説明

芳香族アミン化合物の製造方法

【課題】収率よく合成することができる芳香族アミン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法は、塩基存在下で、イオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物と、アリールハライドまたはアルキルハライドとを反応させる工程を含み、
前記イオン性化合物が、リン原子を含有するカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族アミン化合物の製造方法に関し、特にイオン性化合物を触媒の一つとして用いてアミン化合物とハライドとを反応させる芳香族アミン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン性化合物の一形態であるイオン液体(イオン性液体、イオン性流体または常温溶融塩とも称される)は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩である。イオン液体の特徴として、−50〜400℃の幅広い温度領域において液体状態であることが挙げられ、室温(25℃)において液体状態であるものも多数知られている。
【0003】
このようなイオン液体は、非プロトン性のイオン構造に基づく高い極性を示し、有機化合物および無機化合物に対して優れた溶解力を有する。この性質を利用して、イオン液体を、有機合成の反応溶媒として用いる試みが数多くなされている。イオン液体を反応溶媒として用いる場合、溶質はイオンのみに溶媒和されるため、水および有機溶媒を反応溶媒として用いる場合と全く異なる環境下で反応が進行する。また、イオン液体の中には、水および極性の低い有機溶媒に溶けにくい性質を有するものもあり、多相反応の環境を提供することもできる。さらに、揮発性もほとんどないため、安全性の面からも優れ、有機合成における反応溶媒として大きな注目を集めている。
【0004】
たとえば、イオン性化合物を反応溶媒に用いた合成法の例が、非特許文献2から非特許文献13に報告されている。具体的には、フリーデル‐クラフト反応(非特許文献10、11参照)、ディールス‐アルダー反応(非特許文献12、13参照)、鈴木‐宮浦カップリング反応、ウィッティヒ反応、金属触媒を利用した不斉合成反応、薗頭カップリング反応(非特許文献7参照)、溝呂木‐Heck反応(非特許文献8参照)、カルボニル化反応(非特許文献9参照)などが知られている。
【非特許文献1】大有機化学,vol.16,52(1959),朝倉書店、有機化学講座3,66(1983),丸善、等参照)
【非特許文献2】T.Welton,Chem.ReV.,1999,2071
【非特許文献3】J.D.Holbrey,K.R.Seddon,Clean Prod.Proc.,1,1999,223
【非特許文献4】P.Wasserscheid,et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,2000,39,3772
【非特許文献5】R.Sheldon,Chem.Commun.,2001,2399
【非特許文献6】D.Zhao,M.Wu,Y.Kou,E.Min,Catal.Today,2002,74,157
【非特許文献7】T.Fukuyama,M.Shinmen,S.Nishitani,M.Sato,and I.Ryu,0rg.Lett.,4,1691(2002)
【非特許文献8】S.Liu,T.Fukuyama,M.Sato,and I.Ryu,Synlett.,1814(2004)
【非特許文献9】T.Fukuyama,R.Yamaura,and I.Ryu,Can.J.Chem.,83,711(2005)
【非特許文献10】Song,C.E.;Shim,W.H.;Roh,E.J.;Choi,J.H.;Chem.Commum.;2000,1695
【非特許文献11】J.A.Boon,J.A.Levisky,J.L.Pflug,J.S.Wilkes.J.Org.Chem.51,480(1986)
【非特許文献12】M.J.Earle,;P.B.McCormac,;K.R.Seddon,;Green Chem.;1999,1,23
【非特許文献13】J.Howarth,K.Hanlon,D.Fayne,P.McCormac.Tetrahedron Lett.38,3097(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、医農薬分野における重要な中間体や、電子輸送材料として有用なアリールアミン類の合成については、非特許文献1に記載されているように、アリールハライドとアミン化合物とから、銅触媒やパラジウム触媒を用いて合成する方法が知られているが、イオン性液体またはイオン性化合物を含む反応系で合成された例は報告されていない。
【0006】
イオン性液体またはイオン性化合物を含む反応系での有機合成を実現できることにより、反応溶媒や触媒の再利用を可能にするなどの様々な従来技術の合成とは異なる利点を有する合成を実現できることが想定され、イオン性化合物を利用した芳香族アミン化合物の製造方法の開発が期待されている。
【0007】
本発明は、上記目的に鑑みてなされたものであり、その目的は、イオン性化合物を用いて、収率よく合成することができる芳香族アミン化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、芳香族アミン化合物の製造方法について鋭意検討した。その結果、特定のイオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物と、ハライドとを反応させることで、収率よく芳香族アミン化合物を合成できる新規な芳香族アミン化合物の製造方法を見出した。
【0009】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法は、塩基およびイオン性化合物の存在下で、金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドとを反応させる工程を含み、
該アミン化合物および該ハライドの少なくとも一方はアリール基を含み、該イオン性化合物は、リン原子を含むカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物であることを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記イオン性化合物は、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
(式(1)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、Aはハロゲン原子またはアニオン性分子であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよく、さらに、該アルキル基は分岐鎖を有していてもよい。なお、複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物であることが好ましい。
【0013】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記アミン化合物は、下記一般式(2)
NH−(R3−n・・・(2)
(式(2)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、該アリール基または該アルキル基は、置換基を有していてもよく、該アルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。nは1または2整数である。複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物であることが好ましい。
【0014】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記アリールハライドまたは前記アルキルハライドは、下記一般式(3)
−X・・・(3)
(式(3)中、Rは、アリール基または炭素数1〜8のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよい。)で示される化合物であることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記イオン性化合物は、イオン液体であることが好ましい。本発明において、イオン液体とは、イオン性液体、イオン性流体または常温溶融塩とも称されることがあり、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩である。つまり、−50〜400℃の幅広い温度領域において液体状(溶融している)の化合物である。
【0016】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記金属化合物は、遷移金属元素を有する化合物であることが好ましい。
【0017】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法では、前記塩基は、金属アルコキシドであることが好ましい。
【0018】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法は、塩基存在下で、イオン性化合物および金属化合物を触媒として、アリール基を含むアミン化合物とハライドとを反応させる工程を含み、該イオン性化合物は、リン原子を含むカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物であることを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法は、塩基存在下で、イオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物とアリールハライドとを反応させる工程を含み、該イオン性化合物は、リン原子を含むカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物であることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、リン原子を含むカチオン部位と、アニオン部位とからなるイオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドとを反応させることにより、収率よく芳香族アミン化合物を合成し得る新規な芳香族アミン化合物の製造方法を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定のイオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドを反応させることにより、収率よく芳香族アミン化合物を合成し得る新規な芳香族アミン化合物の製造方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明について、さらに、詳細に説明する。
【0023】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法は、塩基および特定のイオン性化合物の存在下で金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドとを反応させる工程を含む。このとき、アミン化合物およびハライドの少なくとも一方は、アリール基を含む化合物である。
【0024】
(アミン化合物)
本発明における製造方法で使用されるアミン化合物としては、第1級アミン化合物および第2級アミン化合物を例示することができる。アミン化合物としては、脂肪族アミン化合物あるいは芳香族アミン化合物を用いることができる。
【0025】
脂肪族アミン類は、一級アミン類として、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族一級アミン類を例示することができる。
【0026】
芳香族アミン類としては、下記一般式(2)
NH−(R3−n・・・(2)
(式(2)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、該アリール基またはアルキル基は、置換基を有していてもよい。nは1または2の整数である。また、複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物が好ましい。
【0027】
具体的には、アニリン、o−フルオロアニリン、m−フルオロアニリン、p−フルオロアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2−ナフチルアミン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル等の芳香族一級アミン類が挙げられる。また、二級アミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルホモピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−エトキシカルボニルピペラジン、N−ベンジルピペラジン、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、3,3−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、4−ピペリドン エチレンケタール、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン等の環状二級アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、芳香環に置換基を有してもよいN−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−メチルベンジルアミン、N−メチルフェネチルアミン、ジフェニルアミン誘導体等のような非環状二級アミン類等が挙げられる。
【0028】
本発明において、アミン化合物は、アリールハライドまたはアルキルハライド1モルに対して0.2モル以上、2.0モル以下、またはアリールハライドの環上のハロゲン原子1モルに対して0.2モル以上、2.0モル以下の範囲で反応系に存在すればよい。未反応のアミン化合物の回収が煩雑になることを考慮すると、アリールハライド1モルに対して0.4モル以上、1.2モル以下の範囲、又はアリールハライドの環上のハロゲン原子1モルに対し0.4モル以上、1.2モル以下の範囲で反応系に存在することが好ましい。
【0029】
(ハライド)
本発明にかかる製造方法で用いられるハライドとしては、アリールハライドまたはアルキルハライドを用いることができる。具体的には、下記一般式(Y)で示す化合物を挙げることができる。
−X・・・(3)
(式(3)中、Rは、アリール基または炭素数1から8のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよい。)
が、アリール基であるアリールハライドとしては、たとえば、下記の化合物を例示することができる。ブロモベンゼン、o−ブロモアニソール、m−ブロモアニソール、p−ブロモアニソール、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、2−ブロモベンゾトリフロリド、3−ブロモベンゾトリフロリド、4−ブロモベンゾトリフロリド、1−ブロモ−2,4−ジメトキシベンゼン、1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン、2−ブロモフェネチルアルコール、3−ブロモフェネチルアルコール、4−ブロモフェネチルアルコール、5−ブロモ−1,2,4−トリメチルベンゼン、2−ブロモ−m−キシレン、2−ブロモ−p−キシレン、3−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−m−キシレン、5−ブロモ−m−キシレン、1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ブロモビフェニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、4−ブロモ−1,2−(メチレンジオキシ)ベンゼン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ブロモ−2−メチルナフタレン、1−ブロモ−4−メチルナフタレン等のアリールブロマイド類;
クロロベンゼン、o−クロロアニソール、m−クロロアニソール、p−クロロアニソール、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2−クロロベンゾトリフロリド、3−クロロベンゾトリフロリド、4−クロロベンゾトリフロリド、1−クロロ−2,4−ジメトキシベンゼン、1−クロロ−2,5−ジメトキシベンゼン、2−クロロフェネチルアルコール、3−クロロフェネチルアルコール、4−クロロフェネチルアルコール、5−クロロ−1、2、4−トリメチルベンゼン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−m−キシレン、5−クロロ−m−キシレン、1−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−クロロビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−クロロ−2−メチルナフタレン、1−クロロ−4−メチルナフタレン等のアリールクロライド類;
ヨードベンゼン、o−ヨードアニソール、m−ヨードアニソール、p−ヨードアニソール、o−ヨードトルエン、m−ヨードトルエン、p−ヨードトルエン、o−ヨードフェノール、m−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、2−ヨードベンゾトリフロリド、3−ヨードベンゾトリフロリド、4−ヨードベンゾトリフロリド、1−ヨード−2,4−ジメトキシベンゼン、1−ヨード−2,5−ジメトキシベンゼン、2−ヨードフェネチルアルコール、3−ヨードフェネチルアルコール、4−ヨードフェネチルアルコール、5−ヨード−1,2,4−トリメチルベンゼン、2−ヨード−m−キシレン、2−ヨード−p−キシレン、3−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−m−キシレン、5−ヨード−m−キシレン、1−ヨード−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1−ヨード−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ヨードビフェニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨードビフェニル、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ヨード−2−メチルナフタレン、1−ヨード−4−メチルナフタレン等のアリールアイオダイド類;
フルオロベンゼン、o−フルオロアニソール、m−フルオロアニソール、p−フルオロアニソール、o−フルオロトルエン、m−フルオロトルエン、p−フルオロトルエン、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、2−フルオロベンゾトリフロリド、3−フルオロベンゾトリフロリド、4−フルオロベンゾトリフロリド、1−フルオロ−2,4−ジメトキシベンゼン、1−フルオロ−2,5−ジメトキシベンゼン、2−フルオロフェネチルアルコール、3−フルオロフェネチルアルコール、4−フルオロフェネチルアルコール、5−フルオロ−1,2,4−トリメチルベンゼン、2−フルオロ−m−キシレン、2−フルオロ−p−キシレン、3−フルオロ−o−キシレン、4−フルオロ−o−キシレン、4−フルオロ−m−キシレン、5−フルオロ−m−キシレン、1−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4−フルオロ−1,2−(メチレンジオキシ)ベンゼン、1−フルオロナフタレン、2−フルオロナフタレン、1−フルオロ−2−メチルナフタレン、1−フルオロ−4−メチルナフタレン等のアリールフルオリド類等が例示される。
【0030】
また、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、4、4’−ジブロモビフェニル、4、4’−ジクロロビフェニル、4、4’−ヨードビフェニル、1−ブロモ−2−フルオロベンゼン、1−ブロモ−3−フルオロベンゼン、1−ブロモ−4−フルオロベンゼン、2−ブロモクロロベンゼン、3−ブロモクロロベンゼン、4−ブロモクロロベンゼン、2−ブロモ−5−クロロトルエン、3−ブロモ−4−クロロベンゾトリフロリド、5−ブロモ−2−クロロベンゾトリフロリド、1−ブロモ−2,3−ジクロロベンゼン、1−ブロモ−2,6−ジクロロベンゼン、1−ブロモ−3,5−ジクロロベンゼン、2−ブロモ−4−フルオロトルエン、2−ブロモ−5−フルオロトルエン、3−ブロモ−4−フルオロトルエン、4−ブロモ−2−フルオロトルエン、4−ブロモ−3−フルオロトルエン等のハロゲン原子を二つ以上有するアリールハライドも本発明において使用されるアリールハライドとして例示することができる。
【0031】
また、Rは炭素数1から8のアルキル基であってもよい。このようなアルキルハライドとしては、クロロメタン、ブロモメタン、ヨードメタン、クロロエタン、ブロモエタン、ヨードエタン、1−クロロプロパン、1−ブロモプロパン、1−ヨードプロパン、2−クロロプロパン、2−ブロモプロパン、2−ヨードプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、1−ヨード−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、2−ヨード−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−ブロモブタン、1−ヨードブタン、2−クロロブタン、2−ブロモブタン、2−ヨードブタン、1−クロロペンタン、1−ブロモペンタン、1−ヨードペンタン、2−クロロペンタン、2−ブロモペンタン、2−ヨードペンタン、1−クロロヘキサン、1−ブロモヘキサン、1−ヨードヘキサン、1−クロロヘプタン、1−ブロモヘプタン、1−ヨードヘプタン、1−クロロオクタン、1−ブロモオクタン、1−ヨードオクタンを例示することができる。
【0032】
(イオン性化合物)
本発明にかかるイオン性化合物とは、リン原子を含有するカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物である。具体的には、下記一般式(1)で示す化合物である。
【0033】
【化2】

【0034】
(式(1)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、Aはハロゲン原子またはアニオン性分子であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよく、さらに、該アルキル基は分岐鎖を有していてもよい。複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)。
【0035】
がアルキル基の場合、Rは、炭素数1から20のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数が1から8のアルキル基である。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基を挙げることができるが、これに限定されるわけではない。
【0036】
がアリール基の場合、フェニル基、トリル基、ナフチル基を挙げることができるが、これに限定されるわけではない。
【0037】
一般式(1)で示される化合物としては、具体的には、カチオン部位が、トリフェニルn‐ヘキシルホスホニウムカチオン、トリフェニルn−オクチルホスホニウムカチオン、トリフェニルメチルホスホニウムカチオンの一種であり、アニオン部位がハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、テトラフルオロボラートアニオン、ヘキサフルオロボラートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、N(CFSO、N(CN)、C(CN)、CHOSO、または(CPO−の一種であるイオン性化合物を例示することができる。
【0038】
本発明にかかる製造方法において、イオン性化合物は、ハライド(またはアミン化合物)に対して、0.00001モル以上であることが好ましく、0.0001モル以上、10モル以下であることがより好ましく、0.0001モル以上、0.2モル以下であることがさらに好ましい。
【0039】
また、イオン性化合物としては、イオン液体であることが好ましい。この場合、イオン性化合物を溶媒として用いることができる。ここで、イオン液体は、イオン性液体、イオン性流体または常温溶融塩とも称されることがあり、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩である。つまり、−50〜400℃の幅広い温度領域において液体状(溶融している)である。
【0040】
本発明で好適に用いられるイオン性化合物は、トリフェニルn−オクチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、トリフェニルn−オクチルホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルn−オクチルホスホニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリフェニルn−オクチルホスホニウム−ジシアナミド、トリフェニルn−ヘキシルホスホニウム−テトラフルオロボレート、トリフェニルn−ヘキシルホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルn−ヘキシルホスホニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリフェニルn−ヘキシルホスホニウム−ジシアナミド、トリt−ブチル−n−オクチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、トリt−ブチル−n−オクチルホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリt−ブチル−n−オクチルホスホニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリt−ブチル−n−オクチルホスホニウム−ジシアナミド、トリt−ブチル−n−ヘキシルホスホニウム−テトラフルオロボレート、トリt−ブチル−n−ヘキサフルホスホニウム−ヘキシルオロホスフェート、トリt−ブチル−n−ヘキシルホスホニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリt−ブチル−n−ヘキシルホスホニウム−ジシアナミドなどを例示することができる。
【0041】
(金属化合物)
本発明にかかる製造方法において用いられる金属化合物としては、前述のイオン性化合物と反応し、触媒作用を示すことができる化合物である。具体的には、遷移金属元素を含有する化合物であることが好ましい。このような、金属化合物として、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Os,Ir,Pt、Au、Hg、Tlの群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する化合物を挙げることができる。この中でも、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptが好ましく、Ni、Pd、Ptがより好ましく、Pdがさらに好ましい。
【0042】
金属化合物は、上記の金属元素のうち、パラジウム化合物を好適に用いることができる。パラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価パラジウム化合物類、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)等の2価パラジウム化合物類、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の0価パラジウム化合物類等が挙げられる。
【0043】
本発明において、金属化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、アリールハライドまたはアルキルハライド1モルに対し金属元素換算で0.00001モル(0.001モル%)以上であることが好ましい。パラジウム化合物が上記範囲内であれば、高い転化率で芳香族アミン化合物を製造することができる。さらに、活性を向上させるために、より好ましいパラジウム化合物の使用量は、アリールハライドまたはアルキルハライド1モルに対し、パラジウム換算で0.00025モル(0.025モル%)以上である。なお、この範囲は、経済性を考慮したときに、十分に効果を発揮できる範囲である。
【0044】
(反応)
本発明にかかる製造方法では、塩基存在下で、イオン性化合物および金属化合物を触媒として上記アミン化合物とハライドとを反応させる。具体的には、下記の反応式(1)に従って芳香族アミン化合物を製造する。なお、以下の反応式(1)では、ハライド中のハロゲン原子のうち、1つのハロゲン原子がアミン化合物で置換された例を示すが、これに限定されることはない。たとえば、2つ以上のハロゲン原子を含有するハライドを用いたときには、該ハライド中の2つ以上のハロゲン原子がアミン化合物で置換された芳香族アミン化合物を製造することができる。
【0045】
【化3】

【0046】
(上記反応式(1)において、Rは、アリール基またはアルキル基を示し、Rは、アリール基またはアルキル基を示し、Rは、アリール基または炭素数1〜8のアルキル基を示す。反応式(1)において、アリール基またはアルキル基は置換基を有していてもよい。nは1または2である。X+Y=nであり、Xは0または1であり、Yは1または2である。なお、RおよびRの少なくとも1つはアリール基であり、複数のR同士およびR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)。
【0047】
本発明において、使用される塩基としては、無機塩基および有機塩基から選択される少なくとも1種であればよく、特に限定されるものではない。塩基としては、金属アルコキシドが好ましい。中でも、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド等のようなアルカリ金属アルコキシドがより好ましく、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドがさらに好ましい。これらの塩基は、反応系にそのまま加えてもよく、またアルカリ金属、水素化アルカリ金属および水酸化アルカリ金属とアルコールからその場で調製して反応系に加えてもよい。
【0048】
使用される塩基の量は、アリールハライドもしくはアルキルハライド1.0モルに対し、1.0モル以上使用するのが好ましい。塩基の量が1.0モル未満では、アリールアミン類の収率が低くなる場合がある。塩基を大過剰に加えてもアリールアミン類の収率に変化はないが、反応終了後の後処理操作が煩雑になることから、より好ましい塩基の量は、1.0モル以上、3.0モル以下の範囲である。
【0049】
本発明の反応は、通常有機溶媒存在下で行う。使用される有機溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではない。たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒や、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系有機溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうちより好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒である。
【0050】
また、本発明にかかる製造方法は、常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことができ、加圧下で行ってもよい。特に、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0051】
本発明は反応温度50℃以上、200℃以下の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは120℃以上、180℃以下の範囲で行われる。
【0052】
本発明において反応時間は、アリールハライド、アミン化合物、塩基、金属化合物およびイオン性化合物の量及び反応温度によって一定しないが、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。
【0053】
反応終了後、一般的な方法により処理することにより目的とする化合物を得ることができる。
【0054】
本発明にかかる芳香族アミン化合物の製造方法によれば、リン元素を含有するカチオン部位と、アニオン部位とからなる特定のイオン性化合物および金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドを反応させることで、収率よく芳香族アミン化合物を製造することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の芳香族アミン化合物の製造方法について、実施例を参照しつつ説明する。なお、本発明が下記の実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0056】
以下の実施例1〜4では、下記反応式(2)に従って、芳香族アミン化合物(トリアリール化合物)を得た。
【0057】
【化4】

【0058】
(反応式(2)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよく、さらに、該アルキル基は分岐鎖を有していてもよい)。
【0059】
[実施例1]
100mlナスフラスコに、ジフェニルアミン4.22g(0.0249mol)、p-ブロモトルエン4.50g(0.0263mol)、キシレン16.05g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.80g(0.0499mol)、トリフェニルn‐ヘキシルホスホニウムテトラフルオロボレート(TPPH‐BF)1.03g、酢酸パラジウム(II)5.6mg(0.0249mmol)を仕込み、N雰囲気下にて還流(約150℃)し、8.5時間攪拌した。その際、反応副生成物として、tert‐ブチルアルコールが生成し、このアルコールも併せて還流を行なった。反応後、風冷にて、70℃まで冷却した。その後、超純水10.00gを仕込み、さらに、風冷にて室温まで冷却した。この時点での反応転化率は、ジフェニルアミンを基準として、98.0%であった。なお、反応転化率は、HPLC法(単面)を用いて行った(以下の実施例および比較例についても同様の方法で反応転化率を測定した)。
【0060】
[実施例2]
100mlナスフラスコに、ジフェニルアミン4.24g(0.0251mol)、p-ブロモトルエン4.54g(0.0265mol)、キシレン15.96g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.80g(0.0499mol)、トリフェニルn‐オクチルホスホニウムテトラフルオロボレート(TPPO‐BF)1.02g、酢酸パラジウム(II)6.4mg(0.0285mmol)を仕込み、N雰囲気下にて還流(約150℃)し、10.5時間攪拌した。その際、反応副生成物として、tert‐ブチルアルコールが生成し、このアルコールも併せて還流を行った。反応後、風冷にて、70℃まで冷却した。ここに、超純水10.00gを添加し、さらに、風冷にて室温まで冷却した。この時点での反応転化率は、ジフェニルアミンを基準として、95.9%であった。
【0061】
[実施例3]
100mlナスフラスコに、ジフェニルアミン4.22g(0.0249mol)、p-ブロモトルエン5.01g(0.0293mol)、キシレン16.90g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.80g(0.0499mol)、トリフェニルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート(TPPM‐BF)1.00g、酢酸パラジウム(II)6.4mg(0.0285mmol)を仕込み、N雰囲気下にて還流(約150℃)し、25時間攪拌した。その際、反応副生成物として、tert‐ブチルアルコールが生成し、このアルコールも併せて還流がかかる。風冷にて室温まで冷却した。この時点での反応転化率は、ジフェニルアミンを基準として、77.8%であった。
【0062】
[実施例4]
100mlナスフラスコに、ジフェニルアミン4.23g(0.0250mol)、p-ブロモトルエン4.86g(0.0284mol)、キシレン16.10g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.80g(0.0499mol)、トリフェニルn‐オクチルホスホニウムブロマイド(TPPO‐Br)1.25g、酢酸パラジウム(II)6.2mg(0.0276mmol)、を仕込み、N雰囲気下にて還流(約150℃)し、9時間攪拌した。その際、反応副生成物として、tert‐ブチルアルコールが生成し、このアルコールも併せて還流がかかる。反応後、風冷にて、70℃まで冷却した。ここに、超純水10.00gを添加し、さらに、風冷にて室温まで冷却した。この時点での反応転化率は、ジフェニルアミンを基準として、97.0%であった。
【0063】
冷却後、分液により下層の水層を除去し、上層のキシレン層をエバポレーターにて60℃、10mmHgにて、キシレンを留去し、留去後イソプロピルアルコール8.50gを添加し、3日間冷蔵庫にて、0℃〜5℃で冷却した。冷却後、析出した黒色結晶をろ過し、イソプロピルアルコール10.0gにて洗浄した。
【0064】
[比較例1]
100mlナスフラスコに、ジフェニルアミン4.23g(0.0250mol)、p-ブロモトルエン4.52g(0.0264mol)、キシレン15.93g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.80g(0.0499mol)、下記一般式(4)で示すアニオン部位とカチオン部位とを有するイオン性化合物(BMIm−DCA)1.01g、酢酸パラジウム(II)6.6mg(0.0294mmol)を仕込み、N雰囲気下にて還流(約150℃)し、7.5時間攪拌した。その後、風冷にて、室温まで冷却した。この時点での反応転化率は、ジフェニルアミンを基準として、0%であった。
【0065】
【化5】

【0066】
上記のように、実施例1から4では、高い転化率でアミン化合物とハライドとを反応させることができた。これに対して、比較例1では、転化率は0%であり、良好に反応できていないことがわかった。
【0067】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
医農薬分野の中間体または電子材料として有用な芳香族アミン化合物を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基およびイオン性化合物の存在下で、金属化合物を触媒として、アミン化合物とハライドとを反応させる工程を含み、
該アミン化合物および該ハライドの少なくとも一方はアリール基を有し、該イオン性化合物は、リン原子を含むカチオン部位と、アニオン部位とからなる化合物であることを特徴とする芳香族アミン化合物の製造方法。
【請求項2】
前記イオン性化合物は、下記一般式(1)
【化1】

(式(1)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、Aはハロゲン原子またはアニオン性分子であり、該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよく、さらに、該アルキル基は分岐鎖を有していてもよい。複数のR同士は、互いに異なっていてもまた同一であってもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記アミン化合物は、下記一般式(2)
NH−(R3−n・・・(2)
(式(2)中、Rは、アリール基またはアルキル基であり、該アリール基または該アルキル基は、置換基を有していてもよく、該アルキル基は分岐鎖を有していてもよい。nは1または2の整数であり、複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ハライドは、下記一般式(3)
−X・・・(3)
(式(3)中、Rは、アリール基または炭素数1から8のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。該アリール基およびアルキル基は置換基を有していてもよい)
で示される化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記イオン性化合物は、イオン液体であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記金属化合物は、遷移金属元素を有する化合物であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記塩基は、金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の製造方法。

【公開番号】特開2008−308413(P2008−308413A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155774(P2007−155774)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000227652)日宝化学株式会社 (34)
【Fターム(参考)】