説明

荷崩れ防止バンド

【課題】この発明は、台車等に段積みされた荷物の荷崩れ防止のために荷物の周囲に巻き付け固定する荷崩れ防止バンドを2通りに使用する改良構造に関する。
【解決手段】荷崩れ防止バンドは、固定用バンド部で巻き付けた個所の隙間部分を補助バンド部で覆うことで、荷崩れの防止を確実に行うことができる。更に、この発明では、補助バンドを外側に向かって折ることで、巻付け用バンド部の長さを延長させることができ、段積み荷物の輪郭形状が大きい場合に対応させることができ、1つの荷崩れ防止バンドで2通りに使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車やパレット等に段積みされた荷物の荷崩れ防止のために段積み荷物の周囲に巻き付け固定する荷崩れ防止バンドの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
繰り返し使用可能な荷崩れ防止バンドとして、例えば特開2004−231130号が開示されている。
この荷崩れ防止バンドは、段積み荷物に巻き付ける帯状の巻き付け部と、前記巻き付け部の第1端部に沿って取り付けられかつ該巻き付け部の幅と同等の長さをもつ第1取っ手ロッドと、前記巻き付け部の第1端部中央に切り欠いた凹部と前記第1取っ手ロッドにより囲まれた通し孔と、前記巻き付け部の第2端部に沿って取り付けられかつ該巻き付け部の幅と同等の長さをもつ支持ロッドと、前記巻き付け部よりも幅が狭くかつ前記第2端部中央から延在する帯状のバンド固定部と、前記バンド固定部の端部に沿って取り付けられかつ該バンド固定部の幅と同等の長さをもつ第2取っ手ロッドと、前記バンド固定部の片面上に設けた第1面ファスナと、前記バンド固定部の前記片面上端部に設けた第2面ファスナとを有し、前記巻き付け部を段積み荷物に巻き付け、前記バンド固定部の前記第2取っ手ロッドを前記巻き付け部の前記通し孔に通し該バンド固定部を折り返したときに前記第1面ファスナと前記第2面ファスナとが接合可能である構成からなっている。
しかし、上記構成の荷崩れ防止バンドでは、バンド固定部が巻き付け部よりも幅が狭く設定されているため、段積み荷物に固定用バンド部で巻き付けられた部分は、巻き付け部で巻き付けられた部分に比べて幅狭となり、荷崩れしやすく十分な巻き付けが行われないという欠点があった。
【特許文献1】特開2004−231130号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、上記欠点を解消するために創案したものであって、その主たる課題は、固定用バンド部で巻き付けた個所の隙間部分を補助バンド部で覆うことで、荷崩れの防止を確実に行うことができる。
更に、この発明では、補助バンドを外側に向かって折ることで、巻付け用バンド部の長さを延長させることができ、段積み荷物の輪郭形状が大きい場合に対応させることができ、1つの荷崩れ防止バンドで2通りに使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を達成するために、請求項1の発明では、
段積み荷物に巻き付け固定するための荷崩れ防止バンドにおいて、
段積み荷物に巻き付ける帯状の巻付け用バンド部と、
該巻付け用バンド部の先端に設けられた通し孔と、
前記巻付け用バンド部の幅と同等の幅に設定されて、巻付け用バンド部の先端近傍に端部が固着されると共に、上記端部から内向きに折ると前記巻付け用バンド部と重なり、該重なる面の相互に雌雄一対の面ファスナを設けて剥離可能に接合され、上記端部から外向きに折ると巻付け用バンド部の先端を超えて延長方向に延びる帯状の補助バンド部と、
該補助バンド部の先端に設けられて前記通し孔とほぼ同形状の補助通し孔と、
前記巻付け用バンド部より幅狭であって前記通し孔および補助通し孔に挿通可能な幅に設定されて、前記巻付け用バンド部の基端から延長方向外方へ延びると共に、前記通し孔または補助通し孔に通して折り返し、該折り返した状態で重なる面相互に雌雄一対の面ファスナを設けて剥離可能に接合される帯状の固定用バンド部と、
該固定用バンドを接合した状態で前記補助バンド部を固定バンド部の上に重ねた際に前記巻付け用バンド部と補助バンド部との重なる面相互に設けられた雌雄一対の面ファスナとからなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記通し孔が、巻付け用バンド部に固着される枠状の把持部の中途位置を略コ字状に突出させて形成してなり、補助通し孔が、補助バンド部に固着される枠状の把持部の中途位置をコ字状に突出させて形成してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明の荷崩れ防止バンドは、巻付け用バンド部より幅狭な固定用バンド部を用いて取付作業の作業性の向上を図ると共に、補助バンド部を設けて1つの荷崩れ防止バンドを2通りに使用することができるようにしている。
即ち、通常の使用法では、固定用バンド部を折り返して締め付ける個所で巻付け用バンド部との縦幅の差から生じる隙間部分を補助バンド部で覆うことで、荷崩れの防止を確実に行うことができる。
また、固定用バンド部を外側に向かって折ることで、巻付け用バンド部に代わってその先端位置を延長させ補助通し孔を用いて固定用バンド部を折り返して固定することができるので、段積み荷物の輪郭形状が大きい場合に対応させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の荷崩れ防止バンドは、固定用バンド部を有する巻付け用バンド部に剥離可能に補助バンド部を設けており、固定バンド部で巻付け用バンド部を締め付けて固定する際には補助バンド部で固定バンド部を覆うことができ、段積み荷物の外周が大きい場合は補助バンド部を巻付け用バンド部の外側に延ばして実質的に巻付け用バンド部を延長し、固定バンド部で締め付けて固定することで、2通りの使用法を実現した。
【実施例1】
【0007】
以下に、この発明の荷崩れ防止バンド1の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
荷崩れ防止バンド1は、通常、各構成部材を縫合して製造されるが、図示例では縫い目を省略している。
縫合の他に、熱圧着、接着等の他の手段を用いて製造することもできる。
【0008】
[巻付け用バンド部]
図1〜図5に示すように、荷崩れ防止バンド1は、段積み荷物に巻き付けるための巻付け用バンド部2を有する。
この巻付け用バンド部2は、所定の幅を有するポリエステル等の生地からなる可撓性を有する帯状部材からなる。
また、巻付け用バンド部2の長さは、固定しようとする段積み荷物の周囲長さに対応した適宜長さに設定される。
【0009】
[把手部]
巻付け用バンド部2の先端(図1の右側)に沿って把手部3が取り付けられる。
該把持部3は、巻付け用バンド部2の幅とほぼ同等の長さを有する剛体の合成樹脂製の枠体からなっているが、金属製でもよい。
【0010】
この把持部3は、無端で略矩形の枠体からなっており、後方の枠辺に巻付け用バンド部2の先端を巻き付けて固定することで、巻付け用バンド部2の先端を広げた状態で維持することができる。
【0011】
[通し孔]
この把持部3の前方の辺には、その中央をコ字状に突出させた凸部3aを設けており、該凸部3aと巻付け用バンド部2の先端によって略矩形の孔が形成され、後述の固定用バンド部10の先端を通す通し孔4となっている。
また、把持部3に、前記凸部3aの開放側を仕切用の柱3bで仕切って、通し孔4と巻付け用バンド部2の先端を通して巻き付けるための空間とに二分するように形成してもよい(図7参照)。
本実施例では、通し孔4を把持部3に設けたが、この発明では、把持部や通し孔の構造は特に限定されるものではない。
【0012】
図11(a)に示す把持部3では、凸部3aが、その上下に設けられて前方へ延びる一対の枠辺部32を外方に向かって漸次幅広に広がるテーパ状に形成されており、その延出端の間を繋いで上下に延びる先端の枠辺部31の中央に、中央部分が最も横幅が広く上下両側に向かって徐々に横幅が狭くなる円弧形状の縁部を有するガイド片部33が、その横幅が幅広となる個所が仕切用の柱3bへ向くように配置して先端の枠辺部31に一体に形成されている。
【0013】
固定バンド部10の自由端を通し孔4に挿入して折り返して固定バンド部10を引っ張ると、固定バンド部10はその中央部分がガイド片部33の円弧形状にガイドされて、その最も横幅が広くなる個所を境に、上方の縁部に接するバンドの部分は上方向にガイドされ、下方の縁部に接するバンドの部分は下方向にガイドされるので、固定バンド部10の中央部分に皺がよったり捩れることなく上下の両側に引っ張られた状態で固定バンド部10を締め付けることができる。
また、枠辺部32、32はテーパ状に延びており、縦幅の狭い基端側が固定バンド部10の縦幅より僅かに長く、縦幅の広い先端側が更に長く設定されているので、固定バンド部10が皺を解消して上下方向にずれて折り返された場合であっても、通し孔4の上下方向にクリアランスができるので、折り返されるバンド部分の上下方向での皺や捻れを防止できる。
【0014】
上記把持部3の構造は、巻付け用バンド部2と固定バンド部10とが同じ縦幅で一連に形成されている荷崩れ防止バンドの場合にも適用することができる。
図11(b)に示す把持部3’は、上記巻付け用バンド部2と同じ幅の固定バンド部10を通して締め付ける場合に用いるものであって、把持部3’の通し孔4を形成する枠体が、上下に設けられて前方へ延びる一対の枠辺部32’を外方に向かって漸次幅広に広がるテーパ状に形成されており、その延出端の間を繋いで上下に延びる先端の枠辺部31’の中央に、中央部分が最も横幅が広く上下両側に向かって徐々に横幅が狭くなる円弧形状の縁部を有するガイド片部33’が、その横幅が幅広となる個所が仕切用の柱34’へ向くように配置して先端の枠辺部31’に一体に形成されている。
この場合も上記実施例と同様の作用となる。
【0015】
即ち、前記固定バンド部の自由端(巻付け用バンド部2の後端、以下同じ)を通し孔4に挿入して折り返し、上記固定バンド部を引っ張ると、固定バンド部10はその中央部分がガイド片部33’の円弧形状にガイドされて、その最も横幅が広くなる個所を境に、上方の縁部に接するバンドの部分は上方向にガイドされ、下方の縁部に接するバンドの部分は下方向にガイドされるので、固定バンド部の中央部分に皺がよったり捩れることなく上下に引っ張られた状態で固定バンド部を締め付けることができる。
また、枠辺部32’、32’はテーパ状に延びており、縦幅の狭い基端側が固定バンド部の縦幅より僅かに長く、縦幅の広い先端側が更に長く設定されているので、固定バンド部が皺を解消して上下方向にずれて折り返された場合であっても、通し孔4の上下方向にクリアランスができるので、折り返されるバンド部分の上下方向での皺や捻れを防止できる。
【0016】
[補助バンド部]
前記巻付け用バンド部2の表面2aでの先端近傍には、巻付け用バンド部2の幅と同じ幅に設定された帯状の補助バンド部20の基端が固着(固着端21とする)されている(図2、図3参照)。
また、補助バンド部20の先端には、前記巻付け用バンド部2の把持部3と通し孔4と同様にこれに対応して同一形状からなる補助把持部23と補助通し孔24とが形成されている。
上記補助バンド部20は、巻付け用バンド部2に固着された固着端21を基点にして内向きに折ると、図2に示すように前記巻付け用バンド部2と重なる。
【0017】
[第3、第4の面ファスナ]
この巻付け用バンド部2の中途位置と補助バンド部20の自由端22側とで重なる面の相互に、雌雄一対の第3、第4の面ファスナF3、F4が設けられており、補助バンド部20が巻付け用バンド部2に重なる待機位置で剥離可能に接合される。
図示例の場合、第3の面ファスナF3は雌(パイル形成面、以下同じ)であり、巻き付け用バンド部2の中途位置で上下一対に設けられている。
【0018】
一方、第4の面ファスナF4は雄(フック形成面、以下同じ)であって、補助バンド部20の内面20aの自由端に沿って上下一対に配置されている(図6(a)参照)。
ここで、第3の面ファスナF3は、前記第4の面ファスナF4と対になって剥離可能に接合するものであればよく、その雌雄は逆に設定されていてもよく、その数や配置も図示例に限定されるものでないこと勿論である。
【0019】
[第5、第6の面ファスナ]
また、補助バンド部20の外面20bの自由端22に沿って、第5の面ファスナF5が形成され(図5、図6(b)参照)、巻付け用バンド部2には、その基端から中途位置まで延びる第6の面ファスナF6が設けられている。
【0020】
図示例の場合、第5の面ファスナF5は雄からなっており、上下両端および中間に2個所の合計4個所にほぼ等間隔に面ファスナが取り付けられている。
一方、第6の面ファスナF6は雌からなっており、巻付け用バンド部2の基端で上下両端および中間に2個所の合計4個所で中途位置まで延びるやや長尺の面ファスナが取り付けられている。
【0021】
ここで、中間に設けられた2つの第6の面ファスナF6’は、後述の第1の面ファスナF1の延長上に形成されている。
また、ここでも、第5の面ファスナF5は、前記第6の面ファスナF6と対になって剥離可能に接合するものであればよく、その雌雄は逆に設定されていてもよく、その数や配置も図示例に限定されるものでない。
更に、第6の面ファスナF6を複数設け、第5の面ファスナF5は複数に分割せず、縦幅に沿って一連に延びる1条の面ファスナとしてもよい。
【0022】
上記補助バンド部20は、前記固定端21を基点にして外向きに折ると、図3に示すように巻付け用バンド部2の先端を超えて延長方向に延びる。
これにより補助バンド部20の補助把持部23と補助通し孔24とが巻付け用バンド部2の把持部3と通し孔4に替わって機能する。
【0023】
巻付け用バンド部2の基端(図1の左側)に沿って、該端部が緊張状態を保つように補強部材5が取り付けられる。
補強部材5は、本実施例では剛性を有する細幅のプレートを内蔵しているが、プレートに限らずロッド状のもの、あるいは生地の厚みを持たせて端部を補強するものなどであってもよい。
【0024】
[固定用バンド部]
次ぎに、巻付け用バンド部2の基端の中央部分には、巻付け用バンド部2よりも幅の狭い帯状部材である固定用バンド部10の一方の端部がその中央に固着され、長手方向に延出している(図4参照)。
【0025】
この固定用バンド部10は、巻付け用バンド部2と同じ可撓性を有するポリエステル等の素材からなっている。
図示例で、固定用バンド部10の幅は、巻付け用バンド部2の幅の半分程度としているが、この発明では巻付け用バンド部2より幅狭であればよく、特に限定されない。
【0026】
[第2把持部]
さらに、固定用バンド部10の反対側の自由端部11には、この自由端部に沿って固定用バンド部10を引っ張るための第2把持部13が形成される。
図示例の場合、第2把持部13は、固定用バンド部10の自由端11に沿って固着されたロッドと、固定用バンド部10の自由端の中央近傍に形成されたコ字状の切欠からなって前記ロッドと切欠とによって把持孔14が形成されている。
この発明で、第2把持部13および把持孔14の構成は上記実施例に限定されるものではなく、固定用バンド部10を引っ張るために持つことができる把手部であればよい。
【0027】
[第1の面ファスナ]
さらに、固定用バンド部10の片面である表面10a上には、端部近傍を除いた長手方向の全長に亘って雌の第1の面ファスナF1が上下一対に取り付けられている。
本実施例では、一対の第1の面ファスナF1は固定用バンド部10を超えてさらに巻付け用バンド部2の表面2aの中途位置まで同一線上に一連に延びており、後述の第6面ファスナF6’の一部を構成している。
なお、図4に示すように、巻付け用バンド部2および後述の固定バンド部10の荷物と接触する側の内面2bには、面ファスナは設けられておらず凹凸の無い扁平面となっている。
【0028】
この第1の面ファスナF1の長さは、固定しようとする段積み荷物の周囲長さに適して設定される巻付け用バンド部2の長さを考慮して適宜設定されるが、更に延長して第6面ファスナF6’となり、後述の補助バンド部20の先端に形成された第5面ファスナF5とも接合しうるようになっている。
【0029】
[第2ファスナ面]
さらに第1の面ファスナF1が取り付けられた片面と同じ表面2a上の固定用バンド部10の自由端11側には、雄からなる第2の面ファスナF2が、前記第1の面ファスナF1と同じ幅で繋がって上下一対に取り付けられている。
該第2の面ファスナF2は、前記第1の面ファスナF1と対になって剥離可能に接合するものであればよく、その雌雄は逆に設定されていてもよく、その数や配置も図示例に限定されるものでないこと勿論である。
【0030】
[荷崩れ防止バンドの使用法1]
荷崩れ防止バンド1は、巻付け用バンド部2と固定用バンド部10とを広げて段積み荷物30の周囲に巻き付ける。
巻き付けた後、作業者は片手で巻付け用バンド部2の把持部3を持ち、片手で固定用バンド部10の第2把持部13を掴んでそれぞれの両端部を引き寄せて、荷崩れ防止バンド1で段積み荷物30を締め付けると共に、荷崩れ防止バンド1が偏ったり捻れたりしないように姿勢を整える。
【0031】
次に、図8に示すように、両方の把持部3、13を引っ張った状態のまま、固定用バンド部10を自由端にある第2把持部13側から巻付け用バンド部2固定用バンド部10の通し孔4に通す。
そして、固定用バンド部10を通し孔4から折り返して、第2把持部13を持って逆方向に引っ張ることにより、巻付け用バンド部2および固定用バンド部10によって段積み荷物30を締め付ける。
【0032】
次いで、固定用バンド部10に設けた第2の面ファスナF2と第1の面ファスナF1とを接合させ、荷崩れ防止バンド1を固定する。
このように幅の狭い固定用バンド部10の自由端側を引っ張るだけで、幅の広い巻付け用バンド部2を強く締め付けることができる。
【0033】
この締付に際して固定用バンド部10が全て折り返される場合を除き、中途位置で折り返される場合は、巻付け用バンド部2に比して縦幅の長さの差から固定バンド部10の上下には隙間Sが形成されるので、締め付けられた荷物がこの隙間から崩れる虞れがある(図8参照)。
【0034】
そこで、巻付け用バンド部2に第3、第4の面ファスナで接合している補助バンド部20の自由端側を剥離し、補助バンド部20の固定端を基点にして前記自由端を反対側の外方、即ち固定用バンド部10の折り返し方向に広げて、上記固定バンド部10の全面を覆う。
【0035】
そして、補助バンド部20の自由端21は、巻付け用バンド部2の基端を越えて重なるので、補助バンド部20の自由端と巻付け用バンド部2の基端側の重合部分でそれぞれ第5、第6の面ファスナの接合によって剥離可能に接合される(図9参照)。
これにより、前記固定バンド部10に形成された上下の隙間Sが補助バンド部20によって完全に塞がれるので、巻付け用バンド部2と全て同じ幅で段積み荷物30の外周を締め付けることができる。
【0036】
[荷崩れ防止バンドの使用法2]
荷崩れ防止バンド1は、段積み荷物の外周寸法が大きい場合に、前記補助バンド部20を固定端を基点として反対側の外方へ折って開く。
これにより巻付け用バンド部2の先端を越えて補助バンド部20の先端が外側へ延びるので、図10に示すように該補助バンド部20を巻付け用バンド部2の延長部分として用いることができる。
【0037】
即ち、補助バンド部20の自由端21に設けた補助把持部23の補助通し孔24を巻付け用バンド部2の通し孔に替えて用い、前記固定用バンド部10の先端を補助通し孔24に通して折り返し、固定用バンド部10の第2の面ファスナF2と第1の面ファスナF1とが接合し、荷崩れ防止バンド1で段積み荷物を緊締した状態で固定することができる。
【0038】
これにより、従来の使用法では締め付けることができない段積み荷物の外周であっても、補助バンド部20を延ばして締め付け可能な外周の長さを延ばすことが可能となり、1つの荷崩れ防止バンド1を2つの用途に使用することができる。
【0039】
第1の面ファスナ13と第2の面ファスナ14の形状及び取り付け位置は図示の例に限られず、固定用バンド部10を折り返したときに互いに接合可能となるように適宜設計することができる。
本実施例では巻付け用バンド部2や固定用バンド部10は可撓性を有する素材としたが、その全部または一部に伸縮可能な素材を用いるものであってもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】荷崩れ防止バンドの一部を省略した実施例で補助バンド部を中立位置とした状態を示す正面図である。
【図2】補助バンド部を巻付け用バンド部に重ねて待機位置とした状態を示す正面図である。
【図3】補助バンド部を巻付け用バンド部の延長方向に延ばした状態を示す正面図である。
【図4】図2の背面図である。
【図5】図1の補助バンド部を中立位置とした状態の斜視図である。
【図6】(a)は図1の左側面図、(b)は右側面図である。
【図7】把持部の異なる実施例を示す拡大図である。
【図8】使用法1で固定バンド部を巻付け用バンド部に固定した使用状態を示す斜視図である。
【図9】使用法1で、補助バンド部20で固定バンド部の締付個所を覆った使用状態を示す斜視図である。
【図10】使用法2で、補助バンド部20を巻付け用バンド部の延長として用いた場合の使用状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は把持部の別の実施例を示す拡大図、(b)は把持部の更に別の実施例を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0041】
1 荷崩れ防止バンド
2 巻付け用バンド部
3 把持部
4 通し孔
5 支持ロッド
10 固定用バンド部
13 第2取っ手ロッド
14 把持孔
20 補助バンド部
23 補助把持部
24 補助通し孔
30 段積み荷物
F1 第1の面ファスナ
F2 第2の面ファスナ
F3 第3の面ファスナ
F4 第4の面ファスナ
F5 第5の面ファスナ
F6 第6の面ファスナ
F6’ 第1の面ファスナの延長上に形成される第6の面ファスナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段積み荷物に巻き付け固定するための荷崩れ防止バンド(1)において、
段積み荷物に巻き付ける帯状の巻付け用バンド部(2)と、
該巻付け用バンド部(2)の先端に設けられた通し孔(4)と、
前記巻付け用バンド部(2)の幅と同等の幅に設定されて、巻付け用バンド部(2)の先端近傍に端部が固着されると共に、上記端部から内向きに折ると前記巻付け用バンド部(2)と重なり、該重なる面の相互に雌雄一対の面ファスナを設けて剥離可能に接合され、上記端部から外向きに折ると巻付け用バンド部(2)の先端を超えて延長方向に延びる帯状の補助バンド部(20)と、
該補助バンド部(20)の先端に設けられて前記通し孔(4)とほぼ同形状の補助通し孔(24)と、
前記巻付け用バンド部(2)より幅狭であって前記通し孔(4)および補助通し孔(24)に挿通可能な幅に設定されて、前記巻付け用バンド部(2)の基端から延長方向外方へ延びると共に、前記通し孔(4)または補助通し孔(24)に通して折り返し、該折り返した状態で重なる面相互に雌雄一対の面ファスナを設けて剥離可能に接合される帯状の固定用バンド部(10)と、
該固定用バンド部(10)を接合した状態で前記補助バンド部(20)を固定バンド部(10)の上に重ねた際に前記巻付け用バンド部(2)と補助バンド部(20)との重なる面相互に設けられた雌雄一対の面ファスナとからなることを特徴とする荷崩れ防止バンド。
【請求項2】
通し孔(4)が、巻付け用バンド部に固着される枠状の把持部(3)の中途位置を略コ字状に突出させて形成してなり、補助通し孔(24)が、補助バンド部(20)に固着される枠状の把持部の中途位置をコ字状に突出させて形成してなることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止バンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−100737(P2008−100737A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285638(P2006−285638)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【特許番号】特許第3947558号(P3947558)
【特許公報発行日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(306037780)
【Fターム(参考)】