説明

艦艇用射撃訓練システム

【課題】標的の交換を不要とすると共に、標的に対する視界が悪い場合でも射撃ごとの命中の状況を射撃側が確実に確認できるようにし、効率の良い水上射撃訓練を実現する。
【解決手段】艦艇FS1,FS2において射撃操作が行われるごとに、射撃訓練装置FD1によりレーザ発光部23からレーザ光を発射する。これに対し標的装置TG1は、上記レーザ光をレーザ受光部112により受光すると、その受光結果を表す情報を現示部13に表示すると共に、当該受光結果を通知するための情報を無線回線を介して発射元の艦艇FS1,FS2へ送信する。艦艇FS1,FS2の射撃訓練装置FD1は、上記受光結果を通知するための情報を受信すると、当該受光結果の通知情報をもとに射撃の結果を表す情報を生成してこれを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、艦艇から水上の標的に対する射撃訓練を行うための艦艇用射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射撃訓練装置として、実在の標的に対し実弾を用いて射撃することで射撃訓練を行う装置が知られている。この種の装置は一般に、標的に対する命中の状況等を双眼鏡等を用いて肉眼で確認するものとなっている。また、弾着の成績をより正確に把握するために、例えば標的に弾丸が弾着した際に発生する衝撃を衝撃センサで検出して、その検出信号をもとに標的に対する弾着数を弾着数計数部により計数し、この弾着数の計数結果を表す情報を標的側から中央局装置へ送信して表示装置又はプリンタ装置により出力する装置も提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−142097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような実弾を使用した従来の射撃訓練装置を艦艇による水上射撃訓練に使用すると、破損した標的を交換する作業が陸上に比べて煩雑となるため、効率が悪い。また、射程距離の増大や波浪等の影響により、射撃側から標的を視認できない場合があり、射撃手が射撃ごとの命中の状況を確認できないという不具合が生じる。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、標的の交換を不要とすると共に、標的に対する視界が悪い場合でも射撃ごとの命中の状況を射撃側が確実に確認できるようにし、これにより水上射撃訓練の効率を大幅に高めた艦艇用射撃訓練システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の一観点は、艦艇から水上の標的装置に対してレーザ光を発射して射撃訓練を行う艦艇用射撃訓練システムであって、次のような構成を採用したものである。すなわち、艦艇に、射撃手の操作に応動してレーザ光を発射するレーザ発光部を備える。一方標的装置には、上記レーザ発光部から発射されたレーザ光を受光するレーザ受光部と、上記艦艇に向けて無線信号を送信する無線送信機と、上記レーザ受光部によるレーザ光の受光結果を表す情報を生成してこの受光結果を表す情報を上記無線送信機から無線信号として送信させる標的側制御部を備える。さらに艦艇に、上記無線送信機から送信された無線信号を受信する無線受信機と、上記射撃手に対し情報を提示する情報提示部と、上記無線受信機により受信された無線信号から上記受光結果を表す情報を再生し、この再生された情報を上記情報提示部に表示させる艦艇側制御部とを備えるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
したがって、レーザ光を使用した模擬射撃が行われるため実弾を使用しなくて済み、これにより破損した標的を交換する作業が不要になる。これは、陸上に比べ作業性が悪い水上にあって、訓練の効率を高める上できわめて有効である。また、標的におけるレーザ光の受光結果が射撃ごとに艦艇側に無線伝送されて射撃手に提示されるので、射程距離の増大や波浪等の影響により射撃側から標的を視認し難い場合でも、射撃手は命中の状況をその都度的確に確認することが可能となる。
【0008】
すなわち、この発明の一観点によれば、標的の交換を不要とするとともに、標的に対する視界が悪い場合でも射撃ごとの命中の状況を射撃側が確実に確認することができ、これにより水上射撃訓練の効率を大幅に高めた艦艇用射撃訓練システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる艦艇用射撃訓練システムの概略構成図である。この実施形態の艦艇用射撃訓練システムは、標的装置TG1と、複数の艦艇FS1,FS2にそれぞれ搭載される射撃訓練装置とから構成される。
【0010】
標的装置TG1は、曳航用ケーブルTLを介して制御艇CSにより曳航される。制御艇CSは無人艇であり、支援艦SSから無線通信により遠隔的に操縦される。艦艇FS1,FS2は射撃装置を備え、この射撃装置にはレーザ発光部が取り付けられている。レーザ発光部は、射撃装置の照準と一致するように照準が調整されており、射撃手の射撃操作に応動して上記標的装置TG1に向けレーザ光を発射する。なお、艦艇FS1,FS2と支援艦SSとの間では、無線回線を介して訓練に係わる情報の授受が可能となっている。
【0011】
ところで、標的装置TG1は次のように構成される。図2はその構成を示すブロック図である。標的装置TG1は、標的制御部11と、レーザ受光部12と、現示部13と、無線制御部14と、アンテナ16を有する無線機15を備えている。レーザ受光部12は、図示しない標的に配設され、艦艇FS1,FS2のレーザ発光部から発射されたレーザ光を受光したときに、その受光信号を標的制御部11へ出力する。現示部13は、LED(Light Emitting Diode)又は表示灯を使用した表示デバイスからなり、標的制御部11から出力される表示情報を表示する。無線制御部14は、標的制御部11の制御の下で、無線機15及びアンテナ16を介して艦艇FS1,FS2との間で射撃訓練に関する情報の送受信を行う。
【0012】
標的制御部11は、例えばマイクロコンピュータを備えたもので、以下の制御機能を備える。
(1)艦艇FS1,FS2から送信される、レーザ光を発射したことを表す発射通知信号、発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報、及び艦艇FS1,FS2の位置を表す情報を、無線制御部14から受け取る処理。
(2)上記発射通知信号を受信してから予め設定された時間内にレーザ受信部12でレーザ光が受信された場合に、受光結果を表す表示データを生成してこの表示データを現示部13に表示させる処理。
(3)上記レーザ光が受信された場合に、受光結果を通知するための情報を生成し、この情報を上記発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報と共に無線制御部14へ出力する。そして、上記受光結果を通知するための情報と発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報を、無線制御部14から無線機15及びアンテナ16を介して発射元の艦艇FS1,FS2へ送信させる処理。
なお、以上の各制御処理機能は、いずれもアプリケーション・プログラムを上記マイクロコンピュータに実行させることにより実現される。
【0013】
一方、艦艇FS1,FS2はそれぞれ射撃訓練装置FD1を備えており、この射撃訓練装置FD1は次のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。すなわち、射撃訓練装置FD1は、操作・制御端末21と、射撃訓練制御部22と、レーザ発光部23と、アンテナ24を有する無線機25と、無線制御部26を備えている。
【0014】
操作・制御端末21は、射撃手又はその管理者の入力操作に応じて、発射弾数及び残弾数を表す情報や射撃状況を表す情報の生成及びその表示動作など、射撃訓練に関する種々管理を行う。レーザ発光部23は、射撃訓練制御部22から発射指示信号が出力された場合に、予め調整された照準に従いレーザ光を発光する。無線制御部26は、射撃訓練制御部22の制御の下で、無線機25及びアンテナ24を介して標的装置TG1との間で射撃訓練に関する情報の送受信を行う。
【0015】
射撃訓練制御部22は、例えばマイクロコンピュータを備えたもので、以下の制御機能を備える。
(1)図示しない射撃装置においてトリガ操作が行われた場合に、その途中段階において発射通知信号を無線制御部26へ出力し、これにより無線制御部26から無線機25及びアンテナ24を介して標的装置TG1に向けて上記発射通知信号を送信させる処理。
(2)上記トリガ操作の最終段階において発射指示信号を生成して、レーザ発光部23へ出力する処理。
(3)上記標的装置TG1からレーザ光の受光結果を通知する情報が送られた場合に、当該情報と共に送られる発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報をもとに当該受光結果を通知する情報が自装置宛てのものか否かを判定し、自装置宛ての情報だった場合に当該受光結果の通知情報をもとに射撃の結果を表す表示データを生成して、操作・制御端末21に供給し表示させる処理。
【0016】
なお、以上の各制御処理機能は、いずれもアプリケーション・プログラムを上記マイクロコンピュータに実行させることにより実現される。
次に、以上のように構成された射撃訓練システムの動作を説明する。
射撃に先立ち、射撃手又はその管理者は操作・制御端末21において射撃に使用する砲の種別を表す情報と、発射弾数を入力する。操作・制御端末21は、以後この入力された情報に従い射撃訓練を管理する。
【0017】
さて、この状態で艦艇FS1において射撃手が、標的装置TG1に対する照準を調整したのち、トリガ操作を行ったとする。そうすると射撃訓練制御部22は、上記トリガ操作の途中段階において先ず発射通知信号を発生する。そして、この発射通知信号を、発射元の艦艇FS1を識別する情報とともに無線制御部26へ出力する。この結果、上記発射通知信号及び発射元の艦艇FS1を識別する情報が、無線制御部26によりデータに変換されたのち、無線機25により無線信号に変換されてアンテナ24から標的装置TG1に向け送信される。続いて射撃訓練制御部22は、上記トリガ操作の最終段階において発射指示信号を発生し、この発射指示信号をレーザ発光部23へ出力する。この結果レーザ発光部23からは、予め調整した照準に従いレーザ光が発射される。
【0018】
一方標的装置TG1では、艦艇FS1から送信された発射通知信号を表すデータが、アンテナ16及び無線機15を介して無線制御部14で受信されると、標的制御部11がスタンバイ状態となる。そして、上記発信通知信号を受信したタイミングから予め設定した時間内にレーザ受光部12でレーザ光が受光され、その受光信号が標的制御部11に入力されると、標的制御部11は上記受光信号をもとに受光結果を表す表示データを生成し、この表示データを現示部13へ出力する。この結果現示部13には、標的に命中したことを表すLED又はランプ群が点灯する。
【0019】
また、それと共に標的制御部11は、上記受光信号をもとに受光結果を通知するための情報を生成し、この情報を上記発射通知信号と共に受信した発射元の艦艇FS1を識別する情報と共に無線制御部14へ出力する。この結果、上記受光結果を通知するための情報と、発射元の艦艇FS1を識別する情報は、無線制御部14で符号化されたのち無線機15により無線信号に変換されてアンテナ16から送信される。
【0020】
なお、上記受光結果を通知するための情報は、レーザ受光部12でレーザ光が受光された場合、つまり標的にレーザ光が当たった場合ばかりでなく、レーザ受光部12でレーザ光が受光されなかった場合、つまりレーザ光が標的から外れた場合にも送信することが好ましいが、レーザ受光部12でレーザ光が受光された場合にのみ送信するようにしてもよい。
【0021】
上記標的装置TG1から送信された無線信号は、艦艇FS1の射撃訓練装置FD1において、アンテナ24を介して無線機25で受信され、無線制御部26により受光結果を通知するための情報と発射元の艦艇FS1を識別する情報に復号される。そして、これらの受信情報は射撃訓練制御部22に入力される。
【0022】
そうすると射撃訓練制御部22は、先ず上記受信された発射元の艦艇FS1を識別する情報をもとに、当該受信された受光結果を通知する情報が自装置宛てのものであるか否かを判定する。そして自装置宛てだった場合に、上記受信された受光結果の通知情報をもとに射撃結果を表す表示データを生成し、この表示データを操作・制御端末21へ出力する。この結果操作・制御端末21では、上記射撃結果を表す表示データがディスプレイに表示される。したがって、射撃手又はその管理者は、射撃を1回行うごとにその結果を操作・制御端末21において確認することが可能となる。
【0023】
以後、艦艇FS1において射撃操作が行われるごとに、射撃訓練装置FD1と標的装置TG1との間で上記動作が繰り返し実行される。また、艦艇FS2において射撃操作が行われた場合にも、艦艇FS2の射撃訓練装置FD1と標的装置TG1との間で同様の動作が行われる。
【0024】
なお、上記1回の射撃ごとに標的装置TG1から送られた受光結果を通知するための情報は、射撃訓練制御部22又は操作・制御端末21内のメモリに蓄積される。そして、操作・制御端末21において射撃訓練途中で残弾数の確認操作が行われると、操作・制御端末21により上記メモリから受光結果を通知するための情報が読み出され、この情報と予め設定した射撃弾数の情報をもとに残弾数が計算されて表示される。また、射撃訓練の終了操作が行われると、射撃数と的中数、的中率などの射撃結果を表す情報が計算されて表示される。
【0025】
以上述べたように第1の実施形態では、艦艇FS1,FS2において射撃操作が行われるごとに、射撃訓練装置FD1によりレーザ発光部23からレーザ光を発射する。これに対し標的装置TG1は、上記レーザ光をレーザ受光部112により受光すると、その受光結果を表す情報を現示部13に表示すると共に、当該受光結果を通知するための情報を発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報と共に無線回線を介して発射元の艦艇FS1,FS2へ送信する。艦艇FS1,FS2の射撃訓練装置FD1は、上記受光結果を通知するための情報を受信すると、同時に受信された発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報をもとに自装置宛ての情報であるか否かを判定し、自装置宛ての情報だった場合に当該受光結果の通知情報をもとに射撃の結果を表す情報を生成して表示するようにしている。
【0026】
したがって、レーザ光を使用した模擬射撃が行われるため実弾を使用しなくて済み、これにより破損した標的を交換する作業が不要になる。この結果、陸上に比べ作業性が悪い水上射撃訓練においても、効率良く射撃訓練を行うことができる。また、標的装置TG1におけるレーザ光の受光結果が射撃ごとに艦艇FS1,FS2に無線伝送されて表示される。このため、射程距離の増大や波浪等の影響により射撃側から標的を視認し難い場合でも、射撃手は命中の状況をその都度的確に確認することが可能となる。
【0027】
さらに、1回の射撃ごとに、レーザ光の発射に先立ち射撃訓練装置FD1から標的装置TG1へ発射通知信号が発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報と共に送られ、標的装置TG1から射撃訓練装置FD1へは受光結果の通知情報と共に上記発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報が送られる。このため、複数の艦艇FS1,FS2が1つの標的装置TG1に対し並行して射撃訓練を行ったとしても、1回の射撃ごとの発射元を明確に識別して、その結果を艦艇FS1,FS2それぞれの射撃訓練装置FD1に誤りなく表示させることができる。
【0028】
さらに、標的装置TG1において、レーザ光の受光結果を現示部13に表示させるようにしているので、艦艇FS1,FS2から双眼鏡等を用いて射撃の結果を目視で直接確認することもできる。
【0029】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、標的装置に、現示部に表示された射撃結果を表す情報を撮像するカメラと、その撮像画像データを射撃訓練装置へ伝送するための機能をさらに設け、かつ射撃訓練装置に、上記標的装置から伝送された撮像画像データを受信する機能と、受信された撮像画像データを表示するモニタをさらに設けたものである。
【0030】
図4及び図5はそれぞれ、この発明の第2の実施形態に係わる標的装置TG2及び射撃訓練装置FD2の構成を示すブロック図である。なお、図4、5において前記図2、3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
標的装置TG2には、カメラ17と、画像伝送部18がさらに設けられている。カメラ17は、現示部13の表示画面に対向配置され、現示部13に表示されたレーザ光の受光結果を表す情報を撮像して、その画像データを画像伝送部18へ出力する。画像伝送部18は、上記カメラ17から出力された画像データを符号化し、この符号化された画像データを無線制御部14に供給する。無線制御部14は、標的制御部11から出力されたレーザ光の受信結果を通知する情報と発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報に、上記画像伝送部18により符号化された画像データを多重化し、この多重化された情報を無線機15から送信させる。
【0031】
一方、射撃訓練装置FD2には、画像伝送部27と、モニタ28がさらに設けられている。画像伝送部27は、無線制御部26により受信データから分離された符号化画像データを取り込み、この符号化画像データを復号する。モニタ28は、上記画像伝送部27により復号された画像データを、射撃訓練制御部22から出力される射撃結果を表す表示データと共に表示する。
【0032】
このような構成であるから、1回の射撃ごとに、標的装置TG2の現示部13に表示されたレーザ光の受講結果を表す表示情報はカメラ17により撮像される。そしてその画像データは、画像伝送部27で符号化されたのち、標的制御部11から出力されるレーザ光の受信結果を通知する情報及び発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報と無線制御部14で多重化され、無線機15から射撃訓練装置FD2へ送信される。
【0033】
これに対し射撃訓練装置FD2では、標的装置TG2から送信された無線信号が無線機25により受信されると、無線制御部26においてその受信データから、レーザ光の受信結果を通知する情報と、発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報と、符号化画像データが分離される。このうちレーザ光の受信結果を通知する情報と、発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報は、射撃訓練制御部22に入力されてここで発射元の艦艇FS1,FS2を識別する情報をもとに自装置宛ての受信情報か否かが判定される。そして、自装置宛ての受信情報だった場合には、レーザ光の受信結果を通知する情報をもとに射撃結果を表す表示データが生成され、この表示データがモニタ28に供給されて表示される。
【0034】
一方、上記分離された符号化画像データは、画像伝送部27により復号されたのち、モニタ28に供給される。そして、このモニタ28において、上記射撃訓練制御部22から出力される射撃結果を表す表示データに合成されるか、或いは領域分割されてそれぞれ表示される。
【0035】
したがって、第2の実施形態によれば、例えば艦艇FS1,FS2と標的装置TG2との間が遠く離間していたり、天候や波浪などにより見通しが効かない場合でも、標的装置TG2の現示部13に表示される射撃結果を表す表示画面をモニタ28において目視確認することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、標的装置FGにおけるレーザ光の受光結果を、射撃訓練装置FD1において視覚的に表示するようにしたが、必ずしもそれに限定されるものではなく、合成された命中音や音声をスピーカから出力させるようにしてもよく、また振動等を用いて射撃手等に提示するようにしてもよい。また、レーザ光の受信結果に応じて、例えば発煙させるなどにより標的装置FGの状態を変化させ、これをカメラ17で撮像して無線送信するようにしてもよい。
【0037】
その他、標的装置及び射撃訓練装置の構成や射撃訓練の手順、標的装置と射撃訓練装置との間における各種情報の伝送方式等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる艦艇用射撃訓練システムの概略構成図である。
【図2】図1に示したシステムで使用される標的装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したシステムで使用される射撃訓練装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の第2の実施形態に係わる艦艇用射撃訓練システムで使用される標的装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の第2の実施形態に係わる艦艇用射撃訓練システムで使用される射撃訓練装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
TG1,TG2…標的装置、FS1,FS2…艦艇、FD1,FD2…射撃訓練装置、CS…制御艇、SS…支援艦、11…標的制御部、12…レーザ受光部、13…現示部、14…無線制御部、15…無線機、16…アンテナ、17…カメラ、18…画像伝送部、21…操作・制御端末、22…射撃訓練制御部、23…レーザ発光部、24…アンテナ、25…無線機、26…無線制御部、27…画像伝送部、28…モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
艦艇から水上の標的装置に対してレーザ光を発射して射撃訓練を行う艦艇用射撃訓練システムであって、
前記艦艇は、射撃手の操作に応動して前記レーザ光を発射するレーザ発光部を備え、
前記標的装置は、
前記レーザ発光部から発射されたレーザ光を受光するレーザ受光部と、
前記艦艇に向けて無線信号を送信する無線送信機と、
前記レーザ受光部による前記レーザ光の受光結果を表す情報を生成し、この生成された受光結果を表す情報を前記無線送信機から無線信号として送信させる標的側制御部と
を備え、
前記艦艇は、
前記無線送信機から送信された無線信号を受信する無線受信機と、
前記射撃手に対し情報を提示する情報提示部と、
前記無線受信機により受信された無線信号から前記受光結果を表す情報を再生し、この再生された情報を前記情報提示部に表示させる艦艇側制御部と
を備えることを特徴とする艦艇用射撃訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−78213(P2010−78213A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246118(P2008−246118)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】