説明

芝の保全のための組成物およびシステム

本発明は、植物成長制御因子単独の同等の施用に比較して低い植物毒性を提供する、植物成長制御因子および顔料を含む農業用組成物を提供する。組成物は、殺菌剤をさらに含み得る。芝管理のためのシステムならびに芝を増長させるための方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の顔料を含む農業用混合物を含む組成物を含む。本発明は、組成物、製造方法、使用方法および芝保全キットを含む。
【背景技術】
【0002】
温暖期の草は、芝生、公園、ゴルフコース、地表植被、および競技場などの広範囲の商用目的のための青々とした緑のカーペットおよび覆輪を提供する。こうした草は、温暖な天気の気候および寒冷な天気の気候の温暖期においては良く成長する。しかし、寒冷な時期には、それが短くとも、バミューダグラスなどの草は、活動を停止し茶色に変化する。さらに、乾燥した冬期の条件では、これらの草は、色が変化するだけでなくその成長も阻害され結実しやすく、その結果その緑のカーペットまたは装飾効果を破壊する。寒冷期に緑のままでいる天然の草は、大抵は、温暖期の草の豊かさおよび視覚的美しさを提供しない。
【0003】
温暖な天気での使用のために温暖期用の草を植えたところでは、寒冷期で枯れたり、褐色化する効果を隠す試みがなされる。これらの試みには、寒冷期においても緑の覆いを提供するために、ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、およびペレニアルライグラスなどの寒冷期および移行性の草で暖地草の上に重ねて播種することが含まれる。にもかかわらず、気温が著しく低下すると所望の暖地草は春に再植草が必要となる。ある場合には、茶色の草を染色するために緑色の塗料を用いることによりまたは地表に緑色を保つために緑色のペレットを散布することにより、寒冷期の間、緑色の外観を保っている。高頻度の保全とコストがかかることに加えて、このような解決策は、温暖期の芝草の青々しさのための適切な代替案を提供しない。さらに、このような解決策は、実際、その下にある芝を害し得る。
【0004】
こうした塗料組成物においては、損傷を隠すためまたは季節的な休眠期の間および温暖期用草を人工的に着色するために、水およびラテックスベースの懸濁物中の永久顔料が芝に施用される。一般に、製品は永久的な緑色塗料である。しかし、こうした通常使用される顔料および色素は、芝生をその表面においてのみ着色する意図であり、その着色成分それ自体において植物に対する生理学的影響は観察されない。こうした既存の着色組成物においては、アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等の乳化物、または合成ゴムラテックスなどの水分散性のポリマー乳化物が、芝草上への着色成分の固定のための接着剤として用いられてもいる。ところで、ポリマー乳化物は、一般に、その膜形成温度より低い温度では、ポリマー膜を形成することができず、したがって着色成分、特に顔料は、特定の温度範囲外では、芝草の上に定着できない。さらに、必要な被覆を保証するには、そのような組成物は、通常、体積当たり低容量で施用され、均一な施用のために異なる方向で多数回の施用通過を必要とする。そのような製品に対する典型的な割合の例は、およそ300−800L/haである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、植物成長制御因子および顔料を含む農業用組成物を含み、この組成物は、植物成長制御因子単独の同等の施用に比較して低い植物毒性を提供する。ある実施形態において、組成物は殺菌剤をさらに含む。
【0006】
ある実施形態において、植物成長制御因子は、エテホン、トリネキサパックエチル、パクロブトラゾール、フルルプリミドールまたはこれらの組合せである。
【0007】
ある実施形態において、殺菌剤は、ホセチルアルミニウム、トリフロキシストロビン、トリアジメホン、トリチコナゾール、イプロジオンまたはこれらの組合せである。
【0008】
ある実施形態において、顔料は、フタロシアニン化合物などの、青色UV光または赤色UV光または赤色および青色UV光の両方の吸収を供給する、少なくとも1種の化合物である。より具体的には、フタロシアニン化合物は、ピグメントブルー16、バットブルー29、ピグメントブルー15、ヘリオゲングリーンGG、イングレインブルー14、イングレインブルー5、イングレインブルー1、ピグメントグリーン37、ピグメントグリーン7、またはこれらの組合せである。
【0009】
上記したように、組成物は、植物成長制御因子単独の同等の施用に比較して低い植物毒性を提供する。ある実施形態において、顔料は、組成物の全重量で、約1から約900部の間の量で存在する。
【0010】
ある実施形態において、組成物は、水性懸濁物または湿潤可能な粉末である。
【0011】
本発明はまた、少なくとも1種の顔料の植物制御量と組み合わせて、少なくとも1種の植物成長制御因子を含む組成物の有効量を施用するステップを含む、芝を増長させるための方法を含む。
【0012】
ある実施形態において、第1の植物成長制御因子は、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する。他の実施形態において、第2の植物成長制御因子は、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する。
【0013】
ある実施形態において、顔料は、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する。
【0014】
ある実施形態において、組成物は、約300から約800L/haの水の量で施用される。
【0015】
ある実施形態において、組成物は、ブルーグラス、ベントグラス、フェスク、ライグラス、ウィートグラス、ビーチグラス、オーチャードグラス、チモシー、スムーズブロム、バミューダグラス、ゾイシアグラス、セントオーグスチングラス、センチピードグラス、カーペットグラス、バヒアグラス、キクユグラス、バッファローグラス、ブルーグラマ、およびサイドオーツグラマから選択される芝に施用される。より具体的には、芝は、ブルーグラス、ベントグラス、フェスクまたはライグラスである。最も具体的には、芝は、ベントグラスである。
【0016】
本発明はまた、少なくとも1種の顔料および(少なくとも1種が成長遅延を目的とする)少なくとも1種の植物成長制御因子を含む少なくとも1回の季節的施用を含む、芝管理のためのシステムを含む。
【0017】
ある実施形態において、システムは、少なくとも1種の顔料および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む追加の季節的施用をさらに含む。
【0018】
ある実施形態において、システムは、少なくとも1種の殺菌剤、少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む追加の季節的施用をさらに含む。
【0019】
ある実施形態において、芝管理のためのシステムは、(1)少なくとも1種の殺菌剤、少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む第1の季節的施用、(2)少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む第2の季節的施用、ならびに(3)少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種が成長遅延を目的とする)少なくとも1種の植物成長制御因子を含む第3の季節的施用を含む。より具体的には、第1の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約80°Fである時に施用され、第2の季節的施用が、平均日中温度が約55°Fから約95°Fである時に施用され、第3の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約85°Fである時に施用される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の定義は、定義される用語を限定するのはなく、明らかにすることを意味している。本明細書で使用される特定の用語が具体的に定義されていないとしても、そのような用語は不明確であると考えられるべきではない。むしろ、用語はその受け入れられている意味の範囲内で用いられる。
【0021】
本明細書で用いる場合、「植物成長制御因子」という用語は、植物の成長、発達またはその両方に影響を与えるように設計された化学物質を含む。これらは、特定の植物の反応に影響を与えるように特定の目的で施用される。植物成長制御因子を使用することに関しては多くの科学的な情報が存在するが、農業的保全の性質上、植物成長制御は予測し得る科学ではない。本明細書で用いる場合、「植物成長制御因子」という用語は、植物の成長速度の減少または遅延、その色や全体的な状態の改善、刈り込みの増進のための植物の分枝の増加、または開花の促進もしくは開花の同期のために設計された製品を含む。本明細書で用いる場合、「植物成長制御因子」という用語は、芝の成長制御因子を含む。
【0022】
「植物成長制御因子」という用語は、クロフィブル酸および2,3,5−トリ−ヨード安息香酸などのアンチオーキシン、4−CPA(4−クロロフェノキシ酢酸)、2,4−D((2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸)、2,4−DB(4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸、2,4−DEP(リン酸トリス[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エチル])、ジクロロプロップ((RS)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオン酸)、フェノプロップ((RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸)、IAA(インドール−3−イル酢酸またはβ−インドール酢酸)、IBA(4−インドール−3−イル酪酸)、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、1−ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム、または2,4,5−T((2,4,5−トリクロロフェノキシ)酢酸などのオーキシン、2iP(N−(3−メチルブト−2−エニル)アデニンまたはN−(3−メチルブト−2−エニル)−1H−プリン−6−アミン)、ベンジルアデニン、カイネチンまたはゼアチンなどのサイトカイン、カルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、エテホン、メルホス、メトキスロン、ペンタクロロフェノール、チジアズロン、またはトリブホスなどの落葉剤、アビグリシン、1−メチルシクロプロペンなどのエチレン阻害剤、ACC(1−アミノシクロプロパンカルボン酸)、エタセラシル、エテホン、またはグリオキシムなどのエチレン放出剤、ジベレリンなどのジベレリン、トリネキサパック−エチル、またはジベレリン酸などのジベレリン阻害剤、アブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリダミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモル、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、または2,3,5−トリヨード安息香酸などの成長阻害剤、クロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール、またはフルレノールなどのモルファクチン、クロルメコート、ダミノジッド、フルルピリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス、またはユニコナゾールなどの成長遅延剤、ブラシノリド、ホルクロルフェヌロン、またはヒメキサゾールなどの成長促進剤を含み、さらに、ベンゾフルオル、ブミナホス、カルボン、シオブチド、クロフェンセット、クロキシホナック、シアナミド、シクラニリド、シクロヘキシミド、シプロスルファミド、エポコレオン、エチルクロザート、エチレン、フェンリダゾン、ヘプトパルギル、ホロスルフ、イナベンフィド、カレタザン、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ、プロヘキサジオン、ピダノン、シントフェン、トリアペンテノール、またはトリネキサパックなどの様々の分類されていない植物成長制御因子を含む。
【0023】
ある実施形態において、本発明は、成長を遅延させる少なくとも1種の植物成長制御因子を含む。成長を遅延させるように設計された植物成長制御因子としては、これらに限られるわけではないが、ジベレリン、トリネキサパック−エチル、ジベレリン酸、アブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリダミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモル、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、2,3,5−トリヨード安息香酸、クロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール、フルレノール、クロルメコート、ダミノジッド、フルルピリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス、またはユニコナゾールなどのジベレリン阻害剤が含まれる。
【0024】
ある実施形態において、本発明は、シードヘッドの減少を少なくする少なくとも1種の植物成長制御因子を含む。シードヘッドの成長を少なくするように設計された植物成長制御因子は、全身的な作用により作用し、これらに限られるわけではないが、カルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、メルホス、メトキスロン、ペンタクロロフェノール、チジアズロン、トリブホス、アビグリシン、1−メチルシクロプロパン、ACC、エタセラシル、エテホン、またはグリオキシムが含まれる。
【0025】
ある実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2種の植物成長制御因子を含み、植物成長制御因子の少なくとも1種が、トリネキサパック−エチルのように、成長遅延を目的とし、他の植物成長制御因子の少なくとも1種が、エテホンのように、シードヘッドの減少を目的とする。
【0026】
本明細書で用いる場合、「顔料」という用語は、農業用使用に容認されるものならばいかなる顔料も含む。例えば、「顔料」という用語は、フタロシアニン色素などの適切なベンゾポルフィリンを含む。好ましい実施形態において、農業用組成物は、青色UV光または赤色UV光または青色および赤色の両方のUV光の吸収を提供する少なくとも1種の顔料を含む。適切なフタロシアニン色素は、金属不含のフタロシアニン、または金属フタロシアニンであり得る。金属フタロシアニンを形成する金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属から選択され得る。ある実施形態において、金属は遷移金属である。適切な金属の例としては、アルカリ金属族から、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウム、アルカリ土類金属族から、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、およびラジウム、遷移金属族から、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、スカンジウム、イットリウム、ランタン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、および白金が含まれるが、これらに限られるわけではない。ある実施形態において、本発明は、少なくとも1種の、銅、ニッケル、コバルト、鉄、または亜鉛フタロシアニン色素を含む。
【0027】
本発明の方法において有用であるフタロシアニン色素は、置換または非置換の色素を含む。適切な置換フタロシアニン色素は、金属不含のフタロシアニン、または金属フタロシアニンであり得るが、それぞれイソインドール基において、独立に、1−4回置換されていてもよい。フタロシアニン色素のイソインドール基に対する適切な置換基の例としては、ハロゲン、置換または非置換の、飽和または不飽和の、直鎖の、分岐のまたは環状の、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、オニウム、スルホニウム、サルフェート、カルボキシレートが含まれるが、これらに限られるわけではない。適切なフタロシアニン色素は市場で入手可能であり、ピグメントブルー16、バットブルー29、ピグメントブルー15、ヘリオゲングリーンGG、イングレインブルー14、イングレインブルー5、イングレインブルー1、ピグメントグリーン37、およびピグメントグリーン7が含まれるが、これらに限られるわけではない。ある実施形態において、フタロシアニン色素は、ピグメントブルー15である。他の実施形態において、フタロシアニン色素は、ピグメントブルー15以外のいずれかのフタロシアニン色素である。
【0028】
したがって、ある実施形態において、顔料は、フタロシアニン化合物である。より具体的には、フタロシアニン化合物は、ピグメントブルー16、バットブルー29、ピグメントブルー15、ヘリオゲングリーンGG、イングレインブルー14、イングレインブルー5、イングレインブルー1、ピグメントグリーン37、ピグメントグリーン7およびこれらの組合せである。
【0029】
本明細書で用いる場合、「植物毒性」という用語は、植物の健康に対して有害である、いかなる化合物、組成物または試薬も含む。この用語は、植物に対して有毒であることを意味する。植物毒性は、植物の成長に対する化合物の毒性効果を記述するために使用される用語である。
【0030】
本明細書で用いる場合、「植物制御」という用語は、植物の植物毒性を制御する、いかなる化合物、組成物または試薬も含む。1つの例として、本明細書で定義するように、少なくとも1種の成長制御因子は、酸化過程の減少、皮むけ現象、または褐色化などのある種の植物毒性効果を示し得る。植物毒性効果としては、植物成長制御因子の化学的治療効果により生じるなんらかのストレスが含まれる。したがって、本明細書で用いる場合、「光制御」という用語は、本発明の組成物中に使用される少なくとも1種の顔料により提供される相乗効果を示す。以下にさらに詳細に議論するが、植物成長制御因子に顔料部分を混合することは、薬害軽減効果、すなわち、植物成長制御因子の植物毒性における減少を提供する。本発明の組成物の使用は、草および双子葉植物などの芝を本明細書では含むが、植物の健康を改善すると信じられている。
【0031】
上記したように、組成物は、植物成長制御因子単独の同等の施用に比較して低い植物毒性を提供する。ある実施形態において、顔料は、組成物の全重量で、約1から約900部の間の量で存在する。
【0032】
ある実施形態において、トリネキサパックエチルなどの第1の植物成長制御因子は、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する。
【0033】
他の実施形態において、エテホンなどの第2の植物成長制御因子は、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する。
【0034】
本発明の組成物は、いかなる農業用施用に対しても使用し得る。ある実施形態において、本発明は、草などの芝に対して有用である。ある実施形態において、ゴルフコース、競技場、およびピッチ、ならびにその他のグラウンドなどの競技用途のための芝に対して有用である。
【0035】
本発明は、冷涼期用の芝草および温暖期用の芝草を含めて全ての芝草で実行し得る。冷涼期用の芝草の例は、ケンタッキーブルーグラス(ポア・プラテンシス(Poa pratensis)L.)、ラフブルーグラス(ポア・トリビアリス(Poa trivialis)L.)、カナダブルーグラス(ポア・コンプレッサ(Poa compressa)L.)、アニュアルブルーグラス(ポア・アヌア(Poa annua)L.)、アップランドブルーグラス(ポア・グラウカンサ・ゴーダン(Poa glaucantha Gaudin))、ウッドブルーグラス(ポア・ネモラリス(Poa nemoralis)L.)、およびブルボスブルーグラス(ポア・ブルボサ(Poa bulbosa)L.)などのブルーグラス(ポア(Poa)L.)、クリーピングベントグラス(アグロスティス・パルストリス(Agrostis palustris)Huds.)、コロニアルベントグラス(アグロスティス・テニウス(Agrostis tenius)Sibth.)、ベルベットベントグラス(アグロスティス・カニア(Agrostis cania)L.)、南ドイツ混合ベントグラス(アグロスティス(Agrostis)L.)、およびレッドトップ(アグロスティス・アルバ(Agrostis alba)L.)などのベントグラスおよびレッドトップ(アグロスティス(Agrostis)L.)、レッドフェスク(フェスツカ・ルブラ(Festuca rubra)L.)、チューイングフェスク(フェスツカ・ルブラ(Festuca rubra)変種コムタタ(commutata)Gaud.)、シープフェスク(フェスツカ・オビナ(Festuca ovina)L.)、ハードフェスク(フェスツカ・オビナ(Festuca ovina)変種デュリウスキュラ(duriuscula)L.Koch)、ヘアフェスク(フェスツカ・カピラタ(Festuca capillata)Lam.)、トールフェスク(フェスツカ・アルンディナセア(Festuca arundinacea)Schreb.)、メドウフェスク(フェスツカ・エラノア(Festuca elanor)L.)などのフェスク(フェスツカ(Festuca)L.)、ペレニアルライグラス(ロリウム・ペレネ(Lollium perenne)L.)、イタリアンライグラス(ロリウム・ムルティフロルム(Lollium multiflorum)Lam.)などのライグラス(ロリウム(Lolium)L.)、フェアウエイウィートグラス(アグロピロン・クリスタツム(Agropyron cristatum)(L.)Gaertn.)、ウエスタンウィートグラス(アグロピロン・スミチイ(Agropyron smithii)Rydb.)などのウィートグラス(アグロピロン(Agropyron)Gaertn.)である。他の冷涼期用の芝草としては、ビーチグラス(アンモフィラ(Ammophila)Host.)、スムーズブロム(ブロムス・イネルミス(Bromus inermis)Leyss.)、チモシー(フレウム(Phleum)L.)、オーチャードグラス(ダグリチス・グロメラタ(Dactylis glomerata)L.)、クレステッドドッグズテイル(キノスルス・クリスタツス(Cynosurus cristatus)L.)が含まれる。温暖期用の芝草の例は、バミューダグラス(キノドン(Cynodon)L. C. Rich)、ゾイシアグラス(ゾイシア(Zoysia)Willd.)、セントオースチングラス(ステノタフルム・セクンダツム(Stenotaphrum secundatum)(Wait.)Kuntze)、センチピードグラス(エレモキオア・オピウロイデス(Eremochioa ophiuroides)(Munro.)Hack.)、カーペットグラス(アキソノプス(Axonopus)Beauv.)、バヒアグラス(パスパルム・ノタルム(Paspalum notalum)Flugge.)、キクユグラス(ペンセツム・クランデスチナム(Pennisetum clandestinum)Hochst. ex Chiov.)、バッファローグラス(ブックロエ・ダクチロイデス(Buchloe dactyloides)(Nutt.)Engelm.)、ブルーグラマ(ボウテロア・グラシリス(Bouteloua gracilis)(H.B.K.)Lag. ex Steud.)、およびサイドオーツグラマ(ボウテロア・クルチペンデュラ(Bouteloua curtipendula)(Michx.Torr.))である。
【0036】
ある実施形態において、組成物は、ブルーグラス、ベントグラス、フェスク、ライグラス、ウィートグラス、ビーチグラス、オーチャードグラス、チモシー、スムーズブロム、バミューダグラス、ゾイシアグラス、セントオースチングラス、センチピードグラス、カーペットグラス、バヒアグラス、キクユグラス、バッファローグラス、ブルーグラマおよびサイドオーツグラマから選択される芝に施用される。より具体的には、芝は、ブルーグラス、ベントグラス、フェスクまたはライグラスである。最も具体的には、芝は、ベントグラスである。
【0037】
したがって、本発明は、植物成長制御因子および顔料を含む農業用組成物を含み、この組成物は、植物成長制御因子単独の同等の施用に比較して低い植物毒性を提供する。ある実施形態において、組成物は殺菌剤をさらに含む。
【0038】
本明細書で用いる場合、「殺菌剤」という用語は、収穫、したがって利益の損失をもたらす重大な損害を与え得る、庭園および農作物における菌類または植物の展開を、抑制するために使用される化学物質を含む。卵菌は菌類ではないが、これらは、植物に寄生するのに同様な機構を用い、およびそれゆえ植物病理学において卵菌を制御するのに用いる化学物質はまた、殺菌剤として参照される。殺菌剤はまた、菌類感染に対して戦うのにも用いられる。
【0039】
殺菌剤は、接触性かまたは全身性かのいずれかである。接触性殺菌剤は、その表面に噴霧された時に菌類を殺し、全身性殺菌剤は植物によって吸収されなければならない。非限定的な例としては、芝への施用として、殺菌剤の1つのクラスは、別の言い方では、芝草において胴枯れ病として公知であるが、頭頂部および根の腐敗をターゲットとする。頭頂部および根の腐敗は、暑く、湿った気候において芝草の品質の劣化を引き起こすが、環境によるおよび管理上のストレスとの組合せで、フィチウム(Pythium)属およびリゾクトニア(Rhizoctonia)属の種により引き起こされると信じられている複雑な疾病である。
【0040】
本発明の殺菌剤としては、ベンズイミダゾール、ジカルボキシイミド、アニリド、フェニルピロール、ポリオキシン、クオール/ストロビルリン、ステロール阻害剤(DMI類)、および接触/保護殺菌剤などの製品が含まれる。本発明は、アゾキシストロビン、銅の塩基性塩または水酸化物、ベノミル、ボスカリド、カプタン、カプタホール、クロロネブ、クロロタロニル、エトリジアゾール、フェナリモル、フルジオキソニル、フルトラニル、ホルペル、ホセチルアルミニウム、イプロジオン、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、マイクロブタニル、PCNB(ペンタクロロニトロベンゼン)、ホスホン酸塩、ポリオキシンD亜鉛、炭酸カリウム、プロパモカルブ、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、硫黄、チオファネート−メチル、チラム、メタラキシルとの組合せでのトリアジメホンを含むトリアジメホン、トリフロキシストロビンおよびビンクロゾリンの少なくとも1種を含み得る。ある実施形態において、殺菌剤は、ホセチルアルミニウムである。
【0041】
個々の殺菌剤は異なる疾病や状態を制御するので、化合物の活性の範囲を完成するため、持続性を増加させるため、または殺菌剤耐性を減少させるためかのいずれかを含めて、そのような製品の組合せが所望の効果を提供し得る。
【0042】
本発明の組成物はまた、その他の殺菌剤、抗ミルデューリン誘導体、特に、2−ヒドロキシ−1,3,2−ジオキサホスホランおよびリン酸β−ヒドロキシエチルを含み得る。
【0043】
その実際上の施用のためには、本発明に従う活性物質に加えて、担体または界面活性剤を含む製剤製品の一部として、植物制御組合せの中の活性成分を用いる。
【0044】
本発明の文脈においては、担体とは、植物、種子または土への施用、またはその輸送もしくは取り扱いを促進するために、活性物質が付随される、有機のまたは鉱物の、天然のまたは合成の物質である。担体は、粘土、天然のもしくは合成のケイ酸塩、樹脂、ワックス、固体肥料、などの固体、または水、アルコール、ケトン、石油留分、クロル化炭化水素、液化ガスなどの液体であり得る。
【0045】
界面活性剤は、イオン性もしくは非イオン性乳化剤、分散剤または例えば、ポリアクリル酸およびリグニン硫酸の塩、エチレンオキシドと脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アミンとの縮合物などの湿潤化剤であり得る。
【0046】
本発明に従う組成物は、湿潤可能な粉末、可溶性粉末、噴霧可能な粉末、粒塊、溶液、乳化原液、乳化物、懸濁濃縮物およびエアロゾルの形態に調製し得る。
【0047】
本発明に従う湿潤可能な粉末は、活性物質を20から95重量%で含むような方法で調製し得、通常、固体担体に加えて、0から5重量%の湿潤化剤、3から10重量%の分散剤、および必要な場合には、0から10重量%の、浸透化剤、接着剤、塊化防止剤、着色剤等の少なくとも1種の安定化剤または他の添加剤を含む。
【0048】
水性の分散物および乳化物、例えば、本発明に従う湿潤可能な粉末または乳化原液を水で希釈して得られる組成物は、本発明の全体的な範囲に包含される。これらの乳化物は油中水型または水中油型であり得、固さが一様であり得る。
【0049】
本発明の組成物は、他の成分、例えば、保護コロイド、接着剤または増粘剤、チクソトロピー化剤、安定化剤または金属イオン封鎖剤、ならびに殺虫性を有すると公知の活性物質、特にダニ駆除剤または殺虫剤を含み得る。
【0050】
活性物質は、一般に、一緒にまたは個別のどちらかで、芝草の上にそれらの液体製剤(例えば、乳化物、または油ベースの製剤を含む水性の製剤)を噴霧することにより芝草に施用される。少なくとも1種の植物成長制御因子および少なくとも1種の顔料を含む組成物は、典型的には、ヘクタール当たり約0.01から約2kg、より好ましくは、ヘクタール当たり約0.05から15kg、さらにより好ましくは、ヘクタール当たり約0.1から0.8kgの量で施用される。ある実施形態において、組成物は、約300から約800L/haの水の量で施用される。
【0051】
本発明はまた、少なくとも1種の顔料および(少なくとも1種が成長遅延を目的とする)少なくとも1種の植物成長制御因子を含む少なくとも1回の季節的施用を含む、芝管理のためのシステムを含む。
【0052】
本明細書で使用する場合、「季節的施用」という用語は、成長の季節に付随するある時間の範囲を示すのに使用する。北半球と南半球では季節が異なるので、「春」、「秋」または「秋」などの温度的季節を示す用語は、地理的位置に依存して異なる説明を必要とする。さらに、熱帯の気候ではしばしば乾季と雨季という用語で示される季節を経験する。したがって、「季節的施用」という用語は、使用される俗称に関係なく、そのような季節に付随する客観的基準に対して、本明細書では使用する。
【0053】
したがって、春として参照されるある季節は、大部分の植物が成長を始める、通常、北半球では、3月から5月いっぱい、南半球では9月から11月の月を含むと考えられる、冬と夏の間の季節を提供する。この季節は、日中の平均気温が約30°Fから約80°Fの範囲である。
【0054】
秋と参照される別の季節は、夏から冬への移行を表す。北半球では、秋の始まりは、一般には、9月ごろであると考えられ、南半球では、その始まりは3月ごろと考えられる。しかし秋の定義には別のものが存在し、そのうちあるものは一年の月に基礎を置き、他のものは昼夜平分時および至点に基づいている。この季節は、日中の平均気温が約30°Fから約85°Fの範囲である。
【0055】
夏は、南半球では、12月、1月および2月の全部の月であり、北半球では、6月、7月および8月の全部の月である。この気象学的な夏の定義はまた、一年で最も長く最も暑い日があり、および様々な程度に変化して日中の光が優勢である季節としての夏の一般的な意識と一致する。季節の天文学的な開始の使用は、春と夏が、春は昼夜平分時から至点へ長くなり、夏は至点から昼夜平分時へ短くなるという、一日の長さのほとんど同様なパターンを有するということを意味するが、一方で気象学的な夏は、最も長い日に向かって作り上げていきその後減少する、そのため夏は春よりもより多い日中の時間を持つということを包含する。夏の季節は、日中の平均気温が約55°Fから約95°Fの範囲である。
【0056】
冬は、冬至に始まり春分で終わる。気象学的に計算すると、冬は、典型的には、昼夜平分時および至点のある月の始まりにおいて、より早く始まりおよび終わり、最も短い日と最も低い気温を持つ季節である。冬は、一般には、寒い気候を有し、特により高い緯度や高度では、雪と氷とを有する。季節の最も低い平均気温は、一般には、北半球では1月に、南半球では、6月に経験する。この季節は、日中の平均気温が約32°Fから約−35°Fの範囲である。
【0057】
ある実施形態において、システムは、少なくとも1種の顔料および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む追加の季節的施用をさらに含む。
【0058】
ある実施形態において、システムは、少なくとも1種の殺菌剤、少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む追加の季節的施用をさらに含む。
【0059】
ある実施形態において、芝管理のためのシステムは、(1)少なくとも1種の殺菌剤、少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む第1の季節的施用、(2)少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする)2種以上の植物成長制御因子を含む第2の季節的施用、ならびに(3)少なくとも1種の顔料、および(少なくとも1種が成長遅延を目的とする)少なくとも1種の植物成長制御因子を含む第3の季節的施用を含む。より具体的には、第1の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約80°Fである時に施用され、第2の季節的施用が、平均日中温度が約55°Fから約95°Fである時に施用され、第3の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約85°Fである時に施用される。
【0060】
本発明の範囲は、実施形態の組合せを含む。
【0061】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、それを限定するものであると考えられるべきではない。
【実施例1】
【0062】
Research Triangle Park、NCのBayer CropScience LP社から入手でき、PROXYという商品名で販売されているエテホンおよびGreensboro、NCのSyngenta Crop Protection Inc.社から入手でき、PRIMOという商品名で販売されているトリネキサパック−エチル(3−4週間離して2回施用)と組み合わせた、Research Triangle Park、NCのBayer CropScience LP社から入手でき、ALIETTE SIGNATUREという商品名で販売されているホセチル−Al芝殺菌剤の3回(200g/100m、120g/100m、120g/100mで3週間おき)の施用が、冷涼期のフィチウム(pythium)属および炭疽病の抑制的制御のためのシーズン前の噴霧において、パッティングの表面の品質、全体的な芝草の品質およびポア・アヌア(Poa annua)のシードヘッドの抑制を与えたかどうかを測定するために実験を行った。本実施例では、ALIETTE SIGNATUREは、Cincinnati、OhioのSun Chemical Corporation社から入手でき、SUNFASTという商品名で販売されている、固体の銅フタロシアニングリーン#7を含んでいた。Ontario、Canadaの異なる試験場所(すなわち、試験場所1および試験場所2)の二つのゴルフコースで2回の試行が行われた。両方の試験場所とも確立されたポア/ベントグラスのグリーンを使用していた。両方の試験場所で、試行は、練習用パッティンググリーンで、4種の処置で複製なしの縞状試行で行った。パッティンググリーンは、確立されたプッシュアップのポア・アヌア(Poa annua)グリーンでいくらかベントグラスがまじっていた。全ての施用は市販のゴルフコース用噴霧器で行った。
【0063】
試行試験場所1
試験場所1において、表1にまとめたように、早春処置プログラムを行った。
【0064】
【表1】

【0065】
表1にあげた上記の噴霧処置に加えて、表2にまとめたカバー噴霧を未処置の部分も含めて試行部分全体に施用した。
【0066】
【表2】

【0067】
それぞれのタイプの処置について根芯の分析を行った。6月の27日に、10個の試料から頭部3インチを集め、それぞれの試料の低部領域から分離した。頭部および低部の試料を両方ともに特殊の根の洗浄手順を使って洗浄した。それぞれの試料の新鮮重量および乾燥重量を記録し、PRIMOだけで処理した試料と比較した(重量での増加分%)。結果を表3にまとめた。最後のALIETTE SIGNATURE施用日の後、17日を要した複製なしのこの研究における、処置の根芯の分析では、ALIETTE SIGNATURE/PROXY/PRIMOの組合せにおいて根の新鮮重量および乾燥重量が、PRIMOのみの二回の施用のみを受けた未処置の対照に比べて、予期しない増加(乾燥重量で171%増加)を示した。PROXY/PRIMOプログラムでは、根の乾燥重量において125%増加したが、一方、ALIETTE SIGNATUREのみのプログラムは、未処置の対照に比べて乾燥重量が全く増加しなかった。
【0068】
【表3】

【0069】
6以上を受容できるという順位として0−9までのスケールで、芝の品質も評価した。処置の評価を表4にまとめた。これらのデータは、ALIETTE SIGNATUREおよびPRIMO/PROXYの組合せプログラムの早春のプログラムで処置されたポア・アヌア(Poa annua)/ベントグラスグリーンは、試験の2カ月の期間を通して、ALIETTE SIGNATURE単独またはPRIMO/PROXY単独に比べて、芝の品質が最良であるという評価を示した。これらの3つのプログラム全ては、総管理長によって用いられる正規の標準プログラムで実質的に処置された未処置のプロットを超えていた(表2参照)。
【0070】
【表4】

【0071】
ポア・アヌア(Poa annua)のシードヘッド被覆率の割合も測定した。これらの結果は、表5にまとめたように、ALIETTE SIGNATUREは、2種の植物成長制御因子化合物と組み合わせた時に、シードヘッドの数を劇的に減少させることを示す。
【0072】
【表5】

【0073】
試験場所2
試験場所2においては、表6にまとめたように、処置は市販のゴルフコース噴霧器(噴霧容量400L/Ha)で施用した。パッティンググリーンは、PROXY/PRIMOを施用した4月20日までにはすでにシードヘッドを示していた若い侵出しやすいポア・アヌア(Poa annua)であった。葉の炭疽病がグリーンの未処置の部分に侵入し、6月の初期に激しく感染した。
【0074】
【表6】

【0075】
表6に示した噴霧処理に加えて、未処置の対照も含めて全体の試験にカバー噴霧を施用した。これらのカバー噴霧は、表7にまとめた。
【0076】
【表7】

【0077】
6以上を受容できるという順位として0−9までのスケールで、芝の品質を評価した。処置の順位は表8にまとめた。
【0078】
【表8】

【0079】
ALIETTE SIGNATUREおよびPROXY/PRIMOプログラムの組合せの早春のプログラム(未処置の対照(UTC)を含む全ての処置に対して施用された、HERITAGE、BANNER MAXXおよびBANNER MAXXとGreensboro、NCのSyngenta Crop Protection Inc.社から入手でき、DACONILという商品名で販売されている、殺菌剤との組合せの広範囲のスペクトラムのコア処置を含む)の下で処置されたポア・アヌア(Poa annua)/ベントグラスのグリーンは、常に、ポア・アヌア(Poa annua)の約50から60%のシードヘッド制御とともに、改善された芝の色、高い密度、全体的に改善された芝草の健康および改善されたパッティング表面を示した。色の改善は、ALIETTE SIGNATUREの施用後直ちにあった。PROXY/PRIMO単独は、3−4週間の期間に渡って、色の改善およびパッティング品質の全体的な改善を示した。ALIETTE SIGNATUREおよびPROXY/PRIMOの両方を含む組合せの処置は、4月17日から6月12日のその他の処置の全てよりも常に高い芝品質の評価を示した。葉の炭疽病が試験的な処置において侵入したが、未処置の対照のプロットにおいては顕著に感染性であった。
【実施例2】
【0080】
(a)アニュアルブルーグラスおよびクリーピングベントグラスの両方に対する、炭素取り置きおよびそれにより起こる熱ストレスに対するPROXYの効果、および(b)アニュアルブルーグラスおよびクリーピングベントグラスにおける、熱ストレスの増加におけるALIETTE SIGNATUREと組み合わせて用いたPROXYの組合せ効果を測定するために、試験を行った。
【0081】
砂ベースの養生グリーンに生育しているペンクロスクリーピングベントグラスおよびアニュアルブルーグラスのひこばえをフィールドから持ち込み、アメリカ合衆国ゴルフ協会(USGA)仕様に従った砂を満たした直径10cm、深さ30cmのポリ塩化ビニル(PVC)管中へ移した。植物は温室中で、低い高さでカットし、実験が始まる前に順化させるために成長チャンバー中へ移した。それぞれの種に対して高温下(35°日中/30°夜間)で4つの処置(合計で8個)を行った。ベントグラスに対する処置について表9にまとめた。アニュアルブルーグラスに対する処置については、表10にまとめた。両方の場合に、PROXYおよびSIGNATUREは、水溶液で100ml/mの割合で施用した。
【0082】
【表9】

【0083】
【表10】

【0084】
1週間の成長チャンバー順化期間の終了においてベースラインの測定で、実験を始めた。測定には、一般的な芝品質の評価および草頂部反射率から推定されるクロロフィル含量が含まれた。全ての処置は、熱ストレスが導入される前に2週間の間隔で2回施用した。第5週において、全ての処置に対して熱処置が施用された。第3週において4日、成長チャンバー中の日中/夜間の温度は、開始温度(20℃日中/15℃夜間)から、15日後には、35℃日中/30℃夜間になるまで徐々に上昇させた。実験を通じて、温度範囲のもとで最適な成長を維持するために、植物に水と肥料を与えた。
【0085】
水がれ/熱ストレス症状および生存している被覆の観点で、視認により10が最高である0−10のスケールで、ポットを評価した。ベントグラスに対する視認評価の結果を表11にまとめた。ブルーグラスに対する視認評価の結果を表12にまとめた。
【0086】
【表11】

【0087】
【表12】

【0088】
試験の終了時に収穫した根を乾燥し、重量を計った。根系を上部10cmおよび下部20cmに分けた。ベントグラス処置の乾燥物質重量(6個のポットの平均)を表13にまとめた。ブルーグラス処置の乾燥物質重量(6個のポットの平均)を表14にまとめた。
【0089】
【表13】

【0090】
【表14】

【0091】
PROXYで処置したクリーピングベントグラスおよびブルーグラスの両方は、草頂部反射率の読みが顕著に減少していた。熱ストレスが減少を増加させた。SIGNATUREそれ自体は、対照と比較して、ブルーグラスまたはクリーピングベントグラスのいずれに対してもほとんど効果は無かった。PROXYとSIGNATUREを組み合わせて処置するとブルーグラスにおいて薬害軽減効果を示した。ブルーグラスにおけるPROXYとSIGNATUREの組合せの薬害軽減効果は、明らかであり、特に、根の乾燥物質の差で示されているように、根系の下部20cmにおいて明らかである。
【実施例3】
【0092】
ピグメントグリーン#7の着色製剤である液体集注版のためのSC製剤またはResearch Triangle Park、NCのBayer CropScience LP社から入手でき、STRESSGARDの商品名で市販されている、ピグメントグリーン#7の固体版のためのWG製剤のいずれかを、Research Triangle Park、NCのBayer CropScience LP社から入手でき、CHIPCO SIGNATUREの商品名で市販されている、ホセチル−Al芝殺菌剤と、個別にPROXYおよびPROXY/PRIMOと組み合わせた場合の芝の品質に与える効果を求めるために、圃場実験を行った。試験は、ポア・アヌア(Poa annua)/ベントグラスの60/40混合スタンドのプッシュアップグリーン(土ベースのグリーン)で行った。処置を表15にまとめた。
【0093】
【表15】

【0094】
未処置の対照を除いて、全ての処置(2−8)は、200°日(基準は50°F)に基づき4月19日に行った。CHIPCO SIGNATURE単独は、5月4日に8カ所にのみ施用した。次いで、全ての処置(2−8)を5月10日に再施用した。6月19日に、4個の根のコアサンプルを試験中のそれぞれのプロットから採取した。試験は4個の複製を有するランダム化完全ブロックデザイン(RCBD)に従い設定した。それぞれの試料の上部4インチを合わせて別々に袋詰めした。残りの下部4インチのコアサンプルも処置ごとに合わせ別々に袋詰めした。芝のコアを洗浄し上部4インチの試料および下部4インチの試料に対して、乾燥根の重量を求めた。試験中、0−10(6=容認レベル)のスケールで芝品質視認評価およびプロット当たり%ポア・アヌア(Poa annua)シードヘッド出現評価%を測定した。
【0095】
8つの全ての処置の平均全根重量(グラム)を計算した。ピグメントグリーン#7のない処置(すなわち、1、2および4)では、根の重量が最低であった。8つの処置の上部4インチに対しても平均全根重量(グラム)を計算した。ピグメントグリーン#7のない処置(すなわち、1、2および4)では、根のコアサンプルの上部4インチにおける平均根重量が最低であった。最後に、8つの処置の下部4インチの全根重量に対して、平均全根重量(グラム)を計算した。未処置のプロットおよびピグメントグリーン#7を単独で施用したプロット(処置3)は、下部4インチ平均全根重量が最も高かった。PROXYを含む全ての処置が、未処置の対照およびピグメントグリーン#7単独の処置に比較して深さ下部4インチの根重量が低かった。ピグメントグリーン#7がPROXYに加えられると(処置5)、PROXY単独の処置(処置2)に比較して、下部4インチの根重量サンプルにおいて顕著な増加(約50%の増加)が達成された。このように、ピグメントグリーン#7は、少なくとも1種の植物成長制御因子と組み合わされると、根重量を増加させる能力があることを示している。
【0096】
次に、6およびそれ以上が受容できるという評価で0−10のスケールで、芝品質を評価した。処置の平均の芝品質評価を表16にまとめた。概して言えば、この試験では、ピグメントグリーン#7は、PROXYまたPROXY/PRIMOと組み合わせると、CHIPCO SIGNATUREがそうであったのと同様に、芝品質を改善することが示された。
【0097】
【表16】

【0098】
最後に、PROXY/PRIMO/ピグメントグリーン#7およびサイクルアニリド(Cycleanilide)/PROXY/PRIMO/ピグメントグリーン#7の組合せ処置は、最低のシードヘッド数を生んだ。後者の処置は、試験(98%制御)においては優れたシードヘッド抑制を示し、その他の全ての処置とは統計的に顕著に異なっていた。
【実施例4】
【0099】
TRIMMIT 2SCの商品名で市販されている(Greensboro、NCのSyngenta Crop Protection社から入手できる)パクロブトラゾールおよびPRIMOを、単独およびピグメントグリーン#7と組み合わせて使用した場合に、ベントグラスの芝品質、色および植物毒性を測定するために試験を行った。処置を表17にまとめた。
【0100】
【表17】

【0101】
芝品質は1−9のスケールで評価した。処置の芝品質評価を表18にまとめた。ピグメントグリーン#7で処置したプロットは、PRIMOまたはパクロブトラゾールと組み合わせた時に芝品質の改善が示された。
【0102】
【表18】

【0103】
次に、植物毒性(phygen)を評価した。結果は表19にまとめた。ピグメントグリーン#7で処置したプロットは、植物成長制御因子化合物のみで処置したプロットに比べて、より低い植物毒性評価を示した。また、ピグメントグリーン#7のより高い施用量(L/Ha)で処置したプロットは、ピグメントグリーン#7のより低い施用量で同じ植物成長制御因子を受けたプロットに対して改善された植物毒性を示した。
【0104】
【表19】

【0105】
芝の色を1−9のスケールで評価した。処置の着色評価を表20にまとめた。ピグメントグリーン#7で処置したプロットは、PRIMOと組み合わせた時、芝の色が改善されることを示した。パクロブトラゾールで処置されたプロットは、PRIMOで処置されたプロットならびにPRIMOおよびピグメントグリーン#7で処置されたプロットに対して改善された芝の色を示した。
【0106】
【表20】

【0107】
本発明の特定の実施形態は、本明細書において例示され詳細に記載されたが、本発明はそれらに限定されるものではない。上記の詳細な記述は本発明の例示として提供され、本発明のいかなる限定も構成するものと考えられるべきではない。当業者にとっては修正は明白であり本発明の精神から逸脱しない全ての修正は、添付している請求項の範囲に含まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の植物成長制御因子、および
少なくとも1種の顔料
を含み、植物制御を提供する、農業用組成物。
【請求項2】
少なくとも1種の殺菌剤
をさらに含む、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の植物成長制御因子が、エテホン、トリネキサパックエチル、パクロブトラゾール、フルルプリミドールまたはこれらの組合せである、請求項1または2に記載の農業用組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の殺菌剤が、ホセチルアルミニウム、トリフロキシストロビン、トリアジメホン、トリチコナゾール、イプロジオンまたはこれらの組合せである、請求項2または3に記載の農業用組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の顔料が、フタロシアニン化合物である、請求項1から4に記載の農業用組成物。
【請求項6】
フタロシアニン化合物が、ピグメントブルー16、バットブルー29、ピグメントブルー15、ヘリオゲングリーンGG、イングレインブルー14、イングレインブルー5、イングレインブルー1、ピグメントグリーン37、ピグメントグリーン7、またはこれらの組合せである、請求項5に記載の農業用組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の顔料が、組成物の全重量で、約1から約900部の間の量で存在する、請求項1から6に記載の農業用組成物。
【請求項8】
組成物が、水性懸濁物または湿潤可能な粉末である、請求項1から7に記載の農業用組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の顔料の植物制御量と組み合わせて、少なくとも1種の植物成長制御因子を含む組成物の有効量を施用するステップを含む、芝を増長させるための方法。
【請求項10】
第1の植物成長制御因子が、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の植物成長制御因子が、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
顔料が、組成物の全重量で、約1から約900部のおよその量で存在する、請求項9から11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、約300から約800L/haの量で施用される、請求項9から12に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、ブルーグラス、ベントグラス、フェスク、ライグラス、ウィートグラス、ビーチグラス、オーチャードグラス、チモシー、スムーズブロム、バミューダグラス、ゾイシアグラス、セントオーグスチングラス、センチピードグラス、カーペットグラス、バヒアグラス、キクユグラス、バッファローグラス、ブルーグラマおよびサイドオーツグラマから選択される芝に施用される、請求項9から13に記載の方法。
【請求項15】
芝が、ブルーグラス、ベントグラス、フェスクまたはライグラスである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
a)少なくとも1種の顔料、および
b)少なくとも1種が成長遅延を目的とする少なくとも1種の植物成長制御因子
を含む少なくとも1回の季節的施用
を含む、芝管理のためのシステム。
【請求項17】
a)少なくとも1種の顔料、および
b)少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする2種以上の植物成長制御因子
を含む追加の季節的施用
をさらに含む、請求項16に記載の芝管理のためのシステム。
【請求項18】
a)少なくとも1種の殺菌剤、
b)少なくとも1種の顔料、および
c)少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする2種以上の植物成長制御因子
を含む追加の季節的施用
をさらに含む、請求項16または17に記載の芝管理のためのシステム。
【請求項19】
1)a)少なくとも1種の殺菌剤、
b)少なくとも1種の顔料、および
c)少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする2種以上の植物成長制御因子
を含む第1の季節的施用、
2)a)少なくとも1種の顔料、および
b)少なくとも1種がシードヘッドの減少を目的とし、少なくとも1種が成長遅延を目的とする2種以上の植物成長制御因子
を含む第2の季節的施用、
ならびに
3)a)少なくとも1種の顔料、および
b)少なくとも1種が成長遅延を目的とする少なくとも1種植物成長制御因子
を含む第3の季節的施用
を含む、請求項16から18に記載の芝管理のためのシステム。
【請求項20】
第1の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約80°Fである時に施用され、第2の季節的施用が、平均日中温度が約55°Fから約95°Fである時に施用され、および第3の季節的施用が、平均日中温度が約30°Fから約85°Fである時に施用される、請求項19に記載の芝管理のためのシステム。

【公表番号】特表2011−517460(P2011−517460A)
【公表日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504023(P2011−504023)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/034484
【国際公開番号】WO2009/126370
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【Fターム(参考)】