説明

色表示装置

【課題】色の組み合わせや、順番により特定の効果を得ることができる色表示装置を提供する。
【解決手段】底面部21と、その両端に設けられた側壁部22、22と、両側壁部22、22の間に設けられた天井部23とによって、内側に通路5を形成し、通路側の底面、及び内壁に、色表示部を設ける。色表示部は、銀色の第1表示部31、黒色の第2表示部32、白色の第3表示部33、黄色の第4表示部34、赤色の第5表示部35、青色の第6表示部36、金色の第7表示部37は、通路5方向に配列して構成される。通路5内を人が通過すれば、人に対して、各色が順に照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、色表示装置にかかり、詳しくは、色の組み合わせによって人体によい影響を与える色表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有色光を人体に照射して、鎮静効果などを与える装置がある。このような装置は、一般に光を照射する照明や、照明を操作する操作装置などにより構成され、特別配置スペースが必要とされるものが多い。
一方、色彩が人に与える影響は、従来より知られており、例えば、赤やオレンジ色、ピンクなどの暖色系の色に囲まれていると、人は実際の時間より長く感じ、青やブルーグリーンなどの寒色系の色は、実際の時間よりも短く感じられる。さらに、薄いグリーンは精神をリラックスさせるなど、色彩に応じた効果が知られている。
このような色彩の効果を用いた装置には、例えば以下に示す先行文献が存在する。
【特許文献1】特願平11−135273号。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の装置では、光源としての照明装置や、照明装置を制御するための制御装置など、装置全体が大掛かりとなり、広い設置スペースが要求される。また、複数人に対して一度に作用させることも難しい。また、従来の装置は、選択された特定の色を照射するのみで、色の組み合わせにより、特定の効果を奏する装置は、存在しなかった。
この発明の目的は、色の組み合わせや、順番により特定の効果を得ることができる色表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1) 人が通行する通路に配置され、
通路に沿って、複数の色表示部が配列され、各色表示部には、銀色、黒色、白色、黄色、赤色、青色、金色がそれぞれ表示されている色表示装置。
【0005】
(2) 色表示部は、第1表示部〜第7表示部を有し、
第1表示部に銀色、第2表示部に黒色、第3表示部に白色、第4表示部に黄色、第5表示部に赤色、第6表示部に青色、第7表示部に金色がそれぞれ表示され、
第1表示部、第2表示部、第3表示部、第4表示部、第5表示部、第6表示部、第7表示部の順番で順に配列されている上記(1)に記載の色表示装置。
【0006】
(3) 色表示部は、第1表示部〜第7表示部を有し、
第1表示部に銀色、第2表示部に黒色、第3表示部に白色、第4表示部に黄色、第5表示部に赤色、第6表示部に青色、第7表示部に金色がそれぞれ表示され、
第7表示部、第6表示部、第5表示部、第4表示部、第3表示部、第2表示部、第1表示部の順番で順に配列されている上記(1)に記載の色表示装置。
【0007】
(4) 通路を構成する内壁の全周面に、前記色表示部が設けられている上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の色表示装置。
【0008】
(5) 通路の床面に、前記色表示部が設けられている上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の色表示装置。
【0009】
(6) 色表示部は、ディスプレイ画面で構成されている上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の色表示装置。
【0010】
(7) 色表示部に表示された各色は、配列方向に移動する上記(6)に記載の色表示装置。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、予め選択された銀色、黒色、白色、黄色、赤色、青色、金色が表示される色表示部が、通路に沿って配列されているので、通路を通過する人に対して、相対的に色表示部が移動して、配列されている順に各色の光を照射することができる。このため、色を順に切り換えて変更するための装置が不要となり、簡易な構造とすることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明によれば、銀色、黒色、白色、黄色、赤色、青色、金色の順に、第1〜第7表示部を配置し、通路を通過する際に、この順序で色の光を人が浴びるように配置することによって、活力が湧き、身体的に健康になる。
請求項3に記載の本発明によれば、金色、青色、赤色、黄色、白色、黒色、銀色の順に、第1〜第7表示部を配置し、通路を通過する際に、この順序で色の光を人が浴びるように配置することによって、精神的な満足感を得て、癒される。
【0013】
請求項4に記載の本発明によれば、通路を構成する内壁の全周面を色表示部とすることによって、人の全身に各色の光が照射され、光による効果を十分に与えることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、床面に色表示部を設けることによって、装置の構成がより簡易となり、設置や撤収が容易となる。
【0014】
請求項6に記載の本発明によれば、ディスプレイ画面に色が表示されるので、暗がりにおいても、色表示機能が十分に発揮される。
請求項7に記載の本発明によれば、ディスプレイ画面に色が表示されるので、画像を任意に変更することができ、各色の表示部を配列方向に移動させることが可能となる。このため、人が止まっている場合においても、相対的に各表示部を移動させて、同じ効果を奏することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の第1実施形態の全体斜視図である。本発明の色表示装置3は、人の通路に沿って配置され、底面部21と、底面部21の両端に接続された側壁部22と、天井部23とを有する。そして、底面部21、側壁部22、22、天井部23とによって、筒状の通路5が構成される。
【0016】
通路5は、人が徒歩で通過できる程度の空間を有し、その底面及び内壁面には、人の通過する方向に沿って、色が表示された表示部が、7つ配列されている。つまり、各表示部は、底面部21、側壁部22、22の内面、天井面23と、通路を囲む環帯状に設けられ、特定の色が着色されている。このような表示部は、例えば、通路5の一端から他端へ向けて、銀色が着色された第1表示部31、黒色が着色された第2表示部32、白色が着色された第3表示部33、黄色が着色された第4表示部34、赤色が着色された第5表示部35、青色が着色された第6表示部36、金色が着色された第7表示部37が順に配置されている。
【0017】
東洋医学では、銀色がすべての臓器に対しており、癒す効果があるとされている。黒色は腎系に、白色は肺系に、黄色は脾系に、赤色は心系と小
腸系に、青色は肝系にそれぞれ対応していると言われており、また、金色はすべての臓器に対応し、臓器を活性化するとされている。
【0018】
以上のように構成される色表示装置3には、両端に通路5への出入口A、Bが設けられ、出入口A側には第1表示部31が、出入口B側には第7表示部37がそれぞれ設けられる。人が、矢印a方向、つまり出入口Aから通路5内へ入り、出入口Bへ通り抜けると、通路5を通過する際に、人体には、銀色、黒色、白色、黄色、赤色、青色、金色の順で、各色の光が当てられることとなる。前記順番で、順に各色のついた光の中を通過すると、最初に銀色により癒され、順に各内蔵系に対応した光によって臓器が良好な状態となり、最後に金色で、活性化さる。
【0019】
また、逆に人が、矢印b方向、つまり出入口Bから通路5内へ入り、出入口Aへ通り抜けると、通路5を通過する際に、人体には、金色、青色、赤色、黄色、白色、黒色、銀色の順で、各色の光が当てられることとなる。前記順番で、順に各色のついた光の中を通過すると、最初に金色で、活性化された状態となり、次に、順に各内蔵系に対応した光によって臓器が良好な状態となり、最後に銀色により癒され、満たされた気持ちとなる。
以上に、上記順番で、各色が身体に当てられ、最初と最後に銀色と金色が当てられることが、最も良好な効果が得られる色と順番である。
【0020】
このような色表示装置3は、例えば、百貨店の入口に設置される。そして、百貨店の外側が出入口B、百貨店の内側が出入口Aとなるように配置される。百貨店へ入る客は、出入口Bからはいり、出入口Aから出て、店内へ入る。これにより、元気になり、購買意欲が増した状態となり、店の売上が上がる。また、店から出る場合には、出入口Aから入り、出入口Bから出る。これにより、店内から出た客は、癒された気分となり、満足感を得ることとなる。
【0021】
また、病院や鍼灸院などの医療系の施設にでは、出入口Bを外際に、出入口Aを院内向けて配置し、患者は、出入口Bから入って、出入口Aから出て、院内に入るように、色表示装置3を設置する。このように設置することで、患者が病院に入る場合には、癒される空間への入口となり、院内に入った時点で、癒しを体験し、落ち着いた状態で治療等を受けることができる。また、治療が終わって帰る場合には、出入口Aから入って、出入口Bから出ることとなり、元気になって、病院から送り出されることとなる。この様に、設置する施設の性質に応じて、配置方向を選択して設けることにより、本発明の色表示装置3が設置された施設の効果を一層上げることができる。
【0022】
図2は、本発明の色表示装置4の他の構成を示すものである。この色表示装置4は、シート状の基体40の上面に、順に配置された第1〜第7の色表示部41〜47を有する。基体40は、変形可能な材料で構成され、任意の場所に敷くことができ、敷かれた場所の床面の凹凸に応じて、変形することが可能に構成されている。また、使用しない場合には、筒状に巻き込む、又は折り畳む等により、小さくまとめることができ、収納スペースが小さくできる構成となっている。
【0023】
基体40の長辺方向が通路5となり、基体40の一方の端から、他方の端へ、人が通過する構成となっている。
各色表示部は、銀色が着色された第1表示部41、黒色が着色された第2表示部42、白色が着色された第3表示部43、黄色が着色された第4表示部44、赤色が着色された第5表示部45、青色が着色された第6表示部46、金色が着色された第7表示部47を有し、これらの表示部は、通路5に沿って順に配置されている。
以上のように構成された色表示装置4は、例えば、絨毯、カーペット、玄関マットなどに、第1〜第7表示部を設けた構成としてもよい。
【0024】
色表示装置4の設置方向は、第1実施形態の色表示装置3の配置方向と同様であり、設置される施設の出入口において、通路5の端に相当する基体40の端部を、施設の内側と外側とにそれぞれ向けて配置する。
第1実施形態と同様に、矢印a方向(即ち、第1表示部41〜第7表示部47へ向けて)ヘ人が通過すると、通過した後に身体に活力が与えられ、矢印b方向(即ち、第7表示部47〜第1表示部41へ向けて)へ人が通過すると、身体が癒される。
【0025】
本発明の色表示装置は、施設の出入口に配置する場合に限らず、人の通る場所に設置してあればよい。なお、第2実施形態では、床面に配置する構成をとっているが、基体40を通路の壁面、天井に貼り付ける構成としてもよい。この場合の基体40は、紙、布、樹脂などで構成されたシート材で構成することが好ましい。
【0026】
以上説明した各実施形態は、各表示部に、各色の塗料や染料を着色して構成したものである。この他、各表示部を照明で構成し、各色のフィルターを介して表示する構成としてもよい。照明としては、蛍光灯、白熱灯、発光ダイオードなどがある。
【0027】
或は、表示部を液晶画面やディスプレイにより構成し、その画面に上記各色を表示した構成としてもよい。この場合に、各第1〜7表示部にそれぞれディスプレイ画面を設ける構成と、複数の表示部(例えば、第1〜7表示部)を一体として包括する大画面を設け、その画面内を複数の表示部(第1〜7表示部)に分割し、それぞれ対応する色を分割表示する構成としても良い。
【0028】
なお、大画面に複数の表示部を表示した場合には、順に配置された表示部を、画面内で配列方向に移動させて、相対的に人に対して表示部が移動する構成としてもよい。このようにすることによって、人が移動せずに止まっている状態においても、同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】色表示装置の第1実施形態の構成を示す全体斜視図である。
【図2】色表示装置の第2実施形態の構成を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
3 色表示装置
31 第1表示部
32 第2表示部
33 第3表示部
34 第4表示部
35 第5表示部
36 第6表示部
37 第7表示部
21 底面部
22 側面部
23 天井部
5 通路
A、B 出入口
4 色表示装置
40 基体
41 第1表示部
42 第2表示部
43 第3表示部
44 第4表示部
45 第5表示部
46 第6表示部
47 第7表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が通行する通路に配置され、
通路に沿って、複数の色表示部が配列され、各色表示部には、銀色、黒色、白色、黄色、赤色、青色、金色がそれぞれ表示されている色表示装置。
【請求項2】
色表示部は、第1表示部〜第7表示部を有し、
第1表示部に銀色、第2表示部に黒色、第3表示部に白色、第4表示部に黄色、第5表示部に赤色、第6表示部に青色、第7表示部に金色がそれぞれ表示され、
第1表示部、第2表示部、第3表示部、第4表示部、第5表示部、第6表示部、第7表示部の順番で順に配列されている請求項1に記載の色表示装置。
【請求項3】
色表示部は、第1表示部〜第7表示部を有し、
第1表示部に銀色、第2表示部に黒色、第3表示部に白色、第4表示部に黄色、第5表示部に赤色、第6表示部に青色、第7表示部に金色がそれぞれ表示され、
第7表示部、第6表示部、第5表示部、第4表示部、第3表示部、第2表示部、第1表示部の順番で順に配列されている請求項1に記載の色表示装置。
【請求項4】
通路を構成する内壁の全周面に、前記色表示部が設けられている請求項1〜3のいずれか1に記載の色表示装置。
【請求項5】
通路の床面に、前記色表示部が設けられている請求項1〜4のいずれか1に記載の色表示装置。
【請求項6】
色表示部は、ディスプレイ画面で構成されている請求項1〜5のいずれか1に記載の色表示装置。
【請求項7】
色表示部に表示された各色は、配列方向に移動する請求項6に記載の色表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−243337(P2006−243337A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−58701(P2005−58701)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(504420342)
【Fターム(参考)】