説明

荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法

【課題】仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる荷物仕分けシステムを提供する。
【解決手段】荷物仕分けシステム11は、取得した荷物31の識別情報および箱33の識別情報から荷物31を入れる箱33を検出し、検出した箱33に荷物31が入れられたことを検知すれば、箱33の重量を測定する。そして、入れられた荷物31の識別情報、箱33の識別情報および箱33の重量情報を関連付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法に関するものであり、特に、RFIDタグを用いた荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流業務の一環として、倉庫内に保管された荷物を行き先別に仕分ける仕分け業務がある。荷物を仕分ける仕分け作業においては、仕分けスペースに配置され、行き先毎に設けられた複数の箱、例えば、物流容器に、各荷物を行き先別に仕分けて、入れることとしていた。
【0003】
このような仕分け作業は、従来、手作業で目視により行なわれていた。具体的には、荷物に付された行き先の情報を目視で読取り、行き先に対応する箱を目視で探し出して、行き先に対応する箱に荷物を入れることとしていた。また、行き先の情報を記録したハンディターミナルを用いて、仕分けが正しいか否かを確認しながら仕分け作業を行なう場合もある。さらには、システムによって仕分け指示を行なう場合に、ディスプレイ等に正しい仕分け先を表示して、この仕分け指示を作業者が見ながら仕分け作業を行なうこともある。なお、データの送受信を行なうRFID(Radio Frequency Identification)タグを含むシステムを用いた仕分け作業に関する技術が、特許第3690953号(特許文献1)および特開2006−273492号公報(特許文献2)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3690953号
【特許文献2】特開2006−273492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の手作業かつ目視による仕分けによると、作業者の判断ミス等に起因して、荷物を仕分ける際に誤仕分けを発生させるおそれが非常に高い。また、ハンディターミナルによる確認作業を伴いながらの仕分け作業においては、作業者の片手が塞がった状態となるため、作業効率が非常に悪い。また、ディスプレイ等に正しい行き先を示す方法によれば、作業者は、実際に荷物の仕分けが終わるまで正しい行き先を記憶しておかなければならない。このような方法は、作業者の負担を大きくしてしまうと共に、これもまた誤仕分けの原因となる。
【0006】
ここで、特許文献1においては、誤仕分けのおそれを低減するために、仕分け先を示すパレットに無線通信装置付き表示機を取り付け、貨物のタグを装着型のリーダライタで読取り、読取り結果を表示器に送信し、行き先を確定してパレットの表示機を点灯させることとしている。しかし、このような構成によると、荷物の仕分け作業におけるデータを記録することはできない。具体的には、例えば、「いつ」、「どの箱に」、「何を入れたか」という履歴データを入手することができず、データの追跡や、仕分け作業の後からの確認等をすることができない。
【0007】
昨今では特に、各荷物および複数の荷物を入れた箱の搬送時におけるCO排出量の算出基礎データの管理として、各荷物の重量データや複数の荷物を入れた箱の重量データの管理が重要視されている。このような重量データの管理は、搬送される荷物の搬送距離から該当するCO排出量を算出する観点から、搬送開始時、すなわち、出荷作業時において特に重要である。ここで、出荷作業時における荷物の仕分け作業時において、各荷物の重量を一つ一つ測定する構成とすると、出荷作業に長時間を要することになる。また、複数の荷物を入れた箱のみの重量を測定した場合においては、箱に入れられた各荷物の重量データを得ることはできない。すなわち、上記した構成によると、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができない。
【0008】
また、特許文献2によると、電子荷札から情報を読取るアンテナ部と、電子荷札から読取った情報を記憶するメモリと、電子荷札から読取った情報を外部機器と通信する通信部とを備えるRFIDリーダを開示している。しかし、このようなRFIDリーダによっても、重量データの管理を適切に行うことができない。
【0009】
この発明の目的は、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる荷物仕分けシステムを提供することである。
【0010】
この発明の他の目的は、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる荷物仕分け方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る荷物仕分けシステムは、識別情報を有する荷物を、識別情報を有する箱に入れて仕分ける荷物仕分けシステムであって、荷物の識別情報を取得する荷物識別情報取得手段と、箱の識別情報を取得する箱識別情報取得手段と、荷物識別情報取得手段により取得した荷物の識別情報、および箱識別情報取得手段により取得した箱の識別情報から、荷物を入れる箱を検出する検出手段と、検出手段により検出した箱に荷物が入れられたことを検知する荷物検知手段と、荷物検知手段により箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定する箱重量測定手段と、荷物検知手段により検知された荷物の識別情報、箱の識別情報、および箱重量測定手段により測定した箱の重量情報を関連付けて記憶する記憶手段とを備える。
【0012】
このような構成の荷物仕分けシステムによると、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から荷物を入れる箱を検出し、検出した箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定する。そして、入れられた荷物の識別情報、箱の識別情報および箱の重量情報を関連付けて記憶する。そうすると、箱に荷物を入れる作業で、箱の重量情報を荷物の識別情報および箱の識別情報に関連付けて記憶させることができ、箱全体の重量や箱に入れられた荷物の重量を算出することができる。したがって、このような荷物仕分けシステムは、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる。
【0013】
好ましくは、箱重量測定手段は、荷物検知手段の作動前の箱の重量を測定し、荷物検知手段の作動後の箱の重量から荷物検知手段の作動前の箱の重量を差し引いて、箱に入れられた荷物の重量を算出する荷物重量算出手段を含む。
【0014】
さらに好ましくは、箱に取り付けられ、箱重量測定手段により測定した箱の重量情報を記憶する箱重量記憶手段を備える。
【0015】
この発明の他の局面において、荷物仕分け方法は、識別情報を有する荷物を、識別情報を有する箱に入れて仕分ける荷物仕分け方法であって、荷物の識別情報を取得するステップと、箱の識別情報を取得するステップと、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から、荷物を入れる箱を検出する検出ステップと、箱に荷物が入れられたことを検知する検知ステップと、検知ステップにより箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定するステップと、検知ステップにより検知された荷物の識別情報、箱の識別情報、および箱の重量情報を関連付けて記憶するステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
このような構成の荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法によると、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から荷物を入れる箱を検出し、検出した箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定する。そして、入れられた荷物の識別情報、箱の識別情報および箱の重量情報を関連付けて記憶する。そうすると、箱に荷物を入れる作業で、箱の重量情報を荷物の識別情報および箱の識別情報に関連付けて記憶させることができ、箱全体の重量や箱に入れられた荷物の重量を算出することができる。したがって、このような荷物仕分けシステムは、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの外観構成の一部を示す概略斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの一部を示す概略断面図である。
【図4】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムのシステム遷移状態を示す図である。
【図5】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムにおいて、箱検知センサによって箱を検知する場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムにおいて、荷物IDを読取る場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムにおいて、荷物検知センサによって荷物を検知する場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの構成について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの構成を示すブロック図である。図2は、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの外観構成の一部を示す概略斜視図である。図3は、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの一部を示す概略断面図である。なお、図3は、後述するRFIDタグを含み、鉛直方向に延びる平面で後述する箱を切断した断面に相当する。
【0019】
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステム11は、荷物31に取り付けられ、荷物31の識別情報、すなわち、荷物IDが記憶されたバーコード32のデータを読取る荷物識別情報取得手段としてのバーコードリーダ12と、バーコードリーダ12により読取ったデータを取得するコンピュータ13と、種々のデータやデータから構成されるマスタおよびテーブル等を記憶するデータベース14と、箱33に取り付けられ、箱33の識別情報、すなわち、箱IDを記憶する第一のRFIDタグとしての箱用RFIDタグ15と、箱33の行き先を表示する表札25に取り付けられ、後述する行き先IDを記憶する第二のRFIDタグとしての行き先用RFIDタグ16と、箱用RFIDタグ15および行き先用RFIDタグ16に対してデータの読書きを行なう箱識別情報取得手段としてのリーダライタ17と、所定の位置に箱33が設置されたことを検知する箱検知センサとしての光電センサ19と、箱33に荷物31が入れられたことを検知する荷物検知手段としての荷物検知センサ21および光の点灯が可能な箱位置報知手段としてのLED(Light Emitting Diode)22を含むピッキングセンサ20と、光電センサ19およびピッキングセンサ20の制御を行なうセンサ制御装置18とを備える。バーコードリーダ12、コンピュータ13、データベース14、リーダライタ17、センサ制御装置18、光電センサ19、ピッキングセンサ20等は、有線で接続されていてもよいし、無線で交信可能に構成されていてもよい。また、このように、荷物IDをバーコード32に記憶させる構成を採用することにより、荷物仕分けシステム11自体を安価に構成することができる。
【0020】
箱33は、一般的な物流容器としての箱であり、開口部34を有する。開口部34から荷物31を入れることができ、また、入れられた荷物31は、開口部34から取り出すことができる。なお、上記した箱用RFIDタグ15は、鉛直方向に延び、箱33を構成する壁部35の外側に貼付するように設けられている。
【0021】
箱33には、行き先を表示する表札25が着脱可能に設けられている。表札25には、行き先に対応する文字等が表示されている。表札25は、薄板状部材を折り返すように折曲げた形状であって、断面略U字状に設けられている。表札25は、折曲げ部28を壁部35の上に載せるようにして取り付けられる。こうすることにより、大きさや形状の異なる種々の箱33の中から、入れられる荷物31の量や形状等に合わせて箱33を選択し、選択した箱33に対して、表札25を取り付けることができる。なお、上記した行き先用RFIDタグ16は、箱33に表札25が取り付けられた際に、箱33の外側に位置する表札25の一方側の面に貼付するように設けられている。
【0022】
上記した光電センサ19やピッキングセンサ20等は、アングルや鉄パイプ等を用いて枠組みされた作業台24に取り付けられる。具体的には、作業台24は、その上に荷物31を収容する箱33を複数載置可能なように、複数のパイプ材で机状に枠組みされる。箱33を載置する領域の下方側には、台部23が設けられる。台部23の上には、リーダライタ17が載置される。
【0023】
また、作業台24には、箱33が載置された際に、箱33の後方側に位置するように、アンテナ26が設けられている。アンテナ26は、作業台24の所定の位置に箱33が載置された場合、箱33に取り付けられた箱用RFIDタグ15および表札25に取り付けられた行き先用RFIDタグ16とのデータの送受信が可能な位置に設けられている。アンテナ26とリーダライタ17とは、有線27で接続されている。こうすることにより、箱ID等の情報を容易に、かつ、確実に取得することができる。
【0024】
ピッキングセンサ20は、作業台24上に箱33が載置された場合に、箱33の横に位置するように設けられている。ピッキングセンサ20に含まれる荷物検知センサ21は、箱33への荷物31の出し入れを検知する。すなわち、荷物検知センサ21の検知領域を通過して、開口部34から箱33内に荷物31が入れられ、荷物検知センサ21の検知領域を通過して、箱33内から荷物31が取り出される構成である。また、ピッキングセンサ20に含まれるLED22は、種々の光の点灯態様が可能である。すなわち、点灯や明滅、色の異なる光の点灯等が可能である。
【0025】
ピッキングセンサ20は、載置される箱33の数に合わせて取り付けられる。すなわち、ピッキングセンサ20は、箱33の数に応じて設けられている。同様に、光電センサ19についても、設置される箱33の数に応じて設けられている。
【0026】
なお、センサ制御装置18としては、例えば、PLC(Programmable Logic Controler)が用いられる。センサ制御装置18、リーダライタ17およびコンピュータ13は、それぞれデータの授受、すなわち、データの送受信が可能な構成となっている。
【0027】
ここで、荷物仕分けシステム11は、箱33の重量を測定する箱重量測定手段としての重量センサ29を備える。重量センサ29は、作業台24において、箱33が設置される下方側に配置される。すなわち、箱33は、作業台24のうち、重量センサ29の上に載置するようにして設置される。重量センサ29は、その上方に載置された箱33の重量を測定する。測定した箱33の重量情報の取得等、重量センサ29の制御については、接続されたセンサ制御装置18によって行なわれる。
【0028】
次に、この発明の一実施形態に係る荷物仕分けシステムの遷移状態について説明する。図4は、荷物仕分けシステムの遷移状態を示す図である。図4を参照して、システムの遷移状態としては、作業者登録待ち状態41、箱検知センサ検知処理42、荷物検知センサ検知処理44、および荷物バーコード読取り処理43がある。作業者登録待ち状態41については、仕分け作業を行なう作業者の作業者IDの入力や削除を行なう。箱検知センサ検知処理42、荷物検知センサ検知処理44、および荷物バーコード読取り処理43における処理の流れについては、後述する。また、以下の説明において、情報の関連付けを適宜「紐付け」という。すなわち、この明細書中、関連付けと紐付けとは、同義である。
【0029】
ここで、上記したデータベース14に記憶されている仕分けマスタの構成について説明する。
【0030】
【表1】

【0031】
表1は、仕分けマスタの構成の一例を示す表である。表1を参照して、仕分けマスタは、行き先IDデータと、行き先IDデータに対応する行き先データとを格納している。ここでは、具体的に、行き先を「行き先0」とすると、これに対応して行き先IDが「0000」として記憶されている。同様に、「行き先1」の場合には、「0001」とする行き先IDが記憶されており、「行き先M」の場合には、「MMMM」とする行き先IDが記憶されている。すなわち、登録された複数の行き先において、各行き先と一意に対応して、行き先IDが記憶されている。
【0032】
次に、同様にデータベース14に記憶されているセンサマスタの構成について説明する。
【0033】
【表2】

【0034】
表2は、センサマスタの構成の一例を示す表である。表2を参照して、センサマスタは、光電センサ19の識別情報としての箱検知センサIDと、荷物検知センサ21の識別情報としての荷物検知センサIDと、LED22の識別情報としての表示器IDとを格納している。箱検知センサID、荷物検知センサID、および表示器IDはそれぞれ一意に対応付けられている。具体的には、箱検知センサIDが「0000」の場合、荷物検知センサIDが「0000」であり、表示器IDが「0000」である。また、箱検知センサIDが「0001」の場合、荷物検知センサIDが「0001」であり、表示器IDが「0001」である。また、箱検知センサIDが「XXXX」の場合、荷物検知センサIDが「XXXX」であり、表示器IDが「XXXX」である。
【0035】
ここで、どの箱がどの行き先に紐付いているかを示す箱/行き先/表示器状態テーブルの構成を説明する。
【0036】
【表3】

【0037】
表3は、箱/行き先/表示器状態テーブルの構成の一例を示す表である。表3を参照して、箱/行き先/表示器状態テーブルは、要素として、「箱検知センサID」、「箱ID」、「行き先ID」、「表示器点灯状態」、「作業場所ID」の5つの要素についてのデータを格納する。
【0038】
次に、各荷物IDの読取り状況を示す荷物ID読取り状態テーブルの構成について説明する。
【0039】
【表4】

【0040】
表4は、荷物読取り状態テーブルの一例を示す表である。表4を参照して、荷物読取り状態テーブルは、要素として、「荷物ID」、「行き先ID」、「読取り時刻」の3つの要素についてのデータを格納する。
【0041】
次に、各荷物が仕分けられた結果を示す紐付け状態テーブルの構成について説明する。
【0042】
【表5】

【0043】
表5は、紐付け状態テーブルの一例を示す表である。表5を参照して、紐付け状態テーブルは、要素として、「荷物ID」、「箱ID」、「行き先ID」、「重量」、「仕分け時刻」の5つの要素についてのデータを格納する。
【0044】
また、箱33そのものの重量は、予め測定しておいて、箱重量情報マスタに予め登録しておく。表6に、箱重量情報マスタの一例を示す。すなわち、「箱ID」と、箱IDに対応する「箱重量」のデータが格納されている。
【0045】
【表6】

【0046】
さらに、測定された箱の重量データおよび箱に入れられた荷物の重量データは、表7にその一例を示す箱現在重量テーブルに格納される。
【0047】
【表7】

【0048】
次に、上記した箱検知センサ検知処理42における処理の流れについて説明する。図5は、この場合における処理の流れを示すフローチャートである。図5を参照して、まず、所定の箇所に箱33が設置されたか否かを検知する(図5において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。箱33の検知は、光電センサ19により、所定の箇所に箱33が設置されたか否かを検知することにより行なう。箱33が設置されたことを検知すれば(S11において、YES)、アンテナ26を介して、箱33および表札25に取り付けられたRFIDタグ15、16からの情報、具体的には箱33および表札25のIDをリーダライタ17によって読取る(S12)。その後、読取った箱33および表札25のIDを解析する(S13)。次に、行き先IDと箱IDとを1つずつ対応させて読んでいるか否かを判断する(S14)。1つずつ読んでいると判断すれば(S14において、YES)、データベース14に行き先のRFIDタグを問い合わせる(S15)。その後、箱/行き先/表示器状態テーブルの更新を行なう(S16)。一方、行き先IDと箱IDとを1つずつ読んでいないと判断すれば(S14において、NO)、エラーメッセージの表示を行なう(S17)。ここでの表示は、例えば、コンピュータ13に接続されたディスプレイ(図示せず)等における画面へのエラー表示により行なう。
【0049】
また、箱33の検知がなければ(S11において、NO)、箱33のないことを仕分け履歴データベースに登録し、箱/行き先/表示器状態テーブルの更新を行なう(S18)。すなわち、箱/行き先/表示器の紐付けの解除を行なう。
【0050】
ここで、複数のデータが格納された箱/行き先/表示器状態テーブルの一例を、表8に示す。また、複数のデータが格納された箱現在重量テーブルの一例を、表9に示す。
【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
次に、上記した荷物バーコード読取り処理43における処理の流れについて説明する。図6は、この場合における処理の流れを示すフローチャートである。図6を参照して、まず、荷物31に付された行き先ラベル、具体的には行き先ラベルに付されたバーコード32を読取り、コンピュータ13を介してデータベース14に問い合わせる(S21)。そして、荷物31の行き先判断解析を行なう(S22)。ここで、コンピュータ13等は、検出手段として作動する。次に、行き先に対応する箱33、すなわち、行き先に紐付けられた箱33が存在するか否かを判断する(S23)。箱33が存在すると判断すれば(S23において、YES)、箱33に紐付けられたピッキングセンサ20のLED22を点灯させる(S24)。その後、箱/行き先/表示器状態テーブルの更新を行なう。ここで、この更新処理を行った後の箱/行き先/表示器状態テーブルの一例を、表10に示す。また、この更新処理を行った後の箱現在重量テーブルの一例を、表11に示す。
【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
一方、行き先に対応する箱33が存在しないと判断した場合には(S23において、NO)、上記したようにエラーメッセージを表示する(S25)。
【0057】
次に、上記した荷物検知センサ検知処理44における処理の流れについて説明する。図7は、この場合における処理の流れを示すフローチャートである。図7を参照して、まず、LED22が点灯しているか否かを判断する(S31)。次に、ピッキングセンサ20に対応したLED22が点灯しているか否かを判断する(S32)。そして、ピッキングセンサ20に紐付けられた荷物IDが存在するか否かを判断する(S33)。
【0058】
次に、重量センサ29のデータから、重量センサ29の変化値を取得する(S34)。この場合、箱33に荷物31を入れる前、すなわち、検出手段の作動前の箱33の重量から箱33に荷物31を入れた後、すなわち、検出手段の作動後の箱33の重量を差し引いて、その変化値を算出し、この変化値を箱33に入れられた荷物31の重量とする。ここで、コンピュータ13等は、荷物重量算出手段として作動する。
【0059】
その後、箱/行き先/表示器状態テーブルの更新を行なう(S35)。ここで、コンピュータ13等は、記憶手段として作動する。
【0060】
その後、箱33に取り杖けられた箱用RFIDタグ15に重量のデータを書込む(S36)。この場合、センサ制御装置18により、アンテナ26を介して、リーダライタ17を用いて書込む。ここで、箱用RFIDタグ15等は、箱重量記憶手段として作動する。
【0061】
一方、ピッキングセンサ20に対応したLED22が点灯していない場合(S32において、NO)や、ピッキングセンサ20に紐付けられた荷物IDが存在しない場合(S33において、NO)には、エラーメッセージを表示する(S37)。
【0062】
このようにして、処理を行う。すなわち、この発明に係る荷物仕分け方法は、識別情報を有する荷物を、識別情報を有する箱に入れて仕分ける荷物仕分け方法であって、荷物の識別情報を取得するステップと、箱の識別情報を取得するステップと、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から、荷物を入れる箱を検出する検出ステップと、箱に荷物が入れられたことを検知する検知ステップと、検知ステップにより箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定するステップと、検知ステップにより検知された荷物の識別情報、箱の識別情報、および箱の重量情報を関連付けて記憶するステップとを備える。
【0063】
このように、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から荷物を入れる箱を検出し、検出した箱に荷物が入れられたことを検知すれば、箱の重量を測定する。そして、入れられた荷物の識別情報、箱の識別情報および箱の重量情報を関連付けて記憶する。そうすると、箱に荷物を入れる作業で、箱の重量情報を荷物の識別情報および箱の識別情報に関連付けて記憶させることができ、箱全体の重量や箱に入れられた荷物の重量を算出することができる。したがって、このような荷物仕分けシステムは、仕分け作業時における重量データの管理を適切に行うことができる。
【0064】
この場合、取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から荷物の行き先に対応する箱を検出し、検出した箱の位置をLEDによって報知するため、荷物の行き先に対応する箱を誤るおそれを大きく低減させることができる。したがって、誤仕分けのおそれを低減することができる。
【0065】
また、この場合、箱用RFIDタグ15に重量データ、具体的には、箱33に入れられた荷物31の荷物IDと紐付いた荷物31の重量データが書込まれているため、荷物31を入れた箱33を搬送した搬送先においても、各荷物31の重量データを入手することができる。この重量データは、荷物31の搬送距離のデータと合わせてCO排出量の算定の基礎データとすることができる。特に、複数の荷主の荷物を箱に混載して搬送する場合において、荷主ごとの荷物の重量データを取得したい場合において、有効である。
【0066】
なお、上記の実施の形態においては、検出手段の作動前後、すなわち、荷物検知センサ21における検知前後の箱33の重量を差し引いて、箱33に入れられた荷物31の重量データを得ることとしたが、これに限らず、箱33全体の重量を累積して記憶しておき、必要に応じて、入れられた荷物31の荷物IDおよび荷物31の重量データを算出するようにしてもよい。また、荷物31の重量データを箱用RFIDタグ15に書込む構成を設けず、コンピュータ13等からデータを必要に応じて送信するよう構成してもよい。
【0067】
また、この場合、箱用RFIDタグとしては、いわゆる長距離用のRFIDタグを用いることが好ましい。こうすることにより、荷物31の重量データの書込みを確実に行なうことができる。
【0068】
なお、上記の実施の形態においては、荷物には、バーコードが付されており、バーコードに荷物の識別情報が記憶されているとしたが、これに限らず、QRコード(登録商標)等の二次元バーコードで識別情報を記憶してもよいし、文字や記号で記載された識別情報を文字認識で読取るようにしてもよい。また、識別情報を記憶したRFIDタグを荷物に取り付け、このRFIDタグとのデータの授受を行なうことにしてもよい。さらに、箱や表札についても、データの送受信を行なうことが可能な他の記憶媒体を用いることとしてもよい。
【0069】
また、上記の実施の形態においては、報知手段としてLEDの点灯を行なうこととしたが、これに限らず、LEDの点滅やLEDの明滅状態によって報知を行なうこととしてもよいし、音声等により報知を行なってもよい。
【0070】
なお、上記の実施の形態においては、荷物検知センサとLEDとを含むピッキングセンサを設けることとしたが、これに限らず、荷物検知センサとLEDとを別途設けることとしてもよい。
【0071】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
この発明に係る荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法は、データ管理を容易にすることが要求される場合に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0073】
11 荷物仕分けシステム、12 バーコードリーダ、13 コンピュータ、14 データベース、15,16 RFIDタグ、17 リーダライタ、18 センサ制御装置、19 光電センサ、20 ピッキングセンサ、21 荷物検知センサ、22 LED、23 台部、24 作業台、25 表札、26 アンテナ、27 有線、28 折曲げ部、29 重量センサ、31 荷物、32 バーコード、33 箱、34 開口部、35 壁部、41 状態、42,43,44 処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を有する荷物を、識別情報を有する箱に入れて仕分ける荷物仕分けシステムであって、
前記荷物の識別情報を取得する荷物識別情報取得手段と、
前記箱の識別情報を取得する箱識別情報取得手段と、
前記荷物識別情報取得手段により取得した前記荷物の識別情報、および箱識別情報取得手段により取得した前記箱の識別情報から、前記荷物を入れる箱を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記箱に前記荷物が入れられたことを検知する荷物検知手段と、
前記荷物検知手段により前記箱に前記荷物が入れられたことを検知すれば、前記箱の重量を測定する箱重量測定手段と、
前記荷物検知手段により検知された荷物の識別情報、箱の識別情報、および前記箱重量測定手段により測定した箱の重量情報を関連付けて記憶する記憶手段とを備える、荷物仕分けシステム。
【請求項2】
前記箱重量測定手段は、前記荷物検知手段の作動前の前記箱の重量を測定し、前記荷物検知手段の作動後の前記箱の重量から前記荷物検知手段の作動前の前記箱の重量を差し引いて、前記箱に入れられた前記荷物の重量を算出する荷物重量算出手段を含む、請求項1に記載の荷物仕分けシステム。
【請求項3】
前記箱に取り付けられ、前記箱重量測定手段により測定した前記箱の重量情報を記憶する箱重量記憶手段を備える、請求項1または2に記載の荷物仕分けシステム。
【請求項4】
識別情報を有する荷物を、識別情報を有する箱に入れて仕分ける荷物仕分け方法であって、
荷物の識別情報を取得するステップと、
箱の識別情報を取得するステップと、
取得した荷物の識別情報および箱の識別情報から、前記荷物を入れる箱を検出する検出ステップと、
前記箱に前記荷物が入れられたことを検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより前記箱に前記荷物が入れられたことを検知すれば、前記箱の重量を測定するステップと、
前記検知ステップにより検知された荷物の識別情報、箱の識別情報、および箱の重量情報を関連付けて記憶するステップとを備える、荷物仕分け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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