説明

色素増感型電池およびその製造方法

【課題】タンデム型の構成とした場合であっても、簡易な構造の色素増感型電池を提供する。
【解決手段】
本発明における色素増感型電池は、容器と、容器の内部に設けられた電解質物質と、入射光を吸収して電子を放出する色素を含む複数の光電変換素子を有し、複数の光電変化素子は、少なくとも一部が電解質とそれぞれ接触し、入射光の光路内にそれぞれ配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素増感型電池およびその製造方法に関し、特に複数の光電変換素子を備えた色素増感型電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子、または太陽電池にはいくつかの種類があるが、現状ではシリコン半導体や砒素化ガリウム半導体の接合を利用したダイオード型のものが多く利用されている。これらの太陽電池はコストが高いことが、家庭用に広く普及するための課題の一つとなっている。
【0003】
一方、色素増感型湿式太陽電池は、シリコン半導体の太陽電池とは異なる光電変換メカニズムによって動作し、光電変換効率も10%程度と比較的高い。そのため、将来シリコン系太陽電池を置き換える可能性のある素子として期待されている。
【0004】
色素増感型湿式太陽電池(色素増感型太陽電池)の基本構造は透明基板上に形成された透明導電膜で構成される電極と、白金等が蒸着された対向電極との二つの電極を張り合わせた構成である。通常、透明基板および対向電極の下地には厚さ1mm程度のガラスが用いられる。
【0005】
透明導電膜上には酸化物半導体電極が形成され、さらにこの半導体電極の表面には色素が吸着している。そして、この二つの電極の間には色素で発生するホールを輸送するための酸化還元対を有する電解質が注入されている。
【0006】
色素は、ルテニウム(Ru)錯体などの太陽光を効率的に吸収できる増感色素が用いられる。この太陽電池に光が照射されると増感色素が励起され、電子が半導体電極に注入される。さらに半導体電極に注入された電子は、外部の回路を経て対向電極に到達する。
【0007】
色素において電子と同時に形成されるホールは、電解質の酸化還元対により対向電極に運ばれ、外部回路を経て到達した電子と対消滅することで、色素増感太陽電池は電流を発生する。
【0008】
このような色素増感型光電変換素子は、シリコンを用いた光電変換素子に比べて材料の高度な精製が不要であり、シリコンの溶融設備などの大型設備を必要としないため、低コスト化が可能であるという利点を持っている。
【0009】
しかし増感色素の吸収波長は、シリコンに比べて狭いために、広い波長範囲の光を吸収することができない。つまり上記の色素増感型太陽電池は、光を吸収する波長範囲が狭いため、入射光の利用効率が低く、シリコン系光電変換素子と比較して全入射光に対する光電変換効率が低いという問題があった。
【0010】
そこで特許文献1には、それぞれ吸収波長が異なる色素を電極中に備えた複数の色素増感型光電変換セルを厚み方向に積層したタンデム型の構造について記載されている。上記構造により、単一の色素では吸収されない波長域の光を、複数の色素を組み合わせることにより広帯域の波長の光を発電に利用することができる。その結果、タンデム型の色素増感型電池は、入射光を有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−34258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1における色素増感型電池は、半導体電極と対向電極との間に、電解液を注入している。しかし電解質の溶媒に有機溶媒を用いると、有機溶媒は揮発性を有しているため、電解液の組成に変化が生じる。そのため積層したそれぞれの色素増感型変換セルは個別に封止する必要があり、構造が複雑になってしまうという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した色素増感型変換セルをタンデム型の構成とすると装置の構造が複雑になるという課題を解決する色素増感型電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明における色素増感型電池は、容器と、容器の内部に設けられた電解質と、入射光を吸収して電子を放出する色素を含む複数の光電変換素子を有し、複数の光電変化素子は、少なくとも一部が電解質とそれぞれ接触し、入射光の光路内にそれぞれ配置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、色素増感型光電変換素子をタンデム型の構成とした場合であっても、簡易な構造の色素増感型電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態における色素増感型電池の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における光電変換素子の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における色素増感型電池の構成を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における色素増感型電池の構成を示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における光電変換素子の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における光電変換素子の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における光電変換素子の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における光電変換素子の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。
【0018】
〔第1の実施形態〕本実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態における色素増感型電池10の断面図である。
【0019】
〔構造の説明〕図1に示すように、本実施形態における色素増感型電池10は、複数の光電変換素子8と、電解質4と、容器5とを有している。また各光電変換素子8は、絶縁膜1と、第1電極2と、対向電極3とを備える。
【0020】
絶縁膜1は、対向する2つの主面を有していれば、平板形状であっても、膜形状あってもよい。図2に示すように、絶縁膜1は、一方の主面において第1電極2と、また他方の主面において対向電極3と接続しており、この構成物を光電変換素子8とする。換言すると光電変換素子8は、第1電極2と、絶縁膜1と、対向電極3とが積層した構造である。なお図2は光電変換素子8の断面図である。
【0021】
絶縁膜1の材質は、第1電極2と対向電極3とを電気的に絶縁することができ、また第1電極2に生成されたホールを対向電極3に移動することができる電解質4を含浸することができれば、特に限定されない。
【0022】
絶縁膜1は、例えば、多孔性のアルミナ焼結体、多孔性ガラス膜などの金属酸化物膜を用いることができる。これらの場合には、第1電極2を、400〜500度の温度で焼結して作製することできる。
【0023】
また絶縁膜1は、柔軟性を有する多孔性の高分子フィルムを用いることができる。例えば、多孔性の、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンとで構成される群から選ばれるものが挙げられる。絶縁膜1に上記の材質を用いる場合、半導体作製プロセスは、低温で行われることが望ましい。
【0024】
第1電極2は、絶縁膜1と同様に対向する2つの主面を有する形状であれば平板形状あっても膜形状であってもよく、一方の主面において絶縁膜1と接続している。第1電極2は、絶縁膜1と接触する表面に色素6を吸着し設けている。第1電極2は、光を吸収した色素6で発生する電子を受け取る。
【0025】
第1電極2は、太陽光のうち照射強度が大きい可視領域の光を吸収しない材質であることが望ましい。第1電極2の具体的な材質としては、3eV程度のエネルギーギャップをもつ酸化物半導体、例えば酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)のいずれか、又は、これらの混合物であることが望ましい。
【0026】
色素6は、可視光領域および赤外光領域に吸収を持ち、第1電極2に強固に吸着している。そのため色素6は、分子中にCOOH基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。
【0027】
なお色素6が有するインターロック基は、特にCOOH基であることが好ましい。それは、インターロック基が吸着の機能に加えて、励起状態の色素と酸化物半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする機能を有するためである。
【0028】
なお本実施形態で使用可能なインターロック基を備えた色素としては、例えばルテニウム金属錯体色素(ルテニウムビピリジン系金属錯体色素、ルテニウムターピリジン系金属錯体色素、ルテニウムクォーターピリジン系金属錯体色素など)、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素、クマリン系色素、インドリン系色素などが挙げられる。その中でもルテニウム金属錯体色素が好ましい。また吸着する色素は1種類でもよいし、また2種類以上の混合物でもよい。
【0029】
第1電極2に色素6を吸着させる方法として、例えば基板上に形成された第1電極2を、色素6が溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。なお第1電極2に色素6を吸着することができるのであれば、上記方法に限定されない。
【0030】
色素6を溶解するために用いる溶媒は、エタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
【0031】
対向電極3は、絶縁膜1と同様に対向する2つの主面を有する形状であれば平板形状であっても、膜形状であってもよい。対向電極3の一方の主面は、絶縁膜1の第1電極2と接続している面とは反対側の主面と接続している。
【0032】
対向電極3には、第1電極2に吸着した色素6が光を吸収することにより発生したホールが、多孔性の絶縁膜1に含浸した電解質4を通して運ばれる。対向電極3は、電解質4を通して運ばれたホールと第1電極2から外部配線を介して運ばれた電子とが効率よく対消滅するという機能を果たせれば、特に材料に制限はない。
【0033】
対向電極3は、蒸着法などによって、絶縁膜1上に形成した金属蒸着膜を用いることができる。たとえば、絶縁膜1上に形成された白金(Pt)層を用いることができる。
【0034】
また対向電極3には、ナノカーボン材料を含んでいてもよい。例えばカーボンナノチューブ、もしくはカーボンナノホーン、もしくはカーボンファイバーを含んだペーストを絶縁膜1上に焼結して対向電極3を形成してもよい。対向電極3はナノカーボン材料で構成することで、表面積が大きくすることができ電子とホールの対消滅確率を向上することができる。
【0035】
電解質4は絶縁膜1中に浸透しており、色素6で生じたホールを対向電極3にまで輸送する性質を持ち、酸化還元対と、溶媒と、添加物とで構成される。
【0036】
酸化還元対の材料としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaIなどの金属ヨウ化物、およびテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などのヨウ化物と、Iとの組み合わせを用いることができる。またLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物などが挙げられる。
【0037】
また酸化還元対の材料として他に、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などの臭化物と、Brとを組み合わせて用いてもよい。さらに、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体や、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物や、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン、TEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl)などの環状ニトロキシラジカルなどが挙げられる。上記の酸化還元対は2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】
電解質4の溶媒としては、揮発性が低い材料を好適に用いることができる。具体的には、水や、有機溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、イオン溶液としてヘキシルメチルイミダゾリウム(HMI)、エチルメチルイミダゾリウムを用いることができる。
【0039】
なお電解質4として、他に固体状の電解質4を用いることもできる。その場合、固体電解質としては、完全固体電解質もしくはゲル電解質を用いることができる。
【0040】
完全固体電解質としては、酸化還元対とイオン伝導性高分子化合物の混合物を用いる。イオン伝導性高分子化合物は、例えば、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリアミン類、ポリスルフィド類などの極性高分子化合物を用いる。
【0041】
またゲル電解質としては、ゲル化剤中に溶媒もしくは常温溶融塩を添加したものを用いることができる。ゲル化剤としては、高分子ゲル化剤が良好に用いられる。
【0042】
ゲル電解質としては、例えば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられる。常温溶融塩としては、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類が良好に用いられる。
【0043】
容器5は、箱型形状であり、内部に電解質4を備えている。本実施形態における容器5の材質は、光透過性のある材料であればよく、太陽光、特に、波長400〜1000nm程度の光を透過する材質であることが望ましい。
【0044】
容器5の材質としては、具体的には、ガラス、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリイミドなどから選ばれるものであればよく、電解質4に含まれる溶媒に対して耐性がある方が望ましい。
【0045】
容器5は、1つの開口面を有する形状であり、所定の深さまで電解質4が満たされている。そして容器5は、図3に示すように、深さ方向に延伸した複数の素子固定部7を設けている。素子固定部7は、絶縁膜1と第1電極2と対向電極3とで構成される光電変換素子8を固定することができれば、形状について特に限定されない。なお複数の光電変化素子8は、少なくともが一部が電解質とそれぞれ接触している。
【0046】
固体状の電解質4である完全固体電解質もしくはゲル電解質を用いた場合、素子固定部7を設けなくても、容器5に挿入された光電変換素子8を固定することができる。
【0047】
図3は、色素増感型電池1の側面図であり、図4は色素増感型電池1の上面図である。色素増感型電池1は、容器5の対向する2つの側面の内側にそれぞれ素子固定部7を設けている。図3は色素増感型電池10の側面図ではあるが容器5が光透過性の材質であるため、容器5の内側面に設けられた素子固定部7を示している。
【0048】
なお図3、4では、素子固定部7の具体的な構造として、容器5の対向する2つの内側面に形成された2本で1組の保持レール7aの構造が記載されている。換言すると所定の間隔を配して設けられた2本の保持レール7aの間に光電変換素子8を挿入することで、容器5内に光電変換素子8が固定される。
【0049】
なお複数の保持レール7aは、複数の光電変換素子8を容器5内に挿入して固定できるように配置されている。図3を用いて具体的に説明すると、隣接して配置された複数の光電変換素子8は、一方の光電変換素子8における第1電極2の主面と、他方の光電変換素子8における対向電極3の主面とが向かい合って配置されている。換言すると、複数の光電変換素子8は、厚さ方向に、つまり容器5の水平方向に互いに対向して配置されており、水平方向に入射された光の光路内にそれぞれ設けられている。
【0050】
容器5に、複数の光電変換素子8が、素子固定部7に沿って挿入され固定された後、天板を容器5の開口面に設けることで、容器5を密閉した構造とする。なお固体状の電解質である完全固体電解質もしくはゲル電解質を用いた場合、容器5は天板5aを設けない開放状態としてもよい。
【0051】
以上、図3、4では素子固定部7として保持レール7aを備えた構造を説明したが本実施形態は、これに限定されない。つまり容器5に複数の光電変換素子8を挿入して固定することができる固定部材であればよく、保持レール7aでなくても、容器5に深さ方向に延伸した窪みを設けてもよい。この場合、対向する面に形成された窪みに光電変換素子8を嵌め込むことで、光電変換素子8を挿入し、固定することもできる。
【0052】
〔作用・効果の説明〕次に、本実施形態における作用・効果について図5〜7を用いて説明を行う。
【0053】
図5に示すように、複数の光電変換素子8が挿入されている容器5に、光電変換素子8の厚み方向、つまり容器5の水平方向から光が照射されると、複数の光電変換素子8は入射光の光路内に配置されているため、第1電極2に吸着している色素6は光を吸収する。色素6は、光のエネルギーを吸収すると励起状態となり、電子を放出する。色素6から放出された電子は、第1電極2に向かう。次に図6に進む。
【0054】
図6に示すように、色素6から第1電極2に放出された電子は、外部回路を経由して対向電極3に向かう。そして電解質4に含まれる酸化還元対は、外部回路を経由して対向電極3に供給された電子を受け取る。
【0055】
図7に示すように、電解質4に含まれる酸化還元対は、光を吸収して酸化された色素に電子を渡し、色素6は再生する。色素6に光が当たっているあいだ、色素が電子を放出し続け、その電子は、酸化還元対から供給され続ける。上記の流れにより、色素増感型電池1のサイクルは継続する。
【0056】
色素6は、吸収することができる波長の範囲が狭いため入射光の利用効率が低い。そこで特許文献1では、複数の光電変換素子が厚さ方向に積層したタンデム型構造が記載されている。そのため、それぞれの光電変換素子にそれぞれ吸収波長が異なる色素を吸着させている。
【0057】
その結果、厚さ方向から入射光をタンデム型構造に照射することで、単一の色素が吸収することができる波長に比べて、より広帯域の光を発電に利用することができ、入射光を有効に利用することができる。
【0058】
しかし、特許文献1の構造の場合、半導体電極と対向電極を積層したそれぞれの光電変換素子8を個別に封止する構成であるため、構造が複雑になってしまう。
【0059】
詳細に説明すると、特許文献1における色素増感型電池は、製造工程が煩雑化してしまい、製造コストが増加してしまうという問題があった。また各光電変換素子は個別に封止されており、容易に部品交換を行うことができないため、吸収波長の異なる光電変換素子を適用することによる帯域の選択ができないなど問題もあった。
【0060】
そこで本実施形態における色素増感型電池10は、電解質4と、溶媒に溶解している酸化還元対とで構成される。すなわち容器5内に設けられた複数の光電変換素子8を、共通の電解質4にそれぞれを浸漬する構成とした。そのため、簡易な構造でタンデム型の色素増感型電池10を実現することができる。
【0061】
その結果、本実施形態における色素増感型電池10は、光電変換素子8を個別に封止する必要がないため、複雑な製造工程を必要とせず、製造コストを低減することができる。
【0062】
また本実施形態における色素増感型電池10は、光電変換素子8を容易に交換することができるという高い保守性を備えるだけでなく、吸収波長の異なる光電変換素子8を適用することで容易に波長帯域の選択を実現することができる。
【0063】
つまり本実施形態は、容器5内に吸収波長の異なる色素を備えた複数の光電変換素子8を、素子固定部7に沿って挿入する。それぞれの第1電極2に吸着している色素の吸収波長は異なるため、吸収する波長を広帯域化することができ、簡易な構造で入射光を有効に利用することができる。
【0064】
〔第2の実施形態〕次に第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図8は、本実施形態における光電変換素子8の断面図である。
【0065】
〔構造の説明〕図8に示すように、本実施形態における光電変換素子8は、絶縁基板9を備えている。それ以外の構造・接続関係は、第1の実施形態と同様であり、絶縁膜1と、第1電極2と、対向電極3と、電解質4と、容器5とを備える。
【0066】
絶縁膜1は、対向する2つの主面を有する形状であれば、膜形状であっても平板形状であってもよい。絶縁膜1は、一方の主面において第1電極2と、また他方の主面において対向電極3と接続している。換言すると光電変換素子8は、第1電極2と、絶縁膜1と、対向電極3とが積層した構造である。
【0067】
本実施形態では、図8に示すように、第1電極2の絶縁膜1と接する反対側の面に、絶縁基板9を設けている。絶縁基板9の材質は、透過性と絶縁性を有していれば特に限定されない。絶縁基板9は、例えば、酸化アルミニウムや金属酸化物などを用いることができる。なお図示していないが、絶縁基板9は、対向電極3の絶縁膜1と接する反対側の面に設けてもよい。
【0068】
なお絶縁膜1の材質は、第1の実施形態と同様に、第1電極2と対向電極3とを電気的に絶縁することができ、第1電極2に生成されたホールを対向電極3に移動することができる電解質4を含浸することができれば、特に限定されない。
【0069】
絶縁膜1は、例えば、多孔性のアルミナ焼結体、多孔性ガラス膜などの金属酸化物膜を用いることができる。これらの場合には、第1電極2を、400〜500度の温度で焼結して作製することができる。
【0070】
また絶縁膜1は、柔軟性を有する多孔性の高分子フィルムを用いることができる。例えば、多孔性の、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンとで構成される群から選ばれるものが挙げられる。絶縁膜1に上記の材質を用いる場合、半導体作製プロセスは、低温で行われることが望ましい。
【0071】
第1電極2も第1実施形態と同様に、絶縁膜1と同様に対向する2つの主面を有する形状であれば平板形状であっても膜形状であってよく、一方の主面において絶縁膜1と接続している。第1電極2は、絶縁膜1と接触する表面に色素6を吸着し設けている。第1電極2は、色素6で発生した電子を受け取る。
【0072】
なお第1電極2は、太陽光のうち照射強度が大きい可視領域の光を吸収しない材質である。上記理由により、第1電極2の材質は、3eV程度のエネルギーギャップをもつ酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)のいずれか、又は、これらの混合物であることが望ましい。
【0073】
〔作用・効果の説明〕次に本実施形態の作用・効果について説明を行う。
【0074】
まず光電変換素子8が、絶縁膜1と、第1電極2と、対向電極3とで構成されている場合を考える。
【0075】
第1電極2は、例えば絶縁膜1上に酸化チタン粉末を含むペーストを適量塗布することで形成する。そして第1電極2が塗布された絶縁膜1を電気炉に挿入することで焼成し、自然冷却することで多孔性の酸化物である第1電極2を形成する。なお対向電極3についても、絶縁膜1の第1電極2が形成されている反対側の面に同様に形成する。
【0076】
第1電極2に吸着している色素6は、光を吸収して電子を第1電極2に放出する。色素6は、電子が不足した状態となると、電解質4の酸化還元対から電子を受け取る。電解質4の酸化還元対は、不足した電子を互いに供給しあい、最終的に酸化還元対は第1電極2から外部電極を介して対向電極3に運ばれた電子を受け取る。
【0077】
つまり上記の電子の動きをホールの動きで換言すると、色素6が光を吸収して電子を第1電極2に放出すると、第1電極2から電解質中の酸化還元対を介して対向電極3までホールが移動する。
【0078】
第1電極2と対向電極3は、ともに絶縁膜1上に形成するため、安定的に第1電極2と対向電極3とを形成するには、絶縁膜1は層の厚さをある程度厚くする必要がある。この場合、第1電極2から対向電極3までホールが移動する距離が長くなり、全てのホールが対向電極3まで到達できなくなってしまい、入射光を有効に利用することができない場合があった。
【0079】
そこで本実施形態では、第1電極2の絶縁膜1と接続する反対側の面に絶縁基板9を設けている。上記構造の場合、絶縁基板9上に第1電極2、絶縁膜1、対向電極3を順に積層することができる。つまり、第1電極2上に絶縁膜1を形成するため、絶縁膜1は第1電極2と対向電極3とを絶縁することができれば、限りなく薄く成形することが可能となる。
【0080】
その結果、第1電極2から対向電極3までホールが移動する距離を短くすることができる。そのため、第1電極2から対向電極3まで効率よくホール移動することができ、入射光を有効に利用することができる。
【0081】
〔実施例1〕次に、色素増感型電池の製造方法について説明を行う。
【0082】
〔第1電極および対向電極の作製〕本実施例における光電変換素子8の第1電極2と対向電極3を次のような順序で作製した。
【0083】
大きさ15mm×15mm、厚さ0.2mmのアルミナ多孔板(平均孔径50μm、開口率40%)を多孔性の絶縁膜1として用意した。
【0084】
次に、第1電極2の材料となる酸化チタンペーストとして酸化チタン粉末5g、15vol%の酢酸水溶液20ml、界面活性剤0.1ml、そしてポリエチレングリコール(分子量20000)0.3gを攪拌ミキサーで約1時間攪拌(1回10分間)して用意した。
【0085】
次に、この酸化チタンペーストを多孔性の絶縁膜1であるアルミナ多孔板上にドクターブレード法で膜厚が20μm程度となるように適量塗布(塗布面積:10mm×10mm)した。
【0086】
次に、この酸化チタンペーストが塗布された多孔性の絶縁膜1を電気炉に挿入し、大気雰囲気にて450℃で約30分間焼成した。その後、自然冷却させて第1電極2として多孔性酸化チタン半導体層が形成された多孔性アルミナ基板を得た。
【0087】
次に絶縁膜1の第1電極2が形成されている反対側の面に、対向電極3として平均膜厚1μmの白金層を真空蒸着法により蒸着することで、光電変換素子8を作成した。
【0088】
〔色素吸着〕次に、このTiO薄膜で構成される第1電極2の絶縁膜1と接する面に色素6を吸着させた。色素6には、波長530nm付近に広い吸収をもつインドリン系色素を、2×10−4mol/Lの濃度で無水エタノール中に溶かしたものを用いた。
【0089】
色素6の吸着方法としては、第1電極2と対向電極3とが形成された多孔性の光電変換素子8を色素が溶解した溶液に浸漬して一晩保管した。色素6の吸着が終了したところで、色素溶液から取り出し、アセトニトリルですすぐことにより余分の色素を除去し、その後、空気中で乾燥させた。
【0090】
〔電解質への浸漬〕電解質4として溶媒に水を用いた水系電解質をガラスの容器5に注入し、そこに光電変換素子8を浸漬させた。電解質としては、環状ニトロキシラジカルを用いた。親水性の環状ニトロキシルラジカル(TEMPO−OHと称す)を0.45mol/L、疎水性の環状ニトロキシルラジカル(TEMPO・BFと称す)を0.05mol/Lの濃度となるように調整して作製した。
【0091】
〔光電流測定〕この光電変換素子8にソーラーシミュレータでAM(Air Mass)1.5条件下の100mW/cmの強度の光を照射して、発生した電気を電流電圧測定装置で測定し、光電変換特性を評価した結果、1.2%の光電変換効率が得ることができた。
【0092】
このように、それぞれの光電変換素子8を個別に封止せずに、複数の光電変換素子8を共通の電解質に含浸した簡易な構造の色素増加型電池であっても、良好な光電変換効率を得ることができた。
【0093】
〔実施例2〕本実施例における光電変換素子8の第1電極2と対向電極3を次のような順序で作製した。
【0094】
〔第1電極および対向電極作製〕本発明に基づく光電変換素子8の第1電極を次のような順序で作製した。
【0095】
大きさ15m×15mm、厚さ50μmの多孔性ガラスペーパー(空隙率85%)を多孔性の絶縁膜1として用意した。
【0096】
次に、第1電極2の材料となる酸化チタンペーストとして酸化チタン粉末5g、15vol%の酢酸水溶液20ml、界面活性剤0.1ml、そしてポリエチレングリコール(分子量20000)0.3gを攪拌ミキサーで約1時間攪拌(1回10分間)して用意した。
【0097】
次に、この酸化チタンペーストを多孔性の絶縁膜1である多孔性ガラス上にドクターブレード法で膜厚が20μm程度となるように適量塗布(塗布面積:10mm×10mm)した。
【0098】
次に、この酸化チタンペーストが塗布された多孔性の絶縁膜1を電気炉に挿入し、大気雰囲気にて450℃で約30分間焼成して自然冷却させて第1電極2とし、多孔性酸化チタン半導体層が形成された多孔性ガラス基板を形成した。
【0099】
次に絶縁膜1の酸化物半導体電極が形成されている反対側の面に、対向電極3として平均膜厚1μmの白金層を真空蒸着法により蒸着した。第1電極2と対向電極3とが形成された多孔性ガラス基板を有する光電変換素子8を2つ作製した。
【0100】
〔色素吸着〕次に、このTiO薄膜で構成される2つの光電変換素子8の第1電極2における絶縁膜1と接する面に、吸収波長が異なる色素6をそれぞれ吸着させた。具体的に説明すると、第1の光電変換素子8aには波長450nm付近に吸収を持つインドリン系色素を吸着させた。そして第2の光電変換素子8bには、波長550nm付近に吸収を持つインドリン系色素を吸着させた。
【0101】
色素の吸着方法としては、それぞれの色素6は、2×10−4mol/Lの濃度で無水エタノール中に溶かした溶液中に光電変換素子8を浸して一晩保管した。色素6の吸着が終了したところで、光電変換素子8を色素溶液から取り出し、アセトニトリルですすぎ、余分の色素を除去し、その後、空気中で乾燥させた。
【0102】
〔電解質への浸漬〕電解質4として溶媒に水を用いた水系電解質をガラスの容器5に注入し、そこに吸収波長の異なる色素を備えた第1の光電変換素子8aと、第2の光電変換素子8bとをそれぞれ浸漬した。なお第1の光電変換素子8aと第2の光電変換素子8bは、互いの主面どうしが対向する位置に配置した。
【0103】
電解質としては環状ニトロキシラジカルを用いた。親水性の環状ニトロキシルラジカル(TEMPO−OHと称す)を0.45mol/L、疎水性の環状ニトロキシルラジカル(TEMPO・BFと称す)を0.05mol/Lの濃度となるように調整して作製した。
【0104】
〔光電流測定〕この光電変換素子にソーラーシミュレータでAM(Air Mass)1.5条件下の100mW/cmの強度の光を照射して、発生した電気を電流電圧測定装置で測定し、光電変換特性を評価した。その結果、第1の電極は0.7%の光電変換効率が得られ、第2の電極からは0.4%の光電変換効率を得ることができた。
【0105】
上記の結果から、450nm付近に吸収波長をもつ色素を備える第1の光電変換素子8aと、波長550nm付近に吸収波長をもつ色素を備える第2の光電変換素子8bにより良好な光電変換効率が得られた。
【0106】
つまり本実施例のように水系の電解質に吸収波長の異なる色素を備える複数の光電変換素子を対向して配置した簡易な構造であっても、光電変化することができる波長を広帯域化することができ、入射光を有効に利用することで光電変換効率を向上することができた。
【0107】
〔付記1〕容器と、前記容器の内部に設けられた電解質物質と、入射光を吸収して電子を放出する色素を含む複数の光電変換素子を有し、前記複数の光電変化素子は、少なくとも一部が前記電解質とそれぞれ接触し、前記入射光の光路内にそれぞれ配置している色素増感型電池。
【0108】
〔付記2〕前記光電変換素子は、前記電解質物質が浸透する多孔性の絶縁膜と、前記絶縁膜の第1の面と接する面に前記色素を備えた第1電極と、前記絶縁膜の前記第1の面と対向する第2の面と接する対向電極とを有する付記1に記載の色素増感型電池。
【0109】
〔付記3〕前記第1電極の前記絶縁膜と接触している面とは反対側の面に絶縁基板が設けられている付記2に記載の色素増感型電池。
【0110】
〔付記4〕前記第1電極と前記対向電極とは、外部配線により電気的に接続可能である付記2または3に記載の色素増感型電池。
【0111】
〔付記5〕前記複数の光電変換素子における前記色素の吸収波長はそれぞれ異なる付記1から4のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0112】
〔付記6〕前記絶縁膜は、金属酸化物膜を含む付記2から5のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0113】
〔付記7〕前記絶縁膜は、多孔性の高分子フィルムを含む付記2から5のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0114】
〔付記8〕前記色素は、インターロック基を含む付記1から7のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0115】
〔付記9〕前記第1電極は、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか一つ、又は、これらの混合物を含む付記2から8のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0116】
〔付記10〕前記対向電極は、ナノカーボン材料を含む付記2から9のいずれか一項に記載の色素増感型電池
〔付記11〕前記電解質物質の溶媒は、水を含む付記1から10のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0117】
〔付記12〕前記電解質物質の溶媒は有機溶媒であり、N,N−ジメチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシドのいずれか1つを含む特徴とする付記1から10のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0118】
〔付記13〕前記電解質物質はイオン液体であり、ヘキシルメチルイミダゾリウム、およびエチルメチルイミダゾリウムのいずれか1つを含む付記1から12のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0119】
〔付記14〕前記電解質物質は、固体状の完全固体電解質もしくはゲル電解質を含む付記1から13のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0120】
〔付記15〕前記容器は、前記光電変換素子を固定する素子固定部を備える付記1から14のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0121】
〔付記16〕前記素子固定部は、前記容器の内側面に設けられた対向する2本のレールを有し、前記2本のレール間の長さは、前記光電変換素子の厚さと略等しい付記1から15のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0122】
〔付記17〕前記素子固定部は、前記容器の内側面に形成された窪みであり前記窪みの幅は、前記光電変換素子の厚さと略等しいことを特徴とする付記1から16のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【0123】
〔付記18〕容器の内部に電解質物質を注入し、前記容器内に、絶縁膜の第1の面に色素を備えた第1電極と、前記第1の面と対向する第2の面に対向電極とを形成した複数の光電変換素子を入射光の光路内にそれぞれ配置する色素増感型電池の製造方法。
【符号の説明】
【0124】
1 絶縁膜
2 第1電極
3 対向電極
4 電解質
5 容器
6 色素
7 素子固定部
7a 保持レール
8 光電変換素子
9 絶縁基板
10 素増感型電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器の内部に設けられた電解質物質と、
入射光を吸収して電子を放出する色素を含む複数の光電変換素子を有し、
前記複数の光電変化素子は、少なくとも一部が前記電解質とそれぞれ接触し、前記入射光の光路内にそれぞれ配置している色素増感型電池。
【請求項2】
前記光電変換素子は、
前記電解質物質が浸透する多孔性の絶縁膜と、
前記絶縁膜の第1の面と接する面に前記色素を備えた第1電極と、
前記絶縁膜の前記第1の面と対向する第2の面と接する対向電極とを有する請求項1に記載の色素増感型電池。
【請求項3】
前記第1電極の前記絶縁膜と接触している面とは反対側の面に絶縁基板が設けられている請求項2に記載の色素増感型電池。
【請求項4】
前記第1電極と前記対向電極とは、外部配線により電気的に接続可能である請求項2または3に記載の色素増感型電池。
【請求項5】
前記複数の光電変換素子における前記色素の吸収波長はそれぞれ異なる請求項1から4のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【請求項6】
前記絶縁膜は、金属酸化物膜を含む請求項2から5のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【請求項7】
前記絶縁膜は、多孔性の高分子フィルムを含む請求項2から5のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【請求項8】
前記色素は、インターロック基を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【請求項9】
前記第1電極は、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか一つ、又は、これらの混合物を含む請求項2から8のいずれか一項に記載の色素増感型電池。
【請求項10】
容器の内部に電解質物質を注入し、
前記容器内に、絶縁膜の第1の面に色素を吸着した第1電極と、前記第1の面と対向する第2の面に対向電極とを形成した複数の光電変換素子を入射光の光路内にそれぞれ配置する色素増感型電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89572(P2013−89572A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232095(P2011−232095)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】