荷積みプラン作成方法及びそのプログラム
【課題】トラックなどに積み込む段ボール箱などの荷物の効率的な荷積み計画を可能にする。
【解決手段】挿入可能な最も大きい荷物グループを選択し(S5,S10)、48通りの全ての挿入方法を試行した結果、最も積載効率の高い挿入方法を決定するために挿入後最大サブ空間を求める(S9,S17)。以後、これを繰り返すことにより、各荷物の積み込み位置、その回転状態及び積み込み順序を含む荷積みプランを作成する(S20)。
【解決手段】挿入可能な最も大きい荷物グループを選択し(S5,S10)、48通りの全ての挿入方法を試行した結果、最も積載効率の高い挿入方法を決定するために挿入後最大サブ空間を求める(S9,S17)。以後、これを繰り返すことにより、各荷物の積み込み位置、その回転状態及び積み込み順序を含む荷積みプランを作成する(S20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷積みプラン作成方法及びこれをコンピュータで実行するためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品(荷物)を積載するのにトラック、コンテナ、パレットなどが用いられている。物流コストを低減するには、トラックの荷室又はコンテナに効率良く商品を積み込むことが求められ、また、その計画性が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する直方体形状の空間である主空間に対して直方体又は立方体形状の荷物の効率的な積載方法を計画することのできる荷積みプラン作成方法を提供することにある。
【0004】
本発明の更なる目的は、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する直方体形状の空間である主空間に対して、直方体又は立方体形状の荷物の効率的な荷積みプランを作成することのできる荷積みプラン作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題は、本発明の荷積みプラン作成方法によれば、
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法を提供することによって達成される。
【0006】
なお、上記第3工程、第4工程の変形例として、第3工程で、各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求め、次の第4工程で、前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求めるようにしてもよい。
【0007】
また、上記技術的課題は、本発明の荷積みプラン作成プログラムによれば、
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラムを提供することにより達成される。
【0008】
なお、上記手順5の変形例として、前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求めるようにしてもよい。
【0009】
すなわち、本発明によれば、複数の荷物のうち、同じサイズの荷物を様々な個数及び配列状態でグループ化し、この荷物グループを使ってトラックなどの荷物を積載する主空間に対する挿入試行を行う。この挿入試行では、選択した荷物グループの様々な挿入位置や様々な回転状態で試行を行うと共に、挿入後の空き空間を直方体又は立方体形状のサブ空間で区分して、各サブ空間の大きさ又は最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、全ての挿入パターンの挿入試行が完了したら、最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める。以後、次々と荷物グループを挿入する試行が行われ、その都度、挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める。このようにして求めた挿入方法によってトラックなどに対する積載効率に優れた荷積みプランを作成することができる。
【0010】
本発明の上記目的、他の目的及びその効果は、以下の本発明の実施例の詳しい説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
【0012】
実施例の荷積みプラン作成方法は、これを実行するコンピュータプログラムをインストールしたPCによって実施され、トラックの荷室、コンテナのサイズ、パレットの大きさ(これに)積載する空間のサイズや、これに積載すべき荷物の個数、サイズを入力することで、積載効率の高い荷積みプランがモニタに表示され、また、必要に応じてプリンタに出力することができる。勿論、ファイルとして保存及び/又は出力してもよい。
【0013】
荷積みプラン作成に関するプログラムの説明において使用する用語を以下の通り定義する。
(1)「容器」:コンテナ、トラックの荷室など荷物(商品)を積載可能な直方体又は立方体形状の空間を有する。この容器の概念には、コンテナ、トラックの荷室のように、それ自体で規定される内部空間を含むことは勿論であるが、パレットに荷積みする場合も含む。したがって、以下に説明するようにPCで読み込んだ縦×横×高さ(x,y,z値)によって規定される、荷物を積み込むための空間を定義するための用語である。
(2)「荷物」:物流のために商品、荷物を収容した直方体又は立方体形状の例えば段ボール箱などの物体。
【0014】
(3)「荷物グループ」:縦×横×高さの三辺の長さが同じ複数の荷物を一次元的、二次元的、三次元的に隙間無く並べる。荷物グループという言葉に単一の荷物を含め、これらは同じに扱う。
(4)「主空間」、「サブ空間」:荷物の積み込みを許容する空間であり、荷物を積み込んでいない空の容器の空間を「主空間」(例えばトラックの荷室空間)という。この主空間に荷物を挿入した後に、この荷物が占める空間の回りの空き空間を複数の直方体又は立方体の空間に分割することができる。これを「サブ空間」という。
【0015】
(5)「荷物の回転」:直方体又は立方体形状の荷物の各辺が主空間又はサブ空間を規定する各辺と平行になる状態となるまで荷物グループを水平軸又は垂直軸回りに回転させることをいう。図1は、直方体の荷物グループDを水平軸又は垂直軸回りに回転させた状態を示し、図1に(I)〜(VI)を付したように全部で6通りの回転状態がある。
【0016】
(6)「大きい」「小さい」の判断基準は次の通りである。
(a)第1義:共に直方体又は立方体形状である主空間、サブ空間、荷物、荷物グループの大小は、容積の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(b)第2義:第1義で同一と判断されたときには、三辺のうち最も長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(c)第3義:第1義、第2義が同一と判断されたときには、三辺のうち第2番目に長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
【0017】
実施例では、荷物の積載に関して次のルールに従う。
(a)段ボール箱や商品などの荷物の重心、剛性、耐荷重などは無視する。
(b)荷物グループは、上述した6通りの回転状態のうち任意の状態で積載してもよい。つまり、荷物の積載状態は、図1の6通りの状態であれば任意の積載状態を選択可能である。
(c)容器の全体バランス、例えば、荷物による荷重の片寄りなどは無視する。
【0018】
図2を参照して、荷物(商品)を積載可能な、コンテナ、トラックの荷室、パレットなどの荷物を積載する直方体又は立方体形状の主空間2には、この主空間2と同じ又はこれよりも小さな荷物グループDを積載つまり挿入することが可能である。この主空間2に荷物グループD1を挿入したときに空き空間があれば、この空き空間を、直方体又は立方体形状の複数の空間に区分することができる。この直方体又は立方体形状に区分した各空間をサブ空間3と呼び、図2は主空間2に一つの荷物グループD1を挿入した場合に形成されるサブ空間をS1〜S3で示してある。各サブ空間S1〜S3は、主空間2を規定する側面に接し且つ荷物グループD1の側面に接している。
【0019】
主空間2及びサブ空間3への荷物グループDの挿入は、好ましくは、主空間2又はサブ空間3の8つの角隅部のいずれか一つの角隅部に対して行われるが、これに限定されるものではない。図3は、典型例として主空間2に一つの荷物グループD1を挿入する方法を説明するための図である。図3から分かるように、荷物グループDの一つの頂点を主空間2の8つの頂点のいずれかに一致させ、また、この頂点で交わる荷物グループDの三つの辺が主空間2の対応する三つの辺と一致するように、荷物グループDが主空間2に挿入される。したがって、荷物グループDの挿入は、荷物グループDの上記6通りの回転状態(図1)の各々に関して主空間2又は各サブ空間3の8つの頂点に関連した8通りの挿入位置が存在していることから、6×8=48通りのパターンで挿入が可能である。
【0020】
例えば図2に図示のように、(x,y,z)で表される荷物グループD1を主空間2(L,W,H)の左角隅部に挿入することで、第1〜第3のサブ空間S1〜S3が生成される。ここに、第1サブ空間S1は(L-x,W,H)、第2サブ空間S2は(L,W-y,H)、第3サブ空間S3は(L,W,H-z)で表すことができる。
【0021】
図4〜図8は個々の荷物のグループ化を説明するための図である。図4は、6個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(IX)を例示している。図5は、5個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。図6は、4個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(VI)を例示している。図7は、3個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。図8は、2個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。前述したように、荷物グループDという概念には1個の荷物1の場合も含まれる。
【0022】
サブ空間3に関して、空間の消失(この消失に関しては主空間2にも適用される)、併合、拡張という考え方が適用される。図9は、荷物1のグループ化によって荷物グループが空間2又は3と同じ大きさになるときには、当該空間2又は3に荷物グループを挿入することで当該空間2又は3は「消失」したものとして取り扱う。
【0023】
図10は、サブ空間3の併合を説明するための図である。隣り合う2つのサブ空間3、3が互いに接する面が完全に一致する場合には、この2つのサブ空間3、3を一つの空間として取り扱う。この処理を「併合」という。
【0024】
図11は、サブ空間3の拡張を説明するための図である。隣り合う2つのサブ空間3、3が互いに接する面が、一方のサブ空間3の面に包含される、つまり一方のサブ空間3Aの面3aが他方のサブ空間3Bの面3bよりも大きいときには、小さい方のサブ空間3Bを相対的に大きなサブ空間3Aまで拡張した空間として取り扱う。この処理を「拡張」という。
【0025】
このように、サブ空間3の併合、拡張という考え方を導入することにより、下記の第2次サブ空間、第三次サブ空間と呼ぶように、荷物グループDを次々と挿入することに伴って増加するサブ空間の数を整理統合して、既に挿入した数々の荷物グループの回りの空き空間を区分し直して直方体又は立方体形状の複数のサブ空間を生成する。これにより、サブ空間に対して可能な限り大きな荷物グループの挿入を可能することができる。
【0026】
図12を参照して、容器の主空間2に荷物グループD1を挿入することにより第1次の3つのサブ空間S1〜S3(図2)が生成されるが、例えば第3のサブ空間S3に次の荷物グループD2を挿入すると、この第3のサブ空間S3には荷物グループD2の回りに3つの直方体又は立方体の第2次のサブ空間を生成することができる。この第2次のサブ空間については図12では図示していないが、このことは前述した主空間2に対して第1の荷物グループD1を挿入したときに3つのサブ空間S1〜S3が生成されたのと同じである。
【0027】
したがって、図12の例であれば、主空間2には、第1の荷物グループD1を挿入したことに伴って生成された第1次の第1〜第3のサブ空間S1〜S3のうち、第3のサブ空間S3は第2の荷物グループD2の挿入によって3つの第2次のサブ空間が生成されることになり、結局、主空間2に第1、第2の荷物グループD1、D2を挿入することに伴って小さくなる空き空間は、第1次サブ空間、第2次サブ空間が混在した状態となる。このサブ空間の整理統合のために、前述したサブ空間の併合、拡張が行われ、これにより第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの第1次サブ空間、第2次サブ空間を整理統合して、新たに直方体又は立方体形状に分割し直したサブ空間を生成することができる。これにより、比較的大きな荷物グループを各サブ空間毎に挿入試行することが可能になる。
【0028】
図12は、第1、第2の荷物グループD1、D2を挿入した場合を例示している。具体的には、主空間2に第1の荷物グループD1を挿入し、これにより生成された第1次の第3サブ空間S3に第2荷物グループD2を挿入した場合を例示している。この第3サブ空間S3に第2荷物グループD2を挿入することにより、第3サブ空間S3には、第2次の3つのサブ空間(図示せず)が生成され、結局、主空間2には、コンピュータ処理の上で、第1次の第1、第2サブ空間S1、S2と、第3サブ空間S3に生成された第2次の3つのサブ空間とが混在することになる。この混在した幾つかのサブ空間は、上述した併合、拡張によって整理され、第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの空き空間が、直方体又は立方体形状のサブ空間に区分し直される。この処理は、次に第3の荷物グループを挿入した場合も同様であり、更にその後に次々と荷物グループを挿入した場合も同様である。
【0029】
図13、図14は実施例の荷積みプラン作成方法を具体的に説明するためのフローチャートであり、図14は、図13のステップS9に続くステップS10以降のステップを示す。フローチャートに基づいて実施例を説明するのに先立って、その概要を説明すると、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する搬送手段に積み込む荷物の数は有限であり、そしてトラックに荷物を積み込む毎に、積み込むべき荷物の数は減少する。すなわち、トラックに積み込むべき荷物が30個存在していたとして、そのうちの10個をグループ化してトラックに積み込んだとしたら、その後に残るトラックに積み込んでいない荷物は20個に減る。したがって、主空間2に最初に荷物グループD1を挿入したら、次に挿入可能な荷物グループD2のグループ化は残存する荷物が対象となる。
【0030】
また、例えば段ボール箱は一般的に複数種類に定形化されることが多い。従って、同じサイズの荷物をグループ化して図4〜図8を参照して説明したように、様々な個数で様々な配列の荷物グループを生成して、この荷物グループを物理的に単一の荷物と同じに取り扱う。そして、挿入可能な大きさの荷物グループから最も大きな荷物グループD1を主空間2に挿入する試行が行われる。この主空間2に対する挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、48通りの挿入パターンのうち最も効率的な挿入パターンが選択される。
【0031】
効率の高い低いは、第1荷物グループD1を48通りのパターンで挿入したときに個々の挿入パターンで生成される3つの第1次サブ空間S1〜S3のうち最も大きなサブ空間の容積を比較して、このサブ空間が最も容積が大きくなる挿入パターンが選択される。つまり、挿入可能な大きさのなかで最も大きな荷物グループD1を主空間2に48通りのパターンで挿入したときに、個々の挿入パターン毎に生成される3つの第1次サブ空間S1〜S3のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を記憶しておき、48通りの挿入パターンの全てを試行し終わった後に、記憶している挿入後最大サブ空間の大きさ(容積)を比較して最も大きい容積となる挿入後最大サブ空間を作る挿入パターンが最も効率的な挿入方法であるとして選択され、この実施例では決定される。勿論、各挿入パターンの挿入試行毎に、これによって生成される3つのサブ空間の大きさを記憶しておき、全ての挿入パターンの挿入試行が完了した後に、最も大きなサブ空間を求めて、この挿入後最大サブ空間を生成する挿入パターンを選択するようにしてもよい。
【0032】
次に挿入する第2荷物グループD2は、既に挿入した第1挿入グループD1によって積み込むべき荷物の数が減っていることから、荷積みすべき荷物の数、その種類で生成可能な荷物グループのうち、最も大きな荷物グループD2が選択され、この選択した荷物グループD2を第1次サブ空間S1〜S3に挿入する試行が行われる。この挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、その結果得られた最も効率的な挿入方法が選択される。
【0033】
第2荷物グループD2に関する効率の良否の判定は次の通りである。すなわち、第1次サブ空間S1〜S3の全てのサブ空間の各々に対して第2荷物グループD2を48通りのパターンで挿入したときに、挿入した第1次サブ空間には、個々の挿入パターン毎に3つの第2次サブ空間が形成される。そして、第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの空き空間は、コンピュータ処理上で第1次サブ空間と第2次サブ空間とが混在した状態となる。これを整理統合するために、前述した併合、拡張を実行して第1、第2の荷物D1、D2の回りの空き空間を直方体のサブ空間で区分し直したサブ空間に作り直す。そして、第1〜第3のサブ空間S1〜S3に対して48通りの挿入パターンで試行する毎に、整理し直したサブ空間を生成して、この作り直したサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間の容積を求める。そして、第1〜第3のサブ空間S1〜S3に対して48通りの挿入パターンの試行が全て完了したら、第2の荷物グループD2を各サブ空間S1〜S3に対して各挿入パターンで挿入することに伴って生成される挿入後最大サブ空間の大小を比較して、最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法が選択される。この挿入方法には、第2荷物グループD2を挿入する第1次サブ空間及びこれに対する挿入パターンが含まれる。勿論、各挿入パターンの挿入試行毎に生成される複数のサブ空間の大きさを記憶しておき、全ての挿入パターンの挿入試行が完了した後に、最も大きなサブ空間を求めて、この挿入後最大サブ空間を生成する挿入パターンを選択して、これを決定するようにしてもよい。
【0034】
次に挿入する第3荷物グループ以降についても、上記第2荷物グループD2と同様の手法で挿入試行が行われる。すなわち既に挿入した第1、第2挿入グループD1、D2によって積み込むべき荷物の数が減っていることから、残存する荷物の数、その種類で生成可能な荷物グループのうち、最も大きな荷物グループが選択され、この選択した荷物グループを、第2荷物グループD2を挿入した後に整理し直した複数のサブ空間の各々に挿入する試行が行われる。この挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、その結果得られた最も効率的な挿入方法が選択される。この最も効率的な挿入方法の選択は、前述した併合、拡張の考えを導入して第1〜第3の荷物グループD1〜D3を挿入した後の空き空間を分割し直したサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法が選択され、そして決定される。
【0035】
以上の手順を繰り返すことで、積み込むべき荷物の数が減少し且つ荷積みできる空間も小さくなる。そして、荷物グループの概念に単一の荷物を含んでいることから、最終的に、積み込むべき荷物が無くなるまで又は挿入可能な空き空間が無くなるまで上記の手順を繰り返すことで主空間2に対する荷物グループDの挿入試行が終わる。
【0036】
そして、主空間2に対する荷物グループDの挿入試行が完了したら、具体的に荷物をトラックやコンテナに積み込む順序及び個々の荷物の積み込み位置、荷物の回転状態を特定した荷積みの手引きつまり荷積みプランが作成される。これは、上述した挿入試行の結果得られた第1荷物グループD1、次の第2荷物グループD2、それ以降の荷物グループの各々の挿入位置、回転状態、各荷物グループを構成する荷物1のサイズなどに基づいて容易に荷積みプランを作ることができる。
【0037】
以上のことを前提として、図13、図14のフローチャートに基づいて実施例の荷積みプラン作成方法及びプログラムの手順を詳しく説明する。先ず図13を参照して、ステップS1で、容器に積載すべき各種の荷物1のデータの読み込みが行われる。荷物1のデータとしては、例えば荷物1が複数種類の段ボール箱であれば、各種の段ボール箱の縦×横×高さ寸法つまり(x,y,z)の数値及び個数を含む。次いで、ステップS2で容器の主空間2(例えばトラックの荷室)の縦×横×高さ寸法つまり(x,y,z)数値の読み込みが行われる。これら荷物1の個数及び(x,y,z)の数値及び主空間2の(x,y,z)の数値は、PCに接続したキーボードなどの入力手段を使って入力してもよいし、他のPCで生成したデータを流用するようにしてもよい。
【0038】
次のステップS3では、上記ステップS1で取得した荷物1のデータに基づいて荷物1のグループ化が行われる。このグループ化は、縦寸法、横寸法、高さ寸法の全てが同じ荷物1に関し、これを図4〜図8を参照して説明した手法で作成可能な全ての荷物グループDの群が作成される。この荷物グループDの群には荷物1が単一の場合も含まれる。上述したように例えば第1荷物グループD1の挿入試行が完了してその挿入方法が決定されると、この第1荷物グループD1を構成した荷物1の群は、積載すべき荷物1の群から削除すべきであり、これを取り除いた荷物1の群で生成可能な荷物グループDが概念上出現する。本実施例では、これらを全て包含する荷物グループをステップS3で予め作成することにしているが、先行する荷物グループDの挿入試行が完了したら、その後に、後続の荷物グループ群を作成して、この荷物グループの群の中から次に挿入すべき荷物グループDを選択するようにしてもよい。
【0039】
次のステップS4において、作成した荷物グループDは下記のルールに従って「大きい」順に並び替えが行われる。
(a)第1義:直方体又は立方体形状である荷物グループDの大小は、容積の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(b)第2義:第1義で同一と判断されたときには、三辺のうち最も長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(c)第3義:第1義、第2義が同一と判断されたときには、三辺のうち第2番目に長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
【0040】
次のステップS5において、主空間2に挿入可能な大きさの荷物グループのうち最も大きな荷物グループD1が選択され、この荷物グループD1に関して上述した48通りの挿入パターンで主空間2に対する挿入が試行される(ステップS6)。
【0041】
そして、各挿入パターン毎に第1次サブ空間S1〜S3を生成し、その中で最も大きいサブ空間の容積を求めて、これを記憶する(ステップS7)。そして、48通りの全ての挿入パターンの試行が完了したら、ステップS8〜ステップS9に進んで、ステップS7で求めた各挿入パターン毎の最も大きいサブ空間を比較して、最も大きいサブ空間を生成する挿入パターンを求め、主空間2に対する第1荷物グループD1及びその挿入方法(挿入位置及び回転状態など)を決定する(ステップS9)。
【0042】
上記ステップS9において、主空間2に対する荷物グループD1の好ましい挿入位置が例えば2カ所存在する場合には、主空間2の下面に接する部位を優先して選択するのが好ましく、また、主空間2の奥(トラックの荷室を例示すれば、荷室の奥)を優先して選択するのがよい。
【0043】
図14を参照して、次のステップS10では、既に決定した第1荷物グループD1を構成する荷物1を除いた、残存する荷物グループDの中で、既に決定した第1荷物グループD1を主空間2に挿入することに伴って生成される第1〜第3サブ空間S1〜S3に挿入可能な荷物グループD2が選択される。この選択は、サブ空間S1〜S3のうち最も大きなサブ空間に挿入可能な荷物グループD2を選択するのが好ましく、選択した荷物グループD2が挿入可能なサブ空間に対して以下の挿入試行がステップS11以降で実行される。
【0044】
先ず、ステップS10で選択した第2荷物グループD2を一つの第1次のサブ空間(例えば第1サブ空間S1)に挿入し、次いでステップS12で、この挿入した第1次の第1サブ空間S1に第2次のサブ空間を生成した後、ステップS13で、この第2次サブ空間及び他の第1次サブ空間(S2、S3)を併合、拡張処理することにより区分し直した複数のサブ空間を生成する。そして、次のステップS14で、この作り直した複数のサブ空間のうち、最も大きなサブ空間(挿入後最大サブ空間)を求め、これを記憶させる。
【0045】
この第1サブ空間S1に対して48通りの挿入試行が完了するとステップS15からステップS16に進み、更にステップS11に戻って、次のサブ空間(例えば第2サブ空間S2)に第2荷物グループD2を挿入する試行が行われる(ステップS12〜S15)。この第2サブ空間S2に対して48通りの挿入パターンの全ての試行が完了したら、次の第1サブ空間S3に対して第2荷物グループD2を挿入する試行が行われ、この第3サブ空間S3に対して48通りの挿入パターンの全ての試行が完了するとステップS17に進んで、上記ステップS14で各挿入試行毎に記憶した複数の挿入後最大サブ空間のうち最も大きなサブ空間を生成する挿入方法(挿入するサブ空間S1〜S3の特定、その挿入位置、回転状態)を求め、これを決定する。
【0046】
この第2荷物グループD2の最も効率的な挿入位置、回転状態などの決定は、例えば第2荷物グループD2の各挿入試行毎に、その挿入位置及び回転状態、挿入後の空き空間を整理し直したサブ空間の大きさを記憶しておき、第2荷物グループD2の全ての挿入試行の後に、最も大きなサブ空間を生成する挿入方法を決定するようにしてもよい。この場合には、この挿入方法から第2荷物グループD2の挿入位置、回転状態のデータを取り込み、ステップS11では、このデータに基づいて、第1、第2荷物グループD1、D2を挿入後の空き空間を直方体又は立方体形状の区分し直したサブ空間を生成し、これをN次サブ空間としてステップS11以降の処理を行うようにしてもよい。
【0047】
そして、次のステップS18で残存する荷物グループDの有無を確認し、また、次のステップS19で挿入可能なサブ空間の有無を確認した後に、ステップS10に戻って第3挿入グループの選定及びこれに続いて上述した第2荷物グループD2の各挿入パターン、挿入位置毎に区分し直した複数のサブ空間の各々に対して48通りの挿入試行が行われ、ステップS14で各挿入試行毎に記憶した複数の最も大きなサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求め、これを決定する。
【0048】
以後、残存する荷物グループに対しても同様の処理が実行され、残存する荷物グループがゼロ又は挿入可能なサブ空間が無くなるまで次々と荷物グループの挿入試行が実行される。
【0049】
なお、選定した荷物グループDがサブ空間に挿入可能か否かを判定は次の(a)〜(c)の判定基準に従う。
【0050】
(a)選定した荷物グループDの三辺のうち最も長い辺(最大辺)がサブ空間の最大辺以下である。
(b)選定した荷物グループDの三辺のうち二番目に長い辺(中間辺)がサブ空間の中間辺以下である。
(c)選定した荷物グループDの三辺のうち最も短い辺(最小辺)がサブ空間の最小辺以下である。
【0051】
もし、挿入後最大サブ空間の容積が同じ挿入パターンが複数存在する場合には、挿入位置が最も下及び奥となる挿入位置が優先して選択される。
【0052】
ステップS20において、上記の手順によって決定した第1から第Nの荷物グループ、各荷物グループの挿入位置、回転状態に基づいて、各荷物1の積み込み位置、その回転状態及び積み込み順序を含む荷積みプランが作成され、この荷積みプランはコンピュータから出力されてモニタに表示され、また、必要に応じてプリンタで紙に印刷される。勿論、ファイルとして保存及び/又は出力してもよい。
【0053】
このように、荷積みすべき複数の荷物1のサイズや個数などを入力することで、この複数の荷物1を積み込む荷積み順序やその積み込み位置などを含む荷積みプランを作成することができるため、トラックなどの手配などを含めた出荷計画を立案するのが容易になる。また、トラック、コンテナ、パレットに荷積みする作業員は、上記荷積みプランに従って複数の荷物1の各々をトラックなどに積み込むだけで、高い積載効率の荷積みが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】直方体の荷物(段ボール箱などの荷物)の6通りの回転状態を説明するための図である。
【図2】トラック、コンテナ、パレットなどに荷物を積載する空間(主空間)に荷物を挿入することにより生成される3つの直方体形状のサブ空間を説明するための図である。
【図3】トラック、コンテナ、パレットなどに荷物を積載する空間(主空間)や直方体形状のサブ空間に対する荷物の8つの挿入位置を説明するための図である。
【図4】6個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図5】5個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図6】4個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図7】3個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図8】2個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図9】主空間又はサブ空間に挿入した荷物(荷物グループ)によって満たされた場合に主空間又はサブ空間の消失を説明するための図である。
【図10】隣接する2つのサブ空間同士の併合を説明するための図である。
【図11】隣接する2つのサブ空間同士の拡張を説明するための図である。
【図12】サブ空間に荷物(荷物グループ)を挿入した場合に第2次のサブ空間が生成されることを説明するための図である。
【図13】本発明の荷積みプラン作成方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】図13と同様に、本発明の荷積みプラン作成方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 荷物
2 主空間(例えばトラックの荷室)
3 サブ空間
D 荷物グループ
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷積みプラン作成方法及びこれをコンピュータで実行するためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品(荷物)を積載するのにトラック、コンテナ、パレットなどが用いられている。物流コストを低減するには、トラックの荷室又はコンテナに効率良く商品を積み込むことが求められ、また、その計画性が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する直方体形状の空間である主空間に対して直方体又は立方体形状の荷物の効率的な積載方法を計画することのできる荷積みプラン作成方法を提供することにある。
【0004】
本発明の更なる目的は、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する直方体形状の空間である主空間に対して、直方体又は立方体形状の荷物の効率的な荷積みプランを作成することのできる荷積みプラン作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題は、本発明の荷積みプラン作成方法によれば、
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法を提供することによって達成される。
【0006】
なお、上記第3工程、第4工程の変形例として、第3工程で、各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求め、次の第4工程で、前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求めるようにしてもよい。
【0007】
また、上記技術的課題は、本発明の荷積みプラン作成プログラムによれば、
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラムを提供することにより達成される。
【0008】
なお、上記手順5の変形例として、前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求めるようにしてもよい。
【0009】
すなわち、本発明によれば、複数の荷物のうち、同じサイズの荷物を様々な個数及び配列状態でグループ化し、この荷物グループを使ってトラックなどの荷物を積載する主空間に対する挿入試行を行う。この挿入試行では、選択した荷物グループの様々な挿入位置や様々な回転状態で試行を行うと共に、挿入後の空き空間を直方体又は立方体形状のサブ空間で区分して、各サブ空間の大きさ又は最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、全ての挿入パターンの挿入試行が完了したら、最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める。以後、次々と荷物グループを挿入する試行が行われ、その都度、挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める。このようにして求めた挿入方法によってトラックなどに対する積載効率に優れた荷積みプランを作成することができる。
【0010】
本発明の上記目的、他の目的及びその効果は、以下の本発明の実施例の詳しい説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
【0012】
実施例の荷積みプラン作成方法は、これを実行するコンピュータプログラムをインストールしたPCによって実施され、トラックの荷室、コンテナのサイズ、パレットの大きさ(これに)積載する空間のサイズや、これに積載すべき荷物の個数、サイズを入力することで、積載効率の高い荷積みプランがモニタに表示され、また、必要に応じてプリンタに出力することができる。勿論、ファイルとして保存及び/又は出力してもよい。
【0013】
荷積みプラン作成に関するプログラムの説明において使用する用語を以下の通り定義する。
(1)「容器」:コンテナ、トラックの荷室など荷物(商品)を積載可能な直方体又は立方体形状の空間を有する。この容器の概念には、コンテナ、トラックの荷室のように、それ自体で規定される内部空間を含むことは勿論であるが、パレットに荷積みする場合も含む。したがって、以下に説明するようにPCで読み込んだ縦×横×高さ(x,y,z値)によって規定される、荷物を積み込むための空間を定義するための用語である。
(2)「荷物」:物流のために商品、荷物を収容した直方体又は立方体形状の例えば段ボール箱などの物体。
【0014】
(3)「荷物グループ」:縦×横×高さの三辺の長さが同じ複数の荷物を一次元的、二次元的、三次元的に隙間無く並べる。荷物グループという言葉に単一の荷物を含め、これらは同じに扱う。
(4)「主空間」、「サブ空間」:荷物の積み込みを許容する空間であり、荷物を積み込んでいない空の容器の空間を「主空間」(例えばトラックの荷室空間)という。この主空間に荷物を挿入した後に、この荷物が占める空間の回りの空き空間を複数の直方体又は立方体の空間に分割することができる。これを「サブ空間」という。
【0015】
(5)「荷物の回転」:直方体又は立方体形状の荷物の各辺が主空間又はサブ空間を規定する各辺と平行になる状態となるまで荷物グループを水平軸又は垂直軸回りに回転させることをいう。図1は、直方体の荷物グループDを水平軸又は垂直軸回りに回転させた状態を示し、図1に(I)〜(VI)を付したように全部で6通りの回転状態がある。
【0016】
(6)「大きい」「小さい」の判断基準は次の通りである。
(a)第1義:共に直方体又は立方体形状である主空間、サブ空間、荷物、荷物グループの大小は、容積の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(b)第2義:第1義で同一と判断されたときには、三辺のうち最も長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(c)第3義:第1義、第2義が同一と判断されたときには、三辺のうち第2番目に長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
【0017】
実施例では、荷物の積載に関して次のルールに従う。
(a)段ボール箱や商品などの荷物の重心、剛性、耐荷重などは無視する。
(b)荷物グループは、上述した6通りの回転状態のうち任意の状態で積載してもよい。つまり、荷物の積載状態は、図1の6通りの状態であれば任意の積載状態を選択可能である。
(c)容器の全体バランス、例えば、荷物による荷重の片寄りなどは無視する。
【0018】
図2を参照して、荷物(商品)を積載可能な、コンテナ、トラックの荷室、パレットなどの荷物を積載する直方体又は立方体形状の主空間2には、この主空間2と同じ又はこれよりも小さな荷物グループDを積載つまり挿入することが可能である。この主空間2に荷物グループD1を挿入したときに空き空間があれば、この空き空間を、直方体又は立方体形状の複数の空間に区分することができる。この直方体又は立方体形状に区分した各空間をサブ空間3と呼び、図2は主空間2に一つの荷物グループD1を挿入した場合に形成されるサブ空間をS1〜S3で示してある。各サブ空間S1〜S3は、主空間2を規定する側面に接し且つ荷物グループD1の側面に接している。
【0019】
主空間2及びサブ空間3への荷物グループDの挿入は、好ましくは、主空間2又はサブ空間3の8つの角隅部のいずれか一つの角隅部に対して行われるが、これに限定されるものではない。図3は、典型例として主空間2に一つの荷物グループD1を挿入する方法を説明するための図である。図3から分かるように、荷物グループDの一つの頂点を主空間2の8つの頂点のいずれかに一致させ、また、この頂点で交わる荷物グループDの三つの辺が主空間2の対応する三つの辺と一致するように、荷物グループDが主空間2に挿入される。したがって、荷物グループDの挿入は、荷物グループDの上記6通りの回転状態(図1)の各々に関して主空間2又は各サブ空間3の8つの頂点に関連した8通りの挿入位置が存在していることから、6×8=48通りのパターンで挿入が可能である。
【0020】
例えば図2に図示のように、(x,y,z)で表される荷物グループD1を主空間2(L,W,H)の左角隅部に挿入することで、第1〜第3のサブ空間S1〜S3が生成される。ここに、第1サブ空間S1は(L-x,W,H)、第2サブ空間S2は(L,W-y,H)、第3サブ空間S3は(L,W,H-z)で表すことができる。
【0021】
図4〜図8は個々の荷物のグループ化を説明するための図である。図4は、6個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(IX)を例示している。図5は、5個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。図6は、4個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(VI)を例示している。図7は、3個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。図8は、2個の荷物1をグループ化したときの各荷物グループにおける個々の荷物の配列状態(I)〜(III)を例示している。前述したように、荷物グループDという概念には1個の荷物1の場合も含まれる。
【0022】
サブ空間3に関して、空間の消失(この消失に関しては主空間2にも適用される)、併合、拡張という考え方が適用される。図9は、荷物1のグループ化によって荷物グループが空間2又は3と同じ大きさになるときには、当該空間2又は3に荷物グループを挿入することで当該空間2又は3は「消失」したものとして取り扱う。
【0023】
図10は、サブ空間3の併合を説明するための図である。隣り合う2つのサブ空間3、3が互いに接する面が完全に一致する場合には、この2つのサブ空間3、3を一つの空間として取り扱う。この処理を「併合」という。
【0024】
図11は、サブ空間3の拡張を説明するための図である。隣り合う2つのサブ空間3、3が互いに接する面が、一方のサブ空間3の面に包含される、つまり一方のサブ空間3Aの面3aが他方のサブ空間3Bの面3bよりも大きいときには、小さい方のサブ空間3Bを相対的に大きなサブ空間3Aまで拡張した空間として取り扱う。この処理を「拡張」という。
【0025】
このように、サブ空間3の併合、拡張という考え方を導入することにより、下記の第2次サブ空間、第三次サブ空間と呼ぶように、荷物グループDを次々と挿入することに伴って増加するサブ空間の数を整理統合して、既に挿入した数々の荷物グループの回りの空き空間を区分し直して直方体又は立方体形状の複数のサブ空間を生成する。これにより、サブ空間に対して可能な限り大きな荷物グループの挿入を可能することができる。
【0026】
図12を参照して、容器の主空間2に荷物グループD1を挿入することにより第1次の3つのサブ空間S1〜S3(図2)が生成されるが、例えば第3のサブ空間S3に次の荷物グループD2を挿入すると、この第3のサブ空間S3には荷物グループD2の回りに3つの直方体又は立方体の第2次のサブ空間を生成することができる。この第2次のサブ空間については図12では図示していないが、このことは前述した主空間2に対して第1の荷物グループD1を挿入したときに3つのサブ空間S1〜S3が生成されたのと同じである。
【0027】
したがって、図12の例であれば、主空間2には、第1の荷物グループD1を挿入したことに伴って生成された第1次の第1〜第3のサブ空間S1〜S3のうち、第3のサブ空間S3は第2の荷物グループD2の挿入によって3つの第2次のサブ空間が生成されることになり、結局、主空間2に第1、第2の荷物グループD1、D2を挿入することに伴って小さくなる空き空間は、第1次サブ空間、第2次サブ空間が混在した状態となる。このサブ空間の整理統合のために、前述したサブ空間の併合、拡張が行われ、これにより第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの第1次サブ空間、第2次サブ空間を整理統合して、新たに直方体又は立方体形状に分割し直したサブ空間を生成することができる。これにより、比較的大きな荷物グループを各サブ空間毎に挿入試行することが可能になる。
【0028】
図12は、第1、第2の荷物グループD1、D2を挿入した場合を例示している。具体的には、主空間2に第1の荷物グループD1を挿入し、これにより生成された第1次の第3サブ空間S3に第2荷物グループD2を挿入した場合を例示している。この第3サブ空間S3に第2荷物グループD2を挿入することにより、第3サブ空間S3には、第2次の3つのサブ空間(図示せず)が生成され、結局、主空間2には、コンピュータ処理の上で、第1次の第1、第2サブ空間S1、S2と、第3サブ空間S3に生成された第2次の3つのサブ空間とが混在することになる。この混在した幾つかのサブ空間は、上述した併合、拡張によって整理され、第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの空き空間が、直方体又は立方体形状のサブ空間に区分し直される。この処理は、次に第3の荷物グループを挿入した場合も同様であり、更にその後に次々と荷物グループを挿入した場合も同様である。
【0029】
図13、図14は実施例の荷積みプラン作成方法を具体的に説明するためのフローチャートであり、図14は、図13のステップS9に続くステップS10以降のステップを示す。フローチャートに基づいて実施例を説明するのに先立って、その概要を説明すると、トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する搬送手段に積み込む荷物の数は有限であり、そしてトラックに荷物を積み込む毎に、積み込むべき荷物の数は減少する。すなわち、トラックに積み込むべき荷物が30個存在していたとして、そのうちの10個をグループ化してトラックに積み込んだとしたら、その後に残るトラックに積み込んでいない荷物は20個に減る。したがって、主空間2に最初に荷物グループD1を挿入したら、次に挿入可能な荷物グループD2のグループ化は残存する荷物が対象となる。
【0030】
また、例えば段ボール箱は一般的に複数種類に定形化されることが多い。従って、同じサイズの荷物をグループ化して図4〜図8を参照して説明したように、様々な個数で様々な配列の荷物グループを生成して、この荷物グループを物理的に単一の荷物と同じに取り扱う。そして、挿入可能な大きさの荷物グループから最も大きな荷物グループD1を主空間2に挿入する試行が行われる。この主空間2に対する挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、48通りの挿入パターンのうち最も効率的な挿入パターンが選択される。
【0031】
効率の高い低いは、第1荷物グループD1を48通りのパターンで挿入したときに個々の挿入パターンで生成される3つの第1次サブ空間S1〜S3のうち最も大きなサブ空間の容積を比較して、このサブ空間が最も容積が大きくなる挿入パターンが選択される。つまり、挿入可能な大きさのなかで最も大きな荷物グループD1を主空間2に48通りのパターンで挿入したときに、個々の挿入パターン毎に生成される3つの第1次サブ空間S1〜S3のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を記憶しておき、48通りの挿入パターンの全てを試行し終わった後に、記憶している挿入後最大サブ空間の大きさ(容積)を比較して最も大きい容積となる挿入後最大サブ空間を作る挿入パターンが最も効率的な挿入方法であるとして選択され、この実施例では決定される。勿論、各挿入パターンの挿入試行毎に、これによって生成される3つのサブ空間の大きさを記憶しておき、全ての挿入パターンの挿入試行が完了した後に、最も大きなサブ空間を求めて、この挿入後最大サブ空間を生成する挿入パターンを選択するようにしてもよい。
【0032】
次に挿入する第2荷物グループD2は、既に挿入した第1挿入グループD1によって積み込むべき荷物の数が減っていることから、荷積みすべき荷物の数、その種類で生成可能な荷物グループのうち、最も大きな荷物グループD2が選択され、この選択した荷物グループD2を第1次サブ空間S1〜S3に挿入する試行が行われる。この挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、その結果得られた最も効率的な挿入方法が選択される。
【0033】
第2荷物グループD2に関する効率の良否の判定は次の通りである。すなわち、第1次サブ空間S1〜S3の全てのサブ空間の各々に対して第2荷物グループD2を48通りのパターンで挿入したときに、挿入した第1次サブ空間には、個々の挿入パターン毎に3つの第2次サブ空間が形成される。そして、第1、第2の荷物グループD1、D2の回りの空き空間は、コンピュータ処理上で第1次サブ空間と第2次サブ空間とが混在した状態となる。これを整理統合するために、前述した併合、拡張を実行して第1、第2の荷物D1、D2の回りの空き空間を直方体のサブ空間で区分し直したサブ空間に作り直す。そして、第1〜第3のサブ空間S1〜S3に対して48通りの挿入パターンで試行する毎に、整理し直したサブ空間を生成して、この作り直したサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間の容積を求める。そして、第1〜第3のサブ空間S1〜S3に対して48通りの挿入パターンの試行が全て完了したら、第2の荷物グループD2を各サブ空間S1〜S3に対して各挿入パターンで挿入することに伴って生成される挿入後最大サブ空間の大小を比較して、最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法が選択される。この挿入方法には、第2荷物グループD2を挿入する第1次サブ空間及びこれに対する挿入パターンが含まれる。勿論、各挿入パターンの挿入試行毎に生成される複数のサブ空間の大きさを記憶しておき、全ての挿入パターンの挿入試行が完了した後に、最も大きなサブ空間を求めて、この挿入後最大サブ空間を生成する挿入パターンを選択して、これを決定するようにしてもよい。
【0034】
次に挿入する第3荷物グループ以降についても、上記第2荷物グループD2と同様の手法で挿入試行が行われる。すなわち既に挿入した第1、第2挿入グループD1、D2によって積み込むべき荷物の数が減っていることから、残存する荷物の数、その種類で生成可能な荷物グループのうち、最も大きな荷物グループが選択され、この選択した荷物グループを、第2荷物グループD2を挿入した後に整理し直した複数のサブ空間の各々に挿入する試行が行われる。この挿入試行は、前述した48通りの挿入パターンの全てのパターンで行われ、その結果得られた最も効率的な挿入方法が選択される。この最も効率的な挿入方法の選択は、前述した併合、拡張の考えを導入して第1〜第3の荷物グループD1〜D3を挿入した後の空き空間を分割し直したサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法が選択され、そして決定される。
【0035】
以上の手順を繰り返すことで、積み込むべき荷物の数が減少し且つ荷積みできる空間も小さくなる。そして、荷物グループの概念に単一の荷物を含んでいることから、最終的に、積み込むべき荷物が無くなるまで又は挿入可能な空き空間が無くなるまで上記の手順を繰り返すことで主空間2に対する荷物グループDの挿入試行が終わる。
【0036】
そして、主空間2に対する荷物グループDの挿入試行が完了したら、具体的に荷物をトラックやコンテナに積み込む順序及び個々の荷物の積み込み位置、荷物の回転状態を特定した荷積みの手引きつまり荷積みプランが作成される。これは、上述した挿入試行の結果得られた第1荷物グループD1、次の第2荷物グループD2、それ以降の荷物グループの各々の挿入位置、回転状態、各荷物グループを構成する荷物1のサイズなどに基づいて容易に荷積みプランを作ることができる。
【0037】
以上のことを前提として、図13、図14のフローチャートに基づいて実施例の荷積みプラン作成方法及びプログラムの手順を詳しく説明する。先ず図13を参照して、ステップS1で、容器に積載すべき各種の荷物1のデータの読み込みが行われる。荷物1のデータとしては、例えば荷物1が複数種類の段ボール箱であれば、各種の段ボール箱の縦×横×高さ寸法つまり(x,y,z)の数値及び個数を含む。次いで、ステップS2で容器の主空間2(例えばトラックの荷室)の縦×横×高さ寸法つまり(x,y,z)数値の読み込みが行われる。これら荷物1の個数及び(x,y,z)の数値及び主空間2の(x,y,z)の数値は、PCに接続したキーボードなどの入力手段を使って入力してもよいし、他のPCで生成したデータを流用するようにしてもよい。
【0038】
次のステップS3では、上記ステップS1で取得した荷物1のデータに基づいて荷物1のグループ化が行われる。このグループ化は、縦寸法、横寸法、高さ寸法の全てが同じ荷物1に関し、これを図4〜図8を参照して説明した手法で作成可能な全ての荷物グループDの群が作成される。この荷物グループDの群には荷物1が単一の場合も含まれる。上述したように例えば第1荷物グループD1の挿入試行が完了してその挿入方法が決定されると、この第1荷物グループD1を構成した荷物1の群は、積載すべき荷物1の群から削除すべきであり、これを取り除いた荷物1の群で生成可能な荷物グループDが概念上出現する。本実施例では、これらを全て包含する荷物グループをステップS3で予め作成することにしているが、先行する荷物グループDの挿入試行が完了したら、その後に、後続の荷物グループ群を作成して、この荷物グループの群の中から次に挿入すべき荷物グループDを選択するようにしてもよい。
【0039】
次のステップS4において、作成した荷物グループDは下記のルールに従って「大きい」順に並び替えが行われる。
(a)第1義:直方体又は立方体形状である荷物グループDの大小は、容積の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(b)第2義:第1義で同一と判断されたときには、三辺のうち最も長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
(c)第3義:第1義、第2義が同一と判断されたときには、三辺のうち第2番目に長い辺の比較で「大きい」「小さい」を決定する。
【0040】
次のステップS5において、主空間2に挿入可能な大きさの荷物グループのうち最も大きな荷物グループD1が選択され、この荷物グループD1に関して上述した48通りの挿入パターンで主空間2に対する挿入が試行される(ステップS6)。
【0041】
そして、各挿入パターン毎に第1次サブ空間S1〜S3を生成し、その中で最も大きいサブ空間の容積を求めて、これを記憶する(ステップS7)。そして、48通りの全ての挿入パターンの試行が完了したら、ステップS8〜ステップS9に進んで、ステップS7で求めた各挿入パターン毎の最も大きいサブ空間を比較して、最も大きいサブ空間を生成する挿入パターンを求め、主空間2に対する第1荷物グループD1及びその挿入方法(挿入位置及び回転状態など)を決定する(ステップS9)。
【0042】
上記ステップS9において、主空間2に対する荷物グループD1の好ましい挿入位置が例えば2カ所存在する場合には、主空間2の下面に接する部位を優先して選択するのが好ましく、また、主空間2の奥(トラックの荷室を例示すれば、荷室の奥)を優先して選択するのがよい。
【0043】
図14を参照して、次のステップS10では、既に決定した第1荷物グループD1を構成する荷物1を除いた、残存する荷物グループDの中で、既に決定した第1荷物グループD1を主空間2に挿入することに伴って生成される第1〜第3サブ空間S1〜S3に挿入可能な荷物グループD2が選択される。この選択は、サブ空間S1〜S3のうち最も大きなサブ空間に挿入可能な荷物グループD2を選択するのが好ましく、選択した荷物グループD2が挿入可能なサブ空間に対して以下の挿入試行がステップS11以降で実行される。
【0044】
先ず、ステップS10で選択した第2荷物グループD2を一つの第1次のサブ空間(例えば第1サブ空間S1)に挿入し、次いでステップS12で、この挿入した第1次の第1サブ空間S1に第2次のサブ空間を生成した後、ステップS13で、この第2次サブ空間及び他の第1次サブ空間(S2、S3)を併合、拡張処理することにより区分し直した複数のサブ空間を生成する。そして、次のステップS14で、この作り直した複数のサブ空間のうち、最も大きなサブ空間(挿入後最大サブ空間)を求め、これを記憶させる。
【0045】
この第1サブ空間S1に対して48通りの挿入試行が完了するとステップS15からステップS16に進み、更にステップS11に戻って、次のサブ空間(例えば第2サブ空間S2)に第2荷物グループD2を挿入する試行が行われる(ステップS12〜S15)。この第2サブ空間S2に対して48通りの挿入パターンの全ての試行が完了したら、次の第1サブ空間S3に対して第2荷物グループD2を挿入する試行が行われ、この第3サブ空間S3に対して48通りの挿入パターンの全ての試行が完了するとステップS17に進んで、上記ステップS14で各挿入試行毎に記憶した複数の挿入後最大サブ空間のうち最も大きなサブ空間を生成する挿入方法(挿入するサブ空間S1〜S3の特定、その挿入位置、回転状態)を求め、これを決定する。
【0046】
この第2荷物グループD2の最も効率的な挿入位置、回転状態などの決定は、例えば第2荷物グループD2の各挿入試行毎に、その挿入位置及び回転状態、挿入後の空き空間を整理し直したサブ空間の大きさを記憶しておき、第2荷物グループD2の全ての挿入試行の後に、最も大きなサブ空間を生成する挿入方法を決定するようにしてもよい。この場合には、この挿入方法から第2荷物グループD2の挿入位置、回転状態のデータを取り込み、ステップS11では、このデータに基づいて、第1、第2荷物グループD1、D2を挿入後の空き空間を直方体又は立方体形状の区分し直したサブ空間を生成し、これをN次サブ空間としてステップS11以降の処理を行うようにしてもよい。
【0047】
そして、次のステップS18で残存する荷物グループDの有無を確認し、また、次のステップS19で挿入可能なサブ空間の有無を確認した後に、ステップS10に戻って第3挿入グループの選定及びこれに続いて上述した第2荷物グループD2の各挿入パターン、挿入位置毎に区分し直した複数のサブ空間の各々に対して48通りの挿入試行が行われ、ステップS14で各挿入試行毎に記憶した複数の最も大きなサブ空間のうち最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求め、これを決定する。
【0048】
以後、残存する荷物グループに対しても同様の処理が実行され、残存する荷物グループがゼロ又は挿入可能なサブ空間が無くなるまで次々と荷物グループの挿入試行が実行される。
【0049】
なお、選定した荷物グループDがサブ空間に挿入可能か否かを判定は次の(a)〜(c)の判定基準に従う。
【0050】
(a)選定した荷物グループDの三辺のうち最も長い辺(最大辺)がサブ空間の最大辺以下である。
(b)選定した荷物グループDの三辺のうち二番目に長い辺(中間辺)がサブ空間の中間辺以下である。
(c)選定した荷物グループDの三辺のうち最も短い辺(最小辺)がサブ空間の最小辺以下である。
【0051】
もし、挿入後最大サブ空間の容積が同じ挿入パターンが複数存在する場合には、挿入位置が最も下及び奥となる挿入位置が優先して選択される。
【0052】
ステップS20において、上記の手順によって決定した第1から第Nの荷物グループ、各荷物グループの挿入位置、回転状態に基づいて、各荷物1の積み込み位置、その回転状態及び積み込み順序を含む荷積みプランが作成され、この荷積みプランはコンピュータから出力されてモニタに表示され、また、必要に応じてプリンタで紙に印刷される。勿論、ファイルとして保存及び/又は出力してもよい。
【0053】
このように、荷積みすべき複数の荷物1のサイズや個数などを入力することで、この複数の荷物1を積み込む荷積み順序やその積み込み位置などを含む荷積みプランを作成することができるため、トラックなどの手配などを含めた出荷計画を立案するのが容易になる。また、トラック、コンテナ、パレットに荷積みする作業員は、上記荷積みプランに従って複数の荷物1の各々をトラックなどに積み込むだけで、高い積載効率の荷積みが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】直方体の荷物(段ボール箱などの荷物)の6通りの回転状態を説明するための図である。
【図2】トラック、コンテナ、パレットなどに荷物を積載する空間(主空間)に荷物を挿入することにより生成される3つの直方体形状のサブ空間を説明するための図である。
【図3】トラック、コンテナ、パレットなどに荷物を積載する空間(主空間)や直方体形状のサブ空間に対する荷物の8つの挿入位置を説明するための図である。
【図4】6個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図5】5個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図6】4個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図7】3個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図8】2個の荷物をグループ化するときの様々な配列状態を説明するための図である。
【図9】主空間又はサブ空間に挿入した荷物(荷物グループ)によって満たされた場合に主空間又はサブ空間の消失を説明するための図である。
【図10】隣接する2つのサブ空間同士の併合を説明するための図である。
【図11】隣接する2つのサブ空間同士の拡張を説明するための図である。
【図12】サブ空間に荷物(荷物グループ)を挿入した場合に第2次のサブ空間が生成されることを説明するための図である。
【図13】本発明の荷積みプラン作成方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】図13と同様に、本発明の荷積みプラン作成方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 荷物
2 主空間(例えばトラックの荷室)
3 サブ空間
D 荷物グループ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法。
【請求項2】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法。
【請求項3】
前記立方体又は直方体形状の主空間及びサブ空間に挿入する位置が、該主空間又はサブ空間の8つの頂点の一つの頂点と前記荷物グループの頂点を一致させ且つ該主空間又はサブ空間の一つの頂点で交わる該主空間の三つの辺と前記荷物グループの対応する辺とを一致させた8通りの挿入位置である、請求項1又は2に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項4】
前記第5工程で行われる前記サブ空間の区分のし直しが、前記荷物グループの挿入に伴って生成されたサブ空間を併合及び/又は拡張することによりサブ空間を整理し直すことを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項5】
前記荷物グループが、前記主空間又は前記サブ空間に挿入可能な最大の荷物グループである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項6】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラム。
【請求項7】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラム。
【請求項8】
前記複数の荷物のサイズ及び前記主空間のサイズが前記コンピュータに接続された入力手段によって前記コンピュータに入力される、請求項6又は7に記載の荷積みプラン作成プログラム。
【請求項1】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法。
【請求項2】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプラン作成方法であって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1工程と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2工程と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求める第3工程と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4工程と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5工程を反復することにより、前記主空間に対する荷積み方法を決定することを特徴とする荷積みプラン作成方法。
【請求項3】
前記立方体又は直方体形状の主空間及びサブ空間に挿入する位置が、該主空間又はサブ空間の8つの頂点の一つの頂点と前記荷物グループの頂点を一致させ且つ該主空間又はサブ空間の一つの頂点で交わる該主空間の三つの辺と前記荷物グループの対応する辺とを一致させた8通りの挿入位置である、請求項1又は2に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項4】
前記第5工程で行われる前記サブ空間の区分のし直しが、前記荷物グループの挿入に伴って生成されたサブ空間を併合及び/又は拡張することによりサブ空間を整理し直すことを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項5】
前記荷物グループが、前記主空間又は前記サブ空間に挿入可能な最大の荷物グループである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の荷積みプラン作成方法。
【請求項6】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に最も大きな挿入後最大サブ空間を求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、各荷物グループ毎に全ての挿入試行が完了した後に、各挿入試行毎に求めた挿入後最大サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラム。
【請求項7】
トラック、コンテナ、パレットなどの荷物を積載する立方体又は直方体形状の主空間に、立方体又は直方体形状の複数の荷物を積み込む荷積みプランを生成するためにコンピュータに下記の手順を実行させるための荷積みプラン作成プログラムであって、
前記複数の荷物のうち同じサイズの荷物を、一個を含む様々な個数で且つ様々な配列状態でグループ化して荷物グループを生成する第1手順と、
前記荷物グループを主空間に様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行う第2手順と、
各挿入試行毎に、前記荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状のサブ空間で区分し、各挿入試行毎に生成されるサブ空間の大きさを求める第3手順と、
前記挿入試行が全て完了した後に、各挿入試行毎に求めた各サブ空間の大きさを比較して最も大きな挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第4手順と、
前記荷物グループを挿入する毎に、前記主空間に挿入した荷物グループの回りの空き空間を立方体又は直方体形状の複数のサブ空間で区分し直して、該区分し直した各サブ空間に対して様々な回転状態で且つ挿入位置を異ならせて挿入する試行を行って最も大きな挿入後最大サブ空間を求め、該挿入後最大サブ空間を生成する挿入方法を求める第5手順とを含み、
該第5手順を反復して、前記主空間に積載すべき荷物が無くなる又は荷物を挿入すべき空き空間が無くなったときに、前記第4手順及び前記第5手順で求めた挿入方法に従って前記荷物を荷積みする荷積みプランを生成する第6手順を有することを特徴とする荷積みプラン作成プログラム。
【請求項8】
前記複数の荷物のサイズ及び前記主空間のサイズが前記コンピュータに接続された入力手段によって前記コンピュータに入力される、請求項6又は7に記載の荷積みプラン作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−297146(P2007−297146A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124579(P2006−124579)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(399063415)株式会社インテージ (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(399063415)株式会社インテージ (4)
【Fターム(参考)】
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