色々な高さの容器のためのドリップトレイ装置を備えた飲料機械
【課題】
色々な高さの容器を受け入れることができる簡単で便利なドリップトレイ装置を含む飲料調製機械並びにミルク泡ディスペンサを提供する。
【解決手段】
ドリップトレイ装置は収集タンクから形成され、高さの小さい容器を保持するためにタンクに取り外し可能に装着された支持グリッドと、高さの大きな容器を支持するために第二のドリップ支持手段を有する。第一の支持グリッドが収集タンクから外されると、高さの大きい容器を載せるために第二のグリップ支持手段が露出される。第一の支持グリッドには液体を収集タンクへ排出するために溝が設けられている。ミルク泡ディスペンサは、蒸気発生器を含むハウジングと、容器を受け取るドリップトレイ装置と、ミルク槽から泡立てノズルまでミルクを導くチューブと、泡立てノズルを含む。
色々な高さの容器を受け入れることができる簡単で便利なドリップトレイ装置を含む飲料調製機械並びにミルク泡ディスペンサを提供する。
【解決手段】
ドリップトレイ装置は収集タンクから形成され、高さの小さい容器を保持するためにタンクに取り外し可能に装着された支持グリッドと、高さの大きな容器を支持するために第二のドリップ支持手段を有する。第一の支持グリッドが収集タンクから外されると、高さの大きい容器を載せるために第二のグリップ支持手段が露出される。第一の支持グリッドには液体を収集タンクへ排出するために溝が設けられている。ミルク泡ディスペンサは、蒸気発生器を含むハウジングと、容器を受け取るドリップトレイ装置と、ミルク槽から泡立てノズルまでミルクを導くチューブと、泡立てノズルを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色々な寸法の、特に短いものから長いものまでの飲料容器(recipients)からの滴下液体あるいは不要分の液体を集めるように構成されたドリップトレイ(滴下液受け皿)装置を備えた、飲料を調製するための機械に関するものである。本発明はまた、ミルク泡分配装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製機械は、家庭あるいは事務所を問わず極めて一般化しつつある。種々嗜好の飲料、特にコーヒおよび(または)ミルクベースの飲料を調製し、かつ送給することができる機械に対する需要がある。例えば、コーヒカプセルあるいはポッドからコーヒを抽出すること、およびミルクの泡を送給することの双方を行い、従ってエスプレッソコーヒ、カプチーノおよびマキアート(macchiato)を調製できるようにする機械が存在している。これらの飲料は種々サイズの容器で提供される。エスプレッソコーヒは典型的には40ミリリットルのカップで、一方、カプチーノは110ミリリットルのカップで、マキアートは更に大きな容積の細長いグラスあるいはマグカップで提供される。
【0003】
更に、エスプレッソあるいはリストレットタイプ(ristretto type)のコーヒに対しては、コーヒの「クレマ(crema)」品質を保つためにはコーヒの出口とカップとの間では十分短い距離を重要視することが大事である。
【0004】
飲料機械は典型的には、容器中へすぐに落下しない滴下液体や不要な液体(水あるいは飲料)を集めるようにされたドリップトレイを有している。ドリップトレイは使用者がそれを空にして洗浄する必要がある。このような単純な衛生的な保守作業は飲料機械の使用時間と休止時間とによって左右されるが、悪臭とか菌の成長を排除するのに十分頻繁に実行すべきである。
【0005】
色々な高さの容器を受け入れるように形成されているドリップトレイ装置を備えた機械が存在している。しかしながら、既存の装置は全て欠点を有している。あるものは安定性に欠け、あるものは使用するのに十分便利でなく、あるものは製造するのに複雑すぎ、および(または)費用が高くつきすぎる。
【0006】
米国特許公報第2003/0034359号は、可搬式コーヒディスペンサのためのドリップトレイ組立体を備えた飲料ディスペンサ(分配装置)に関するものである。
【0007】
欧州特許出願番号第1440639号は、ドリップトレイを形成する中空内部を有する容器スタンドを含む飲料機械に関するものである。前記容器スタンドの上面には、その上に容器が位置されるグリルが設けられている。ドリップトレイは、集められた水を空にし易くするために、ハウジングから取り外し可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の欠点を克服するドリップトレイ装置を具備した飲料機械を提供することを目的とする。特に、本発明の一目的は使用がより簡単で、かつより効率的である装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的に対して、本発明は、少なくとも1個の飲料出口の下に位置され滴下液体および(または)泡を集めるためのドリップトレイ装置であって、第一の飲料容器を保持するための第一のドリップ支持グリッドと、該支持グリッドを通過する液体を集めるための収集タンクとを含み、前記第一の支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、その下にある高さのより大きな第二の飲料容器を保持するように形成された第二のドリップ支持手段を露出状態にするドリップトレイ装置を含む飲料機械を提供する。
【0010】
本発明の一局面は、その下にある第二のドリップ支持手段を露出するよう簡単に取り外し可能である第一のドリップ支持グリッドを有することにある。使用者はより大きなサイズの容器に対してドリップトレイをいじったり、あるいはそれに適合させ、従って飲料を提供するように使えるようにするための時間と労力を費やす必要がない。本発明の別の利点は、飲料出口とそれに装着された流路系とが固定された基準位置に保持されることが可能であり、一方、この位置は動く飲料容器を受け入れる平面のみであることにある。このことによって、機械の多大な複雑さを排除する。
【0011】
本発明の別の局面は、液体を空にしたり掃除をし易くするために、装置全体が取り外し可能とされていることである。
【0012】
支持グリッドはその下方にある第二の容器支持手段を露出するために、完全にあるいは部分的に取り外し可能である。例えば、支持グリッドはヒンジなどのような接続手段によって飲料機械あるいは収集タンクに装着されたままその支持位置から引っ込んだ、すなわち離れた位置まで引っ込みあるいは離れることができる。
【0013】
本発明の一態様において、第二の支持手段は第一の支持グリッドの下方数センチメートルのところに位置されている。この距離は調製すべき飲料の典型的な長い容器に応じて選択される。典型的には、第一と第二の支持手段の間の距離は2から8センチメートルの間である。
【0014】
収集タンクは、第一の支持グリッドからの液体を収集する第一の槽を含む。
【0015】
第二のドリップ支持手段は、高さのより大きな第二の容器がその上に位置された場合に滴下する液体を収集するための第二の収集槽を含む。前記槽は収集タンクの主槽とは個別につくられ、かつ閉鎖しておくことができる。
【0016】
一態様において、第一の槽は第二の槽の後方に、および(または)それに対して横方向に隣接するが、但し分離して位置される。
【0017】
可能な一態様において、第一と第二の槽とはそれらが相互に連通するように連結される。例えば、第二の槽は液体を自然に第一の槽へ排出するように傾斜あるいは高度差をつけた形状とされる。第一の槽は容量のより大きな槽であることが好ましい。
【0018】
一態様において、第一の支持グリッドは溝を含む。前記溝は前記グリッドを通過して集められた液体を収集タンクの第一の槽まで導くように形成されている。前記溝は、第一の支持グリッドから滴下する液体によって第二の支持手段が汚されることなく滴下液体が収集タンクの第一の主槽に排出されるように第二の支持手段の上方に位置させることができる。典型的には、第二の支持手段は使用頻度が少ない。従って、不要の液体はその下の第二の支持手段の上には落下せず、従って第二の支持手段は使用されるまではきれいなままでありうる。
【0019】
第一の槽は収集タンクの後方に位置されることが好ましい。従って、溝は後方、かつ下方に傾斜するように形成されている。従って、槽はより匂いが少ないように隠蔽され、より衛生的に見えるよう使用者の目からも離されている。
【0020】
一態様において、第二のドリップ支持手段は第二の容器を中に受け入れ得る十分大きな横断面のくぼみの底に設けられ、前記くぼみはその側部および後側が収集タンクの隣接する壁によって画成されている。その利点は、第二のドリップ支持手段の領域から外へ落下する液体の滴および(または)泡も収集タンクによって収集されるよう保証することである。特に、第二のドリップ支持手段のくぼみは第一の大きな槽の壁と境界を接している。別の利点は、凹所にある下側ドリップ支持手段を少なくとも部分的に囲繞するような側部が隆起した滴下液収集槽を設けることによって、側方への液体の飛び出し分が槽においてより良好に回収できることである。
【0021】
第一の支持グリッドが取り外された場合に収集タンクの第一の槽を隠蔽するために別のグリッドを設けることができる。このことによって、収集タンクにおいて不要の液体を直接見ないので使用者によって見た目により良好な外観を提供する。しかしながら、このグリッドは任意のものであり、省いてもよい。
【0022】
本発明の一態様において、第一の支持グリッドは適所にある際にくぼみを閉鎖するように設計された正面カバーを有する。そのようにして、本装置が液体を空にするために取り外されたときは第二のドリップ支持手段は閉鎖されたままである。このように、飲料機械から本装置を外している間、そして空にし、かつ洗浄するために流しまで運んでいる間、「波立ち」作用とか、液体の溢れを排除する。
【0023】
一態様において、収集タンクは第一と第二の双方のドリップグリッド手段から液体および(または)泡を収集するために単一の槽を含み、該槽は単に第二のドリップ支持手段の下方に位置される。
【0024】
一態様において、飲料機械は不要カプセル回収容器であって該容器からのどのような液体も収集タンクに排出されうるように該収集タンクと関連した不要カプセル回収容器を含みうる。
【0025】
本発明はまた、数秒間で、極めて衛生的に、例えば断熱槽に入れられた新鮮な牛乳のような液状ミルクからの温かいミルク泡を調製し、かつ送給することができるミルク泡ディスペンサにも関する。
【0026】
従って、本発明は、
蒸気出口導管を介して加圧された蒸気を発生させるようにされた蒸気発生器を含むハウジングと、
前記蒸気出口導管に取り外し可能に栓をするように形成された使い捨ての泡立てノズルと、
容器を受け取るようにされたドリップトレイ装置とを含むミルク泡ディスペンサであって、
前記ディスペンサはミルク槽を含み、前記ノズルには前記ミルク槽からノズルのミルク入口までミルクを取り出すチューブあるいはストローによってミルク用槽からミルクが送られてくることを特徴とするミルク泡ディスペンサに関するものである。
【0027】
前記ハウジングは取り外し可能にミルク槽を受け入れるくぼみを含むことが好ましい。
【0028】
本発明の更に別の特性、特徴および実施例が添付図面を参照して好適な例によって以下説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面を参照すれば、全体を1で指す飲料機械、特に飲料を調製するためにカプセルのような分包されたコーヒを使用するコーヒ抽出機械が示されている。本機械は、コーヒやミルクベースのコーヒ飲料(例えば、カプチーノ、マキアートなど)のような飲料を抽出し、分配するために必要な典型的な構成要素から構成されている。図1および2に示されるように、本機械はカバーおよびフレーム構造体2の内部に、カプセル抽出モジュール(図示せず)を受け入れる正面ハウジング20を含み、前記フレーム構造体はカプセルを前記モジュールに挿入し易くするために前記カプセルの外形に合わせた形状の開口21を含む。抽出ハウジング20はその底部において、収集装置およびチューブの漏斗状部分の形態の飲料(コーヒ)出口で終わっている。出口22は抽出モジュールから出てくる飲料のエネルギを弱め、および(または)泡を調質し、および(または)飛沫を減らすための特別の手段を備えた形態とすることができる。
【0030】
本機械は更に、取り外し可能な水供給タンク3と、温かい飲料を調製するために加圧して温水を供給するのに必要な内部構成要素(図示せず)、特にヒータあるいはボイラ、ポンプ、配管および電子制御装置を含む。本機械はまた、飲料の調製および(または)本機械の運転に関する短いメッセージすなわち情報を送るための適当な指令手段23とひいては情報スクリーン24とを有している。
【0031】
本機械は更に、ミルク泡を調製するために側部に位置した蒸気供給装置4を含みうる。蒸気供給装置は、蒸気出口41と、最終的には、蒸気出口に栓をされ、ミルク供給源からミルクを吸引し、それを蒸気および空気の混合したもので熱く泡立たせる、当該技術分野で既知のベンチュリタイプの泡立てノズル(図示せず)とを備えた単純な蒸気配管40でよい。
【0032】
本機械の融通性は、純粋なコーヒ飲料(例えば、リストレットあるいはエスプレッソ)および泡ミルクとコーヒ飲料とからなるもの(カプチーノ、マキアート)の双方をつくることができるようなものである。
【0033】
本発明の一局面によれば、飲料機械は色々な高さの飲料容器を受け入れる形状とされたドリップトレイ装置5を含む。使用者による定常的な保守(すなわち、空にすること、濯ぐこと、および洗浄すること)のために本機械の残りの部分から全体的に取り外された場合のドリップトレイ装置5の一例が図3に示されている。図2に示すように、本装置は本機械のフレームの空洞に部分的に挿入される。
【0034】
ドリップトレイ装置は収集タンク6と、小さい飲料容器に対して通常使用される間に前記収集タンクを覆っている上側ドリップ支持グリッド7とを含む。上側ドリップ支持グリッド7は、前記収集タンクのくぼみ60につくられた下側の第二のドリップ支持手段8を露出するように該収集タンク6に対して取り外し可能である。
【0035】
前記収集タンクは図6に示すように滴下液および不要液を収集するための主槽51を収容している。前記主槽は横方向にU字形とされているが、くぼみ60を完全に囲繞するO字形ともしうる部分54を有している。このように、前記槽は少なくとも3個の側に沿って、最終的には上方に延在する壁52により4個の側で画成されている。この利点は、一体の下側のドリップ支持手段8を備えた構造の簡素さであり、また前記くぼみの断面積を越えた側方への液体の飛び出し分が槽51において確実に捕捉されるようにすることである。
【0036】
前記収集タンクはU字形の槽の後方に更に延在して、本機械と一体化および挿入をし易くするための幅がより小さく高さがより低い槽の後方延在部53を形成している。前記槽の後方延在部はまた、大量の液体が使用者の目に届かないようにされ、従ってそれに応じて悪臭も低減するよう保証する。このことによってもまた、必要であればいつでもこれらの構成要素から不要液体を収集するようにドリップトレイ装置を本機械の他の構成要素と組み合わせることができるようにする。特に、前記槽は使用済みのコーヒカプセルから滴下する液体を回収するために不要カプセル回収容器の下に少なくとも部分的に位置される。従って、不要カプセル回収容器は、その下にある槽と連通する1個以上の孔、あるいはチューブまたはバスケットのような排出手段を有している。
【0037】
図4と図5とは上側の支持グリッド7を示す。前記グリッドは、水平の金属あるいはプラスチックの穿孔プレート70と、正面カバー壁71と、前記プレート70の下方に位置した溝72とから形成されている。
【0038】
前記溝72は前記プレートの中央部分から液体を回収し、それを主槽51にある収集タンクの後部へ排出するように設計されている。前記溝は下側のドリップ支持手段のくぼみの断面と概ね適合する形状を有している。前記溝は前記くぼみの上方に位置し、下方および後方へ傾斜している。その結果、上側のドリップ支持体に載せて背の低い容器が使用される場合、液体は背の高い方の容器のための下側のドリップ支持手段の上には落下せず、槽の後方まで運ばれ、従って下側のドリップ支持手段を概ねきれいな状態に保つ。
【0039】
上側グリッドの前方にはカバー壁71があり、その主要な機能は、グリッドが位置されたとき前記くぼみの正面を閉鎖することである。その結果、組立体全体を取り外している間、および流しまで運んでいる間に下側のドリップ支持体の底に溜まった液体が本装置から逃げ得ないようにする。
【0040】
図6に示すように、収集タンクは二次グリッド9を有していて、これもタンク本体から取り外し可能とされることが好ましく、その機能は主として、上側グリッド7が取り外され、下側の支持手段8が使用される場合、槽の内部を隠蔽することである。このグリッド9は第一の支持グリッド7の丁度下方に位置され、タンクの外壁とくぼみを画成する壁52と境界を画する内周隆起に適合する。図8はまた、前記グリッド9が主槽51と後方槽53とを部分的に分離する後方境界壁90を含みうることを示している。
【0041】
図6にも示されているように、下側のドリップ支持手段8は第二の槽82において上方に突出した複数の支持隆起の形態の容器支持要素81を有している。前記支持要素もまた、簡単な取り外し可能なグリッドプレートに代えてもよい。前記隆起の利点は、それらがプラスチック成形によって収集タンクの残りの部分と同じ部材としてつくることができることである。
【0042】
前記第二の槽82は例において示すように液体連通手段なしに主槽51とは分離してつくることができる。代替例においては、主槽51に排出するために前記槽82に対して壁52を貫通する通路、溝、開口あるいはその他の連結手段を設けてもよい。
【0043】
ドリップトレイ装置の全体的な長方形の形状および寸法は、必須というのではなく多様な変形も考えられうるが、蒸気送給出口の下方への水あるいはミルクの滴をも含む全ての液体を収集するには大きめの装置であることが好ましい。
【0044】
図9から図12まではミルク泡ディスペンサ1bについての別の実施例を示す。本発明によるディスペンサは要求に応じて新鮮なミルクから衛生的に熱い泡状ミルクを調製するように構成されている。本ディスペンサはハウジング2bを含む。ハウジングは例えば要求に応じ蒸気を発生させるサーモブロック(thermobloc)のような蒸気発生器を囲繞している。水供給槽29をハウジングの側部に設けることができる。蒸気出口導管22bがハウジングの前側上部に設けられている。前記出口は火傷を阻止するために断熱プラスチックカバーで保護することができる。蒸気出口導管22bは蒸気接続手段において終わっており、該接続手段にはその延長部分を形成する使い捨ての泡立て装置41で栓がされている。使い捨て泡立て装置は国際特許第2004/05413号あるいは出願中の「泡状液体をつくるための交換可能なノズル(Replaceablenozzle for producing a frothed liquid)」という名称の特許出願番号第11/279498号に記載のようなものでよく、それらの内容は参考のために本明細書に援用する。
【0045】
ハウジングは更に、断熱したミルク槽25を受け入れるようにされた大きなくぼみ20bを含む。前記ミルク槽は泡立て装置に液状ミルクを送るのに供される。前記くぼみは蒸気発生器から前記槽までの熱伝導を低減させるように断熱されることが好ましい。前記槽は孔(図示せず)を備えた蓋26と該蓋から半径方向に突出したU字形の案内部材27とを有している。液状ミルクは前記蓋の孔を通して挿入された使い捨てストロー28または薄い肉厚のチューブによって前記槽から泡立てノズル41まで供給される。ストロー28はU字形案内部材27においてノズル41のミルク入口接続部まで案内される。
【0046】
ミルク泡ディスペンサのドリップトレイ装置5bは図11および図12に示すように取り外し可能である。ドリップトレイ装置は、上側グリッド70bによって取り外し可能に閉鎖されている概ね長方形の収集タンク51bを含む。グリッド70bはコーヒーカップのような小さい容器のための支持手段として作用する。グリッドは収集タンクの壁の内周縁部51dにおいて支持しうる。前記タンクの底部には、図10に示すように大きな高さの容器を受け入れることができる多数の支持要素81b(例えば、複数の離隔した隆起)あるいはグリッドのような下側のドリップ支持手段が設けられている。支持要素81bは、不要液体のための十分な溜め空間ができるように十分な高さ(例えば10から25ミリメートル)であるべきである。
【0047】
収集タンクは、大きな容器が下側のドリップ支持手段上に都合よく挿入しうるようにする空間が可能となるようにする正面開口部60bを有している。前記開口部60bは上側グリッド70bを安定して受け取るための支持部材71dを備えた強化部材71cを含むカバー要素71bによって閉鎖される。
【0048】
収集タンクはまた、湯あか問題を低減するために蒸気発生器から水を空にしたとき該蒸気発生器から到来する水のような不要水をディスペンサから通路51dを通して受け取るための二次槽51cを含みうる。前記槽は該槽を空にするために開放しうる上側ドア51eを有しうる。
【0049】
ドリップトレイ装置は更に、前記槽のための受け入れ座55を含む。前記座55は前記槽が取り外し可能に前記座に挿入しうるように前記槽の基部に相応する形状を有している。
【0050】
ミルク泡ディスペンサは以下のように作用する。使用者は、ドリップトレイ装置全体を1個のブロックとして引き出すことによって新鮮なミルクで充填するためにミルク槽を取り外す。前記槽は冷蔵温度にあるミルクで再充填することが好ましい。前記槽は魔法ビンタイプの構造を有しているので、ミルクは数時間の間低温に保存することができる。蓋が前記槽を閉鎖し、ストローが蓋を通してU字形の案内部材に位置される。
【0051】
充填された槽はドリップトレイ装置の受け入れ座55に位置され、その組立体がハウジングに挿入して戻される。次いで、使い捨ての泡立てノズルが蒸気出口/その接続部に栓をされ、ミルクストローがその蒸気入口およびミルク入口にそれぞれ栓をされる。容器のサイズに応じて、ドリップトレイ装置は対応してグリッドを操作することによって高さが調整される。このようにして、容器はミルク泡出口の下方に位置される。ディスペンサは指令手段23bを押すことによってスイッチがオンとされる。蒸気発生器が加圧された蒸気を発生させ、該蒸気は泡立てノズル装置まで送られる。前記ノズル装置において発生したベンチュリ作用によって、液状ミルクはノズルに吸引され、温められ、ノズル装置の混合室において泡立てられる。このように温かいミルク泡が容器に送給される。数回使用した後、泡立てノズル装置は棄却され、新品と交換される。
【0052】
ミルク泡ディスペンサは専用装置としうるし、あるいはコーヒ調製装置の一部あるいはモジュールとしうる。ミルク槽もまた、ハウジングから分離させ、あるいはその側部(必ずしもくぼみ内でない)に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による変換可能なドリップトレイ装置を具備した飲料機械の斜視図を示す。
【図2】図1に示す機械の簡素化した横断面図である。
【図3】変換可能なドリップトレイ装置の斜視図を示す。
【図4】図3に示す装置の上側のドリップ支持グリッドの側面図を示す。
【図5】図4に示すグリッドの斜視図を示す。
【図6】上側のドリップ支持グリッドを取り外した状態の図3に示す装置を示す。
【図7】液体を空にし、洗浄するために収集タンクの別のグリッドを更に取り外した状態の図6に示す装置を示す。
【図8】前記装置の別のグリッドを示す。
【図9】本発明の変形実施例によるミルク泡をつくる装置であって、ミルク泡出口からミルク泡を受け取るように背の低い容器が位置されているミルク泡をつくる装置の斜視図を示す。
【図10】ミルク泡出口からミルク泡を受け取るように背の高い容器が位置されている、図9に示すミルク泡を作る装置の斜視図を示す。
【図11】図9に示すドリップトレイ装置の断面図である。
【図12】図9に示すドリップトレイ装置の詳細図を示す。
【符号の説明】
【0054】
1 飲料機械
1b ミルク泡ディスペンサ
2b ハウジング
2 カバー
5 ドリップトレイ装置
6 収集タンク
7 第一のドリップ支持グリッド
8 第二のドリップ支持グリッド
9 二次グリッド
20 ハウジング
22 飲料出口
22b 蒸気出口導管
25 ミルク槽
26 ミルク槽の蓋
27 案内部材
28 ストロー
41 蒸気出口
51 主槽
55 容器受け取り座
60 収集タンクのくぼみ
71 正面カバー
72 溝
81 容器支持要素
【技術分野】
【0001】
本発明は、色々な寸法の、特に短いものから長いものまでの飲料容器(recipients)からの滴下液体あるいは不要分の液体を集めるように構成されたドリップトレイ(滴下液受け皿)装置を備えた、飲料を調製するための機械に関するものである。本発明はまた、ミルク泡分配装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製機械は、家庭あるいは事務所を問わず極めて一般化しつつある。種々嗜好の飲料、特にコーヒおよび(または)ミルクベースの飲料を調製し、かつ送給することができる機械に対する需要がある。例えば、コーヒカプセルあるいはポッドからコーヒを抽出すること、およびミルクの泡を送給することの双方を行い、従ってエスプレッソコーヒ、カプチーノおよびマキアート(macchiato)を調製できるようにする機械が存在している。これらの飲料は種々サイズの容器で提供される。エスプレッソコーヒは典型的には40ミリリットルのカップで、一方、カプチーノは110ミリリットルのカップで、マキアートは更に大きな容積の細長いグラスあるいはマグカップで提供される。
【0003】
更に、エスプレッソあるいはリストレットタイプ(ristretto type)のコーヒに対しては、コーヒの「クレマ(crema)」品質を保つためにはコーヒの出口とカップとの間では十分短い距離を重要視することが大事である。
【0004】
飲料機械は典型的には、容器中へすぐに落下しない滴下液体や不要な液体(水あるいは飲料)を集めるようにされたドリップトレイを有している。ドリップトレイは使用者がそれを空にして洗浄する必要がある。このような単純な衛生的な保守作業は飲料機械の使用時間と休止時間とによって左右されるが、悪臭とか菌の成長を排除するのに十分頻繁に実行すべきである。
【0005】
色々な高さの容器を受け入れるように形成されているドリップトレイ装置を備えた機械が存在している。しかしながら、既存の装置は全て欠点を有している。あるものは安定性に欠け、あるものは使用するのに十分便利でなく、あるものは製造するのに複雑すぎ、および(または)費用が高くつきすぎる。
【0006】
米国特許公報第2003/0034359号は、可搬式コーヒディスペンサのためのドリップトレイ組立体を備えた飲料ディスペンサ(分配装置)に関するものである。
【0007】
欧州特許出願番号第1440639号は、ドリップトレイを形成する中空内部を有する容器スタンドを含む飲料機械に関するものである。前記容器スタンドの上面には、その上に容器が位置されるグリルが設けられている。ドリップトレイは、集められた水を空にし易くするために、ハウジングから取り外し可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の欠点を克服するドリップトレイ装置を具備した飲料機械を提供することを目的とする。特に、本発明の一目的は使用がより簡単で、かつより効率的である装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的に対して、本発明は、少なくとも1個の飲料出口の下に位置され滴下液体および(または)泡を集めるためのドリップトレイ装置であって、第一の飲料容器を保持するための第一のドリップ支持グリッドと、該支持グリッドを通過する液体を集めるための収集タンクとを含み、前記第一の支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、その下にある高さのより大きな第二の飲料容器を保持するように形成された第二のドリップ支持手段を露出状態にするドリップトレイ装置を含む飲料機械を提供する。
【0010】
本発明の一局面は、その下にある第二のドリップ支持手段を露出するよう簡単に取り外し可能である第一のドリップ支持グリッドを有することにある。使用者はより大きなサイズの容器に対してドリップトレイをいじったり、あるいはそれに適合させ、従って飲料を提供するように使えるようにするための時間と労力を費やす必要がない。本発明の別の利点は、飲料出口とそれに装着された流路系とが固定された基準位置に保持されることが可能であり、一方、この位置は動く飲料容器を受け入れる平面のみであることにある。このことによって、機械の多大な複雑さを排除する。
【0011】
本発明の別の局面は、液体を空にしたり掃除をし易くするために、装置全体が取り外し可能とされていることである。
【0012】
支持グリッドはその下方にある第二の容器支持手段を露出するために、完全にあるいは部分的に取り外し可能である。例えば、支持グリッドはヒンジなどのような接続手段によって飲料機械あるいは収集タンクに装着されたままその支持位置から引っ込んだ、すなわち離れた位置まで引っ込みあるいは離れることができる。
【0013】
本発明の一態様において、第二の支持手段は第一の支持グリッドの下方数センチメートルのところに位置されている。この距離は調製すべき飲料の典型的な長い容器に応じて選択される。典型的には、第一と第二の支持手段の間の距離は2から8センチメートルの間である。
【0014】
収集タンクは、第一の支持グリッドからの液体を収集する第一の槽を含む。
【0015】
第二のドリップ支持手段は、高さのより大きな第二の容器がその上に位置された場合に滴下する液体を収集するための第二の収集槽を含む。前記槽は収集タンクの主槽とは個別につくられ、かつ閉鎖しておくことができる。
【0016】
一態様において、第一の槽は第二の槽の後方に、および(または)それに対して横方向に隣接するが、但し分離して位置される。
【0017】
可能な一態様において、第一と第二の槽とはそれらが相互に連通するように連結される。例えば、第二の槽は液体を自然に第一の槽へ排出するように傾斜あるいは高度差をつけた形状とされる。第一の槽は容量のより大きな槽であることが好ましい。
【0018】
一態様において、第一の支持グリッドは溝を含む。前記溝は前記グリッドを通過して集められた液体を収集タンクの第一の槽まで導くように形成されている。前記溝は、第一の支持グリッドから滴下する液体によって第二の支持手段が汚されることなく滴下液体が収集タンクの第一の主槽に排出されるように第二の支持手段の上方に位置させることができる。典型的には、第二の支持手段は使用頻度が少ない。従って、不要の液体はその下の第二の支持手段の上には落下せず、従って第二の支持手段は使用されるまではきれいなままでありうる。
【0019】
第一の槽は収集タンクの後方に位置されることが好ましい。従って、溝は後方、かつ下方に傾斜するように形成されている。従って、槽はより匂いが少ないように隠蔽され、より衛生的に見えるよう使用者の目からも離されている。
【0020】
一態様において、第二のドリップ支持手段は第二の容器を中に受け入れ得る十分大きな横断面のくぼみの底に設けられ、前記くぼみはその側部および後側が収集タンクの隣接する壁によって画成されている。その利点は、第二のドリップ支持手段の領域から外へ落下する液体の滴および(または)泡も収集タンクによって収集されるよう保証することである。特に、第二のドリップ支持手段のくぼみは第一の大きな槽の壁と境界を接している。別の利点は、凹所にある下側ドリップ支持手段を少なくとも部分的に囲繞するような側部が隆起した滴下液収集槽を設けることによって、側方への液体の飛び出し分が槽においてより良好に回収できることである。
【0021】
第一の支持グリッドが取り外された場合に収集タンクの第一の槽を隠蔽するために別のグリッドを設けることができる。このことによって、収集タンクにおいて不要の液体を直接見ないので使用者によって見た目により良好な外観を提供する。しかしながら、このグリッドは任意のものであり、省いてもよい。
【0022】
本発明の一態様において、第一の支持グリッドは適所にある際にくぼみを閉鎖するように設計された正面カバーを有する。そのようにして、本装置が液体を空にするために取り外されたときは第二のドリップ支持手段は閉鎖されたままである。このように、飲料機械から本装置を外している間、そして空にし、かつ洗浄するために流しまで運んでいる間、「波立ち」作用とか、液体の溢れを排除する。
【0023】
一態様において、収集タンクは第一と第二の双方のドリップグリッド手段から液体および(または)泡を収集するために単一の槽を含み、該槽は単に第二のドリップ支持手段の下方に位置される。
【0024】
一態様において、飲料機械は不要カプセル回収容器であって該容器からのどのような液体も収集タンクに排出されうるように該収集タンクと関連した不要カプセル回収容器を含みうる。
【0025】
本発明はまた、数秒間で、極めて衛生的に、例えば断熱槽に入れられた新鮮な牛乳のような液状ミルクからの温かいミルク泡を調製し、かつ送給することができるミルク泡ディスペンサにも関する。
【0026】
従って、本発明は、
蒸気出口導管を介して加圧された蒸気を発生させるようにされた蒸気発生器を含むハウジングと、
前記蒸気出口導管に取り外し可能に栓をするように形成された使い捨ての泡立てノズルと、
容器を受け取るようにされたドリップトレイ装置とを含むミルク泡ディスペンサであって、
前記ディスペンサはミルク槽を含み、前記ノズルには前記ミルク槽からノズルのミルク入口までミルクを取り出すチューブあるいはストローによってミルク用槽からミルクが送られてくることを特徴とするミルク泡ディスペンサに関するものである。
【0027】
前記ハウジングは取り外し可能にミルク槽を受け入れるくぼみを含むことが好ましい。
【0028】
本発明の更に別の特性、特徴および実施例が添付図面を参照して好適な例によって以下説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面を参照すれば、全体を1で指す飲料機械、特に飲料を調製するためにカプセルのような分包されたコーヒを使用するコーヒ抽出機械が示されている。本機械は、コーヒやミルクベースのコーヒ飲料(例えば、カプチーノ、マキアートなど)のような飲料を抽出し、分配するために必要な典型的な構成要素から構成されている。図1および2に示されるように、本機械はカバーおよびフレーム構造体2の内部に、カプセル抽出モジュール(図示せず)を受け入れる正面ハウジング20を含み、前記フレーム構造体はカプセルを前記モジュールに挿入し易くするために前記カプセルの外形に合わせた形状の開口21を含む。抽出ハウジング20はその底部において、収集装置およびチューブの漏斗状部分の形態の飲料(コーヒ)出口で終わっている。出口22は抽出モジュールから出てくる飲料のエネルギを弱め、および(または)泡を調質し、および(または)飛沫を減らすための特別の手段を備えた形態とすることができる。
【0030】
本機械は更に、取り外し可能な水供給タンク3と、温かい飲料を調製するために加圧して温水を供給するのに必要な内部構成要素(図示せず)、特にヒータあるいはボイラ、ポンプ、配管および電子制御装置を含む。本機械はまた、飲料の調製および(または)本機械の運転に関する短いメッセージすなわち情報を送るための適当な指令手段23とひいては情報スクリーン24とを有している。
【0031】
本機械は更に、ミルク泡を調製するために側部に位置した蒸気供給装置4を含みうる。蒸気供給装置は、蒸気出口41と、最終的には、蒸気出口に栓をされ、ミルク供給源からミルクを吸引し、それを蒸気および空気の混合したもので熱く泡立たせる、当該技術分野で既知のベンチュリタイプの泡立てノズル(図示せず)とを備えた単純な蒸気配管40でよい。
【0032】
本機械の融通性は、純粋なコーヒ飲料(例えば、リストレットあるいはエスプレッソ)および泡ミルクとコーヒ飲料とからなるもの(カプチーノ、マキアート)の双方をつくることができるようなものである。
【0033】
本発明の一局面によれば、飲料機械は色々な高さの飲料容器を受け入れる形状とされたドリップトレイ装置5を含む。使用者による定常的な保守(すなわち、空にすること、濯ぐこと、および洗浄すること)のために本機械の残りの部分から全体的に取り外された場合のドリップトレイ装置5の一例が図3に示されている。図2に示すように、本装置は本機械のフレームの空洞に部分的に挿入される。
【0034】
ドリップトレイ装置は収集タンク6と、小さい飲料容器に対して通常使用される間に前記収集タンクを覆っている上側ドリップ支持グリッド7とを含む。上側ドリップ支持グリッド7は、前記収集タンクのくぼみ60につくられた下側の第二のドリップ支持手段8を露出するように該収集タンク6に対して取り外し可能である。
【0035】
前記収集タンクは図6に示すように滴下液および不要液を収集するための主槽51を収容している。前記主槽は横方向にU字形とされているが、くぼみ60を完全に囲繞するO字形ともしうる部分54を有している。このように、前記槽は少なくとも3個の側に沿って、最終的には上方に延在する壁52により4個の側で画成されている。この利点は、一体の下側のドリップ支持手段8を備えた構造の簡素さであり、また前記くぼみの断面積を越えた側方への液体の飛び出し分が槽51において確実に捕捉されるようにすることである。
【0036】
前記収集タンクはU字形の槽の後方に更に延在して、本機械と一体化および挿入をし易くするための幅がより小さく高さがより低い槽の後方延在部53を形成している。前記槽の後方延在部はまた、大量の液体が使用者の目に届かないようにされ、従ってそれに応じて悪臭も低減するよう保証する。このことによってもまた、必要であればいつでもこれらの構成要素から不要液体を収集するようにドリップトレイ装置を本機械の他の構成要素と組み合わせることができるようにする。特に、前記槽は使用済みのコーヒカプセルから滴下する液体を回収するために不要カプセル回収容器の下に少なくとも部分的に位置される。従って、不要カプセル回収容器は、その下にある槽と連通する1個以上の孔、あるいはチューブまたはバスケットのような排出手段を有している。
【0037】
図4と図5とは上側の支持グリッド7を示す。前記グリッドは、水平の金属あるいはプラスチックの穿孔プレート70と、正面カバー壁71と、前記プレート70の下方に位置した溝72とから形成されている。
【0038】
前記溝72は前記プレートの中央部分から液体を回収し、それを主槽51にある収集タンクの後部へ排出するように設計されている。前記溝は下側のドリップ支持手段のくぼみの断面と概ね適合する形状を有している。前記溝は前記くぼみの上方に位置し、下方および後方へ傾斜している。その結果、上側のドリップ支持体に載せて背の低い容器が使用される場合、液体は背の高い方の容器のための下側のドリップ支持手段の上には落下せず、槽の後方まで運ばれ、従って下側のドリップ支持手段を概ねきれいな状態に保つ。
【0039】
上側グリッドの前方にはカバー壁71があり、その主要な機能は、グリッドが位置されたとき前記くぼみの正面を閉鎖することである。その結果、組立体全体を取り外している間、および流しまで運んでいる間に下側のドリップ支持体の底に溜まった液体が本装置から逃げ得ないようにする。
【0040】
図6に示すように、収集タンクは二次グリッド9を有していて、これもタンク本体から取り外し可能とされることが好ましく、その機能は主として、上側グリッド7が取り外され、下側の支持手段8が使用される場合、槽の内部を隠蔽することである。このグリッド9は第一の支持グリッド7の丁度下方に位置され、タンクの外壁とくぼみを画成する壁52と境界を画する内周隆起に適合する。図8はまた、前記グリッド9が主槽51と後方槽53とを部分的に分離する後方境界壁90を含みうることを示している。
【0041】
図6にも示されているように、下側のドリップ支持手段8は第二の槽82において上方に突出した複数の支持隆起の形態の容器支持要素81を有している。前記支持要素もまた、簡単な取り外し可能なグリッドプレートに代えてもよい。前記隆起の利点は、それらがプラスチック成形によって収集タンクの残りの部分と同じ部材としてつくることができることである。
【0042】
前記第二の槽82は例において示すように液体連通手段なしに主槽51とは分離してつくることができる。代替例においては、主槽51に排出するために前記槽82に対して壁52を貫通する通路、溝、開口あるいはその他の連結手段を設けてもよい。
【0043】
ドリップトレイ装置の全体的な長方形の形状および寸法は、必須というのではなく多様な変形も考えられうるが、蒸気送給出口の下方への水あるいはミルクの滴をも含む全ての液体を収集するには大きめの装置であることが好ましい。
【0044】
図9から図12まではミルク泡ディスペンサ1bについての別の実施例を示す。本発明によるディスペンサは要求に応じて新鮮なミルクから衛生的に熱い泡状ミルクを調製するように構成されている。本ディスペンサはハウジング2bを含む。ハウジングは例えば要求に応じ蒸気を発生させるサーモブロック(thermobloc)のような蒸気発生器を囲繞している。水供給槽29をハウジングの側部に設けることができる。蒸気出口導管22bがハウジングの前側上部に設けられている。前記出口は火傷を阻止するために断熱プラスチックカバーで保護することができる。蒸気出口導管22bは蒸気接続手段において終わっており、該接続手段にはその延長部分を形成する使い捨ての泡立て装置41で栓がされている。使い捨て泡立て装置は国際特許第2004/05413号あるいは出願中の「泡状液体をつくるための交換可能なノズル(Replaceablenozzle for producing a frothed liquid)」という名称の特許出願番号第11/279498号に記載のようなものでよく、それらの内容は参考のために本明細書に援用する。
【0045】
ハウジングは更に、断熱したミルク槽25を受け入れるようにされた大きなくぼみ20bを含む。前記ミルク槽は泡立て装置に液状ミルクを送るのに供される。前記くぼみは蒸気発生器から前記槽までの熱伝導を低減させるように断熱されることが好ましい。前記槽は孔(図示せず)を備えた蓋26と該蓋から半径方向に突出したU字形の案内部材27とを有している。液状ミルクは前記蓋の孔を通して挿入された使い捨てストロー28または薄い肉厚のチューブによって前記槽から泡立てノズル41まで供給される。ストロー28はU字形案内部材27においてノズル41のミルク入口接続部まで案内される。
【0046】
ミルク泡ディスペンサのドリップトレイ装置5bは図11および図12に示すように取り外し可能である。ドリップトレイ装置は、上側グリッド70bによって取り外し可能に閉鎖されている概ね長方形の収集タンク51bを含む。グリッド70bはコーヒーカップのような小さい容器のための支持手段として作用する。グリッドは収集タンクの壁の内周縁部51dにおいて支持しうる。前記タンクの底部には、図10に示すように大きな高さの容器を受け入れることができる多数の支持要素81b(例えば、複数の離隔した隆起)あるいはグリッドのような下側のドリップ支持手段が設けられている。支持要素81bは、不要液体のための十分な溜め空間ができるように十分な高さ(例えば10から25ミリメートル)であるべきである。
【0047】
収集タンクは、大きな容器が下側のドリップ支持手段上に都合よく挿入しうるようにする空間が可能となるようにする正面開口部60bを有している。前記開口部60bは上側グリッド70bを安定して受け取るための支持部材71dを備えた強化部材71cを含むカバー要素71bによって閉鎖される。
【0048】
収集タンクはまた、湯あか問題を低減するために蒸気発生器から水を空にしたとき該蒸気発生器から到来する水のような不要水をディスペンサから通路51dを通して受け取るための二次槽51cを含みうる。前記槽は該槽を空にするために開放しうる上側ドア51eを有しうる。
【0049】
ドリップトレイ装置は更に、前記槽のための受け入れ座55を含む。前記座55は前記槽が取り外し可能に前記座に挿入しうるように前記槽の基部に相応する形状を有している。
【0050】
ミルク泡ディスペンサは以下のように作用する。使用者は、ドリップトレイ装置全体を1個のブロックとして引き出すことによって新鮮なミルクで充填するためにミルク槽を取り外す。前記槽は冷蔵温度にあるミルクで再充填することが好ましい。前記槽は魔法ビンタイプの構造を有しているので、ミルクは数時間の間低温に保存することができる。蓋が前記槽を閉鎖し、ストローが蓋を通してU字形の案内部材に位置される。
【0051】
充填された槽はドリップトレイ装置の受け入れ座55に位置され、その組立体がハウジングに挿入して戻される。次いで、使い捨ての泡立てノズルが蒸気出口/その接続部に栓をされ、ミルクストローがその蒸気入口およびミルク入口にそれぞれ栓をされる。容器のサイズに応じて、ドリップトレイ装置は対応してグリッドを操作することによって高さが調整される。このようにして、容器はミルク泡出口の下方に位置される。ディスペンサは指令手段23bを押すことによってスイッチがオンとされる。蒸気発生器が加圧された蒸気を発生させ、該蒸気は泡立てノズル装置まで送られる。前記ノズル装置において発生したベンチュリ作用によって、液状ミルクはノズルに吸引され、温められ、ノズル装置の混合室において泡立てられる。このように温かいミルク泡が容器に送給される。数回使用した後、泡立てノズル装置は棄却され、新品と交換される。
【0052】
ミルク泡ディスペンサは専用装置としうるし、あるいはコーヒ調製装置の一部あるいはモジュールとしうる。ミルク槽もまた、ハウジングから分離させ、あるいはその側部(必ずしもくぼみ内でない)に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による変換可能なドリップトレイ装置を具備した飲料機械の斜視図を示す。
【図2】図1に示す機械の簡素化した横断面図である。
【図3】変換可能なドリップトレイ装置の斜視図を示す。
【図4】図3に示す装置の上側のドリップ支持グリッドの側面図を示す。
【図5】図4に示すグリッドの斜視図を示す。
【図6】上側のドリップ支持グリッドを取り外した状態の図3に示す装置を示す。
【図7】液体を空にし、洗浄するために収集タンクの別のグリッドを更に取り外した状態の図6に示す装置を示す。
【図8】前記装置の別のグリッドを示す。
【図9】本発明の変形実施例によるミルク泡をつくる装置であって、ミルク泡出口からミルク泡を受け取るように背の低い容器が位置されているミルク泡をつくる装置の斜視図を示す。
【図10】ミルク泡出口からミルク泡を受け取るように背の高い容器が位置されている、図9に示すミルク泡を作る装置の斜視図を示す。
【図11】図9に示すドリップトレイ装置の断面図である。
【図12】図9に示すドリップトレイ装置の詳細図を示す。
【符号の説明】
【0054】
1 飲料機械
1b ミルク泡ディスペンサ
2b ハウジング
2 カバー
5 ドリップトレイ装置
6 収集タンク
7 第一のドリップ支持グリッド
8 第二のドリップ支持グリッド
9 二次グリッド
20 ハウジング
22 飲料出口
22b 蒸気出口導管
25 ミルク槽
26 ミルク槽の蓋
27 案内部材
28 ストロー
41 蒸気出口
51 主槽
55 容器受け取り座
60 収集タンクのくぼみ
71 正面カバー
72 溝
81 容器支持要素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中に泡立てノズルまで導くように配置された蒸気出口導管を介して加圧された蒸気を発生させる蒸気発生器を含むハウジングであって、取り外しできるようにミルク槽を受け取るようにされたくぼみを有する、前記ハウジングと、
容器を受け取るようにされたドリップトレイ装置と、
を備え、
前記ドリップトレイ装置は、前記ディスペンサから取り外し可能であり、前記ミルク槽を受け取るための受取り座を有し、前記泡立てノズルには、使用中、前記ミルク槽からのミルクが該槽から前記ノズルのミルク入口までミルクを取り上げるチューブあるいはストローによって送給されることを特徴とするミルク泡ディスペンサ。
【請求項2】
前記泡立てノズルは、使い捨てであり、前記蒸気出口導管に取り外し可能に栓がされるようにされている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記受取り座内に槽を備え、前記槽は、案内部材で前記槽を閉鎖し、前記案内部材は、前記泡立てノズルにストローあるいはチューブが栓をすることができるディスペンサの前部における前方位置までチューブあるいはストローのための通路を提供する、請求項1または2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記受取り座内に槽を備え、前記槽は、数時間、大気温度で液状ミルクを貯蔵できるように断熱されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記蒸気発生器から前記槽への熱伝導を低減するように前記くぼみも断熱されている、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記ドリップトレイ装置は、滴下液体および/または泡を収集するために少なくとも飲料出口の下方に位置されており、
前記ドリップトレイ装置は、
第一の飲料容器を保持する第一のドリップ支持グリッドと、
前記第一のドリップ支持グリッドを通過する液体を収集する収集タンクと、
を含み、
前記第一のドリップ支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、より大きな高さの第二の飲料容器を受け入れるように構成された下側の第二のドリップ支持手段を露出状態とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記第二のドリップ支持手段は、前記第二の飲料容器を支持するため、複数の離間された隆起要素のような、グリッドまたは複数の支持要素を含む、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のミルク泡ディスペンサの為の取り外し可能なドリップトレイ装置であって、前記装置は、コーヒーカップのような容器を受け入れるように適合され、前記ミルク泡ディスペンサにより泡立てされるミルクの槽を受け入れるように適合されている、ドリップトレイ装置。
【請求項9】
前記受取り座上または前記受取り座内に置かれたミルクの為の容器を含む、請求項8に記載のドリップトレイ装置。
【請求項10】
パイプまたはストローの為に通路を与える案内部材で前記槽を閉鎖する蓋を含む、請求項9に記載のドリップトレイ装置。
【請求項11】
第一の飲料容器を保持する第一のドリップ支持グリッドと、前記第一のドリップ支持グリッドを通過する液体を収集する収集タンクとを含み、前記第一のドリップ支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、より大きな高さの第二の飲料容器を受け入れるように構成された下側の第二のドリップ支持手段を露出状態とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のドリップトレイ装置。
【請求項1】
使用中に泡立てノズルまで導くように配置された蒸気出口導管を介して加圧された蒸気を発生させる蒸気発生器を含むハウジングであって、取り外しできるようにミルク槽を受け取るようにされたくぼみを有する、前記ハウジングと、
容器を受け取るようにされたドリップトレイ装置と、
を備え、
前記ドリップトレイ装置は、前記ディスペンサから取り外し可能であり、前記ミルク槽を受け取るための受取り座を有し、前記泡立てノズルには、使用中、前記ミルク槽からのミルクが該槽から前記ノズルのミルク入口までミルクを取り上げるチューブあるいはストローによって送給されることを特徴とするミルク泡ディスペンサ。
【請求項2】
前記泡立てノズルは、使い捨てであり、前記蒸気出口導管に取り外し可能に栓がされるようにされている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記受取り座内に槽を備え、前記槽は、案内部材で前記槽を閉鎖し、前記案内部材は、前記泡立てノズルにストローあるいはチューブが栓をすることができるディスペンサの前部における前方位置までチューブあるいはストローのための通路を提供する、請求項1または2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記受取り座内に槽を備え、前記槽は、数時間、大気温度で液状ミルクを貯蔵できるように断熱されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記蒸気発生器から前記槽への熱伝導を低減するように前記くぼみも断熱されている、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記ドリップトレイ装置は、滴下液体および/または泡を収集するために少なくとも飲料出口の下方に位置されており、
前記ドリップトレイ装置は、
第一の飲料容器を保持する第一のドリップ支持グリッドと、
前記第一のドリップ支持グリッドを通過する液体を収集する収集タンクと、
を含み、
前記第一のドリップ支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、より大きな高さの第二の飲料容器を受け入れるように構成された下側の第二のドリップ支持手段を露出状態とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記第二のドリップ支持手段は、前記第二の飲料容器を支持するため、複数の離間された隆起要素のような、グリッドまたは複数の支持要素を含む、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のミルク泡ディスペンサの為の取り外し可能なドリップトレイ装置であって、前記装置は、コーヒーカップのような容器を受け入れるように適合され、前記ミルク泡ディスペンサにより泡立てされるミルクの槽を受け入れるように適合されている、ドリップトレイ装置。
【請求項9】
前記受取り座上または前記受取り座内に置かれたミルクの為の容器を含む、請求項8に記載のドリップトレイ装置。
【請求項10】
パイプまたはストローの為に通路を与える案内部材で前記槽を閉鎖する蓋を含む、請求項9に記載のドリップトレイ装置。
【請求項11】
第一の飲料容器を保持する第一のドリップ支持グリッドと、前記第一のドリップ支持グリッドを通過する液体を収集する収集タンクとを含み、前記第一のドリップ支持グリッドが前記収集タンクから取り外し可能であり、取り外されると、より大きな高さの第二の飲料容器を受け入れるように構成された下側の第二のドリップ支持手段を露出状態とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のドリップトレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−66122(P2012−66122A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281693(P2011−281693)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2006−157072(P2006−157072)の分割
【原出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2006−157072(P2006−157072)の分割
【原出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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