船外機本体13の各操舵トルクの差異を解消することができる)。
【0086】
すなわち、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角を同じにすることができる。
このように、操舵装置100によれば、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角に差異が生じた場合に、電動アシスト機構43やメカニカルヘルム機構102などでティラーハンドル42の操舵角に追従させて船外機本体13を操舵することができる。
よって、ティラーハンドル42の操舵角および船外機本体13の操舵角の差異を補正することができる。
【0087】
メカニカルヘルム機構102などで各操舵角の差異を補正することで、ティラーハンドル42の操舵力(操舵トルク)をアシスト(補助)することができる。
これにより、実施例1と同様に、ティラーハンドル42の操舵力の軽減を図ることができ、ティラーハンドル42の操作性の向上を図ることができる。
【0088】
ここで、ティラーハンドル42を右方向に操作して船外機本体13を左方向に操舵する際の作用について説明したが、この操舵作用は、ティラーハンドル42を左方向に操作して船外機本体13を右方向に操舵する場合も同様である。
そこで、ティラーハンドル42を左方向に操作して船外機本体13を右方向に操舵する場合の説明を省略する。
【0089】
ところで、実施例2においてメカニカルヘルム機構102を使用可能とすることで、ヘルム機構として油圧ヘルムポンプ45(実施例1)やメカニカルヘルム機構102(実施例2)の両方を用いることができる。
これにより、油圧ヘルムポンプ45やメカニカルヘルム機構102のうちから船体11に適したものを選択することが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
【0090】
さらに、実施例2に係る操舵装置100によれば、実施例1に係る操舵装置16と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、本発明に係る船外機の操舵装置16,100は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1〜2では、ヘルム機構45の油圧ヘルムポンプ45としてピストンポンプ(プランジャポンプ)を用いた例について説明したが、これに限らないで、油圧ヘルムポンプ45としてシリンダ形式の油圧発生デバイスなどの他のポンプを用いることも可能である。
シリンダ形式の油圧発生デバイスは、例えば、駆動軸が回転することで駆動軸と一体にピニオンが回転し、ピニオンの回転でラックがシリンダの軸線方向に移動し、ラックの移動で一対のピストンがシリンダの軸線方向に移動し、ピストンの移動でシリンダ内のオイルを吐出するように構成されている。
【0092】
また、前記実施例1〜2では、動力伝達手段44を駆動ギヤ81および従動ギヤ83を用いたギヤ伝達手段とした例について説明したが、これに限らないで、チェーンやベルトなどの他の伝達手段を用いることも可能である。
【0093】
さらに、前記実施例1〜2では、通常の船外機に用いる連結アームを改修して連結アーム28とする例について説明したが、これに限らないで、連結アーム28を新たに形成することも可能である。
【0094】
また、前記実施例1ではシリンダユニット14のピストン部27に連結バー29を介して連結アーム28を連結し、前記実施例2では操舵ロッド107に連結バー29を介して連結アーム28を連結する例について説明したが、連結バー29は実施例1〜2に示した形状や構成に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【0095】
さらに、前記実施例1では船体11の右側部18に電動アシスト機構43および油圧ヘルムポンプ45を一体的に設け、前記実施例2では船体11の右側部18に電動アシスト機構43およびメカニカルヘルム機構102を一体的に設けた例について説明したが、これに限らないで、各部材を船体11の任意の部位に設けることや、各部材を個別に設けることも可能である。
【0096】
また、前記実施例1〜2で示した船外機10、船体11、船外機本体13、操舵装置16,100、エンジン22、推進プロペラ23、連結アーム28、トルクセンサ41、ティラーハンドル42、電動アシスト機構43、油圧ヘルムポンプ45、制御部46およびメカニカルヘルム機構102などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、船外機本体にティラーハンドルが連結され、ティラーハンドルで船外機本体を操舵する操舵装置を備えた船外機への適用に好適である。
【符号の説明】
【0098】
10…船外機、11…船体、13…船外機本体、16,100…操舵装置(船外機の操舵装置)、22…エンジン、23…推進プロペラ、28…連結アーム(連結部)、41…トルクセンサ、42…ティラーハンドル、43…電動アシスト機構、45…油圧ヘルムポンプ(ヘルム機構)、46…制御部、102…メカニカルヘルム機構(ヘルム機構)、θ1…ティラーハンドルの操舵角、θ2…船外機本体の操舵角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に船外機本体が操舵自在に設けられ、前記船外機本体にティラーハンドルが連結され、前記ティラーハンドルで船外機本体を操舵する船外機の操舵装置において、
前記船外機本体および前記ティラーハンドルの各操舵角の差異を操舵トルクとして検出するトルクセンサと、
前記トルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて制御可能な電動アシスト機構と、
前記電動アシスト機構で駆動されることで、前記船外機本体および前記ティラーハンドルの各操舵角の差異を補正するヘルム機構と、
を備え、
前記トルクセンサが前記船外機本体および前記ティラーハンドルを連結する連結部に設けられ、
前記電動アシスト機構および前記ヘルム機構が前記船体に設けられたことを特徴とする船外機の操舵装置。
【請求項2】
前記ヘルム機構は、
油圧で前記船外機を操舵する油圧ヘルムポンプ、または、機械的に前記船外機を操舵するメカニカルヘルム機構であることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。
【請求項3】
前記電動アシスト機構は、
前記トルクセンサで検出した操舵トルク、および前記船外機の推進プロペラを駆動するエンジンの回転数に基づいて制御されることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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