説明

荷物キャリアフットのためのトルク表示デバイス

本発明は、さまざまなスポーツ設備アクセサリデバイスと共に使用される荷物キャリアフット(1)及びトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)に関し、トルク表示器は、所望のトルクに達したことを操作者に警告する信号を提供し、これにより、デバイスを過度に締結することまたは締結不足となることとを回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、スポーツ関連装置及びデバイス、特に荷物キャリアフットデバイス(load carrier foot device)に関する。トルク表示器は、車両の屋根に取り付けるためにまたは相互に関連する部品を締結するために荷物キャリアデバイスのようなスポーツ関連装置を締結する必要がある操作者に可視式及び/または可聴式信号を提供する。また、本願のトルク表示器は、デバイスの安全性並びにその適切な取り付け及び取り扱いのために、特定の最大のまたは所定のトルクを超えることに対する保護機構を有する。
【背景技術】
【0002】
人を引き付けて熱中させるスポーツまたは娯楽活動の数が次第に多くなることに起因して、スポーツ装置がこれら活動の多様性及び種類を支援するという対応する要求がある。また、装置がさまざまな状況で使用可能であるという要求がある。したがって、スポーツ装置は、しばしば、より多くの状況に適合することを可能とするように調整可能であり、取外可能であり、かつさまざまな補助的なデバイスと共に使用可能であるように設計されている。
【0003】
1つのこのようなタイプのスポーツ関連装置は、主として車両の屋根に荷物バーを取り付ける荷物キャリアフットデバイスである。有利には、このような荷物キャリアフットデバイスは、これらそれぞれがさまざまな寸法及び形状からなる多様なタイプの車両に搭載されるように設計されている。主として、取り付けた荷物バーを介して、荷物キャリアフットは、さらなるスポーツ物品を便利に所望の場所まで移送するためにさらなるスポーツ物品を車両の頂部に搭載する手段を提供する。1つのこのような荷物キャリアデバイスは、特許文献1に開示されており、この文献は、そのすべてが参照として本明細書に明らかに組み込まれる。
【0004】
多様なタイプの荷物キャリアフットデバイスがあり、例えば、これらは、車両に搭載されるレールにクランプされるように構成されている。しかしながら、1つの著名なタイプの荷物キャリアフットは、荷物キャリアバーと相互作用する上側面部分を有し、車両の屋根の上側端部分を把持しかつ当接する下側面部分をさらに有する。クランププレートは、荷物キャリアフットを屋根に取り付けかつそれをそこに安全に固定する固定ボルトと共に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6641012号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クランププレートを車両の屋根またはレールに締め付けるため、ユーザまたは操作者は、荷物キャリアフットを締結しなければならない。そのようにするため、ボルト、レンチまたは締結機構は、操作者及びこのような締結のために掛けられたトルクによって回転されなければならない。従来、操作者は、どの点で荷物キャリアフットを適切に締結するかを推測しなければならない。望ましくないが、緩すぎると、フットは、車両から不意に取れることがある。他方、締結しすぎると、車両の屋根またはクロスバーを損傷させる、ボルトまたは締結具が剥がされるまたは損傷される、並びに他の構成部材を及びフットデバイスを損傷するなどのさまざまな欠点が発生する。
【0007】
同一のことが操作者によって締結されるまたは調整されることが必要な他のスポーツ装置に適用される。このようなスポーツ装置の用途は、バイクラックのようなアクセサリを荷物バーに取り付けることを含み、適切なレベルの締結は、重要である。操作者は、適切に掛けるトルクについて大きすぎであるか小さすぎであるかのガイドが提供されていない。したがって、適切なトルクまたは締結が達成されたときを荷物キャリアフットまたは他のスポーツ装置を締結する操作者に通知する手段に対する必要性がある。さらに、操作者が過度に締結してデバイス自体をまたはデバイスを取り付ける対象物を損傷させることを防止する機構に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
締結する機能を必要とする公知のスポーツキャリア及び装置の使用に関連する上述した欠陥を考慮して、本発明は、欠点を緩和してさらなる利点をユーザにもたらすように開発された。これら強化及び利点は、本発明のいくつかの代替の実施形態に関して以下で詳述される。
【0009】
本発明は、その複数開示した形態において、荷物キャリアフットまたは他のタイプの装置を完全に締結したことの可視式、可聴式、及び/または触知式感触である信号を表示することに関する上述した欠点を緩和する。また、本発明におけるトルク表示器は、いくつかの形態において、対象デバイスを過度に締結することを防止する保護機構をさらに提供する。
【0010】
複数の実施形態におけるトルク表示器の他の利点は、そのサイズが小さいことを含み、荷物キャリアフットと共に使用することに関してより便利にする。ハンドルの長さ及び幅が小さいことにより、荷物キャリアフットのような多数のスポーツデバイスの場合によっては小さいハウジングに嵌め込むようにする。このようにサイズが小さいことによる要件は、多数の場合において、従来のトルク表示器の使用を禁止する。
【0011】
さらに、荷物キャリアフットのようなスポーツデバイスは、多数のさまざまな環境で使用され、さまざまな気候及び温度にさらされる。したがって、本発明における複数の形態におけるトルク表示器は、低温及び高温の気候を含むすべてのさまざまな温度環境で動作すべきである。したがって、金属または弾性材料のようなトルク表示器で使用される材料は、さまざまな温度環境、すなわち主として高温及び低温の環境状態及び気候で同様に機能すべきである。
【0012】
さらに、本発明の複数の形態におけるトルク表示器は、単純な構成であること、コストの低い材料からなること、製造のコストを低くできること、組み立てが容易であること、軽量であること、取扱が容易であること、及び、把持が容易であること、というさらなる利点を有する。
【0013】
いくつかの形態は、荷物キャリアクロスバーを輸送車両に固定するための荷物キャリアフットを提供し、荷物キャリアは、荷物キャリアクロスバーに接続するように構成された接続素子と、荷物キャリアフットを車両の外側面部分に締結してこれにより荷物キャリアフットをそこに固定するように構成された締付部材であって、締付部材が締結配置を有し、締付部材が所定締結力まで締結される、締付部材と、締結配置にあることを操作者に知覚可能な信号を有する表示素子と、を有し、信号が、締結配置に達する前に操作者に感知可能でない。
【0014】
他の形態は、荷物キャリアバーをそこに搭載するために輸送車両の外側面部分に解放可能に固定可能な荷物キャリアフットを提供することであり、荷物キャリアフットは、荷物キャリアクロスバーに接続するように構成された接続素子と、荷物キャリアフットを輸送車両の外側面部分に締結してこれにより荷物キャリアフットを輸送車両に固定するように構成された締付部材であって、締付部材が締結配置を有し、締付部材が所定締結力まで締結される、締付部材と、締付部材に接続された頭部分であって、頭部分が第1セクションと第2セクションとを有する、頭部分と、を有し、第1及び第2セクションの少なくとも一方は、他方に関して回転可能であり、それぞれは、可視式マークを有し、頭部分は、この頭部分を回転させると、締付部材と協働しかつ締付部材にトルクを付与することが可能な付勢部材を備え、付勢部材は、トルクを付勢部材に掛けると、第1及び第2セクションの一方を他方に関して回転できるように構成されており、可視式マークは、締結配置に達するまで第1及び第2セクションの一方を回転させると、操作者によって感知可能な信号を共に形成し、締結配置に達する前に操作者によって感知可能ではなく、所定締結力は、所定トルクを付勢部材に掛けると達する。また、いくつかの形態において、信号は、可視式マークの所定パターンである。
【0015】
他の形態は、輸送車両のための荷物支持システムを提供し、このシステムは、荷物キャリアクロスバーと、荷物キャリアクロスバーに接続するように構成された接続素子を有する荷物キャリアフットであって、荷物キャリアフットが荷物キャリアフットを輸送車両の外側面部分に締結しこれにより荷物キャリアフットを輸送車両に固定するように構成された締付部材を備え、締付部材が締結配置を有し、締付部材が所定締結力まで締結される、荷物キャリアフットと、締結配置において操作者によって感知可能な信号を有する表示素子であって、信号が締結配置に達する前には操作者によって感知可能でない、表示素子と、を有する。
【0016】
ここで、本発明は、単なる例として、かつ添付の図面を参照しながら、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態における荷物キャリアフットを示す斜視図であって、本発明の複数の実施形態におけるトルク表示器と共に使用される荷物キャリアフットを示す斜視図である。
【図2】一実施形態におけるトルク表示器であってコイルバネを有しかつその内部構成部材を示すトルク表示器を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるトルク表示器であってコイルバネを有しかつその内部構造を示すトルク表示器を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるトルク表示器であってコイルバネを有するトルク表示器を示す斜視図である。
【図5】弾性付勢部材を有する中間部材を示す前方斜視図である。
【図6】弾性付勢部材を有するトルク表示器を示す前方斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるトルク表示器を示す前方斜視図である。
【図8】本発明における分解したソケットキーであって弾性変形部材を有する分解したソケットキーを示す斜視図である。
【図9a】一実施形態における位置ズレした配置にあるソケットキーを示す斜視図である。
【図9b】一実施形態における位置合わせした配置にあるソケットキーを示す斜視図である。
【図10】一実施形態における分解したソケットキーであって長手方向付勢部材を有するソケットキーを示す斜視図である。
【図11】一実施形態における組み立てたソケットキーであって長手方向付勢部材を有するソケットキーを示す上面斜視図である。
【図12a】一実施形態における位置ズレした配置にあるソケットキーを示す斜視図である。
【図12b】一実施形態における位置合わせした配置にあるソケットキーを示す斜視図である。
【図13】一実施形態における分解したソケットキーを示す斜視図である。
【図14】掛けたトルクの程度に対応するカバーの回転位置を示す図である。
【図15】そこに嵌め込まれた長手方向付勢部材を有する翼状受容部を示す上面図である。
【図16】一実施形態におけるソケットキーであって翼状受容部及び長手方向付勢部材を有するソケットキーを示す上面斜視図である。
【図17】一実施形態における分解したソケットキーであって陥没可能付勢部材を有するソケットキーを示す斜視図である。
【図18】一実施形態における分解したソケットキーであって圧潰可能付勢部材を有するソケットキーを示す斜視図である。
【図19】一実施形態における組み立てたソケットキーであってその内部構成部材を示す圧潰可能付勢部材を有するソケットキーを示す側面図である。
【図20】一実施形態における組み立てたソケットキーであって隆起ドーム部を有するカンチレバー式バネを有するソケットキーを示す斜視図である。
【図21】一実施形態における分解したソケットキーであって隆起ドーム部を有するカンチレバー式バネを有するソケットキーを示す斜視図である。
【図22】隆起ドーム部を有するカンチレバー式バネを有するソケットキーを示す下面図である。
【図23】一実施形態における分解したソケットキーであって隆起付勢部分を有するカンチレバー式バネを有するソケットキーを示す斜視図である。
【図24】一実施形態における隆起付勢部分を有するカンチレバー式バネを有する基盤部を示す斜視図である。
【図25】一実施形態における組み立てたソケットキーであってその内部構成部材を示す隆起付勢部分を有するカンチレバー式バネを有するソケットキーを示す斜視図である。
【図26】一実施形態における分解したソケットキーであって側面カンチレバー式付勢延長部を有するソケットキーを示す斜視図である。
【図27】一実施形態における分解したソケットキーであって側面カンチレバー式付勢延長部を有するソケットキーを示す斜視図である。
【図28】一実施形態における分解したソケットキーであって側面カンチレバー式付勢延長部を有するソケットキーを示す下面図である。
【図29】一実施形態における第1配置及び第2配置にあるソケットキーを示す斜視図である。
【図30】一実施形態における荷物キャリアフットであって内部構成部材を取り囲むハウジングを有する荷物キャリアフットを示す斜視図である。
【図31】一実施形態におけるソケットキーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
必要に応じて、本発明の実施形態の詳細な説明は、本明細書で開示されるが、理解することは、開示された実施形態がさまざまなかつ選択的な形態で具現化された本発明の単なる例示であることである。図面は、必ずしも縮尺ではない。いくつかの機能は、特定の構成部材の詳細を示すために誇張されるまたは最小化される。したがって、本明細書で開示される具体的な構成的かつ機能的な詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲の根拠として及び当業者に示唆して本発明をさまざまに採用する代表的な根拠として解釈される。
【0019】
複数の実施形態におけるトルク表示器は、スポーツ装置デバイスまたはアクセサリの取付具の特定の部分を締結するまたはこの部分にトルクを掛けるために使用される締結部材に関して操作者が感知可能な信号を提供するために使用される。いくつかの実施形態において、スポーツ装置デバイスは、自転車ラックを車両の屋根のような車両の外部部分、荷物バー、自動車にもしくは固定点に搭載されたレールまたは車両の他の部分に取り付けることを含む。さらに、本発明の複数の実施形態におけるトルク表示器は、自転車ラックを車両の後部にあるヒッチに締結するために使用され、このため、操作者が所定量までデバイスを締結することを可能とする。
【0020】
いくつかの実施形態において、複数の実施形態におけるトルク表示器は、搭載システムまたは以下のアクセサリの1以上のもしくはすべてを取り付けるユニバーサル搭載システムと組み合わせて使用され、このアクセサリは、カヤックキャリー、Jクレードルカヤックキャリー、折畳式カヤックキャリー、バイクラック、フォーク取付型バイクラック、直立型バイクラック、ストラップ式バイクラック、吊下式ストラップ取付型バイクラック、プラットホーム式ストラップ取付型バイクラック、トランク取付型バイクラック、ラチェット拘束型バイクラック、ラチェット拘束型ラッシング、スキーキャリア、屋根上型スキーキャリア、カーゴボックス内型スキーキャリア、スノーボードキャリア、サーフボードキャリア、カーゴボックス固定取付具、ヒッチ式バイクラック、ヒッチ式スキーキャリア、ヒッチ式トレーラボール、拘束型ストラップ、拘束型ケーブル、屋根上型ボートキャリア、ゴルフクラブキャリア、スノーチェーン、カーゴバッグ、ヒッチ式バスケット、カーゴリフトシステム、カーゴリフト補助システム、バイクリフト補助システム、梯子状ラック、トラックカーゴボックス、工具箱が含まれる。
【0021】
好ましい実施形態及び本明細書で最も詳細に説明される実施形態において、スポーツ装置デバイスは、乗用車のような運搬車両の屋根に取り付け可能な荷物キャリアフットの形態をなす。さらに、信号は、可視式もしくは可聴式信号または触知式信号であり、いくつかの実施形態において、スポーツ装置デバイスの過度な締結に対して保護する。
【0022】
複数の図面にわたって同様の参照符号が同様の部分を示す図面を参照すると、一実施形態における荷物キャリアフットデバイスの斜視図を図1に開示する。荷物キャリアフット1は、図1に示すように、車両の屋根に取り付け可能となっている。取り付けは、複数の相互に関連する構成部材の作用によってもたらされる。特に、力は、把持部材2によって掛けられ、この把持部材は、把持クランプと称され、この把持クランプは、車両の上端部を把持するように機能する。車両に応じて、把持部材2は、屋根、出入口またはこのような把持部材と相互作用してデバイスの固定を補助する固定部分の直下の領域と係合する。さらに、車両の屋根の縁部近傍の他の部分であり、この部分は、このような目的で意図的に設計されていない場合であっても、把持部材2のための固定具として機能する。荷物キャリアフット1の上側面部分近傍には、荷物キャリアクロスバーに接続するように構成された接続素子2aがある。好ましい実施形態において、接続素子は、孔部であるが、他の実施形態及び荷物キャリアフットデバイスにおいて、接続素子は、開口部または孔部を有する必要なくキャリアクロスバーと接続する。
【0023】
さらに、荷物キャリアフットの下端部近傍には、荷物キャリアフットを係合すると車両の屋根を押圧する当接部分3がある。荷物キャリアフットを締結すると、把持部材2は、上方かつ内向きの力を掛け、屋根の縁部分を反対方向に引っ張る一方で、同時に、当接部分は、車両の屋根に対して付勢される。この力の協働を用いて、荷物キャリアフット1は、車両に対して固定される。これら力の割合は、フットの設計及びさまざまな車両に基づいて変化する。好ましくは、当接部分3は、フットによって車両が損傷することを避けるゴムまたは軟質プラスチックのようないくつかの弾性または軟質材料からなる。
【0024】
荷物キャリアフットが車両の屋根にあるレールに取り付ける他の実施形態において、荷物キャリアは、レールを把持して荷物キャリアフットをそこに固定する把持部材を有する。さらに他の実施形態において、把持部材は、荷物キャリアフットを固定するためにレールまたは屋根の縁部を含む車両の任意の部分を把持する。他の実施形態において、荷物キャリアフットは、レール上に載置してさらにストラップをレールの下にある荷物キャリアフットから通し、再び荷物キャリアフットと接続することによって、レールに固定される。締付部材は、荷物キャリアをレール上に固定するために、レール部分の周囲にストラップを締結するために使用される。複数の実施形態におけるトルク表示器は、締付部材と共に使用され、デバイスをレール上に過不足なく締結する。
【0025】
さらに、近年においてさまざまな自動車は、特定の硬化したまたは特別に形付けた自動車の部分である固定点を有して製造され、この部分は、荷物キャリアを含むデバイスをそこに取り付けることを可能とする。いくつかの実施形態において、荷物キャリアは、輸送車両のこのような固定点に取り付けられるタイプからなる。例えば、固定点は、車両の屋根にまたは屋根の近傍に位置する。いくつかの実施形態において、車両の固定点は、1以上の締付具を用いて荷物キャリアフットを固定点に直接取り付けることを可能とする。例えば、ブラケットは、固定点及び荷物キャリアフット内に締め付けられる1以上の締付具を用いて固定点に対して上に向けて配置され、荷物キャリアフットを輸送車両の固定点に固定する。複数の実施形態におけるトルク表示器は、1以上の締付部材と共に使用され、デバイスをレール上に過不足なく締結する。
【0026】
図1を参照すると、荷物キャリアフットは、把持部材2と接触する中間力協働部材4を有する。中間力協働部材4(「中間部材」)は、把持部材2の孔部と位置合わせされた孔部を有する。好ましくは、中間部材4は、把持部材2の内面に対して平坦なままである部分を有する。さらに、図1に示す実施形態において、中間部材4は、孔部の縁部を囲むように突出しており、把持部材2の孔部を通って延在する。中間部材4は、その上端部においてクリップ5をさらに有し、このクリップは、把持部材2の頂部分を覆って延在しかつこの頂部分を接触付勢する。把持部材は、クリップ5を収容する傾斜部または陥凹部をさらに有する。
【0027】
荷物キャリアフット1は、締付部材から延在するハンドル6をさらに示し、この締付部材は、把持部材2の孔部及び中間部材4を通過する。キャリアフット1を設置する間、操作者は、ハンドルを回して荷物キャリアを締結する。これは、把持部材2を上方かつ内方に付勢するように機能する、一方で、把持部材2に向けて下方に他の構成部材をさらに押し付ける。さらに、これにより、当接部材3を車両の屋根に対して押し付ける。これを作用させる方法は、後述する実施形態にしたがってさらに説明される。
【0028】
図2から図4は、可視式信号を用いて操作者に所望のトルク及び/または締結が達成されたことを警告するトルク表示器7を示す。例えば、図2に示すように、内部中空穴部を有する長手方向締付部材8は、把持部材2及び中間部材4を通って延在する。締付部材8の一端部は、キャリアフットまで内部で延在する一方、他端部は、中間部材の外側に向けて延在し、これにより、締付工具を受ける孔部9を形成する。締付部材8は、ハウジング11を有する頭部分10をさらに備え、このハウジングは、トルク表示器7の内部構成部材を取り囲む。図示の実施形態において、頭部分は、円形であるが、長方形、正方形または他の多角形であろうとなかろうと、他の形状は、使用に十分である。
【0029】
トルク表示器7の内部構成部材を図3においてさらに示す。図示のように、頭部分10は、側面部分12及びフランジ頭部13を有するハウジング11から形成されている。フランジ頭部13は、締付部材8の端部から側面部分12に向けて延在し、頭部分10の前方カバーとして機能する。孔部9は、好ましくは、例えばアレンキーなどの締付工具を収容するように形付けられたフランジ頭部13の中心にある。ハウジング内には、可視式信号、すなわち着色された表示バンド15及び16から形成された表示素子14と、付勢部材17と、が収容されている。さらに、中間部材4に対して当接する下側ブロック部分18がある。この実施形態において、付勢部材は、好ましくは、コイルバネであるが、他の適切なバネまたは付勢機構を使用してもよい。
【0030】
好ましくは、孔部9の直接内部において、中空締付部材8は、好ましくは、内部受容構造部19を有し、この内部受容構造部は、アレンレンチ軸部の形状を有するソケットキーのような締付工具またはアレンレンチのような他の工具が相互に一致する構造体と共に内部受容構造部内に挿入されて抵抗をもたらすことを可能とし、締付工具を回転させると、締付部材8は、それと共に回転する。例えば、締付部材8の内部中空穴部は、円形の部分を有するが、受容構造部19を備える締付部材8の内部中空穴部のこの部分は、正方形または他の多角形のような他の形状を有してもよい。また、受容構造部19は、締付部材8の内部中空穴部が円形または受容構造部19と比較して異なる形とならないように、締付部材の内部中空穴部の全長に沿って延在してもよい。したがって、寸法が適切にサイズ付けされた正方形状を有するソケットキーは、受容構造部19内に挿入され、締付部材8を回転させる。
【0031】
締付部材8を操作者が回転させると、側面部分12及びフランジ頭部13を有するハウジング11は、同様に回転する。側面部分12は、フランジ頭部13と一体となっており、側面部分は、締付部材と共に回転するが、同様に、フランジ頭部13と無関係であってもよい。フランジ頭部13と無関係である場合、側面部分は、ハウジングの残部と共に中間部材に向けて移動するが、回転しない。しかしながら、着色された表示バンド15及び16並びに付勢部材17を含む内部構成部材は、回転しないが、静止したままである。したがって、締付部材8を締結するにしたがって、フランジ頭部13は、付勢部材17を接触して押圧する。付勢部材は、掛けた負荷量に応じて圧縮するように調整されており、特有の着色表示バンドがある所定の負荷をバネに掛けると完全に表れるようにさらに調整されている。したがって、締付部材を締結すると、フランジ頭部13は、バネを接触押圧し、バネは、下側ブロック部分18を接触付勢する。そして、ブロック部分は、中間部材4に対して押し付けられ、これにより、荷物フットを車両に対して締結する。
【0032】
操作者が締付部材8を締結するにしたがって、付勢部材17にさらに大きな力が掛かる。上述のように、付勢部材は、所定の負荷に基づいてある程度まで圧縮するように構成されるまたは調整されている。また、ハウジング11の側面部分12は、窓部を有するように設計されている。窓部は、例えば荷物キャリアフットを締結する前に表示バンド15を覆って位置するように形付けられている。締付部材を締結するにしたがって、付勢バネは、収縮し始め、これにより、ハウジング11が窓部と共に移動することを可能とし、これにより、表示バンド15を覆って位置することから表示バンド16を覆って位置することまで窓部を徐々に移動させる。付勢部材は、所定の圧縮力においてハウジング11の窓部がバンド16全体を覆って位置するように調整されている。したがって、締付部材を回転させて特有の締結力までそれを締結すると、付勢素子は、所定の調整した圧縮力に達し、これにより、表示バンド15から表示バンド16までの移動を完了する。したがって、窓部を通して表示バンド15を見る操作者は、締付部材がまだ締結されていないことが分かる。いくつかの実施形態において、付勢部材に圧縮力を掛けていないと、窓部は、バンド15全体を覆って位置する。しかしながら、締付部材8を十分な程度まで締結した後、付勢部材17は、圧縮し、操作者は、窓部を通して表示バンド16を視認することができ、これにより、操作者に彼または彼女が締結操作を中止すべきであることを警告する。
【0033】
この窓部20は、より便利に図4に示される。側面部分12をフランジ頭部13と一体とすると、その後、側面部分は、締付部材を締結するにしたがって回転する。しかしながら、フランジ頭部13と無関係であると、窓部20は、回転せず、操作者は、ハウジング内をそこにある表示素子まで容易に見ることが可能となる。さらに、図示のように長方形状である必要はないが、円形を含むさまざまな形状をとってもよい。さらに、可視式有色信号を提供する他の方法がある。例えば、色が異なる「バンド」を必要とせず、1つのみの有色バンドまたはそこに貼り付けられる単なるステッカーであってもよい。しかしながら、好ましい実施形態において、バンド15は、赤色であって、フルトルクをまだ掛けていないことを示し、バンド16は、緑色であって、荷物キャリアフットを完全に締結したことを示す。さらに、他の実施形態において、可視式信号は、着色している必要はなく、パターンまたはマークであってもよく、このマークは、あるパターン配置において、正確なトルクを掛けてデバイスを完全に締結したことを示す。
【0034】
別の実施形態において、信号は、付勢部材17のいずれか一方の端部に電気接点を配置することによって提供される。したがって、締付部材8を締結して付勢部材が圧縮すると、接点は、互いに向けて移動する。所望のトルクに達し、付勢部材を所定程度まで圧縮すると、付勢部材のいずれか一方の端部にある電気接点は、閉じられる。これにより、電気回路が完成される。発光部、LEDまたはアラームは、回路に接続されており、これにより、可視式または可聴式信号を提供する。したがって、掛けたトルクが不十分であると、操作者は、締付具をまだ締結していないことが分かり、さらに、可聴式または可視式信号を達成すると、操作者は、締付具を完全に締結したことが通知される。可視式信号は、光、点滅光またはLEDであり、ハウジング11の外側にあるまたは窓部20内に示される。可聴式信号を使用する場合、スピーカは、信号をもたらすために、ハウジング11内かハウジングの外側に使用される。同様の方法により、光、LEDまたは可聴式信号は、本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされてもよい。
【0035】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図5及び図6に示す。図5に示すように、中間部材4は、孔部の縁部の周囲にある突出部21を有する。突出部21の近傍には、2つの圧縮部材22がある。図5及び図6に示す実施形態において、2つのこのような部材22があるが、他の実施形態において、1以上の圧縮部材22がある。好ましくは、部材22は、変形することが可能な天然もしくは人工ゴムまたは軟質プラスチックのような弾性材料で形成されている。図6に示すように、把持部材2は、圧縮部材22が押圧されるブロック23を有する。把持部材2は、完全に締結すると可視式信号を表示するための窓部24をさらに有する。図5に示す実施形態において、窓部は、把持部材2の孔部の下端部にあるが、頂部にまたは縁部の周囲の他の点にさらに位置してもよい。窓部24は、孔部の縁部にある必要はなく、替わりに孔部から所定距離だけ間隔をあけてもよい。
【0036】
したがって、締付部材8を締結すると、圧縮部材22は、圧力を増大させながらブロック23に接触付勢され、車両に対して荷物キャリアフットを締結する効果を有する。圧縮部材22は、掛ける負荷量に応じて所定程度まで圧縮するように調整されている。締付部材を締結するにしたがって、圧縮部材は、収縮し、把持部材2と中間部材4とを互いに関して移動させる。その結果、窓部24は、中間部材に関して下方に移動する。窓部が移動するにしたがって、締付部材を締結するにしたがって露出されるマークまたは有色信号のような可視式信号がある。窓部は、可視式信号と共に、表示素子として考えられる。圧縮部材22は、所定の圧縮力において把持部材にある窓部が可視式信号を完全に覆って位置するように調整されている。したがって、締付部材を回転させて特定の締結力までそれを締結すると、圧縮素子は、所定の調整した圧縮力に達し、これにより、窓部を移動させて可視式信号を完全に覆うように位置することを完了させる。他の実施形態において、操作者に対する信号は、窓部が可視式信号を完全に覆うように位置するようである必要はなく、単に部分的かいくつかの他のマークであってもよい。しかしながら、使用する信号またはどのように信号を露出させるかは、異なってもよく、任意の信号及びその露出は、操作者に、完全に締結力に達してさらに締結すべきでないことを表示する。
【0037】
さらに、いくつかの実施形態において、圧縮部材22は、弾性を有し、複数回の使用においてトルク表示器において採用される。他の実施形態において、圧縮部材22は、1回目の使用後にまたは複数回の使用後に元の形状に完全に復帰しないことがある。圧縮部材22が元の形状に復帰しない場合において、必要に応じて、これらを再使用可能なように圧縮部材22の再調整を実行する。代替の実施形態において、圧縮部材22は、実際には、その元の形状に復帰せずに塑性変形するように設計されており、このため、使い捨て可能となっている。さらに、圧縮部材22を交換可能とし、単一または制限された回数の使用を交換前に遂行してもよい。
【0038】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図7から図9に示す。図7に示すように、ソケットキー25は、荷物キャリアフット1の締付部材8と係合する。図8には分解したソケットキー25が示されており、このソケットキーは、ソケットキャップ26と、ソケットハンドル27と、長手方向ソケット軸部28と、を有する。ソケットハンドル27は、図8に示すように、中央部分を有する翼付構造体であり、2つの部分は、把持を容易にするために一方の側面において延在する。ソケットハンドル27は、中央孔部29を有し、この中央孔部は、図示のように、正方形として形付けられている。変形部材30は、孔部29の両側に沿って裏側を覆っている。好ましくは、変形部材30は、変形可能な天然もしくは人工ゴムまたは軟質プラスチックのような弾性材料である。図示の実施形態において、変形部材は、弾性材料が孔部29の各角部にあり、これにより孔部29を形成する新たな別の正方形を形成するように配置されている。
【0039】
孔部の形状が図8において正方形であるが、他の実施形態において、多辺を有するが、辺は、ソケット軸部を挿入するときに抵抗をもたらすようになっているべきである。図示のように、他の実施形態において、孔部の形状は、正方形以外であってもよく、さらに、辺間の角度は、90°でなくてもよい。任意の多角形状は、ソケット軸部28に抵抗をもたらすのに十分である。さらに、変形部材は、孔部における一部分であって残部に比べて軟質でありかつ異なって形付けられる一部分であってもよい。したがって、締結すると、この軟質部分は、向かい合うソケットの形状へ押し付けられる。
【0040】
好ましい実施形態において、弾性材料を変形部材30として使用しているが、いくつかの実施形態において、変形可能なプラスチック材料を変形部材30として採用する。プラスチック材料は、塑性変形するように設計されており、いったん使用されると、廃棄されて交換される。さらに、1回または数回の使用後、変形部材30の再調整を実行し、これらを再使用してもよい。変形部材30が元の形状に復帰しない他の実施形態において、必要に応じて、変形部材30の再調整を実行し、それらを再使用してもよい。また、変形部材30を交換可能とし、単一または制限した数回の使用を交換前に遂行してもよい。
【0041】
長手方向ソケット軸部28は、挿入するために、少なくとも一端部31において孔部29と同一の形状及び寸法を有する。長手方向ソケット軸部28は、その軸部に沿って締付部材8の内部中空穴部の形状にある(好ましくはアレン形状の)部分をさらに有し、挿入して回転させると、締付部材は、同様に回転される。
【0042】
ソケットキャップ26は、図8に示す実施形態において、マークを有し、キャップ陥凹部32の形態をとる。また、ソケットハンドル27に沿って、可視式マーク、すなわち陥凹部33がある。陥凹部32及び33を位置合わせすると、締付部材を完全に締結した可視式信号として機能する。完全に締結する前において、陥凹部32及び33は、位置合わせしない。したがって、操作者は、陥凹部32及び33を見ることによって、締付具を完全に締結したかさらなる締結をすべきであるかを理解する。このため、陥凹部32及び33は、締付具を完全に締結した可視式信号を提供する表示素子とみなされる。他の可視式信号を使用してもよく、例えば、位置合わせされると締付具を完全に締結したことを示す着色部をソケットハンドル27及びソケットキャップ26に表示してもよい。さまざまな配置にある異なるパターンのマークまたは着色部のような他の可視式信号を使用してもよく、これにより、締付部材8を完全に締結したこと及び完全に締結する前であることを操作者に示す。
【0043】
ソケットキー25を締付部材8に挿入すると、操作者は、ソケットハンドル27を回転させることによってソケットキー25を捩る。長手方向ソケット軸部28は、孔部29内に挿入された端部31の形状に起因して、変形部材30に対して圧縮力を掛ける。変形部材30は、変形するように調整され、ソケットハンドルをソケット軸部28に対して捩ることを可能とする。さらに、変形部材30は、ある締結力になると図9bに示すように陥凹部32が陥凹部33と位置合わせするまで変形部材がソケットハンドルを捩ることを可能とするように調整されている。したがって、締付部材を捩って所定締結力までそれを締結すると、変形部材30は、所定の調整した圧縮力に達し、これにより、ソケットハンドルを捩ることと陥凹部32及び33を位置合わせすることとを可能とし、このため、荷物キャリア1を完全に締結したことを操作者に示す。
【0044】
他の実施形態において、電子機器を採用して可聴式または可視式信号を提供する。例えば、ソケットキー25を回転させると、電気接点の2つの面が接触するように移動して回路を完成させる。スピーカまたは発音素子は、荷物キャリア1を完全に締結したことの信号を発生する音響的ノイズを作る。あるいはまたは追加で、発光部またはLEDを回路に接続し、発光部またはLEDは、荷物キャリア1を完全に締結すると、操作者に信号を発生する。さらに、いくつかの実施形態において、ボタンを頭部分10に配置しかつ電気回路と接続し、荷物キャリアを完全に締結すると、ボタンが延出しまたは「飛び出て」、これにより操作者の手と接触する。また、これは、操作者に対してデバイスを完全に締結したことの触知式信号として機能する。
【0045】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図10から図12に示す。図10には、分解されたソケットキー34が示されており、このソケットキーは、ソケットキャップ37をハンドル36のカバー38の頂部に位置したハンドル36に挿入された長手方向締付軸部35で形成されている。ハンドル36に挿入される締付軸部35の端部は、長手方向付勢部材40を収容するノッチ39をさらに有する。図11に示す実施形態において、長手方向付勢部材40は、長方形かつ平坦な形状を有し、その縁部において挿入されており、ハンドル36の幅にわたって延在する。他の実施形態において、長手方向付勢部材は、別に形付けられているが、締付軸部35のノッチ39を越えていくらかの長さで延在すべきである。その上、長手方向付勢部材40の各端部は、ハンドル36内の付勢ホルダ41で保持されている。
【0046】
操作者がソケットキー34を締付部材8に挿入してハンドル36を回転させると、付勢ホルダ41は、長手方向付勢部材40の端部に対して力を掛ける。これは、順に、ノッチ39に回転力を与え、これにより、ソケットキー34を回転させる。長手方向付勢部材40は、付勢部材40に掛かる力が付勢ホルダ41によって掛けられるように付勢部材が変形または「捩る」するように調整されており、バネが回転する一方、ノッチ39及び締付軸部35は、掛かる力の量に応じて、静止したままであるかハンドル36よりもゆっくりと回転する。その上、第1可視式マーク42は、キャップに配置されており、第2可視式マーク43は、ハンドル36に配置されている。図11から図14に示す実施形態において、マークは、着色された陥凹部であるが、当業者が理解することは、突出部など他のマークを用いてもよいことである。
【0047】
第1及び第2可視式マーク42及び43は、好ましくは、図12aに示すように、締付部材8を完全に締結していないと、位置ズレされている。より大きな捩り力をソケットキー34に掛けるにしたがって、ハンドル36の第2可視式マーク43は、長手方向付勢部材40が変形または「捩る」ことに起因して第1可視式マーク42と位置合わせすることに向けて回転する。
【0048】
長手方向付勢部材40は、力を掛けてソケットキー34を回転させると、付勢部材40が捩れてソケットハンドルを締付軸部35に対して回転させることを可能とするように調整されている。長手方向付勢部材40は、所定の力を長手方向付勢部材40の端部に掛けると第2可視式マーク43が第1可視式マーク42と位置合わせするまでハンドル36を回転させるように調整されている。したがって、締付部材を回転させてそれを特有の締結力まで締結すると、付勢部材40は、所定調整力に達し、これにより、ソケットハンドル36を回転させて可視式マーク42及び43を位置合わせさせることを可能とし、このため、これにより、締付部材を完全に締結したことの信号を操作者に形成する。したがって、可視式信号42及び43は、締付具を完全に締結した可視式信号を提供する表示素子とみなされる。
【0049】
図10から図12に示す実施形態において、着色した陥凹部を使用し、これらの位置合わせ及び位置ズレを所望の締結に達したかを信号で示すために使用している。しかしながら、当業者によって理解することは、締付部材8を完全に締結したことを操作者に信号で示す複数の方法があることである。例えば、所定の締結に達する信号として、2を超えるマークを使用しても、複数のパターンのマークを使用してもよい。
【0050】
しかしながら、荷物キャリアフットデバイスを低温で使用することに起因して、付勢部材40がさまざまな温度環境で、すなわち典型的な高温及び低温な環境状態及び天候双方において、同様に機能することは興味深い。鋼のような金属は、この基準を満足するが、同様に、あるプラスチックまたは複合物のようなこの基準を満たす他の材料がある。
【0051】
好ましい実施形態において、付勢部材40は、変形したカンチレバー式ビームであり、応力は、両端部に掛かり、その中間部分で保持されている。端部に掛けたこの応力により、ビームは、上述のようにこれら捩れ力を受けると、変形するまたは「捩る」。さらに、他の実施形態において、従来の捩りバネを付勢部材として同様に採用する。しかしながら、付勢部材の所定の捩れを実現するための力の調整は、カンチレバー式ビームタイプのバネに対するものと異なる。
【0052】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図13から図16に示す。図13の斜視図に示すように、ソケットキー44は、ハンドル47内に収容された付勢表示頭部片46を有する長手方向締付軸部45を有して示されている。付勢表示頭部片46は、翼状受容部49に取り付けられたカバーで形成されている。長手方向付勢部材50は、その縁部において頭部片46内に挿入されている。図13に示す実施形態において、長手方向付勢部材50は、長方形かつ平坦な形状を有しているが、他の適切な形状を採用してもよい。さらに図15に示すように、付勢部材50は、そこにすっぽりと嵌め込まれたノッチ51a内に介装されている。さらに、付勢部材50の各端部は、ホルダ51b間に延在しかつホルダによって保持されている。図15に示す実施形態において、これらホルダは、ハンドル47の各端部にある孔部である。しかしながら、他の実施形態において、付勢部材50は、ハンドルの端部間にわたって延在する必要はなく、付勢部材50の各端部においてホルダ51と共にハンドルの縁部から所定距離だけ間隔をあけてもよい。
【0053】
翼状受容部49の上面図を位置(a)、(b)及び(c)において図14に示す。翼状受容部は、ノッチ54によって分割された2つの延長部分52及び53からなる。好ましくは、各部分は、付勢部材50の各側に1つ対称に配置されている。各延長部分52及び53は、付勢部材50を係合させる接触面54及び55を有する。さらに、図15及び図16に示す実施形態において、各接触面54及び55は、凹面のアーチ形状を有し、この形状は、延長部分52及び53の基端部56及び57から幅狭端部58及び59までそれぞれ湾曲する。幅狭端部58及び59は、付勢部材50の両端部に向けて付勢部材50の中点60aから同程度で対称に延在する。幅狭端部58及び59は、付勢部材50の端部に達しないが、同程度で付勢部材50のこれら端部から所定距離だけ間隔をあけており、このため、対称性を維持する。延長部分52及び53は、上記付勢部材50の各側において付勢部材50の中点から長手方向に同程度で互いに重なっている。
【0054】
したがって、操作者がハンドル47を回転させると、ホルダ51b
は、付勢部材50の各端部に回転力を付与する。そして、付勢部材は、順に回転力を翼状受容部49の接触面54及び55それぞれに掛ける。翼状受容部を締付軸部45に取り付けるにしたがって、これは、締付軸部及び締付軸部が挿入された締付部材8の回転を引き起こす。
【0055】
付勢部材50は、延長部分52及び53が掛けた力の量にしたがって回転しかつ付勢するように調整されている。さらに、より大きな力を掛けるにしたがって、付勢部材は、延長部分52及び53の接触面54及び55を横断するようにより大きい程度で変形するまたは「曲がる」。面54及び55が湾曲していることにより、応力を低減するために、付勢部材50によってこれら面にわたって力がより効率的に分布することが可能となる。ホルダ51bは、付勢部材50の端部がスライドすることを可能とし、付勢部材が変形することを可能とする。
【0056】
付勢部材50を延長部分52及び53に対して付勢するにしたがって、付勢部材は、延長部分52及び53がハンドルに関して回転することを可能とするように曲がり、このため、順にカバー48を同様にハンドルに関して回転させる。カバー48は、可視式マークとして機能するカバー48の中央部を長手方向で横断する中間陥凹部60を有する。さらに、ハンドル47は、中間陥凹部60から中心ズレさせた可視式マーク61を有する。中間陥凹部60及び可視式マーク61を位置合わせすると、これは、締付具8を完全に締結した操作者に対する可視式信号として機能する。付勢部材50は、操作者によって掛けられた特有の所定締結力において付勢部材が所定程度で曲がるように調整されており、部分52及び53は、カバー48と共に回転し、中間陥凹部60及び可視式マーク61は、位置合わせされる。
【0057】
部分52及び53がカバー48と共に回転することを図14において位置(a)、(b)及び(c)で示す。位置(a)で示すように、力が掛けられておらず(または、付勢部材50を変形させるに十分な力が無い)、したがって、付勢部材は、曲がり始めておらず、したがって、カバー48または部分52及び53は、回転しない。しかしながら、位置(b)において、いくらかのトルクを掛け、付勢部材50を曲げかつ部分52及び53を回転させるのに十分なように締付具8を回転させる。さらに、理解されるように、付勢部材50が曲がるにしたがって、接触面54及び55をわたって広がる接触面積が大きくなり、これにより、ここに関連する力をより効率よく分散させる。したがって、カバー48の陥凹部60は、中心からずれて移動し、まだ可視式マーク61と位置合わせされない。これは、荷物キャリアフットをまだ完全に締結していないことの操作者に信号で伝える機能を果たす。
【0058】
位置(c)は、部分52及び53をより完全に付勢部材50と係合させることと、カバー48の陥凹部60がハンドル47のマーク61と位置合わせされることと、を示す。これは、操作者に対して、荷物キャリアを完全に締結したことの信号として機能する。さらに、付勢部材50は、部分52及び53にわたって付勢部材を変形して陥凹部60及びマーク61を位置合わせするのに必要な力が締付具を所定量まで完全に締結すると発生するように調整されている。他の実施形態において、他のマーク、着色部またはさまざまな着色の陥凹部を、荷物キャリアを完全に締結したことを操作者に対して信号で知らせるのに使用してもよい。例えば、陥凹部60は、替わりに、着色したステッカーであってもよく、カバー48の縁部にあるノッチであってもよい。
【0059】
その上、注意すべきことは、所定の締結に達したことを操作者が信号で伝えられた後、操作者が締付部材8を締結することを続けることをまだ選択してもよいことである。付勢表示頭部片46は、付勢部材50と共に、さらなる締結を妨げるようには機能しない。したがって、操作者は、陥凹部60がマーク61を越えて回転するまで締結し続けてもよい。
【0060】
好ましい実施形態においてかつ図13から図16に示すように、位置合わせされた可視式マーク61及び陥凹部60の所定部分を含む表示素子は、デバイスのハンドルの長手方向端部に向けて視認可能である。ハンドルの長手方向端部に向かうこの配置は、図7から図12における表示器に示すように、若干よりハブ近傍のソケットハンドル近接位置の中間部に向けた配置と異なる。他の形態において、可視式マークまたは信号の少なくとも一部は、ハンドルの外側縁部を向いている。手の端部に向けて配置することは、締結中に表示器が設置者の手によって覆われないという利点を有し、覆われることは、適切なトルクに達した場合に表示器を見ることを困難にする。
【0061】
さらに、好ましい実施形態において、付勢部材50は、鋼のバネであるが、他の同様に適した材料及び付勢機構を採用してもよい。しかしながら、荷物キャリアフットデバイスを低温で使用する事実に起因して、重要なことは、付勢機構がさまざまな温度環境、すなわち典型的な高温及び低温な環境状態及び天候で同様に機能することである。鋼のような金属は、この基準を満足するが、同様に満足する他のものもある。
【0062】
さらに、応力を受けて付勢部材50が曲がる程度は、部材の厚さに大きく依存する。また、付勢部材の特有のサイズ及び厚さは、トルク表示器のサイズに依存する。付勢部材の寸法に関する後述する実施形態は、縦約20mm、横約50mmである表示ハンドルに関する。したがって、いくつかの実施形態において、厚さは、0.5mmから1.2mm、より好ましい実施形態において、0.6mmから1.1mm、まださらなる実施形態において、0.7mmから1.0mm、最も好ましくは0.7mmから0.8mmである。さらに、付勢部材50の長さは、好ましくは、48mmから54mm、より好ましい実施形態において、49mmから53mm、まださらなる実施形態において、50mmから52mm、さらに好ましくは、51mm、最も好ましくは51.4mmである。付勢部材50の幅は、8mmから12mm、またさらなる実施形態において、9mmから11mm、最も好ましい実施形態において、10mmである。ハンドルのサイズを増大または減少させるにしたがって、厚さ、長さ及び幅は、応力を受けて付勢部材50が曲がる所望のトルクを実現するために増大または減少する。例えば、荷物キャリアまたは他のスポーツデバイスを完全に締結する所望のトルクは、2Nm、4Nm、6Nmまたは8Nmを目標とする。付勢部材の寸法(すなわち厚さ、長さ及び幅)は、所望のトルクを実現するために調整される。
【0063】
別の実施形態において、荷物キャリアフットを完全に締結したことを示す信号は、付勢部材50の近傍に電気接点を配置することによってもたらされ、付勢部材50を所定程度まで捩ると、電気接点は、閉じられる。例えば、所望の所定トルクに達すると、付勢部材は、掛けられた力に起因して捩られ、付勢部材の近傍にある電気接点は、閉じられる。これにより、電気回路を完成させる。発光部、LEDまたはアラームは、回路に接続されており、これにより、可視式または可聴式信号を提供する。したがって、掛けたトルクが不十分であると、操作者は、締付具をまだ締結していないことが分かり、さらに、可聴式または可視式信号を引き起こすと、操作者は、締付具を完全に締結したことを知らされる。可視式信号は、発光もしくは点滅光またはLEDであり、ハウジング11の外側にあるまたは窓部20内に示される。可聴式信号を使用する場合、信号を提供するために、スピーカをハウジング11内でまたはハウジングの外側で使用する。さらに、いくつかの実施形態において、ボタンをハンドル47に配置して電気回路と接続し、荷物キャリアを完全に締結すると、ボタンが延出しまたは「飛び出て」これにより、操作者の手と接触する。また、これは、操作者に対してデバイスを完全に締結したという触知式信号として機能する。
【0064】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図17から図19に示す。分解したソケットキー532を図17及び図18に示し、このソケットキーは、表示頭部片64が一端部においてハンドル65内に収容される長手方向締付軸部64を有する。表示頭部片64は、圧潰可能付勢部材67を支持するブロック基盤部66を有し、この付勢部材は、図示の実施形態において、波型バネである。付勢部材67には、力受容部材68が載置されている。図19に示すように、力受容部材68の上側面には、上向突出傾斜歯部69がある。軸部63の端部70は、力受容部材68の孔部71によって収容されており、力受容部材68と共に回転するように形付けられている。このような形状は、好ましくは、アレンキーの形状にしたがっている。下面傾斜歯部72は、ハンドル65の内部かつ力受容部材68の上方に位置する。下面傾斜歯部72は、ハンドル65と完全に一体化されている、またはハンドル65と共に回転する追加の基盤部に収容されている。
【0065】
完全に組み立てると、力受容部材68の上向突出傾斜歯部69は、ハンドル65の下面傾斜歯部と向かい合い、さらに、それぞれは、対向する傾斜部の方向と反対方向を向く。例えば、締結するためにハンドルを時計回りに回転させる場合、下面傾斜部72は、反時計回り方向でハンドルから立ち上り、上向突出傾斜歯部69は、時計回り方向で立ち上がる。このため、対向する傾斜歯部の傾斜部分は、図19に示すように、互いに向かい合う。力受容部材68は、少なくとも1つ、好ましくは2以上、3つから20、最も好ましくは5つの傾斜歯部69を有する。ハンドルは、同数の、少なくとも1つの、好ましくは2以上、3つから20の、最も好ましくは10の下面傾斜歯部72を有する。
【0066】
上述のように、ハンドル65を操作者が回転させると、傾斜面は、互いに向かい合い、力受容部材68をハンドル65と共に回転させる。傾斜面の傾斜は、抵抗面をもたらし、力受容部材68及びハンドル65双方は、共に回転する。付勢部材67は、ハンドル65にトルクを掛けていないときに、少なくとも上向突出傾斜歯部69または下面傾斜歯部72の高さだけ基盤部66の上方において力受容部材68を保持するように調整されている。1つのグループの傾斜部が他方よりも高さが大きいと、付勢部材は、背の高い組の傾斜部と同等の距離だけ基盤部66の上方において力受容部材68を保持すべきである。さらに、ハンドル65を回転させるために掛けるトルクを増大させると、付勢部材は、下面傾斜歯部72によって掛けられた圧縮力が増大することに起因して、大きい程度で潰れる。付勢部材67は、所定の捩れをハンドルに掛けると、例えば荷物キャリアフットを所定程度まで完全に締結すると、付勢部材67が下面傾斜歯部72によって付与された力に起因して潰れ、下面傾斜歯部72が上向突出傾斜歯部69の上方でスライドするように調整されている。下面傾斜歯部72が上向突出傾斜歯部69の上方でスライドすると、ハンドル65に掛かるトルクは、力受容部材68に伝達できず、このため、荷物キャリアフットの締付部材8は、さらに締結されない。
【0067】
さらに、下面傾斜歯部72が上向突出傾斜歯部69の上方でスライドした後、力受容部材68は、ハンドル65の下面に対して跳ね返る。この動作の結果として、可聴式ノイズを発生し、このノイズは、一般的に「クリック」音であり、操作者に聞こえる。このため、これが発生すると、ハンドル65は、締付部材8をさらに締結することなく回転される一方、同時に「クリック」音を聞く。このため、音は、操作者に対する荷物キャリアフットを完全に締結したことの可聴式信号として機能する。さらに、向かい合う傾斜歯部がスライドする動作は、操作者が荷物キャリアフットを過度に締結することを防止し、このため、組立体への可能性のある損傷を防止する。
【0068】
また、可聴式「クリック」音に加え、操作者に対する触知式信号がある。下面傾斜歯部72が上向突出傾斜歯部69の上方をスライドし、力受容部材68がハンドル65の下面に対して跳ね返るにしたがって、これは、同様に、操作者が感知するハンドル65を介して振動を反響させる。したがって、これは、操作者に対して、荷物キャリアフットを完全に締結したことの触知式信号として機能する。したがって、上向突出傾斜歯部69の上方でスライドする傾斜歯部72は、荷物キャリアフットを完全に締結したことの信号を提供する表示素子として考えられる。
【0069】
追加の実施形態におけるトルク表示器を図20から図22に示す。図20において、ソケットキー74は、ハンドル72内に収容される一端部において表示頭部片76を有する長手方向締付軸部75をと共に示されている。表示頭部片は、複数のカンチレバー式バネ79を有する基盤部78を有し、このバネそれぞれは、その端部近傍に隆起ドーム部80有する。ハンドル77は、基盤部78と向かい合う下面傾斜歯部81を有する。
【0070】
基盤部78は、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つから20、最も好ましくは5つのカンチレバー式バネ79を有する。ハンドルは、同数、少なくとも1つ、好ましくは2以上、3つから20、最も好ましくは10の下面傾斜歯部81を有する。
【0071】
ハンドル77を回転させて締付部材8を締結するにしたがって、ソケットキー74をそこに挿入すると、下面傾斜歯部81は、カンチレバー式バネ79のドーム部に接触付勢される。締付部材8を回転させるためのトルクが小さい場合、隆起ドーム部80に接触付勢された後の下面傾斜歯部81は、基盤部78を強制的に回転させ、順に長手方向締付軸部75を回転させる。カンチレバー式バネ79は、隆起ドーム部80に接触付勢してこれにより隆起ドーム部80を下降させる傾斜歯部81の力によって付与された所定の力において反るように調整されている。ハンドル77に掛かる特有の所定締結力、カンチレバー式バネ79は、完全に反り、傾斜歯部81が隆起ドーム部の上方でスリップすることを可能とするのに十分な程度まで隆起ドーム部80を下降させる。したがって、ハンドル77に掛かるトルクは、基盤部78に、順に荷物キャリアフットの締付部材8に伝達されず、荷物キャリアフットは、さらに締結されない。このようにして、ハンドルは、荷物キャリアフットをさらに締結することなく回転される。
【0072】
したがって、隆起ドーム部をスリップして通過した後、「クリック音」は、操作者に対して、締付部材8を完全に締結したことの可聴式信号として機能する。したがって、傾斜歯部81が隆起ドーム部80をスライドして通過する結果として、振動は、操作者が感知するハンドル72を介して反響させ、このため、締付部材8を完全に締結したことの触知式信号として機能する。さらに、向かい合う傾斜歯部がスライドする動作は、操作者が荷物キャリアフットを過度に締結することを防止し、これにより、可能性のある損傷を防止する。
【0073】
図23から図25に示す別の実施形態において、基盤部78は、隆起ドーム部80を有するカンチレバー式バネ79に替えて隆起付勢部分82を有する。隆起付勢部分82は、各付勢部分82間で間隔をあけた基盤部78の隆起部分である。さらに、保持リング83は、基盤部78の安定性を維持するために使用されている。カンチレバー式バネ79と同様に、ハンドル77を回転させると、下面傾斜歯部81は、隆起付勢部分82に接触付勢する。
【0074】
基盤部78は、少なくとも1つ、好ましくは2以上、3つから20、最も好ましくは5つの隆起付勢部分82を有する。ハンドルは、同数、少なくとも1つ、好ましくは2以上、3つから20、最も好ましくは10の下面傾斜歯部81を有する。
【0075】
締付部材8を回転させるために必要なトルクが低い場合、隆起付勢部分82に接触付勢した後の下面傾斜歯部81は、基盤部78を強制的に回転させ、この基盤部は、順に長手方向締付軸部75及び締付部材8を回転させる。隆起付勢部分82は、隆起付勢部分82に接触付勢しこれにより隆起付勢部分82を下降させる傾斜歯部81の力によって付与される特有の力において反るように調整されている。ハンドル77に掛けられた特有の所定締結力において、隆起付勢部分82は、完全に反り、傾斜歯部81が隆起付勢部分82の上方でスリップすることを可能とする十分な程度まで隆起付勢部分82を下降させる。その結果として、ハンドル77に掛かるトルクは、基盤部78に、順に荷物キャリアフットの締付部材8に伝達せず、荷物キャリアフットは、さらに締結されない。したがって、ハンドルは、荷物キャリアフットをさらに締結することなく回転される。
【0076】
したがって、隆起付勢部分82をスリップして通過した後、「クリック音」は、操作者に対して、荷物キャリアフットの締付部材8を完全に締結したことの可聴式信号として機能する。したがって、傾斜歯部81が隆起付勢部分82をスリップして通過した結果として、振動は、操作者が感知するハンドル72を介して反響し、このため、締付部材8を完全に締め付けたことの触知式信号として機能する。さらに、向かい合う傾斜歯部がスライドする動作は、操作者が荷物キャリアフットを過度に締結することを防止し、このため、可能性のある損傷を防止する。
【0077】
好ましい実施形態において、基盤部78と隆起付勢部分82と隆起ドーム部80を有するカンチレバー式バネ79とは、低温及び高温双方の温度及び気候において同様の変形を有する材料から構成されている。鋼のような金属は、この基準を満足するが、同様に、あるプラスチックまたは複合物のようなこの条件を満たす他の材料がある。
【0078】
さらなる実施形態におけるトルク表示器を図26から図28に示す。図26は、ハンドル87内に収容される一端部において表示頭部片86を有する長手方向軸部85を有する分解したソケットキー84を示す。表示頭部片は、各端部において端部傾斜部90を有する側面カンチレバー式付勢延長部89を有する基盤部88を有する。側面カンチレバー式付勢延長部は、基盤部88の外側の周囲に位置している。ハンドル87は、側面カンチレバー式付勢延長部89と向かい合うその内面に位置する傾斜側面歯部91を有する。
【0079】
基盤部88は、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、3つから20、もっとも好ましくは5つのカンチレバー式付勢延長部89を有する。ハンドルは、同数の傾斜側面歯部91を有するが、好ましくは、例えば20を超える多数のこのような傾斜側面歯部91を有する。
【0080】
ソケットキー84を挿入したときにハンドル87を回転させて締付部材8を締結するにしたがって、傾斜側面歯部91は、カンチレバー式付勢延長部89の端部傾斜部90に接触付勢される。締付部材8を回転させるのに必要なトルクが小さい場合、傾斜側面歯部91は、端部傾斜部90に接触付勢された後、基盤部88を強制的に回転させ、この基盤部は、順に長手方向締付軸部85及び締付部材8を回転させる。カンチレバー式付勢延長部89は、端部傾斜部90を接触付勢しこれにより端部傾斜部90を下降させる傾斜側面歯部91の力によって付与された特有の力において反るように調整されている。ハンドル87に掛かる特有の所定締結力において、カンチレバー式付勢延長部89は、特有の所定力において完全に反り、これにより、傾斜側面歯部91が端部傾斜部90の上方でスリップすることを可能とするのに十分な程度まで端部傾斜部90を基盤部の中心軸に向けて内側に曲げる。その結果として、ハンドル87に圧けられたトルクは、基盤部88に、さらに荷物キャリアフットの締付部材8に伝達されず、この荷物キャリアフットは、さらに締結されない。したがって、ハンドル87は、荷物キャリアフットをさらに締結することなく回転される。
【0081】
したがって、端部傾斜部90をスリップして通過した後、「クリック音」は、操作者に対して、締付部材8を荷物キャリアフット内で完全に締め付けたことの可聴式信号として機能する。さらに、傾斜側面歯部91をスライドさせる動作は、操作者が荷物キャリアフットを過度に締結することを防止し、このため、可能性のある損傷を防止する。
【0082】
好ましい実施形態において、基盤部88と端部傾斜部90を有する側面カンチレバー式付勢延長部89とは、低温及び高温の温度及び気候で同様に変形する材料から構成されている。鋼のような金属は、この基準を満足するが、同様に、あるプラスチックまたは複合物のようなこの条件を満たす他の材料がある。
【0083】
基盤部88は、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つから20、最も好ましくは5つの側面カンチレバー式付勢延長部89を有する。ハンドルは、同数の傾斜側面歯部91を有するが、例えば20を超える多数のこのような傾斜側面歯部91がある。
【0084】
いくつかの実施形態において、締め付けに採用したソケットキーは、荷物キャリアフットの通常の使用中に設置したままであるように改良されてもよい。これら実施形態において、ソケットキーを配置する2つの配置がある。ソケットキー92がこれら2つの配置を有する荷物キャリアの一例として、図29(a)及び(b)に示す荷物キャリアフット93に関して述べる。図2及び図3に示す荷物キャリアフット1に関して上述したように、孔部9内に内側に接して、中空の締付部材8は、好ましくは、相互に一致する構造(例えばアレン形状)を有するソケットキーを回転させるために挿入することを可能とするように形付けられた内部受容構造部19を有する。これら構成部材は、同様に、荷物キャリアフット93にある。締付部材8内に挿入されるソケットキー92は、ソケットキーを締付部材8の内部穴部から外に部分的に引っ張られる第1配置を有し、これは、図29の(a)に示す。この第1配置において、ソケットキー92は、操作者によってより容易に把持され、回転されて締付部材8を締結する。また、ソケットキー92は、図29の(b)に示すように、第2配置で配置されている。この第2配置において、ソケットキー92は、格納するために締付部材8にわたって挿入されている。したがって、これら2つのソケットキー配置を提供する利点は、締付工具が常にフットに留まり、別個に格納するまたは記憶する必要がないことである。
【0085】
さらに、図29(a)及び(b)には、荷物キャリアのハウジングドア94と、クロスバー接続部材95と、が示されている。ハウジングドア94は、ソケットキー92へのアクセスをもたらすために開放されている。しかしながら、図30に示すように、ソケットキー92を第2配置で配置すると、ハウジングドア94は、閉じられる。また、図30には、荷物キャリアフット93の内部構成部材を収容する荷物キャリアハウジング96が示されている。
【0086】
図29の(a)及び(b)に示すような第1及び第2配置に関して、ソケットキー92は、図31に示すように使用される。ソケットキー92は、本明細書で説明した1つの実施形態(例えば、図13から図16に示す実施形態)における発明のトルク表示器を有するハンドル97と、締付部材8の受容構造部19によって収容されるように形付けられた、好ましくはアレン状に形付けられた長手方向軸部98と、を有する。したがって、ソケットキー92は、伸縮可能なブロック部材99を有する端部部分100を有する。好ましい実施形態において、拡張可能ブロック部材99は、Oリングである。ソケットキー92を締付部材8に挿入すると、拡張可能ブロック部材99は、収縮し、このため、ソケットキー92の挿入を可能とする。しかしながら、締付部材8に挿入した後、拡張可能なブロック部材99は、拡張し、これにより、ソケットキー92を締付部材8から取り外すことを妨害する。例えば、好ましい実施形態において、拡張可能ブロック部材99は、内部受容構造部19内に挿入されている間に収縮するが、内部受容構造部19を通過して中間中空穴部内へさらに挿入されると、拡張可能ブロック部材99は、拡張する。したがって、ソケットキー92を図29の(a)に示すような第1配置まで引っ張ると、拡張可能ブロック部材は、ソケットキー92が締付部材8から外に完全に引っ張られることを防止する。他の実施形態において、端部部分98は、Oリング以外の他のタイプのブロック部材を有してソケットキー92が抜けることを防止してもよい。
【0087】
別の実施形態において、ソケットキー92は、受容構造部19と係合しない円形状またはソケットキーの中間部分において薄い直径部を有している。したがって、第2の構成において、ソケットキーは、締付部材8に回転力を掛けずに回転するが、その替わりに、ソケットキーは、自由に回転する。しかしながら、端部部分98は、締付部材8を締結するために内部受容構造部19にしたがって形付けられている。しかしながら、ロック部は、安全性を確保するためにソケットキーが自由に回転することを防止するために使用される。したがって、これら2つのソケットキー構造を設ける利点は、締付工具が常にフットとして残り、独立して格納されるまたは記憶されておく必要がないことである。
【符号の説明】
【0088】
1 荷物キャリアフット,荷物キャリア,キャリアフット(荷物キャリアフットデバイス)、8 中空締付部材,長手方向締付部材,締付具,締付部材、17 付勢手段、25,34,44,74,532 ソケットキー(トルク表示デバイス)、35,45,63 長手方向締付軸部,締付軸部,軸部、40,50 長手方向付勢部材,付勢部材、49 翼状受容部、52,53 延長部分,部分、67 圧潰可能付勢部材,付勢部材、68 力受容部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物キャリアフットデバイス(1)の締付部材(8)のためかつ操作者によって前記締付部材(8)に付与された所定トルクを示すように構成されたトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記締付部材に接続するように構成された締付軸部(35、45、63)と、
前記締付軸部に配置された頭部分であって、当該頭部分が回転するまで前記締付軸部の回転運動を可能とし、これにより前記所定トルクを前記締付部材に付与し、当該頭部分が、第1セクション及び第2セクションを有する、頭部分と、
を備え、
前記第1セクションが、前記頭部分が第1方向で回転すると、前記第2セクション及び前記締付軸部(35、45、63)に関して移動可能であり、
付勢手段(17、40、50、67)が、前記頭部分が回転するとかつ前記締付部材と接続した後に、前記第1部分を付勢し、
前記第1部分の前記移動が、前記操作者によって感知可能な信号をさらに有効にし、前記信号が、前記付勢手段(17、40、50、67)の機能にしたがって前記締付部材に掛けた前記所定トルクを示すことを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記信号が、触知式、可聴式または可視式であることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記付勢手段(17、40、50、67)が、前記第1方向とは反対方向で前記第1部分を付勢することを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記付勢手段(40、50)が、長手方向付勢部材(40、50)を備えることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記締付軸部が、長手方向延長部を有し、
前記長手方向付勢部材(40、50)が、前記締付軸部の前記長手方向延長部にほぼ垂直に配置されていることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記長手方向付勢部材(40、50)が、第1及び第2端部と中央セクションとを有し、
前記長手方向付勢部材(40、50)が、当該長手方向付勢部材(40、50)におけるほぼ前記第1及び第2端部間かつ前記中央セクションにおいて前記第2セクションに接続されていることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記長手方向付勢部材(40)が、当該長手方向付勢部材(40)におけるほぼ前記第1及び第2端部において前記頭部分の前記第1セクションに接続されていることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記第1及び第2セクションそれぞれが、可視式マークを備え、
前記可視式マークが、共に前記操作者によって知覚可能な前記信号を形成することを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記第2セクションが、翼状受容部(49)を備えることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記翼状受容部(49)が、前記長手方向付勢部材(40)の別個の側面に配置された2つの延長部分(52、53)を備えることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記付勢手段が、力受容部材(68)と協働して作用するように構成された圧潰可能付勢部材(67)であることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)であって、
前記力受容部材(68)が、前記頭部分の前記第2セクションに配置され、
前記圧潰可能付勢部材(67)が、前記頭部分の前記第1セクションに配置されていることを特徴とするトルク表示デバイス。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のトルク表示デバイス(25、34、44、532、74)を備えることを特徴とする荷物キャリアフット(1)。
【請求項14】
請求項13に記載の荷物キャリアフット(1)であって、
前記トルク表示デバイス(25、34、44、532、74)が、当該荷物キャリアフット(1)に解放可能に取り付けられていることを特徴とする荷物キャリアフット。
【請求項15】
荷物を支持するために車両の所定部分に解放可能に固定可能な荷物キャリアフット(1)であって、
締付部材(8)であって、操作者がトルクを当該締付部材(8)に付与することによって当該締付部材(8)を締付配置まで操作することを可能とするように構成され、前記締付配置が、当該荷物キャリアフット(1)を前記車両の前記所定部分に保持するように構成された、締付部材と、
を備え、
当該荷物キャリアフットが、トルク表示デバイス(7、25、34、44、532、74)であり、
前記トルク表示デバイス(7、25、34、44、532、74)が、指定量の付与したトルクにおいて信号を用いて表示するように構成され、
前記指定量が、前記付勢部材(8)がほぼ前記締付配置にあるときに表示することを特徴とする荷物キャリアフット。
【請求項16】
請求項15に記載の荷物キャリアフット(1)において、
前記トルク表示デバイス(25、34、44、532、74)が、当該荷物キャリアフット(1)に解放可能に取り付けられていることを特徴とする荷物キャリアフット。
【請求項17】
請求項15または16に記載の荷物キャリアフット(1)において、
前記トルク表示デバイス(25、34、44、532、74)が、回転運動を前記トルク表示デバイス(25、34、44、532、74)の少なくとも一部に対する回転運動を可能としてこれにより前記トルクを前記締付部材に付与するように構成された頭部分を備え、
前記頭部分が、第1セクションと、第2セクションと、を備え、
前記第1セクションが、前記頭部分を第1方向で回転させると、前記第2セクションに関して移動可能であり、前記第1セクションの前記移動が、付与したトルクの前記指定量の信号を形成することを特徴とする荷物キャリアフット。
【請求項18】
請求項17に記載の荷物キャリアフット(1)において、
前記トルク表示デバイス(25、34、44、532、74)が、付勢手段(17、40、50、67)を備え、
前記付勢手段(17、40、50、67)が、少なくとも上記回転運動中に前記第1セクションを付勢し、
付与したトルクの前記指定量の前記信号は、前記付勢手段(17、40、50、67)に依存することを特徴とする荷物キャリアフット。
【請求項19】
請求項15から18のいずれか1項に記載の荷物キャリアフット(1)において、
当該荷物キャリアフット(1)が、当接部分(3)と、当該荷物キャリアフット(1)から延在して前記車両の所定部分を把持する把持部材(2)と、を備え、
前記締付部材(8)が、前記把持部材(2)と協働し、かつ、前記車両の前記所定部分に対して前記把持部材(2)を締結して前記車両の前記所定部分に対して前記当接部分(3)を付勢するように構成されており、これにより、当該荷物キャリアフット(1)を固定することを特徴とする荷物キャリアフット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29a】
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【図29b】
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【図30】
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【図31】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−516802(P2012−516802A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548548(P2011−548548)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054900
【国際公開番号】WO2010/088971
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(502308561)スーリー スウェーデン アーベー (4)
【Fターム(参考)】