説明

荷役装置及び荷役方法

【課題】同一のパレットに対して複数のロボットハンドをアクセスさせる構成を備えながら、ロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる荷役装置及び荷役方法を提供する。
【解決手段】パレット上の複数のアクセス位置に対して、ワークの荷役を行う荷役装置であって、前記パレット上の前記複数のアクセス位置に順次アクセスする複数のハンドと、前記複数のハンドのうちの第1のハンドのアクセス位置を管理する管理部と、前記第1のハンドの前記アクセス位置に応じて前記複数のハンドのうちの前記第1のハンドとは異なる第2のハンドの移動経路を決定する決定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレタイズやデパレタイズ等の荷役作業を行う荷役装置及び荷役方法に関し、特に、同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行う際に、作業速度を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の保管や輸送のためにパレットに完成製品等のワークを積み上げる荷揚げ作業を「パレタイズ」と言い、逆に、パレットから供給部品等のワークを降ろす荷卸し作業を「デパレタイズ」という。
【0003】
パレタイズやデパレタイズを行う装置(以下、「荷役装置」と記す)は、ロボットアームを備えるものが多い。ロボットアームは基本的に往復運動によりワークを運搬するので、ワークを連続運搬するコンベア等の機械と比べると一般的に運搬能力が低い。そこで例えば、コンベアを用いてワークを搬送する生産ラインに、1台のロボットアームを備える荷役装置を接続した場合には、生産のペースが速くなると荷役装置による動作が追い付かなくなるという事態が起こり得る。
【0004】
そこで、生産ラインに荷役装置を複数台接続し、複数の場所で並行して荷役作業を行わせることにより荷役装置の運搬能力の低さをカバーして、全体の生産のペースを速くすることができる。
【0005】
一方、完成製品の品質管理等の観点から、完成製品を生産順に「パレタイズ」して出荷したいという要望がある。また、供給部品のロット管理等の観点から、供給部品を入荷順に「デパレタイズ」して生産ラインに投入したいという要望もある。
【0006】
ところが、生産ラインに荷役装置を複数台接続し複数の場所で並行して荷役作業を行わせると、複数のパレットに対して同時に荷役作業が行われることになるので、完成製品を生産順に「パレタイズ」して出荷することも、供給部品を入荷順に「デパレタイズ」して生産ラインに投入することも難しくなる。
【0007】
そこで、同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行うことにより、完成製品を生産順に「パレタイズ」して出荷することや、供給部品を入荷順に「デパレタイズ」して生産ラインに投入することを可能にしたままで、荷役装置の作業速度を向上させて、全体の生産のペースを速くすることができる。
【0008】
ここで同一のパレットに対して複数のロボットハンドをアクセスさせ、作業速度を向上させる装置が特許文献1、及び特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8-305426号公報
【特許文献2】特開2003-191034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行う場合には、ロボットハンド同士が接触しないようにロボットハンドによる動作を制限する必要が生じる。例えば2台のロボットハンドを備える荷役装置において、一方のロボットハンドによる動作が完全に終了するまで待って他方のロボットハンドが動作を開始するように制御すればロボットハンド同士は接触しない。しかしながら、以上のような制御では、どちらか一方のロボットハンドが常に動作せずに待機していることになり、1本のロボットアームを用いて荷役作業を行う場合に比べてさほど作業速度が向上するとは思えない。
【0011】
そこで、複数のロボットハンドを備える荷役装置において、複数のロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる新たな技術の登場が望まれる。
【0012】
本発明は、同一のパレットに対して複数のロボットハンドをアクセスさせる構成を備えながら、ロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる荷役装置及び荷役方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る荷役装置は、パレット上の複数のアクセス位置に対して、ワークの荷役を行う荷役装置であって、前記パレット上の前記複数のアクセス位置に順次アクセスする複数のハンドと、前記複数のハンドのうちの第1のハンドのアクセス位置を管理する管理部と、前記第1のハンドの前記アクセス位置に応じて前記複数のハンドのうちの前記第1のハンドとは異なる第2のハンドの移動経路を決定する決定部とを備える。
【0014】
ここで荷役装置において、前記決定部は、前記第2のハンドの前記移動経路が、直前に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドのアクセス位置に応じて決められるとよい。
【0015】
ここで荷役装置において、前記決定部は、前記第1のハンドによる前記直前に前記パレット上にアクセスする動作が完了していない場合には前記第1のハンドのアクセス位置に応じて前記第2のハンドの移動経路を迂回させ、前記第1のハンドによる前記直前に前記パレット上にアクセスする動作が完了している場合には前記第2のハンドの移動経路を迂回させないとよい。
【0016】
ここで荷役装置において、前記荷役装置は、前記パレット上の前記複数のアクセス位置に積まれた前記ワークを荷卸しするデパレタイズ装置であるとよい。
【0017】
ここで荷役装置において、前記決定部は、前記第2のハンドの前記移動経路が、直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドのアクセス位置に応じて決められるとよい。
【0018】
ここで荷役装置において、前記決定部は、前記直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドが待機している場合には前記第1のハンドのアクセス位置に応じて前記第2のハンドの移動経路を迂回させ、前記直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドが待機していない場合には前記第2のハンドの移動経路を迂回させないとよい。
【0019】
ここで荷役装置において、前記荷役装置は、前記ワークをパレット上の複数のアクセス位置に荷揚げするパレタイズ装置であるとよい。
【0020】
ここで荷役装置において、前記複数のハンドは、前記第1のハンド、及び前記第2のハンドの2台であり、前記管理部は、さらに、前記第2のハンドの前記アクセス位置を管理し、前記決定部は、さらに、前記管理部により管理される第2のハンドのアクセス位置に応じて前記第1のハンドの移動経路を決定するとよい。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明に係る荷役方法は、パレット上の複数のアクセス位 パレット上の複数のアクセス位置に対して、ワークの荷役を行う荷役装置において実施する荷役方法であって、前記荷役装置は、前記パレット上の前記複数のアクセス位置に順次アクセスする複数のハンドを備え、前記荷役方法は、前記複数のハンドのうちの第1のハンドの前記アクセス位置を管理する管理ステップと、前記第1のハンドのアクセス位置に応じて、前記複数のハンドのうちの前記第1のハンドとは異なる第2のハンドの移動経路を決める決定ステップとを含む。
【発明の効果】
【0022】
課題を解決するための手段に記載した荷役装置及び荷役方法の構成により、第1のハンドのアクセス位置に応じて第2のハンドの移動経路を決定することができるので、同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行う構成を備える荷役装置において、ロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態1に係る荷役装置の概略を示す図である。
【図2】実施の形態1の工程レイアウトを示す平面図である。
【図3】パレット上のワークの積付パターンAを示す図である。
【図4】パレット上のワークの積付パターンBを示す図である。
【図5】パレット上のワークの積付パターンCを示す図である。
【図6】ハンドの移動経路を迂回させる方法の概要を説明するための図である。
【図7】変形例1に係るデパレタイズ装置の概略を示す図である。
【図8】デパレタイズ処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】変形例2に係るパレタイズ装置の概略を示す図である。
【図10】パレタイズ処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施の形態1]
<概要>
実施の形態1では、同一のパレットに対して2台のロボットハンドをアクセスさせる構成において、一方のロボットハンドのパレット上の作業位置に応じて、他方のロボットハンドの移動経路を迂回させる荷役装置を示す。
【0025】
<構成>
図1は、実施の形態1に係る荷役装置100の概略を示す図である。図1に示すように、荷役装置100は、ハンド110、ハンド120、管理部130、及び決定部140を備える。
【0026】
図2は、実施の形態1の工程レイアウトを示す平面図である。ここで図2には、荷役装置100が備えるハンド110、ハンド120の他に、パレット収納装置150、ワーク用コンベア160、ワーク用コンベア170、パレット用コンベア180及びパレット190を記載している。
【0027】
荷役装置100は、パレタイズ、及びデパレタイズを行うことができ、パレット190上の複数のアクセス位置に対してワークの荷役を行う。詳細には荷役装置100は、パレタイズを行うときには空のパレット190上のアクセス位置にワークを積み上げていき、デパレタイズを行うときにはパレット190上のアクセス位置に積み上げられたワークを降ろしていく。
【0028】
ここでアクセス位置とは、パレタイズを行うときには空のパレット190上にワークを積み上げる際のワークを積む位置を指し、デパレタイズを行うときにはパレット190上に積み上げられたワークの位置を指す。
【0029】
ハンド110及びハンド120は、6軸または7軸のロボットハンドであり、管理部130からの指令を受けて動作する。さらにハンド110及びハンド120は、各軸が備えるエンコーダ出力により指令通りに動作していることを逐次決定部140へ通知する。
【0030】
またハンド110及びハンド120は、決定部140からの指令に応じてパレット190上の複数のアクセス位置に順次アクセスする。
【0031】
詳細にはハンド110は、パレタイズを行うときには、決定部140から指示されたアクセス位置にワーク用コンベア160上のワークを積み上げる。同様にハンド120は、パレタイズを行うときには、決定部140から指示されたアクセス位置に、ワーク用コンベア170上のワークを積み上げる。またハンド110は、デパレタイズを行うときには、決定部140から指示されたアクセス位置からワークを降ろし、ワーク用コンベア160上に置く。同様にハンド120は、デパレタイズを行うときには、決定部140から指示されたアクセス位置からワークを降ろし、ワーク用コンベア170上に置く。
【0032】
なお、ハンド110及びハンド120がパレット190上の複数のアクセス位置にアクセスする際の順序は、ハンド110とハンド120とが互いの動作を邪魔する機会が出来るだけ少なくなるように予め決めておくとよい。
【0033】
図3〜図5は、パレット190上のワークの積付パターンを示す図である。図3〜図5はパレット190を真上から見た様子を示しており、それぞれワークの重さや外形の違いに応じた3種類の積付パターンA〜Cを示している。なお図3〜図5の積付パターンA〜C中のアクセス位置には、アクセス順序を示す番号が付けられている。図3〜図5では、ハンド120のアクセス位置をa1、a2、...のように、aを付けた番号により表し、aの後の番号がハンド120のアクセス順序を示している。同様にハンド110のアクセス位置をb1、b2、...のように、bを付けた番号により表し、bの後の番号がハンド110のアクセス順序を示している。また原則的にハンド120から先にハンド110とハンド120とを交互に動作させて、a1、b1、a2、b2、...のようなアクセス順序でワークの荷役を行う。
【0034】
図3に示す積付パターンAでは、ハンド120のアクセス位置はa1〜a8、ハンド110のアクセス位置はb1〜b8である。またハンド110とハンド120とが交互に、a1、b1、a2、b2、a3、b3、a4、b4、a5、b5、a6、b6、a7、b7、a8、b8の順序でワークの荷役を行う。
【0035】
図4に示す積付パターンBでは、パレット2つ分のアクセス順序を示しており、ハンド110のアクセス位置はa1〜a15、ハンド120のアクセス位置はb1〜b15である。1つ目のパレットでは、a1、b1、a2、b2、a3、b3、a4、b4、a5、b5、a6、b6、a7、b7、a8の順序でハンド110とハンド120とが交互にワークの荷役を行う。また2つ目のパレットでは、b8、a9、b9、a10、b10、a11、b11、a12、b12、a13、b13、a14、b14、a15、b15の順序でハンド110とハンド120とが交互にワークの荷役を行う。
【0036】
積付パターンBでは、1つのパレット上のアクセス位置が奇数なので、ハンド110とハンド120とを交互に動作させると、パレット毎にハンド110とハンド120とのアクセス順序が入れ替わる。
【0037】
図5に示す積付パターンCでは、ハンド110のアクセス位置はa1〜a5、ハンド120のアクセス位置はb1〜b5である。a1、b1、a2、b2、a3、b3、a4、b4、a5、b5の順序でハンド110とハンド120とが交互にワークの荷役を行う。
【0038】
管理部130は、ハンド110のアクセス位置を管理する。例えば、図3に示す積付パターンAの順序でワークの荷役を行う場合には、管理部130は、図3中のb1〜b8のいずれかのアクセス位置を管理する。
【0039】
決定部140は、ハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を決定する。詳細には決定部140は、直前にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120がワーク用コンベア170からパレット190上のアクセス位置へ向かう際の移動経路を迂回させる。あるいは決定部140は、直後にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120がパレット190上のアクセス位置からワーク用コンベア170へ向かう際の移動経路を迂回させる。
【0040】
図6は、ハンド120の移動経路を迂回させる方法の概要を説明するための図である。以下に、決定部140がハンド120の移動経路を迂回させる方法について説明する。
【0041】
図6は積付パターンAの場合にハンド110がアクセス位置11(図中斜線部分、図3のアクセス位置b2に相当)へアクセスし、続いてハンド120がアクセス位置21(図中斜線部分、図3のアクセス位置a3に相当)にアクセスする場面を示す。
【0042】
また図6には、ワーク用コンベア170上のワーク位置22、及びワーク用コンベア160上のワーク位置12を示す。ここでワーク位置12、ワーク位置22を囲う破線の四角形はハンド110又はハンド120のヘッド部分の外形を示す。またアクセス位置11、ワーク位置12、アクセス位置21及びワーク位置22のそれぞれを囲う破線の円は、各位置においてハンド110又はハンド120のヘッド部分が回転する範囲を示す。
【0043】
図6において、決定部140は、ハンド110のアクセス位置11とワーク用コンベア160上のワーク位置12とからハンド110の最短移動経路13を算出する。さらに決定部140は、ハンド120の最短移動経路23を元にして、算出したハンド110の最短移動経路13の移動方向と逆の方向に迂回させ、ハンド120の迂回移動経路24を算出する。
【0044】
なお、決定部140が迂回させる距離は、固定値であってもよいし、ハンド110のアクセス位置に応じて適宜変更してもよい。
【0045】
また、決定部140が移動経路を迂回させる距離は、仮にハンド110とハンド120が最短移動経路13、最短移動経路23を通って荷役作業を行った場合に、接触する可能性がある距離14に相当する分だけ迂回させてもよい。
【0046】
また、決定部140が迂回させる方向は、固定方向であってもよいし、ハンド110のアクセス位置に応じて適宜変更してもよい。
【0047】
また決定部140は、ハンド110による直前にパレット190上にアクセスする動作が完了していない場合にはハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を迂回させ、ハンド110による直前にパレット190上にアクセスする動作が完了している場合にはハンド120の移動経路を迂回させないようにしてもよい。
【0048】
また図6では、決定部140が、直前にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じてハンド120がアクセス位置へ向かう際の移動経路を決めているが、直後にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じてハンド120がアクセス位置から離れる際の移動経路を決めてもよい。詳細には、決定部140は、直後にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置とワーク用コンベア160上のワーク位置とから、図6と同様にハンド110がワーク用コンベア160上のワーク位置からパレット190上のアクセス位置へ向かう最短移動経路を算出する。さらに決定部140は、算出した最短移動経路と逆の方向へ、ハンド120がパレット190上のアクセス位置から離れる際の移動経路を迂回させる。
【0049】
また決定部140は、ハンド110による直後にパレット190上にアクセスする動作がハンド120による動作待ちで待機している場合にはハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を迂回させ、ハンド110による直後にパレット190上にアクセスする動作が待機していない場合にはハンド120の移動経路を迂回させないようにしてもよい。
【0050】
また決定部140は、ハンド120がアクセス位置へ向かう際の移動経路と、ハンド120がパレット190上のアクセス位置から離れる際の移動経路とを両方とも迂回させてもよい。
【0051】
さらに決定部140は、同一の論理回路やプログラムによる単一の制御により、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110及びハンド120による動作の全てを決定して、ハンド110及びハンド120に動作指示を出す。
【0052】
決定部140は、ハンド110の現在位置から移動予定位置までの経路と、ハンド120の現在位置から移動予定位置までの経路とを比較して、ハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重ならないときにだけ、ハンド110及びハンド120の移動を指示する。なお決定部140は、ハンド110及びハンド120が動作すると、ハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、一方のハンドによる後に動作させるべき動作を休止させて、他方のハンドによる動作を優先させる。一方のハンドによる動作を休止させても他方のハンドが動作できない場合には、休止させているハンドを他方のハンドの移動経路から遠ざかる方向へ移動させる。
【0053】
例えば、決定部140は、図3の積付パターンAでパレタイズを行う場合に、ハンド110とハンド120とに対して交互に、ハンド120にはアクセス位置a1〜a8の順にアクセスしてワークを積み上げるように指示し、ハンド110にはアクセス位置b1〜b8の順にアクセスしてワークを積み上げるように指示する。
【0054】
なお、管理部130は、ハンド110のアクセス位置を管理するだけでなく、ハンド120のアクセス位置を管理してもよい。
【0055】
また決定部140は、管理部130により管理されるハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を決定するだけでなく、管理部130により管理されるハンド120のアクセス位置に応じてハンド110の移動経路を決定してもよい。
【0056】
<まとめ>
以上のように、実施の形態1に係る荷役装置及び荷役方法によれば、第1のハンドのアクセス位置に応じて第2のハンドの移動経路を決定することができるので、第1のハンドのアクセス位置毎に、第1のハンドと接触しないように迂回させた移動経路や、作業効率のよい移動経路を使って、第2のハンドに荷役作業を行わせることができる。
【0057】
従って、同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行う構成を備える荷役装置において、ロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる。
【0058】
なお、実施の形態1では、パレタイズ及びデパレタイズを行うことができる荷役装置について説明した。以下に、さらに詳細な部分や制御方法について、デパレタイズ装置(変形例1)とパレタイズ装置(変形例2)とに分けて説明する。
[変形例1]
<概要>
変形例1では、同一のパレットに対して2台のロボットハンドをアクセスさせる構成において、先にアクセスするロボットハンドのパレット上の作業位置に応じて、後にアクセスするロボットハンドがパレット上のアクセス位置へ向かう際の移動経路を迂回させるデパレタイズ装置を示す。
【0059】
<構成>
図7は、変形例1に係るデパレタイズ装置200の概略を示す図である。図7に示すように、デパレタイズ装置200は、ハンド110、ハンド120、管理部230、及び決定部240を備える。
【0060】
なお、変形例1に係るデパレタイズ装置200において、実施の形態1の荷役装置100と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。またデパレタイズ装置200の工程レイアウトを示す図は、実施の形態1の図2と同様である。
【0061】
デパレタイズ装置200は、デパレタイズを行うことができ、パレット190上に積み上げられたワークを降ろしていく。
【0062】
ハンド110及びハンド120は、決定部240からの指令に応じてパレット190上の複数のアクセス位置に順次アクセスする。
【0063】
詳細にはハンド110は、決定部240から指示されたアクセス位置からワークを降ろし、ワーク用コンベア160上に置く。同様にハンド120は、決定部240から指示されたアクセス位置からワークを降ろし、ワーク用コンベア170上に置く。
【0064】
管理部230は、ハンド110のアクセス位置、及びハンド120のアクセス位置を管理する。例えば、図3に示す積付パターンAの順序でワークの荷役を行う場合には、管理部230は、a1〜a8のいずれかのアクセス位置と、b1〜b8のいずれかのアクセス位置とを管理する。
【0065】
決定部240は、管理部230により管理されるハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を決定し、管理部230により管理されるハンド120のアクセス位置に応じてハンド110の移動経路を決定する。詳細には決定部240は、直前にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120がワーク用コンベア170からパレット190上のアクセス位置へ向かう際の移動経路を迂回させる。また決定部240は、直前にパレット190上にアクセスするハンド120のアクセス位置に応じて、ハンド110がワーク用コンベア160からパレット190上のアクセス位置へ向かう際の移動経路を迂回させる。
【0066】
ここで決定部240がハンド110及びハンド120の移動経路を迂回させる方法については、実施の形態1の決定部140がハンド120の移動経路を迂回させる方法と同様である。
【0067】
さらに決定部240は、実施の形態1の決定部140と同様に、同一の論理回路やプログラムによる単一の制御により、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110及びハンド120による動作の全てを決定して、ハンド110及びハンド120に動作指示を出す。
【0068】
<制御方法>
図8は,デパレタイズ処理の概要を示すフローチャートである。以下に図2、図7及び図8を用いて、デパレタイズ処理の概要を説明する。
【0069】
(1)決定部240が、ワーク用コンベア170上でハンド120が指示待ち状態になっているか否かを判定する。そして決定部240は、ハンド120が指示待ち状態になるまで待つ(ステップS1)。ここでハンド120は、初期状態、あるいはワーク用コンベア170上にワークを置いた後に指示待ち状態になる。
【0070】
(2)ハンド120が指示待ち状態になると(ステップS1:YES)、決定部240が、ハンド110による直前にワークをアクセス位置から降す動作が完了しているか否かを判定する(ステップS2)。
【0071】
(3)ハンド110による動作が完了している場合には(ステップS2:YES)、ハンド120がワークを持たずに最短距離を通ってアクセス位置へ移動するように、決定部240がハンド120に指示を出す(ステップS3)。
【0072】
(4)ハンド110による動作が完了していない場合には(ステップS2:NO)、決定部240が、直前のハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120の移動経路を迂回させる。またハンド120がワークを持たずにアクセス位置へ移動するように、決定部240がハンド120に指示を出す(ステップS4)。
【0073】
ここで決定部240は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部240は、ハンド110による直前にパレット190上にアクセスする動作を優先させて、ハンド120による動作を待機させる。
【0074】
(5)決定部240が、ハンド120がアクセス位置へ移動したか否かを判定する。そして決定部240は、ハンド120がアクセス位置へ移動するまで待つ(ステップS5)。
【0075】
(6)ハンド120がアクセス位置へ移動すると(ステップS5:YES)、ハンド120がアクセス位置に積まれているワークを持ち、ワーク用コンベア170へ最短距離を通って移動し、ワーク用コンベア170上にワークを置くように、決定部240がハンド120に指示を出す(ステップS6)。
【0076】
ここで決定部240は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部240は、ハンド110による直前にパレット190上にアクセスする動作を優先させて、ハンド120による動作を待機させる。
【0077】
(7)決定部240が、ワーク用コンベア160上でハンド110が指示待ち状態になっているか否かを判定する。そして決定部240は、ハンド110が指示待ち状態になるまで待つ(ステップS7)。ここでハンド110は、初期状態、あるいはワーク用コンベア160上にワークを置いた後に指示待ち状態になる。
【0078】
(8)ハンド110が指示待ち状態になると(ステップS7:YES)、決定部240が、ハンド120による直前にワークをアクセス位置から降す動作が完了しているか否かを判定する(ステップS8)。
【0079】
(9)ハンド120による動作が完了している場合には(ステップS8:YES)、ハンド110がワークを持たずに最短距離を通ってアクセス位置へ移動するように、決定部240がハンド110に指示を出す(ステップS9)。
【0080】
(10)ハンド120による動作が完了していない場合には(ステップS8:NO)、決定部240が、直前のハンド120のアクセス位置に応じて、ハンド110の移動経路を迂回させる。またハンド110がワークを持たずにアクセス位置へ移動するように、決定部240がハンド110に指示を出す(ステップS10)。
【0081】
ここで決定部240は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部240は、ハンド120による直前にパレット190上にアクセスする動作を優先させて、ハンド110による動作を待機させる。
【0082】
(11)決定部240が、ハンド110がアクセス位置へ移動したか否かを判定する。そして決定部240は、ハンド110がアクセス位置へ移動するまで待つ(ステップS11)。
【0083】
(12)ハンド110がアクセス位置へ移動すると(ステップS11:YES)、ハンド110がアクセス位置に積まれているワークを持ち、ワーク用コンベア160へ最短距離を通って移動し、ワーク用コンベア160上にワークを置くように、決定部240がハンド110に指示を出す(ステップS12)。
【0084】
ここで決定部240は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部240は、ハンド120による直前にパレット190上にアクセスする動作を優先させて、ハンド110による動作を待機させる。
【0085】
<まとめ>
デパレタイズ装置は、ワークを降ろす作業を行うので、ロボットハンドがアクセス位置へ向かう際にはワークを持たず、ロボットハンドがアクセス位置から離れる際にワークを持つことになる。ロボットハンドがワークを持っているときには、ワークの重さがあるので、ワークを持っていないときよりもロボットハンドを移動させる速度を上げることができない。またロボットハンドがワークを持っているときには、ワークを落としたりワークがずれたりすることのないように制動用の補助動作や待ち時間等を入れることがある。よってデパレタイズ装置では、ロボットハンドがアクセス位置から離れる際の移動速度に比べて、ロボットハンドがアクセス位置へ向かう際の移動速度を速くすることができる。
【0086】
変形例1に係るデパレタイズ装置によれば、ワークを持たないときの移動経路のみを迂回させるので、移動速度を速くすることにより迂回による移動距離の増加分を吸収することができる。
[変形例2]
<概要>
変形例2では、同一のパレットに対して2台のロボットハンドをアクセスさせる構成において、後にアクセスするロボットハンドのパレット上の作業位置に応じて、先にアクセスするロボットハンドがパレット上のアクセス位置から離れる際の移動経路を迂回させるパレタイズ装置を示す。
【0087】
<構成>
図9は、変形例2に係るパレタイズ装置300の概略を示す図である。図9に示すように、パレタイズ装置300は、ハンド110、ハンド120、管理部330、及び決定部340を備える。
【0088】
なお、変形例1に係るパレタイズ装置300において、実施の形態1の荷役装置100と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。またパレタイズ装置300の工程レイアウトを示す図は、実施の形態1の図2と同様である。
【0089】
パレタイズ装置300は、パレタイズを行うことができ、空のパレット190上にワークを積み上げていく。
【0090】
ハンド110及びハンド120は、決定部340からの指令に応じてパレット190上の複数のアクセス位置に順次アクセスする。
【0091】
詳細にはハンド110は、決定部340から指示されたアクセス位置に、ワーク用コンベア160上のワークを積み上げる。同様にハンド120は、決定部340から指示されたアクセス位置に、ワーク用コンベア170上のワークを積み上げる。
【0092】
管理部330の機能は、変形例1の管理部230と同様である。
【0093】
決定部340は、管理部330により管理されるハンド110のアクセス位置に応じてハンド120の移動経路を決定し、管理部330により管理されるハンド120のアクセス位置に応じてハンド110の移動経路を決定する。詳細には決定部340は、直後にパレット190上にアクセスするハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120がパレット190上のアクセス位置からワーク用コンベア170へ向かう際の移動経路を迂回させる。また決定部340は、直後にパレット190上にアクセスするハンド120のアクセス位置に応じて、ハンド110がパレット190上のアクセス位置からワーク用コンベア160へ向かう際の移動経路を迂回させる。
【0094】
ここで決定部340がハンド110及びハンド120の移動経路を迂回させる方法については、実施の形態1の決定部140がハンド120の移動経路を迂回させる方法と同様である。
【0095】
さらに決定部340は、実施の形態1の決定部140と同様に、同一の論理回路やプログラムによる単一の制御により、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110及びハンド120による動作の全てを決定して、ハンド110及びハンド120に動作指示を出す。
【0096】
<制御方法>
図10は,パレタイズ処理の概要を示すフローチャートである。以下に図2、図9及び図10を用いて、パレタイズ処理の概要を説明する。
【0097】
(1)決定部340が、ワーク用コンベア170上でハンド120が指示待ち状態になっているか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド120が指示待ち状態になるまで待つ(ステップS21)。ここでハンド120は、初期状態、あるいはワーク用コンベア170上に移動した後に指示待ち状態になる。
【0098】
(2)ハンド120が指示待ち状態になると(ステップS21:YES)、ハンド120がワーク用コンベア170上にあるワークを持ち、パレット190上のアクセス位置へ最短距離を通って移動し、アクセス位置にワークを積み上げるように、決定部340がハンド120に指示を出す(ステップS22)。
【0099】
(3)決定部340が、ワーク用コンベア160上でハンド110が指示待ち状態になっているか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド110が指示待ち状態になるまで待つ(ステップS23)。ここでハンド110は、初期状態、あるいはワーク用コンベア160上に移動した後に指示待ち状態になる。
【0100】
(4)ハンド110が指示待ち状態になると(ステップS23:YES)、決定部340が、ハンド120がアクセス位置へ移動したか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド120がアクセス位置へ移動するまで待つ(ステップS24)。
【0101】
(5)ハンド120がアクセス位置へ移動すると(ステップS24:YES)、ハンド110がワーク用コンベア160上にあるワークを持ち、パレット190上のアクセス位置へ最短距離を通って移動し、アクセス位置にワークを積み上げるように、決定部340がハンド110に指示を出す(ステップS25)。
【0102】
ここで決定部340は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部340は、ハンド110による後にパレット190上にアクセスする動作を待機させる。
【0103】
(6)決定部340が、ハンド120がワークを積み上げたか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド120がアクセス位置にワークを積み上げるまで待つ(ステップS26)。
【0104】
(7)ハンド120がワークを積み上げると(ステップS26:YES)、決定部340が、ハンド110による直後にアクセス位置に移動する動作が待機中であるか否かを判定する(ステップS27)。
【0105】
(8)ハンド110による動作が待機中でない場合には(ステップS27:NO)、ハンド120がワークを持たずに最短距離を通ってワーク用コンベア170上へ移動するように、決定部340がハンド120に指示を出す(ステップS28)。
【0106】
(9)ハンド110による動作が待機中である場合には(ステップS27:YES)、決定部340が、直後のハンド110のアクセス位置に応じて、ハンド120の移動経路を迂回させる。また、ハンド120がワークを持たずにワーク用コンベア170上へ移動するように、決定部340がハンド120に指示を出す(ステップS29)。
【0107】
ここで決定部340は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部340は、ハンド110による後にパレット190上にアクセスする動作を待機させて、ハンド120による動作を優先させる。
【0108】
(10)決定部340が、ワーク用コンベア170上でハンド120が指示待ち状態になっているか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド120が指示待ち状態になるまで待つ(ステップS30)。
【0109】
(11)ハンド120が指示待ち状態になると(ステップS30:YES)、決定部340が、ハンド110がアクセス位置へ移動したか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド110がアクセス位置へ移動するまで待つ(ステップS31)。
【0110】
(12)ハンド110がアクセス位置へ移動すると(ステップS31:YES)、ハンド120がワーク用コンベア170上にあるワークを持ち、パレット190上のアクセス位置へ最短距離を通って移動し、アクセス位置にワークを積み上げるように、決定部340がハンド120に指示を出す(ステップS32)。
【0111】
ここで決定部340は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部340は、ハンド120による後にパレット190上にアクセスする動作を待機させる。
【0112】
(13)決定部340が、ハンド110がワークを積み上げたか否かを判定する。そして決定部340は、ハンド110がアクセス位置にワークを積み上げるまで待つ(ステップS33)。
【0113】
(14)ハンド110がワークを積み上げると(ステップS33:YES)、決定部340が、ハンド120による直後にアクセス位置に移動する動作が待機中であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0114】
(15)ハンド120による動作が待機中でない場合には(ステップS34:NO)、ハンド110がワークを持たずに最短距離を通ってワーク用コンベア160上へ移動するように、決定部340がハンド110に指示を出す(ステップS35)。
【0115】
(16)ハンド120による動作が待機中である場合には(ステップS34:YES)、決定部340が、直後のハンド120のアクセス位置に応じて、ハンド110の移動経路を迂回させる。また、ハンド110がワークを持たずにワーク用コンベア160上へ移動するように、決定部340がハンド110に指示を出す(ステップS36)。
【0116】
ここで決定部340は、ハンド110とハンド120とが接触しないように監視しながら、ハンド110とハンド120とに動作指示を出す。ここでハンド110が存在する可能性がある領域とハンド120が存在する可能性がある領域とが重なる場合には、決定部340は、ハンド120による後にパレット190上にアクセスする動作を待機させて、ハンド110による動作を優先させる。
【0117】
なお、実施の形態1、変形例1及び変形例2では、同一のパレットに対して2台のロボットハンドをアクセスさせる構成であるが、3台以上のロボットハンドを用いた構成であってもよい。
【0118】
<まとめ>
パレタイズ装置は、ワークを積み上げる作業を行うので、ロボットハンドがアクセス位置へ向かう際にワークを持ち、ロボットハンドがアクセス位置から離れる際にワークを持たないことになる。ロボットハンドがワークを持っているときには、ワークの重さがあるので、ワークを持っていないときよりもロボットハンドを移動させる速度を上げることができない。またロボットハンドがワークを持っているときには、ワークを落としたりワークがずれたりすることのないように制動用の補助動作や待ち時間等を入れることがある。よってパレタイズ装置では、ロボットハンドがアクセス位置へ向かう際の移動速度に比べて、ロボットハンドがアクセス位置から離れる際の移動速度を速くすることができる。
【0119】
変形例2に係るパレタイズ装置によれば、ワークを持たないときの移動経路のみを迂回させるので、移動速度を速くすることにより迂回による移動距離の増加分を吸収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、パレタイズ及びデパレタイズを行うあらゆる荷役装置に適用することができる。
【0121】
本発明によれば、同一のパレットに対して複数のロボットハンドを用いて荷役作業を行う荷役装置において、第1のハンドのアクセス位置に応じて第2のハンドの移動経路を決定することができるので、ロボットハンド同士が接触しないように、かつ作業速度を向上させることができる。従って、完成製品を生産順に「パレタイズ」して出荷することや、供給部品を入荷順に「デパレタイズ」して生産ラインに投入することを可能にしたままで、荷役装置の作業速度を向上させて、全体の生産のペースを速くすることができるので、産業的利用価値は極めて高い。
【符号の説明】
【0122】
100 荷役装置
110 ハンド
120 ハンド
130 管理部
140 決定部
150 パレット収納装置
160 ワーク用コンベア
170 ワーク用コンベア
180 パレット用コンベア
190 パレット
200 デパレタイズ装置
230 管理部
240 決定部
300 パレタイズ装置
330 管理部
340 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット上の複数のアクセス位置に対して、ワークの荷役を行う荷役装置であって、
前記パレット上の複数のアクセス位置に順次アクセスする複数のハンドと、
前記複数のハンドのうちの第1のハンドのアクセス位置を管理する管理部と、
前記第1のハンドの前記アクセス位置に応じて前記複数のハンドのうちの前記第1のハンドとは異なる第2のハンドの移動経路を決定する決定部と
を備える荷役装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記第2のハンドの前記移動経路が、直前に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドのアクセス位置に応じて決められる、請求項1に記載の荷役装置。
【請求項3】
前記決定部は、
前記第1のハンドによる前記直前に前記パレット上にアクセスする動作が完了していない場合には前記第1のハンドのアクセス位置に応じて前記第2のハンドの移動経路を迂回させ、前記第1のハンドによる前記直前に前記パレット上にアクセスする動作が完了している場合には前記第2のハンドの移動経路を迂回させない、請求項2に記載の荷役装置。
【請求項4】
前記荷役装置は、前記パレット上の前記複数のアクセス位置に積まれた前記ワークを荷卸しするデパレタイズ装置である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の荷役装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記第2のハンドの前記移動経路が、直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドのアクセス位置に応じて決められる、請求項1に記載の荷役装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドが待機している場合には前記第1のハンドのアクセス位置に応じて前記第2のハンドの移動経路を迂回させ、前記直後に前記パレット上にアクセスする前記第1のハンドが待機していない場合には前記第2のハンドの移動経路を迂回させない、請求項5に記載の荷役装置。
【請求項7】
前記荷役装置は、前記ワークをパレット上の複数のアクセス位置に荷揚げするパレタイズ装置である、請求項1、5、6のいずれか1項に記載の荷役装置。
【請求項8】
前記複数のハンドは、前記第1のハンド、及び前記第2のハンドの2台であり、
前記管理部は、さらに、
前記第2のハンドのアクセス位置を管理し、
前記決定部は、さらに、
前記第2のハンドの前記アクセス位置に応じて、前記第1のハンドの移動経路を決定する、請求項1に記載の荷役装置。
【請求項9】
パレット上の複数のアクセス位置に対して、ワークの荷役を行う荷役装置において実施する荷役方法であって、
前記荷役装置は、前記パレット上の複数のアクセス位置に順次アクセスする複数のハンドを備え、
前記荷役方法は、
前記複数のハンドのうちの第1のハンドのアクセス位置を管理する管理ステップと、
前記第1のハンドの前記アクセス位置に応じて、前記複数のハンドのうちの前記第1のハンドとは異なる第2のハンドの移動経路を決める決定ステップと
を含む荷役方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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