苗移植機
【課題】
圃場の凹凸の多少、及び苗の植付姿勢を撮影装置で撮影し、撮影された画像に合わせて苗植装置の昇降、及び植付姿勢の安定化を自動的に図る苗移植機を提供する。
【解決手段】
苗取口4を形成した苗受ガイド5に送る苗タンク6と、苗タンク6の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート1とサイドフロート2と、苗取口4を下降して苗を植え付ける植付装置7を設けて苗植装置8を構成し、苗植装置8を前輪10及び後輪12を備えた走行車体14の後側に装着した苗移植機において、苗植装置8の上方位置に圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置17を設け、撮影装置17が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは昇降リンク16を昇降させる昇降シリンダ15の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは昇降シリンダ15の昇降制御感度を上げる制御構成とする。
圃場の凹凸の多少、及び苗の植付姿勢を撮影装置で撮影し、撮影された画像に合わせて苗植装置の昇降、及び植付姿勢の安定化を自動的に図る苗移植機を提供する。
【解決手段】
苗取口4を形成した苗受ガイド5に送る苗タンク6と、苗タンク6の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート1とサイドフロート2と、苗取口4を下降して苗を植え付ける植付装置7を設けて苗植装置8を構成し、苗植装置8を前輪10及び後輪12を備えた走行車体14の後側に装着した苗移植機において、苗植装置8の上方位置に圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置17を設け、撮影装置17が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは昇降リンク16を昇降させる昇降シリンダ15の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは昇降シリンダ15の昇降制御感度を上げる制御構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は苗移植機に関するものであり、圃場面の凹凸や苗の植付姿勢を撮影装置で撮影し、撮影された画像に基いて苗の植付深さを補正すると共に、苗の植付姿勢を変更する制御構成を行なうものである。
【背景技術】
【0002】
苗植装置を昇降して苗の植え付け深さを一定に維持する昇降制御は、苗植装置のフロートの滑走揺動によって行う。また、苗タンクにおけるマット苗供給の姿勢を整えるべく、苗の茎葉部を支持案内する抵抗棒は、手動操作で移動調節を行なう形態である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−220496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロートの上下揺動によって圃場面の硬軟を検出し、苗植装置を昇降させて植付深さを揃える構成では、大まかな制御しか行なえず、細やかな凹凸の変化を検出し損なう場合があり、植え付けた苗が傾斜姿勢となって倒れたり、植付深さが深すぎたりして、苗の生育が不安定になる問題がある。
【0005】
また、苗タンクの抵抗棒の位置を手動で移動調節しなければならないため、調節量の判断、及び移動調節操作に時間と労力を要するため、的確且つ迅速な操作を行いにくく、作業能率が低下する問題がある。
【0006】
本件発明は、上記の問題点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、苗取口(4)を形成の苗受ガイド(5)に送る苗タンク(6)と、該苗タンク(6)の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート(1)とサイドフロート(2)と、前記苗取口(4)を下降して苗を圃場に植え付ける植付装置(7)を設けて苗植装置(8)を構成し、該苗植装置(8)を前輪(10)及び後輪(12)を備えた走行車体(14)の後側に昇降リンク(16)を介して装着した苗移植機において、前記苗植装置(8)の上方位置に植付装置(7)による苗植付位置の圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置(17)を設け、該撮影装置(17)が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは前記昇降リンク(16)を昇降させる昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは該昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を上げる制御構成としたことを特徴とする苗移植機の構成とした。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて前記作業車両(14)に搭載した無段変速装置(11)を変速する制御構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記苗タンク(6)のマット苗繰出部上側にマット苗の茎葉部を押す抵抗棒(18)を左右方向に亘って設け、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて該抵抗棒(18)を上下動させる構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記センタフロート(1)及びサイドフロート(2)の前側に圃場面を均す整地ロータ(19,20)を設け、前記撮影装置(17)で検出した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、該整地ロータ(19,20)の回転を停止、あるいは該整地ロータ(19,20)を圃場面から上昇させる制御構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明は、撮影装置(17)で圃場面の画像を撮影し、この画像の画素数から圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面に凹凸が多いと判断したときは、昇降シリンダ(15)を作動させるセンタフロート(1)の傾動角度を大きく変更する制御を行なうことにより、苗植装置(8)が頻繁に上下動することが防止され、苗の植付深さが浅くなったり、植え付け損なわれることが防止されるため、苗が生育不良を起こすことや、欠株が生じることが防止され、作物の収穫量が向上する。
【0012】
また、昇降シリンダ(15)が短い期間に細かく伸縮されることが防止されるので、昇降シリンダが劣化して損傷することを防止でき、耐久性が向上する。
そして、圃場面に凹凸が少ないと判断されたときは、昇降シリンダ(15)を作動させるセンタフロート(1)の傾動角度を小さく変更する制御を行なうことにより、圃場面の凹凸に合わせて苗植装置(8)を昇降させ、適確な苗の植付深さを保つことができるので、苗の生育が良好になり、作物の品質が向上する。
【0013】
さらに、作業者は撮影装置(17)で撮影した画像を見て走行車体(14)の進行方向後側の苗の植付姿勢を視覚的に判断することができるので、走行車体(14)の操作中に背後を振り向いたり、機体を止めて背後を見たりする必要がなくなるため、作業能率が向上する。
【0014】
また、走行車体(14)の操作に集中することができるので、苗の植付精度が向上すると共に、安全性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で植え付けられた苗を撮影し、画像中の前後方向の画素数から苗の植付姿勢の傾き度合を判断することにより、画素数が基準値よりも前後方向に多い場合は、走行車体(14)の走行速度が速過ぎて傾斜姿勢で植え付けられていると判断することができるので、無段変速装置(11)を低速に切替制御して走行車体の走行速度を減少させることにより苗の植付姿勢を圃場面に対して略直立姿勢とすることができ、苗の生育が安定する。
【0015】
また、傾き過ぎて圃場面に苗が植え付けられないことを防止できるので、作業者が植え付けられなかった苗を手作業で植え直す必要がなく、作業者の労力が軽減される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で植え付けられた苗を撮影し、画像中の前後方向の画素数から苗の植付姿勢の傾き度合を判別し、画素数が基準値よりも前後方向に多い場合、即ち植え付けられた苗が後方傾斜する場合はマット苗の茎葉部を押さえる抵抗棒(18)が下側過ぎる位置にあるため、この抵抗棒を上昇させる構成としたことにより、苗が圃場面に対して略直立姿勢で植え付けられるので、苗の生育が安定し、作物の品質が向上する。
【0016】
また、画素数が基準値よりも前後方向に少ない場合、即ち植え付けられた苗が前方傾斜する場合はマット苗の茎葉部を押さえる抵抗棒(18)が上側過ぎる位置にあるため、この抵抗棒を下降させる構成としたことにより、苗が圃場面に対して略直立姿勢で植え付けられるので、苗の生育が安定し、作物の品質が向上する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で撮影した画像に、凹凸と判断し得る画素数が所定値よりも少ない場合、整地ロータ(19,20)の回転を停止させる構成としたことにより、整地ロータ(19,20)の回転によってかえって圃場面の泥土を掻き混ぜて荒らしてしまうことを防止できるので、苗の植え付け位置が回転していない整地ロータ(19,20)で軽く均されるため、苗の植付姿勢が安定し、作物の品質が向上する。
【0018】
また、凹凸と判断し得る画素数が極端に少ない場合は、圃場の土質が非常に柔らかく整地ロータ(19,20)で圃場面を均す必要が無いため、整地ロータ(19,20)を圃場面から退避させて植付作業を行うことができるので、苗の植付精度が向上する。
【0019】
また、掻き混ぜられた泥土が圃場の水を濁らせることが防止され、圃場面が見やすいため、機体の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗植装置の平面図
【図4】苗植装置の側面図
【図5】苗植装置の制御装置のブロック図
【図6】抵抗棒を設けた苗タンクの側面図
【図7】圃場の凹凸により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図8】苗の植付姿勢により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図9】苗の植付姿勢により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図10】整地ロータの別実施例の側面図
【図11】整地ロータの別実施例の平面図
【図12】(a)整地ロータの軸装取着形態を示す一部の分解斜視図、(b)整地ロータのハブメタル部の要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図6、及びフローチャートである図7〜図9に示す苗移植機は、乗用四輪走行形態の走行車体14の後部に、平行リンク形態の昇降リンク16を介して、多条(6条)植形態の苗植装置8を連結したものである。該走行車体14には、エンジン21及びこの上側の運転席13を搭載し、走行車体14前側のステアリングポスト22上にはステアリングハンドル9や、変速レバー23、フィンガップレバー形態の苗植操作レバー24等を設け、下部の左右両側部に位置するサイドフロア25の外側には、補給用のマット苗(苗トレイに収容した状態のマット苗)を支持する補助苗載台26を設ける。前記走行車体14の前部には、エンジン21からベルト伝動される油圧無段変速装置11、及びミッションケース27が配置されて、このミッションケース27の左右両側部に張出するフロントアクスルハウジング28の両端部に、操向前輪10を軸装している。又、ミッションケース27から後方のリヤアクスルハウジング29にわたって後輪12を連動する連動軸30が取出されると共に、PTO軸31が取出されている。
【0022】
前記車体14の後端部にはリヤフレーム32を立設し、該リヤフレーム32に前記昇降リンク16を連結し、該リヤフレーム32の上端部には施肥装置33を配置する。
また、前記車体14と昇降リンク16との間には、油圧回路によって伸縮される昇降シリンダ15を設け、この昇降シリンダ15の油圧回路における昇降制御弁の切替制御によって昇降シリンダ15が伸縮されてることにより、苗植装置8を上下方向に昇降することができる。
【0023】
前記昇降リンク16の後端のヒッチリンク34に対してローリング軸35周りにローリング回動自在に装着される苗植装置8は、前記PTO軸31から連動される伝動機構を内装した苗植伝動ケースを主体とする苗植フレーム3を有し、この苗植フレーム3の下方に、中央部のセンタフロート1と、この左右両側部のサイドフロート2を配置して、各フロート1、2を圃場面に滑走させて苗植装置8を支持推進させる。
【0024】
また、苗植フレーム3の上側には、後端下りに傾斜の多条植形態の苗タンク6を支持して、リードカム軸の回転により1枚マット苗幅相当間隔にわたって左、右方向へ往復移動するように案内し、この苗タンク6の後下端の苗繰出口部を、植付装置7における苗植付爪の作用する苗取口4を形成して横方向にわたる苗受ガイド5に案内させる。該苗受ガイド5は苗植フレーム3の側に取付けられて、この苗植フレーム3の後部の各苗植条位置に配置の植付装置7の先端の植付爪を作用させる。各植付装置7は、先端の植付爪を略楕円形状の植付軌跡線Dに作動させて、上支点位置を下降するとき前記苗受ガイド5の苗取口4に介入して苗タンク6から繰出されるマット苗を分離して保持することができ、この植付軌跡線Dの下支点部に下降することによって、この保持している苗を圃場面に一定深さに挿植するものである。
【0025】
これら各植付装置7は、センタフロート1及びサイドフロート2に均された均平跡の圃場面に植え付けるべく、多条植形態にて構成される。
前記苗植装置8の昇降制御は、前記昇降シリンダ15を作動させる油圧回路の昇降制御弁36を、苗植制御装置のコントローラ37からの出力によって作動させて行わせる。前記苗植装置8の中央部に配置するセンタフロート52の上下揺動によって、車体14の走行する土壌耕盤が深いときは、昇降シリンダ16を伸長させて、この苗植装置8を上昇し、耕盤が浅いときは逆に下降させて、植付装置7による苗植付深さが略一定になるように昇降制御を行う形態としている。
【0026】
この昇降制御弁36を切替作動するための土壌深さを検出するセンサは、センタフロート1から構成されて、このセンタフロート1の上下方向の揺動角度をポテンショメータによって読み取り、滑走する圃場面の凹凸や、耕盤深さ等の変化によってこの揺動角度が予め設定している基準角度域を越えて大きく揺動したことを読み取ったときに前記昇降制御弁36を切替えるもので、センタフロート1が基準角度域を越えて上側へ大きく揺動されたことを検出したときは、土壌耕盤が深い場合であるから苗植装置8を上昇し、又、逆に下側へ大きく揺動されたことを検出したときは、土壌耕盤が浅い場合であるから苗植装置8を下降するように、昇降シリンダ16を伸縮制御するものである。
【0027】
従って、この苗植装置8を昇降制御する昇降制御装置の制御感度を敏感、鈍感(乃至は感度を上げ、下げ)切替、変更するには、前記ポテンショメータにより読み取る基準角度域を変更調節することによって行うことができる。この基準角度を小さく(乃至狭く)すると、制御感度は敏感側(上げ)になり、基準角度を大きく(乃至広く)すると制御感度は鈍感側(下げ)になる。
【0028】
また、この制御感度の変更は、前記ポテンショメータによる読み取りによって油圧回路における昇降シリンダ15への油圧流量が変更されて、昇降速度が変更制御される。
前記苗植装置8は、苗植伝動フレーム3の前部上に、苗タンク6の上端底部を左右移動自在に支持する植付部支持フレーム38を有し、この支持フレーム38の前側に、フロート支持アーム39を介して各フロート1、2の後端部が上下回動自在に支持されている。
【0029】
また、この植付部支持フレーム38の前側に、上下動自在の代掻フレーム40を取付て、この代掻フレーム40の下端部には、各フロート1、2の前側に対向して配置の整地ロータ19、20を有するロータ伝動ケース41を上下動可能にして装着する。
【0030】
前記各フロート1、2の前側に配置した整地ロータ19、20によって、各フロート1、2によって均平する圃場面を予めこれら整地ロータ19、20によって砕土して均平し易くするものである。この整地ロータ19、20は、前記リヤアクスルハウジング29の伝動機構部から、伝動クラッチや、連動軸42を介して連動して、各ロータ19、20を駆動回転する形態である。
【0031】
このロータ伝動ケース41の前端部を植付部支持フレーム38の上端部に吊下げるロータ吊下スプリングを設けていて、前記苗植装置8を大きく上下動すると、リンクアーム、及びフロート支持アーム39等を介して整地ロータ19、20をも昇降することができるが、この整地ロータ19、20を装着するロータ伝動ケース41が、植付部支持フレーム38に対して上下動することができるため、圃場面に対する代掻位置を上下に調節しながら、しかもこのロータ伝動ケース41の傾斜角度を変えながら、センタロータ19及びサイドロータ20を圃場面に均等に接圧させて代掻及び均平作用を行わせる。
【0032】
ここにおいて、この苗植制御装置は、センタフロート1とサイドフロート2を配置して圃場面を滑走支持する苗植フレーム3に、マット苗を載せて左右横方向へ往復移動しながら後側下部の苗取口4を形成の苗受ガイド5へ繰出す苗タンク6と、この苗取口4部を下降して繰出苗を分離保持して前記各フロート1、2で均平される各均平跡へ植付ける植付装置7とを設けて多条植えする苗植装置8を、ステアリングハンドル9で操向する前輪10、油圧無段変速装置11を介して駆動する後輪12、及び運転席13等を有した乗用走行形態の車体14の後側に、昇降シリンダ15によって昇降の昇降リンク16を介して装着する苗移植機において、前記苗植装置8の上方位置に、前記植付装置7による苗植付位置の圃場面の凹凸面を表わす陰影画像データを撮影する撮影装置17を設け、この画像データによって圃場面の凹凸面が多いことを検出したときは、前記昇降シリンダ16による昇降制御感度を上げて、又、圃場面の凹凸面が少ないことを検出したときは、この昇降制御感度を下げて昇降制御する構成とする。上記の制御構成は、フローチャートである図7にて示している。
【0033】
前記走行車体14の走行によって昇降リンク16を介して装着の苗植装置17が推進されて、センタフロート1、及びサイドフロート2によって均平される圃場面に、植付装置7によって、苗タンク6から供給される苗を苗取口4で分離保持して植付ける。このような苗植作用においては、センタフロート1の大きい上下揺動によって昇降シリンダ15が伸縮制御されて、苗植装置8を昇降して、前記植付装置7による苗植付深さを略一定に維持するように昇降制御が行われる。
【0034】
また、この苗植装置8の上部に設ける撮影装置17が、後側苗植付位置の圃場面の凹凸面の形態を検出していて、この土壌の凹凸面の変化が多いときは、前記昇降シリンダ15による昇降制御の感度を下げて苗植装置8の昇降の頻度を少なくする。一方、凹凸面の変化が少ないときは昇降制御の感度を上げて、前記苗植装置8を頻繁に昇降させるべく、昇降シリンダ15を作動させる。
【0035】
前記苗植制御装置のコントローラ37の入力側には、撮影装置17や、センタフロート1の上下揺動角を検出するポテンシュメータ等を配置し、出力側には、苗植装置8を昇降するための昇降シリンダ15油圧回路の昇降制御弁36や、油圧無段変速装置11のトラ二オン軸を電動するモータ、抵抗棒18を移動するモータ、及び、整地ロータ19、20の電動クラッチを入り切りする電磁ソレノイド等を配置している。そして、前記土壌の凹凸面や、苗の植付姿勢等を検出する撮影装置17としてはCCDカメラを用いる。
【0036】
この撮影装置17は苗植装置の苗タンク6の後側上部に位置して、苗植フレーム3から立設される支持アーム43の上端に取り付けられて、レンズの視凖位置S(側面視S1位置からS2位置間の視凖領域)を、苗植付幅の中央部位値であるセンタフロート1の通過跡の圃場面で、このセンタフロート1によって均平される圃場面に植え付けられた植付苗条部の位置に向けて設定し、乃至移動調節して設定することができ、これら植付苗の位置する圃場面を画像領域として撮影するものである。
【0037】
なお、前記撮影装置17は、前記苗タンク6上を横方向へ架設された取付枠44に対して左右位置に移動させて設定することができる形態としている。
コントローラ37では、このCCDカメラで撮影した画像データから土壌の凹凸面を表す画像部の面積を画素数によって算出して、凹凸の大小や、多少等を判別する。又、植付苗の姿勢は、画像データの色彩によって前記土壌の凹凸部とは識別されるもので、しかも、この苗部の画像データが広い場合は苗が大きく傾斜して植え付けられている場合を表し、狭い場合は直立状態に植え付けられている場合であるとして判別される。
【0038】
従って、これら土壌の凹凸部と植付苗との画像データが一部重合して撮影されていても、各別の画像データとして識別処理される。また、前記撮影装置17で撮影する画像データから苗植姿勢を判定しながら前記油圧無段変速装置11を変速する。
【0039】
前記のように苗植装置8の昇降制御は、撮影装置17の画像データに基づいて補正されるが、この画像データによって苗植姿勢が同時検出されて、苗植姿勢の大きい傾斜を検出すると油圧無段変速装置11を減速制御し、苗植姿勢の傾斜が少なくなると増速復帰して、苗植付走行車速とすることによって、苗植姿勢を矯正して適正な姿勢に植付ける。
【0040】
また、前記油圧無断変速装置11を変速するにはこのトラニオン軸を電気的に駆動回動する形態としている。上記の制御については、フローチャートである図8にて示している。
【0041】
また、図6で示すとおり、前記苗タンク6のマット苗繰出部上側に、このマット苗の茎葉部を押す抵抗棒18をタンク幅方向にわたって架設し、前記撮影装置17で撮影した画像データによって、この抵抗棒18を上下方向に移動させて、苗の植付姿勢を制御する。
【0042】
前記のようにして苗植作用する苗植付装置7による苗植姿勢を撮影装置17によって検出していて、この画像データによって植付苗が前傾状態であるか、後傾斜状態であるか等を判別作用が行われる。この結果、植付苗が前傾しているときマット苗に抵抗を与える抵抗棒18の位置を下方の苗受ガイド5側へ移動して、苗茎葉部に対する押倒抵抗を少くして、苗植付装置7による苗植姿勢を直立姿勢に近くする。
【0043】
また、植付苗が後傾斜しているときは、抵抗棒18の位置を上方に移動させて、苗茎葉部に対する押倒抵抗を大きくして、苗植姿勢を直立姿勢に修正する。そして、前記苗タンク6上部の抵抗棒18を移動するには電動モータ54の正逆転駆動により螺旋軸55を回転させて上下方向へ移動する構成としている。上記の制御については、フローチャートである図9に示している。
【0044】
さらに、前記苗植装置8の各フロート1、2の前側に駆動回転によって圃場面を代掻きする整地ロータ19、20を設け、前記撮影装置17で検出する画像データによって、この整地ロータ19、20の連動回転を停止し、又は上昇させる。上記の制御については、フローチャートである図7に示している。
【0045】
前記の苗植作用において、センタフロート1及びサイドフロート2によって滑走均平される圃場面は、前側の整地ロータ19、20の駆動回転によって代掻作用が行われて、均平され易い状態に整地される。しかし、この苗植装置8によって苗植された圃場面は撮影装置17によって常時検出されていて、この画像データによる土壌の凹凸面が多いものと検出されているときは、前記昇降シリンダ15の感度を高くして、この昇降シリンダ15による苗植装置8の昇降を速くするとともに、前記整地ロータ19、20を下降させて、又は駆動回転させて代掻作用を行わせる状態とする。
【0046】
また、土壌の凹凸面が少いと検出されるときは、前記昇降シリンダ15の感度を下げて、昇降シリンダ15による苗植装置8の昇降を緩速で行わせるとともに、整地ロータ19、20を上昇させて、又は駆動回転を停止させて代掻作用を行わせないようにする。
【0047】
このため硬い土壌では整地ロータ19、20で代掻して苗の植え付けを行い易くし、軟弱な圃場面においてはこれら整地ロータ19、20による泥押作用を少なくすることにより、隣接植付条の苗の乱れを抑えるものとする。
【0048】
前記整地ロータ19、20の駆動回転の停止は、該リヤアクスルハウジング29内部の伝動クラッチを電動的に入り切り位置に作動して行う形態とする。
また、この代掻きロータ19、20の上下動は、前記昇降シリンダ15や、代掻フレーム40と等の間に設けられるバランススプリング等によって行われる。
【0049】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記代掻きロータ19、20の形態を、外周部に円弧状のロータ羽根50を配置したかご状形態として、このロータ羽根50の内側部で、前記ロータ伝動ケース41に軸受されているロータ軸51の周りに巴形板、乃至巴形爪形態の消波板を配置したもので、各消波板52は、基端部を前記ロータ軸51と平行にしてロータディスク55の両端面部に配置の支持軸53の周りに回動自在に嵌合支持させて、先端部をスプリング54でロータ軸51の側へ軽く引き付けている。
【0050】
前記ロータ軸51の回転によって、このロータ軸51の取り付けられたロータディスク55が回転され、これと一体のロータ羽根50が回転されて、圃場面を掻き均す。このとき泥土や、泥水等がロータ羽根50の回転内部へ浸入するが、消波板52の回転によって掻き砕きながら滑らかに押し出されて、泥土面に大きい波動を発生させないようにして代掻きすることができる。
【0051】
次に、主として図12に基づいて、前記整地ロータ19、20を軸装するロータ軸51と、このロータ軸51に対して取り付ける前記整地ロータ19、20のロータボス56と間に、外周面を八角形の断面形態としたハブメタル57を介在させる。
【0052】
内周面を四角形の断面形態とした角チューブ58の内側にハブメタル57を嵌合させた状態で連結して回転可能とするもので、駆動時に角チューブ58とハブメタル57との嵌合部で点接触しないように形成したものである。又、これら各ロータ軸51と、ハブメタル57と、角チューブ58との嵌合重合部には、ピン孔59を形成して、このピン孔59にヘアピン60を抜き差しして代掻きロータ19、20を着脱することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 センタフロート
2 サイドフロート
3 苗植フレーム
4 苗取口
5 苗受ガイド
6 苗タンク
7 植付装置
8 苗植装置
9 ハンドル
10 前輪
11 油圧無段変速装置(無段変速装置)
12 後輪
13 運転席
14 走行車体
15 昇降シリンダ
16 昇降リンク
17 撮影装置(CCDカメラ)
18 抵抗棒
19 整地ロータ
20 整地ロータ
【技術分野】
【0001】
この発明は苗移植機に関するものであり、圃場面の凹凸や苗の植付姿勢を撮影装置で撮影し、撮影された画像に基いて苗の植付深さを補正すると共に、苗の植付姿勢を変更する制御構成を行なうものである。
【背景技術】
【0002】
苗植装置を昇降して苗の植え付け深さを一定に維持する昇降制御は、苗植装置のフロートの滑走揺動によって行う。また、苗タンクにおけるマット苗供給の姿勢を整えるべく、苗の茎葉部を支持案内する抵抗棒は、手動操作で移動調節を行なう形態である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−220496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロートの上下揺動によって圃場面の硬軟を検出し、苗植装置を昇降させて植付深さを揃える構成では、大まかな制御しか行なえず、細やかな凹凸の変化を検出し損なう場合があり、植え付けた苗が傾斜姿勢となって倒れたり、植付深さが深すぎたりして、苗の生育が不安定になる問題がある。
【0005】
また、苗タンクの抵抗棒の位置を手動で移動調節しなければならないため、調節量の判断、及び移動調節操作に時間と労力を要するため、的確且つ迅速な操作を行いにくく、作業能率が低下する問題がある。
【0006】
本件発明は、上記の問題点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、苗取口(4)を形成の苗受ガイド(5)に送る苗タンク(6)と、該苗タンク(6)の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート(1)とサイドフロート(2)と、前記苗取口(4)を下降して苗を圃場に植え付ける植付装置(7)を設けて苗植装置(8)を構成し、該苗植装置(8)を前輪(10)及び後輪(12)を備えた走行車体(14)の後側に昇降リンク(16)を介して装着した苗移植機において、前記苗植装置(8)の上方位置に植付装置(7)による苗植付位置の圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置(17)を設け、該撮影装置(17)が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは前記昇降リンク(16)を昇降させる昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは該昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を上げる制御構成としたことを特徴とする苗移植機の構成とした。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて前記作業車両(14)に搭載した無段変速装置(11)を変速する制御構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記苗タンク(6)のマット苗繰出部上側にマット苗の茎葉部を押す抵抗棒(18)を左右方向に亘って設け、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて該抵抗棒(18)を上下動させる構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記センタフロート(1)及びサイドフロート(2)の前側に圃場面を均す整地ロータ(19,20)を設け、前記撮影装置(17)で検出した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、該整地ロータ(19,20)の回転を停止、あるいは該整地ロータ(19,20)を圃場面から上昇させる制御構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明は、撮影装置(17)で圃場面の画像を撮影し、この画像の画素数から圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面に凹凸が多いと判断したときは、昇降シリンダ(15)を作動させるセンタフロート(1)の傾動角度を大きく変更する制御を行なうことにより、苗植装置(8)が頻繁に上下動することが防止され、苗の植付深さが浅くなったり、植え付け損なわれることが防止されるため、苗が生育不良を起こすことや、欠株が生じることが防止され、作物の収穫量が向上する。
【0012】
また、昇降シリンダ(15)が短い期間に細かく伸縮されることが防止されるので、昇降シリンダが劣化して損傷することを防止でき、耐久性が向上する。
そして、圃場面に凹凸が少ないと判断されたときは、昇降シリンダ(15)を作動させるセンタフロート(1)の傾動角度を小さく変更する制御を行なうことにより、圃場面の凹凸に合わせて苗植装置(8)を昇降させ、適確な苗の植付深さを保つことができるので、苗の生育が良好になり、作物の品質が向上する。
【0013】
さらに、作業者は撮影装置(17)で撮影した画像を見て走行車体(14)の進行方向後側の苗の植付姿勢を視覚的に判断することができるので、走行車体(14)の操作中に背後を振り向いたり、機体を止めて背後を見たりする必要がなくなるため、作業能率が向上する。
【0014】
また、走行車体(14)の操作に集中することができるので、苗の植付精度が向上すると共に、安全性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で植え付けられた苗を撮影し、画像中の前後方向の画素数から苗の植付姿勢の傾き度合を判断することにより、画素数が基準値よりも前後方向に多い場合は、走行車体(14)の走行速度が速過ぎて傾斜姿勢で植え付けられていると判断することができるので、無段変速装置(11)を低速に切替制御して走行車体の走行速度を減少させることにより苗の植付姿勢を圃場面に対して略直立姿勢とすることができ、苗の生育が安定する。
【0015】
また、傾き過ぎて圃場面に苗が植え付けられないことを防止できるので、作業者が植え付けられなかった苗を手作業で植え直す必要がなく、作業者の労力が軽減される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で植え付けられた苗を撮影し、画像中の前後方向の画素数から苗の植付姿勢の傾き度合を判別し、画素数が基準値よりも前後方向に多い場合、即ち植え付けられた苗が後方傾斜する場合はマット苗の茎葉部を押さえる抵抗棒(18)が下側過ぎる位置にあるため、この抵抗棒を上昇させる構成としたことにより、苗が圃場面に対して略直立姿勢で植え付けられるので、苗の生育が安定し、作物の品質が向上する。
【0016】
また、画素数が基準値よりも前後方向に少ない場合、即ち植え付けられた苗が前方傾斜する場合はマット苗の茎葉部を押さえる抵抗棒(18)が上側過ぎる位置にあるため、この抵抗棒を下降させる構成としたことにより、苗が圃場面に対して略直立姿勢で植え付けられるので、苗の生育が安定し、作物の品質が向上する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、撮影装置(17)で撮影した画像に、凹凸と判断し得る画素数が所定値よりも少ない場合、整地ロータ(19,20)の回転を停止させる構成としたことにより、整地ロータ(19,20)の回転によってかえって圃場面の泥土を掻き混ぜて荒らしてしまうことを防止できるので、苗の植え付け位置が回転していない整地ロータ(19,20)で軽く均されるため、苗の植付姿勢が安定し、作物の品質が向上する。
【0018】
また、凹凸と判断し得る画素数が極端に少ない場合は、圃場の土質が非常に柔らかく整地ロータ(19,20)で圃場面を均す必要が無いため、整地ロータ(19,20)を圃場面から退避させて植付作業を行うことができるので、苗の植付精度が向上する。
【0019】
また、掻き混ぜられた泥土が圃場の水を濁らせることが防止され、圃場面が見やすいため、機体の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗植装置の平面図
【図4】苗植装置の側面図
【図5】苗植装置の制御装置のブロック図
【図6】抵抗棒を設けた苗タンクの側面図
【図7】圃場の凹凸により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図8】苗の植付姿勢により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図9】苗の植付姿勢により苗植装置を制御するときのフローチャート
【図10】整地ロータの別実施例の側面図
【図11】整地ロータの別実施例の平面図
【図12】(a)整地ロータの軸装取着形態を示す一部の分解斜視図、(b)整地ロータのハブメタル部の要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図6、及びフローチャートである図7〜図9に示す苗移植機は、乗用四輪走行形態の走行車体14の後部に、平行リンク形態の昇降リンク16を介して、多条(6条)植形態の苗植装置8を連結したものである。該走行車体14には、エンジン21及びこの上側の運転席13を搭載し、走行車体14前側のステアリングポスト22上にはステアリングハンドル9や、変速レバー23、フィンガップレバー形態の苗植操作レバー24等を設け、下部の左右両側部に位置するサイドフロア25の外側には、補給用のマット苗(苗トレイに収容した状態のマット苗)を支持する補助苗載台26を設ける。前記走行車体14の前部には、エンジン21からベルト伝動される油圧無段変速装置11、及びミッションケース27が配置されて、このミッションケース27の左右両側部に張出するフロントアクスルハウジング28の両端部に、操向前輪10を軸装している。又、ミッションケース27から後方のリヤアクスルハウジング29にわたって後輪12を連動する連動軸30が取出されると共に、PTO軸31が取出されている。
【0022】
前記車体14の後端部にはリヤフレーム32を立設し、該リヤフレーム32に前記昇降リンク16を連結し、該リヤフレーム32の上端部には施肥装置33を配置する。
また、前記車体14と昇降リンク16との間には、油圧回路によって伸縮される昇降シリンダ15を設け、この昇降シリンダ15の油圧回路における昇降制御弁の切替制御によって昇降シリンダ15が伸縮されてることにより、苗植装置8を上下方向に昇降することができる。
【0023】
前記昇降リンク16の後端のヒッチリンク34に対してローリング軸35周りにローリング回動自在に装着される苗植装置8は、前記PTO軸31から連動される伝動機構を内装した苗植伝動ケースを主体とする苗植フレーム3を有し、この苗植フレーム3の下方に、中央部のセンタフロート1と、この左右両側部のサイドフロート2を配置して、各フロート1、2を圃場面に滑走させて苗植装置8を支持推進させる。
【0024】
また、苗植フレーム3の上側には、後端下りに傾斜の多条植形態の苗タンク6を支持して、リードカム軸の回転により1枚マット苗幅相当間隔にわたって左、右方向へ往復移動するように案内し、この苗タンク6の後下端の苗繰出口部を、植付装置7における苗植付爪の作用する苗取口4を形成して横方向にわたる苗受ガイド5に案内させる。該苗受ガイド5は苗植フレーム3の側に取付けられて、この苗植フレーム3の後部の各苗植条位置に配置の植付装置7の先端の植付爪を作用させる。各植付装置7は、先端の植付爪を略楕円形状の植付軌跡線Dに作動させて、上支点位置を下降するとき前記苗受ガイド5の苗取口4に介入して苗タンク6から繰出されるマット苗を分離して保持することができ、この植付軌跡線Dの下支点部に下降することによって、この保持している苗を圃場面に一定深さに挿植するものである。
【0025】
これら各植付装置7は、センタフロート1及びサイドフロート2に均された均平跡の圃場面に植え付けるべく、多条植形態にて構成される。
前記苗植装置8の昇降制御は、前記昇降シリンダ15を作動させる油圧回路の昇降制御弁36を、苗植制御装置のコントローラ37からの出力によって作動させて行わせる。前記苗植装置8の中央部に配置するセンタフロート52の上下揺動によって、車体14の走行する土壌耕盤が深いときは、昇降シリンダ16を伸長させて、この苗植装置8を上昇し、耕盤が浅いときは逆に下降させて、植付装置7による苗植付深さが略一定になるように昇降制御を行う形態としている。
【0026】
この昇降制御弁36を切替作動するための土壌深さを検出するセンサは、センタフロート1から構成されて、このセンタフロート1の上下方向の揺動角度をポテンショメータによって読み取り、滑走する圃場面の凹凸や、耕盤深さ等の変化によってこの揺動角度が予め設定している基準角度域を越えて大きく揺動したことを読み取ったときに前記昇降制御弁36を切替えるもので、センタフロート1が基準角度域を越えて上側へ大きく揺動されたことを検出したときは、土壌耕盤が深い場合であるから苗植装置8を上昇し、又、逆に下側へ大きく揺動されたことを検出したときは、土壌耕盤が浅い場合であるから苗植装置8を下降するように、昇降シリンダ16を伸縮制御するものである。
【0027】
従って、この苗植装置8を昇降制御する昇降制御装置の制御感度を敏感、鈍感(乃至は感度を上げ、下げ)切替、変更するには、前記ポテンショメータにより読み取る基準角度域を変更調節することによって行うことができる。この基準角度を小さく(乃至狭く)すると、制御感度は敏感側(上げ)になり、基準角度を大きく(乃至広く)すると制御感度は鈍感側(下げ)になる。
【0028】
また、この制御感度の変更は、前記ポテンショメータによる読み取りによって油圧回路における昇降シリンダ15への油圧流量が変更されて、昇降速度が変更制御される。
前記苗植装置8は、苗植伝動フレーム3の前部上に、苗タンク6の上端底部を左右移動自在に支持する植付部支持フレーム38を有し、この支持フレーム38の前側に、フロート支持アーム39を介して各フロート1、2の後端部が上下回動自在に支持されている。
【0029】
また、この植付部支持フレーム38の前側に、上下動自在の代掻フレーム40を取付て、この代掻フレーム40の下端部には、各フロート1、2の前側に対向して配置の整地ロータ19、20を有するロータ伝動ケース41を上下動可能にして装着する。
【0030】
前記各フロート1、2の前側に配置した整地ロータ19、20によって、各フロート1、2によって均平する圃場面を予めこれら整地ロータ19、20によって砕土して均平し易くするものである。この整地ロータ19、20は、前記リヤアクスルハウジング29の伝動機構部から、伝動クラッチや、連動軸42を介して連動して、各ロータ19、20を駆動回転する形態である。
【0031】
このロータ伝動ケース41の前端部を植付部支持フレーム38の上端部に吊下げるロータ吊下スプリングを設けていて、前記苗植装置8を大きく上下動すると、リンクアーム、及びフロート支持アーム39等を介して整地ロータ19、20をも昇降することができるが、この整地ロータ19、20を装着するロータ伝動ケース41が、植付部支持フレーム38に対して上下動することができるため、圃場面に対する代掻位置を上下に調節しながら、しかもこのロータ伝動ケース41の傾斜角度を変えながら、センタロータ19及びサイドロータ20を圃場面に均等に接圧させて代掻及び均平作用を行わせる。
【0032】
ここにおいて、この苗植制御装置は、センタフロート1とサイドフロート2を配置して圃場面を滑走支持する苗植フレーム3に、マット苗を載せて左右横方向へ往復移動しながら後側下部の苗取口4を形成の苗受ガイド5へ繰出す苗タンク6と、この苗取口4部を下降して繰出苗を分離保持して前記各フロート1、2で均平される各均平跡へ植付ける植付装置7とを設けて多条植えする苗植装置8を、ステアリングハンドル9で操向する前輪10、油圧無段変速装置11を介して駆動する後輪12、及び運転席13等を有した乗用走行形態の車体14の後側に、昇降シリンダ15によって昇降の昇降リンク16を介して装着する苗移植機において、前記苗植装置8の上方位置に、前記植付装置7による苗植付位置の圃場面の凹凸面を表わす陰影画像データを撮影する撮影装置17を設け、この画像データによって圃場面の凹凸面が多いことを検出したときは、前記昇降シリンダ16による昇降制御感度を上げて、又、圃場面の凹凸面が少ないことを検出したときは、この昇降制御感度を下げて昇降制御する構成とする。上記の制御構成は、フローチャートである図7にて示している。
【0033】
前記走行車体14の走行によって昇降リンク16を介して装着の苗植装置17が推進されて、センタフロート1、及びサイドフロート2によって均平される圃場面に、植付装置7によって、苗タンク6から供給される苗を苗取口4で分離保持して植付ける。このような苗植作用においては、センタフロート1の大きい上下揺動によって昇降シリンダ15が伸縮制御されて、苗植装置8を昇降して、前記植付装置7による苗植付深さを略一定に維持するように昇降制御が行われる。
【0034】
また、この苗植装置8の上部に設ける撮影装置17が、後側苗植付位置の圃場面の凹凸面の形態を検出していて、この土壌の凹凸面の変化が多いときは、前記昇降シリンダ15による昇降制御の感度を下げて苗植装置8の昇降の頻度を少なくする。一方、凹凸面の変化が少ないときは昇降制御の感度を上げて、前記苗植装置8を頻繁に昇降させるべく、昇降シリンダ15を作動させる。
【0035】
前記苗植制御装置のコントローラ37の入力側には、撮影装置17や、センタフロート1の上下揺動角を検出するポテンシュメータ等を配置し、出力側には、苗植装置8を昇降するための昇降シリンダ15油圧回路の昇降制御弁36や、油圧無段変速装置11のトラ二オン軸を電動するモータ、抵抗棒18を移動するモータ、及び、整地ロータ19、20の電動クラッチを入り切りする電磁ソレノイド等を配置している。そして、前記土壌の凹凸面や、苗の植付姿勢等を検出する撮影装置17としてはCCDカメラを用いる。
【0036】
この撮影装置17は苗植装置の苗タンク6の後側上部に位置して、苗植フレーム3から立設される支持アーム43の上端に取り付けられて、レンズの視凖位置S(側面視S1位置からS2位置間の視凖領域)を、苗植付幅の中央部位値であるセンタフロート1の通過跡の圃場面で、このセンタフロート1によって均平される圃場面に植え付けられた植付苗条部の位置に向けて設定し、乃至移動調節して設定することができ、これら植付苗の位置する圃場面を画像領域として撮影するものである。
【0037】
なお、前記撮影装置17は、前記苗タンク6上を横方向へ架設された取付枠44に対して左右位置に移動させて設定することができる形態としている。
コントローラ37では、このCCDカメラで撮影した画像データから土壌の凹凸面を表す画像部の面積を画素数によって算出して、凹凸の大小や、多少等を判別する。又、植付苗の姿勢は、画像データの色彩によって前記土壌の凹凸部とは識別されるもので、しかも、この苗部の画像データが広い場合は苗が大きく傾斜して植え付けられている場合を表し、狭い場合は直立状態に植え付けられている場合であるとして判別される。
【0038】
従って、これら土壌の凹凸部と植付苗との画像データが一部重合して撮影されていても、各別の画像データとして識別処理される。また、前記撮影装置17で撮影する画像データから苗植姿勢を判定しながら前記油圧無段変速装置11を変速する。
【0039】
前記のように苗植装置8の昇降制御は、撮影装置17の画像データに基づいて補正されるが、この画像データによって苗植姿勢が同時検出されて、苗植姿勢の大きい傾斜を検出すると油圧無段変速装置11を減速制御し、苗植姿勢の傾斜が少なくなると増速復帰して、苗植付走行車速とすることによって、苗植姿勢を矯正して適正な姿勢に植付ける。
【0040】
また、前記油圧無断変速装置11を変速するにはこのトラニオン軸を電気的に駆動回動する形態としている。上記の制御については、フローチャートである図8にて示している。
【0041】
また、図6で示すとおり、前記苗タンク6のマット苗繰出部上側に、このマット苗の茎葉部を押す抵抗棒18をタンク幅方向にわたって架設し、前記撮影装置17で撮影した画像データによって、この抵抗棒18を上下方向に移動させて、苗の植付姿勢を制御する。
【0042】
前記のようにして苗植作用する苗植付装置7による苗植姿勢を撮影装置17によって検出していて、この画像データによって植付苗が前傾状態であるか、後傾斜状態であるか等を判別作用が行われる。この結果、植付苗が前傾しているときマット苗に抵抗を与える抵抗棒18の位置を下方の苗受ガイド5側へ移動して、苗茎葉部に対する押倒抵抗を少くして、苗植付装置7による苗植姿勢を直立姿勢に近くする。
【0043】
また、植付苗が後傾斜しているときは、抵抗棒18の位置を上方に移動させて、苗茎葉部に対する押倒抵抗を大きくして、苗植姿勢を直立姿勢に修正する。そして、前記苗タンク6上部の抵抗棒18を移動するには電動モータ54の正逆転駆動により螺旋軸55を回転させて上下方向へ移動する構成としている。上記の制御については、フローチャートである図9に示している。
【0044】
さらに、前記苗植装置8の各フロート1、2の前側に駆動回転によって圃場面を代掻きする整地ロータ19、20を設け、前記撮影装置17で検出する画像データによって、この整地ロータ19、20の連動回転を停止し、又は上昇させる。上記の制御については、フローチャートである図7に示している。
【0045】
前記の苗植作用において、センタフロート1及びサイドフロート2によって滑走均平される圃場面は、前側の整地ロータ19、20の駆動回転によって代掻作用が行われて、均平され易い状態に整地される。しかし、この苗植装置8によって苗植された圃場面は撮影装置17によって常時検出されていて、この画像データによる土壌の凹凸面が多いものと検出されているときは、前記昇降シリンダ15の感度を高くして、この昇降シリンダ15による苗植装置8の昇降を速くするとともに、前記整地ロータ19、20を下降させて、又は駆動回転させて代掻作用を行わせる状態とする。
【0046】
また、土壌の凹凸面が少いと検出されるときは、前記昇降シリンダ15の感度を下げて、昇降シリンダ15による苗植装置8の昇降を緩速で行わせるとともに、整地ロータ19、20を上昇させて、又は駆動回転を停止させて代掻作用を行わせないようにする。
【0047】
このため硬い土壌では整地ロータ19、20で代掻して苗の植え付けを行い易くし、軟弱な圃場面においてはこれら整地ロータ19、20による泥押作用を少なくすることにより、隣接植付条の苗の乱れを抑えるものとする。
【0048】
前記整地ロータ19、20の駆動回転の停止は、該リヤアクスルハウジング29内部の伝動クラッチを電動的に入り切り位置に作動して行う形態とする。
また、この代掻きロータ19、20の上下動は、前記昇降シリンダ15や、代掻フレーム40と等の間に設けられるバランススプリング等によって行われる。
【0049】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記代掻きロータ19、20の形態を、外周部に円弧状のロータ羽根50を配置したかご状形態として、このロータ羽根50の内側部で、前記ロータ伝動ケース41に軸受されているロータ軸51の周りに巴形板、乃至巴形爪形態の消波板を配置したもので、各消波板52は、基端部を前記ロータ軸51と平行にしてロータディスク55の両端面部に配置の支持軸53の周りに回動自在に嵌合支持させて、先端部をスプリング54でロータ軸51の側へ軽く引き付けている。
【0050】
前記ロータ軸51の回転によって、このロータ軸51の取り付けられたロータディスク55が回転され、これと一体のロータ羽根50が回転されて、圃場面を掻き均す。このとき泥土や、泥水等がロータ羽根50の回転内部へ浸入するが、消波板52の回転によって掻き砕きながら滑らかに押し出されて、泥土面に大きい波動を発生させないようにして代掻きすることができる。
【0051】
次に、主として図12に基づいて、前記整地ロータ19、20を軸装するロータ軸51と、このロータ軸51に対して取り付ける前記整地ロータ19、20のロータボス56と間に、外周面を八角形の断面形態としたハブメタル57を介在させる。
【0052】
内周面を四角形の断面形態とした角チューブ58の内側にハブメタル57を嵌合させた状態で連結して回転可能とするもので、駆動時に角チューブ58とハブメタル57との嵌合部で点接触しないように形成したものである。又、これら各ロータ軸51と、ハブメタル57と、角チューブ58との嵌合重合部には、ピン孔59を形成して、このピン孔59にヘアピン60を抜き差しして代掻きロータ19、20を着脱することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 センタフロート
2 サイドフロート
3 苗植フレーム
4 苗取口
5 苗受ガイド
6 苗タンク
7 植付装置
8 苗植装置
9 ハンドル
10 前輪
11 油圧無段変速装置(無段変速装置)
12 後輪
13 運転席
14 走行車体
15 昇降シリンダ
16 昇降リンク
17 撮影装置(CCDカメラ)
18 抵抗棒
19 整地ロータ
20 整地ロータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗取口(4)を形成の苗受ガイド(5)に送る苗タンク(6)と、該苗タンク(6)の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート(1)とサイドフロート(2)と、前記苗取口(4)を下降して苗を圃場に植え付ける植付装置(7)を設けて苗植装置(8)を構成し、該苗植装置(8)を前輪(10)及び後輪(12)を備えた走行車体(14)の後側に昇降リンク(16)を介して装着した苗移植機において、
前記苗植装置(8)の上方位置に植付装置(7)による苗植付位置の圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置(17)を設け、該撮影装置(17)が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは前記昇降リンク(16)を昇降させる昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは該昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を上げる制御構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて前記作業車両(14)に搭載した無段変速装置(11)を変速する制御構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記苗タンク(6)のマット苗繰出部上側にマット苗の茎葉部を押す抵抗棒(18)を左右方向に亘って設け、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて該抵抗棒(18)を上下動させる構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記センタフロート(1)及びサイドフロート(2)の前側に圃場面を均す整地ロータ(19,20)を設け、前記撮影装置(17)で検出した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、該整地ロータ(19,20)の回転を停止、あるいは該整地ロータ(19,20)を圃場面から上昇させる制御構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項1】
苗取口(4)を形成の苗受ガイド(5)に送る苗タンク(6)と、該苗タンク(6)の下部に設ける圃場面を滑走するセンタフロート(1)とサイドフロート(2)と、前記苗取口(4)を下降して苗を圃場に植え付ける植付装置(7)を設けて苗植装置(8)を構成し、該苗植装置(8)を前輪(10)及び後輪(12)を備えた走行車体(14)の後側に昇降リンク(16)を介して装着した苗移植機において、
前記苗植装置(8)の上方位置に植付装置(7)による苗植付位置の圃場面の凹凸を表わす画像を撮影する撮影装置(17)を設け、該撮影装置(17)が撮影した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、圃場面の凹凸が多いときは前記昇降リンク(16)を昇降させる昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を低下し、圃場面の凹凸が少ないときは該昇降シリンダ(15)の昇降制御感度を上げる制御構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて前記作業車両(14)に搭載した無段変速装置(11)を変速する制御構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記苗タンク(6)のマット苗繰出部上側にマット苗の茎葉部を押す抵抗棒(18)を左右方向に亘って設け、前記撮影装置(17)で撮影した画像で苗の植付姿勢を判別し、苗の植付姿勢に合わせて該抵抗棒(18)を上下動させる構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記センタフロート(1)及びサイドフロート(2)の前側に圃場面を均す整地ロータ(19,20)を設け、前記撮影装置(17)で検出した画像で圃場面の凹凸の多少を判別し、該整地ロータ(19,20)の回転を停止、あるいは該整地ロータ(19,20)を圃場面から上昇させる制御構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−205526(P2012−205526A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72780(P2011−72780)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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