説明

荷重分担面積算定方法及び荷重分担面積算定プログラム

【課題】少なくとも1つの角部の内角が180度以上である多角形スラブ、又は内部に支持部材を有するスラブの分割線を、精度よく求める。
【解決手段】先ず、内角が180度以上の角部を有するスラブの算定範囲候補設定工程12で、スラブの周辺と角部のそれぞれについて、荷重を分担する可能性があるスラブ面積の最大範囲となる算定範囲候補を設定する。次に、分割線候補算出工程14で、算定範囲候補内において、任意の周辺及び角部と等距離にある点の集合である分割線候補をそれぞれ算出する。次に、リスト作成工程16で、算定範囲候補設定工程と分割線候補算出工程を実行して算出された、分割線候補のリストを作成する。最後に、分割線決定工程18で、分割線候補のリストの中から、周辺及び内角が180度以上の角部に距離が最も近いものを分割線とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重分担面積算定方法及び荷重分担面積算定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スラブ支持架構の設計においては、スラブ支持部材である柱や梁について、それぞれが分担する荷重を正確に把握することが重要である。スラブ支持部材の分担する荷重は、「スラブ上の任意の荷重は最も近いスラブ支持部材に支持される。」というルールに基づいて算出されるのが合理的である。スラブの形状が矩形等の単純な場合には、簡単な作図で各スラブ支持部材の境界線となる分割線(亀甲分割線)を求めることができる。そして、求められた分割線から、各スラブ支持部材が分担するスラブ面積を求めることができ、スラブ面積とスラブの単位面積当りの質重の積から、各スラブ支持部材が分担する荷重を求めることができる。
【0003】
例えば、図24に示すように、周囲から4本の梁81〜84で支持されている長方形のスラブ80においては、先ず、角部に上記ルールを適用し、それぞれの角部を2分する位置(角度α)に分割線86を引くことができる。次に、内部に上記ルールを適用し、対向する梁81と梁83の中間に分割線88を引くことができる。このように、簡単に分割線86、88が求められる。
この結果、例えば網掛けがされた範囲Aは、最も近い梁81が支持することが分かり、範囲Aとスラブの単位面積当りの質重の積から梁81が分担する荷重を算出できる。
【0004】
しかし、例えば多角形スラブなど変化に富んだ床形状や、スラブの中央部を独立した柱で支持する場合などは、上記ルールを適用して簡易な作図方法で亀甲分割を行うことはできない。このため、スラブ形状を単純にしたり、スラブ支持部材に余裕を持たせた過大な設計を行うなど、計画の自由度や経済的な架構設計の点から問題があった。
【0005】
そこで、多角形スラブに適用できる分割手法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1の分割手法は、図25に示すように、第1分担プロセスとして、多角形スラブ92を第1図形とし図形F1で示し、図形F1の梁が架けられる周辺を第1基線L1、柱が建てられる角部をK1とする。そして、各第1基線L1から平行に距離dxだけ内側に第2基線L2を設け、第2基線L2の交点を頂点K2とする。第2基線L2で囲まれる範囲を第2図形F2とする(図25(A))。
【0006】
次に、第2図形F2の頂点K2と、第1図形F1との頂点K1の数が異なる位置まで距離dxを増大させ、対応する頂点K1と頂点K2を結ぶ分割線Vを引く(図25(B))。
次に、第2分担プロセスとして、第2図形F2が、四角形以上の多角形の場合には、第2図形F2を新たな第1図形F1として第1分担プロセスを実行する。実行後の新たな第2図形F2が点、線又は三角形となった時点で、第1プロセスを終了する(図25(C))。
【0007】
第2図形F2が点となった場合には、第1基線L1と各分割線Vで囲まれた範囲を荷重分担範囲Aとする。第2図形F2が線となった場合には、第1基線L1、線となった第2基線L2、及び各分割線Vで囲まれた範囲を荷重分担範囲Aとする。第2図形F2が三角形となった場合には、三角形に対する内接円Sの中心Pから三角形の頂点K2にそれぞれ分割線Vを引き、第1基線L1と各分担線Vで囲まれた範囲を荷重分担範囲Aとする(図25(D))。
【0008】
しかし、特許文献1は分割線を直線近似で求める方式であり、少なくとも1つの角部の内角が180度以上の頂点を有する多角形スラブや内部を独立した支持部材で支持されたスラブに適用した場合、必ずしも精度の良い結果が得られるとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−34980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事実に鑑み、少なくとも1つの角部の内角が180度以上である多角形スラブ、又は内部に支持部材を有するスラブの分割線を、精度よく求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明に係る荷重分担面積算定方法は、スラブの周辺と、少なくとも1つの内角が180度以上とされた前記スラブの角部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定方法であって、前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部を構成する前記周辺の前記算定範囲候補を除いた前記スラブ側の範囲を、前記角部の算定範囲候補と設定する算定範囲候補設定工程と、前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の前記角部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の他の前記角部との間で、前記角部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する分割線候補算出工程と、全ての前記周辺、及び内角が180度以上の全ての前記角部について、前記算定範囲候補設定工程と前記分割線候補算出工程を実行し、分割線候補のリストを作成するリスト作成工程と、前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び内角が180度以上の前記角部に距離が最も近いものを分割線とする分割線決定工程と、を有することを特徴としている。
【0012】
これにより、内角が180度以上の角部を少なくとも1つ有するスラブにおいて、分割線を求めることができる。このとき、周辺と、内角が180度以上の角部の間の分割線は曲線となる。これにより、直線で近似させた場合に比べ、荷重分担面積を精度よく求めることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の荷重分担面積算定方法において、一の前記周辺と、内角が180度以上の前記角部から等距離にある前記分割線候補が放物線であることを特徴としている。
このように、周辺と、内角が180度以上の角部の間の分割線を放物線とすることにより、直線で近似させた場合に比べ、荷重分担面積を精度よく求めることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明に係る分担する荷重分担面積算定プログラムは、スラブの周辺と、少なくとも1つの内角が180度以上とされた前記スラブの角部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定プログラムであって、前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部を構成する前記周辺の前記算定範囲候補を除いた前記スラブ側の範囲を、前記角部の算定範囲候補と設定する手順と、前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の前記角部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の他の前記角部との間で、前記角部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する手順と、
全ての前記周辺、及び内角が180度以上の全ての前記角部について、算定範囲候補を設定する手順と分割線候補を算出する手順を実行し、分割線候補のリストを作成する手順と、前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び内角が180度以上の前記角部に距離が最も近いものを分割線とする手順と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の分担する荷重算定プログラムを用いることにより、内角が180度以上の角部を少なくとも1つ有するスラブにおける分割線を、コンピュータで求めることができる。これにより、荷重分担面積の算定処理時間が短縮される。
【0016】
請求項4に記載の発明に係る荷重分担面積算定方法は、スラブの周辺、及び前記スラブの内部に設けられた内部支持部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定方法であって、前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、前記内部支持部においては、前記算定範囲候補を、前記内部支持部の全周囲に設定する算定範囲候補設定工程と、一の前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び前記内部支持部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、一の前記内部支持部においては、一の前記内部支持部の前記算定範囲候補内にある、前記周辺及び他の前記内部支持部との間で、一の前記内部支持部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する分割線候補算出工程と、全ての前記周辺、及び全ての前記内部支持部について、前記算定範囲候補設定工程と前記分割線候補算出工程を実行し、分割線候補のリストを作成するリスト作成工程と、前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び前記内部支持部に距離が最も近いものを分割線とする分割線決定工程と、を有することを特徴としている。
【0017】
これにより、スラブの内部を内部支持部で支持され、スラブの周囲を周辺及び角部で支持されたスラブの分割線を求めることができる。このとき、周辺と、内部支持部の間の分割線は曲線となる。これにより、直線で近似させた場合に比べ、荷重分担面積を精度よく求めることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の荷重分担面積算定方法において、前記内部支持部が、前記スラブを点状、線状、又は面状に支持することを特徴としている。
これにより、内部に多様な形状の支持部を有するスラブについて、分割線を求めることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明に係る分担する荷重分担面積算定プログラムは、スラブの周辺、及び前記スラブの内部に設けられた内部支持部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定プログラムであって、前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、前記内部支持部においては、前記算定範囲候補を、前記内部支持部の全周囲に設定する手順と、一の前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び前記内部支持部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、一の前記内部支持部においては、一の前記内部支持部の前記算定範囲候補内にある、前記周辺及び他の前記内部支持部との間で、一の前記内部支持部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する手順と、全ての前記周辺、及び全ての前記内部支持部について、算定範囲候補を設定する手順と分割線候補を算出する手順を実行し、分割線候補のリストを作成する手順と、前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び前記内部支持部に距離が最も近いものを分割線とする手順と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0020】
請求項6に記載の分担する荷重分担面積算定プログラムを用いることにより、スラブの内部を内部支持部で支持され、スラブの周囲を周辺で支持されたスラブの分割線をコンピュータで求めることができる。これにより、荷重分担面積の算定処理時間が短縮される。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記構成としてあるので、少なくとも1つの角部の内角が180度以上である多角形スラブ、又は内部に支持部材を有するスラブの分割線を、精度よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスラブの基本形状を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法の算出工程を示すフロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法の算定範囲候補の基本的な算定方法を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るスラブにおける算定範囲候補の算出例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線候補の基本的な算出方法を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線候補の基本的な算出方法を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線の算出例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線の算出結果を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るスラブの基本形状を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法の算出工程を示すフロー図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る内部支持部の形状を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る内部支持部の算定範囲候補の範囲を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るスラブにおける内部支持部の算定範囲候補の範囲を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る内部支持部における算定範囲候補の基本的な算出方法を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る内部支持部における算定範囲候補の基本的な算出方法を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線候補の算出例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線の算出結果を示す図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る荷重分担面積算定プログラムの算定手順を示すフロー図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る荷重分担面積算定プログラムの算定手順を示すフロー図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係るスラブの基本構成を示す図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法の算出工程を示すフロー図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線の決定例を示す図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法における分割線の決定結果を示す図である。
【図24】従来例の分割線の決定方法を示す図である。
【図25】従来例の分割線の決定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法は、図1に示すように、少なくとも1つの内角が180度以上とされたスラブ10を、スラブ10の周辺22、23、24、25、26、27に設けられた梁と、スラブの角部A、B、C、D、E、Fに設けられた柱が支持する構成において、周辺22、23、24、25、26、27と角部A、B、C、D、E、Fが、それぞれ分担するスラブ10の荷重分担面積を算定する方法である。このため、荷重を分担する部位を、スラブ10の形状に沿った表現のまま周辺、角部と記載し、それらを支持する梁、柱の架構については言及しない。
【0024】
スラブ10は、鉄筋コンクリート製のフラットスラブであり、角部Dの内角が180度以上とされ、角部A、B、E、Fは90度である。中央部には、スラブ10を支持する柱や梁は設けられていない。
荷重分担面積の算定は、「スラブ上の任意の荷重は最も近いスラブ支持部材に支持される。」というルールに基づいて、図2の工程に従って行われる。
【0025】
先ず、内角が180度以上の角部を有するスラブの算定範囲候補設定工程12で、スラブ10の周辺22、23、24、25、26、27と、角部A、B、C、D、E、Fのそれぞれについて、荷重を分担する可能性があるスラブ面積の最大範囲となる、算定範囲候補を設定する。
【0026】
算定範囲候補を設定する際の基本的な考え方は、図3(A)に示すように、スラブ10の周辺N1については、スラブ10側であり周辺N1と直交し、周辺N1の一方の端部である始点Pから他方の端部である終点Qまでの範囲を、算定範囲候補N1A(網掛範囲)とする。
【0027】
図3(B)に示すように、スラブ10の角部S1の内角α1が180度以上の場合は、角部S1を構成する周辺N2、N3の算定範囲候補N2A、N3Aを除いたスラブ側の範囲を、角部S1の算定範囲候補SA(網掛範囲)とする。
【0028】
図3(C)に示すように、スラブ10の角部S2の内角α2が180度以下の場合は、角部S2を構成する周辺N2、N3の算定範囲候補N2A、N3Aが、角部S2の全範囲をカバーするため、角部S2の算定範囲候補を求める必要はない。
【0029】
図4(A)に示すように、スラブ10に上記ルールを適用すると、周辺22については、角部A、Bが90度であるため、スラブ10の全範囲(網掛範囲)が算定範囲候補22Aとなる。
また、図4(B)に示すように、周辺24については、角部Cの内角が180度より小さく、角部Dの内角が180度より大きいため、スラブ10側であり周辺24と直交し、角部Cから角部Dまでの範囲(網掛範囲)が算定範囲候補24Aとなる。他の周辺23、25、26、27も同様の方法で求めることができる。
【0030】
角部A、B、C、D、E、Fにおいては、内角が180度以下の場合は、周辺22、23、24、25、26、27の算定範囲候補に含まれてしまうため、独立して求める必要はない。
【0031】
しかし、図4(C)に示すように、内角が180度以上の角部Dにおいては、角部Dを構成する周辺24、25の算定範囲候補24A、15Aを除いたスラブ側の範囲(網掛範囲)が、角部Dの算定範囲候補DAとなる。
【0032】
次に、分割線候補算出工程14で、算定範囲候補内において、任意の周辺22、23、24、25、26、27、及び角部A、B、C、D、E、Fとの間において、等距離にある点の集合である分割線候補を、それぞれについて順次算出する。
【0033】
基本的な考え方は、図5(A)に示すように、周辺N4、N5で挟まれた範囲では、周辺N4、N5と等距離にあるスラブ10上の点の集合が分割線候補M1となる。
また、図5(B)に示すように、周辺N4、N6で挟まれたスラブ10の角部S3の場合には、周辺N4、N6と等距離にある点、即ち角部S1を角度α3で2分する点の集合が分割線候補M2となる。
【0034】
また、図5(C)に示すように、周辺N4と、内角が180度以上の角部S4との間では、周辺N4と角部S4から等距離にある点の集合が分割線候補M3となる。このとき、分割線候補M3は放物線となる。
なお、算定範囲候補を外れた範囲では意味を持たないため、分割線候補M1、M2、M3は、周辺N4、N5,N6、N7、N8の算定範囲候補内においてのみ求めればよい。
【0035】
分割線候補は、スラブ10の内部であるという限界の他に、隣接する周辺や対向する周辺との関係で分担範囲が決定される。このため、分割線候補の範囲を決定する。
図6(A)に示すように、基本的な考え方としては、例えば周辺N1においては、先ず、分割線候補の範囲を決定する方向を、例えば矢印D1の方向に定める。そして、定められた方向に従い分割線候補の範囲を順次決定する。即ち、周辺N1の端部Oから中間点aの間においては、周辺N2との間で分割線候補K1が決定され、続いて中間点aから中間点bの間においては、対向する他の周辺との間で分割線候補K2が決定される。
【0036】
また、図6(B)に示すように、内角が180度以上の角部S1においても、分割線候補の範囲を決定する方向を、例えば矢印D2の方向に定め、対向する他の周辺や角部との間で分割線候補の範囲を順次決定する。このとき、角部S1と周辺が始点aから終点bの範囲で対向したときは、分割線候補K2は曲線(放物線)となる。
【0037】
図6(C)に示すように、分割線候補K1、K3が交差する場合には、交点R1で分割され、周辺や角部に最も近い分割後の分割線候補K1、K3が、それぞれ採用される。
【0038】
図7に示すように、スラブ10の周辺22について、分割線候補を矢印D1の方向に求めると、始点は角部Aであり、周辺27との中間点が分割線候補AIとなる。周辺26との間においては、中間点は分割線候補AIより遠い位置となるため、採用しない。周辺25との間では直交しており重複する範囲がないため、算出しない。角部Dとの間では、放物線の一部である分割線候補IHとなる。周辺24との間では、中間点が分割線候補HGとなる。終点は角部Bであり、周辺24との中間点が分割線候補GBとなる。よって、これらを連ねた分割線候補AIHGB(網掛範囲)を得ることができる。
【0039】
同様の手順で、周辺23、24、25、26、27及び角部Dについて、分割線候補を求める。
次に、リスト作成工程16で、算定範囲候補設定工程と分割線候補算出工程を実行して算出された、全ての前記周辺22、23、24、25、26、27、及び角部Dについての分割線候補のリストを作成する(図示は省略)。
【0040】
最後に、図8に示すように、分割線決定工程18で、分割線候補のリストの中から、周辺22、23、24、25、26、27、及び角部Dに距離が最も近いものをそれぞれ選択し、分割線とする。
【0041】
これにより、内角が180度以上の角部Dを少なくとも1つ有するスラブにおいて、分割線を求めることができる。また、角部Dとの間の分割線を放物線とすることで、直線で近似させた場合に比べ、荷重分担面積を精度よく求めることができる。
そして、求められた分割線から、周辺22、23、24、25、26、27、及び角部Dが分担するスラブ面積を求めることができ、スラブ面積とスラブの単位面積当りの質重の積から、それぞれが分担する荷重を求めることができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法は、図9に示すように、内部に開口部70が設けられたスラブ60を、スラブ60の周辺62、64、66、68、開口部70の周辺(内部周辺)72、74、76、及び開口部70の角部(内部角部)K、L、Mが支持する構成において、スラブ60の周辺62、64、66、68、内部周辺72、74、76、及び内部角部K、L、Mがそれぞれ分担する荷重分担面積を算定する方法である。
【0043】
スラブ60は、鉄筋コンクリート製のフラットスラブであり、矩形に形成され、内部には三角形の開口部70が設けられている。内部周辺72、74、76及び内部角部K、L、Mは、スラブ60の周辺62、64、66、68とは独立してスラブ60を支持している。
荷重分担面積の算定は、図10に示す工程で行われる。第1の実施の形態と基本的には同じであり、同じ部分の説明は省略する。
【0044】
先ず、内部支持部を有するスラブの算定範囲候補設定工程52において、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定する。スラブ60の周辺62、64、66、68、及びスラブ60の角部G、H、I、Jについては、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0045】
なお、内部支持部には、図11に示すように、柱63で点状にスラブ60を支持する点支持部(図11(A))、梁65で線状にスラブ60を支持する線支持部(図11(B))、複数の梁67を組み合わせて面状にスラブ60を支持する面支持部がある。また、面支持部には、スラブ60の面支持部の内部に開口部が設けられていない場合(図11(C))と、開口部70が設けられている場合(図11(D))がある。
【0046】
独立してスラブ60を支持する点において内部支持部の機能は同じであり、複数の梁67で支持された面支持部の内部に開口部70が設けられたスラブ60(図12(D))を中心に説明する。なお、荷重を分担する部位を、開口部70の形状に沿った表現のまま開口部70の内部周辺72、74、76、内部角部K、L、Mと記載し、それらを支持する梁、柱の架構については言及しない。
【0047】
スラブ60の角部G、H、I、Jはいずれも内角が180度以下であり、周辺62、64、66、68の分担範囲に含まれるため、算定範囲候補の設定は行わない。なお、内部に支持部を備え、内角が180度以上の角部を有するスラブについては後述する。
【0048】
図12に示すように、内部支持部における算定範囲候補を設定する際の基本的な考え方は、点支持部13においては、点支持部63の全周囲が設定範囲となり(図12(A))、線支持部65においては、線支持部65の全周囲が設定範囲となり(図12(B))、面支持部67においては、面支持部67の全周囲が設定範囲となる(図12(C)(D))。
【0049】
具体的には、図13(A)に示すように、内部周辺72の分担範囲は、内部周辺72と直交する方向にスラブ側へ、内部周辺72の始点Kから終点Lの範囲に渡り、算定範囲候補72Aを設定する。他の内部支持部74、76についても同様の方法で、算定範囲候補74A、76Aを設定する。
【0050】
図13(B)に示すように、内部角部K、L、Mについては、内部角部Lからスラブ側へ、内部周辺72の算定範囲候補72Aと、内部周辺74の算定範囲候補74Aを除いた範囲を内部角部Lの算定範囲候補LAとして設定する。同様の方法で、他の内部角部K、Mについても算定範囲候補KA、MAを設定する。
【0051】
次に、分割線候補算出工程54で、算定範囲候補内において、任意の周辺62、64、66、68、内部周辺72、74、76、及び内部角部K、L、Mと等距離にある点の集合である分割線候補を、それぞれ算出する。
【0052】
図14(A)に示すように、基本的な考え方は、点支持部P1の場合には、周囲の全範囲が算定範囲候補となり、点支持部P1から任意に設けたP1−O線から矢印D1の方向に、算定範囲候補を設定する。例えば、対向する1つの周辺の始点aから終点bの範囲で分割線候補K1を設定する場合には、点支持部P1と周辺の間の中間点である分割線候補K1は曲線(放物線)となる。
【0053】
また、図14(B)に示すように、2つの点支持部P1、P2で支持する場合には、点支持P1、P2の中央を通る直線が分割線候補M4となる。
図15(A)に示すように、線支持部N9で支持する場合には、線支持N9に直交する両側が算定範囲候補N9Aとなり、線支持部N9の端部S3では、算定範囲候補N9Aを除いた範囲が算定範囲候補S3A(網掛範囲)となる。
【0054】
そして、図15(B)に示すように、端部S3では、算定範囲候補S3Aの始点となるS3−O線から矢印D2の方向に、対向する周辺の始点aから終点bの間で、順次、分割線候補K2を設定する。
【0055】
図16(A)に示すように、スラブ60の周辺62に適用すると、分割線候補は、先ず、矢印D2の方向に算出方向が決められる。始点は角部Gであり、周辺68との中間点を求め分割線候補GNとする。周辺66との中間点も存在するが、分割線候補GNよりも遠くになるため、採用しない。次に、内部周辺76との中間点を求め分割線候補NOとする。次に、角部Kとの間では、中間点となる放物線を求め分割線候補OKとする。次に、内部周辺72との中間点を求め分割線候補PQとする。終点は角部Hであり、周辺64との中間点を求め分割線候補QHとする。よって、分割線候補GNOPQH(網掛範囲62A)が求められる。
【0056】
同様の手順で、他の周辺64、66、68、内部周辺72、74、76、及び内部角部K、L、Mについての分割線候補を求める。
次に、リスト作成工程56で、算定範囲候補設定工程と分割線候補算出工程を実行し、全ての周辺62、64、66、68、内部周辺72、74、76、及び内部角部K、L、Mについて算出された分割線候補のリストを作成する(図示省略)。
【0057】
最後に、図17に示すように、分割線決定工程58で、リストの分割線候補の中から、周辺62、64、66、68、内部周辺72、74、76、及び内部角部K、L、Mにそれぞれ距離が最も近いものを選び、分割線とする。
【0058】
これにより、スラブ60の内部を内部周辺72、74、76、内部角部K、L、Mで支持し、スラブ60の周囲を周辺62、64、66、68で支持されたスラブ60の分割線を求めることができる。
【0059】
このとき、周辺62、64、66、68と、内部角部K、L、Mの間の分割線は曲線となる。これにより、直線で近似させた場合に比べ、荷重分担面積を精度よく求めることができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る荷重分担面積算定プログラムは、第1の実施の形態図で説明した荷重分担面積算定方法を、コンピュータで求めることができるようにしたプログラムである。
プログラムの処理手順を図18に示す。なお、各手順の詳細な内容は、第1の実施の形態で説明してあり省略する。
【0061】
まず、内角が180度以上の角部を有するスラブの算定範囲候補設定手順42を実行し、図1に示すスラブ10の周辺22、23、24、25、26、27と、角部A、B、C、D、E、Fがそれぞれ分担する算定範囲候補を設定する。なお、角部Dの内角が180度以上である。
【0062】
次に、分割線候補算出手順43を実行し、周辺22、23、24、25、26、27同士、及び周辺22、23、24、25、26、27と内角が180度以上の角部Dとの間で、分割線候補をそれぞれ算出する。
次に、リスト作成手順44を実行し、算出した全ての分割線候補について分割線候補のリストを作成する。
【0063】
次に、分割線決定手順45を実行し、リストの分割線候補の中から、周辺22、23、24、25、26、27、及び角部Dに距離が最も近いものを選択し、それぞれを分割線とする。
このように、荷重分担面積算定プログラムを用いることにより、内角が180度以上の角部Dを有するスラブ10において、分割線を求めることができる。また、コンピュータを利用することにより、荷重分担面積の算定処理時間が短縮される。
【0064】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る荷重分担面積算定プログラムは、第2の実施の形態で説明した荷重分担面積算定方法を、コンピュータで求めることができるようにしたプログラムである。
【0065】
プログラムの処理手順を図19に示す。なお、各手順の詳細な内容は、第2の実施の形態図で説明してあり省略する。
先ず、図19に示すように、内部支持部を有するスラブの算定範囲候補設定手順50を実行し、内部周辺72、74、76、内部角部K、L、M、及びスラブ60の周辺62、64、66、68のそれぞれの算定範囲候補を設定する。
【0066】
次に、分割線候補算出手順51を実行し、周辺62、64、66、68、及び内部周辺72、74、76、内部角部K、L、Mとの間で、分割線候補をそれぞれ算出する。
次に、リスト作成手順52を実行し、算出した全ての分割線候補について分割線候補のリストを作成する。
【0067】
次に、分割線決定手順53で、リストの分割線候補の中から、周辺62、64、66、68、及び内部周辺72、74、76、内部角部K、L、Mに距離が最も近いものを選択し、それぞれを分割線とする。
【0068】
このように、荷重分担面積算定プログラムを用いることにより、スラブの内部を内部周辺72、74、76、内部角部K、L、Mで支持され、スラブの周囲を周辺62、64、66、68で支持されたスラブ60の、分割線を求めることができる。また、コンピュータを利用することにより、荷重分担面積の算定処理時間が短縮される。
【0069】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る荷重分担面積算定方法は、図20に示すように、スラブ34を周辺35、36、37、38、39、角部A、B、C、D、E、及び、内部に設けられた点支持部58がそれぞれ支持する構成において、それぞれが分担する、スラブ34の荷重分担面積を算定する荷重分担面積算定方法である。ここに、角部Dは内角が180度以上である。
【0070】
図21に示すように、荷重分担面積の算定手順は、先ず、内角が180度以上の角部を有し、かつ、内部支持部を有するスラブの算定範囲候補設定工程94で、周辺35、36、37、38、39、角部A、B、C、D、E、D、及び点支持部58について、それぞれの算定範囲候補を設定する。
【0071】
内角が180度以上の角部Dの設定方法については、第1の実施の形態で説明してあり、点支持部58の設定方法については、第2の実施の形態で説明してある。
次に、分割線候補算出工程95で、分割線候補を算出する。
【0072】
図22に、スラブ34の周辺35について分割線候補求めた結果を示す。先ず、矢印D3の方向に算出方向を決める。始点は角部Aであり、周辺39との中間点を求め分割線候補AFとする。次に、周辺38との中間点を求め分割線候補FGとする。次に、角部Dとの間では、中間点となる放物線を求め分割線候補GHとする。次に、周辺37との中間点を求め分割線候補HIとなる。次に、内部支持部58との中間点となる放物線を求め分割線候補IJとする。終点は角部Bであり、周辺36との中間点を求め分割線候補BJとなる。
よって、分割線候補AFGHIJB(網掛範囲35A)が求められる。
【0073】
同様の手順で、全ての周辺35、36、37、38、39、角部D、及び点支持部58について分割線候補を求める。
【0074】
次に、リスト作成工程96で、全ての周辺35、36、37、38、39、角部D、及び点支持部58について算出した分割線候補のリストを作成する。
最後に、図23に示すように、周辺35、36、37、38、39、角部D、及び点支持部58について算出した分割線候補の中から、それぞれに最も近い分割線候補を選択し、分割線とする。
【0075】
このように、内角が180度以上の角部Dを有し、かつ、内部に点支持部58を有するスラブ34においても、分割線を算出することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 スラブ
12 算定範囲候補設定工程
14 分割線候補算出工程
16 リスト作成工程
18 分割線決定工程
22 周辺
23 周辺
24 周辺
25 周辺
26 周辺
27 周辺
72 内部周辺(内部支持部)
74 内部周辺(内部支持部)
76 内部周辺(内部支持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブの周辺と、少なくとも1つの内角が180度以上とされた前記スラブの角部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定方法であって、
前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部を構成する前記周辺の前記算定範囲候補を除いた前記スラブ側の範囲を、前記角部の算定範囲候補と設定する算定範囲候補設定工程と、
前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の前記角部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の他の前記角部との間で、前記角部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する分割線候補算出工程と、
全ての前記周辺、及び内角が180度以上の全ての前記角部について、前記算定範囲候補設定工程と前記分割線候補算出工程を実行し、分割線候補のリストを作成するリスト作成工程と、
前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び内角が180度以上の前記角部に距離が最も近いものを分割線とする分割線決定工程と、
を有する荷重分担面積算定方法。
【請求項2】
一の前記周辺と、内角が180度以上の前記角部から等距離にある前記分割線候補が放物線である請求項1に記載の荷重分担面積算定方法。
【請求項3】
スラブの周辺と、少なくとも1つの内角が180度以上とされた前記スラブの角部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定プログラムであって、
前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部を構成する前記周辺の前記算定範囲候補を除いた前記スラブ側の範囲を、前記角部の算定範囲候補と設定する手順と、
前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の前記角部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、内角が180度以上の前記角部においては、前記角部の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び内角が180度以上の他の前記角部との間で、前記角部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する手順と、
全ての前記周辺、及び内角が180度以上の全ての前記角部について、算定範囲候補を設定する手順と分割線候補を算出する手順を実行し、分割線候補のリストを作成する手順と、
前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び内角が180度以上の前記角部に距離が最も近いものを分割線とする手順と、
をコンピュータに実行させるための荷重分担面積算定プログラム。
【請求項4】
スラブの周辺、及び前記スラブの内部に設けられた内部支持部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定方法であって、
前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、前記内部支持部においては、前記算定範囲候補を、前記内部支持部の全周囲に設定する算定範囲候補設定工程と、
一の前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び前記内部支持部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、一の前記内部支持部においては、一の前記内部支持部の前記算定範囲候補内にある、前記周辺及び他の前記内部支持部との間で、一の前記内部支持部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する分割線候補算出工程と、
全ての前記周辺、及び全ての前記内部支持部について、前記算定範囲候補設定工程と前記分割線候補算出工程を実行し、分割線候補のリストを作成するリスト作成工程と、
前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び前記内部支持部に距離が最も近いものを分割線とする分割線決定工程と、
を有する荷重分担面積算定方法。
【請求項5】
前記内部支持部が、前記スラブを点状、線状、又は面状に支持する請求項4に記載の荷重分担面積算定方法。
【請求項6】
スラブの周辺、及び前記スラブの内部に設けられた内部支持部が、それぞれ分担する荷重を算定するための荷重分担面積算定プログラムであって、
前記周辺においては、一の前記周辺の始点と終点から、前記スラブ側へ前記周辺と直交する方向に、分担する荷重を算定するための算定範囲候補を設定し、前記内部支持部においては、前記算定範囲候補を、前記内部支持部の全周囲に設定する手順と、
一の前記周辺においては、一の前記周辺の前記算定範囲候補内にある、他の前記周辺及び前記内部支持部との間で、一の前記周辺と等距離にある点の集合である分割線候補を算出し、一の前記内部支持部においては、一の前記内部支持部の前記算定範囲候補内にある、前記周辺及び他の前記内部支持部との間で、一の前記内部支持部と等距離にある点の集合である前記分割線候補を算出する手順と、
全ての前記周辺、及び全ての前記内部支持部について、算定範囲候補を設定する手順と分割線候補を算出する手順を実行し、分割線候補のリストを作成する手順と、
前記リストの前記分割線候補から、前記周辺、及び前記内部支持部に距離が最も近いものを分割線とする手順と、
をコンピュータに実行させるための荷重分担面積算定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−140766(P2011−140766A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−746(P2010−746)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】